JP4774770B2 - トリアルキルガリウムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法等を用いたエピタキシャル結晶成長によりGaNのような化合物半導体薄膜を形成するための材料として有用なトリアルキルガリウムの製造方法に関する。
近年の携帯電話や光通信技術の進展により、化合物半導体の需要は、携帯電話に使用される高電子移動度トランジスタ(HEMT: High Electron Mobility Transistor)、ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT: Heterojunction Bipolar Transistor)などの高速電子デバイス、光通信やDVDなどに使用される半導体レーザー、ディスプレーに使用される白色・青色の超高輝度LEDなどの光デバイス等の用途で急速に伸びている。
一般に化合物半導体の原料となる有機金属化合物(MO:MetalOrganics)としては、周期律表第II族元素やIII族元素のアルキル金属化合物、特にメチル化合物やエチル化合物が多用されている。中でも周期律表第III族のアルキルガリウムは、窒素、砒素のような周期律表第V族の元素とともに化合物半導体をMOCVDで製造するための材料としての需要が大きい。
アルキルガリウムの代表的な合成方法として、ガリウム−マグネシウム混合物またはガリウム−マグネシウム合金とハロゲン化アルキルとを反応させる方法が知られている。この方法は、出発原料として、入手し易い市販品である高純度の金属ガリウム及び金属マグネシウムをそのまま使用することができ、また取扱いに手間を要する試薬を必要としない点で有用である。
これらの方法の報告例を以下に示す。従来の方法では、ガリウムーマグネシウム混合物を原料とする方法に比べて、ガリウムーマグネシウム合金を原料とする方法の方が高収率でトリアルキルガリウムが得られることから、ガリウムーマグネシウム合金を用いた報告例の方が多い。
特許文献1(米国特許第5248800号公報)には、ガリウム−マグネシウム合金とヨウ化アルキルとの反応によりトリアルキルガリウムを合成する方法において、Mg/Gaモル比=1.6〜2.4となる範囲にすることにより、80〜90%という高収率でトリアルキルガリウムが得られることが記載されている。また、特許文献1には、ガリウムーマグネシウム混合物を用いた反応によるトリアルキルガリウムの収率は15%である旨が記載されている。即ち、特許文献1は、ガリウムーマグネシウム合金を原料とする方法の方がガリウムーマグネシウム混合物を原料とする方法に比べて、高収率でトリアルキルガリウムが得られることを明示している。
また、特許文献2(英国特許第2123423号公報)にも、ガリウムーマグネシウム合金とヨウ化アルキルとを、エーテル化合物存在下で反応させることによりトリアルキルガリウム化合物を合成する方法が記載されている。
しかし、ガリウムーマグネシウム合金を用いる方法では、加熱により合金を調製する工程が余分に必要であるとともに、均一なガリウムーマグネシウム合金を調製するのが困難である。また、これに起因してトリアルキルガリウムの収率の再現性が得られないという報告もある(非特許文献1、2) (A.C.Jones,D.J.Cole−Hamilton,A.K.Holliday,M.J.Mahmad,J.Chem.Soc.,Dalton Trans.,1047(1983),K.B.Starowieski,K.J.Klabunde,Appl.Organomet.Chem.,,219(1989))。
従って、製造工程の単純化及び安定した生産性の観点から、より単純な原料であるガリウムーマグネシウム混合物を用いることが望まれる。
この点、特許文献3(ソビエト連邦国特許第388563号公報)には、ガリウムーマグネシウム混合物又はガリウム-マグネシウム合金とハロゲン化アルキルとを、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、又はジエチルエーテルのようなエーテル化合物に代表されるルイス塩基の存在下で反応させることによりトリアルキルガリウム化合物を合成することが記載されている。
また、非特許文献3(L.I.Zakharkin,V.V.Gavrilenko,N.P.Fatyushina,Russ.Chem.Bull.,46,379(1997)には、ガリウム−マグネシウム混合物とヨウ化メチルとを、加熱下でボールミル粉砕することにより直接トリメチルガリウムを合成する方法が記載されている。また、非特許文献3には、溶媒の非存在下またはヘキサンの存在下で、ガリウム−マグネシウム−ヨウ素混合物を加熱真空脱気した後、ヨウ化エチルと反応させることにより、トリエチルガリウムを合成する方法が記載されている。非特許文献3では、粉末状マグネシウムを使用している。
