JP4774159B2 - アナログ−デジタル変換用積分及び折返し回路 - Google Patents

アナログ−デジタル変換用積分及び折返し回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ−デジタル変換回路で使われる積分及び折返し(fold)回路に関し、特に、デジタルX線やコンピュータ断層撮影(CT)システムのアナログ入力信号をデジタル出力ビットに変換する積分及び折返し回路に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来のアナログ−デジタル変換回路は、通常、出力端子と反転端子との間に積分コンデンサが接続された演算増幅器を備える複数の電荷−電圧変換器を含んでいる。演算増幅器が特徴的な能動領域で動作する場合は、演算増幅器の出力電圧(Vout )と入力電荷(Qin)には線形関係がある。演算増幅器の出力電圧(Vout )と入力電荷(Qin)の線形関係は、以下で表される。
【0003】
in=Cint・Vout
ここで、Qinは単位がクーロンの入力電荷であり、Cint は単位がファラッドの積分コンデンサの容量であり、Vout は単位がボルトの演算増幅器の出力電圧である。演算増幅器が飽和して、入力電荷(Qin)と出力電圧(Vout )との非線形の関係の表示を開始する前に、演算増幅器は有限量の電荷を保持できることに特徴がある。
【0004】
アナログ−デジタル変換回路では、アナログ入力信号を正確に分析してデジタル出力ビットを生成するために、演算増幅器の線型動作が必要となる。しかしながら、広範囲の入力電荷(Qin)に対応するために、従来のアナログ−デジタル変換回路は、複数の集積コンデンサを備えるコンデンサバンクを含む。動作中は、増幅器が飽和せずに、入力電荷(Qin)と出力電圧(Vout )の線形関係を維持するように、入力電荷(Qin)のレベルに基づいて複数の集積コンデンサの中から1つが選ばれる。
【0005】
多くのアプリケーションでは、アナログ−デジタル変換回路を回路ダイに集積することが望まれる。しかしながら、複数の積分コンデンサのバンクには、ダイ領域のうちの広い領域が必要とされる。そのため、複数の積分コンデンサを含む集積回路はダイ上の広い領域を占有するので、各アナログ−デジタル変換回路のコストが増大する。アナログ入力信号を分析してデジタル出力ビットを生成するときに、アナログ−デジタル変換回路の電荷−電圧変換器が演算増幅器の活性領域で動作することが望まれる。さらに、アナログ−デジタル変換回路を回路ダイ上に集積させるときに領域をほとんど占有しないように、小コンデンサを電荷−電圧変換器で使うことが望ましい。
【0006】
別のアプリケーションでは、回路の電力消費が減るように可能な限り低電源電圧のアナログ−デジタル変換回路が必要とされる。また、電源電圧の低いこれらのシステムは、演算増幅器への入力電荷量(Qin)は少ない。従って、大きな出力電圧(Vout )範囲を維持するために、大きな積分コンデンサ(Cint )が必要となる。上述のように、大きな積分コンデンサを回路ダイに集積すると、広いダイ領域が占有される。そのため、アナログ−デジタル変換回路のコストが上がる。従って、集積回路にとって必要なものは小さなダイ領域であり、また、小コンデンサで比較的大きな出力電圧(Vout )範囲を維持するような、小コンデンサを備えるアナログ−デジタル変換回路であることが望ましい。
【0007】
既存のアナログ−デジタル変換回路では、入力電荷(Qin)を固定すると、出力電圧(Vout )は電源電圧のダイナミックレンジの半分に制限される。例えば、既存の回路では、入力電荷(Qin)の電流の流れる方向が固定されると、出力電圧(Vout )はアナログ接地レベルから正の電源電圧まで増大する。従って、電源電圧範囲(ゼロから正の電源電圧まで)の正の半分が利用され、負の半分(ゼロから負の電源電圧)は使用されない。電源電圧の全ダイナミックレンジを利用する既存のアナログ−デジタル変換回路ではレベルシフト回路が必要となる。また、このレベルシフト回路は高価な集積回路のダイ空間を占有するので、アナログ−デジタル変換に遅延が発生することがある。従って、レベルシフト回路を使うことなく、アナログ−デジタル変換回路は電源電圧の全ダイナミックレンジを利用することが望ましい。
【0008】
【発明の概要】
