JP4129894B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に、インクを噴出するノズルを備えたヘッドの過熱を引き起こさないインクジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のインクジェットプリンタには、発熱素子により加熱されたインク自体の蒸気圧によりインクを加圧して、ノズルから噴出する液滴を形成するサーマル方式と、圧電体素子の変形によりインクを加圧して液滴を形成するピエゾ方式との2方式のいずれかを採用することが多い。いずれの方式によっても、ノズルを並べたヘッドが過熱することがある。ヘッドが過熱するとインクも過熱されて、インクの粘度が低下する結果、ノズル孔からノズル内に巻き込まれた空気が気泡となってノズル内に滞留する。ノズル内に気泡が滞留すると、インクを加圧しても気泡が圧縮されるだけで、インクの噴出が不能となる事態に陥る。ヘッドを加熱する大きな要因は2つある。その一つは、インクを噴出すべき発熱素子または圧電体素子を選択して、該素子に駆動信号を選択的に供給する駆動用ICの発熱である。もう一つは、ヘッド自身における発熱であって、サーマル方式では発熱素子の発熱であり、ピエゾ方式では圧電体素子の変形時のエネルギーロスによる発熱であり、いずれの方式でも配線抵抗による発熱がある。通常は、駆動用ICの方がヘッドよりも発熱量が多く、熱が信号線等を伝わって駆動用ICからヘッドに伝わって、ヘッドを加熱する。この駆動用ICから伝わる熱に対して、冷却がうまく行われないとヘッドが過熱することがある。
【0003】
インクの噴出が不能にならぬように、ヘッドの過熱を防止する技術として、次の技術が知られている。
【0004】
発熱素子を用いたサーマル方式では、発熱素子は薄膜としてシリコンウェハに形成することができる。従って発熱素子と駆動用ICとを一体化した一つのICで構成して、このICにアルミ製の放熱板を接触して取り付けて空冷する例がある。
【0005】
圧電体素子を用いたピエゾ方式では、圧電体素子及びノズルを備えたインク噴出機構部と駆動用ICとを個別に製造する。従ってインク噴出機構部と駆動用ICとの間をフレキシブル基板で接続して、駆動用ICからインク噴出機構部に伝わる熱を遮断する例がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
プリンタの印字速度の向上はとどまるところを知らず、駆動用ICの駆動周波数は増大の一途をたどっている。この結果、駆動用ICからの発熱が増大し、問題となる。ヘッドからの発熱もこのような印字速度の向上と供に増大しており、問題である。
【0007】
印字速度は周波数を上げる事の他に、インクを噴出するノズルの数を増やすことによっても上げることができる。ノズルの数を増加する場合にも、駆動用ICやヘッドからの発熱は増大するし、ノズルの数の増加に対応して、駆動用ICの集積度をあげると、さらに放熱が難しくなるから、過熱しやすくなる。
【0008】
また、昨今、インクジェットプリンタには高画質の出力が望まれている。この要望に応えるのに有効な技術として、インク滴を小さくして、精緻な画像を再現し、高画質のプリントを得ることが研究されている。ノズルを通過するインクはノズルから熱を奪うので、本来はインクの噴出は冷却効果を有しているが、インク滴が小さいと、インクの噴射によってノズルから奪い取られる熱量は少なくなる。従って、インク滴を小さくすると冷却効果が上がらなくなって、高画質化を図ったときに、インク噴出機構部の過熱が問題になる。
【0009】
また、駆動用ICからインク噴出機構部への熱の伝導を防止するのにフレキシブル基板を用いて熱を遮断する技術は、ヘッドの過熱の防止には有効であるが、ノズル数を増やして印字速度を高速化する場合、以下に述べる理由でヘッドの製造コストが上昇するとの問題がある。第1に、フレキシブル基板はそれ自体高価であるからコストが上昇する。フレキシブル基板は、面積の増加にほぼ比例して価格が上昇するので、信号線の増加にほぼ比例してコストが上昇する。第2に、駆動用ICとヘッドの間を接続する場合は、ノズル数と等しい信号線をパラレルに設けたフレキシブル基板を用いて接続することになるが、信号線の本数を増やすほどに、フレキシブル基板を駆動用ICの備え付けられた基板や、ヘッドに取り付ける作業が困難になる。従って、駆動用ICとヘッドの間をフレキシブル基板で接続したものを量産しようとすれば、専用ロボットか、大勢の熟練工が必要となり、コストが上昇する。半田付けの接点数が多くなると作業は困難を極め、飛躍的にコストが増加する。第3に、駆動用ICの電極間のピッチとフレキシブル基板のパターンのピッチは大きく異なる。フレキシブル基板は可撓性を有するゆえに、導体の強度が必要であるから、そのピッチをICの電極間のピッチと同程度にまで小さくすることは極めて難しい。そこで、高密度から低密度へと変化するプリント基板のパターンにより、駆動用ICとフレキシブル基板を接続しようとしても、このようなパターンを作成する事は困難で、実現には大きな費用がかかる。