また、非特許文献4(V.I.Bregadze,L.M.Golubinskaya,B.I.Kozyrkin,J.Clust,Sci.,13,631(2002)には、ガリウム−マグネシウム混合物とヨウ化メチルとを、イソアミルエーテルの存在下で反応させることにより、トリメチルガリウムが80〜90%という高収率で得られることが記載されている。非特許文献4でも、粉末状マグネシウムを使用している。
しかし、ガリウム−マグネシウム混合物を用いる場合、ガリウム−マグネシウム合金を用いる場合に比べて収率が低くなる。また、ガリウム−マグネシウム混合物を用いて高収率を得ようとすると、使用できるマグネシウムの形状が非特許文献3,4のように粉末状のものに限定される。
本発明は、ガリウム−マグネシウム合金を用いることなく、ガリウムとマグネシウムとハロゲン化アルキルとの反応により高収率でトリアルキルガリウムを製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、少なくとも1種のエーテル化合物中で、ガリウムとマグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させ、反応途中で反応系を少なくとも1種のエーテル化合物で希釈してマグネシウム濃度を低下させることにより、トリアルキルガリウムを収率良く製造することができることを見出した。
本発明はこの知見に基づき完成されたものであり、以下のトリアルキルガリウムの製造方法を提供する。
項1. トリアルキルガリウムを製造する方法であって、少なくとも1種のエーテル化合物中で、ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させ、反応途中で反応系を少なくとも1種のエーテル化合物で希釈する方法。
項2. 反応系中のマグネシウム濃度が反応開始時に5moL/L以上であり、反応系中の全マグネシウム濃度が4moL/L以下となるように希釈する項1に記載の方法。
項3. ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のエーテル化合物との混合物中に少なくとも1種のハロゲン化アルキルを導入することにより、ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させる項1又は2に記載の方法。
項4. ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のエーテル化合物との混合物中に少なくとも1種のハロゲン化アルキルを滴下することにより導入する項3に記載の方法。
項5. 反応系内にハロゲン化アルキルマグネシウム及びハロゲン化マグネシウムが析出して反応系の温度上昇が停止した時点(Ts)に対して、Ts±30分間の間に、反応系を希釈する項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6. ガリウム1モルに対して削り状マグネシウム1〜10モルを使用する項1〜5のいずれかに記載の方法。
. 少なくとも1種のハロゲン化アルキルが、ヨウ化アルキル及び臭化アルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン化アルキルである項1〜のいずれかに記載の方法。
. 少なくとも1種のハロゲン化アルキルが炭素数1〜10のアルキル基を有するものである項1〜のいずれかに記載の方法。
本発明により、ガリウム−マグネシウム合金を用いることなく、より簡便な原料であるガリウムとマグネシウムとの混合物をハロゲン化アルキルと反応させることにより収率良くトリアルキルガリウムを製造する方法が提供された。これにより、手間のかかる合金調製を行うことなく、また、再現性のよい高収率でトリアルキルガリウムを合成することができる。
本発明方法においては、マグネシウム原料として粉末状のものを使用しなくても、取り扱いが容易な削り状またはチップ状などの形状のマグネシウムを用いることにより、高い反応性が得られ、その結果高収率が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトリアルキルガリウムの製造方法は、少なくとも1種のエーテル化合物中でガリウムとマグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させ、反応途中で反応系を少なくとも1種のエーテル化合物で希釈する方法である。
原料
<ガリウム>
ガリウムは、純度99.9%(3N)以上の純度の市販品を用いることができ、純度7Nまでのガリウムが市販されている。
MOCVDにより製造される化合物半導体の電気的特性及び光学的特性は、原料である有機金属化合物の純度に大きく左右される。従って、本発明方法においても高純度なトリアルキルガリウムを合成することが求められる。生成するトリアルキルガリウムの純度は原料であるガリウムの純度にも依存することから、ガリウムは高純度であることが望ましい。
本発明においては、ガリウムの純度は99.999%(5N)以上が好ましく、99.9999%(6N)以上がより好ましい。5N以上の高純度のガリウムは、上記のように市販品もあるが、3Nまたは4N純度の市販品を再結晶、減圧精製、電解精錬などにより精製することにより得ることができる。
