JP4775354B2 - エンジンクランク軸の潤滑装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンクランク軸(以下、クランク軸という)の潤滑装置を、4つの気筒が直列配置された直列4気筒4サイクルエンジンに適用した例を示す図である。図1の符号10は、アルミニウム製シリンダブロック1のバルクヘッドであり、符号11は、このバルクヘッド10の下端にボルトによって締結固定されたアルミニウム製軸受キャップである。図1、図2に示すように、バルクヘッド10の下端部、及び軸受キャップ11の上端部には半円状の軸受孔12,13がそれぞれ形成されており、これらの軸受孔12,13にはクランク軸2のクランクジャーナル20が鉄製ローラ軸受3を介して回転自在に支承されている。このローラ軸受3は、軸受孔12,13の内周面に回転止め用ピン30によって回転不能に固定された半割りの環状アウターレース31と、このアウターレース31とクランクジャーナル20との間に設けられた複数のニードルローラ32,32,…と、これらのニードルローラ32,32,…を互いに平行にかつ周方向に所定間隔だけ開けた状態で周方向に転動可能に保持する半割りの環状ホルダー33とからなる。このホルダー33は、ニードルローラ32の転動に応じて軸受孔12,13内で回転するようになっている。
以上により、本実施形態によれば、オイルがバルクヘッド10内部の第1油孔10a及びアウターレース31の連絡溝31bを介してその端から噴出して、その噴出したオイルが環状部材6のブレード部60,60の間を介してクランクアーム21のリング溝23に供給される。それから、そのリング溝23に供給されたオイルが、クランク軸2の回転に伴う慣性力によって、リング溝23をクランク軸2の回転方向とは反対側に流れて、その終端部23aに到達する。そして、その終端部23aに到達したオイルがクランクアーム21及びクランクピン22内部の第2油孔24を介してクランクピン22側のローラ軸受5に供給される。これらのことから、従来のように、クランクピン側のローラ軸受端面を介して給油するのと比較して、クランクピン22側のローラ軸受5に確実に給油することができる。
上記実施形態では、リング溝23の終端部23a、及び第2油孔24を上述のように配置しているが、これに限らず、例えば、リング溝23の終端部23a、及び第2油孔24を、図9に示すように、クランク軸方向視でクランクジャーナル20の軸心AJとクランクピン22の軸心APとを結ぶ線L上に配置してもよい。つまり、第1孔部24aは、クランクアーム21のリング溝23の終端部23aからクランクピン22の軸心APを通って直線状に延びてそのクランクアーム21と相隣り合うクランクアーム21におけるクランク軸方向のクランクジャーナル20側の面に開口している。一方、第2孔部24bは、クランクピン22の外周面のクランク軸方向中央からクランクピン22の軸心APまで直線状に延びて第1孔部24aと連通している。この場合、リング溝23の終端部23a、及び第2油孔24を、クランク軸方向視でクランクジャーナル20の軸心とクランクピン22の軸心とを結ぶ線L上に配置しているので、第2油孔24を介してリング溝23からのオイルをクランクピン22の外周面に供給するのに、クランク軸2の回転に伴う遠心力を有効利用できる。よって、クランクピン22側のローラ軸受5に一層確実に給油することができる。
10 バルクヘッド
10a 第1油孔
11 軸受キャップ
12,13 軸受孔
2 エンジンクランク軸
20 クランクジャーナル
21 クランクアーム
22 クランクピン
23 リング溝
23a 終端部(クランク軸の回転方向とは反対側の端部)
24 第2油孔
3 ローラ軸受
31 アウターレース
31a 貫通孔
31b 連絡溝
4 コンロッド
5 ローラ軸受
6 環状部材
60 ブレード部
63 閉塞部
Claims (5)
- シリンダブロック及び軸受キャップに支持されるクランクジャーナルと、コンロッド本体及びキャップを有するコンロッドの大端部を支持するクランクピンと、上記クランクジャーナルと上記クランクピンとを連結するクランクアームとを備えたエンジンクランク軸の潤滑装置であって、
上記シリンダブロック及び上記軸受キャップと上記クランクジャーナルとの間、並びに上記コンロッドと上記クランクピンとの間には、ローラ軸受がそれぞれ設けられており、
上記クランクジャーナル側のローラ軸受は、上記シリンダブロック及び上記軸受キャップの軸受孔内周面に回転不能に設けられたアウターレースを有しており、
上記シリンダブロックの軸受孔内周面には、上記クランクジャーナル側のローラ軸受に給油するための第1油孔が開口しており、
上記アウターレースには、上記第1油孔と対向する部分に径方向に貫通する貫通孔が形成されており、
上記アウターレースの外周面には、上記貫通孔の配置部分にクランク軸方向に延びる連絡溝が形成されており、
上記クランクアームにおけるクランク軸方向の上記クランクジャーナル側の端面には、周方向に延びる欠円状のリング溝が形成されており、
上記エンジンクランク軸には、それぞれ上記リング溝を覆うように設けられかつその間を介して上記連絡溝からの油を上記リング溝に供給する複数のブレード部を有する円環状又は欠円環状の環状部材が取り付けられており、
上記リング溝における上記エンジンクランク軸の回転方向とは反対側の端部には、上記クランクピン側のローラ軸受に給油するための第2油孔の一端が開口しており、
上記第2油孔は、上記クランクアーム及び上記クランクピンの内部を通って他端が該クランクピンの外周面に開口していることを特徴とするエンジンクランク軸の潤滑装置。 - 請求項1記載のエンジンクランク軸の潤滑装置において、
上記ブレード部は、クランク軸方向の上記クランクジャーナル側から上記クランクアーム側に行くに従って上記エンジンクランク軸の回転方向とは反対側に延びる斜面を有することを特徴とするエンジンクランク軸の潤滑装置。 - 請求項1又は2記載のエンジンクランク軸の潤滑装置において、
上記リング溝における上記エンジンクランク軸の回転方向とは反対側の端部、及び上記第2油孔の一端は、クランク軸方向視で上記クランクジャーナルの軸心に対して上記クランクピン側に配置されていることを特徴とするエンジンクランク軸の潤滑装置。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のエンジンクランク軸の潤滑装置において、
上記環状部材は、上記リング溝における上記エンジンクランク軸の回転方向とは反対側の端部を塞ぐ閉塞部をさらに有することを特徴とするエンジンクランク軸の潤滑装置。 - 請求項3記載のエンジンクランク軸の潤滑装置において、
上記リング溝における上記エンジンクランク軸の回転方向とは反対側の端部、及び上記第2油孔は、クランク軸方向視で上記クランクジャーナルの軸心と上記クランクピンの軸心とを結ぶ線上に配置されていることを特徴とするエンジンクランク軸の潤滑装置。
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