【0010】
また、ヘッドと駆動用ICを一体化したICを生産すると、コストが上昇する。
【0011】
このように、インクジェットプリンタでは、ノズルの過熱と、ヘッド周りの生産コストに問題があり、解決が望まれている。
【0012】
そこで本発明は、インクジェットプリンタにおいて、ノズルの過熱を防止し、ヘッド周りの生産コストを抑制することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにより解決できる。即ち、請求項1に記載のインクジェットプリンタは、インクを加圧する加圧機構部と加圧されたインクが噴出するノズルとを備えたインク噴出機構部を複数備えたヘッド部と、前記加圧機構部の駆動を制御する駆動信号をそれぞれのインク噴出機構部が備える前記加圧機構部に供給する駆動用集積回路とを備えるインクジェットプリンタにおいて、前記駆動用集積回路から前記ヘッド部へ前記駆動信号を伝えるプリントパターンを備え、前記ヘッド部と前記駆動用集積回路とが取り付けられ、前記ヘッド部と前記駆動用集積回路とを支持するプリント基板と、前記駆動用集積回路の発する熱を奪う第1の冷却機構と、前記ヘッドの発する熱を奪う第2の冷却機構と、前記プリント基板に前記駆動用集積回路から前記ヘッド部へ伝わる熱を遮断する、前記プリント基板に設けられた2つのベタのシールドパターンの間のシールドパターンを配置していない境界部とを備えることを特徴とする。
【0014】
このインクジェットプリンタは、ヘッド部と駆動用集積回路は別体で、それぞれコストが安く、しかも、ヘッド部と駆動用集積回路をプリント基板で支持し、かつ、プリントパターンで接続しているので、フレキシブル基板を用いる必要がなく、信号線の数を増加させてもコストが極端に上昇しない。また、ヘッド部と駆動用集積回路はそれぞれ第1、第2の冷却機構を備えていて、発生した熱はそれぞれの冷却機構で冷却されるうえに、プリント基板を伝わる熱は少ないから、熱がヘッド部へは伝わりにくい。従って、ノズルの過熱を防止し、ヘッド周りの生産コストを抑制することが可能となった。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図1から図4により、インクジェットプリンタを例に説明する。
【0016】
図1はインクジェットプリンタ1の主要部を示す斜視図である。
【0017】
キャリッジ2はヘッドドライバーIC16(図2参照)、ヘッド17(図2参照)、プリント基板40(図4参照)、ヒートシンク42(図4参照)、ヒートシンク43(図4参照)等を納めた樹脂性のケースである。ヘッド17はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色128個のノズルを備える。キャリッジ2に納めたヘッドドライバーIC16は、キャリッジ2から引き出されたフレキシブルケーブル5で制御基板9と接続されている。
【0018】
キャリッジ2はキャリッジ駆動機構6によって図中矢印Xで示した主走査方向に往復移動される。キャリッジ駆動機構6は、モータ6a、プーリ6b、歯付きベルト6c、ガイドレール6dを含んで構成されていて、キャリッジ2は歯付きベルト6cに固着されている。
【0019】
モータ6aによりプーリ6bが回転すると、歯付きベルト6cに固着されたキャリッジ2は図中矢印Xの方向に沿って移動させられる。ガイドレール6dは互いに平行な2本の丸棒で、かつキャリッジ2の挿通穴を貫通していてキャリッジ2が滑走するようにした。このため歯付きベルト6cはキャリッジ2の自重では撓まないし、キャリッジ2の往復移動の方向は一直線上となる。モータ6aの回転方向を逆転すればキャリッジ2が移動する向きを変更できるし、回転数を変更すればキャリッジ2の移動速度を変更することもできる。
【0020】
