本発明を説明するにあたり、名称の意味合いを説明しておく。
「特別遊技状態」としては、通常大当たりの他に、時間短縮付大当たり等を含む。
「通常状態」とは、特別遊技状態等の特別な状態を除いた状態をいう。
手段1の遊技機は:
遊技状態を統括的に制御する、バックアップ機能を有した第1の制御手段(実施の形態における主制御装置261)と、
前記第1の制御手段により開閉が制御される可変入賞装置(実施の形態における可変入賞装置32)と、
複数種類の識別情報を動的表示可能な表示装置(実施の形態における装飾図柄表示装置42)と、
前記第1の制御手段に接続され、前記第1の制御手段からの表示演出コマンドに基づいて前記表示装置を制御する、バックアップ機能を有さない第2の制御手段(実施の形態におけるサブ制御装置262)と、
を備え、
前記第1の制御手段は、
始動口への遊技球の入球を契機に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行するか否かを決定する特別遊技状態抽選手段(実施の形態における大当たり乱数カウンタC1)と、
始動口への遊技球の入球を契機に、上記特別遊技状態の種類を決定する特別遊技状態種別抽選手段(実施の形態における大当たり図柄カウンタC2)と、
を含むとともに、
前記複数の特別遊技状態の態様として、少なくとも通常遊技中に閉止されていた前記可変入賞装置を第1開放時間開放させて遊技球を入球可能とさせる第1特別遊技状態(実施の形態における通常大当たり)と、通常遊技中に閉止されていた前記可変入賞装置を前記第1開放時間よりも短い第2開放時間開放させる第2特別遊技状態(実施の形態における突然時短大当たり)と、が備えられ、
前記表示演出コマンドとして、少なくとも前記第1特別遊技状態と第2特別遊技状態の場合とで共通化され且つそのコマンドの指令により実行される演出表示の表示演出時間が第1特別遊技状態の場合よりも第2特別遊技状態の場合の方が短くなっている特定表示コマンドを備えた遊技機において、
前記第2の制御手段は、
第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とを判別可能とする判別コマンド(実施の形態における変動パターンコマンド、停止図柄コマンド等)の受信以降に電源断が発生し、その後電源復帰した場合に、前記第1の制御手段から送信される前記特定表示コマンドを記憶しておくコマンド保持手段(実施の形態におけるコマンド保持部1205)と、
前記特定表示コマンドの受信時から当該特定表示コマンドにより実行される第2特別遊技状態に関する表示演出時間より長い時間である所定時間経過するまでの間に、表示演出コマンドが受信されなかった場合に、前記所定時間経過以降に前記コマンド保持手段が保持しているコマンドを表示演出に使用する判定演出手段(実施の形態における表示復帰制御部1204)と、
を備えることを特徴とする。
「そのコマンドの指令により実行される演出表示の表示演出時間が第1特別遊技状態の場合よりも第2特別遊技状態の場合の方が短くなっている特定表示コマンド」とは、以下のこと示す。
(1)特定表示コマンドが例えば開放中コマンドの場合
第1特別遊技状態において、遊技者が1ラウンドを消化するために可変入賞装置へ所定個数の遊技球の入球に実質的に掛かる時間よりも第2特別遊技状態の開放中コマンドによる表示演出時間の方が短い特定表示コマンドをいう。
(2)特定表示コマンドが開放中コマンド以外の場合
第1特別遊技状態における表示演出時間よりも第2特別遊技状態の表示演出時間の方が短いことをいう。
「第2の制御手段」は、実施の形態のサブ制御装置262と表示制御装置45とから構成されていてもよく、また、両者の機能を併有した単一の構成手段であってもよい。
上記構成によれば、特別遊技状態の種類が判別できる判別コマンドを受信した以降に発生した電源断から電源復帰した際に、判定演出手段は第1の制御手段から送信された特定表示コマンドの受信時から時間を計測し、計測中表示演出コマンドを受信せずに第1特別遊技状態と判別可能とする所定時間、換言すれば、その受信した特定表示コマンドにより実行される第2特別遊技状態に関する表示演出時間より長い時間経過することによって、その受信した特定表示コマンドが第1特別遊技状態のコマンドとして有効であると判断できる。なぜなら、電源断の発生が、仮に第2特別遊技状態中であれば、前記所定時間経過時までに次に続く表示演出コマンドが受信され、一方、次に続く表示演出コマンドが受信されないことは、第1特別遊技状態であることを意味するので、電源断時の大当たりが第2特別遊技状態ではなく、第1特別遊技状態であると判定することが可能だからである。
このように該特定表示コマンドが有効コマンドと判断できると、該特定表示コマンドを使って、第1特別遊技状態に則した表示演出を実行させることで、遊技者の利益享受に大きく影響を及ぼす第1特別遊技状態(通常大当たり)に関して、表示装置に表示される表示演出と遊技状態を合わせることが可能となる。
なお、前記所定時間を第2特別遊技状態に関する表示演出時間よりも短い時間に設定していないのは、以下の理由による。即ち、所定時間の設定時間に関して、もし前記所定時間を、特定表示コマンドにより実行される第2特別遊技状態に関する表示演出時間よりも短い時間で設定した場合、どちらの特別遊技状態であっても、常に所定時間経過後に当該特定表示コマンドの次に続く表示演出コマンドを受信することとなり、全て第1特別遊技状態と判断されてしまい、正しい判定ができないからである。
また、前記所定時間を第2特別遊技状態に関する表示演出時間と同じに設定していないのは、以下の理由による。即ち、所定時間を特定表示コマンドにより実行される第2特別遊技状態に関する表示演出時間と同じに設定した場合、この所定時間の計測終了と、当該特定表示コマンドの次に続く第2特別遊技状態に関する表示演出コマンドの受信とが同時に発生してしまい、正常に特別遊技状態を判定できなくなるからである。
上記構成では、第1の制御手段から送信されてくる表示演出コマンドだけで実施できるため、特別遊技状態の種別が判断可能な大当たり図柄等の情報を保持する為のバックアップ装置等を第2の制御手段へ新たに設ける必要がない。また、電源復帰後における遊技状態と表示演出とを合わせることで、遊技者は大当たり状態の復帰を容易に認識でき、大入賞口への入球作業をスムーズに実行できる。その結果、大当たりによる賞球を確実に得ることができるので、遊技者の損失感を抑制する効果がある。
また、従来のコマンドを利用することにより、電源復帰処理用の新たな制御コマンドや特別遊技状態毎の開口開始信号を設ける必要もなく、コマンド等のデータを小容量化する事が可能となり、さらに、第1の制御装置から再度大当たり図柄を示すコマンドを送信する必要もなく、遊技機の開発コストを低減することができるという効果を奏する。
手段2:手段1の遊技機において、
前記第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態は、共に前記可変入賞装置を開放状態から閉止状態に至るまでの1回の遊技である1ラウンドが所定回数繰り返される遊技状態であることを特徴とする。
特別遊技状態を複数のラウンドで構成することより、多様な大当たり表示演出を行うことができる。
手段3:手段1又は手段2の遊技機において、
前記判定演出手段は、
前記特定表示コマンドの受信時から起動し、前記所定時間経過するまで計測し、所定時間経過時にそのことを告知する告知信号を出力する時間計測手段(実施の形態における時間計測部1203、タイマTM等)と、
前記所定時間経過時までに次に続く表示演出コマンドを受信した場合に、前記時間計測手段の計測動作を停止させる計測停止手段(実施の形態におけるセット/リセット部1202)と、
前記時間計測手段から告知信号が入力されると、前記コマンド保持手段が保持しているコマンドを有効と判定して有効信号を出力する判定手段(実施の形態におけるステップS1800、ステップS1801等)と、
前記判定手段から有効信号が入力されると、電源断発生時の特別遊技が第1特別遊技状態と判定して、上記コマンド保持手段に保持されている特定表示コマンドに応じた第1特別遊技状態の表示演出を実行する表示演出実行手段(実施の形態における表示演出実行部1207)と、
を有することを特徴とする。
上記構成により、時間計測手段から告知信号が入力された場合、判定手段はコマンド保持手段が保持しているコマンドを有効と判定して有効信号を出力する。これにより、電源断発生時の特別遊技が第1特別遊技状態と判定することが可能となり、第1特別遊技状態の表示演出を実行することが可能となる。これにより、大当たりの表示演出の不一致を防ぐことができる。
このように、時間計測手段から告知信号が入力された場合には、電源断発生時の特別遊技が第1特別遊技状態と判定可能な理由は以下による。即ち、電源断の発生が、仮に第2特別遊技状態(突然時短大当たり)中であれば、当該特定表示コマンドに関する第2特別遊技状態の表示演出時間経過時までに当該特定表示コマンドの次に続く第2特別遊技状態に関連する表示演出コマンドが受信されるはずであり、そのような場合は計測停止手段によって時間計測手段の計測動作が停止するので、時間計測手段から告知信号が出力されないことになり、一方、時間計測手段から告知信号が出力さるということは、そのような表示演出コマンドが受信されないことを意味するので、コマンド保持手段が保持されているコマンドを有効であり、且つ大当たりが第2特別遊技状態ではなく、第1特別遊技状態(通常大当たり)であると判定することが可能となるからである。
手段4:手段3の遊技機において、
前記特定表示コマンドは複数備えられると共に、
前記時間計測手段は、
前記複数の特定表示コマンドに対応付けられた複数のタイマ手段であって、各タイマ手段は前記所定時間をタイマ設定時間とし、当該設定時間経過時に告知信号を出力する、そのような複数のタイマ手段(実施の形態における時間計測部1203、タイマTM等)と、
前記特定表示コマンドの受信時に、前記複数のタイマ手段のうち当該特定表示コマンドに対応したタイマ手段を起動させるタイマ起動手段(実施の形態におけるタイマ起動部1200)と、
を有することを特徴とする。
上記の如く、特定表示コマンドを複数備えると共に、複数の特定表示コマンドに対応した複数のタイマ手段を設け、特定表示コマンドの受信時に、前記複数のタイマ手段のうち当該特定表示コマンドに対応したタイマ手段を起動させることによって、大当たり状態のどの時点からの電源復帰に対してでも、電源復帰後における遊技状態と表示演出の不一致を防ぎ遊技状態に合わせた表示演出が可能となる。
手段5:手段3の遊技機において、
前記特定表示コマンドは複数備えられると共に、
前記時間計測手段は、
タイマ設定時間経過時にそのことを告知する告知信号を出力するタイマ手段と、
前記複数の特定表示コマンドにそれぞれ対応する、所定時間がそれぞれ保持されている時間保持手段と、
前記特定表示コマンドの受信時に、前記時間保持手段より導出した当該特定表示コマンドに対応した前記所定時間を、タイマ設定時間としてタイマ手段を起動させるタイマ起動手段と、
を有することを特徴とする。
上記構成によっても、手段3と同様に大当たり状態のどの時点からの電源復帰に対してでも、電源復帰後における遊技状態と表示演出の不一致を防ぎ遊技状態に合わせた表示演出が可能となる。
手段6:手段1〜手段4の遊技機において、
前記所定時間は、電源復帰時に受信した当該特定表示コマンドにより実行される第2特別遊技状態に関する表示演出時間に微小時間を加えた時間であることを特徴とする。
微小時間を加えた時間を設定時間としているのは、もし設定時間を表示演出時間のみとした場合、所定時間の計測終了と、当該特定表示コマンドの次に続く第2特別遊技状態に関する表示演出コマンドの受信とが同時に発生してしまう。これを回避するために微小時間の遅延を設けて、正常に特別遊技状態を判定できるようにするためである。なお、「微小時間」とは、当該特定表示コマンドの次に続く第2特別遊技状態に関する表示演出コマンドを受信した場合に、その受信時から計測停止手段が時間計測手段の計測動作を停止させる処理動作を行なうことが可能な時間をいう。
手段7:手段1〜手段6の遊技機において、
前記コマンド保持手段は、
電源断が大当たり中に発生しその後電源復帰した場合に、前記第1の制御手段から送信される前記特定表示コマンドを記憶しておくことを特徴とする。
大当たり中の電源断からの電源復帰時であっても、送信された特定表示コマンドを保持することによって、判別コマンドを受信しなくても、大当たり中の表示演出の復帰処理を行うことが可能となる。
手段8:手段1〜手段6の遊技機において、
前記判別コマンドは、複数種類の識別情報の停止図柄を指定する停止図柄コマンドであることを特徴とする。
上記構成であれば、この停止図柄コマンドだけで大当たり種別が判別可能となるため、大当たり表示演出に係る全ての表示演出コマンドを共通化することが可能となり、メモリ使用量を抑えることができる。
手段9:手段1〜手段6の遊技機において、
前記判別コマンドは、前記特別遊技状態の開始演出を指令する大当たりオープニングコマンドであることを特徴とする。
大当たり表示演出が開始される直前での電源断からの復帰であっても、復帰後に受信されるこの大当たりオープニングコマンドが判別コマンドであれば、手段8のような停止図柄コマンド受信後の電源断であっても表示演出の復帰が可能となる。さらに、大当たりオープニングコマンド以降に受信される表示演出コマンドを共通化することが可能となり、メモリ使用量を抑えることができる。
