本発明のインクジェットヘッドユニットは、インクを吐出する複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドの上方に配置されており且つ前記インクジェットヘッドに供給するインクが貯溜されるインクタンクと、電子部品が実装された制御基板と、前記インクジェットヘッドと前記制御基板とを電気的に接続するための配線手段と、前記配線手段に実装され、前記制御基板からの信号を受けて前記インクジェットヘッドに駆動信号を供給するドライバICとを含んでいる。そして、前記配線手段が、前記インクジェットヘッドと前記制御基板との間に延在する柔軟性を有する基材と、前記制御基板と前記インクジェットヘッドとが前記ドライバICを介して接続されるように前記基材上に形成された複数の配線とを備えており、前記基材が、前記ドライバICの表面上の任意位置と前記インクタンクの表面上の任意位置とを結ぶすべての第1仮想線分の少なくとも一部、及び、前記ドライバICの表面上の任意位置と前記制御基板の表面上の任意位置とを結ぶすべての第2仮想線分の少なくとも一部の少なくとも一方と複数回交差するように屈曲した状態で配されている。
また、本発明において、前記基材が、屈曲部分を挟んで互いに平行に延在する一対の第1平行延在領域と屈曲部分を挟んで互いに平行に延在する一対の第2平行延在領域とを有しており、前記一対の第1平行延在領域が前記すべての第1仮想線分の少なくとも一部と交差し、前記一対の第2平行延在領域が前記すべての第2仮想線分の少なくとも一部と交差することが好ましい。これにより、基材がすべての第1仮想線分の少なくとも一部及びすべての第2仮想線分の少なくとも一部の両方と複数回交差するので、ドライバICから発せられた輻射熱がインクタンク及び制御基板に伝わるのを抑制することができる。
また、本発明において、前記配線手段が、前記ドライバICが実装された第1ケーブルと、前記第1ケーブルに接続された第2ケーブルとから構成されている。前記第1ケーブルが、前記インクジェットヘッドと前記第2ケーブルとの間に延在する第1基材と、前記ドライバICに接続され、前記第1基材上に形成された複数の第1配線とを備えている。前記第2ケーブルが、前記制御基板と前記第1ケーブルとの間に延在する第2基材と、前記第2基材上に形成された複数の第2配線とを備えている。そして、前記第2基材が、前記すべての第1仮想線分の少なくとも一部と前記すべての第2仮想線分の少なくとも一部の少なくとも一方と複数回交差するように屈曲した状態で配されていることが好ましい。これによると、第1ケーブルがすべての第1仮想線分の少なくとも一部及びすべての第2仮想線分の少なくとも一部の少なくとも一方と複数回交差する場合よりも、ドライバICが実装されているためにノズル数と同数以上の配線数が必要で配線ピッチが狭く高コストの第1ケーブルを短くすることができるので、インクジェットヘッドユニットの製造コストを削減することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるインクジェットヘッドユニットが採用されたインクジェットプリンタの概略平面図である。インクジェットプリンタ1の内部には、図1に示すように、2本のガイド軸6,7が設けられている。これらガイド軸6,7には、キャリッジを兼用するインクジェットヘッドユニット(以下、「ヘッドユニット」と称する)8が取り付けられている。ヘッドユニット8は、合成樹脂材料からなるヘッドホルダ9を含んでいる。ヘッドホルダ9には、印刷用紙Pへインクを吐出して印刷を行うインクジェットヘッド30が保持されている。ヘッドホルダ9は、キャリッジモータ12により回転する無端ベルト11に取り付けられており、キャリッジモータ12の駆動により、ガイド軸6,7に沿って往復移動する。
インクジェットプリンタ1には、イエローインクが収容されたインクカートリッジ5aと、マゼンタインクが収容されたインクカートリッジ5bと、シアンインクが収容されたインクカートリッジ5cと、ブラックインクが収容されたインクカートリッジ5dとが備えられている。各インクカートリッジ5a〜5dは、それぞれ可撓性のチューブ14a〜14dによってチューブジョイント20と接続されている。また、インクジェットプリンタ1のヘッドホルダ9の移動方向の左端には、フラッシングのときにノズルから吐出されたインクを吸収するインク吸収部材3が設けられている。一方、ヘッドホルダ9の移動方向の右端には、パージ時にノズルからインクを吸引するパージ装置2が設けられており、そのパージ装置2の左方には、ノズル面に付着したインクを払拭するワイパ4が設けられている。
次に、インクジェットヘッドユニットの主要構造について以下に説明する。図2は、本発明の第1実施形態によるインクジェットヘッドユニット8の分解斜視図であり、ヘッドホルダ9からバッファタンク48及びヒートシンク60を取り外した状態を示している。図3は、図2に示すインクジェットヘッドユニットの縦断面図である。