インクカートリッジ4は内部にインクタンクを有している。インクタンクのインク供給口はインクカートリッジ4をキャリッジ2にセットしてインク供給パイプと接続されると開口し、接続が解除されると閉鎖され、ヘッド17にインクが供給される。キャリッジ2にはインクカートリッジ4の取り付け部が設けてあり、噴射用のY、M、C、Kの各色のインクを納めたインクカートリッジを着脱できるようになっている。インクカートリッジ4は、4色のうちK(黒)のインクタンクだけを別のカートリッジ4Kに納め、他の3色のインクタンクは一つのカートリッジ4Cに納めた。
【0021】
フレキシブルケーブル5は、可撓性を有する樹脂製のフィルムに、データ信号線、電源線等を含む配線パターンをプリントしたもので、キャリッジ2と制御基板9との間で画像データ、制御信号などを転送し、キャリッジ2の移動に追従する。なお、制御基板9からの画像データはシリアル転送されるので、フレキシブルケーブル5の接点数は少ない。
【0022】
エンコーダ7は透明な樹脂フィルムに所定の間隔で目盛りをつけたもので、この目盛りをキャリッジ2に設けた光センサにより検出して、キャリッジ2の移動速度を検知する。
【0023】
紙搬送機構8は図中矢印Yで示した副走査方向に記録紙Pを搬送させる機構で、搬送モータ8a、搬送ローラー対8b、8cを含んで構成される。搬送ローラー対8bと搬送ローラー対8cは搬送モータ8aにより駆動される。記録紙Pは給紙機構(図示せず)から送り出されてから一定速度で回転させられている搬送ローラー対8bに挟持され、給紙ガイド(図示せず)によって副走査方向に搬送の向きを修正させられたうえで搬送ローラー対8cに挟持されて搬送される。
【0024】
このようにして記録紙Pを副走査方向に一定速度で移動させつつ、キャリッジ2を主走査方向に一定速度で移動させ、ヘッド17から噴出したインクを付着させて記録紙Pの片面の所定範囲に画像を記録する。
【0025】
図2はインクジェットプリンタ1の回路ブロック図である。
【0026】
制御基板9はインクジェットプリンタ1全体の制御を行うCPU11が実装され、先に説明したとおりフレキシブルケーブル5によってキャリッジ2のヘッドドライバーIC16と接続されている。
【0027】
ページメモリ12は、インクジェットプリンタ1自体を周辺機器として利用するパーソナルコンピュータ等から受け取った画像データを記憶する。ページメモリ12の記憶容量は、パーソナルコンピュータ等の扱う階調画像データのビット数、ドット数、信号の転送速度、CPUの処理速度等によって決めればよい。
【0028】
インクジェットプリンタ1は、インターフェースとして、パラレルインターフェースのSCSI(14a)とIEEE1284(14b)を備える。
【0029】
ラインメモリ13a、bは、記録紙Pに記録する際に主走査方向に一列に並べて記録される各画素の画像データを記憶する。ページメモリ12からのデータ信号線は16ビットで、各ラインメモリ13に8ビットずつ分岐している。ラインメモリ13a、bの画像データはフレキシブルケーブル5を介してヘッドドライバーIC16にシリアル転送される。
【0030】
ヘッドドライバーIC16a〜dは、各色毎に1個設けられている。各色のヘッド17Y、M、C、Kは、それぞれが128個のノズルを持ち、各ヘッドを構成するノズルは複数のラインを同時に記録できるように副走査方向に並べて配置されている。
【0031】
イエローの画像データはラインメモリ13aからヘッドドライバーIC16aへ転送される。そしてヘッドドライバーIC16aに転送された、128個のイエローの画像データは並列的に処理されて、ヘッド17Yによる記録が実行される。以下同様にマゼンタの画像データはラインメモリ13aからヘッドドライバーIC16bへ転送されヘッド17Mで記録が実行される。シアンはラインメモリ13bからヘッドドライバーIC16cに転送されてヘッド17Cによる記録が実行され、ブラックはラインメモリ13bからヘッドドライバーIC16dに転送されてヘッド17Kによる記録が実行される。
【0032】
シリアルROM20は、温度条件に応じた波形をディジタルデータとして記憶させてある。このシリアルROM20は、EPRROM等を用いて構成できる。
【0033】
CPU11は、サーミスタ19で検出した温度条件に最適の波形データをシリアルROM20から読み出して駆動波形発生回路15へ送る。駆動波形発生回路15では、最適の波形データをD/A変換によりアナログの波形に復調、増幅して駆動信号を得て、ヘッドドライバーIC16へ出力する。
【0034】
ANDゲート22は、エンコーダ7の検出した情報を基にキャリッジ2が一往復移動を開始して往路上で所定の位置に達した時点で、インク噴射を開始させるためのTRGIN信号を、制御回路23を経てヘッドドライバーIC16に出力する。ヘッドドライバーIC16はこのTRGIN信号を受けてヘッド17の各ノズルに駆動信号を送出する。