手段10:手段4〜手段9の遊技機において、
前記複数の特定表示コマンドは、ラウンドの演出開始を指令する開放中コマンドと、特別遊技状態の終了演出を指令するエンディングコマンドであることを特徴とする。
大当たりの大部分を占めるラウンドの表示演出の開始を指令する開放中コマンドと、大当たりの表示演出の終了を指令するエンディングコマンドの2つを特定表示コマンドとすることで、大当たり状態中の殆どの時点から電源復帰からの正確な表示演出の復帰を実施することが可能となる。
手段11:手段4〜手段9の遊技機において、
前記複数の特定表示コマンドは、特別遊技状態の開始演出を指令する大当たりオープニングコマンドと、ラウンドの演出開始を指令する開放中コマンドと、特別遊技状態の終了演出を指令するエンディングコマンドであることを特徴とする。
大当たり状態となったときに第2の制御手段へ送信されるコマンドとして大当たりの開始演出を示す大当たりオープニングコマンド、大当たりの大部分を占めるラウンド遊技の表示演出を指令する開放中コマンドと、大当たりの終了演出を指令するエンディングコマンドの3種類が存在する。
手段9においては、例えば、判別コマンド受信後で且つ、大当たりオープニングコマンドを受信する前に電源断が発生した場合は、電源復帰後に大当たりオープニングコマンドが送信されたとしても、特定表示コマンドでないために、遊技状態を判断できなくなり、大当たり発生前の電源断には対応できない。
そこで、上記特別遊技状態の開始演出を行う大当たりオープニングコマンドも特定表示コマンドとすることで、大当たり状態のどの時点からでも表示演出の復帰が可能となる。
手段12:手段2〜手段11の遊技機において、
電源復帰後から、前記コマンド保持手段に保持されている特定表示コマンドが有効か否か判断されるまで、遊技待機画面を表示することを特徴とする。
一般的に、遊技者は表示装置に表示される画像等を見て遊技状態の判断を行うため、電源復帰後、表示装置に何も表示されていない状態が長く続くと、遊技者は電源復帰が正常に行われているのかどうか判断ができず、遊技の継続に不安感を抱くこととなる。このように遊技者へ不安感を与えないように、上記第2の制御手段は、上記表示演出時間の計測開始直後から、表示装置へ遊技待機画面(例えば、客待受け演出デモ画面等)を表示するようにすれば、遊技者は電源復帰が正常に行われたことをすぐさま認識でき、遊技を継続できるという安心感を与える効果を奏する。
手段13:手段2〜手段12の遊技機において、
前記第2の制御手段と電気的に接続される音響装置(実施の形態における音響装置1302)とを備えるとともに、
前記第2の制御手段は、
音声音響信号生成手段(実施の形態における音響・音声信号生成部1300)と、音声情報保持手段(実施の形態における音声情報保持部1301)と、
を更に備え、
前記音声音響信号生成手段は、前記時間計測手段から告知信号が入力されると、
電源断発生時の特別遊技状態が第1特別遊技状態と判定して、前記音声情報保持手段から前記表示信号保持手段に保持されているコマンドに応じた第1特別遊技状態の音声音響データを読出して、この音声音響データに基づき音声音響信号を生成した後、この生成した音声音響信号を音響装置へ送信することを特徴とする。
大当たりに係る演出は、表示演出に加えて音楽や音声を利用した音響演出を行うのが一般的である。電源復帰による演出は通常時とは異なって、例えば、ラウンド途中からの大当たり演出であっても、通常時の大当たり演出と同様に、表示演出と共に大当たりの種類に応じた音響演出を行うことで、遊技者は通常時における大当たり演出と同様の演出を享受することができる。これにより電源復帰からの大当たり継続であることの認識を薄くし、遊技者の損失感を低減する効果を奏する。
手段14:手段2〜手段13の遊技機であって、
電源復帰コマンドの受信を条件として、前記コマンド保持手段、前記時間計測手段、前記計測停止手段及び前記表示演出実行手段による表示演出復帰処理が開始されることを特徴とする。
電源断後の電源復帰時には第1の制御手段から第2の制御手段へ電源復帰信号が送信される。例えば、大当たり状態中での電源断からの復帰の場合、まず電源復帰信号が送信された後、表示演出コマンドが送信される。即ち、第2の制御手段へ送信される様々なコマンドをフィルタリングすることなく、単純にこの電源復帰信号を契機として表示演出復帰処理を行うことが可能となり、制御プログラムが単純化され開発コストが低減される。
手段15:
遊技状態を統括的に制御するバックアップ機能を有した主制御装置と、
前記主制御装置により開閉が制御される大入賞口と、
複数種類の識別情報を動的表示可能な装飾図柄表示装置と、
前記主制御装置に接続され、前記主制御基板からの表示演出コマンドに基づいて前記装飾図柄表示装置を制御するバックアップ機能を有さないサブ制御装置と、
を備え、
前記主制御装置は、
始動口への遊技球の入球を契機に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行するか否かを決定する大当たり乱数カウンタと、
始動口への遊技球の入球を契機に、上記特別遊技状態の種類を決定する大当たり図柄カウンタと、
を含むとともに、
前記複数の特別遊技状態の態様として、通常遊技中に閉止されていた前記大入賞口を第1開放時間開放させて遊技球を入球可能とさせると共に、このような開放状態から閉止状態に至るまでの1回の遊技である1ラウンドが所定回数繰り返される第1特別遊技状態と、通常遊技中に閉止されていた前記大入賞口を前記第1開放時間よりも短い第2開放時間開放させると共に、1ラウンドが所定回数繰り返される第2特別遊技状態とが備えられ、
前記表示演出コマンドとして、前記特別遊技状態の表示演出開始を指令する大当たりオープニングコマンドと、ラウンドの表示演出開始を指令する開放中コマンドと、前記特別遊技状態の終了演出を指令するエンディングコマンドとを備えるとともに、大当たりオープニングコマンド、開放中コマンド及びエンディングコマンドのうち開放中コマンドとエンディングコマンドとは、それぞれ、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態の場合とでコマンドが共通化され且つそのコマンドの指令により実行される演出表示の表示演出時間が第1特別遊技状態の場合よりも第2特別遊技状態の場合の方が短いとされた遊技機において、
前記サブ制御装置は、
表示演出の復帰開始状態を示す表示演出復帰状態フラグと、
受信した表示演出コマンドを記憶しておくコマンド保持部と、
設定された時間経過直後に告知信号を送信するタイマと、
表示演出コマンドに対応した表示演出時間を記憶している時間保持部と、
前記タイマをセット及びリセットするセット/リセット部と、
前記タイマを起動させるタイマ起動部と、
表示演出コマンドに応じた表示演出を実行する表示演出実行部と、
表示演出復帰を統括的に制御する表示復帰制御部と、
を備え、
表示復帰制御部は、電源断が大当たり中に発生し、その後、電源復帰を示す電源復帰コマンドを受信した場合に、表示演出復帰状態フラグを立てて、フラグ処理を行い、
このフラグが立っている間に前記開放中コマンドを受信した場合には、この受信したコマンドを前記コマンド保持部へ記憶させ、次いで、この開放中コマンドに対応する突然時短大当たりに関する表示演出時間を前記時間保持部より読み出し、次いで、セット/リセット部により読み出した表示演出時間に微小時間を加えた所定時間をタイマへ設定させ、次いで、前記タイマ起動部によってタイマを起動させる、タイマ設定起動処理を行い、
タイマを起動させた後、表示復帰制御部が前記タイマからの告知信号を受信するまでに、前記コマンド保持部に保持されている開放中コマンドの次に続く開放中コマンド又はエンディングコマンドを受信した場合には、セット/リセット部によりタイマの計測動作を停止させ、タイマからの告知信号が入力された場合には、電源断発生時の大当たり状態が通常大当たりと判定し、前記コマンド保持部に保持されている開放中コマンドに応じた通常大当たりの表示演出を表示演出実行部で実行させて表示演出を行い、表示演出復帰状態フラグをオフにする判定演出実行処理を行うことを特徴とする。
〔第1の形態〕
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げるが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、図示しない樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら図示しない遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3を用いて遊技盤30の構成を説明する。図3は遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は大入賞口61付近を模式的に示す図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動口33、第2の始動口412(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33、第2の始動口34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入り口には、図4に示すように一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1(図6参照)によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口61が配置されている。大入賞口61は常時はシャッタ62が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される。シャッタ62は遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL2(図6参照)によって駆動される。
前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置38は2色のLED38a,38bで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。各LED38a,38bは、例えば赤色と青色との可変表示がなされるようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置41は、普通図柄用のランプ41a,41bを備えている。この実施例では、普通図柄用のランプ41aは、例えば、装飾図柄表示装置42の表示面の上方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、普通図柄用のランプ41bは、ランプ41aの右上側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えばランプ41a、41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、ランプ41a,41bが交互に光り、ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口31を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、ランプ41a,41bは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となったこと(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったこと)を条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば9個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3下図の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3下図の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球を図示しないファール球通路に導くための役目をなす。
尚、遊技領域は、レールユニット50のうち周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図5はパチンコ機10の背面図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板(装置)、電源監視基板(装置)、及びサブ制御基板(装置)を一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板(装置)、発射制御基板(装置)及び電源基板(装置)を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
ここで、上記第1制御基板ユニット201は、遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板と、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御と音声ランプ制御とを司るサブ制御基板とを有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。この基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは後述の封印ユニット805によって開封不能に連結されることにより、基板ボックス263が封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