<マグネシウム>
マグネシウムは99%(2N)〜99.9999%(6N)の純度の市販品を用いることができる。但し、5N以上の純度のマグネシウムは非常に高価であるため、2N〜4Nの純度のマグネシウムを真空蒸留、真空昇華などにより精製したものを使用すればよい。本発明方法において使用するマグネシウムの純度は、3N以上が好ましい。
マグネシウムの形状は特に限定されない。例えば、グリニャール試薬合成で一般的に用いられているリボン状、削り状、チップ状(削り状より小さい削りクズ状)、粉末状、粒状などの形状のものを用いることができる。本発明において、粉末状マグネシウムは、平均粒径が500μm以下のマグネシウムをいう。本発明において、平均粒径はレーザー回折法により測定した値である。
一般に粉末状のものの方が、それより大きい形状のものに比べてハロゲン化アルキルとの反応性が高いが、本発明方法によれば、粉末状以外の形状のマグネシウムを用いる場合も高い反応性が得られる。粉末状マグネシウムは取り扱いや保管に配慮が必要であるが、本発明方法においてはこのような粉末状マグネシウムを必ずしも用いなくてよい。このため、リボン状、削り状、チップ状、粒状のマグネシウムが好ましく、中でも、ハロゲン化アルキルとの反応性が高く、かつ取り扱いが容易である点で、削り状、又はチップ状のものが好ましい。
マグネシウムの表面は多かれ少なかれ酸化被膜で覆われている。この酸化被膜が厚いと反応の誘導期が長くなることから、反応前に、マグネシウムに対して機械的攪拌、粉砕、少量のヨウ素や臭素の添加、希塩酸での洗浄などを行い、その表面を活性化することが一般的に行われている。また、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1,2−ジブロモエタンなどを少量加えてマグネシウムを活性化する方法も行われている(D.E.Peason,D.Cowan,J.D.Beckler,J.Org.Chem.,24,504(1959))。本発明方法によれば、このような活性化処理を行わなくともマグネシウムは十分な反応性を示すが、このような活性化処理を反応前に行うことにより、反応時間を一層短縮することができる。
<溶媒>
使用可能なエーテル化合物は特に限定されず、トリアルキルガリウム合成に使用されている公知のエーテル化合物を用いればよい。例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−sec−ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル(ジイソアミルエーテル)等の脂肪族エーテル化合物;アニソール、メチルアニソール、ベンジルメチルエーテル、エチルアニソール、ジメチルアニソール、イソプロピルアニソール、フェネトール等の芳香族エーテル化合物を用いることができる。
エーテル化合物は生成物であるトリアルキルガリウム化合物と付加体を形成するため、合成工程の後、後述するように蒸留を行うことによりこのエーテル付加体を熱分解させて、トリアルキルガリウム化合物を単離することが好ましい。このため、エーテル化合物は、トリアルキルガリウムより高沸点の化合物を用いることが好ましい。また、トリアルキルガリウムのエーテル付加体の熱分解温度がトリアルキルガリウム化合物の熱分解温度より高い場合は、エーテル付加体の熱分解によりトリアルキルガリウム化合物の分解も進行するため、エーテル付加体の分解温度がトリアルキルガリウムの分解温度より低くなるようなエーテル化合物を選択することが好ましい。
エーテル化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。但し、得られるトリアルキルガリウムの精製が容易になる点で、1種のエーテルを単独で使用することが好ましい。
<ハロゲン化アルキル>
ハロゲン化アルキルとしては、アルキル基の炭素数が、通常1〜10、好ましくは炭素数1〜4のものを用いればよい。上記炭素数のアルキル基を有するハロゲン化アルキルは、反応性に富み、かつこれらを使用することによりMOCVD原料として十分な揮発性を有するトリアルキルガリウムが得られる。
また、塩化アルキル、臭化アルキル、及びヨウ化アルキルのいずれを用いることもできるが、比較的反応性が高い点で、臭化アルキル、及びヨウ化アルキルが好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基を有する具体的なハロゲン化アルキルとしては、塩化メチル、塩化エチル、塩化n−プロピル、塩化イソプロピル、塩化n−ブチル、塩化イソブチル、塩化sec−ブチル、塩化tert−ブチルのような塩化アルキル;臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチル、臭化tert−ブチルのような臭化アルキル;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化n−ブチル、ヨウ化イソブチル、ヨウ化sec−ブチル、ヨウ化tert−ブチルのようなヨウ化アルキルが挙げられる。中でも、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチル、臭化tert−ブチルのような臭化メチル;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化n−ブチル、ヨウ化イソブチル、ヨウ化sec−ブチル、ヨウ化tert−ブチルのようなヨウ化アルキルが好ましい。