【0035】
ヘッドドライバーIC16は128ビットのデータ信号線によってヘッド17の各ノズルに設けられたピエゾ素子に駆動信号を送出する。この駆動信号を受けてピエゾ素子が変形してインクを加圧して、ヘッド内のインクが噴射される。
【0036】
次に図3のヘッドドライバーICのブロック図によって説明する。本実施の形態のヘッドドライバーIC16は、シフトレジスタ31、ラッチ32、スイッチング素子33を含んで構成される。インクジェットプリンタ1はヘッドあたりのノズル数が128ノズルであり、ヘッドドライバーIC16は128ノズルのヘッド17を駆動するように構成してある。
【0037】
ラインメモリ13からは、画像データが画素単位でシリアルにヘッドドライバーIC16へ転送されてくる。図3では、第一番目の画素データから、順にDAT0、DAT1、DAT2、・・・DAT127を示した。
【0038】
シフトレジスタ31はヘッド17での1回の噴射に相当する数の画素の画像データを記憶できる容量を持っていて、画像データをいったん蓄積する。本実施の形態では副走査方向に並んだ128画素分の画像データを記憶する。キャリッジ2が記録に適した位置に達すると、制御回路23(図2参照)はLOAD信号を出力し、ラッチ32はこのLOAD信号を受けるとシフトレジスタ31から並列に出力された画像データをラッチする。LOAD信号は前述のTRGIN信号と同期している。LOAD信号は、キャリッジ2が主走査方向(図1のX方向)に一画素分移動する毎に出力される。
【0039】
スイッチング素子33はピエゾの駆動に必要な電圧の駆動信号を出力する。駆動信号はラッチ32にラッチされた画像データに応じて状態遷移する。本実施の形態で、スイッチング素子33はトランジスタであり、一つのノズルに対して一つのトランジスタが対応するように、ヘッドドライバーIC16に集積されている。スイッチング素子33の出力は、ヘッド17の対応した各ノズルのピエゾ素子PZT0〜127に接続されている。ピエゾ素子PZT0〜127は、スイッチング素子33から駆動信号を与えられると変形して、インクを加圧し、この圧によりインクがノズルから噴出される。駆動信号が与えられないノズルからはインクの噴出は行われない。
【0040】
次に図4のヘッド部のプリント基板の上面図(図4(A))、正面図(図4(B))、下面図(図4(C))により説明する。
【0041】
図4(A)、(B)、(C)で、プリント基板40はガラス繊維をエポキシ樹脂で硬化させたFR−4グレード(ANSI規格で定義されている。)のものを採用した。プリント基板40には、ヘッドドライバーIC16とヘッド17とを実装してあり、ヘッドドライバーIC16とヘッド17とを支持している。なお、ヘッドドライバーIC16はベアチップ実装してある。ヘッド17は128個の噴出機構18n(nは0〜127)を備え、各噴出機構18nのピエゾ素子PZTn(nは0〜127、図3参照)には各々電極(不図示)が備えられる。
【0042】
ヘッドドライバーIC16は128個のスイッチング素子33(不図示)を備え、スイッチング素子33は、それぞれ電極(不図示)を一つずつ備える。電極はそれぞれICに形成されたアルミ配線パターンの一部である。
【0043】
ヘッドドライバーIC16の電極とパターン46とはワイヤー44n(nは0〜127)でボンディングされ、封止樹脂44aにより絶縁封止されている。一方、ヘッド17の電極とパターン46とはワイヤー45n(nは0〜127)でボンディングされ、封止樹脂45aにより絶縁封止されている。パターン46は、プリント基板40に高密度形成された配線パターンである。この接続により、ヘッドドライバーIC16に集積されている個々のスイッチング素子33(図3参照)が、個々のノズルNOZn(nは0〜127)に一対一で対応している。図4(A)には、3組の噴出機構18nを例示したが、図示していない他の噴出機構も同様の構成である。
【0044】
図4(B)で、プリント基板40には、ヘッドドライバーIC16に接する多数のサーマルバイアホール41を設けてある。それぞれのサーマルバイアホール41は、プリント基板40の基材(ガラスエポキシ樹脂製)を貫通した孔にメッキを施したものであり、ガラスエポキシ樹脂と比較すると熱伝導度が大きい。サーマルバイアホール41のメッキはヘッドドライバーIC16のシリコン部分に直接接触している。
【0045】