次に、前記第2制御基板ユニット202は、払出制御基板、発射制御基板、電源基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記発射制御基板により遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われ、上記電源基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース280内に収納されており、上記電源基板は、透明樹脂材料等よりなる電源基板ケース281内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース314内に収納され、上記発射制御基板は透明樹脂材料等よりなる図示しない発射制御基板ケース内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチ321と電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチ388の左方には、前面枠開検出スイッチ389が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチ389からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後(停電等による電源断も含む)においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するための揮発性メモリ領域が備えられている。バックアップされるデータとして具体的には、電源断時の遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特別変動遊技状態等)を識別できる情報、さらに特別遊技状態中での電源断の発生であれば、電源断時点でのラウンド数、及びラウンド経過時間、大入賞口の開閉処理回数、その他制御プログラムの実行に関するデータ等が挙げられる。これらバックアップされたデータは、電源復帰時に遊技状態を電源断時点の状態に復元するために利用される。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図15参照)が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置38は上記したように特別図柄表示ランプ38a,38bで構成されており、普通図柄表示装置41は上記したように普通図柄表示ランプ41a,41bで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するための揮発性メモリ領域が備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。構造的に主制御装置261と大きく異なるのは、停電監視回路542と接続されておらず、バックアップ機能を備えていない点である。すなわち、停電等の電源断が発生した場合、主制御装置261から送信された表示演出の為のコマンドや、そのコマンドの編集内容、表示制御装置45へ送信するためのコマンド等を保存できないため、電源復帰時に、サブ制御装置262自身だけでは電源断時点の遊技状態を再現することができない。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置38で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置38の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、特別図柄表示ランプ38a,38bの色変化(赤色・青色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動口32への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、特別図柄が揃っている場合、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが同一色の点灯状態となっているときは大当たりとなり、変動表示の停止時に特別図柄が揃っていなければ、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが異色の点灯状態となっているときは、外れとなり、始動口32への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動口32に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、図7に示すように、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えばキャラクタ付きの「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動口32への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄(キャラクタ付きの数字の図柄)が揃って停止する(通常大当たり時)か、又は図柄が揃わない予め定められた特定の主図柄の組合せで停止する(突然時短大当たり時における「1,2,3」等の停止図柄)ように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないか、又は図柄が3つ揃わない予め定められた特定の主図柄の組合せ(突然時短大当たり時における停止図柄の組合せ)以外で停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置41の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示ランプ41a(外観が○形状)と、普通図柄表示ランプ41b(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動口34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、表示ランプ41aで停止した場合に第1の始動口32が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置38の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図8に示すように、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置38の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2(請求項における特別遊技状態種別抽選手段)と、特別図柄表示装置38が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動口32への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は2つあり、その値は「373,727」である。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a、38bが共に青色で停止し、この場合の停止図柄は通常大当たり図柄を意味する。
一方、大当たり図柄カウンタC2の値が「2」の場合は突然時短大当たりであり、この場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で停止する。なお、突然時短大当たりの場合は、装飾図柄では予め定められた特定の外れ図柄(例えば「1,2,3」等の図柄が揃わないが大当たりとする図柄)を表示する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、特別図柄の変動表示は、2つの表示ランプ38a,38bで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
但し、突然時短大当たりの場合、装飾図柄の停止態様は完全外れであるため、停止パターン選択カウンタC3の値を「完全外れ」の0〜201のうちの値から必ず利用することとする。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置38による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図9から図15のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図13はタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチを除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S602)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ738,250)に達した際0にクリアする。そして、各カウンタCINI1,CINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B1〜B4に格納する。次いで、始動口32への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。その後、発射制御装置312に、発射ソレノイド制御信号や球送りソレノイド制御信号等を出力して発射制御処理を実行する(S605)。
図14のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口32に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口32に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口32への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS703で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリア700の空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口32への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口32への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図15はNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電監視装置540内の停電監視回路542から停電信号SG1が主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。本実施の形態におけるNMI割込処理を具体的説明すると、MPU501は電源遮断の発生情報の設定(具体的には停電フラグを論理「1」に設定)する(S801)。この停電フラグが論理「1」であるときは電源遮断(停電)状態であることを示し、停電フラグが論理「0」であるときは電源遮断(停電)でない通常状態であることを示す。なお、以下の説明において、「電源遮断の発生情報」とは停電フラグを意味するものである。
なお、図15のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後の所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源装置313から停電監視装置540を介してバックアップ電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行されるようになっている。
そして、NMI割込処理が行われた後は、通常処理に戻り、後述するように通常処理中において、最終処理プログラムまで処理の実行を行った後、電源断の発生情報を確認して、電源断の発生情報が設定されている場合は、停電処理に移行する。このようにして、停電時にはNMI割込処理を停電フラグの設定のみとし、通常処理をその最終処理プログラムまで実行した後に電源断の発生情報の設定を確認して停電処理に移行することにより、処理の圧縮、制御の簡略化を実現できる。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、また、停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされるのも同様である。
