本発明は、以下の構成をとる。
手段1.
始動口への遊技球の入賞を契機に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かの当否抽選が実行される特別遊技状態抽選手段(大当たり乱数カウンタC1)と、
上記特別遊技状態終了後に行われる複数種類の変動遊技状態の何れかを決定する変動遊技状態抽選手段(大当たり図柄カウンタC2)と、
大入賞口を、所定個数の入球又は所定時間経過するまで開放状態とした後に閉塞し且つこのような大入賞口が開放状態とされるラウンドを所定回数採りうる特別遊技状態を実行させる特別遊技状態実行手段と、
図柄を変動表示すると共に、上記特別遊技状態抽選手段及び変動遊技状態抽選手段の抽選結果に基づき、特別遊技状態実行手段によって実行される特別遊技状態中において、特別遊技状態終了後に行われる変動遊技状態を示唆表示する表示手段(装飾図柄表示装置42)と、
を備えた遊技機において、
遊技球が上記大入賞口に入球したことを検出し入球検出信号を出力する入球検出手段(入球検出スイッチSW1,SW2)と、
上記入球検出手段からの入球検出信号のタイミングに応じて上記表示手段に上記示唆表示を表示演出する示唆表示制御手段(サブ制御装置262)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
ここで、「始動口への遊技球の入賞」とは、抽選に当選しても賞球のない場合(例えば所定のゲートを遊技球が通過する場合)も含まれる。なお、上記変動遊技状態抽選手段は、始動口への遊技球の入賞を契機として抽選を行ってよく、またその他のタイミングで抽選を行ってもよい。
「特別遊技状態終了後に行われる変動遊技状態への移行を示唆表示」とは、昇格示唆、降格示唆のいずれの場合も含まれる。また、「変動遊技状態」とは、通常遊技状態、確率変動遊技状態、時短遊技状態、確率変動遊技状態と時短遊技状態を組み合わせたもの、2種遊技機にあっては、それぞれラウンド数が異なるもの、3種遊技機にあっては、それぞれ確変の期間が異なるもの等が含まれる。第2種にあっては、大当たり確定後、さらにラウンド抽選(1ラウンド、7ラウンド又は15ラウンドの抽選)が行われ、大当たり当選にかかる利益が複数存在する。本発明の昇降格をもって、このラウンド数を移行させる演出が考えられる。例えば、ラウンド抽選で7ラウンドが当選したとしても、昇格する場合、15ラウンドに拡張し、降格すれば1ラウンドに縮小する、といった演出である。第3種にあっては、最初の大当たりを含む大当たりの発生回数が予め決定されている(一般に「N回権利物」言われるもの。最初の大当たりを含む大当たりがN回発生するまで確率変動状態が継続される)が、この権利回数を変化させて、本発明における昇降格を演出することも可能である。例えば、2回権利を基準とする機種では、2回権利から3回権利に大当たり回数を下げる場合を降格、2回権利から3回権利に上げる場合を昇格とする演出も可能である。
上記構成であれば、大入賞口に遊技球が入球するタイミングで示唆表示が行なわれるので、大入賞口は、従来からある賞球獲得するための手段としての機能を発揮する他、昇格、降格示唆と連動する手段としての機能が発揮される。このように、大入賞口への入球に伴って、遊技者には昇格や降格に対する期待や不安を醸し出すことができれば、大当たり中といえども遊技者は緊張感を持って遊技を進行できるので、遊技者の退屈感を払拭し、興趣の飛躍的な向上を図ることができる。さらに、表示装置のみを注視することにより適切な賞球獲得が得られない等の損失を被ることが防がれる。
なお、変動遊技状態抽選手段は、始動口への遊技球の入賞を契機に抽選を行ってもよく、またその他の所定のタイミングで抽選を行ってもよい。
また、「入球検出信号のタイミングに応じて」とは、入球検出信号を入力する度に示唆表示を行う場合の他に、所定の入球個数(例えば3球目と7球目)に応じて示唆表示を行う場合も含まれる。
また、上記構成においては、特別遊技状態抽選手段により当選した場合に常に全て示唆表示を行う場合と、示唆表示演出を行うか否かを選択する場合の両者が含まれる。
手段2.手段1の遊技機であって、
上記示唆表示演出を行うか否かを決定する示唆表示演出抽選手段(大当たり図柄カウンタC2)を備え、
上記示唆表示演出抽選手段により示唆表示演出を行わない場合には、特別遊技状態発生前における図柄変動後の停止時に確定図柄を表示し、特別遊技状態中において示唆表示を行わずに、特別遊技状態終了後に当該確定図柄に応じた変動遊技状態に移行し、
示唆表示演出抽選手段により抽選結果が示唆表示演出を行う場合には、特別遊技状態中の示唆表示に先立って、図柄変動停止後に特別遊技状態に当選したことのみが認知され変動遊技状態に当選したか否かは認知できない表示パターンを一旦表示しておき、その後の特別遊技状態中において変動遊技状態への移行の示唆表示を行うとともに、所定の変動遊技状態への移行に成功するか失敗するかの結果を表示し、成功表示の場合にのみ、特別遊技状態終了後に当該変動遊技状態に移行することを特徴とする。
「成功表示」がなされる場合が昇格表示に相当し、「失敗表示」なされる場合が降格表示に相当する。例えば、通常当たりか確変当たりかが図柄変動停止後の停止図柄で不明の場合に、特別遊技状態中に確変当たりに移行したことを確定する結果表示がなされた場合には、初期状態が通常当たりか確変当たりか不明な状態から確変当たりに移行したので、この場合は昇格表示に相当する。一方、確変当たりに移行することが失敗したことが確定表示された場合には、初期状態が通常当たりか確変当たりか不明な状態から通常当たりに移行したので、この場合は降格表示に相当する。
また、上記構成により、例えば内部抽選で確変当たりに当選した場合に、示唆表示演出(昇格示唆表示演出)により確変当たりに昇格する演出と、変動表示終了後の停止図柄で確変当たりに当選したことを表示する演出を行うことが可能となる。さらに、示唆表示演出抽選手段による抽選確率(唆表示演出を行う確率)を変えることにより、昇格演出する場合としない場合の割合を変化させることができるので、多様な遊技演出が可能となる。
なお、実施の形態における大当たり図柄カウンタC2は、特別遊技状態の種類を決定する抽選機能と、示唆表示演出を行うか否かを決定する抽選機能を併せ持っている。本手段2は、このような構成であってもよく、また、大当たり図柄カウンタC2は変動遊技状態の種類を決定する機能のみを有し、別にカウンタ等の抽選手段を設け、この抽選手段により示唆表示演出を行うか否かを決定するように構成してもよい。
手段3.手段1の遊技機であって、
上記示唆表示演出を行うか否かを決定する示唆表示演出抽選手段(大当たり図柄カウンタC2)を備え、
上記示唆表示演出抽選手段により示唆表示演出を行わない場合には、特別遊技状態発生前における図柄変動後の停止時に確定図柄を表示し、特別遊技状態中において示唆表示を行わずに、特別遊技状態終了後に当該確定図柄に応じた変動遊技状態に移行し、
示唆表示演出抽選手段により示唆表示演出を行う場合には、特別遊技状態中の示唆表示に先立って、図柄変動停止後に上記変動遊技状態抽選手段により当選した変動遊技状態よりも利益価値の高い変動遊技状態の確定図柄を一旦表示しておき、その後の特別遊技状態中において当該当選した変動遊技状態の示唆表示を行うとともに、当該当選した変動遊技状態に移行するか否かの結果を確定表示し、移行する確定表示の場合にのみ、特別遊技状態終了後に当該当選した変動遊技状態に移行することを特徴とする。
上記構成の具体例としては、例えば、内部抽選が通常当たりの場合に、図柄変動停止後に特定図柄(確変当たり図柄)を一旦表示しておき、特別遊技状態中に通常当たりに降格する示唆表示する場合が該当する。
降格表示演出の場合には、遊技者は落胆し、遊技に対する興趣が殺がれることになるという一面もあるが、遊技の多様性という観点からすれば、昇格示唆演出に限定する必要はなく、降格表示演出であっても、充分にその目的を発揮できる。
段4.手段1の遊技機であって、
上記示唆表示演出を行うか否かを決定する示唆表示演出抽選手段(大当たり図柄カウンタC2)を備え、
上記示唆表示演出抽選手段により示唆表示演出を行わない場合には、特別遊技状態発生前における図柄変動後の停止時に確定図柄を表示し、特別遊技状態中において示唆表示を行わずに、特別遊技状態終了後に当該確定図柄に応じた変動遊技状態に移行し、
示唆表示演出抽選手段により示唆表示演出を行う場合には、特別遊技状態中の示唆表示に先立って、図柄変動停止後に上記変動遊技状態抽選手段により当選した変動遊技状態よりも利益価値の低い変動遊技状態の確定図柄を一旦表示しておき、その後の特別遊技状態中において当該当選した変動遊技状態の示唆表示を行うとともに、当該当選した変動遊技状態に移行するか否かの結果を確定表示し、移行する確定表示の場合にのみ、特別遊技状態終了後に当該当選した変動遊技状態に移行することを特徴とする。
上記構成の具体例としては、例えば、内部抽選が確変当たりの場合に、図柄変動停止後に非特定図柄(通常当たり図柄)を一旦表示しておき、特別遊技状態中に確変当たりに昇格する示唆表示する場合が該当する。
降格表示演出がなされる場合には、遊技者は落胆し、遊技に対する興趣が殺がれることになるが、上記構成の如く、昇格示唆演出がなされる場合に限定すれば、上記のような欠点を解消できる。
手段5.手段1〜4の何れかの遊技機であって、
上記入球検出手段(入球検出スイッチSW1)は、賞球払出条件としての大入賞口への入球を検出する賞球獲得用入球検出機能と、上記示唆表示演出の実行開始のタイミングとしての大入賞口への入球を検出する示唆表示用入球検出機能とを兼用しており、
上記入球検出手段は、上記特別遊技状態抽選手段を含み且つ遊技の進行を統括する主制御装置に接続され、この主制御装置は示唆表示のための入球検出信号を上記示唆表示制御手段に送信することを特徴とする。
上記構成により、以下の手段6の構成に比べて、部品点数(スイッチ・配線)を増やすことなく昇格示唆表示を行うことができ、安価で・作業工程が複雑にならない等の効果を奏する。
手段6.手段1〜4の何れかの遊技機であって、
上記入球検出手段は、上記示唆表示演出の実行開始のタイミングとしての大入賞口への入球を検出する示唆表示用入球検出機能のみを有する示唆表示用入球検出手段(入球検出スイッチSW2)であり、この示唆表示用入球検出手段とは別個に、賞球払出条件としての大入賞口への入球を検出する賞球獲得用入球検出機能のみを有する賞球獲得用入球検出手段(入球検出スイッチSW1)が設けられており、
上記示唆表示用入球検出手段は、上記示唆表示制御手段に接続され、
上記賞球獲得用入球検出手段は、上記特別遊技状態抽選手段を含み且つ遊技の進行を統括する主制御装置に接続されていることを特徴とする。
上記構成により、上記の手段5の構成に比べて、「賞球獲得用入球検出手段→主制御装置→示唆表示制御手段(サブ制御装置)」の構成は変える必要がなく、示唆表示用入球検出手段と、示唆表示制御手段(サブ制御装置)の制御プログラムを変更するだけで昇格示唆表示を行うことができ、無駄に開発労力をかける必要がないという効果を奏する。
手段7.手段1〜6の何れかの遊技機であって、
上記示唆表示制御手段は、
上記示唆表示演出として表示される複数種類の示唆図柄が格納されているとともに、その示唆図柄の種別毎の格納割合がそれぞれ異なる複数の記憶手段であって、入球個数にそれぞれ対応した複数の記憶手段(表示テーブルT1〜T7)と、
上記記憶手段に格納されている複数種類の示唆図柄の何れかを選択する示唆図柄選択手段(Rレジスタ1021の8ビット)と、
示唆表示制御を統括する示唆表示用主制御手段(入球管理部1010)と、
を備え、
上記示唆表示用主制御手段は、大入賞口への入球のタイミングに応じて、上記複数の記憶手段のうち入球個数に対応した記憶手段を選択し、この選択された記憶手段から上記示唆図柄選択手段により選択された示唆図柄を読み出して表示手段に表示させることを特徴とする。
上記構成により、大入賞口への入球のタイミングに応じて表示内容が決定され、表示される。このように入球タイミングが表示内容に関連しているため、退屈感を払拭でき、大入賞口と表示演出との関連を高めることができる。なお、「示唆図柄」には、例えば泡、魚群等の具体的な図柄の他に、図柄を全く表示しない場合も含まれる。
手段8.手段1〜6の何れかの遊技機であって、
さらに、何れのラウンド終了後に、特別遊技状態終了後に行われる所定の変動遊技状態への移行の確定表示をするかを決定するラウンド抽選手段(Rレジスタ1008の下位4ビット)を備え、
上記示唆表示制御手段は、
上記ラウンド抽選手段により決定された確定表示ラウンド値を格納する確定表示ラウンド値記憶手段(バッファB62)と、
確定表示ラウンドに達するまでのラウンドに使用される複数の第1の表示テーブル(表示テーブルT1〜T3)を有する第1の表示テーブル群であって、上記各第1の表示テーブルは示唆表示演出として表示される複数種類の示唆図柄が格納されているとともに、その示唆図柄の種別毎の格納割合が表示テーブル毎にそれぞれ異なり、且つ、入球個数に対応付けられている、そのような第1の表示テーブル群と、
確定表示ラウンドに使用される複数の第2の表示テーブル(表示テーブルT4,T5)を有する第2の表示テーブル群であって、上記各第2の表示テーブルは示唆表示演出として表示される複数種類の示唆図柄が格納されているとともに、その示唆図柄の種別毎の格納割合が表示テーブル毎にそれぞれ異なり、且つ、入球個数に対応付けられている、そのような第2の表示テーブル群と、
全てのラウンドにおいて所定の変動遊技への移行に失敗する場合に使用される複数の第3の表示テーブル(表示テーブルT6,T7)を有する第3の表示テーブル群であって、上記第3の表示テーブルは示唆表示演出として表示される複数種類の示唆図柄が格納されているとともに、その示唆図柄の種別毎の格納割合が表示テーブル毎にそれぞれ異なり、且つ、入球個数に対応付けられている、そのような第3の表示テーブル群と、
上記第1〜第3の表示テーブルに格納されている複数種類の示唆図柄の何れかを選択する示唆図柄選択手段(Rレジスタ1021の8ビット)と、
所定の変動遊技状態への移行に成功したことを表示する成功表示情報と、所定の変動遊技状態への移行に失敗したことを表示する失敗表示情報とが格納されている表示情報記憶手段(昇格結果表示パターン保持バッファB65)と、
示唆表示制御を統括する示唆表示用主制御手段(入球管理部1010)と、
を備えるとともに、
さらに、上記第1〜第3の表示テーブル群は格納される示唆図柄の種別毎の格納割合が、各第1〜第3の表示テーブル群間において相互に異ならせて構成されており、
上記示唆表示用主制御手段は、
ラウンド抽選手段により決定された確定表示ラウンドに達するまでのラウンドにおいては、大入賞口への入球のタイミングに応じて、第1の表示テーブル群のうち入球個数に対応した第1の表示テーブルを選択し、この選択された第1の表示テーブルから上記示唆図柄選択手段により選択された示唆図柄を読み出して表示手段に表示させ、さらに、各ラウンド終了後には表示情報記憶手段から失敗表示情報を読み出して、失敗表示を表示させ、
確定表示ラウンドに達した場合には大入賞口への入球のタイミングに応じて、第2の表示テーブル群のうち入球個数に対応した第2の表示テーブルを選択し、この選択された第2の表示テーブルから上記示唆図柄選択手段により選択された示唆図柄を読み出して表示手段に表示させ、さらに、ラウンド終了後には表示情報記憶手段から成功表示情報を読み出して、成功表示を表示させ、
全てのラウンドにおいて所定の変動遊技への移行に失敗する場合には、各ラウンドにおいて、大入賞口への入球のタイミングに応じて、第3の表示テーブル群のうち入球個数に対応した第3の表示テーブルを選択し、この選択された第3の表示テーブルから上記示唆図柄選択手段により選択された示唆図柄を読み出して表示手段に表示させ、さらに、各ラウンド終了後には表示情報記憶手段から失敗表示情報を読み出して、失敗表示を表示させることを特徴とする。
上記構成により、所定の変動遊技への移行に成功する場合には、確定表示ラウンドに達するまでのラウンドにおいては、第1の表示テーブルの示唆図柄が入球タイミングに応じて表示される。確定表示ラウンドに達した場合には第2の表示テーブルの示唆図柄が入球タイミングに応じて表示される。これにより、確定表示ラウンドで確定表示されるまで退屈感を払拭できる。
また、所定の変動遊技への移行に失敗する場合には、全てのラウンドにおいて第3の表示テーブルの示唆図柄が入球タイミングに応じて表示される。これにより、全てのラウンドにおいて退屈感を払拭できる。
さらに、第1〜第3の表示テーブル群相互間において、示唆図柄の種別毎の格納割合を異ならせることにより、第1〜第3の表示テーブル群の何れが選択されるかによって、複数の示唆図柄のうちの特定の図柄の出現率に一定の傾向をもたせることが可能となる。この結果、示唆図柄の出現によって、所定の変動遊技への移行の成功・失敗を予測することが可能となり、遊技者は示唆表示演出を興味を持って注視することになり、退屈感を払拭できる。
ここで、「入球のタイミングに応じて」とは、入球のたび毎の他に、所定の入球個数(例えば3球目と7球目)に応じても含まれる。また、「ラウンド抽選手段」は、示唆表示制御手段に含むように構成してもよく(図57のRレジスタ1021の下位4ビットに相当)、または示唆表示制御手段とは別の例えば主制御装置側に「ラウンド決定手段」を設け(図25の主制御装置261のRレジスタ1008の下位4ビットに相当)、主制御装置側から確定表示ラウンド値を示唆表示制御手段に送信して、示唆表示制御手段内の確定表示ラウンド値記憶手段(バッファB62)に格納するようにしてもよい。
手段9.手段8の遊技機であって、