本発明の模範的な実施形態では、アナログ入力信号を複数の二進出力ビットに変換するアナログ−デジタル変換回路が提供される。アナログ−デジタル変換回路は反転端子と出力端子を備える演算増幅器を含み、アナログ入力信号は反転端子に供給される。積分コンデンサは演算増幅器の出力部と反転端子との間に接続される。積分コンデンサは、入力信号の積分値に比例する電荷量を蓄積する。電荷減算回路は演算増幅器の出力部と反転端子との間に選択的に接続される。演算増幅器の出力電荷量が実質的に第2の所定の電荷量に等しいときに、電荷減算回路は第1の所定の電荷を積分コンデンサから除去する。第1の所定の電荷は積分コンデンサから複数回除去される。第1の所定の電荷量を複数回除去することによって、積分コンデンサによって蓄積可能な最大電荷量よりアナログ入力信号の積分値を大きくすることができる。
【0009】
デジタル論理回路は電荷減算回路に接続される。デジタル論理回路は電荷減算回路によって第1の所定の電荷量が積分コンデンサから除去される回数を追跡し、デジタル論理回路は、複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1ビットを供給する。残余量子化回路は積分コンデンサと演算増幅器の出力に接続される。残余量子化回路は積分コンデンサの残余電荷を決定し、残余電荷に対応する複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1つの追加ビットを供給する。第1の所定の電荷が積分コンデンサから複数回除去された後の残余電荷は、実質的に積分コンデンサに蓄積された電荷量に等しい。第1の所定の電荷が積分コンデンサから除去された回数が所定の数より少ないときに、低域通過フィルタ回路は演算増幅器の出力に選択的に接続される。
【0010】
別の実施形態では、残余量子化回路は複数の積分及び折返し回路を含む。積分及び折返し回路の各々は、パイプライン直列構造で接続されており、積分及び折返し用残余電荷を受け取る先行の積分及び折返し回路の出力部に接続されたサンプル及び保持回路を含む。複数の積分及び折返し回路のうちの第1の回路は積分コンデンサと演算増幅器の出力部に接続され、積分コンデンサの残余電荷を受け取る。積分及び折返し用演算増幅器は反転端子と出力端子を備え、サンプル及び保持回路は積分及び折返し用演算増幅器の反転端子に接続される。積分及び折返し用積分コンデンサは反転端子と積分及び折返し用演算増幅器の出力部との間に接続される。積分及び折返し用積分コンデンサは、先行する積分及び折返し回路からの積分及び折返し用残余電荷の積分値に比例する積分及び折返し用電荷レベルを蓄積する。積分及び折返し用電荷減算回路は反転端子と積分及び折返し用演算増幅器の出力部に選択的に接続される。積分及び折返し用演算増幅器の出力電荷量が実質的に第2の積分及び折返し用の所定の電荷に等しいときに、積分及び折返し用電荷減算回路は第1の積分及び折返し用の所定の電荷を積分及び折返し用積分コンデンサから除去する。第1の積分及び折返し用の所定の電荷が前記積分及び折返し用積分コンデンサから複数回除去される。積分及び折返し用デジタル論理回路は積分及び折返し用電荷減算回路に接続され、積分及び折返し用電荷減算回路によって、第1の積分及び折返しの所定の電荷が積分及び折返し用積分コンデンサから除去される回数を追跡する。積分及び折返し用デジタル論理回路は、複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1つの追加ビットを供給する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示されているように、アナログ−デジタル変換(ADC)回路10の一つの模範的実施形態は、アナログ入力信号を複数の二進出力ビットに変換する。アナログ−デジタル変換回路10は、入力信号回路20に接続された積分用演算増幅器回路40、折返し回路30、サンプル及び保持回路50、デジタル論理回路60を備える。積分用演算増幅器回路40、折返し回路30、デジタル論理回路60は、積分及び折返し回路80を備える。また、一実施形態の折返し回路30は、電荷減算回路とも呼ばれ、積分用演算増幅器回路40は電荷−電圧変換器とも呼ばれる。アナログ入力信号は、入力信号回路10からのアナログ入力信号の積分値に比例する電荷量を蓄える積分用演算増幅器回路40に供給される。デジタル論理回路60は、積分用演算増幅器回路40の電荷量が第1の所定の電荷レベル300(図3)に達する時点を決定する。