図9は主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。次いで、払出制御装置311及びサブ制御装置262が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する(S102)。そして、ウェイト後は、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、RAM消去スイッチがオンされているか否かを判別(具体的には電源監視装置からのRAM消去信号を入力したか否かで判別)し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチがオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503に電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S105)、設定されていなければ(S105:No)、この場合にも、処理をS113へ移行する。電源断の発生情報が設定されている場合は(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAMに格納されているデータ(RAMにデータと称する)は破壊されているので、かかる場合にも処理をS113へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAMデータの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、RAMの初期化処理(S113)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりRAMデータの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理等(S113〜S117)に移行する。即ち、S113からのRAMの初期化処理等では、RAM503の使用領域を0にクリアし,RAM503の初期値を設定する(S113)。次いで、払出制御装置311に対して払出初期化コマンドを送信し(S114)、次いで、電源投入時のコマンドを送信し(S115)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S116)。その後、割込みを許可して(S117),後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチがオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が設定されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して、電源断の発生情報をクリア(停電フラグを「0」に設定)する。次に、払出制御装置311に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、次いで、サブ側の制御装置へ電源復帰を通知する電源復帰コマンドを送信し(S110)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S111)。その後、割込みを許可して(S112)、後述する通常処理に移行する。
次に、図10のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S208の各処理が実行され、その残余時間処理内で停電フラグを監視し電源断の処理(S209〜S216)を実行する構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置等に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様に関するコマンド)、装飾図柄の停止図柄コード情報指定コマンド(大当たり指定、特定外れ指定、外れ指定の何れかのコマンドであり、以下、「装飾停止図柄コード情報指定コマンド」と略称し、また場合によっては停止図柄コマンドとも称する)、演出コマンド(演出時間加算指定コマンド等が含まれる)演出停止コマンド(図柄確定コマンドとも称する)等をサブ制御装置262に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1〜CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次いで、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込み(S203)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S204)。なお、この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定に加えて、装飾図柄の表示演出のための変動パターンコマンド、装飾停止図柄コード情報指定コマンド、及び演出時間加算指定コマンドの決定なども行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図11を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、通常大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口61を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口61を開放し、大入賞口61の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口61に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口61を閉鎖する。これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
この所定ラウンドとは、通常大当たり状態である場合、15ラウンド行われ、大入賞口61の閉鎖条件は、開口状態が30秒経過又は9球の入球を持って閉鎖される。
一方、突然時短大当たりである場合、所定ラウンドは2ラウンドであり、開口状態1.5秒に始まり閉鎖状態2.0秒、開口状態1.5秒と続く。
なお、本パチンコ機では、大入賞口61の連続開放のための特定領域(Vゾーン)は設けられておらず、従って、大当たり状態時には、所定ラウンド数の途中で終了することはなく、必ず所定ラウンド数全てが実行されるようになっている。
次いで、ステップS206では、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度、当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄表示装置41の表示ランプ41a,41bにて普通図柄の変動表示が実施される。そして、当たり乱数カウンタC4の値により普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たり状態(「○」表示された状態)になると、第1の始動口32が所定時間開放される(S207)。
次いで、電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S208)、設定されていれば(S208:Yes)、処理をS213へ移行し、割込み禁止を設定し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信し(S213)、その後、制御信号の出力を停止する(S216)。次いで、RAM判定値を算出し、保存する(S215)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
電源断の発生情報の設定がなされていない場合は(S208:No)、処理はステップS209に移り、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理はステップS201に戻る。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、及び当たり初期値乱数カウンタCINI2並びに、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(S210,S211)。まず、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S210)。具体的には、カウンタCINI1,CINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、カウンタCINI1,CINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4、B9にそれぞれ格納する。次に、カウンタ変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値をRAM503の該当するバッファ領域B5、B6、B7にそれぞれ格納する。
このようにして、S201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び当たり初期値乱数カウンタCINI2(即ち、当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1〜CS3についてもランダムに更新することができる。
次に、図11のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S204)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に装飾図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、特別図柄表示装置38の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリア700に格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア700の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具体に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図12を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、変動時間が経過していない場合は(S407:No)、特別図柄の表示図柄を更新し(S408)、本処理を終了する。ここで、「特別図柄の表示図柄を更新」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを現在の点灯状態と異なる点灯状態に変化させることを意味する。例えば、特別図柄表示ランプ38a,38bの点灯色を変化させる場合が該当する。変動時間が経過した場合は(S407:Yes)、特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定する(S409)。ここで、「特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを停止図柄(通常大当たり、突然時短大当たり及び外れにそれぞれ対応するランプの点灯色)で点灯状態とすることを意味する。次いで、演出パターン停止コマンドを設定して(S410)、本処理を終了する。
次に、図12のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1及び大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々の態様との関係に基づいて判別される。前述した通り大当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値である。
通常大当たりであると判別された場合(S501:通常大当たり)、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、通常大当たり図柄を停止図柄に設定する(S502)。次いで、変動種別カウンタCS1,CS2のカウント値を確認にして大当たり演出パターンを決定する(S503)。
次に、変動種別カウンタCS3の値を確認して演出時間加算を決定する(S504)。次に、ステップS503で決定された大当たり演出パターンにより、演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドとも称する)を設定し(S505)、ステップS502で設定された停止図柄により、装飾停止図柄コード情報コマンドを設定し(S506)、ステップS504で演出時間加算を決定したときは演出時間加算指定コマンドを設定する(S507)。このようにして、ステップS501〜S507により、通常大当たりの場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
S501の処理で突然時短大当たりと判別された場合には(S501:突然時短大当たり)、同様に、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、突然時短大当たり図柄を停止図柄に設定し(S508)、突然時短大当たり演出パターンを決定する(S509)。そして、ステップS504〜S507の処理により、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:外れ)、外れ図柄を停止図柄に設定し(S510)、外れ演出パターンを決定する(S511)。そして、ステップS504〜S507の処理により、大当たりでない場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