上記第1〜第3の表示テーブル群の各表示テーブルに格納されている複数の示唆図柄には、変動遊技への移行に成功する割合が高い指標となる第1の指標示唆図柄と、変動遊技への移行に失敗する割合が高い指標となる第2の指標示唆図柄が含まれており、第1の表示テーブル群には、上記第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルが存在し、第2の表示テーブル群には、上記第1の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルが存在し、第3の表示テーブル群には、上記第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルが存在し、
上記第1の表示テーブル群に存在する第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルに対応付けられた入球個数と、第2の表示テーブル群に存在する第1の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルに対応付けられた入球個数と、第3の表示テーブル群に存在する上記第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブルに対応付けられた入球個数とは、一致しており、
何個目の入球かを表示すべく各入球個数にそれぞれ対応した複数の入球個数表示手段(入球個数表示ランプL1〜L10)を備え、上記第1又は第2の指標示唆図柄の格納割合が高い表示テーブルに対応付けられた入球個数の入球時に表示される入球個数表示手段(入球個数表示ランプL3,L7,L10)と、それ以外の入球個数表示手段(入球個数表示ランプL1,L2,L4〜L6,L8,L9)とは形状が異なっていることを特徴とする。
「第1の指標示唆図柄」とは例えば実施の形態における「魚群」を意味し、「第2の指標示唆図柄」とは例えば実施の形態における「泡」を意味する。「第1の表示テーブル群に存在する第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブル」とは、例えば実施の形態では、第1の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT1〜T3のうち、「泡」の格納割合が最も高い表示テーブルT2を意味する。「第2の表示テーブル群に存在する第1の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブル」とは、例えば実施の形態のでは、第2の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT4,T5のうち、「魚群」の格納割合が最も高い表示テーブルT5を意味する。「第3の表示テーブル群に存在する上記第2の指標示唆図柄の格納されている割合が最も高い表示テーブル」とは、例えば実施の形態のでは、第3の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT6,T7のうち、「泡」の格納割合が最も高い表示テーブルT7を意味する。そして、これらの表示テーブルT2、表示テーブルT5、表示テーブルT7は、所定の入球個数(実施の形態においては、入球個数が3、7、10球目に相当)時に選択される。従って、所定の入球個数(実施の形態においては、入球個数が3、7、10球目に相当)で、第1又は第2の指標示唆図柄が表示され易いので、遊技者は所定の入球個数(3、7、10球目)時の示唆図柄により変動遊技状態への移行が成功するか失敗するかをある程度予測することが可能となる。また、所定の入球個数(3、7、10球目)時であることを遊技者に注意を促すために、上記第1又は第2の指標示唆図柄の格納割合が高い表示テーブルに対応付けられた入球個数の入球時に表示される入球個数表示手段(入球個数表示ランプL3,L7,L10)と、それ以外の入球個数表示手段(入球個数表示ランプL1,L2,L4〜L6,L8,L9)とは形状を異ならしている。上記構成の一例としては、入球個数表示ランプL3,L7,L10を星形にし、他の入球個数表示ランプL1,L2,L4〜L6,L8,L9を丸形にしておく場合が該当する。
手段10.手段8又は手段9の遊技機であって、
確定表示ラウンド終了後に成功確定表示が表示された場合は、次回のラウンド以降は通常の特別遊技状態中の演出表示が実行されることを特徴とする。
手段11.手段1〜6の何れかの遊技機であって、
上記示唆表示制御手段は、
上記示唆表示演出として表示され、最大入球個数分の画像データで構成された表示パターンを1以上格納する記憶手段(表示テーブルT10〜T12)と、
大入賞口への入球のタイミングに応じて、上記記憶手段に記憶されている表示パターンの何れかを選択する選択手段(Rレジスタ1021の下位4ビット)と、
示唆表示制御を統括する示唆表示用主制御手段(入球管理部1010)と、
を備え、
上記示唆表示用主制御手段は、
大入賞口への予め定められた第1の入球個数目の入球時に、上記選択手段によって上記記憶手段から表示パターンを選択し、この選択表示パターンに含まれる最初の画像を表示手段に表示させ、
上記入球以降であり且つ予め定められた1又は複数の第2の入球個数目の入球時には、入球毎に、上記選択表示パターンに含まれる当該入球個数に対応した画像を表示手段に表示させることを特徴とする。
上記構成により、大入賞口への1回の入球で次回以降の入球時に表示するための複数個分の表示内容を決定し、それ以降の入球タイミングで表示させることができる。この結果、入球タイミングに応じて決定される複数の表示演出をそれぞれ関連付けることが容易であるという効果を奏する。また、表示する内容が予め決まっており、大入賞口への入球タイミングに応じてその内容を表示することができるので、入球タイミングと表示演出とが関連していることが分かり易いため効果的である。
ここで、「予め定められた第1の入球個数目の入球時」とは、大入賞口への最初の入球時であってもよく、また、大入賞口への最初の入球以外の例えば4球目であってもよい。また、「上記入球以降であり且つ予め定められた1又は複数の第2の入球個数目の入球時」とは、「予め定められた第1の入球個数目の入球時」が例えば4球目の場合に、4球目以降の所定の入球、例えば6球目(第2の入球個数目の入球が1の場合)であってもよく、また、7球目及び8球目(第2の入球個数目の入球が複数の場合)であってもよい。
手段12.手段1〜6の何れかの遊技機であって、
上記示唆表示制御手段は、
上記示唆表示演出として表示され、最大入球個数分の画像データで構成された表示パターンを1以上格納する記憶手段(表示テーブルT10〜T12)と、
大入賞口への入球のタイミングに応じて、上記記憶手段に記憶されている表示パターンの何れかを選択する選択手段(Rレジスタ1021の下位4ビット)と、
示唆表示制御を統括する示唆表示用主制御手段(入球管理部1010)と、
を備え、
上記示唆表示用主制御手段は、
大入賞口への最初の入球時に、上記選択手段によって上記記憶手段から表示パターンを選択し、この選択表示パターンに含まれる最初の入球に対応する画像を表示手段に表示させ、
2球目以降は、入球のタイミングに応じて、上記選択表示パターンに含まれる入球個数に対応した画像を順次的に表示手段に表示させることを特徴とする。
上記構成により、最初の入球時に表示内容が決定され、2球目以降は入球のタイミングに応じて画像が表示されるので、大入賞口への遊技球の最大許容個数分の入球タイミングに応じた表示が可能となり、表示が多様性に富んだものになり、遊技者の退屈感をより一層払拭することができる。
手段13.手段1〜6の何れかの遊技機であって、
さらに、何れのラウンドで特別遊技状態終了後に行われる所定の変動遊技状態への移行を確定表示するかを決定するラウンド抽選手段(Rレジスタ1008の下位4ビット)を備え、
上記示唆表示制御手段は、
上記ラウンド抽選手段により決定された確定表示ラウンド値を格納する確定表示ラウンド値記憶手段(バッファB62)と、
確定表示ラウンドに達するまでのラウンドに使用される1以上の表示パターンを有する第1の表示テーブル(表示テーブルT11)と、
確定表示ラウンドに使用される1以上の表示パターンを有する第2の表示テーブル(表示テーブルT10)と、
全てのラウンドにおいて所定の変動遊技への移行に失敗する場合に使用される1以上の表示パターンを有する第3の表示テーブル(表示テーブルT12)と、
上記第1〜第3表示テーブルに記憶されている表示パターンの何れかを選択する選択手段(Rレジスタ1021の下位4ビット)と、
所定の変動遊技状態への移行に成功したことを表示する成功表示情報と、所定の変動遊技状態への移行に失敗したことを表示する失敗表示情報とが格納されている表示情報記憶手段(昇格結果表示パターン保持バッファB65)と、
示唆表示制御を統括する示唆表示用主制御手段(入球管理部1010)と、
を備え、
上記示唆表示用主制御手段は、
ラウンド抽選手段により決定された確定表示ラウンドに達するまでのラウンドにおいては、大入賞口への最初の入球のタイミングに応じて、上記選択手段によって上記第1の表示テーブルの表示パターンを選択し、この選択された表示パターンに含まれる最初の入球に対応する画像を表示手段に表示させ、
2球目以降は、入球のタイミングに応じて、上記選択された表示パターンに含まれる入球個数に対応した画像を順次的に表示手段に表示させ、さらに、各ラウンド終了後には表示情報記憶手段から失敗表示情報を読み出して、失敗表示を表示させ、
確定表示ラウンドに達した場合には大入賞口への最初の入球時に、上記選択手段によって上記第2の表示テーブルの表示パターンを選択し、この選択された表示パターンに含まれる最初の入球に対応する画像を表示手段に表示させ、
2球目以降は、入球のタイミングに応じて、上記選択された表示パターンに含まれる入球個数に対応した画像を順次的に表示手段に表示させ、さらに、ラウンド終了後には表示情報記憶手段から成功表示情報を読み出して、成功表示を表示させ、
全てのラウンドにおいて所定の変動遊技への移行に失敗する場合には、各ラウンドにおいて、大入賞口への最初の入球時に上記選択手段によって上記第3の表示テーブルの表示パターンを選択し、この選択された表示パターンに含まれる最初の入球に対応する画像を表示手段に表示させ、
2球目以降は、入球のタイミングに応じて、上記選択された表示パターンに含まれる入球個数に対応した画像を順次的に表示手段に表示させ、さらに、各ラウンド終了後には表示情報記憶手段から失敗表示情報を読み出して、失敗表示を表示させることを特徴とする。
上記構成により、所定の変動遊技への移行に成功する場合には、確定表示ラウンドに達するまでのラウンドにおいては、最初の入球で第1の表示テーブルの表示パターンが選択され、2球目以降は入球のタイミングに応じて選択された表示パターンに含まれる画像が順次表示される。確定表示ラウンドに達した場合は、最初の入球で第2の表示テーブルの表示パターンが選択され、2球目以降は入球のタイミングに応じて選択された表示パターンに含まれる画像が順次表示される。これにより、確定ラウンドの終了まで退屈感を払拭できる。
また、所定の変動遊技への移行に失敗する場合には、全てのラウンドにおいて第3の表示テーブルの表示パターンが選択され、この選択された表示パターンに含まれる画像が順次表示される。これにより、全てのラウンドにおいて退屈感を払拭することができる。
手段14.手段13の遊技機であって、
確定表示ラウンド終了後に成功確定表示が表示された場合は、次回のラウンド以降は通常の特別遊技状態中の演出表示が実行されることを特徴とする。
〔第1の形態〕
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げるが、本発明は、パチンコ機の入賞装置の他に、球体を用いて遊技盤上で遊技を行う遊技機一般の入賞装置を対象とすることができる。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、図示しない樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回勣(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3〜図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図3は遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は大入賞口61付近を模式的に示す図であり、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動口33、第2の始動口34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33、第2の始動口34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入り口には、図5に示すように一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1(図8参照)によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口61が配置されている。大入賞口61は常時はシャッタ62が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される。シャッタ62は遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL2(図8参照)によって駆動される。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1(図8参照)が設けられている。
前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置38は2色のLED38a,38bで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。各LED38a,38bは、例えば赤色と緑色との可変表示がなされるようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。この装飾図柄表示装置42の下方には、図6に示すように、昇格示唆表示の際の大入賞口61への入球個数を示す入球個数ランプL1〜L10が左側から右側に順に設けられている。13球目の入球個数ランプL3、7球目の入球個数ランプL7、10球目の入球個数ランプL10は星形形状とされ、1球目の入球個数ランプL1、2球目の入球個数ランプL2、4球目〜6球目のランプ入球個数L4〜L6、8球目の入球個数ランプL8、9球目の入球個数ランプL9は、一般的な丸形形状とされている。
上記普通図柄表示装置41は、普通図柄用のランプ41a,41bを備えている。この実施例では、普通図柄用のランプ41aは、例えば、装飾図柄表示装置42の表示両面の上方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、普通図柄用のランプ41bは、ランプ41aの右上側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えばランプ41a、41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、ランプ41a,41bが交互に光り、ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口31を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、ランプ41a,41bは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となったこと(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったこと)を必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3及び図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3及び図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球を図示しないファール球通路に導くための役目をなす。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図7はパチンコ機10の背面図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板(装置)、電源監視基板(装置)、及びサブ制御基板(装置)を一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板(装置)、発射制御基板(装置)及び電源基板(装置)を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
ここで、上記第1制御基板ユニット201は、遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板と、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御と音声ランプ制御とを司るサブ制御基板とを有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。この基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは後述の封印ユニット805によって開封不能に連結されることにより、基板ボックス263が封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