図2及び図3に示すように、ヘッドホルダ9は、上方に向かって開口した略箱状に形成されており、その底部にはインクジェットヘッド30が固定されている。また、ヘッドホルダ9において、インクジェットヘッド30の上方には、インクジェットヘッド30へ供給するインクを一時的に貯溜するバッファタンク(インクタンク)48が設置されている。インクジェットヘッド30は、ノズル面(底面)31aがヘッドホルダ9の下方外側に露出するように設置されている。
バッファタンク48の端部には、図2に示すように、インクをこのバッファタンク48に供給するためのチューブジョイント20が接続されている。バッファタンク48の下面には、4つのインク流出口(不図示)が設けられており、インクジェットヘッド30の上面に設けられた4つインク供給口30a(後述する)とシール部材90を介して接続されている(図4参照)。バッファタンク48の上方には、コンデンサ83などの電子部品及びコネクタ85が実装された制御基板84が設けられている。制御基板84の上方は、ヘッドホルダ9の上方を覆うカバー9aにより覆われている。
ヘッドホルダ9には、図3に示すように、ヒートシンク60がバッファタンク48の左側側壁48aに隣接する位置に固定されている。ヒートシンク60は、図3中左右方向に延在する水平部60aと、水平部60aの一端から上方に立ち上がった垂直部60bとを有している。水平部60a及び垂直部60bは、図2に示すように、共に横長の板状に形成されており、垂直部60bの内側の板面はバッファタンク48の側壁48aと対向している。バッファタンク48の右方には、バッファタンク48内に蓄積された空気を外部へ排気する排気装置49が設けられている。ドライバIC80は、上面(主表面80a)がヒートシンク60の水平部60aと接触した状態で配線部材(配線手段)70上に実装されている。これは、ドライバIC80の下面が配線部材70と対向して配線部材70上に実装されているため、ドライバIC80の露出面のうち面積が最も大きい主表面(本実施形態においてはドライバIC80の上面)80aとヒートシンク60とを接触した状態とすることで、発熱したドライバIC80から効果的に放熱させることができるようにするためである。配線部材70は、インクジェットヘッド30の上面からヘッドホルダ9の底部に形成された孔17に通されて垂直部60bとヘッドホルダ9の側壁との間に形成された隙間を介して引き出され、制御基板84上に設けられたコネクタ85と電気的に接続されている。コネクタ85は、制御基板84上に設けられたコンデンサ83や駆動回路(不図示)などと電気的に接続されている。配線部材70は、ドライバIC80と対向する位置に配置された弾性部材18によりドライバIC80がヒートシンク60の水平部60aと接触するように押圧されている。
次に、インクジェットヘッド30の主要構成について以下に説明する。図4は、インクジェットヘッド30及び配線部材70の分解斜視図である。図3に示すように、インクジェットヘッド30は、配線部材70が接合された圧電アクチュエータ21と、バッファタンク48からのインクが供給される流路ユニット27とを有している。図4に示すように、流路ユニット27は、上から、キャビティプレート108、サプライプレート107、アパーチャプレート106、2枚のマニホールドプレート104,105、ダンパプレート103、カバープレート102、ノズルプレート101の計8枚のシート材が積層された積層構造を有している。本実施の形態において、流路ユニット27を構成する8枚のプレート101〜108のうち、ノズルプレート101を除く7枚のプレート102〜108がステンレス鋼からなり、ノズルプレート101がポリイミド樹脂からなる。
ノズルプレート101には、微小径のノズル28が微小間隔で多数個穿設されている。これらノズル28は、ノズルプレート101の長手方向に沿って、千鳥配列状で5列に配列されている。
キャビティプレート108には、各ノズル28に対応する複数の圧力室10がキャビティプレート108の長手方向に沿って千鳥状配列で5列に穿設されている。各圧力室10の長手方向は、キャビティプレート108の長手方向に対して直交している。各圧力室10の一端部は、サプライプレート107、アパーチャプレート106、2枚のマニホールドプレート104,105、ダンパプレート103及びカバープレート102に千鳥状配列で穿設されている微小径の貫通孔29を介して、ノズルプレート101におけるノズル28に連通している。また、キャビティプレート108の一端部側には、インク供給口30aとなる4つの孔108aがキャビティプレート108の短手方向に沿って離隔して形成されている。
図4に示すように、2枚のマニホールドプレート104,105のうち、アパーチャプレート106に近い側のマニホールドプレート105には、5つのインク室半部105aが貫通状に形成されている。これら5つのインク室半部105aは、マニホールドプレート105の長手方向に沿って延在されつつ、マニホールドプレート105の短手方向に互いに離隔している。