プリント基板40の、ヘッドドライバーIC16を取り付けた面の裏面には、金属製のヒートシンク42が取り付けてある。ヒートシンク42はサーマルバイアホール41のメッキと接触している。つまり、ヘッドドライバーIC16とヒートシンク42とは、ともにサーマルバイアホール41のメッキに接している。サーマルバイアホール41のメッキは金属である故に、プリント基板40の基材(ガラスエポキシ樹脂製)よりも熱伝導度が大きい。従ってヘッドドライバーIC16で発生した熱は効率よくヒートシンク42に伝わり、空冷によりヘッドドライバーIC16が冷却される。一方、ヘッドドライバーIC16で発した熱は、プリント基板40の基材にも伝わるが、その熱量は、ヒートシンク42から放熱される熱量と比較すると遙かに小さい。
【0046】
ヘッド17は、プリント基板40から図中左の方向にはみ出して取り付けられている。ヘッド17の、このはみ出した部位に金属製のヒートシンク43が取り付けてある。そして、空冷によりヘッド17が冷却される。
【0047】
ヘッドドライバーIC16とヘッド17との間を接続するパターン46、及びプリント基板40の基材は熱を伝えるものであるが、ヘッドドライバーIC16の熱はヒートシンク42から効率よく放熱されるので、ヘッドドライバーIC16からヘッド17へ伝わる熱が少ない。そのうえ、ヘッド17は安定動作する温度範囲にヒートシンク43で冷却されており、多少の熱がヘッド17に伝わったとしても、パターン46から伝わった熱も、ヒートシンク43により問題なく放熱される。
【0048】
また、プリント基板40の樹脂部分は、サーマルバイアホール41のメッキ部分ほどには熱が伝わらない。従って、ヘッドドライバーIC16とヘッド17は熱が伝わらないように分離されているといえる。従って、ヘッドドライバーIC16の動作周波数が高くなったり、ノズルの数が増加したりして、発熱量が多くなっても、ヘッド17の過熱を抑える事ができる。
【0049】
図4(C)で、シールドパターン48とシールドパターン49は、ノイズ対策として設けたいわゆるベタパターンである。境界部50は、シールドパターン48とシールドパターン49の間の境界部で、パターンを配置していない領域である。もし仮に、プリント基板40の裏面に、シールドで有るか否かに関わらずヘッドドライバーIC16からヘッド17に達するパターンを構成すると、熱がヘッドドライバーIC16からヘッド17へと伝わりやすいが、インクジェットプリンタ1では、ヘッド17へ伝わる熱を、境界部50を設けて遮断している。
【0050】
インクジェットプリンタ1では、同一のプリント基板40にヘッドドライバーIC16とヘッド17を実装し、ワイヤー44、45、パターン46により駆動信号を導通させる。従って、フレキシブル基板のように高価な材料は用いないし、パターン46はベアチップの電極間のピッチに対応するような精密なパターンを、ヘッド17の備える噴出機構18nの数(本実施例では128個)に合わせて作成でき、ワイヤー44とパターン46の位置合わせと半田付け、ワイヤー45とパターン46の位置合わせと半田付けに必要な作業を簡単なものにすることができる。
【0051】
しかも、フレキシブル基板をヘッドドライバーIC16とヘッド17の接続に使わないことで、パターン46のしめる面積も小さくできるから、ヘッドをコンパクトにすることができる。
【0052】
インクジェットプリンタ1は、ヘッドドライバーIC16は色毎にそれぞれ備えられ、合計4個を用いる例で説明したが、4つに限らず、一つのIC、またはそれ以上の数のICに集積してもよい。また、おのおのヘッド17をそれぞれ複数のヘッドドライバーIC16で駆動しても良い。
【0053】
インクジェットプリンタ1はカラーインクジェットプリンタの例で説明したが、モノクロのインクジェットプリンタに本発明を用いてもよい。
【0054】
プリント基板40として、FR−4グレードの物を用いる例を説明したが、可撓性が無くリジッドなプリント基板で有れば、CEM−3(ANSI規格で定義されている。)等、いずれのグレードのものを用いてもよい。リジッドなプリント基板であれば、フレキシブル基板とは異なり、プリントパターンによりヘッドドライバーIC16とヘッド17とを接続できるから、ヘッド周りの生産コストを抑制することができる。また、樹脂としては、エポキシ樹脂の例で説明したが、ポリイミド、テフロンなどによるプリント基板40を用いてもよい。樹脂は一般に、金属ほどは熱を伝えないので、ヘッド17の過熱を防止することができる。
【0055】