次に、前記第2制御基板ユニット202は、払出制御基板、発射制御基板、電源基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記発射制御基板により遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われ、上記電源基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース280内に収納されており、上記電源基板は、透明樹脂材料等よりなる電源基板ケース281内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース314内に収納され、上記発射制御基板は透明樹脂材料等よりなる図示しない発射制御基板ケース内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチ321と電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチ388の左方には、前面枠開検出スイッチ389が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチ389からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニット805で封印されている。この理由は以下の通りである。即ち、電源装置内に停電監視回路を備え、主制御装置のみを封印ユニットで封印する従来例の構成では、停電監視回路と主制御装置とを接続する停電信号線にぶら下げ基板を接続することにより不正に大当たり状態が得られることになる。このような不正行為を防止するため、主制御装置から音声・ランプ制御装置(本実施の形態ではサブ制御装置に相当)に停電状態告知信号を与えることにより不正行為を効果的に防止できる。しかし、このように構成したとしても、停電状態告知信号線に、ぶら下げ基板を接続し、停電状態告知信号を遮断すれば、大当たり状態を不正に得ることが可能となる。そこで、本実施の形態では、電源装置313とは別個に、停電監視回路542を備えた停電監視装置540を設け、停電監視装置540と主制御装置261とを封印ユニット805によって封印し、停電信号線にぶら下げ基板を接続することを防止したものである。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置38は上記したように特別図柄表示ランプ38a,38bで構成されており、普通図柄表示装置41は上記したように普通図柄表示ランプ41a,41bで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置38で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置38の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、特別図柄表示ランプ38a,38bの色変化(赤色・緑色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動口33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、特別図柄が揃っている場合、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが同一色の点灯状態となっているときは大当たりとなり、変動表示の停止時に特別図柄が揃っていなければ、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが異色の点灯状態となっているときは、外れとなり、始動口33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動口33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、変動表示の停止時において、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色の点灯状態であれば、特定図柄(確率変動図柄)とみなされ、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色の点灯状態であれば、非特定図柄(非確率変動図柄)とみなされる。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、図9に示すように、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動口33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置41の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示ランプ41a(外観が○形状)と、普通図柄表示ランプ41b(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動口34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、表示ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口31を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置38の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図10に示すように、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置38の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置38が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組合せ(本実施形態においては特定図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色で点灯する場合)によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合(本実施形態においては特定図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で点灯する場合)をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」「8」、「9」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色で停止し、この場合の停止図柄の組み合わせは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で停止し、この場合の停止図柄の組み合わせは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
さらに、大当たり図柄カウンタC2の値により、昇格示唆演出の可否を決定するようになっている。即ち、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「2」、「3」、「4」の場合は、昇格示唆演出を行うように設定されている。つまり、大当たり図柄カウンタC2の値が「1」、「8」、「9」の場合は通常当たりで昇格示唆演出を行わないモード、「0」の場合は通常当たりで昇格示唆演出を行うモード、「5」、「6」、「7」の場合は確率変動付き大当たり(以下、確変当たりと略称する)で昇格示唆演出を行わないモード、「2」、「3」、「4」の場合は確変当たりで昇格示唆演出を行うモードである。
なお、大当たり図柄のうちの装飾図柄に関しては、後述するように、装飾停止図柄コード情報コマンド(特定当たり且つ昇格演出可指定、特定当たり且つ昇格演出不可指定、非特定当たり且つ昇格演出可指定、非特定当たり且つ昇格演出不可指定、外れ指定の何れかを内容とするコマンド)を作成してサブ制御装置262に送信し、サブ制御装置262において具体的な装飾図柄の態様に編集して表示制御装置45に送信し、この具体的な装飾図柄の態様を受信した表示制御装置45によって装飾図柄表示装置42に表示されるようになっている。装飾図柄表示装置42に表示される装飾停止図柄としては、特定当たり且つ昇格演出可指定の場合には偶数で一致する図柄となり(図32参照)、特定当たり且つ昇格演出不可指定の場合は奇数で一致する図柄となり、非特定当たり且つ昇格演出可指定の場合は偶数で一致する図柄となり(図32参照)、非特定当たり且つ昇格演出不可指定の場合は偶数で一致する図柄となり、外れ指定の場合は図柄が揃はない。従って、昇格示唆表示モードの場合は、停止装飾図柄からは通常当たりか、確変当たりかは判断できないようになっており、後述する昇格示唆表示により知ることができるようになっている。なお、昇格演出可指定の場合は、停止装飾図柄に加えて昇格演出モードである旨の文字情報が付加される(図32参照))。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、特別図柄の変動表示は、2つの表示ランプ38a,38bで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置38による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図15はタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチを除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S602)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ738,250)に達した際0にクリアする。そして、各カウンタCIN1,CIN2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B1〜B4に格納する。次いで、始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。その後、発射制御装置312に、発射ソレノイド制御信号や球送りソレノイド制御信号等を出力して発射制御処理を実行する(S605)。
図16のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS703で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリア700の空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図17はNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電監視装置540内の停電監視回路542から停電信号SG1が主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。本実施の形態におけるNMI割込処理を具体的説明すると、MPU501は電源遮断の発生情報の設定(具体的には停電フラグを論理「1」に設定)する(S801)。この停電フラグが論理「1」であるときは電源遮断(停電)状態であることを示し、停電フラグが論理「0」であるときは電源遮断(停電)でない通常状態であることを示す。なお、以下の説明において、「電源遮断の発生情報」とは停電フラグを意味するものである。
なお、図17のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後の所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源装置313から停電監視装置540を介してバックアップ電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行されるようになっている。
そして、NMI割込処理が行われた後は、通常処理に戻り、後述するように通常処理中において、最終処理プログラムまで処理の実行を行った後、電源断の発生情報を確認して、電源断の発生情報が設定されている場合は、停電処理に移行する。このようにして、停電時にはNMI割込処理を停電フラグの設定のみとし、通常処理をその最終処理プログラムまで実行した後に電源断の発生情報の設定を確認して停電処理に移行することにより、処理の圧縮、制御の簡略化を実現できる。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、また、停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされるのも同様である。
図11は主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。次いで、払出制御装置311及びサブ制御装置262が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する(S102)。そして、ウェイト後は、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、RAM消去スイッチがオンされているか否かを判別(具体的には電源監視装置からのRAM消去信号を入力したか否かで判別)し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチがオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503に電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S105)、設定されていなければ(S105:No)、この場合にも、処理をS113へ移行する。電源断の発生情報が設定されている場合は(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAMに格納されているデータ(RAMにデータと称する)は破壊されているので、かかる場合にも処理をS113へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAMデータの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、RAMの初期化処理(S113)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりRAMデータの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理等(S113〜S117)に移行する。即ち、S113からのRAMの初期化処理等では、RAM503の使用領域を0にクリアし,RAM503の初期値を設定する(S113)。次いで、払出制御装置311に対して払出初期化コマンドを送信し(S114)、次いで、電源投入時のコマンドを送信し(S115)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S116)。その後、割込みを許可して(S117),後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチがオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が設定されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して、電源断の発生情報をクリア(停電フラグを「0」に設定)する。次に、払出制御装置311に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、次いで、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復帰時のコマンドを送信し(S110)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S111)。その後、割込みを許可して(S112),後述する通常処理に移行する。
次に、図12のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S209の各処理が実行され、その残余時間処理内で停電フラグを監視し電源断の処理(S212〜S216)を実行する構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置等に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様に関するコマンド)、装飾図柄の停止図柄コード情報指定コマンド(特定当たり且つ昇格演出可指定、特定当たり且つ昇格演出不可指定、非特定当たり且つ昇格演出可指定、非特定当たり且つ昇格演出不可指定、外れ指定の何れかを内容とするコマンドであり、以下、「装飾停止図柄コード情報指定コマンド」と略称する)、演出コマンド(演出時間加算指定コマンド等が含まれる)演出停止コマンド(確定コマンドとも称する)等をサブ制御装置262に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1〜CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次いで、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込み(S203)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S204)。なお、この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定に加えて、装飾図柄の表示演出のための変動パターンコマンド、装飾停止図柄コード情報指定コマンド、及び演出時間加算指定コマンドの決定なども行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合においては、可変入賞装置32の大入賞口61を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口61を開放し、大入賞口61の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口61に遊技球が規定個数(例えば10球)入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口61を閉鎖する。これを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本パチンコ機では、大入賞口61の連続開放のための特定領域(Vゾーン)は設けられておらず、従って、大当たり状態時には、所定ラウンド数の途中で終了することはなく、必ず所定ラウンド数(例えば16ラウカド)全てが実行されるようになっている。