第1の所定の電荷レベル300(図3)に達すると、デジタル論理回路60は、折返し回路30に指示を出して、第2の所定の電荷レベル310(図3)を積分用演算増幅器回路40から除去させる。デジタル論理回路60は、第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分用演算増幅器回路40から除去される回数を追跡する。所定時間後、デジタル論理回路60は、第2の所定の電荷量が積分用演算増幅器回路40から除去された回数から少なくとも1ビットを決定する。積分用演算増幅器回路40の残余電荷レベルは、サンプル及び保持回路50に供給される。残余電荷レベルからさらに、少なくとも1ビットが決定される。デジタル論理回路60によって分析されたビットと、残余電荷から分析された追加ビットは、複数の二進出力ビットを備える。使用した電荷と電荷レベルという用語は同じ意味であり、交換可能に使用されることを理解すべきである。
【0012】
積分及び折返し回路80は、積分用演算増幅器回路40を飽和させないように動作するので、非線形特性を示す。蓄積された電荷によって演算増幅器46が飽和する前に、第2の所定の電荷レベル310(図3)を積分コンデンサ44から除去することによって、積分用演算増幅器回路40の線形特性が維持される。第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ44から除去された回数が追跡され、少なくとも1つの二進出力ビットを決定するためにこれが利用される。これは、二進出力ビットのうちの追加二進出力ビットを決定するために積分コンデンサ44の残余電荷を利用しながら行われる。一実施形態の積分及び折返し回路80は、複数の二進出力ビットのうちの最下位ビットを決定するために残余電荷を使用しながら、複数の二進出力ビットのうちの最上位ビットを決定する。そのため、集積回路のダイにアナログ−デジタル変換回路10を集積させるためにダイ領域のうちの小領域だけが必要とされるように、アナログ−デジタル変換回路10は比較的小さな積分コンデンサ44を使用できる。第2の所定の電荷レベル310(図3)を積分コンデンサ44から複数回除去すると、アナログ入力信号の積分値は、積分コンデンサ44に蓄積可能な最大電荷量より大きくてもよい。さらに、演算増幅器46が飽和する前に第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ44から除去されるので、アナログ−デジタル変換回路10の出力49である電圧のダイナミックレンジを広くするためには、複数のコンデンサ(不図示)を含むコンデンサバンクや1つの大きなコンデンサ(不図示)は必要ない。
【0013】
上述され図1に示されたように、積分及び折返し回路80は、積分用演算増幅器回路40、折返し回路30、デジタル論理回路60を備える。入力回路20は演算増幅器46の反転入力端子47にアナログ入力信号を供給し、サンプル及び保持回路50は演算増幅器46の出力49に接続される。一実施形態では、図1に示されているように、入力信号回路20には、コンデンサ24、抵抗26、ノイズ制限抵抗28、アース12に接続された光ダイオード22が含まれる。好適な実施形態では、光ダイオード22はデジタルX線装置やコンピュータ断層撮影(CT)システム等の医療装置からの画像を供給する。しかしながら、いかなる信号源や装置からもアナログ入力信号を供給し、それを折返し回路80の反転端子入力47に供給することが可能であることを理解すべきである。一実施形態のアナログ入力信号は電流信号でよく、この場合、この電流信号を反転入力端子47に直接与えることができる。他の実施形態のアナログ入力信号は電圧信号であることを理解すべきである。後者の場合、電圧を電流に変換するコンダクタンス(不図示)を介して反転入力端子47に電圧信号が供給される。
【0014】
図1に示される実施形態では、積分用演算増幅器回路40の演算増幅器46の反転入力端子47を介して積分及び折返し回路80にアナログ入力信号を供給する。演算増幅器46の非反転端子48はアース12に接続されている。好適な実施形態では、アース12は接地ポテンシャルをもつ。積分コンデンサ44は反転入力端子47と演算増幅器46の出力49との間に接続されている。また、リセットスイッチ42は反転入力端子47と出力49との間に接続されている。デジタル論理回路60は、比較器62の非反転入力端子64を介して演算増幅器46の出力49に接続されている。比較器62の反転入力端子63は電圧源65に接続されている。一実施形態の電圧源65は、フルスケール(FS)電圧の1/4の電圧、例えば、フルスケール(FS)電圧が4ボルトの場合は1ボルトを出力する。比較器62の出力部61は同期化及びデジタル論理回路66に接続されている。シフトレジスタ68は同期化及びデジタル論理回路66と出力スイッチ67との間に接続されている。