一方、ダンパプレート103側のマニホールドプレート104にも、5つのインク室半部105aと同様の5つのインク室半部104aが貫通して形成されている。この構成で2枚のマニホールドプレート104,105、アパーチャプレート106及びダンパプレート103の計4枚を積層することにより、対向する2つのインク室半部104a,105aが相互に接合され、このときに形成される上下の開口が、上からのアパーチャプレート106と下からのダンパプレート103とにより覆われる。これにより、貫通孔29の列の間及び外側に計5つの共通インク室99が形成される。なお、共通インク室99の一端部がインク供給口30aとそれぞれ対向している。
サプライプレート107には、複数の貫通孔29の他に、複数の連絡孔51が貫通して形成されている。これらの連絡孔51は、一方の開口において圧力室10と連通し他方の開口において後述のアパーチャ52と連通している。さらに、複数の連絡孔51は、各圧力室10に対応してサプライプレート107の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。また、サプライプレート107は、長手方向の一端部側に、図4に示すように、4つの孔107aを有している。これら孔107aは、それぞれキャビティプレート108の4つの孔108aと対向するように形成されている。
アパーチャプレート106には、複数の貫通孔29の他に、アパーチャプレート106の短手方向に沿って延在した略長方形平面形状のアパーチャ52が、アパーチャプレート106の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。アパーチャ52は、一端部において連絡孔51と連通し、他端部において共通インク室99と連通している。アパーチャ52は、インク流動方向と直交する方向の断面積が若干小さくなっており、インク吐出時に圧力室10から共通インク室99側に逆流しようとするインクの流れを制限するものである。また、アパーチャプレート106には、4つの孔107aとそれぞれ対向する位置に孔106aが形成されている。各孔106aは、一方の開口において孔107aとそれぞれ連通し、他方の開口において対応する共通インク室99とそれぞれ連通している。
なお、4つの孔106aのうち、図4中最も奥に位置する1つの孔106aは、図4中奥の2つの共通インク室99と連通しており、他の3つの孔106aは、図4中手前の3つの共通インク室99とそれぞれ連通している。つまり、5つの共通インク室99のうち、図4中奥に位置する2つの共通インク室99には、1つのインク供給口30aからのインクがそれぞれに供給され、他の3つの共通インク室99には、対応する1つのインク供給口30aからのインクがそれぞれに供給される。本実施の形態において、図4中奥の2つの共通インク室99には、ブラックのインクが供給され、図4中手前から奥に向かって配置する3つの共通インク室99には、イエロー、マゼンタ及びシアンの順にインクが供給されている。
ダンパプレート103には、図4に示すように5列のダンパ溝103aが凹設されている。これらダンパ溝103aは、カバープレート102に向けてのみ開放するように形成され、その位置及び形状は共通インク室99と同形状となっている。したがって、マニホールドプレート104,105及びダンパプレート103を接合したときは、ダンパプレート103の共通インク室99と対向する部分には、ダンパ部53が位置する。ここで、ダンパ部53は、適宜弾性変形し得るステンレス鋼に形成された凹部の底面として構成されているので、共通インク室99側及びダンパ溝103a側に自由に振動することができる。このような構成により、インク吐出時に圧力室10で発生した圧力変動が共通インク室99に伝播しても、これに対応してダンパ部53が弾性変形することによって吸収減衰させることができる。
このような流路ユニット27の構成により、流路ユニット27の内部には、インク供給口30aから順に共通インク室99、アパーチャ52、連絡孔51、圧力室10及び貫通孔29を通ってノズル28に至るインク流路が構成されている。バッファタンク48からインク供給口30aを介して流路ユニット27内に流入したインクは、一旦共通インク室99に貯溜される。そして、アパーチャ52を経由して、各圧力室10に供給される。各圧力室10で、圧電アクチュエータ21により圧力が付与されたインクが、各貫通孔29を経由して、対応するノズル28から吐出される。なお、4つのインク供給口30aを覆う位置には、図4に示すように、各インク供給口30aと対向する位置に微細孔が複数形成されたフィルタ55が配置されている。これより、流路ユニット27内に流入するインクがフィルタ55によって濾過されたインクとなる。したがって、流路ユニット27内のインク流路がインク内のゴミなどによって目詰まりしにくくなる。
図5は、図4に示す圧電アクチュエータ21の要部分解斜視図である。図5に示すように、圧電アクチュエータ21は、2枚の絶縁シート33,34と2枚の圧電シート35,36とが積層されてなる。圧電シート36の上面には、複数の個別電極37が流路ユニット27における各圧力室10に対向配置するように形成されている。これら個別電極37は、圧力室10の配列に対応して、圧電シート36の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。各個別電極37は、全体として圧電シート36の短手方向に細長く形成されている。また、各個別電極37は、いずれか一方の端部から圧電シート36の長手方向に延出された引き出し部37aを有している。なお、いずれの引き出し部37aも、各圧力室10を区画する隔壁と対向する位置まで引き出されている。