次いで、ステップS206では、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度、当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄表示装置41の表示ランプ41a,41bにて普通図柄の変動表示が実施される。そして、当たり乱数カウンタC4の値により普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たり状態(「○」表示された状態)になると、第1の始動口33が所定時間開放される(S207)。
次いで、電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S208)、設定されていれば(S208:Yes)、処理をS212へ移行し、割込み禁止を設定し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信し(S213)、その後、制御信号の出力を停止する(S214)。次いで、RAM判定値を算出し、保存する(S215)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
電源断の発生情報の設定がなされていない場合は(S208:No)、処理はステップS209に移り、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理はステップS201に戻る。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、及び当たり初期値乱数カウンタCINI2並びに、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(S210,S211)。まず、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S210)。具体的には、カウンタCINI1,CINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、カウンタCINI1,CINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9にそれぞれ格納する。次に、カウンタ変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値をRAM503の該当するバッファ領域B5,B6,B7にそれぞれ格納する。
このようにして、S201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び当たり初期値乱数カウンタCINI2(即ち、当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1〜CS3についてもランダムに更新することができる。
次に、図13のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S204)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に装飾図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、特別図柄表示装置38の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリア700に格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア700の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具体に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図12を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、変動時間が経過していない場合は(S407:No)、特別図柄の表示図柄を更新し(S408)、本処理を終了する。ここで、「特別図柄の表示図柄を更新」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを現在の点灯状態と異なる点灯状態に変化させることを意味する。例えば、特別図柄表示ランプ38a,38bの点灯色を変化させる場合が該当する。変動時間が経過した場合は(S407:Yes)、特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定する(S409)。ここで、「特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを停止図柄(特定図柄、非特定図柄、外れ図柄にそれぞれ対応するランプの点灯色)で点灯状態とすることを意味する。次いで、演出パターン停止コマンドを設定して(S410)、本処理を終了する。
次に、図14のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄(特定図柄、又は非特定図柄の何れか)を停止図柄に設定する(S502)。次いで、変動種別カウンタCS1,CS2のカウント値を確認にして大当たり演出パターンを決定する(S503)。
次に、変動種別カウンタCS3の値を確認して演出時間加算を決定する(S504)。次に、ステップS503で決定された大当たり演出パターンにより、演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドとも称する)を設定し(S505)、大当たり図柄カウンタC2の値により装飾停止図柄コード情報コマンドを設定し(S506)、ステップS504で演出時間加算を決定したときは演出時間加算指定コマンドを設定する(S507)。このようにして、ステップS501〜S507により、大当たりの場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。なお、装飾停止図柄コード情報コマンドとしては、大当たり図柄カウンタC2の値により、カウント値が、「1」、「8」、「9」の場合は非特定当たり且つ昇格演出不可指定コマンドを設定し、「0」の場合は非特定当たり且つ昇格演出可指定コマンドを設定し、「5」、「6」、「7」の場合は特定当たり且つ昇格演出不可指定コマンドを設定し、「2」、「3」、「4」の場合は特定当たり且つ昇格演出可指定コマンドを設定する。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、外れ図柄を停止図柄に設定する(S508)。外れ演出パターンを決定する(S509)。そして、ステップS504〜S507の処理により、大当たりでない場合における、演出パターン指定コマンド、装飾図柄コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
次に、図18及び図19を参照して、サブ制御装置262のMPU550により実行される各処理について説明する。図18は、サブ制御装置262のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
サブ制御装置262のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S911)、I/Oやタイマの初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。次いで、電源断処理が全て完了しているか否か、即ち、ランプが全て消灯されているか、スピーカが消音されているか等が判別される(S912)。電源断処理が全て完了している場合(S912:Yes)は、処理はS914に移行する。電源断処理が全て完了していない場合(S912:No)は、RAM552が破壊されているおそれがあるので、RAM552が破壊されているか否かを判定する(S913)。具体的には、RAM552にはRAM破壊チェックデータが予め設定されており、このRAM破壊チェックデータによって判定するようになっている。RAM552が破壊されていないと判定されたときは(S913:No)、処理はステップS917に移る。一方、RAM552が破壊されていると判定されたときは(S913:Yes)、RAM552の各領域について読み書きチェックを行い(S914)、この読み書きチェックの結果に基づきRAM552が正常に機能するか否かを判別する(S915)。RAM552が正常でない場合(S915:No)は、所定のランプを点灯させてRAMの異常を報知する(S921)。
一方、RAM552が正常であれば(S915:Yes)、RAM552にRAM破壊チェックデータを設定する(S16)。次いで、電源断後の電源投入か否かが判断され(S917)、電源断後の電源投入でない場合(S917:No)は、RAM522の未初期化領域以外の領域をクリアする(S918)。これにより、主制御装置261から送信されたコマンドのうち電源コマンド以外は全てクリアされる。次いで、タイマ割込や主制御装置261からのコマンドの受信処理等の割込みを許可状態とする(S919)。次いで、RAM522の初期値設定を行い(S920)、その後、後述する通常処理に移行する。一方、ステップS917で電源断後の電源投入であれば、処理はステップS919に移る。
次いで、図19を参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。先ず1ms以上経過したか否かが判断される(S1031)。1ms経過前であれば(S1031:No)、装飾図柄に関連する、外れ図柄や大当たり図柄、予告図柄等の生成のための乱数を更新する(S1040)。具体的には、大当たり装飾図柄(特定図柄用)カウンタ、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタ、リーチ装飾図柄カウンタ、完全外れ装飾図柄カウンタ、予告図柄等の演出用図柄カウンタ等が設けられており、これら装飾図柄に関連するカウンタの値を更新する。なお、これらのカウンタの値はランダムに更新する。即ち、MPU550に内蔵のRレジスタの値を用いることにより、これらのカウンタの値をランダムに更新する。即ち、これらのカウンタの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。なお、昇格示唆演出モードの場合は、通常大当たりと確変当たりのいずれの場合であっても、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタが選択される。これにより、昇格示唆演出モードでは、通常大当たりと確変当たりの停止図柄が共通しており、停止図柄では認知できないようになっている。
乱数の更新処理(S1040)後は、主制御装置261からのコマンド受信し、各コマンドに対応した処理を行う(S1041)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、装飾図柄の表示に関連するコマンドの場合は、そのコマンドを基に表示制御装置45へのコマンドを編集し、その編集したコマンドを表示制御装置45に送信する。具体的に説明すると、主制御装置261からの表示コマンドとしては、変動パターン指定コマンド(停止パターン選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1,CS2とに基づき生成されたコマンドであって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様を指定するコマンド)、装飾停止図柄コード情報コマンド(特定当たり且つ昇格演出可指定、特定当たり且つ昇格演出不可指定、非特定当たり且つ昇格演出可指定、非特定当たり且つ昇格演出不可指定、外れ指定の何れかのコマンド)、演出コマンド(変動種別カウンタCS3に基づき生成された変動時間の変更等コマンド)、及び全停止コマンド(装飾図柄停止のコマンド、いわゆる確定コマンド)等が該当する。一方、サブ制御装置262は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドはそのまま表示制御装置45に送信するが、装飾停止図柄コード情報コマンドでは特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定それぞれの具体的な装飾図柄(停止図柄)を決定したコマンドに編集する。この編集に当たっては、MPU550内の装飾図柄カウンタにより停止図柄が決定されるようになっている。なお、昇格示唆演出モードの場合は、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタにより決定される具体的な装飾図柄情報と昇格示唆演出モードを報知する文字情報とが表示制御装置45に送信されるようになっている。
また、主制御装置261からの演出コマンドは、変動時間の変更等に加えて、各種演出の指定をも含むコマンドに編集する。そして、サブ制御装置262は、これらのコマンドを表示制御装置45に送信する。これにより、表示制御装置45では、受信したコマンドを解析し、そのコマンドに応じて装飾図柄の画像生成を行い、装飾図柄表示装置42に出力することにより、装飾図柄表示装置42では所定の演出表示で変動表示が実行されることになる。
その後、RAM552が破壊されているか否かを確認し(S1042)、破壊されていなければ(S1042:No)、処理はステップS1031に戻る。破壊されていれば(S1042:Yes)、無限ループ処理となる。
一方、ステップS1031において、1ms以上経過していれば(S1031:Yes)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを演出用ランプ811に出力し、演出用ランプ811を点灯する(S1032)。なお、ランプ点灯パターンの作成は、具体的には後述するステップS1037の処理により行われる。次いで、電源投入コマンドにより、所定ランプを30秒間点灯させ、報知する(S1033)。次いで、装飾図柄のタイトルと静止画の切替を行うための客待ち演出コマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1034)。次いで、特別図柄の保留個数を装飾図柄表示装置42で表示する場合は、その保留個数表示更新時にはそのためのコマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1035)。
次いで、演出ボタン79の入力操作を確認し、入力操作があったときは、その演出ボタン79に応じた所定の演出が装飾図柄表示装置42において表示演出されるように演出コマンドを生成して、表示制御装置45に送信する(S1036)。次いで、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを編集し(S1037)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したスピーカ810の鳴動パターンを編集し、その鳴動パターンをスピーカ810に出力する(S1038)。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示演出を実行するための種々の時間管理を行う(S1038)。その後、ステップS1040、S1041、S1042を経て、ステップS1031に戻る。
このようにして、サブ制御装置262では、装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する。
次いで、表示制御装置45における表示制御について説明する。図20は表示制御装置45内のMPU521により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。MPU521は、図18に示す手順に従ってサブ制御装置262から提供される各種コマンドを処理しつつ装飾図柄表示装置42の表示制御を実行する。
先ず、サブ制御装置262から表示コマンドを受信したか否かを判別する(S1151)。受信していない場合(S1151:No)は、何らかのコマンドを受信するまで待機する。そして、表示コマンドを受信すると(S1151:Yes)、その表示コマンドの内容をRAM523に格納する(S1152)。次いで、RAM523に格納された情報に基づき、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する(S1153)。これにより、画像コントローラ526は、MPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を開始する。なお、表示コマンドを一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまでの間、MPU521と画像コントローラ526との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、MPU521は、画像コントローラ526の制御と図20に示すコマンド受信処理とを並行して行う。