また、冷却機構の例として、ヒートシンク42とヒートシンク43で放熱を行う放熱機構の例を説明したが、ファンで放熱を行う放熱機構でもよいし、ぺルチェ素子でいったん吸熱し、しかる後に放熱を行う冷却機構であってもよい。
【0056】
また、プリント基板40にサーマルバイアホール41を設けてヒートシンク42による放熱を効果的にする例を説明したが、プリント基板40の厚みを薄くしても、ヒートシンク42からの放熱を効果的に行うことができる。
【0057】
また、ピエゾ素子の駆動電圧を高めることでヘッド17から噴射された液滴の速度を高めることができる。これを利用して、各噴射の印加電圧を液滴毎に徐々に高めれば、順次噴射されたインク滴が記録紙P上で重なりあうような、近い位置に付着する。これにより、面積階調ではなく、画素毎に階調記録をすることができる。この場合、よりヘッドドライバーICの駆動周波数が上昇して発熱量が増大し、ヘッドからの発熱量が増大することが予想される。本発明は、このようなインクジェットプリンタに用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンタにより、ヘッド周りの生産コストを抑制しながらも、ノズルの過熱を防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの主要部を示す斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタ1の回路ブロック図である。
【図3】ヘッドドライバーICのブロック図である。
【図4】ヘッド部のプリント基板の上面図と正面図と下面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
16 ヘッドドライバーIC
17 ヘッド
31 シフトレジスタ
32 ラッチ
33 スイッチング素子
40 プリント基板
41 サーマルバイアホール
42 ヒートシンク
43 ヒートシンク
44 ワイヤー
45 ワイヤー
44a 封止樹脂
45a 封止樹脂
46 パターン
NOZ ノズル

Claims (5)

  1. インクを加圧する加圧機構部と加圧されたインクが噴出するノズルとを備えたインク噴出機構部を複数備えたヘッド部と、
    前記加圧機構部の駆動を制御する駆動信号をそれぞれのインク噴出機構部が備える前記加圧機構部に供給する駆動用集積回路とを備えるインクジェットプリンタにおいて、
    前記駆動用集積回路から前記ヘッド部へ前記駆動信号を伝えるプリントパターンを備え、前記ヘッド部と前記駆動用集積回路とが取り付けられ、前記ヘッド部と前記駆動用集積回路とを支持するプリント基板と、
    前記駆動用集積回路の発する熱を奪う第1の冷却機構と、前記ヘッドの発する熱を奪う第2の冷却機構と、前記プリント基板に前記駆動用集積回路から前記ヘッド部へ伝わる熱を遮断する、前記プリント基板に設けられた2つのベタのシールドパターンの間のシールドパターンを配置していない境界部とを備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記駆動用集積回路は、個々の前記インク噴出機構部に対応して前記駆動信号を供給するスイッチング素子と、前記インク噴出機構部の並び順に対応して画素毎にシリアルに転送される画像データを蓄積し、前記蓄積した前記画像データをそれぞれの前記スイッチング素子に対してパラレルに転送するデータ蓄積部とを備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記プリント基板に設けたサーマルバイアホールに、前記第1の冷却機構と前記駆動用集積回路とを接触させたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記加圧機構部は前記駆動信号の状態遷移に応じて変形する圧電体を備え、前記圧電体の前記変形により前記加圧を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. シート状記録材を搬送する搬送機構と、
    前記プリント基板を取り付けたキャリッジとを備え、
    搬送される前記シート状記録材に対して前記キャリッジを相対的に移動しつつインクを噴出して、前記シート状記録材にインクを付着させて画像を形成することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のインクジェットプリンタ。
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