ハロゲン化アルキルは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を混合する場合は、ハロゲンの種類が異なるものや、アルキル基の種類が異なるものを混合して用いてもよい。
使用比率
ガリウムーマグネシウム混合物とハロゲン化アルキルとの反応によりトリアルキルガリウムを生成する反応は、下記式(1)に従うと考えられる
2Ga+aMg+(a+3)RX
→2GaR+3MgX+(a−3)RMgX (1)
(式中、Rはアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。aは正の整数を示す。)
このように、トリアルキルガリウムの生成にはハロゲン化アルキルマグネシウム(RMgX)すなわちグリニャール試薬が関与しているものと考えられる。
マグネシウムとガリウムとのモル比は、ガリウム1モルに対するマグネシウムのモル比を1〜10モル程度とするのが好ましく、1〜5モル程度とするのがより好ましく、1〜3モル程度とするのがさらにより好ましい。上記範囲であれば、ガリウムと、マグネシウムと、ハロゲン化アルキルとの反応を実用上十分効率よく進めることができ、かつ高収率でトリアルキルガリウムが得られる。
ハロゲン化アルキルは、化学量論的には式(1)に示すように、ガリウム1モル、マグネシウムa/2モルに対して、(a+3)/2モルに相当する量がトリアルキルガリウムの合成に必要であり、用いるガリウムのモル数及びガリウムとマグネシウムとのモル比により変動する。ハロゲン化アルキルの使用量は、式(1)に示す(a+3)/2モルの通常50〜200%程度とすればよく、(a+3)/2モルの70〜150%程度が好ましい。上記範囲であれば、高収率でトリアルキルガリウムが得られる。
合成反応工程
本発明において、合成反応は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等の不活性ガス雰囲気下で行う。これら不活性ガスの純度は、好ましく99.99%(4N)以上、特に好ましくは99.9999%(6N)以上である。
特に、雰囲気ガス中の水分や酸素は、トリアルキルガリウムの収率を低下させるばかりでなく、純度低下の原因ともなり得るため、水分や酸素は極力除去した雰囲気ガスを使用することが望まれる。反応雰囲気ガスは好ましくは露点−80℃以下、酸素濃度100ppb以下、特に好ましくは露点−100℃以下、酸素濃度10ppb以下であることが望ましい。このような高純度の不活性ガスは、膜分離法、触媒反応法、液化精留法、PSA(Pressure Swing Adsorption)法などにより得ることができる。
不活性ガス雰囲気下にした反応容器内に、ガリウム、マグネシウム、ハロゲン化アルキル、及びエーテルを入れることにより反応を行う。反応容器内へのこれらの化合物の導入順序は特に限定されないが、反応容器内に導入し易い点で、反応容器内に先ずガリウム、マグネシウム、及びエーテルを入れ、次いでここにハロゲン化アルキルを導入することが好ましい。この場合、ハロゲン化アルキルはゆっくりと導入することが好ましく、滴下するのがより好ましい。
本発明方法は、反応途中で反応系をエーテル化合物で希釈することを特徴としている。希釈に使用するエーテル化合物は、反応系中のエーテル化合物と同種のものであってもよく、又は異なる種類のものであってもよいが、同種のものを用いることが好ましい。
本発明方法においては、反応開始時の反応系中のマグネシウム濃度を通常5moL/L以上、好ましくは6moL/L以上、より好ましくは7moL/L以上にしておく。これは、反応系中のマグネシウムを濃厚な状態にして、マグネシウムと、ガリウムと、ハロゲン化アルキルとの反応を確実に開始かつ進行させるためである。マグネシウム濃度が余りに高いと激しい発熱を伴い攪拌が困難となることから、反応開始時のマグネシウム濃度の上限は、通常10moL/L程度である。
希釈後により、反応系中の全マグネシウム濃度が4moL/L以下にすることが好ましく、3moL/L以下にすることがより好ましい。
マグネシウム濃度が余りに低くなっても反応が進行しにくくなるため、希釈後の反応液中の全マグネシウム濃度の下限値は、0.1moL/L程度とすればよい。「全マグネシウム」とは、マグネシウム単体、ハロゲン化マグネシウム、及びハロゲン化アルキルマグネシウムの全量をいう。
希釈は、エーテル化合物を一度に加えることにより行ってもよく、又はエーテル化合物をゆっくり加えてもよい。