また、上記ステップS506の装飾停止図柄コード情報コマンドとしては、突然時短大当たりの場合は、特定の外れを指定する内容のコマンドとされる。つまり、通常大当たりの場合は、上記ステップS506の装飾停止図柄コード情報コマンドとしては、それぞれ通常大当たり指定(例えば「2,2,2」等の3つ揃った図柄)を内容とするコマンドとされるが、突然時短大当たりの場合は、特定の外れ図柄(例えば「1,2,3」等の図柄が揃わないが大当たりとする図柄)を装飾停止図柄とするために、特定外れ指定を内容とする専用コマンドとなる。突然時短大当たりか否かは、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて判別される。即ち、上記のしたように大当たり図柄カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,1、3,4」が通常大当たり値であり、「2」が突然時短大当たり値であるので、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて突然時短大当たりか否かを判別することができる。
次に、図16及び図17を参照して、サブ制御装置262のMPU550により実行される各処理について説明する。図16は、サブ制御装置262のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
サブ制御装置262のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S911)、I/Oやタイマの初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。次いで、電源断処理が全て完了しているか否か、即ち、ランプが全て消灯されているか、スピーカが消音されているか等が判別される(S912)。電源断処理が全て完了している場合(S912:Yes)は、処理はS914に移行する。電源断処理が全て完了していない場合(S912:No)は、RAM552が破壊されているおそれがあるので、RAM552が破壊されているか否かを判定する(S913)。具体的には、RAM552にはRAM破壊チェックデータが予め設定されており、このRAM破壊チェックデータによって判定するようになっている。RAM552が破壊されていないと判定されたときは(S913:No)、処理はステップS917に移る。一方、RAM552が破壊されていると判定されたときは(S913:Yes)、RAM552の各領域について読み書きチェックを行い(S914)、この読み書きチェックの結果に基づきRAM552が正常に機能するか否かを判別する(S915)。RAM552が正常でない場合(S915:No)は、所定のランプを点灯させてRAMの異常を報知する(S921)。
一方、RAM552が正常であれば(S915:Yes)、RAM552にRAM破壊チェックデータを設定する(S916)。次いで、電源断後の電源投入か否かが判断され(S917)、電源断後の電源投入でない場合(S917:No)は、RAM522の未初期化領域以外の領域をクリアする(S918)。これにより、主制御装置261から送信されたコマンドのうち電源コマンド以外は全てクリアされる。次いで、タイマ割込や主制御装置261からのコマンドの受信処理等の割込みを許可状態とする(S919)。次いで、RAM522の初期値設定を行い(S920)、その後、後述する通常処理に移行する。一方、ステップS917で電源断後の電源投入であれば、処理はステップS919に移る。
次いで、図17を参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。先ず1ms以上経過したか否かが判断される(S1031)。1ms経過前であれば(S1031:No)、装飾図柄に関連する、外れ図柄や大当たり図柄、予告図柄等の生成のための乱数を更新する(S1040)。具体的には、大当たり装飾図柄(通常大当たり図柄用)カウンタ、大当たり装飾図柄(突然時短大当たり図柄用)カウンタ、リーチ装飾図柄カウンタ、完全外れ装飾図柄カウンタ、予告図柄等の演出用図柄カウンタ等が設けられており、これら装飾図柄に関連するカウンタの値を更新する。なお、これらのカウンタの値はランダムに更新する。即ち、MPU550に内蔵のRレジスタの値を用いることにより、これらのカウンタの値をランダムに更新する。即ち、これらのカウンタの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。
乱数の更新処理(S1040)後は、主制御装置261からのコマンド受信し、各コマンドに対応した処理を行う(S1041)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、装飾図柄の表示に関連するコマンドの場合は、そのコマンドを基に表示制御装置45へのコマンドを編集し、その編集したコマンドを表示制御装置45に送信する。具体的に説明すると、主制御装置261からの表示コマンドとしては、変動パターン指定コマンド(停止パターン選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1,CS2とに基づき生成されたコマンドであって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様を指定するコマンド。変動パターンコマンドと称する場合もある)、装飾停止図柄コード情報コマンド(大当たり指定、特定外れ指定、外れ指定の何れかのコマンドである。以下、停止図柄コマンドと称する場合もある)、演出コマンド(変動種別カウンタCS3に基づき生成された変動時間の変更等コマンド)、及び全停止コマンド(装飾図柄停止のコマンド、いわゆる確定コマンド。図柄確定コマンドと称する場合もある)等が該当する。
また、主制御装置261からのコマンドが、特別遊技状態におけるラウンド表示演出に関するコマンドの場合は、そのコマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。具体的には、大当たりオープニングコマンド(大当たり演出表示の開始を示すコマンド)、開放中コマンド(大当たりの各ラウンドの演出表示の開始を示すコマンド)、エンディングコマンド(大当たり演出表示の終了を示すコマンド)等である。前述の特別遊技状態におけるラウンド演出に関するコマンドの処理については、本発明の要点である特別遊技中の電源復帰に関係するため、詳細は後述する。
一方、サブ制御装置262は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドはそのまま表示制御装置45に送信するが、装飾停止図柄コード情報コマンドは大当たり指定、特定外れ指定、外れ指定それぞれの具体的な装飾図柄(停止図柄)を決定したコマンドに編集する。この編集に当たっては、MPU550内の装飾図柄カウンタにより停止図柄が決定されるようになっている。また、主制御装置261からの演出コマンドは、変動時間の変更等に加えて、各種演出の指定をも含むコマンドに編集する。そして、サブ制御装置262は、これらのコマンドを表示制御装置45に送信する。これにより、表示制御装置45では、受信したコマンドを解析し、そのコマンドに応じて装飾図柄の画像生成を行い、装飾図柄表示装置42に出力することにより、装飾図柄表示装置42では所定の演出表示で変動表示が実行されることになる。
その後、RAM552が破壊されているか否かを確認し(S1042)、破壊されていなければ(S1042:No)、処理はステップS1031に戻る。破壊されていれば(S1042:Yes)、無限ループ処理となる。
一方、ステップS1031において、1ms以上経過していれば(S1031:Yes)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを演出用ランプ811に出力し、演出用ランプ811を点灯する(S1032)。なお、ランプ点灯パターンの作成は、具体的には後述するステップS1037の処理により行われる。次いで、電源投入コマンドにより、所定ランプを30秒間点灯させ、報知する(S1033)。次いで、装飾図柄のタイトルと静止画の切替を行うための客待ち演出コマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1034)。次いで、特別図柄の保留個数を装飾図柄表示装置42で表示する場合は、その保留個数表示更新時にはそのためのコマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1035)。
次いで、演出ボタン79の入力操作を確認し、入力操作があったときは、その演出ボタン79に応じた所定の演出が装飾図柄表示装置42において表示演出されるように演出コマンドを生成して、表示制御装置45に送信する(S1036)。次いで、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを編集し(S1037)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したスピーカ810の鳴動パターンを編集し、その鳴動パターンをスピーカ810に出力する(S1038)。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示演出を実行するための種々の時間管理を行う(S1039)。その後、ステップS1040、S1041、S1042を経て、ステップS1031に戻る。
このようにして、サブ制御装置262では、装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する
次いで、表示制御装置45における表示制御について説明する。図18は表示制御装置45内のMPU521により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。MPU521は、図18に示す手順に従ってサブ制御装置262から提供される各種コマンドを処理しつつ装飾図柄表示装置42の表示制御を実行する。
先ず、サブ制御装置262から表示に関するコマンド(以下表示コマンドと称す)を受信したか否かを判別する(S1151)。受信していない場合(S1151:No)は、何らかのコマンドを受信するまで待機する。そして、表示コマンドを受信すると(S1151:Yes)、その表示コマンドの内容をRAM523に格納する(S1152)。次いで、RAM523に格納された情報に基づき、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する(S1153)。
これにより、画像コントローラ526は、MPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を開始する。表示コマンドとして、図柄の変動を表示する「変動パターンコマンド」「図柄確定コマンド」等や、遊技が行われていない状態が続いた場合に表示されるデモ画面等を表示する「客待ち演出コマンド」、大当たり発生に伴う大当たり開始を告げる「大当たりオープニングコマンド」、大当たりの各ラウンド開始を表す「ラウンド開放中コマンド」等があり、それぞれのコマンドに応じて画像コントローラ526は、キャラクタROM525から表示に必要な画像データを読み込み描画を開始するのである。
また、通常大当たりの場合と、突然時短大当たり等の場合とでは、大当たり中のラウンド表示画面は異なり、キャラクタROMにはそれぞれ大当たり中のラウンド表示用の画像データが格納されている。
なお、表示コマンドのうち、変動パターンコマンドを一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまでの間、MPU521と画像コントローラ526との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、MPU521は、画像コントローラ526の制御と図18に示すコマンド受信処理とを並行して行う。
その後、サブ制御装置262から確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1154)。そして、確定コマンドを受信したことを条件に、ステップS1155に進み、画像コントローラ526に対して停止図柄での確定表示を指示する。これにより、画像コントローラ526は変動していた図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(確定表示)までの1ラウンドの表示処理が行われる。表示制御装置45は、図柄の変動開始時及び変動停止時にサブ制御装置262によるコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変動については、表示制御装置45内のMPU521及び画像コントローラ526による自立的な画像制御によって担保されている。
次に、図19を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図19は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
先ず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込み態様を設定する。次に、RAMアクセスを許可すると共に(S1202)、外部割込ベクタの設定を行う(S1203)。