その後、サブ制御装置262から確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1154)。そして、確定コマンドを受信したことを条件に、ステップS1155に進み、画像コントローラ526に対して停止図柄での確定表示を指示する。これにより、画像コントローラ526は変動していた図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(確定表示)までの1ラウンドの表示処理が行われる。表示制御装置45は、図柄の変動開始時及び変動停止時にサブ制御装置262によるコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変動については、表示制御装置45内のMPU521及び画像コントローラ526による自立的な画像制御によって担保されている。
次に、図21を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図21は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
先ず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、RAMアクセスを許可すると共に(S1202)、外部割込ベクタの設定を行う(S1203)。
その後は、RAM513に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1204)、記憶されていなければ(S1204:No)、処理をS1210へ移行する。RAM513に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1204:Yes)、RAM判定値を算出し(S1205)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1206:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAM513に保存されているデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1210へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAM513に保存されているデータの有効性を判断するようにしても良い。
ステップS1210からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S1210)、RAM513の初期値を設定する(S1211)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1204:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1206:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、RAM513の初期値を設定し(S1207)、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
次に、図22のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、総賞球個数として記憶する(S1301)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、正規コマンドであれば全て払出を許可する。なお、主制御装置261からのコマンドが、賞球コマンド、払出復帰コマンド、払出初期化コマンドであればそれに応じた処理を行う。
次いで、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信しているか否かが判定される(S1302:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S1302:Yes)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1303)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1304)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1305)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1306)。
次に、S1307、S1308、S1315の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1301の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1307:No,S1308:No)、図23に示す賞球制御処理を開始する(S1315)。一方、賞球の払出不可状態(S1307:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1308:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1309、S1310、S1316の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1309:No,S1310:Yes)、図24に示す貸球制御処理を開始する(S1316)。なお、貸球制御処理は後述する。
一方、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していなければ(S1309:No,S1310:No)、または、貸球の払出不可状態であれば(S1309:Yes)、球詰まり状態解除のためバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S1311)。その後は、停電発生か否かを判定し(S1312)、停電発生でなければ(S1312:No)、処理はステップS1301に戻る。停電発生であれば(S1312:Yes)、電源断の発生情報を設定し(S1313)、RAM判定値を作成し(S1314)、その後はリセット信号の入力待ちのため無限ループに移る。
次いで、図23に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1401)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1402)、正常でなければ(S1402:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1403)、その後、図21の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1402:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1404)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1404:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1405)、その後、図22の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1404:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1406)、払出が完了していれば(S1406:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1407)、その後、図22の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1406:No)、そのまま、図22の払出制御処理に戻る。
次いで、図24に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1501)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1502)、正常でなければ(S1502:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1503)、その後、図22の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1502:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1504)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1504:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1505)、その後、図22の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1504:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1506)、払出が完了していれば(S1506:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1507)、その後、図22の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1506:No)、そのまま、図22の払出制御処理に戻る。
(昇格示唆演出に関連する主たる構成)
次いで、本発明のパチンコ機のさらなる特徴部分の構成について、図25を用いて説明する。本発明のパチンコ機の主たる特徴は、大当たり状態中に大入賞口61への入球により昇格示唆表示を実行する昇格示唆表示演出モードを備えていることである。図25は主制御装置261及びサブ制御装置262の機能ブロック図であり、この図25は主として昇格示唆表示演出実行のための機能的構成を示しており、この昇格示唆演出実行機能に関連しない構成は省略して描いている。主制御装置261は、大当たり処理部1000と昇格判定処理部1004とを有する。大当たり処理部1000は、入球制御部1001と、入球処理部1002と、昇格演出判定部1003と、ラウンド制御部1020とを備えている。入球制御部1001は、大入賞口開閉ソレノイドSL1の駆動制御、ラウンド数のカウント等の処理を行う。入球処理部1002は、大入賞口61への入球時に入球信号のサブ制御装置262への送信、入球個数のカウント等の処理を行う。昇格演出判定部1003は、昇格確定演出後に主制御装置側の昇格演出可否フラグF1及びサブ制御装置側の昇格演出可否フラグD1のクリア等の処理を行う。ラウンド制御部1020は、ラウンドの開始・終了信号のサブ制御装置262への送信処理等を行う。
また、主制御装置261は、入球個数カウンタC30、ラウンドカウンタC31、大当たり抽選カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2等のカウンタと、上記カウンタの値を保存するバッファB51,B50,B1,B2等のバッファとを備えている。さらに、バッファB52には、昇格演出可否フラグF1,昇格可否フラグF2、昇格結果確定表示ラウンド値F3が保存されている。また、昇格判定処理部1004が備えられており、この昇格判定処理部1004は、大当たり抽選カウンタC1の値と大当たり図柄カウンタC2の値を参照して昇格演出可否フラグF1,昇格可否フラグF2を設定し、R(リフレッシュ)レジスタ1008の下位4ビット(確定表示ラウンド抽選手段に相当)を参照して昇格結果確定表示ラウンド値を設定し、これらの値をサブ制御装置262に送信する等の処理を行う。なお、昇格結果確定表示ラウンド値の設定は、R(リフレッシュ)レジスタに代えて、専用の乱数カウンタを設け、この専用の乱数カウンタの値により決定するようにしてもよい。
なお、主制御装置261には、インターバル期間を計測するタイマTM1、大入賞口61の所定の最大開放時間を計測する入球制御タイマTM2等も備えられている。
上記主制御装置261の各機能部の詳細な作用は、図37〜図40を参照して後述する。
次いで、サブ制御装置262の機能構成について説明する。サブ制御装置262は、主制御装置261からのラウンド開始・終了信号や入球信号に基づき昇格示唆表示のための制御処理を行う入球管理部1010と、昇格演出用テーブルT1〜T7と、昇格演出の際に選択されたテーブルの有する表示パターンうちの選択された表示パターンを保存する選択テーブル識別番号保持バッファB63と、昇格演出可否フラグD1(昇格演出可否フラグF1と同様の論理値),昇格可否フラグD2(昇格可否フラグF2と同様の論理値)、昇格結果確定表示ラウンド値D3(昇格結果確定表示ラウンド値F3と同じ値)を保存するバッファB62と、入球個数カウンタC40と、カウンタC40の値を保存するバッファB60と、ラウンドカウンタC41と、ラウンドカウンタC41の値を保存するバッファB61と、Rレジスタ1021と、昇格結果表示パターン保持バッファB65とを有する。入球管理部1010は、ラウンド開始処理部1011と、入球処理部1012と、ラウンド終了処理部1013とを有する。ラウンド開始処理部1011は、昇格演出用テーブルT1〜T7の何れかを選択し且つ選択されたテーブルのうちの何れかの表示パターンを選択する処理、この選択された表示パターンのバッファB63への保存、ラウンドカウントC41のカウント処理等を行う。入球処理部1012は、選択テーブル識別番号保持バッファB63に保存されている表示パターンに基づく入球個別演出表示信号の表示制御装置45への送信、入球個数カウンタC40のカウント処理等を行う。ラウンド終了処理部1013は、ラウンド終了後に表示される昇格結果表示のための昇格結果表示信号の表示制御装置45への送信処理、入球個数カウンタC40のクリア処理等を行う。Rレジスタ1021はその8ビットデータにより、各テーブルT1〜T7の記憶内容を読み出すための読出しアドレスをランダムに発生する指定番号発生手段として機能する。昇格結果表示パターン保持バッファB65(昇格結果表示情報記憶手段に相当)には、昇格に成功したことを表示する昇格成功表示パターンと、昇格に失敗したことを表示する昇格失敗表示パターンとが格納されている。なお、バッファ制御部1014は、バッファ63の保存・クリアの制御を行う。
なお、表示制御装置45は、画像コントローラ526の他に、昇格演出用画像データを格納している画像データ記憶部526Aと、従来と同様の通常の大当たり状態中の演出用画像データを格納している画像データ記憶部526Bとを有している。昇格演出用画像データとは、後述するように昇格示唆演出等に使用される、例えば、背景、泡、魚群、昇格確定、昇格失敗等の画像データである。
上記サブ制御装置262の各機能部の詳細な作用は、図41〜図45を参照して後述する。
ここで、昇格演出用表示テーブルT1〜T7の内容を具体的に説明する。表示テーブルT1〜T7は、図26〜図28に示すように読出しアドレス0,1,2,…,255と昇格予告表示内容としての示唆図柄(「泡」、「魚群」、「表示せず」)とが対応付けられて記憶されている。なお、示唆図柄には、泡や魚群のような具体的な図柄が一切表示されない「表示せず」も、示唆図柄の概念に含まれるものとする。表示テーブルT1〜T5は、昇格に成功する場合に使用される表示テーブルであり、そのうち表示テーブルT1〜T3(第1の表示テーブル群に含まれる第1の表示テーブルに相当)は昇格成功ラウンドに達するまでのラウンド(例えば、昇格成功ラウンドが7ラウンドであれば、1〜6ラウンドが該当)において昇格失敗の示唆演出表示のために使用されるものであり、表示テーブルT4,T5(第2の表示テーブル群に含まれる第2の表示テーブルに相当)は昇格成功ラウンドにおいて昇格成功の示唆演出表示のために使用されるものである。表示テーブルT6,T7(第3の表示テーブル群に含まれる第3の表示テーブルに相当)は、全てのラウンドにおいて昇格に失敗する場合に使用されるテーブルである。そして、第1の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT1〜T3は1〜10個の入球個数に対応付けられており、第2の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT4,T5は1〜10個の入球個数に対応付けられており、第3の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT6,T7は1〜10個の入球個数に対応付けられている。即ち、昇格成功ラウンドに達するまでの各ラウンドにおいて、表示テーブルT1〜T3のうち、表示テーブルT1は1,2,4,6,8,9個目の入球時に使用され、表示テーブルT2は3,7,10個目の入球時に使用され、表示テーブルT3は5個目の入球時に使用される。また、昇格成功ラウンドにおいては、表示テーブルT4,T5のうち、表示テーブルT4は1,2,4,5,6,8,9個目の入球時に使用され、表示テーブルT5は3,7,10個目の入球時に使用される。また、全てのラウンドにおいて昇格に失敗する場合における各ラウンドにおいては、表示テーブルT6,T7のうち、表示テーブルT6は1,2,4,5,6,8,9個目の入球時に使用され、表示テーブルT7は3,7,10個目の入球時に使用される。