反応の進行に伴い、過飽和になったハロゲン化アルキルマグネシウム及び副生物のハロゲン化マグネシウムが析出する。この際に反応系にエーテル化合物を添加することにより希釈すればよい。具体的には、上記析出の進行に伴い反応系の温度上昇が停止する。温度上昇が停止した時点(Ts)に対して、Ts±30分間程度の間に希釈するのが好ましく、Ts±20分間程度の間に希釈するのがより好ましい。
ガリウムとマグネシウムとエーテルとの混合物中にハロゲン化アルキルを少量づつ添加していく場合は、ハロゲン化アルキルの添加により反応系の温度が上昇し、さらにハロゲン化アルキルを添加していくとハロゲン化アルキルマグネシウム及びハロゲン化マグネシウムが析出し、さらに温度上昇が停止する。この際に反応系にエーテル化合物を添加すればよい。
反応温度は、用いるエーテル化合物、及びハロゲン化アルキルの種類などを考慮して、効率良く反応が進行する温度とすればよい。ガリウムとマグネシウムとエーテル化合物とハロゲン化アルキルとを混合すると、反応系の温度が上昇し、析出の進行に伴い温度上昇が停止し、さらに反応系の希釈により温度が上昇する。この後、反応系の温度を、通常0〜200℃程度、好ましくは40〜160℃程度、より好ましくは60〜120℃程度に設定して反応を行えばよい。ハロゲン化アルキルを徐々に添加する場合は、全量のハロゲン化アルキルを添加した後、上記温度で反応を行えばよい。
上記温度で、通常3〜30時間程度反応を行うことによりトリアルキルガリウムが生成する。
また、合成反応圧力は特に限定されず、大気圧下、減圧下、または加圧下で合成反応を行うことができる。
精製工程
反応終了後に得られるトリアルキルガリウムには、エーテル化合物やハロゲン化アルキルが付加したトリアルキルガリウムが含まれている。従って、反応液を蒸留することにより、これらの付加体を分解してトリアルキルガリウムを分留により単離すればよい。加熱温度は、トリアルキルガリウムの分解温度より低く、かつトリアルキルガリウムのエーテル付加体やハロゲン化アルキル付加体の分解温度より高い温度とすることが好ましい。蒸留は、常圧で行えばよいが、減圧蒸留を行ってもよい。
さらに、精密蒸留や昇華等により精製することにより、MOCVD原料として使用できる純度99.999%(5N)以上のトリアルキルガリウムが得られる。
精製工程も、通常、不活性ガス雰囲気下で行う。
ガリウム系化合物半導体素子
本発明方法により得られるトリアルキルガリウムと、窒素含有化合物、リン含有化合物、及び砒素含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のIII族元素含有化合物とを原料として、例えばMOCVDによるエピタキシャル成長により、ガリウム系化合物半導体素子のガリウム系化合物半導体薄膜を形成することができる。ガリウム系化合物半導体薄膜の代表例としては、トリアルキルガリウムと、アンモニアのような窒素含有化合物とを原料として形成される窒化ガリウム系化合物半導体薄膜が挙げられる。
半導体の構造としては、MIS(Metal Insulator Semiconductor)接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
窒化ガリウム系化合物半導体薄膜を例に挙げて説明すれば、窒化ガリウム系化合物半導体の基板にはサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、およびGaN等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイア基板を用いることが好ましい。このサファイア基板上にMOCVD法などを用いて窒化ガリウム系化合物半導体を形成することができる。サファイア基板上にGaN、AlN、GaAIN等のバッファー層を形成しその上にpn接合を有する窒化物半導体を形成する。
窒化ガリウム系化合物半導体を使用したpn接合を有する発光素子例として、バッファー層上に、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第1のクラッド層、窒化インジウム・ガリウムで形成した活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を順に積層させたダブルへテロ構成などが挙げられる。
窒化ガリウム系化合物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化ガリウム系化合物半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化ガリウム系化合物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。電極形成後、半導体ウエハーからチップ状にカットさせることで窒化物半導体からなる発光素子が得られる。
実施例
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]トリメチルガリウムの合成