その後は、RAM513に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1204)、記憶されていなければ(S1204:No)、処理をS1210へ移行する。RAM513に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1204:Yes)、RAM判定値を算出し(S1205)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1206:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAM513に保存されているデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1210へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAM513に保存されているデータの有効性を判断するようにしても良い。
ステップS1210からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S1210)、RAM513の初期値を設定する(S1211)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1204:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1206:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、RAM513の初期値を設定し(S1207)、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
次に、図20のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、総賞球個数として記憶する(S1301)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、正規コマンドであれば全て払出を許可する。なお、主制御装置261からのコマンドが、賞球コマンド、払出復帰コマンド、払出初期化コマンドであればそれに応じた処理を行う。
次いで、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信しているか否かが判定される(S1302:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S1302:Yes)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1303)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1304)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1305)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1306)。
次に、S1307、S1308、S1315の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1301の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1307:No,S1308:No)、図21に示す賞球制御処理を開始する(S1315)。一方、賞球の払出不可状態(S1307:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1308:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1309、S1310、S1316の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1309:No,S1310:Yes)、図22に示す貸球制御処理を開始する(S1316)。なお、貸球制御処理は後述する。
一方、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していなければ(S1309:No,S1310:No)、または、貸球の払出不可状態であれば(S1309:Yes)、球詰まり状態解除のためバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S1311)。その後は、停電発生か否かを判定し(S1312)、停電発生でなければ(S1312:No)、処理はステップS1301に戻る。停電発生であれば(S1312:Yes)、電源断の発生情報を設定し(S1313)、RAM判定値を作成し(S1314)、その後はリセット信号の入力待ちのため無限ループに移る。
次いで、図21に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1401)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1402)、正常でなければ(S1402:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1403)、その後、図20の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1402:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1404)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1404:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1405)、その後、図20の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1404:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1406)、払出が完了していれば(S1406:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1407)、その後、図20の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1406:No)、そのまま、図20の払出制御処理に戻る。
次いで、図22に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1501)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1502)、正常でなければ(S1502:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1503)、その後、図20の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1502:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1504)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1504:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1505)、その後、図20の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1504:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1506)、払出が完了していれば(S1506:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1507)、その後、図20の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1506:No)、そのまま、図20の払出制御処理に戻る。
(特別遊技状態における表示演出に関する制御の詳細)
本発明の詳細を説明するにあたって、まず、図23を用いて、遊技機における特別遊技状態が発生した時の主制御装置261からサブ制御装置262へ送信されるコマンドの流れを説明する。
特別遊技状態は複数種類ある(通常大当たりと突然時短大当たり)ことは既に述べたが、表示演出という観点からみれば、ラウンド演出時間が長い「通常大当たり」と、ラウンド演出時間の極めて短い「突然時短大当たり」の2つに分類される。
図23(a)は「通常大当たり」時のサブ制御装置262が受信するコマンドの流れを表し、図23(b)は「突然時短大当たり」時の流れを表す。共に、サブ制御手段が受信するコマンドの種類及び順番は同じである。具体的には、装飾図柄の変動態様を指定する変動パターンコマンドを受信すると変動を開始し、後に受信する停止図柄コマンドにより停止させる図柄が決定される。そして、変動パターンコマンドに従った変動が行われた後、図柄確定コマンドによって大当たり図柄が停止し、大当たり状態へ移行する。
また、続く大当たり演出に関するコマンドとして、大当たりの開始を示す大当たりオープニングコマンド、ラウンド開始を示す開放中コマンド、大当たりの終了を示すエンディングコマンドを受信する。
上記コマンドの受信順序は同じであるが、大当たり演出に関するコマンドにおいて異なる点が2つ存在する。
1つ目は、コマンドの受信間隔が異なる事である。図23(a)の場合、1ラウンド目の開放中コマンドを受信してから2ラウンド目の開放中コマンドを受信するまで約30秒或いは大入賞口へ遊技球が9個入球した時点であるが、図23(b)の場合は、約3.5秒となっている。すなわち、「突然時短大当たり」が1ラウンド処理するに必要な時間は、「通常大当たり」に比べて極めて少ない時間であるということである。同様に図23(a)の2ラウンド目の開放中コマンドは約30秒(或いは大入賞口へ遊技球が9個入球した時点)であるが、図23(b)のそれは約1.5秒である。その他、大当たりオープニングコマンドと開放中コマンドの間隔、エンディングコマンドとその次のコマンド(変動パターンコマンド等)との間隔においても「通常大当たり」と「突然時短大当たり」では時間間隔に違いがあり、「突然時短大当たり」の方が極端に短い(約0.5秒程度)。
上記の時間間隔は、コマンド毎に「通常大当たり」時に必要な時間と「突然時短大当たり」時に必要な時間が予め設定されており、各コマンドに対応する2種類の時間間隔がテーブルとして保存されている。
2つ目は、大当たりオープニングコマンドが「通常大当たり」と「突然時短大当たり」とではコマンド識別子が異なり、これ以降に受信する開放中コマンドおよびエンディングコマンドが共通のコマンド識別子となっている点である。すなわち、「通常大当たり」時の大当たりオープニングコマンドと「突然時短大当たり」時の大当たりオープニングコマンドは、共に大当たりオープニングコマンドという種類に属するが、コマンド識別子としては「通常大当たり」用と「突然時短大当たり」用に区別されている(表1参照)。具体的には、受信するコマンドは4バイトで構成され、「通常大当たり」時のコマンド識別子はF20EH、「突然時短大当たり」のそれはF201Hとなっており夫々区別が可能となっている。その他の開放中コマンド及びエンディングコマンドは「通常大当たり」と「突然時短大当たり」で共通のコマンド識別子となっている。
なお、開放中コマンドについては、「突然時短大当たり」の場合の全てのラウンドに関する開放中コマンドが「通常大当たり」の場合の開放中コマンドと共通化されているので、正確には第1ラウンド開放中コマンド及び第2ラウンド開放中コマンドのみが共通化されている。例えば、第1ラウンド開放中コマンドは共にF101Hを示し、第2ラウンド開放中コマンドは共にF102Hを示し、また、エンディングコマンドは共にF211Hを示す。
従って、上記のようなコマンド体系の場合、図24(a)に示すように、サブ制御装置262が大当たりオープニングコマンド受信前に停電等の電源断が発生し、その後電源復帰コマンドの受信により電源復帰がなされた後、主制御装置261から大当たりオープニングコマンドが送信されたとしても、このコマンドだけで「通常大当たり」「突然時短大当たり」の識別が可能である。しかし、図24(b)に示すように、大当たりオープニングコマンド受信後に電源断が発生し、その後電源復帰した場合、大当たりオープニングコマンドの次に主制御装置261から送信されるコマンドは第1ラウンド開放中コマンドである。この第1ラウンド開放中コマンドは前述した通り、「通常大当たり」と「突然時短大当たり」は共通のコマンドであるため、サブ制御装置262は、第1ラウンド開放中コマンドだけでは、どちらの大当たりであるか判断不可能となる。
また、大当たり状態中での電源断が発生するタイミングとしては、大きく分けて大当たり発生前、大当たりオープニングコマンド受信後、開放中コマンド受信後、及びエンディングコマンド受信後の場合が考えられ、各タイミングによってサブ制御装置262側だけで大当たりの種別を判断できる場合と出来ない場合があるが、その詳細は後述する。