圧電シート35の上面には、複数の圧力室10に跨った共通電極38が設けられている。圧電シート35の上面には、共通電極38が形成されていない複数の非形成領域39が形成されており、各非形成領域39内に圧電シート35の厚み方向に貫通した孔40が形成されている。非形成領域39は、対応する個別電極37の引き出し部37aと対向する位置に形成されている。
最上層の絶縁シート33の上面(すなわち、圧電アクチュエータ21の上面)には、各個別電極37のそれぞれに接続された表面電極22と、共通電極38に接続された表面電極23とが設けられている。表面電極22は、圧力室10同士を区画する隔壁と対向する位置に配置されており、各個別電極37に対応して圧電アクチュエータ21の長手方向に沿って千鳥状の5列に配列されている。表面電極23は、絶縁シート33の一端部上において、圧電アクチュエータ21の短手方向に沿って延在している。
絶縁シート33,34には、表面電極22と引き出し部37aとに対向する領域であって各孔40に対向する位置に、絶縁シート33,34の厚み方向に貫通した連続孔41が形成されている。この構成で、孔40と連続孔41とを位置合わせした状態で、2枚の絶縁シート33,34と1枚の圧電シート35とを積層することで、圧電アクチュエータ21には、2枚の絶縁シート33,34と1枚の圧電シート35とを連続して貫通する複数のスルーホールが形成される。これらスルーホールには、圧電アクチュエータ21を製造するときに、表面電極22と個別電極37とをそれぞれ電気的に接続するために、導電性部材が充填されている。また、絶縁シート33,34には、表面電極23と共通電極38とが対向する領域に、絶縁シート33,34の厚み方向に貫通した3つの連続孔42が絶縁シート33,34の短手方向に沿って離隔して形成されている。これら連続孔41にも、圧電アクチュエータ21を製造するときに、表面電極23と共通電極38とが電気的に接続されるように、導電性部材が充填されている。
次に、圧電アクチュエータ21に接合された配線部材70について以下に説明する。図6は、インクジェットヘッド30と制御基板84とを接続する配線部材70の模式図である。図7は、本発明による第1実施形態のインクジェットヘッドユニット内における配線部材70の設置経路を示す模式図である。配線部材70は、図4及び図6に示すように、一端部側が圧電アクチュエータ21の上面に固定され且つドライバIC80が実装されたFPC(第1ケーブル)71と、一端部がFPC71と接合され他端部が制御基板84のコネクタ85に接続されたFFC(第2ケーブル)76とから構成されている。
FPC(フレキシブルプリント配線板)71は、圧電アクチュエータ21からFFC(フレキシブルフラットケーブル:Flexible Flat Cable)76まで延在し柔軟性を有する平板状の基材72と、各表面電極22からドライバIC80まで延在する複数の個別配線73と、ドライバIC80からFPC71の他端部まで延在する複数の信号配線74と、表面電極23からFPC71の他端部まで延在する2本の共通配線75とを含んでいる。これらの配線73〜75は、基材72の一面上に形成されている。FFC76は、FPC71の他端部から制御基板84まで延在し柔軟性を有する平板状の基材77と、基材77の延在方向に沿って形成された複数の信号配線78と、信号配線78と同様に延在しコネクタ85を介して接地される2本の共通配線79とを含んでいる。これらの配線78,79は、基材77の一面上に形成されている。これらFPC71とFFC76とを、信号配線74と信号配線78とが、共通配線75と共通配線79とが電気的に接続されるように互いに接合することで、制御基板84から送信されるシリアルデータ形式の印刷信号を信号配線78及び信号配線74を介してドライバIC80に供給可能となっている。そして、複数の個別配線73は、ドライバIC80が印刷信号に基づいて生成したパラレルデータ形式の駆動信号を対応する各表面電極22に供給する。共通配線75は、共通配線79と接続されているので、表面電極23を介して共通電極38を接地する。ここで、個別配線73の配線数は個別電極37の数(すなわち、ノズル28の数)と同数以上必要になるが、信号配線74,78はシリアルデータ形式の印刷信号をドライバIC80に供給するだけなので、信号配線74,78の配線数は個別配線73の配線数よりも大幅に少ない。