【0015】
デジタル論理回路60は、電流ミラースイッチ38を介して折返し回路30に減算電流36を供給する。折返し回路30は電流ミラースイッチ38と基準電流34に接続された電流ミラー32を備える。電流ミラースイッチ38が開くと、減算電流36と電流ミラー32はアース12に接続される。電流ミラースイッチ38が閉じると、減算電流36と電流ミラー32は演算増幅器46の反転端子47に接続される。一実施形態の基準電流34は減算電流36に比例し、これを、例えば、同期化及びデジタル論理回路66等の制御システムを介して、もしくは、手動で設定することができる。
【0016】
演算増幅器46の出力もまた、抵抗52を介してサンプル及び保持回路50に接続される。第1のサンプルスイッチ72は抵抗52とコンデンサ53との間に接続される。増幅器56の反転入力端子55はコンデンサ53に接続され、スイッチ76は反転端子55と増幅器56の出力57との間に接続される。保持スイッチ74は第1のサンプルスイッチ72と出力57との間に接続される。増幅器56の非反転入力端子54はアース12に接続される。増幅器56の出力57は出力スイッチ78に接続される。
【0017】
上述したように、積分用演算増幅器回路40で第1の所定の電荷レベル300(図3)に達する時はいつでも、デジタル論理回路60と折返し回路30は積分コンデンサ44から第2の所定の電荷レベル310(図3)を減らす。別の実施形態では、積分コンデンサ44の電荷量が第1の所定の電荷量300(図3)に実質的に等しいときはいつでも、折返し回路30は第2の所定の電荷量310(図3)を積分コンデンサ44から減らす。この電荷量を減らすことによって、出力49の電圧がより低いフルスケール(FS)電圧値になり、演算増幅器46が飽和することを防止する。一実施形態では、積分用演算増幅器回路40の第1の所定の電荷レベル300(図3)が積分コンデンサ44の電荷レベルとして測定される。別の実施形態では、積分用演算増幅器回路40の第1の所定の電荷レベル300(図3)は、演算増幅器46の出力49の電圧として測定される。従って、電荷を積分コンデンサ44から除去し、次に、出力49の電圧を下げることによって、アナログ入力信号と二進出力ビットとの線形関係が維持される。デジタル論理回路60は、第2の所定の電荷レベル310(図3)を積分コンデンサ44から減らした回数を追跡し、積分コンデンサ44の残余電荷レベルは残余量子化回路450(図4)によって量子化される。第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ44から複数回除去された後での残余電荷量は、積分コンデンサ44の蓄積電荷量に実質的に等しい。
【0018】
図1に示され、また、図2のタイミング図で示される一実施形態の動作では、リセットスイッチ42を閉じることによって、積分コンデンサ44は放電する。時間210では、リセットスイッチ42が開き、アナログ入力信号の積分サイクルが開始する。一実施形態では、時間210は約15μsである。
【0019】
別の方法による好適な実施形態では、積分コンデンサ44を放電するためにリセットスイッチ42は閉じられない。何故なら、リセットスイッチ42を閉じると、アナログ−デジタル変換回路10にノイズが入るからである。その代わり、積分コンデンサ44の残余電荷レベルは積分コンデンサ44に蓄積される次の電荷に対するゼロ基準として利用される。
【0020】