ちなみに、大当たりオープニングコマンド、第1ラウンド〜第15ラウンド全てが共通化した開放中コマンドを有する遊技機であっても、上述した変動パターンコマンド又は停止図柄コマンド等の判別コマンドを受信する前の電源断であれば、これら判別コマンドの何れかで大当たり図柄が判断できるので、電源復帰のタイミングは関係ない。
本実施例における遊技機が、前述のような大当たり表示演出に関するコマンド体系であることを踏まえて、電源復帰時においての「通常大当たり」と「突然時短大当たり」の表示演出の復帰処理を以下に説明する。
(本発明の特徴的な部分の構成)
本発明の特徴的部分についての構造を説明する。図25は本発明に係る表示復帰処理に関連する機能ブロック図である。
サブ制御装置262は、電源復帰コマンドの受信によりセットされ表示復帰処理状態中であることを示す表示復帰処理状態フラグ1201と、表示復帰処理中において表示復帰処理に必要な所定の表示演出コマンド(第1ラウンド開放中コマンド又は第2ラウンド開放中コマンド又はエンディングコマンド)を受信すると当該受信した表示演出コマンドの内容を保存しておくコマンド保持部1205と、当該所定の表示演出コマンドの受信時から起動して所定時間経過するまで計測し所定時間経過時にそのことを告知する告知信号を出力する時間計測部1203と、表示復帰処理を司る表示復帰制御部1204と、コマンド保持部1205に保存されている当該所定の表示演出コマンドの内容に基づき表示演出を行う表示演出実行部1207とを有する。
表示復帰制御部1204は、時間計測部1203の起動を促すセット信号又は時間計測部1203の計測動作を停止させるリセット信号を出力するセット/リセット部1202を有する。
また、時間計測部1203は、タイマ設定時間経過時にそのことを告知する告知信号を出力するタイマTMと、所定の表示演出コマンドにそれぞれ対応する所定時間がそれぞれ保持されている時間保持部1206と、所定の表示演出コマンドの受信時に時間保持部1206より導出した当該所定の表示演出コマンドに対応した所定時間をタイマ設定時間としてタイマTMを起動させるタイマ起動部1200とを有する。ここで、時間保持部1206に保持されている所定時間とは、所定の表示演出コマンドにより実行される突然時短大当たりに関する表示演出時間Tに微小時間Taを加えた時間(T+Ta)とされている。このような所定時間をタイマTMのタイマ設定時間としているのは、もし設定時間を表示演出時間のみとした場合、タイマTMのタイムアップと、タイマTM起動後に突然時短大当たりに関する表示演出コマンドの受信とが同時に発生してしまい、タイマTMの告知信号の出力とタイマTMのリセットとが同時になされることになり、これを回避するため上記のような微小時間Taの遅延を設けているのである。なお、微小時間Taは、所定の表示演出コマンドの次に続く突然時短大当たりに関する表示演出コマンドを受信した場合に、その受信時からセット/リセット部1202がタイマTMをリセット処理することが可能な時間をいい、例えば、0.1ms〜0.2ms程度である。
図26は、図17のステップS1041の詳細を表した表示復帰制御部1204の処理動作を示すフローチャートである。
主制御装置261からの電源復帰コマンドを受信したか否か判断する(S1600)。電源復帰コマンドを受信した場合(S1600:Yes)、表示復帰処理状態フラグ1201をセットする(S1604)。すなわち、表示復帰処理状態フラグ1201を理論値「1」とする。ステップS1600で電源復帰コマンドの受信でなかった場合(S1600:No)、表示復帰処理状態フラグ1201がオン(理論値「1」)であるか確認し、オン状態であれば(S1601:Yes)、ステップS1605へ進み、表示復帰処理のメイン処理へ移る。その後、ステップS1605(後述する)で起動させたタイマTMが作動中かどうかを判断し(S1606)、起動中なら(S1606:Yes)タイマTM起動中処理を実行する(S1607)。タイマTM起動中でないなら(S1606:No)、元の通常処理に移行する。一方、フラグ1201が「0」の場合は(S1601:No)、表示復帰処理を実行する必要がないため、主制御装置261からの他コマンドの処理を通常通り実施する(S1602、S1603)。
なお、表示復帰処理が完了した時点でフラグ1201はオフ(理論値「0」)になるため、表示復帰処理完了以降に受信したコマンドに対しては、ステップS1602及びステップS1603の処理によって受信コマンドに対応した処理が実行される。
次に、上記ステップS1605の内容を、図27を用いて説明する。
まず、共通化された開放中コマンド又は大当たりエンディングコマンド(以下、エンディングコマンドと称する場合もある)を受信したか否かが判別され(S1700)、当該コマンドを受信した場合は(S1700:Yes)、その受信コマンドをコマンド保持部1205へ保存しておく(S1702)。そして、タイマTM起動中か否かが判断され(S1703)、タイマTMが未起動の場合は(S1703:No)はタイマ設定時間をセットしてタイマTMを起動させる(S1704)。具体的には、時間計測部1203内のタイマ起動部1200は、受信した当該コマンドにより実行される突然時短大当たりに関する所定時間を時間保持部1206から読出し、この読出した所定時間を設定時間としてタイマTMにセットして起動させる。なお、このときの表示演出時間は、受信した当該コマンドが第1ラウンド開放中コマンドの場合は3.5秒、受信した当該コマンドが第2ラウンド開放中コマンドの場合は1.5秒であり、受信した当該コマンドが大当たりエンディングコマンドの場合は0.5秒である。一方、タイマTMが起動中の場合は(S1703:Yes)、通常処理に移行する。
また、ステップS1700で受信したコマンドが開放中コマンド又は大当たりエンディングコマンドでない場合(S1700:No)、ステップS1701に進み、上記表示演出コマンド(共通化された開放中コマンド又は大当たりエンディングコマンド)でない他のコマンド(例えば、装飾図柄の変動パターンを決める変動パターンコマンド等)を受信した場合は(S1701:Yes)、大当たり状態中でないか、その受信したコマンドだけで大当たり状態が判断可能であるので、フラグ1201をリセット(論理値「0」を設定)後(S1705)、さらにタイマTMを停止して(S1706)、この表示復帰処理を終了する。
次いで、前述のステップS1606のタイマ起動中処理の内容を、図28を用いて説明する。
先ず、タイマTMが設定時間以上経過したか否かが判断される(S1800)。具体的には、タイマTMからの告知信号を受信したか否かで判定する。
ステップS1800において、タイマTMが設定時間以上経過していない場合(S1800:No)は、次に続く共通化された開放中コマンド又はエンディングコマンドを受信したかどうかを判断する(S1801)。開放中コマンド又はエンディングコマンドを受信したのであれば(S1801:Yes)、突然時短大当たりであると判定し(S1802)、タイマTMを停止(S1803)し、フラグ1201をリセット(S1804)して本処理を終了する。
一方、ステップS1801で開放中コマンド又はエンディングコマンドを受信しなかった場合(S1801:No)は、他のコマンドを受信したか否かが判断され(S1805)、他のコマンドを受信した場合(S1805:Yes)は、タイマTMを停止(S1803)し、フラグ1201をリセット(S1804)して本処理を終了する。ステップS1805で他のコマンドを受信していない場合(S1805:No)は、通常処理に移行する。
ステップS1800において、タイマTMが設定時間以上経過している場合(S1800:Yes)は、「通常大当たり」と判定し(S1806)、表示演出実行部1207はコマンド保持部1205に保存されている受信コマンドの内容に基づいた「通常大当たり」用の表示演出を実行する(S1807)。即ち、表示復帰制御部1204は表示演出実行部1207へ表示信号を送り、表示演出実行部1207はコマンド保持部1205で保存されている開放中コマンド又はエンディングコマンドを有効コマンドとして通常大当たり用のラウンド処理中表示演出を開始させるのである。ステップS1807の処理の実行後は、該表示復帰処理を終了させるために、タイマTMを停止し(S1803)、フラグ1201をリセットする(S1804)。
このようにして、受信した当該コマンドにより実行される突然時短大当たりに関する表示演出時間(受信した当該コマンドが第1ラウンド開放中コマンドの場合は3.5秒、受信した当該コマンドが第2ラウンド開放中コマンドの場合は1.5秒、受信した当該コマンドが大当たりエンディングコマンドの場合は0.5秒)である所定時間をタイマTMにセットして起動させ、タイマ設定時間経過時までに、次に続く表示演出コマンド(開放中コマンド、エンディングコマンド又は他のコマンド)を受信した場合はタイマTMの計測動作を停止させることにより、タイマTMから告知信号が入力された場合には、電源断発生時の特別遊技が通常大当たりと判定することが可能となる。なぜなら、電源断の発生が、仮に突然時短大当たり中であれば、タイマTMの設定時間経過時までに、次に続く表示演出コマンドが受信され、タイマTMの計測動作を停止させるので、タイマTMから告知信号が出力されないことになり、一方、タイマTMから告知信号が出力さるということは、そのような次に続く表示演出コマンドが受信されないことを意味するので、大当たりが突然時短大当たりではなく、通常大当たりであると判定することが可能だからである。
また、上述した処理において、通常大当たりの表示演出のみを復帰させるのは以下の理由からである。
突然時短大当たりの役割は、大入賞口への入球による賞球の獲得ではなく、時短状態を突然に発生させるためのトリガの役割である。さらに、突然時短大当たりとなっている期間は通常大当たりよりも非常に短い。よって、トリガの役割であり、賞球による利益も見込めず、さらに遊技状態の表示演出時間も短い突然時短大当たり態の表示演出を復帰させるよりも、大入賞口への入球による賞球獲得を目的とする通常大当たりの表示演出を正しく復帰させて、遊技者に大当たりを認識させる方が遊技者にとって利益享受に大きく貢献できるためである。
次いで、上記表示復帰処理を具体例を挙げて説明する。
(1)大当たりオープニング表示処理中に電源断が発生した場合
(A)電源断が発生前の大当たりが突然時短大当たりの場合
大当たりオープニング表示処理中に電源断が発生した場合、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドは第1ラウンドの開放中コマンドであり、その後第2ラウンド開放中コマンドを受信する。従って、ステップS1700において、第1ラウンド開放中コマンドを受信したので(S1700:Yes)、第1ラウンド開放中コマンドを保存し(S1702)、そして、タイマTM起動中か否かが判断され(S1703)、タイマTMが未起動の場合は(S1703:No)タイマTMに第1ラウンド開放中の表示演出時間である3.5秒を基に設定時間を設定しタイマTMを起動させて(S1704)、メイン処理へ戻る。
次いで、タイマ起動後はタイマ起動中処理(S1607)に処理が移ることとなる。そして、タイマTMの設定時間経過時前、即ち、タイマTMから告知信号が送られてきていない場合(S1800:No)は、第2ラウンド開放中コマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。第2ラウンド開放中コマンドは、第1ラウンド開放中コマンド受信から3.5秒経過したタイミングで受信され、これによりステップS1801でYesと判断され、この大当たりは突然時短大当たりであると判断可能となる(S1802)。そして、タイマTMの計測動作を停止する(S1803)。これにより、タイマTMから告知信号が出力されないので、ステップS1806、ステップS1807の処理は行われない。なお、ステップS1802において、突然時短大当たりであると判断した場合は例えば突然時短大当たり用フラグをセットする。これにより、第2ラウンド開放中コマンドを受信後に、エンディングコマンドを受信した場合に、当該突然時短大当たり用フラグにより突然時短大当たりであることが判断できるので、エンディングコマンドを受信の際に復帰処理を行う必要がなくなるからである。
(B)電源断が発生前の大当たりが通常大当たりの場合
通常大当たりの場合は、第1ラウンド開放中コマンドと第2ラウンド開放中コマンドとの受信間隔は、3.5秒よりも長いので、3.5秒経過前にタイマTMの計測動作が停止させられることはなく、必ず告知信号が出力される。従って、ステップS1800からステップS1806に移り、通常大当たりと判定し(S1806)、コマンド保持部1205に保存されている第1ラウンド開放中コマンドに基づいた通常大当たり用の表示演出が実行される(S1807)。なお、ステップS1806において通常大当たりであると判断した場合は、例えば通常大当たり用フラグをセットする。これにより、第1ラウンド開放中コマンドを受信後に、第2ラウンド開放中コマンドを受信した場合に、当該通常大当たり用フラグにより通常大当たりであることが判断できるので、第2ラウンド開放中コマンドを受信の際に復帰処理を行う必要がなくなるからである。
(2)第1ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合
(A)電源断が発生前の大当たりが突然時短大当たりの場合