窒素置換した300mL容量の4つ口フラスコに、室温でガリウム10.00g(143mmoL)、削り状マグネシウム9.53g(392mmoL)、モレキュラーシーブスで十分脱水したジイソアミルエーテル52mLを加え、ジイソアミルエーテル中のマグネシウムスラリー濃度を7.54moL/Lにする。
ガリウムの純度は6Nであり、マグネシウムの純度は3Nである。窒素は、純度6N、露点−110℃、酸素濃度1ppbである。
ドライアイスコンデンサーを取り付け、内温20℃に調整した後、別途秤量したヨウ化メチル101.5g(715mmoL)を約1時間かけてフラスコ内溶液中に攪拌しながら滴下する。ヨウ化メチルの滴下と共にヨウ化マグネシウムの結晶が析出し、さらには過飽和となったヨウ化メチルマグネシウムが析出してくる。ヨウ化メチルマグネシウムの析出が進行するにつれ、フラスコ内の温度上昇が止まる。この時にモレキュラーシーブスで十分脱水したジイソアミルエーテル104mLをさらにフラスコ内に加える。反応系に加えるジイソアミルエーテル量はトータルで156mLとなり、ジイソアミルエーテル中のマグネシウムスラリー濃度は2.51moL/Lに希釈される。
過飽和となったヨウ化メチルマグネシウムが再溶解し、ヨウ化メチルの添加と共に再びフラスコ内の温度が上昇する。全てのヨウ化メチルを加え、フラスコ内温を110℃に保持し18時間加熱攪拌する。
反応終了後、白色のヨウ化マグネシウムが大量に析出する。ジイソアミルエーテルが沸騰する状態で反応混合物からガラスビーズを充填した長さ30cm、直径1.5cmのカラムを用いて粗トリメチルガリウムを分留する。
誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometer)によるガリウム定量により、13.8g(ガリウム換算で84.0%収率)の粗トリメチルガリウムが得られる。
[実施例2]トリメチルガリウムの合成
窒素置換した300mLのガラス製オートクレーブに、室温でガリウム10.00g(143mmoL)、削り状マグネシウム9.41g(387mmoL)、モレキュラーシーブスで十分脱水したジイソアミルエーテル50mLを加え、ジイソアミルエーテル中のマグネシウムスラリー濃度を7.74moL/Lにする。
ガリウムの純度は6Nであり、マグネシウムの純度は、3Nである。窒素は、純度6N、露点−110℃、酸素濃度1ppbである。
ドライアイスコンデンサーを取り付け、内温20℃に調整した後、別途秤量した臭化メチル67.4g(710mmoL)を約2時間かけてフラスコ内溶液中に攪拌しながらバブリングする。臭化メチルのバブリングを行っていくうちに臭化マグネシウムの結晶が析出し始め、さらには過飽和となった臭化メチルマグネシウムが析出してくる。臭化メチルマグネシウムの析出が進行するにつれ、フラスコ内の温度上昇が止まる。この時にモレキュラーシーブスで十分脱水したジイソアミルエーテル100mLをさらにフラスコ内に加える。反応系に加えるジイソアミルエーテル量はトータルで150mLとなり、ジイソアミルエーテル中のマグネシウムスラリー濃度は2.58moL/Lに希釈される。
過飽和となった臭化メチルマグネシウムが再溶解し、臭化メチルの添加と共に再びフラスコ内の温度が上昇する。全ての臭化メチルをバブリングし臭化メチルの還流が行われなくなったら、オートクレーブ内温を110℃に保持し18時間加熱攪拌する。
反応終了後、白色の臭化マグネシウムが大量に析出する。ジイソアミルエーテルが沸騰する状態で反応混合物よりガラスビーズを充填した長さ30cm、直径1.5cm、のカラムを用いて粗トリメチルガリウムを分留する。
誘導結合プラズマ発光分析装置によるガリウム定量により、10.2g(ガリウム換算で62.0%収率)の粗トリメチルガリウムが得られる。
[比較例1]トリメチルガリウムの合成(イソアミルエーテルによる途中希釈なし)
反応前に加えるジイソアミルエーテルの使用量を156mLとし、反応途中でジイソアミルエーテルを加えない他は、全て実施例1と同様にしてトリメチルガリウムを合成する。
誘導結合プラズマ発光分析装置によるガリウム定量により、3.3gの粗トリメチルガリウム(ガリウム換算で19.8%収率)が分留により得られる。
[比較例2]トリメチルガリウムの合成(粉末マグネシウムを使用)
削り状マグネシウム9.41g(387mmoL)に代えて、平均粒径45μm(Marvern社製Mastersiser2000を用いて測定した値)の粉末マグネシウム9.41g(387mmoL)を用い、反応前に加えるジイソアミルエーテルの使用量を156mLとし、反応途中でジイソアミルエーテルを加えない他は、全て実施例1と同様にしてトリメチルガリウムを合成する。
誘導結合プラズマ発光分析装置によるガリウム定量により、13.5gの粗トリメチルガリウム(ガリウム換算で82.0%収率)が分留により得られる。
[比較例3]トリメチルガリウムの合成(ガリウムーマグネシウム合金使用)