図3に示されるように、入力信号回路20からのアナログ入力信号の入力に応答して、出力49の電圧312は上昇する。一実施形態では、出力49の電圧312が第1の所定の電荷レベル300に達すると、比較器62は作動する。上述したように、また、別の実施形態でも、比較器62を作動させるために積分コンデンサ44の電荷レベルを利用できることを理解すべきである。さらに、比較器62の反転入力端子63に接続された電圧源65を介して、比較器62を作動させる第1の所定の電荷レベル300を設定することができる。一実施形態では、図3に示されるように、第1の所定の電荷レベル300は、フルスケール(FS)電圧の1/4、例えば、フルスケール(FS)電圧が4ボルトの場合は1ボルトに設定される。比較器62が作動するときに、出力61はマスタークロック(不図示)と、同期化及びデジタル論理回路66に含まれるデジタルフリップフロップ(不図示)に対して同期化される。比較器62が作動したことに応答して、電流ミラースイッチ38は、図2に示されているように、M個のクロックサイクルの間、減算電流36を演算増幅器46の反転入力47に接続する。図2の実施形態では、Mクロックサイクルは350μsに対応する。
【0021】
減算電流36の極性はアナログ入力信号の極性と反対であるので、電流ミラースイッチ38を閉じることによって、電荷が積分コンデンサ44から除去される。電荷を積分コンデンサ44から除去するプロセスは折返し(folding) と呼ばれる。積分コンデンサ44から電荷が折返しされると、演算増幅器46の出力49の電圧312は、図3に示されるランプダウン(ramp down) 電圧314まで降下する。一実施形態では、基準電流34は最大アナログ入力信号より大きくなるように設計されるので、演算増幅器46の出力49の電圧312はランプダウン電圧314まで降下する。
【0022】
第2の所定量の電荷(Qquantum )310は、以下のように表される。
【0023】
quantum =M・Iref・Tclk
ここで、Mはクロックサイクル数、Iref は温度補償基準電流、Tclk はマスタークロックの周期である。一実施形態では、図3に示されるように、第2の所定量の電荷310はフルスケール(FS)電圧の1/2、例えば、フルスケール(FS)電圧が4ボルトの場合は2ボルトとなるように設計される。
【0024】
図3に示されているように、第2の所定の電荷レベル310が複数回積分コンデンサ44から除去される各々の時点の前に、積分コンデンサ44から除去される第2の所定の電荷レベル310は積分コンデンサ44の電荷量より大きくてもよい。積分コンデンサ44から除去される電荷レベルが積分コンデンサ44に蓄積された電荷量よりも大きい場合は、第2の所定の電荷レベル310が除去された後での積分コンデンサ44の残余電荷は、アナログ入力信号の極性の反対の極性をもつ。好適な実施形態によれば、出力49の電圧が1ボルトのとき比較器62は作動する。その結果、図3に示されているように、折返し回路30は、2ボルトの電荷を積分コンデンサ44から除去する。従って、積分コンデンサ44の電荷レベルは−1ボルトになる。従って、折返し回路30は電荷を十分に除去するので、積分コンデンサ44から除去された電荷量は供給電圧の全範囲(正と負)をカバーする。そのため、アナログ−デジタル変換回路10は、レベルシフト回路を使うことなく、供給電圧のダイナミックレンジ全体を使う。
【0025】
積分コンデンサ44からの第2の所定の電荷レベル310の除去は、アナログ入力信号の強さによって決まる回数分繰り替えされる。デジタル論理回路60は減算電流36を生成し、第2の所定の電荷310が積分コンデンサ44から除去された回数を追跡する。第2の所定の電荷310が積分コンデンサ44から除去された回数から、二進出力ビットが決定される。一実施形態では、積分コンデンサ44から除去された電荷量と1ビットに実質的に等しい電荷量を比較することによって、二進出力ビットを決定する。デジタル論理回路60の1出力として二進出力ビットが供給されることを理解すべきである。一実施形態では、第2の所定量の電荷310は、最上位ビットに対応する電荷レベルに実質的に等しい。本実施形態では、二進出力ビットの複数の最上位ビットの全量を分析するために、アナログ−デジタル変換回路10を使うことができる。積分サイクルの最後に、残余電荷をアナログ−デジタル変換回路等の外部残余電荷量子化回路450(図4)に供給することができる。例えば、残余電荷量子化回路450は、残余電荷レベルから、二進出力ビットのうちの複数の最下位ビットを分析する。第2の所定の電荷レベル310の各除去は実質的に同様に行われ、また、アナログ入力信号に無関係であるので、電流ミラースイッチ38の切り換えに関する電荷量は実質的に一定であり、第2の所定の電荷レベル310の一部として誘導することができる。
【0026】