第1ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドは第2ラウンド開放中コマンドであり、その後エンディングコマンドを受信する。従って、ステップS1700において、第2ラウンド開放中コマンドを受信したので(S1700:Yes)、第2ラウンド開放中コマンドを保存し(S1702)、タイマTMに第2ラウンド開放中の表示演出時間である1.5秒の設定時間を設定しタイマTMを起動させて(S1704)、メイン処理へ戻る。
次いで、タイマ起動後はタイマ起動中処理(S1607)に処理が移ることとなる。そして、タイマの設定時間経過時前、即ち、タイマTMから告知信号が送られてきていない場合(S1800:No)は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。エンディングコマンドは、第2ラウンド開放中コマンド受信から1.5秒経過したタイミングで受信され、これによりステップS1801でYesと判断され、この大当たりは突然時短大当たりであると判断可能となる(S1802)。そして、タイマTMの計測動作を停止する(S1803)。これにより、タイマTMから告知信号が出力されないので、ステップS1806、ステップS1807の処理は行われない。
(B)電源断が発生前の大当たりが通常大当たりの場合
第1ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドは第2ラウンド開放中コマンドであり、従って、ステップS1700において、第2ラウンド開放中コマンドを受信したので(S1700:Yes)、第2ラウンド開放中コマンドを保存し(S1702)、タイマに第2ラウンド開放中の表示演出時間である1.5秒を設定しタイマTMを起動させて(S1704)、メイン処理へ戻る。
次いで、タイマ起動後はタイマ起動中処理(S1607)に処理が移ることとなる。ここで、通常大当たりの場合は、第2ラウンド開放中コマンド受信から1.5秒経過前にタイマTMの計測動作が停止させられることはなく、必ず告知信号が出力される。従って、ステップS1800からステップS1806に移り、通常大当たりと判定し(S1806)、コマンド保持部1205に保存されている第2ラウンド開放中コマンドに基づいた通常大当たり用の表示演出が実行される(S1807)。なお、第2ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドは第3ラウンド開放中コマンドであり、この第3ラウンド開放中コマンドにより通常大当たりと判定できるので、表示復帰処理はおこなわれない。更に、第3ラウンド〜第14ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合も、復帰時に受信する開放中コマンドにより通常大当たりと判定できるので、表示復帰処理はおこなわれない。
(3)エンディングコマンド受信前に電源断が発生した場合
(A)電源断が発生前の大当たりが突然時短大当たりの場合
突然時短大当たりの場合、エンディングコマンド受信前の電源断の発生とは、第2ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合を意味する。この場合は、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドはエンディングコマンドであり、その後、開放中コマンド及びエンディングコマンドとは異なる他のコマンド(例えば変動パターンコマンド)を受信する。従って、ステップS1700において、エンディングコマンドを受信したので(S1700:Yes)、エンディングコマンドを保存し(S1702)、タイマTMにエンディングの表示演出時間である0.5秒を設定しタイマTMを起動させて(S1704)、メイン処理へ戻る。
次いで、タイマ起動後はタイマ起動中処理(S1607)に処理が移ることとなる。そして、タイマの設定時間経過時前、即ち、タイマTMから告知信号が送られてきていない場合(S1800:No)は、ステップS1801からステップS1805に移り、他のコマンドを受信したか否かを判定する。他のコマンドは、エンディングコマンド受信から0.5秒経過したタイミングで受信され、これによりステップS1805でYesと判断され、タイマTMの計測動作を停止する(S1803)。これにより、タイマTMから告知信号が出力されないので、ステップS1806、ステップS1807の処理は行われない。なお、エンディング表示処理中に電源断が発生した場合は、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドに応じた表示演出を行えばよいので、問題が生じないからでる。
(B)電源断が発生前の大当たりが通常大当たりの場合
通常大当たりの場合、エンディングコマンド受信前の電源断の発生とは、第15ラウンド開放中表示処理中に電源断が発生した場合を意味する。この場合は、電源復帰コマンドの後に受信するコマンドはエンディングコマンドであり、その後、開放中コマンド及びエンディングコマンドとは異なる他のコマンド(例えば変動パターンコマンド)を受信する。従って、ステップS1700において、エンディングコマンドを受信したので(S1700:Yes)、エンディングコマンドを保存し(S1702)、タイマTMに表示演出時間0.5秒の設定時間を設定しタイマTMを起動させて(S1704)、メイン処理へ戻る。
次いで、タイマ起動後はタイマ起動中処理(S1607)に処理が移ることとなる。ここで、通常大当たりのエンディング表示時間は0.5秒より格段に長く、従って、エンディングコマンド受信から0.5秒経過前にタイマTMの計測動作が停止させられることはなく、必ず告知信号が出力される。従って、ステップS1800からステップS1806に移り、通常大当たりと判定し(S1806)、コマンド保持部1205に保存されているエンディングコマンドに基づいた通常大当たり用の表示演出が実行される(S1807)。
上記のような処理を施すことによって、電源断後の電源復帰時において、サブ制御装置側だけで大当たり状態が「通常大当たり」か「突然時短大当たり」を判断し、「通常大当たり」のみ表示演出を復帰させることができる。このようにすれば、遊技者は大入賞口への入球による賞球獲得を主な目的とする通常大当たりが復帰されたことを容易に認識でき、大入賞口への入球作業をスムーズに実行できる。その結果、大当たりによる賞球を確実に得ることができるので、遊技者にとって利益享受に大きく貢献できる。
〔第2の形態〕
前述の第1の形態では、大当たりオープニングコマンドが共通化されていない遊技機において、主制御装置が大当たりオープニングコマンドを送信した後に電源断が発生した場合の表示復帰処理に関するものについて記述した。
これに対して、この第2の形態では、大当たりオープニングコマンド、開放中コマンド、及び大当たりエンディングコマンドのそれぞれの識別子が共通化されていると共に、大当たり図柄の判別可能とする判別コマンド(変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等)により「通常大当たり」か「突然時短大当たり」を判断可能な遊技機において、この判別コマンドが既に主制御装置から送信された後の電源断が発生した場合におけるサブ制御装置側での表示復帰処理に関するものである。
上記のような遊技機において、サブ制御装置が共通化された大当たりオープニングコマンドを受信した場合であっても、第1の形態と同様の処理により、表示演出と大当たり遊技状態を一致させることが可能となる。
以下、具体的に説明する。
サブ制御基板が共通化された大当たりオープニングコマンドを受信する前に電源復帰コマンドを受信した場合(図24(a))、最初に受信する表示演出コマンドはこの共通化された大当たりオープニングコマンドである。この大当たりオープニングコマンドは、コマンドの識別子が共通であっても、表示演出処理に要する時間は「通常大当たり」と「突然時短大当たり」では夫々異なる固有の処理時間を有する。例えば、「通常大当たり」の大当たりオープニングコマンドの表示演出時間は5.0秒、「突然時短大当たり」におけるそれは0.5秒というように、第1の形態における開放中コマンドまたはエンディングコマンドと同様に表示演出時間が異なるものとなっている。従って、図28のステップS1800における所定時間の経過の判定を、上述の「突然時短大当たり」の大当たりオープニングコマンドから次に続く第1ラウンド開放中コマンドまでの時間が経過したかどうかを判定することによって、第1の形態と同様にサブ制御装置側だけで大当たり状態が「通常大当たり」か「突然時短大当たり」を判断し、「通常大当たり」のみ表示演出を復帰させることが可能となる。このようにすれば、遊技者は大入賞口への入球による賞球獲得を主な目的とする通常大当たりが復帰されたことを容易に認識でき、大入賞口への入球作業をスムーズに実行できる。その結果、大当たりによる賞球を確実に得ることができるので、遊技者にとって利益享受に大きく貢献できる。
なお、大当たりオープニングコマンドを上記のように「通常大当たり」及び「突然時短大当たり」で共通化することで、使用するメモリ容量を低減することができ、且つ制御プログラムの簡略化も行え、遊技機設計のコストダウンを図ることができるという効果を奏する。
〔第3の形態〕
上述の実施形態では、「通常大当たり」か「突然時短大当たり」を判断するのに必要な時間が経過するまでの間、すなわちタイマTMの設定時間が経過するまでの間表示演出コマンドに対する処理を行っていないため装飾図柄表示装置42には何も表示されない状態となっている。一般的に遊技者は装飾図柄表示装置42に表示される画像を見て遊技状況や遊技機の状態を判断するため、表示装置に何も表示されていない状態が発生すると、遊技者は遊技機が起動していない又は遊技が開始されていないと判断し、電源復帰が正常に行われていないと錯覚する可能性がある。
そこで、上記タイマTMに設定される所定時間が経過するまでの間、表示装置へ遊技待機画面を表示させる。
具体的には、図29に示すように、上記第1の形態におけるステップS1605の処理内容と略同様であるが、上記所定時間の計測を行うタイマTMを起動(S1703)した後に、客待演出デモ画面を表示する処理(S1705)を実行する。本実施例では、従来から備わっている客待ち演出コマンドを表示制御装置45へ送信する。この処理を行うことによって、図28のステップS1800における所定時間が経過するまで、即ち「通常大当たり」か「突然時短大当たり」かが判明するまでの間、装飾図柄表示装置42には客待演出デモ画面が表示されることとなる。
これにより、遊技者は何も表示されない状態よりも電源復帰が行われていることを確認し易くなり、大当たり遊技を続行できるという安心感が生まれる。
また、この客待演出デモ画面等の画像データは一般的に遊技機に予め搭載されているものでよく、本発明の為に新たに用意する必要はない。また、従来遊技機に備わっている客待演出デモ画面の表示制御コマンドを用いて実行することで、遊技機の開発工数及びコストを抑えることができる。
〔第4の形態〕
上記第1〜第3の形態では、表示演出に対してのみ電源断からの復帰処理を実施しているが、大当たり中は表示演出と共に音響や音声を伴って大当たり演出を行うのが一般的である。そこで、電源復帰後大当たり表示演出を行うと共に音響や音声を行う実施例を述べる。
図30に示すように、通常大当たり時における表示演出を行うステップS1805の直後に、該当する大当たりに対応した音響・音声鳴動処理S1808を実行する。具体的には、図31に示すように、サブ制御装置262には音響・音声信号生成部1300、音声情報保持部1301が備えられている。表示復帰制御部1204にて処理される図30のステップS1806及びS1807の場合、即ち、タイマTMから告知信号を受け通常大当たりと判断された時に、コマンド保持部1205で保持されている表示演出コマンドの内容を音響・音声信号生成部1300へ送る。これにより、音響・音声信号生成部1300は、表示演出コマンドの内容に対応した大当たり時の音響・音声データを音声情報保持部1301から読み取り音声音響信号を作成し、音響装置1302へ送信する。これら処理により大当たり時の表示演出(大当たり開始を知らせる画像やラウンド処理中画像等)と共にBGM等を流すことが可能となる。
このように、表示演出と共に音響・音声を鳴動させて大当たり演出を復帰させることによって通常時の大当たり演出と同等レベルまでの復帰が可能となり、よって電源断による不利益を蒙ったという損失感を抑制する効果を奏する。
(その他の事項)
(a)上述の第3の形態及び第4の形態はそれぞれ別個の実施例として挙げたが、この2つを組み合わせた形態で実施してもよい。
(b)上述の実施例では、「特殊大当たり」として突然時短大当たりを搭載する遊技機について記載したが、突然確変大当たり又は、その両方を搭載する遊技機であってもよい。(c)上述の実施例では、通常大当たりを搭載する遊技機について記載したが、確変大当たり又はその両方を搭載する遊技機であってもよい。
(d)上記の第1の実施例では、時間計測部1203において、コマンド保持部1205で保持されている所定コマンド(共通化された開放中コマンド又は大当たりエンディングコマンド)に対応した所定時間(表示演出時間に微小時間を加えた時間)を選択し、タイマTMへ時間を設定し起動させるといったタイマ1つに対して複数ある所定時間のうち何れかを設定するという構成であったが、別の構成として、時間保持部1206に所定時間が既に設定されているタイマを複数用意しておき、タイマ起動部1200が、所定の受信コマンドに対応したタイマを時間保持部1206から選択し起動させる構成でもよい。