本実施例では、「泡」(図29参照)、「魚群」(図30参照)、「表示せず」の3通りの示唆図柄が準備されている。そして、表示テーブルT1〜T7における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合(示唆図柄の出現率に相当)を図26〜図28に示すように、異ならせている。即ち、第1の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT1〜T3におけるそれぞれの「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は表示テーブルT1〜T3間毎に異なっており、第2の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT4,T5におけるそれぞれの「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は表示テーブルT4,T5間毎に異なっており、第3の表示テーブル群に含まれる表示テーブルT6,T7におけるそれぞれの「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は表示テーブルT6,T7間毎に異なっている。さらに、第1〜第3の表示テーブル群相互間においても、「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は異なっている。さらに、第1の表示テーブル群には、昇格に失敗する割合が高い指標となる第2の指標示唆図柄としての「泡」の格納されている割合が最も高い表示テーブルT2が存在し、第2の表示テーブル群には、昇格に成功する割合が高い指標となる第1の指標示唆図柄としての「魚群」の格納されている割合が最も高い表示テーブルT5が存在し、第3の表示テーブル群には、第2の指標示唆図柄としての「泡」の格納されている割合が最も高い表示テーブルT7が存在し、この表示テーブルT2に対応付けられた入球個数(3,7,10個目)と、表示テーブルT5対応付けられた入球個数(3,7,10個目)と、表示テーブルT7に対応付けられた入球個数(3,7,10個目)とは、一致している。
このような構成の表示テーブルT1〜T7を用いることにより、昇格示唆表示演出時に入球個数に関連させて、第1の指標示唆図柄である「魚群」又は第2の指標示唆図柄である「泡」の出現率に一定の傾向をもたせることが可能となる。より具体的には、所定の入球個数(3、7、10球目)で、第1又は第2の指標示唆図柄が表示され易くすることができ、この結果、遊技者は所定の入球個数(3、7、10球目)時の示唆図柄により昇格に成功するか失敗するかをある程度予測することが可能となる。
次いで、図26〜図28を参照して、表示テーブルT1〜T7の具定例を説明する。表示テーブルT1における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=200:40:16とされており(図26(1)参照)、表示テーブルT2における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=128:96:32とされており(図26(2)参照)、表示テーブルT3における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=192:56:8とされている(図26(3)参照)。従って、昇格成功ラウンドに達するまでの各ラウンドにおいては、3、7、10個目の入球で泡が表示され易く、5個目の入球で泡が表示され易い傾向がある。
表示テーブルT4における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=232:16:8とされており(図27(1)参照)、表示テーブルT5における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=128:32:96とされている(図27(2)参照)。従って、昇格結果確定表示ラウンド中においては、3、7、10個目の入球で魚群が表示され易く、5個目の入球で泡が表示され易く、1、2、4、5、6、8、9個目の入球では予告が表示されない可能性が高い。
表示テーブルT6における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=232:0:24とされており(図28(1)参照)、表示テーブルT7における「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合は、「表示せず」:「泡」:「魚群」=128:116:12とされている(図28(1)参照)。従って、全てのラウンドにおいて昇格に失敗する場合における各ラウンドにおいては、3、7、10個目の入球で泡が表示され易く、1、2、4、5、6、8、9個目の入球で泡が表示されることがないという傾向がある。
上記「泡」、「魚群」、「表示せず」の格納割合により、3、7、10個目の入球による示唆表示により昇格可否の予測がある程度可能なことから、3、7、10個目の示唆表示であることを遊技者に注意を喚起させるべく、3、7、10個目の入球個数表示ランプL3,L7,L10はその形状を星形としており、その他の1、2、4、5、6、8、9個目の入球個数表示ランプL1,L2,L4,L5,L6,L8,L9はその形状を一般的に丸形としている。
ここで、装飾図柄表示装置42において表示演出される昇格示唆表示の具体的表示態様について説明する。先ず、昇格示唆演出が行われる前提としては、内部抽選が確変当たりであるか、通常当たりであることが必要である。なお、内部抽選が確変当たりのうち昇格演出が行われない場合は、図33に示すように図柄変動後における停止図柄は、特定図柄(奇数図柄)であり、確変当たりの文字情報も表示される。内部抽選が確変当たりのうち昇格演出が行われる場合は、図32に示すように大当たり抽選のための図柄変動後における停止図柄は、通常当たりと同じ非特定図柄(偶数図柄)であり、通常当たりの文字情報も表示される。内部抽選が通常当たりのうち昇格演出が行われる場合(昇格演出は行われるが、最終的には昇格に失敗する場合)も、図32に示す停止図柄で表示されるようになっている。従って、停止図柄によっては確変当たりであることが遊技者に知られないようになっている。つまり、昇格演出される場合は、通常当たりと確変当たりで図柄変動後の停止図柄は共通であり、その時点では通常当たりか確変当たりかは判別できず、昇格示唆表示により何れの当たりかが分かるようになっている。なお、通常当たりと確変当たりで停止図柄が共通であればよいので、例えば、図31に示すように特定図柄(奇数図柄)としてもよい。
昇格演出モードの場合、ラウンド中に大入賞口61への入球ごと(10球まで)に表示内容が選択されて表示される。本実施例では、背景が海でラウンド中に昇格予告演出として魚群(図30参照)又は泡(図29参照)を出現させる。そして、ラウンド終了後のインターバル期間中に昇格の成功・失敗を報知する昇格チャンス演出を表示する。昇格成功の場合としては、図35に示す表示がなされる。昇格失敗の場合としては、図34に示す表示がなされる。昇格チャンスで昇格したら、次回ラウンドからは一般的な大当たり表示演出(図36参照)が行われる。昇格チャンスで落選したら次回ラウンドも昇格予告演出を表示する。
次いで、上記昇格示唆表示を実行するための処理について図37〜図45を参照して説明する。昇格示唆表示を実行するための処理としては、主制御装置261側の処理とサブ制御装置262側の処理とが連動しているので、主制御装置261側の処理とサブ制御装置262側の処理とに分けて説明する。
先ず、主制御装置261側の処理について説明する。先ず、大当たり抽選カウンタバッファの値に基づき大当たりか否かが判定される(S2000)。大当たりでない場合(S2000:No)は、図12に示す通常処理にリターンする。昇格演出は、前提として大当たりしていることが条件とされるからである。大当たりの場合(S2000:Yes)は、昇格演出を行うか否か決定する(S2001)。具体的には、大当たり図柄カウンタC2の値に基づき昇格演出を行うか否か決定する。上記したように、大当たり図柄カウンタC2の値が、「1」、「8」、「9」の場合は通常当たりで且つ昇格演出を行わないモード、「0」の場合は通常当たりで且つ昇格演出を行うモード、「5」、「6」、「7」の場合は確変当たりで且つ昇格演出を行わないモード、「2」、「3」、「4」の場合は確変当たりで且つ昇格演出を行うモードとして設定されている。従って、大当たり図柄カウンタC2の値が、「0」、「2」、「3」、「4」の場合、昇格演出を行う場合に該当するので(S2001:Yes)、昇格演出フラグF1を論理「1」に設定する(S2002)。この昇格演出可否フラグF1が論理「1」のときは昇格演出実行モードであることを意味し、昇格演出可否フラグF1が論理「0」のときは昇格演出実行モードでないことを意味する。なお、本実施例では、大当たり図柄カウンタC2の値に基づき昇格演出を行うか否か決定したが、昇格演出の可否を決定する専用のカウンタを設けて、その専用カウンタの値に基づき昇格演出の可否を行うようにしてもよい。
次いで、昇格可否を決定する(S2003)。即ち、昇格演出を行う場合であっても、内部抽選に応じて昇格させる場合と昇格させない場合とを決定する必要がある。本実施例では、大当たり図柄カウンタC2の値に基づき昇格可否を決定する。即ち、「2」、「3」、「4」の場合、昇格させる場合に該当するので(S2003:Yes)、昇格可否フラグF2を論理「1」に設定する(S2004)。即ち、通常当たりの場合は、昇格演出がなされても最終的には昇格が失敗し、確変当たりの場合は昇格演出がなされると最終的には昇格に成功するようになっている。なお、確変当たりであっても、通常当たりと同様の変動停止図柄であり、図柄からは判定できず、大当たり状態中の昇格演出で昇格示唆表示がなされるまで、遊技者は確変当たりであることが分からないようになっている。
なお、本実施例では、大当たり図柄カウンタC2の値に基づき昇格可否を決定したが、昇格可否を決定する専用のカウンタを設けて、その専用カウンタの値に基づき昇格可否を行うようにしてもよい。
次いで、昇格結果確定表示ラウンド値を決定し、その値をバッファに保存する(S2005)。昇格結果確定表示ラウンド値は例えばRレジスタの下位4ビットを使用する。次いで、上記昇格演出可否フラグF1、及び昇格可否フラグF2の論理値、並びに、昇格結果確定表示ラウンド値をサブ制御装置262に送信し(S2006)。その後、図に示す通常処理(具体的にはステップS205)にリターンする。なお、これらの設定値を受信したサブ制御装置262側では、それら設定値を、バッファB62に昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2、昇格結果確定表示ラウンド値D3として保存する。バッファB62に保存された上記設定値は、これにより、サブ制御装置側では、上記設定値を用いて昇格表示演出が実行のために使用とされる。
次いで、図38を参照して、大当たり処理2について説明する。図38は大当たり処理2を示すフローチャートである。先ず、大当たり抽選カウンタバッファの値に基づき大当たりか否かが判定される(S2100)。大当たりでない場合(S2100:No)は、図12に示す通常処理にリターンする。大当たりの場合(S2100:Yes)は、初期化処理としてラウンドカウンタC31の値をクリアする(S2101)。次いで、ラウンド開始コマンドをサブ制御装置262に送信する(S2102)。サブ制御装置262がラウンド開始コマンドを受信することにより、サブ制御装置262は大当たり状態中の各ラウンドの演出表示(昇格表示演出、通常の大当たり中の表示演出)の実行が開始される。具体的な昇格表示演出処理及び通常の大当たり中の表示演出処理については後述する。
次いで、大入賞口61の開放処理を実行する(S2103)。即ち、シャッタ開閉ソレノイドSL1を励磁して、シャッタ62を駆動して大入賞口61を開放状態とする。次いで、入球処理に移る(S2104)。具体的な処理は図39を参照して後述する。次いで、大入賞口61の閉じる処理を実行する(S2105)。即ち、シャッタ開閉ソレノイドSL1を消磁して、シャッタ62を駆動して大入賞口61を閉塞状態とする。
次いで、ラウンド終了コマンドをサブ制御装置262に送信する(S2106)。サブ制御装置262がラウンド終了コマンドを受信することにより、サブ制御装置262は大当たり状態中の演出表示(昇格表示演出、通常の大当たり中の表示演出)のラウンド終了処理の実行を行う。-具体的なラウンド終了処理については後述する。
次いで、ラウンドカウンタの値を1インクリメントする(S2107)。次いで、昇格演出モード切替判定処理に移る(S2108)。具体的な処理は図40を参照して後述する。
次いで、ラウンド間隔タイマTM1をセットし(S2109)、インターバル期間が経過したか否かが判断され(S2110)、インターバル期間経過したときはラウンド間隔タイマTM1をリセットする(S2111)。
次いで、所定ラウンド数(16ラウンド)に達したか否かが判定され(S212)、所定ラウンド数に達していない場合(S2112:No)は、入球個数カウンタC30をクリアし(S2113)、ステップS2102に戻る。そして、ステップ2101〜2113の閉ループ処理を行って、所定ラウンド数に達した場合(S2109:Yes)は、図12に示す通常処理にリターンする。
こうして、大当たり状態中において大入賞口61が開放状態となり、このような開放状態が所定ラウンド数行われ、遊技者に利益が付与されることになる。
次いで図39を参照して、大当たり処理3について説明する。図39は大当たり処理3を示すフローチャートである。先ず、初期化処理として、入球制御タイマTM2をセットし(S2200)、入球個数カウンタC30をリセットする(S2201)。
次いで、入球検出スイッチSW1により大入賞口61への入球が検出されると(S2202)、入球個数カウンタC30を1インクリメントする(S2203)。そして、入球信号をサブ制御装置262に送信する(S2204)。サブ制御装置262が入球信号を受信すると、図42に示す入球信号処理を実行する。サブ制御装置262の入球信号処理については後述する。
次いで、規定個数(10球)入球があったか否かが判定され(S2205)、入球が規定個数に達していない場合(S2205:No)は、処理はステップS2202に戻る。入球が規定個数に達した場合(S2205:Yes)は、処理は終了する。
ステップS2202において入球されていない場合(S2202:No)は、最大開放時間経過したか否かが判定される(S2206)。具体的には入球制御タイマTM2からのタイムアップ信号出力の有無により判定する。最大開放時間が経過していない場合(S2206:No)は、処理はステップS220に戻る。最大開放時間が経過した場合(S2206:Yes)は、処理は終了する。
こうして、1ラウンド中において、規定個数入球されるか、入球が規定個数に達しなくても所定時間経過すれば、大入賞口61が閉塞されラウンドが終了する。そして、このようなラウンド中において、入球信号をサブ制御装置262に送信して、サブ制御装置262が入球のタイミングに応じて昇格示唆表示演出を実行可能なようになっている。
次いで、図40を参照して、昇格演出モード切替判定処理について説明する。図40は昇格演出モード切替判定処理を示すフローチャートである。
昇格演出可否フラグF1が「1」であるか否かを判定する(S2300)。昇格演出可否フラグF1が「1」でない場合(S2300:No)は、処理は終了し、昇格演出可否フラグF1が「1」である場合(S2301:Yes)は昇格可否フラグF2が「1」であるか否かを判定する(S2301)。昇格演出可否フラグF1が「1」でない場合(S2301:No)は処理は終了し、昇格演出可否フラグF1が「1」である場合(S2301:Yes)はラウンドカウンタC31の値に基づき昇格結果確定表示ラウンドに達したか否かを判断する(S2302)。昇格結果確定表示ラウンドに達していない場合(S2302:No)は、処理は終了する。昇格結果確定表示ラウンドに達した場合(S2302:Yes)は、演出可否フラグF1を「0」にクリアし(S2303)、サブ制御装置側の演出可否フラグD1をクリアするためのクリア信号を送信する(S2304)。
こうして、昇格結果確定表示ラウンドに達した場合には、主制御装置261側の演出可否フラグF1を「0」にクリアすると共に、サブ制御装置262側の演出可否フラグD1をクリアする。この結果、昇格結果確定表示ラウンド終了後に昇格成功表示がなされた後、次回のラウンドでは、昇格示唆表示演出モードから通常の大当たり表示演出モードに切替えられ、サブ制御装置262は通常の大当たり表示演出のコマンドを作成して表示制御装置45に送信する。
次いで、図41〜図45を参照して、サブ制御装置の昇格示唆演出に関連する処理について説明する。図41はラウンド開始処理を示すフローチャート、図42は入球信号処理を示すフローチャート、図43は昇格用入球個別演出処理を示すフローチャート、図44はラウンド終了信号処理を示すフローチャート、図45は昇格用インターバル演出表示処理を示すフローチャートである。
先ず、図41を参照してラウンド開始処理について説明する。主制御装置261からのラウンド開始信号を受信すると、ラウンド開始処理に移り、ラウンドカウンタC41を1インクリメントする(S2400)。次いで、昇格演出可否フラグD1が「1」であるか否かを判定する。(S2401)。昇格演出可否フラグD1が「1」のときは(S2401:Yes)、昇格用演出表示処理を実行する(S2402)。具体的には、昇格演出用の背景コマンドを表示制御装置45に送信して、装飾図柄表示装置42に昇格演出用背景を表示する。
昇格演出可否フラグD1が「0」のときは(S2401:No)、大当たり用演出表示処理を実行する(S2402)。具体的には、大当たり演出用の背景コマンドを表示制御装置に送信して、装飾図柄表示装置に大当たり演出用背景を表示する。