さらに別の実施形態では、第2の所定の電荷レベル310は実質的に最下位の1ビットに等しい。そのため、アナログ−デジタル変換回路10は、二進出力ビットの総数を分析することができる。何故ならば、第2の所定の電荷レベル310が複数回除去された後での積分コンデンサ44の残余電荷は、ゼロか、電荷の最下位の1ビットより少ないかのいづれかであるからである。後者の場合、二進出力ビットの追加ビットを分析するためには、残余電荷量子化回路450は必要ない。
【0027】
一実施形態では、所定時間、例えば、図2で示されるように、350μsの経過毎に積分サイクル端が測定される。積分サイクルが終了すると、サンプル及び保持回路50は、積分コンデンサ44にある残余電荷レベルの量を決定する。上述されたように、第2の所定の電荷レベル310が複数回除去された後での残余電荷量は積分コンデンサ44に蓄積された電荷量に実質的に等しい。残余電荷レベルを決定する際の第1と第2のサンプルスイッチ72、76と保持スイッチ74のスイッチタイミングを図2に示す。積分コンデンサ44の残余電荷レベルをサンプリングするために、第1と第2のサンプルスイッチ72、76は閉じられ、保持スイッチ74は開かれる。電荷が安定するために必要な時間の経過後、第1と第2のサンプルスイッチ72、76を開き、保持スイッチ74を閉じることによって、積分コンデンサ44にサンプリングされた残余電荷レベルが保持される。サンプル及び保持動作が第2の所定の電荷レベル310の除去を妨げることはないように、保持動作が行われる前の一定期間除去動作は休止される。一実施形態では、図2と図3に示されているように、除去動作は、約50μsの間、休止される。この休止区間では、同期化及びデジタル論理回路66によって、比較器62を作動させる信号は働かない。一実施形態では、残余電荷レベルが残余量子化回路450(図4)に供給される。残余電荷量子化回路450は、残余電荷レベルに基づいて、二進出力ビットのうちの追加ビットを決定する。一実施形態の残余電荷量子化回路450は、例えば、デュアルスロープ型アナログ−デジタル変換器、マルチスロープ型アナログ−デジタル変換器、電荷平衡型アナログ−デジタル変換器等の既存の外部アナログ−デジタル変換器を備える。さらに別の実施形態では、アナログ−デジタル変換回路10を使って、それ自体の残余電荷を処理する。本実施形態の残余電荷量子化回路450は、アナログ−デジタル変換回路10を備える。ここで、アナログ入力信号は積分コンデンサ44の残余電荷を提供するものである。
【0028】
図4に示される別の実施形態のマルチチャネル型アナログ−デジタル変換回路400は複数のアナログ入力信号を受け取り、各アナログ入力信号を分析して複数の二進出力ビットを生成する。マルチチャネル型アナログ−デジタル変換回路400は、第1のチャネル410、第2のチャネル420、第Mのチャネル430等のM個のチャネルを含む。マルチチャネル型アナログ−デジタル変換回路400は、アプリケーション側の要求に応じてどの様な数のチャネルも含むことができる。一実施形態のマルチチャネル型アナログ−デジタル変換回路400は64チャネルを含む。
【0029】
各チャネル410、420、430は、個別に、積分及び折返し回路412、422、432とサンプル及び保持回路414、424、434をそれぞれ備える。チャネル410、420、430はそれぞれマルチプレクサ440に接続され、残余量子化回路450はマルチプレクサ440に接続される。複数のアナログ入力信号をパイプライン構造で処理するために、本実施形態のチャネル410、420、430は、積分及び折返し回路412、422、432と、サンプル及び保持回路414、424、434をそれぞれ使用する。本実施形態の積分及び折返し回路412、422、432はそれぞれ、複数の二進出力ビットの各々の最上位ビットを分析する。積分及び折返し回路412、422、432の各々の残余電荷レベルは、サンプル及び保持回路414、424、434の各々でサンプリングされる。保持動作中に、残余量子化回路450にはチャネル410、420、430の各々の残余電荷レベルがマルチプレクサ440を介して供給される。次に、残余量子化回路450は、複数の二進出力ビットの各々の最下位ビットを供給する。そのため、チャネル410、420、430の各々の積分及び折返し回路412、422、432のそれぞれで分析された最上位ビットは、残余量子化回路450によって分析された最下位ビットと結合されて、複数のアナログ入力信号の各々からの複数の二進出力ビットの各々が生成される。上述したように、残余量子化回路450は、例えば、デュアルスロープ型アナログ−デジタル変換器、マルチスロープ型アナログ−デジタル変換器、電荷平衡型アナログ−デジタル変換器等の外部アナログ−デジタル変換器を備えてもよいことを理解すべきである。