FPC71は、図7に示すように、圧電アクチュエータ21の上面の端部から垂直上方に引き出され、バッファタンク48の底部近傍でバッファタンク48から離れる方向に屈曲し、ヒートシンク60の水平部60aの下方でこれと平行に延出される。そして、垂直部60bの立ち上がり部分の近傍で垂直上方に向けて屈曲し、垂直部60bと平行に延出される。そして、垂直部60bの側面と対向する位置で、FPC71の端部はFFC76の端部と接合する。FFC76は、この接合端部から垂直部60bに沿って上方に延出し、垂直部60bの上端近傍で屈曲しバッファタンク48の側壁48aに向かって水平方向に延出される。この水平方向に延出される延出部分86は、ドライバIC80と制御基板84との間でこれらを遮断するように延在する。そして、延出部分86は、ヒートシンク60の水平部60aの先端(水平部60aの垂直部60aが立ち上がる端部とは反対側の端部)を越えたところで屈曲し、FPC71と接触するところまで垂直下方に延出される。この垂直下方に延出される延出部分(平行延在領域、第1平行延在領域)81aは、ドライバIC80とバッファタンク48との間においてこれらを遮断するように位置する。そして、FFC76は、FPC71と接触したところで屈曲部分81bにより折り返すように屈曲され、垂直上方に延出される。この垂直上方に延出される延出部分(平行延在領域、第1平行延在領域)81cは、延出部分81aと平行に配され、延出部分81aと同様にドライバIC80とバッファタンク48との間においてこれらを遮断するように位置する。そして、延出部分81cはバッファタンク48から離れる方向に屈曲され、延出部分86と平行に水平方向に延出される。この水平方向に延出される延出部分(平行延在領域、第2平行延在領域)82aは、ヒートシンク60の垂直部60aを越えたところ(制御基板84の左端部近傍)で屈曲部分82bにより折り返すように屈曲される。この延出部分82aはドライバIC80と制御基板84との間においてこれらを遮断するように延在する。そして、屈曲部分82bから折り返された延出部分(平行延在領域、第2平行延在領域)82cは、制御基板84の左端から右端に至るまで延出部分82aと平行に延出され、制御基板84の右端からその上方側に回り込むように屈曲して、制御基板84の上面に設けられたコネクタ85と接続される。
FFC76の一対の延出部分81a,81cは、屈曲部分81bを挟んで互いに平行に延在しており、下端がFPC71と接触する位置に存在し、上端がバッファタンク48の上端近傍位置に存在している。つまり、延出部分81a,81cの延在長が、バッファタンク48の側壁の高さとほぼ同じ距離となっている。
駆動されることによってドライバIC80が発生する輻射熱は、ドライバIC80を中心として全方向に伝播する。そこで、バッファタンク48がFFC76の基材77によってドライバIC80が発生する輻射熱からどの程度遮蔽されるかを説明するために、図7に示すように、ドライバIC80とバッファタンク48とを結ぶ多数の仮想線分91を描画する。ここで、仮想線分91の一方の端点は、ドライバIC80の表面上の任意位置とし、仮想線分91の他方の端点は、バッファタンク48の表面上の任意位置とする。すると、描画可能なすべての仮想線分91は、図7においてドライバIC80の右下角とバッファタンク48の右下角とを結ぶ仮想線分91aと、図7においてドライバIC80の左上角とバッファタンク48の左上角とを結ぶ仮想線分91bとに挟まれた範囲内に存在することになる。そして、描画可能なすべての仮想線分91が、一対の延出部分81a,81cと交差している。したがって、バッファタンク48の全体が一対の延出部分81a,81cによってドライバIC80が発生する輻射熱から遮蔽されることになり、バッファタンク48にはドライバIC80からの輻射熱がほとんど到達しなくなる。よって、バッファタンク48内のインク温度が過度に上昇することがなくなり、インク吐出特性が安定する。
また、ドライバIC80からの輻射熱によって熱せられたヘッドユニット8内を対流する空気が一対の延出部分81a,81cの左方側(ヒートシンク60の周囲近傍)に到達したとしても、ドライバIC80とバッファタンク48との間には一対の延出部分81a,81c間及び延出部分81cの右方側に、一対の延出部分81a,81cによってそれぞれ遮断された空気層が1つずつ存在するために、ヘッドユニット8内を対流する空気の持つ熱はバッファタンク48の側壁48aにほとんど到達することができない。この点からも、描画可能なすべての仮想線分91が一対の延出部分81a,81cと交差していることは、バッファタンク48内のインク温度の過度な上昇を抑制することに寄与する。
FFC76の一対の延出部分82a,82cは、屈曲部分82bを挟んで平行に延在しており、図7に示すように、それらが重なり合う範囲の左端(屈曲部分82bの近傍)が垂直部60bの上端より外側に位置しており、右端が一対の延出部分81a,81cの上端位置に存在している。つまり、一対の延出部分82a,82cの互いに重なり合う部分は、制御基板84のドライバIC80と対向する領域を覆うように配置されている。