ガリウムと削り状マグネシウムとの混合物に代えて、ガリウム−マグネシウム合金(モル比:ガリウム/マグネシウム=2/5)20.5gを用い、反応前に加えるジイソアミルエーテルの使用量を156mLとし、反応途中でジイソアミルエーテルを添加しない他は、全て実施例1と同様にしてトリメチルガリウムを合成する。
誘導結合プラズマ発光分析装置によるガリウム定量により、14.5gの粗トリメチルガリウム(ガリウム換算で84.0%収率)が分留により得られる。

以上の結果、比較例1では、反応途中でマグネシウム濃度を低下させないため、収率が非常に低く、これでは到底実用できない。比較例2では、反応途中でマグネシウムを希釈しないでも、高収率が得られるが、粉末マグネシウムを用いているため、その取り扱いが煩雑である。比較例3では、ガリウム−マグネシウム合金を用いているため、高収率が得られるが、合金調製の手間を要する。合金調製は非常に困難な工程である。また、合金を用いるためにトリアルキルガリウムの収率の再現性が得られない。
これに対して、本発明の実施例1及び2では、ガリウム−マグネシウム合金を調製することなく、また取り扱いが簡便な削り状マグネシウムを用いて、高収率でトリアルキルガリウムを合成できる。

[実施例3]窒化ガリウム系化合物半導体素子の製造
サファイア(C面)よりなる基板をMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)の反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。
(バッファ層)
続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアと上記の実施例1で得られ、さらに精製されるトリメチルガリウムとを用い、基板上にGaNよりなるバッファ層を約150オングストロームの膜厚で成長させる。この反応は以下の式で表される。
Ga(CH+NH→GaN+3CH
(アンドープGaN層)
バッファ層成長後、トリメチルガリウムのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにトリメチルガリウム、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層を1.5μmの膜厚で成長させる。
(n側コンタクト層)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを4.5×1018/cmドープしたGaNよりなるn側コンタクト層を2.25μmの膜厚で成長させる。
(n側第1多層膜層)
次にシランガスのみを止め、1050℃で、トリメチルガリウム、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層を75オングストロームの膜厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しSiを4.5×1018/cmドープしたGaN層を25オングストロームの膜厚で成長させる。このようにして、75オングストロームのアンドープGaN層からなるA層と、SiドープGaN層を有する25オングストロームのB層とからなるペアを成長させる。そしてペアを25層積層して2500オングストローム厚として、超格子構造の多層膜よりなるn側第1多層膜層を成長させる。
(n側第2多層膜層)
次に、同様の温度で、アンドープGaNよりなる第2の窒化物半導体層を40オングストローム成長させ、次に温度を800℃にして、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニアを用い、アンドープIn0.13Ga0.87Nよりなる第1の窒化物半導体層を20オングストローム成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第2+第1の順で交互に10層づつ積層させ、最後にGaNよりなる第2の窒化物半導体層を40オングストローム成長さた超格子構造の多層膜よりなるn側第2多層膜層を640オングストロームの膜厚で成長させる。
(活性層)
次に、アンドープGaNよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニアを用いアンドープIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層を30オングストロームの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層を4層、交互に積層して、総膜厚1120オングストロームの多重量子井戸構造よりなる活性層を成長させる。
(p側多層膜クラッド層)