【0030】
別の実施形態では、マルチチャネル型アナログ−デジタル変換回路400からの残余電荷レベルをスイッチ78(図1)を介して出力57 (図1)に接続された別の積分及び折返し回路80(図1)に供給できる。本実施形態のさらに別な積分及び折返し回路80は、次の積分及び折返し回路 80に供給されるサンプル及び保持回路 50 (図1)の各々の出力57を備えるパイプライン構造、もしくは、カスケード構造で配列される。さらに別の実施形態では、カスケード構造は、例えば、直列にカスケードされた4つの積分及び折返し回路を備えてもよい。ここで、第1の積分及び折返し回路は最上位ビットを分析し、次の積分及び折返し回路の各々は最上位ビットや最下位ビットを含む二進出力ビットのうちの追加ビットを分析する。
【0031】
例えば、図6に示されているように、サンプル及び保持回路600は、段階1の出力620を介して、積分及び折返し回路80(図1)に接続されている。本実施形態の積分及び折返し回路80は、直列カスケード接続された複数の積分及び折返し回路と複数のサンプル及び保持回路の第1段階として接続されている。サンプル及び保持回路600は、段階1の出力620と第1サンプルスイッチ624との間に接続された抵抗622を備える。サンプル及び保持コンデンサ610は、第1サンプルスイッチ624と増幅器630の反転入力端子634との間に接続されており、非反転入力端子632はアース602に接続されている。一実施形態のサンプル及び保持コンデンサ610は、並列接続の第1コンデンサ612と第2コンデンサ614を備える。第2サンプルスイッチ636は、反転入力端子634と増幅器630の出力640との間に接続されている。
【0032】
図6に示されているように、積分及び折返し80の残余電荷レベルは、第1段階の出力620を介してサンプル及び保持回路600に供給される。残余電荷レベルは、サンプリングされて、サンプル及び保持コンデンサ610に蓄積される。本実施形態の、並列に組み合わされた第1コンデンサ612と第2コンデンサ614は残余電荷レベルを蓄積し、第2コンデンサ614は第1コンデンサ612よりも複数倍大きくなるように設計されている。例えば、本実施形態の第2コンデンサ614は、第1コンデンサ612よりも10倍大きいので、第2コンデンサ614は、第1コンデンサ612よりも10倍の電荷を保持する。サンプル及び保持コンデンサ610で残余電荷レベルがサンプリングされると、図1に関して上で開示した手順と同様の手順で残余電荷レベルが保持される。以下で説明されるが、残余電荷レベルを保持後に、さらに別の二進ビットを分析するようにサンプル及び保持回路600を構成してもよい。
【0033】
図7に示された上述の実施形態と同様に、アナログ−デジタル変換回路700は、積分用演算増幅器回路720、デジタル論理回路730、折返し回路710を備える。積分用演算増幅器回路720は、折返し回路710に接続された反転入力端子634と段階2の出力724の出力スイッチ722に接続された出力640をもつサンプル及び保持回路600(図6)と、デジタル論理回路730を含む。上述の実施形態と同様に、折返し回路710は、増幅器630の反転端子634とアース602との間に選択的に接続された電流ミラースイッチ718に供給される減算電流716と基準電流714を供給する電流ミラー712を含む。デジタル論理回路730は、出力640に接続された非反転入力端子733と電源732に接続された反転端子735を備える比較器734を含む。減算電流716を生成し、また、シフトレジスタ738に接続された同期化及びデジタル論理回路736に比較器734の出力737が接続される。スイッチ739はシフトレジスタ738と出力740との間に接続される。
【0034】