上述したバッファタンク48の場合と同様、ここでは、制御基板84がFFC76の基材77によってドライバIC80が発生する輻射熱からどの程度遮蔽されるかを説明するために、図7に示すように、ドライバIC80と制御基板84とを結ぶ多数の仮想線分92を描画する。ここで、仮想線分92の一方の端点は、ドライバIC80の表面上の任意位置とし、仮想線分92の他方の端点は、制御基板84の表面上の任意位置とする。すると、描画可能なすべての仮想線分92は、図7においてドライバIC80の右下角と制御基板84の右下角とを結ぶ仮想線分92aと、図7においてドライバIC80の左下角と制御基板84の左下角とを結ぶ仮想線分92bとに挟まれた範囲内に存在することになる。そして、描画可能なすべての仮想線分92が、一対の延出部分81a,81c及び一対の延出部分82a,82cと交差している。したがって、制御基板84の全体が一対の延出部分81a,81c及び一対の延出部分82a,82cによってドライバIC80が発生する輻射熱から遮蔽されることになり、制御基板84にはドライバIC80からの輻射熱がほとんど到達しなくなる。よって、制御基板84上に実装されたコンデンサ83などの電子部品が過度に温度上昇することによってこれら電子部品に故障や特性変化などの障害が生じることがなくなる。
さらに、制御基板84の左端近傍部は、一対の延出部分82a,82cとこれらと平行な領域86とによって、いわば三重にドライバIC80が発生する輻射熱から遮蔽されることになる。したがって、制御基板84の左端近傍部にはドライバIC80からの輻射熱がさらに到達しにくくなっている。また、制御基板84の左端近傍部以外の部分は、一対の延出部分81a,81cと延出部分82cの延出部分82aとは重ならない領域とによって、三重にドライバIC80が発生する輻射熱から遮蔽されることになる。したがって、制御基板84の右端側にもドライバIC80からの輻射熱が到達しにくくなっている。
また、ドライバIC80からの輻射熱によって熱せられたヘッドユニット8内を対流する空気が一対の延出部分82a,82cの下方側(ヒートシンク60の周囲近傍)に到達したとしても、ドライバIC80と制御基板84との間には一対の延出部分82a,82c間、延出部分82aと延出部分86との間及び延出部分82cと制御基板84との間に、一対の延出部分82a,82c及び延出部分86によってそれぞれ遮断された空気層が1つずつ存在するために、ヘッドユニット8内を対流する空気の持つ熱は制御基板84の下面にほとんど到達することができない。この点からも、描画可能なすべての仮想線分92の一部が一対の延出部分82a,82cと交差していることは、制御基板84の過度な温度上昇を抑制することに寄与する。
このような配線部材70によって圧電アクチュエータ21と制御基板84とが電気的に接続されることで、配線部材70のドライバIC80と圧電アクチュエータ21の個別電極37とが個別配線73及び表面電極22を介して電気的に接続され、共通電極38が共通配線75,79及び表面電極23を介してグランドに接続される。これにより、共通電極59をグランド電位にしつつ、すべての個別電極37にドライバIC80からの駆動信号を印加することが可能となる。こうして、所望の個別電極37に対応する活性部に、積層方向の歪みを発生させ、この個別電極37に対応するノズル28からインクを吐出させることで、用紙への所定の印字が行われる。
以上のように、本実施の形態のインクジェットヘッドユニット8によると、FFC76の基材77を屈曲させて一対の延出部分81a,81cを形成することで、一対の延出部分81a,81cが仮想線分91と交差するようになり、ドライバIC80の発熱で生じるヘッドユニット8内の空気の対流及びドライバIC80からの輻射熱を遮る。そのため、バッファタンク48の側壁に熱が伝わりにくくなり、バッファタンク48内のインク温度の上昇を抑制することが可能になる。また、FFC76を屈曲させて延出部分82a,82cを形成することで、延出部分82a,82cが仮想線分92と交差するようになり、ドライバIC80の発熱で生じるヘッドユニット8内の空気の対流及びドライバIC80からの輻射熱を遮る。そのため、制御基板84に熱が伝わりにくくなり、制御基板84に実装されたコンデンサ83などの電子部品の温度上昇による障害を抑制することが可能になる。また、FFC76の基材77を用いてドライバIC80から発生する輻射熱の遮蔽を行うため、冷却手段などの手段が不要であり、特にコストをかけることなくインクや電子部品の温度上昇による障害を抑制することができる。
また、延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cのそれぞれが互いに平行であるため、仮想線分91,92が少なくとも2回交差することになる。そのため、ドライバIC80からの輻射熱の伝達の抑制を効果的に行うことができる。また、仮想線分91のすべてが延出部分81a,81cと2回交差し、仮想線分92のすべてが延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cと2回交差しているので、バッファタンク48及び制御基板84に熱が伝わるのをより一層抑制することができる。また、延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cの形成は、FFC76を単に屈曲させて互いに平行にしているだけなので、FFC76を仮想線分91,92と複数回交差させる作業を容易に行うことができる。