次いで、図42を参照して入球信号処理について説明する。主制御装置からの入球信号を受信すると、入球信号処理に移り、入球個数カウンタC40を1インクリメントする(S2500)。次いで、昇格演出可否フラグD1が「1」であるか否かを判定する。(S2501)。昇格演出可否フラグD1が「1」のときは(S2501:Yes)、昇格用入球個数別演出表示処理を実行する(S2502)。具体的に処理は図43を参照して後述する。昇格演出可否フラグD1が「0」のときは(S2501:Yes)、大当たり用入球個数別演出表示処理を実行する(S2503)。具体的には、装飾図柄表示装置で大当たり状態中の表示(例えば海の背景画に入球個数やラウンド数の表示)がなされるような表示コマンドを作成して、表示制御装置45に送信する。
次いで、図43を参照して昇格用入球個別演出処理を説明する。昇格用入球個数別演出表示処理とは、大入賞口6161への入球タイミングで所定の昇格演出表示を行うための表示コマンドを作成して表示制御装置45に送信する処理であり、この表示コマンドを受信した表示制御装置45は装飾図柄表示装置42に昇格示唆演出表示制御を行なう。
先ず、昇格可否フラグD2が「1」か否かを判断する(S2600)。昇格可否フラグD2が「1」でない場合(S2600:No昇格示唆演出は行うが昇格に失敗する場合に相当)は、入球が何球目であるかを判断する(S2601)。1、2、4、5、6、8、9球目の場合には表示テーブルT6が選択される(S2602)。3、7、10球目の場合には表示テーブルT7が選択される(S2603)。ステップS2602の処理後はステップS2604に移り、ステップS2603の処理後も同様にステップS2604に移る。
ステップS2604においては、Rレジスタ1021の8ビットデータから表示テーブルの読出しアドレスを取得する。その後、その読出しアドレスに対応した表示テーブルの内容(昇格予告図柄)を読出し(S2605)、その表示テーブルの内容に基づく個数別演出表示コマンドを表示制御装置に送信する(S2606)。そして、入球個数に応じて入球個数表示ランプを点灯する(S2607)。
ステップS2600において昇格可否フラグD2が「1」の場合(S2600:Yes昇格が成功する場合に相当)は、ラウンドカウンタC41と昇格結果確定表示ラウンド値D3とを比較して昇格結果確定表示ラウンドに達している否かを判断する(S2608)。昇格結果確定表示ラウンドに達していない場合(S2608:No)は、入球が何球目であるかを判断する(S2609)。1、2、4、6、8、9球目の場合には表示テーブルT1が選択され(S2610)、3、7、10球目の場合には表示テーブルT2が選択され(S2611)、5球目の場合には表示テーブルT3が選択される(S2612)。即ち、昇格結果確定表示ラウンドに達するまでのラウンドでは、昇格失敗の示唆表示を行うため、表示テーブルT1〜T3の何れかが選択される。
ステップS2610、S2611、S2612の処理後は、何れもステップS2604、S2605、S2606、S2607を辿り、入球個数に対応した表示テーブルの内容に基づく個数別演出表示コマンドが表示制御装置45に送信されることになり、また、入球個数に応じて入球個数表示ランプが点灯する。
ステップS2608において昇格結果確定表示ラウンドに達している場合(S2608:Yes)は、入球が何球目であるかを判断する(S2613)。1、2、4、5、6、8、9球目の場合には表示テーブルT4が選択され(S2614)、3、7、10球目の場合には表示テーブルT5が選択される(S2615)。即ち、昇格結果確定表示ラウンドでは、昇格成功の示唆表示を行うため、表示テーブルT4,T5の何れかが選択される。
ステップS2614、S2615の処理後は、何れもステップS2604、S2605、S2606、S2607を辿り、入球個数に対応した表示テーブルの内容に基づく個数別演出表示コマンドが表示制御装置に送信されることになり、また、入球個数に応じて入球個数表示ランプが点灯する。
次いで、上記昇格用入球個別演出処理を、場合を分けて以下に具体的に説明する。
(1)内部抽選が通常当たりの場合(図柄変動後の停止図柄は、通常当たりを示唆する文字情報が表示)
この場合は内部抽選が通常当たりであるので、常に昇格が失敗する昇格示唆表示がなされるケースである。即ち、各ラウンド終了後に常に昇格失敗を示す報知表示がなされる場合である。
この場合の処理としては、昇格可否フラグD2が「0」であるので、ステップS2600からステップS2601に進む。そして、1、2、4、5、6、8、9球目の何れかの入球の場合には、ステップS2601→ステップS2602→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。3、7、10球目の何れかの入球の場合には、ステップS2601→ステップS2603→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。そして、最初のラウンドから最終ラウンド終了までの各ラウカド中において10個入球されるたび毎に行われ、最終ラウンド終了まで同様の処理が行われる。これによって、各ラウンドにおいて、1、2、4、5、6、8、9個目の入球の場合には表示テーブルT6に基づく昇格予告演出が表示され、3、7、10個目の入球の場合には表示テーブルT7に基づく昇格予告演出が表示され、しかも入球個数に応じて入球個数ランプが点灯する。なお、後述するように、各ラウンド終了後のインターバル期間においては、昇格落選を報知する表示演出がなされる。
ここで、各ラウンドにおける入球個数に応じた昇格示唆演出の具体例を説明すると、例えば、入球が2個目の場合であって、表示テーブルT6が選択され且つ表示テーブルT6から選択された昇格予告図柄が「泡」の場合は、図29に示すように、昇格示唆表示としては、海の背景画像の中に泡が表示され、入球個数表示ランプL1,L2が点灯された状態となる。また、例えば入球が3個目の場合であって、表示テーブルT7が選択され且つ表示テーブルT7から選択された昇格予告図柄が「魚群」の場合は、図30に示すように、昇格示唆表示としては、海の背景画像の中に魚群が表示され、入球個数表示ランプL1,L2,L3が点灯された状態となる。
(2)内部抽選が確変当たりの場合((図柄変動後の停止図柄は、通常当たりを示唆する文字情報が表示)
この場合は内部抽選が確変当たりであるので、昇格が成功する昇格示唆表示がなされるケースである。この場合の昇格示唆演出としては、昇格結果確定表示ラウンドで昇格が成功し、昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドにおいては昇格が失敗する昇格示唆表示がなされる。従って、昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドの場合と昇格結果確定表示ラウンドの場合とでは、昇格示唆表示が異なるので場合分けして説明する。
(2A)昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドの場合
この場合の処理としては、昇格可否フラグD2が「1」であり、昇格結果確定表示ラウンド以前であるので、ステップS2600→ステップS2608→ステップS2609と進む。そして、1、2、4、6、8、9球目の何れかの入球の場合には、ステップS2609→ステップS2610→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。3、7、10球目の何れかの入球の場合には、ステップS2609→ステップS2611→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。5球目の入球の場合には、ステップS2609→ステップS2612→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。そして、最初のラウンドから昇格結果確定表示ラウンドに至るまでの各ラウンド中において10個入球されるたび毎に上記処理行われる。これによって、各ラウンドにおいて、1、2、4、6、8、9個目の入球の場合には表示テーブルT1に基づく昇格予告演出が表示され、3、7、10個目の入球の場合には表示テーブルT2に基づく昇格予告演出が表示され、5個目の入球の場合には表示テーブルT3に基づく昇格予告演出が表示され、しかも入球個数に応じて入球個数ランプが点灯する。なお、後述するように、各ラウンド終了後のインターバル期間においては、昇格落選を報知する表示演出(図34参照)がなされる。
(2B)昇格結果確定表示ラウンドの場合
この場合の処理としては、昇格可否フラグD2が「1」であり、昇格結果確定表示ラウンドであるので、ステップS2600→ステップS2608→ステップS2613と進む。そして、1、2、4、5、6、8、9球目の何れかの入球の場合には、ステップS2613→ステップS2614→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。3、7、10球目の何れかの入球の場合には、ステップS2613→ステップS2615→ステップS2604→ステップS2605→ステップS2606→ステップS2607を辿る。
そして、昇格結果確定表示ラウンド中において、入球されるたび毎に上記処理行われる。これによって、昇格結果確定表示ラウンド中において、1、2、4、5、6、8、9個目の入球の場合には表示テーブルT4に基づく昇格予告演出が表示され、3、7、10個目の入球の場合には表示テーブルT5に基づく昇格予告演出が表示され、しかも入球個数に応じて入球個数ランプが点灯する。なお、後述するように、各ラウンド終了後のインターバル期間においては、昇格成功を報知する表示演出がなされる(図35参照)。
こうして、昇格演出表示の観点から見れば、昇格演出中において、3、7、10個目の入球での予告表示が「魚群」の場合に昇格する確率が高く、「泡」の場合の場合は昇格する確率が低い傾向である。従って、遊技者は昇格演出中における昇格予告図柄により昇格チャンスであるか否かをある程度予測することができるので、従来のように単調な大当たり状態中の表示演出に比べて昇格演出をわくわく感をもって見ることになり、遊技の興趣性が向上する。
次いで、図44を参照して、ラウンド終了信号処理を説明する。図44はラウンド終了信号処理を示すフローチャートである。先ず、ラウンド終了信号を受信すると、入球個数カウンタC40をリセットする(S2700)。次いで、昇格演出可否フラグD1が「1」が否かを判別する(S2701)。昇格演出可否フラグD1が「1」のときは(S2701:Yes)、昇格用インターバル演出表示処理が実行される(S2702)。即ち、昇格示唆表示では、そのラウンド終了後のインターバル期間中に昇格結果を報知する演出表示を行う。そのために、昇格結果表示パターン保持バッファB65から昇格成功・昇格失敗の何れかの表示パターンを読み出し、表示制御装置45に送信する。なお、具体的な処理は、図45を参照して後述する。
昇格演出可否フラグD1が「0」のときは(S2301)、大当たり用インターバル演出表示処理が実行される(S2303)。インターバル期間中に通常の大当たり演出表示がなされるような表示コマンドを作成して、表示制御装置45に送信する。
次いで、図45を参照して、昇格用インターバル演出表示処理を説明する。図45は昇格用インターバル演出表示処理を示すフローチャートである。先ず、昇格可否フラグD2が「1」が否かを判別する(S2800)。昇格可否フラグD2が「0」のときは(S2800:No)、昇格結果失敗の演出信号を表示制御装置45に送信する(S2801)。具体的には、昇格結果表示パターン保持バッファB65から昇格失敗の表示パターンを読み出し、表示制御装置45に送信する。
ステップS2800において、昇格可否フラグD2が「1」のときは(S2800:Yes)、昇格結果確定表示ラウンドか否かが判断され(S2801)、昇格結果確定表示ラウンドでない場合(S2801:No)は昇格結果表示パターン保持バッファB65から昇格失敗表示パターンを読み出し、昇格結果失敗の演出信号として表示制御装置45に送信する(S2803)。表示制御装置45は画像データ記憶部526Aから具体的な昇格結果失敗画像データを読み出し、装飾図柄表示装置42に出力し、装飾図柄表示装置42に昇格結果失敗画像を表示させる。
ステップS2801において、昇格結果確定表示ラウンドの場合(S2801:Yes)は昇格結果表示パターン保持バッファB65から昇格成功表示パターンを読み出し、昇格結果成功の演出信号として表示制御装置45に送信する(S2801)。表示制御装置45は画像データ記憶部526Aから具体的な昇格結果成功画像データを読み出し、装飾図柄表示装置42に出力し、装飾図柄表示装置42に昇格結果成功画像を表示させる。
こうして、昇格しない場合(通常当たりの場合に相当)は、全てのラウンド終了後のインターバル期間中に図34に示す昇格結果失敗を報知する表示がなされる。一方、昇格する場合(確変当たりの場合に相当)は、昇格結果確定表示ラウンドに達するまでの各ラウンドにおいて、ラウンド終了後のインターバル期間中に、図34に示す昇格結果失敗を報知する表示がなされる。そして、昇格結果確定表示ラウンド終了後のインターバル期間中においては、図35に示す昇格結果成功を報知する表示がなされる。なお、昇格結果確定表示ラウンドの次回以降のラウンドにおいては、図36に示す通常の大当たり状態の表示がなされる。
〔第2の形態〕
上記第1の形態では昇格示唆演出表示としては、大入賞口61への入球毎(10球まで)に表示内容を選択し表示するように構成されていたが、第2の形態ではラウンド毎に最初の入球でそのラウンド中の一連の昇格演出を決定するように構成したことを特徴とするものである。第2の形態では、第1の形態における表示テーブルT1〜T7に代えて、表示テーブルT10〜T12(図46参照)が用いられる。表示テーブルT10〜T12は、何れも一連のストーリー性のある表示を入球個数に応じたコマ画像(コマ画像とは、本明細書においては、表示パターン全体の画像データうちの一部分の画像データであって、入球時に表示される画像データによって表示される画像を意味する。)で表示させる複数の表示パターンをテーブル状に記憶している。表示パターンとしては、例えば、図48〜図52に示す格闘ゲームの表示パターンが該当する。表示テーブルT10には、図46(1)に示すように、勝ちパターンA,B,C,…Hが読出しアドレスと対応付けられて記憶されている。表示テーブルT11には、図46(2)に示すように、負けパターンa,b,c,…,hが読出しアドレスと対応付けられて記憶されている。表示テーブルT12には、図46(3)に示すように、負けパターン1,2,3,…7が読出しアドレスと対応付けられて記憶されている。
次いで、この格闘ゲーム表示パターンの表示態様を説明すると、図47に示すように、遊技者を示すキャラクタXと敵を示すキャラクタYとが格闘する状態と、キャラクタX,Yの対戦中の優劣を示唆するパワーメータ980a,980bとが表示される。パワーメータ980a,980bとを表示するのは、対戦中の両者の優劣の変化を一目手で遊技者に理解させるためである。格闘ゲーム表示パターンは、入球毎にパンチ・キック・剛拳波等の技を繰り出して対戦し、最後にキャラクタXとキャラクタYの何れかがノックアウトされて格闘の勝敗が明示される。例えば、第1球目の入球では、キャラクタX,キャラクタYとが対峙し、且つパワーメータ980a,980bは0レベルを示す表示がなされる。次いで、2球目の入球では、例えばキャラクタXがキャラクタYに対して上段パンチを繰り出す(図48参照)。3球目の入球では、例えばキャラクタXがキャラクタYに対して下段パンチを繰り出す(図49参照)。4球目の入球では、例えばキャラクタXがキャラクタYに対して第1の剛拳波を繰り出す(図50参照)。7球目の入球では、例えばキャラクタXがキャラクタYに対して第2の剛拳波を繰り出す(図51参照)。そして、10球目の入球では、キャラクタXによってキャラクタYが倒される(図52参照)。そして、パワーメータ980a,980bはキャラクタX,Yの優劣状態に応じてレベル変化する。上記表示パターンは勝つパターンの一例である。なお、テーブルT10に含まれる勝ちパターンは強力な技である剛拳波が多くでるストーリーで構成されている場合が多く、テーブルT11に含まれる負けパターンは、キックが多くでるストーリーで構成されている場合が多く、テーブルT12に含まれる負けパターンは、パンチが多くでるストーリーで構成されている場合が多い。従って、昇格成功の場合の昇格示唆表示は、剛拳波が多くでる表示となる傾向が強く、昇格しない場合(最終的には昇格に成功する)はキックが多くでる表示となる傾向が強く、昇格しない場合(最終的にも昇格しない)はパンチが多くでる表示となる傾向が強い。従って、遊技者は、昇格示唆演出表示を見ることにより、ある程度昇格の可否を予測することが可能であり、そのため、わくわく感を持って昇格示唆演出表示を見ることになる。
なお、表示パターン毎に、対戦するキャラクタが異なっていたり、繰り出す技の種類が異なっていてもよい。
この第2の形態における昇格示唆演出のための表示制御は、第1の形態とほぼ同様である。以下に、図53を参照して、相違する点についてのみ説明する。
先ず、大入賞口61への入球が1球目か否かを判断する(S2900)。1球目の入球の場合(S2900:Yes)は、昇格可否フラグD2が「1」か否かを判断する(S2901)。昇格可否フラグD2が「1」でない場合(S2901:No昇格示唆演出は行うが昇格に失敗する場合に相当)は、表示テーブルT12が選択される(S2902)。そして、表示テーブルT12のうちの負けパターン(負けパターン1,2,3,…のうちの何れかの負けパターン)を選択する(S2903)。負けパターンの選択に際しては、Rレジスタ1021から表示テーブルT12の読出しアドレスを取得し、その読出しアドレスにより表示テーブルT12の負けパターンの選択を行う。次いで、選択された負けパターンコードと、入球の個数(1球目)をバッファに保存する(S2904)。