次に、温度1050℃でトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを用い、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第3の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを用いMgを1×1020/cmドープしたIn0.03Ga0.97Nよりなる第4の窒化物半導体層を25オングストロームの膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第3+第4の順で交互に5層ずつ積層し、最後に第3の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させた超格子構造の多層膜よりなるp側多層膜クラッド層を365オングストロームの膜厚で成長させる。
(p側GaNコンタクト層)
続いて1050℃で、トリメチルガリウム、アンモニア、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムを用い、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層を700オングストロームの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウエハーを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。
アニーリング後、ウエハーを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、n側コンタクト層の表面を露出させる。
エッチング後、最上層にあるp側コンタクト層のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNiとAuを含む透光性のp電極10と、そのp電極の上にボンディング用のAuよりなるpパッド電極を0.5μmの膜厚で形成する。一方、エッチングにより露出させたn側コンタクト層の表面にはWとAlを含むn電極を形成して窒化ガリウム系化合物半導体素子とする。
この窒化ガリウム系化合物半導体素子は順方向電流20mAにおいて、520nmの純緑色発光を示す。
なお、別の構成を有する窒化ガリウム系化合物半導体素子にもトリメチルガリウムを使用することができる。例えば、原料ガスにアンモニアとトリメチルガリウムとを用い、基板上にGaNよりなるバッファ層を成長させる。このGaNよりなる第1のバッファ層の上に、アンドープGaNよりなる第2のバッファ層、SiドープGaNよりなるn側コンタクト層、多重量子井戸構造よりなる活性層、単一のMgドープAl0.1Ga0.9N層、MgドープGaNからなるp側コンタクト層を順に積層したものなどがある。
本発明方法により得られるトリアルキルガリウムは、エピタキシャル結晶成長によりガリウム系化合物半導体薄膜を形成するための原料として好適に使用できる。

Claims (8)

  1. トリアルキルガリウムを製造する方法であって、少なくとも1種のエーテル化合物中で、ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させ、反応途中で反応系を少なくとも1種のエーテル化合物で希釈する方法。
  2. 反応系中のマグネシウム濃度が反応開始時に5moL/L以上であり、反応系中の全マグネシウム濃度が4moL/L以下となるように希釈する請求項1に記載の方法。
  3. ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のエーテル化合物との混合物中に少なくとも1種のハロゲン化アルキルを導入することにより、ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のハロゲン化アルキルとを反応させる請求項1又は2に記載の方法。
  4. ガリウムと削り状マグネシウムと少なくとも1種のエーテル化合物との混合物中に少なくとも1種のハロゲン化アルキルを滴下することにより導入する請求項3に記載の方法。
  5. 反応系内にハロゲン化アルキルマグネシウム及びハロゲン化マグネシウムが析出して反応系の温度上昇が停止した時点(Ts)に対して、Ts±30分間の間に、反応系を希釈する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. ガリウム1モルに対して削り状マグネシウム1〜10モルを使用する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 少なくとも1種のハロゲン化アルキルが、ヨウ化アルキル及び臭化アルキルからなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン化アルキルである請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 少なくとも1種のハロゲン化アルキルが炭素数1〜10のアルキル基を有するものである請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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