また、延出部分82a,82cがドライバIC80の主表面80aと対向する位置に配置されているので、ドライバIC80の主表面80aが制御基板84側に向いて制御基板84に対するドライバIC80による空気の対流及び輻射熱の影響が大きくなっても制御基板84に熱が伝わるのを抑制することができる。
また、本実施の形態におけるインクジェットヘッドユニット8は、仮想線分91のすべてと交差する延出部分81a,81cがFFC76に形成されたものであるので、ドライバIC80による空気の対流及び輻射熱によってバッファタンク48に熱が伝わるのをより一層抑制することができる。
また、延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cが、ドライバIC80が実装されていないFFC76を屈曲させることによって形成されているので、インクジェットヘッドユニット8の製造コストを削減することができる。なぜなら、FPC71に延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cを形成する場合、本実施形態におけるよりもFPC71の延在長を長くする必要があること、そして、FPC71は、ドライバIC80が実装されているためにノズル数(個別電極数)と同数以上の配線数が必要で配線ピッチが狭く高コストであるため、延在長が長くなるとそれ自体のコストが非常に高いことのためである。したがって、延出部分81a,81c及び延出部分82a,82cをFFC76で形成する方がインクジェットヘッドユニット8の製造コストを削減することができることになる。なお、上述した実施形態における一対の延出部分81a,81cは、本発明における一対の平行延在領域もしくは一対の第1平行延在領域に対応し、一対の延出部分82a,82cは、本発明における一対の平行延在領域もしくは一対の第2平行延在領域に対応する。
続いて、本発明の第2実施形態によるインクジェットヘッドユニット208について以下に説明する。図8は、本発明の第2実施形態によるインクジェットヘッド208内における配線部材270の設置経路を示す模式図である。なお、上述した第1実施形態のヘッドユニット8と同様なものについては、同符号を示し説明を省略する。本実施形態のヘッドユニット208には、図8に示すように、配線部材270が上述の配線部材70とほぼ同様な設置経路で配設されているが、ドライバIC80がFPC271の基材272の下面に実装されている点で上述した第1実施形態とは相違する。延出部分81a,81cの下端がドライバIC80より下方側まで延在し、FPC271の圧電アクチュエータ21からドライバIC80が設置された部分までの間が一部湾曲する点においても第1実施形態とは相違する。
本実施の形態においても、第1実施形態と同様に、描画可能なすべての仮想線分91が、一対の延出部分81a,81cと交差しており、且つ、描画可能なすべての仮想線分92が、一対の延出部分81a,81c及び一対の延出部分82a,82cと交差している。したがって、バッファタンク48にはドライバIC80からの輻射熱がほとんど到達しなくなって、バッファタンク48内のインク温度が過度に上昇することがなくなり、インク吐出特性が安定する。また、制御基板84にはドライバIC80からの輻射熱がほとんど到達しなくなって、制御基板84上に実装されたコンデンサ83などの電子部品が過度に温度上昇することによってこれら電子部品に故障や特性変化などの障害が生じることがなくなる。
さらに、本実施の形態では、ドライバIC80を基材272の下面に実装したことにより、基材272のドライバIC80が実装された部分の周囲も、仮想線分91,92と交差することになり、輻射熱の遮蔽に貢献する。したがって、バッファタンク48及び制御基板84に到達する熱量がさらに減少し、上述した利益がさらに増強される。
続いて、本発明の第3実施形態によるインクジェットヘッドユニット308について以下に説明する。図9は、本発明の第3実施形態によるインクジェットヘッド308内における配線部材370の設置経路を示す模式図である。なお、上述した第1実施形態のヘッドユニット8と同様なものについては、同符号を示し説明を省略する。本実施形態のヘッドユニット308には、図9に示すように、上述の配線部材70とほぼ同様な構成の配線部材370が設けられているが、ヘッドユニット308の内部にヒートシンク60が設けられていないため、配線部材370の設置経路が上述の配線部材70と若干異なっている。つまり、配線部材370のFPC371は、圧電アクチュエータ21の上面から水平方向に引き出され、流路ユニット27の左端近傍で垂直上方に向けて屈曲し、バッファタンク48の側壁48aと平行に延出される。そして、FPC371のFFC376と接合される端部が側壁48aと対向する位置に配置されている。
配線部材370のFFC376は、FPC371と接合される一端部から垂直上方に引き出され、バッファタンク48の上端近傍で垂直下方に屈曲してドライバIC80とバッファタンク48との間に向かう。そして、この垂直下方に延出される延出部分(平行延在領域、第1平行延在領域)381aは、ドライバIC80とバッファタンク48との間においてこれらを遮断するように位置する。そして、FFC376は、屈曲部分381bにより折り返すように屈曲され、垂直上方に延出する。この垂直上方に延出される延出部分(平行延在領域、第1平行延在領域)381cは、延出部分381aと平行に配され、延出部分381aと同様にドライバIC80とバッファタンク48との間においてこれらを遮断するように位置する。