ステップS2901において、昇格可否フラグD2が「1」の場合(S2904:Yes昇格に成功する場合に相当)は、昇格結果確定表示ラウンドに達している否かを判断する(S2905)。昇格結果確定表示ラウンドに達していない場合(S2905:No)は、表示テーブルT11が選択される(S2906)。そして、表示テーブルT11のうちの何れかの負けパターン(負けパターンa,b,c,…のうちの何れかの負けパターン)を選択する(S2907)。負けパターンの選択に際しては、上記と同様にRレジスタ1021から表示テーブルの読出しアドレスを取得し、その読出しアドレスにより表示テーブルT11の負けパターンの選択を行う。次いで、選択された負けパターンコードと、入球の個数(1球目)をバッファに保存する(S2908)。
ステップS2905において、昇格結果確定表示ラウンドに達した場合(S2905:Yes)は、表示テーブルT10が選択される(S2909)。そして、表示テーブルT10のうちの何れかの勝ちパターン(勝ちパターンA1,B2,C3,…のうちの何れかの勝ちパターン)を選択する(S2910)。勝ちパターンの選択に際しては、上記と同様にRレジスタ1021から表示テーブルの読出しアドレスを取得し、その読出しアドレスにより表示テーブルT10の勝ちパターンの選択を行う。次いで、選択された勝ちパターンコードと、入球の個数(1球目)をバッファに保存する(S2911)。
こうして、大入賞口61への最初の入球のタイミングで示唆表示の表示パターンが選択される。そして、上記ステップS2904、ステップS2908、ステップS2911のそれぞれの処理後は、バッファに保存されている勝ちパターンコード又は負けパターンコードと、入球個数を表示制御装置45に送信する(S2912)。これにより、表示制御装置45は、選択された表示パターンのうち1球目に対応する画像を選択して、この画像を装飾図柄表示装置42に表示する。即ち、キャラクタX,Yとパワーメータとが表示される。
上記ステップSS2900において、2球目以降の入球の場合(S2900:Yes)は、処理はステップS2912に移り、バッファに保存されている負け又は勝ちパターンコード(最初の入球により決定されているパターン)と、入球個数を表示制御装置に送信する。これにより、表示制御装置45は、最初の入球により選択された表示パターンのうち入球数に対応した画像を選択して、この画像を装飾図柄表示装置に表示する。即ち、キャラクタX,Yが入球数に応じて、パンチ・キック・剛拳波等の技を繰り出す表示がなされる。
次いで、上記処理を場合分けして具体的に説明する。
(1)内部抽選が通常当たりの場合(図柄変動後の停止図柄は、通常当たりを示唆する文字情報が表示)
この場合は内部抽選が通常当たりであるので、常に昇格が失敗する昇格示唆表示がなされるケースである。
・ 入球が1球目の場合
昇格可否フラグが「0」であるので、ステップS2900→ステップS2901→ステップS2902→ステップS2903→ステップS2904→ステップS2912を辿る。これにより、表示テーブルT12の負けパターンの何れが選択され(例えば負けパターン3とする)、その負けパターン3で設定されているキャラクタX,Yとパワーメータとが装飾図柄表示装置42に表示される。
・ 入球が2球目以降の場合
入球のたびにステップS2900→ステップS2912を辿る。入球が例えば2球目の場合、負けパターンA3の一連のデータ(10コマ分の画像で構成)のうち2コマ目の格闘状態画像が表示される。そして、10球目まで同様に入球個数に対応するコマ画像が表示されると共に、10球目の最終画像で敵キャラクタYによって遊技者キャラクタXがノックアットされた状態を表示する。なお、本第2の形態においても、昇格可否を明示すべく、インターバル期間中に昇格が失敗したことを報知する表示がなされる。
(2)内部抽選が確変当たりの場合((図柄変動後の停止図柄は、通常当たりを示唆する文字情報が表示)
この場合は内部抽選が確変当たりであるので、昇格が成功する昇格示唆表示がなされるケースである。この場合の昇格示唆演出としては、昇格結果確定表示ラウンドで昇格が成功し、昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドにおいては昇格が失敗する昇格示唆表示がなされる。従って、昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドの場合と昇格結果確定表示ラウンドの場合とでは、昇格示唆表示が異なるので場合分けして説明する。
(2A)昇格結果確定表示ラウンド以前のラウンドの場合
・ 入球が1球目の場合
昇格可否フラグが「1」であり、昇格結果確定表示ラウンド以前であるので、処理は、ステップS2900→ステップS2901→ステップS2906→ステップS2907→ステップS2908→ステップS2912を辿る。これにより、表示テーブルT11の負けパターンの何れが選択され(例えば負けパターンbとする)、その負けパターンbで設定されているキャラクタX,Yとパワーメータとが装飾図柄表示装置に表示される。
・ 入球が2球目以降の場合
入球のたびにステップS2900→ステップS2912を辿る。入球が例えば2球目の場合、負けパターンB2の一連のデータ(10コマ分の画像で構成)のうち2コマ目の格闘状態画像が表示される。そして、10球目まで同様に入球個数に対応するコマ画像が表示されると共に、10球目の最終画像で敵キャラクタYによって遊技者キャラクタXがノックアウトされた状態を表示する。なお、昇格可否を明示すべく、インターバル期間中に昇格が失敗したことを報知する表示がなされる。
(2B)昇格結果確定表示ラウンドの場合
・ 入球が1球目の場合
昇格可否フラグが「1」であり、昇格結果確定表示ラウンドであるので、処理は、ステップS2900→ステップS2901→ステップS2905→ステップS2909→ステップS2910→ステップS2911→ステップS2912を辿る。これにより、表示テーブルT10の勝ちパターンの何れが選択され(例えば勝ちパターンCとする)、その勝ちパターンCで設定されているキャラクタX,Yとパワーメータとが装飾図柄表示装置に表示される。
・ 入球が2球目以降の場合
入球のたびにステップS2900→ステップS2912を辿る。入球が例えば2球目の場合、勝ちパターンC3の一連のデータ(10コマ分の画像で構成)のうち2コマ目の格闘状態画像が表示される。そして、10球目まで同様に入球個数に対応するコマ画像が表示されると共に、10球目の最終画像で遊技者キャラクタXによって敵キャラクタYXがノックアットされた状態を表示する。なお、昇格可否を明示すべく、インターバル期間中に昇格が成功したことを報知する表示がなされる。
次いで、大入賞口61に一度に複数の入球があった場合のコマ画像の表示処理を、図54を参照して説明する。上記第1の形態と異なり第2の形態では、ストーリー性があり、規定個数に対応したコマ画像を表示するので、一度に複数の遊技球が大入賞口61に入球した場合でも、所定時間だけコマ画像を表示する必要がある。なぜなら、何れか1のコマ画像の表示時間を短縮すると、ストーリー性が理解されにくいからである。
そこで、第2の形態では、大入賞口61に一度に複数の入球があった場合は以下のような表示処理を行っている。
例えば、大入賞口61に1球目が入球され(図54(1)参照)、その第1球目のコマ画像が期間W1表示され、その後に第2球目が入球されるまでは、そのコマ画像を表示し続ける(図54(3))。このように、コマ画像の表示期間W1中に次の入球がない場合は、規定個数に対応したコマ画像を表示期間W1表示することができる。ところが、一度に第4球目と第5球目が入球した場合は、その入球のタイミングで表示すると、第4球目のコマ画素を期間W1表示できないことになる。そこで、第2の形態では、図55に示すように、大入賞口61内に、遊技球を案内する凹部980を備え一定速度で回転する回転体981を設け、入球の検出の間隔を一定時間(期間W1に相当)あけるように構成されている。即ち、大入賞口61に入球した遊技球は1球毎に回転体981の凹部980に嵌り込み、通路982から排出され、その通路982内に設けられた入球検出スイッチSW1により入球が検出されるようになっている。これにより、図54(1)に示すように、一度に第4球目と第5球目が入球した場合は、第4球目を入球検出スイッチSW1が検出した後、期間W1の間隔をあけて第5球目を入球検出スイッチSW1が検出する。この結果、図54(3)に示すように、第4球目のコマ画像が期間W1表示され、続いて第5球目のコマ画像が期間W1表示される。
一方、上記処理を、図54(1)に示すように8、9、10球目が一度に入球した場合に適用し、8、9、10をそれぞれ期間W1表示すると、インターバル期間Wを超えてしまうことになる(3W1>W)。そこで、このような場合は、図56に示すように、8、9、10球目に対応するコマ画像の表示期間を短縮(具体的にはコマ画像データの一部を間引いて短縮)する。例えば、1/2に短縮して表示する。これにより、インターバル期間Wの終了時までに、8、9、10球目の画像が表示され、且つ昇格結果の表示も行うことができる。なお、何球目以降から上記処理を行うかは、インターバル期間W、コマ画像表示期間W1、昇格結果表示期間W2、大入賞口開放期間を考慮して設定すればよい。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
〔第3の形態〕
図57は第3の形態に係るパチンコ機の機能ブロック図である。この図57は、昇格示唆表示演出実行のための機能的構成部分のみ描いており、第1の形態の図25に対応するものである。上記第1及び第2の形態では、図25に示すように、主制御装置261側で、昇格演出可否フラグF1、昇格可否フラグF2、及び昇格結果確定表示ラウンド値F3を設定し、このフラグF1,F2及び昇格結果確定表示ラウンド値F3の情報をサブ制御装置262側に送信して、サブ制御装置262内のバッファB62に昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2及び昇格結果確定表示ラウンド値D3として格納するように構成されていた。これに対して、第3の形態では、図57に示すように、サブ制御装置262側で、主制御装置261から送信される装飾図柄指定コマンドに基づき昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2を設定し、Rレジスタ1021(確定表示ラウンド抽選手段に相当)の下位4ビットにより昇格結果確定表示ラウンド値D3を設定するようになっている。即ち、第3の形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に送信される装飾停止図柄コード情報コマンドにより、サブ制御装置262が昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2の設定を行い、また、Rレジスタ1021(確定表示ラウンド抽選手段に相当)の下位4ビットを用いることにより昇格結果確定表示ラウンド値D3の設定を行うようになっている。従って、第3の形態では、図25に示す昇格判定処理部1003、昇格演出判定部1002、バッファB52、バッファ制御部1014は省略されており、一方、サブ制御装置262側には、装飾停止図柄コード情報コマンドに基づき昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2を設定する昇格判定処理部1030が備えられている。
上記構成の第3の形態に係るパチンコ機における昇格示唆演出においては、第1の形態における図37、図40の処理はなく、それに代えて、サブ制御装置262側において装飾図柄指定コマンドに基づき昇格演出可否フラグD1、昇格可否フラグD2を設定し、且つ、Rレジスタ1021の下位4ビットにより昇格結果確定表示ラウンド値D3を設定する処理が行われることの他は、第1の形態の処理(図41〜図45の処理)と同様の処理が行われる。
このようにして第3の形態においても、第1の形態と同様な昇格示唆表示演出が行われ、第1の形態と同様な作用・効果を奏することができる。
(その他の事項)
(1)上記最良の形態では、大入賞口内に入球検出スイッチSW1を設け、この入球検出スイッチSW1を利用して昇格示唆表示を行うようにしたけれども、図58、図59に示すように、大入賞口内に入球検出スイッチSW1に加えて、昇格示唆表示用スイッチSW2を設け、昇格示唆表示の演出タイミングを昇格示唆表示用スイッチSW2により行うようにしてもよい。なお、図58は第1の形態(図25)に対応するものであり、図59は第3の形態(図57)に対応するものである。
入球検出スイッチSW1を利用して昇格示唆表示を行う構成では、入球検出は主制御装置261が把握する必要があるので、入球検出スイッチSW1は主制御装置に接続されており、主制御装置261からサブ制御装置262に入球信号を送信することでサブ制御装置262が昇格示唆表示制御を行うようになっている。従って、部品点数(スイッチ・配線)を増やすことなく昇格示唆表示を行うことができ、安価で・作業工程が複雑にならない等の効果を奏する。
これに対して入球検出スイッチSW1とは別個に昇格示唆表示用スイッチSW2を設ける構成では、昇格示唆表示用スイッチSW2はサブ制御装置262に接続される(図58、図59参照)。従って、「入球検出スイッチ→主制御装置→サブ制御装置」の構成は変える必要がなく、昇格表示用スイッチSW2とサブ制御装置262の制御プログラムを変更するだけで昇格示唆表示を行うことができ、無駄に開発労力をかける必要がないという効果を奏する。
(2)上記最良の形態では、遊技球が10球までの演出しか規定していないが、大入賞口には11個以上の遊技球が入賞することがある。そこで、11個以上の遊技球が入賞した場合にも、各遊技球の入球毎に上記のような演出を行なっても良い。
一方、1ラウンド毎の規定時間内に必ずしも遊技球が10球或いはそれ以上大入賞口に入賞するとは限らず、そして、そのような状態が生じるのが昇格演出を行なうラウンドである場合もありうる。このような場合、第1の形態のような演出を行なう場合には問題とならないが、第2の形態の如く相手を倒すという一連のストーリーからなる場合には、もし相手が倒れていないにも関わらず、昇格演技が終了するという不都合が生じる。そこでこのような場合には、例えば、以下のように制御する。
即ち、最大30秒間大入賞口が開放する遊技機であれば、25秒経過した後に遊技球が9個以下しか大入賞口に入球していなければ、次に入球した際に昇格を確定させるように構成し、更に最後の5秒間でも入球しないときには、30秒経過後にチャンスタイムと表示して、昇格演技が行なわれる前に相手を倒すような構成とする。
(3)上記最良の形態では、大当たり中に昇格する場合についてのみ記載しているが、降格するような構成としても良いことは勿論である。
また、上記最良の形態では、大当たり時の確変大当たり表示と通常大当たり表示との区別は文字表示により行なわれているが、「222」、「444」等のように偶数の数字で揃った場合には通常大当たりとし、「111」、「333」等のように奇数の数字で揃った場合には確変大当たりとするような構成であっても良い。
また、上記最良の形態では、大当たり中に確率変動遊技状態に昇格する示唆表示演出について記載しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、昇格示唆表示演出・降格示唆表示演出を含めて、大当たり状態終了後に移行する変動遊技状態として、確率変動遊技状態の他に、通常遊技状態、時短遊技状態、確率変動遊技状態と時短遊技状態を組み合わせたもの、2種遊技機にあっては、それぞれラウンド数が異なるもの、3種遊技機にあっては、それぞれ確変の期間が異なるもの等が含まれる。第2種にあっては、大当たり確定後、さらにラウンド抽選(1ラウンド、7ラウンド又は15ラウンドの抽選)が行われ、大当たり当選にかかる利益が複数存在する。本発明の昇降格をもって、このラウンド数を移行させる演出が考えられる。例えば、ラウンド抽選で7ラウンドが当選したとしても、昇格する場合、15ラウンドに拡張し、降格すれば1ラウンドに縮小する、といった演出である。第3種にあっては、最初の大当たりを含む大当たりの発生回数が予め決定されている(一般に「N回権利物」言われるもの。最初の大当たりを含む大当たりがN回発生するまで確率変動状態が継続される)が、この権利回数を変化させて、本発明における昇降格を演出することも可能である。例えば、2回権利を基準とする機種では、2回権利から3回権利に大当たり回数を下げる場合を降格、2回権利から3回権利に上げる場合を昇格とする演出も可能である。
(4)上記最良の形態では、大特別遊技を確変大当たりとし、小特別遊技を通常大当たりとしているが、大当たり時のラウンド数により大特別遊技と小特別遊技とを別けても良い。例えば、大特別遊技の場合には大入賞口が16回開閉するのに対して、小特別遊技の場合には大入賞口が5回しか開閉しないような構成である。
(5)上記最良の形態では、入球検出信号を入力する度に示唆表示を行うようにしたけれども、所定の入球個数(例えば3球目と7球目)に応じて示唆表示を行うようにしてもよい。
(6)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機(例えば、第2種遊技機である羽根物の遊技機や、第3種遊技機である権利物の遊技機)、スロットマシン、アレパチ、麻雀など他の遊技機、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機に適用可能である。尚、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。