そして、延出部分381cはバッファタンク48から離れる方向に屈曲され、水平方向に延出される。この水平方向に延出される延出部分(平行延在領域、第2平行延在領域)382aは、制御基板84の左端近傍で屈曲部分382bにより折り返すように屈曲される。この延出部分382aはドライバIC80と制御基板84との間においてこれらを遮断するように延在する。そして、屈曲部分382bから折り返された延出部分(平行延在領域、第2平行延在領域)382cは、制御基板84の左端から右端に至るまで水平方向に延出され、制御基板84の右端からその上方側に回り込むように屈曲して、制御基板84の上面に設けられたコネクタ85と接続される。
FFC376の一対の延出部分381a,381cは、屈曲部分381bを挟んで平行に延在しており、それらの下端がドライバIC80の主表面80aの下端と対向する位置に存在し、上端がバッファタンク48の上端近傍位置に存在している。本実施の形態においても、バッファタンク48がFFC376の基材377によってドライバIC80が発生する輻射熱からどの程度遮蔽されるかを説明するために、図9に示すように、ドライバIC80とバッファタンク48とを結ぶ多数の仮想線分391を描画する。ここで、仮想線分391の一方の端点は、ドライバIC80の表面上の任意位置とし、仮想線分391の他方の端点は、バッファタンク48の表面上の任意位置とする。すると、描画可能なすべての仮想線分391は、図9においてドライバIC80の右下角とバッファタンク48の右下角とを結ぶ仮想線分391aと、図9においてドライバIC80の左上角とバッファタンク48の左上角とを結ぶ仮想線分391bとに挟まれた範囲内に存在することになる。そして、描画可能なすべての仮想線分391が、一対の延出部分381a,381cと交差している。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。さらに、延出部分381a,381cがドライバIC80の主表面80aと対向する位置に配置されているので、ドライバIC80の主表面80aがバッファタンク48側に向いてバッファタンク48に対するドライバIC80による空気の対流及び輻射熱の影響が大きくなってもバッファタンク48に熱が伝わるのを抑制することができる。
FFC376の一対の延出部分382a,382cは、制御基板84の左端と対向する位置から、延出部分381a,381cの上端付近の位置までの範囲で重なり合っている。
ここでも、制御基板84がFFC376の基材377によってドライバIC80が発生する輻射熱からどの程度遮蔽されるかを説明するために、図9に示すように、ドライバIC80と制御基板84とを結ぶ多数の仮想線分392を描画する。ここで、仮想線分392の一方の端点は、ドライバIC80の表面上の任意位置とし、仮想線分392の他方の端点は、制御基板84の表面上の任意位置とする。すると、描画可能なすべての仮想線分392は、図9においてドライバIC80の右下角と制御基板84の右下角とを結ぶ仮想線分392aと、図9においてドライバIC80の左下角と制御基板84の左下角とを結ぶ仮想線分392bとに挟まれた範囲内に存在することになる。そして、描画可能なすべての仮想線分392が、一対の延出部分381a,381c及び一対の延出部分382a,382cと交差している。したがって、第1実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、図9に示すように、ドライバIC80´が2点鎖線で示された位置(基材372を挟んで対称な位置)に配置された場合でも、同様の熱遮断効果を得ることができるので、ドライバICの設置位置に自由度がある。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した各実施形態においては、配線部材70,270,370がFPC及びFFCの2つのケーブルを含んでいるが、1つのケーブル、すなわちFPCだけであってもよい。この場合は、FPCの基材を屈曲させて延出部分(第1平行延在領域)及び/又は延出部分(第2平行延在領域)を形成すればよい。また、第1実施形態では、すべての仮想線分91が一対の延出部分81a,81cと交差しているが、一部の仮想線分91だけが一対の延出部分81a,81cと交差し、残りの仮想線分91が一対の延出部分81a,81cと交差しないような形態であってもよい。また、上述した各実施形態において、仮想線分が3回以上基材と交差してもよい。また、各実施形態においては、配線部材70,270,370が延出部分81a,81c,381a,381c及び延出部分82a,82c,382a,382cの両方を形成しているが、いずれか一方を形成すればよい。また、配線部材に第1及び第2平行延在領域を形成せずに、単に基材を屈曲させて仮想線分91,92のいずれかの一部と複数回交差させればよい。