一旦、残余電荷レベルがサンプル及び保持コンデンサ610で保持されると、第2のコンデンサ614をアース602に接続することによってサンプル及び保持回路600が構成されて、アナログ−デジタル変換回路700の積分及び折返し回路720になる。そのため、第1のコンデンサ612は、増幅器630の反転入力と出力640との間に結合されて、第1のコンデンサ612は積分コンデンサ44(図1)と同様に動作する。第2のコンデンサ614はアース602に接続されるので、第2のコンデンサ614の電荷は、第1のコンデンサ612に対して放電する。第2のコンデンサ614は第1のコンデンサ612より10倍大きいので、第1のコンデンサ612は急速に電荷で満たされる。第1のコンデンサ614の電荷が第3の所定の電荷レベルに等しくなると、増幅器630の出力640に接続されたデジタル論理回路730は、折返し回路710に命令を出して、第4の所定の電荷レベルを第1のコンデンサ612から除去させる。第3と第4の所定の電荷レベルはそれぞれ、電圧源732と基準電流714によって設定可能である。デジタル論理回路740は、第4の所定の電荷レベルが第1のコンデンサ612から除去された回数を追跡し、除去された電荷量に基づく追加ビットを生成する。さらにカスケードする場合は、追加のサンプル及び保持回路600を第2段階の出力724に接続して、第1のコンデンサ612の残余電荷レベルを決定することができる。従って、第2段階のアナログ−デジタル変換回路700の残余電荷レベルが第3段階のアナログ−デジタル変換回路(不図示)に供給され、追加ビットを分析することができる。上述したように、追加のアナログ−デジタル変換回路を接続して、残余電荷の二進出力ビットの全体を分析することができる。別の実施形態では、残余電荷を残余量子化回路450(図4)に送って、追加二進ビットの残りを分析することができる。
【0035】
さらに別の実施形態では、図5に示されているように、アナログ−デジタル変換回路500はバイパススイッチ551を含み、積分コンデンサ544の残余電荷レベルを決定する間の低域通過フィルタ処理を禁止する。図1に示される好適な実施形態では、光ダイオード22(図1)がアナログ入力信号を生成する。入力信号回路20(図1)からノイズが入り、これは、光ダイオード22に当るX線数の平方根に比例する。小アナログ入力信号のノイズを最小にするために、低域通過フィルタ582が用いられる。低域通過フィルタ582には、抵抗552とコンデンサ553が含まれる。大アナログ入力信号に対しては、低域通過フィルタ582は演算増幅器546の出力549が適当に安定することを妨げる。低アナログ入力信号に対しては低ノイズの必要条件と、高入力信号に対しては広帯域の必要条件という相反する必要条件をうまく処理するために、バイパススイッチ551が用意される。
【0036】
図5の積分用演算増幅器回路540は、反転入力端子547、非反転入力端子548、出力549を備える演算増幅器546を含む。非反転入力端子548はアース512に接続され、反転入力端子547は入力端子520に接続される。入力回路20(図1)と折返し回路30(図1)に入力端子520を接続できることを正しく理解すべきである。リセットスイッチ542は反転入力端子547と出力549に渡って接続される。さらに、フィードバック抵抗545と積分コンデンサ544は、反転入力端子547と出力549との間に直列に接続される。デジタル論理回路の入力560は、出力549に接続される。デジタル論理回路の入力560をデジタル論理回路60(図1)に接続できることを正しく理解すべきである。
【0037】
サンプル及び保持回路550は、低域通過フィルタ582とバイパススイッチ551を含む。抵抗552は出力549に接続され、バイパススイッチ551は抵抗552に渡って接続される。この抵抗は第1のサンプルスイッチ572に接続され、コンデンサ553は増幅器556の反転入力端子555と第1のサンプルスイッチ572との間に接続される。保持スイッチ574はコンデンサ553と出力570との間に接続される。第2のサンプルスイッチ576は反転端子555と出力570に渡って接続される。非反転入力端子554はアース512に接続される。
【0038】
第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ544から第1のクロックサイクル内で除去される回数から、通常、アナログ入力信号の大きさを良好に推定することができる。一実施形態では、第1のクロックサイクルは約350μsである。もしアナログ入力信号が小さければ、第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ544から除去される回数はゼロ、もしくは、比較的少ない数である。もしアナログ入力信号が大きければ、第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ544から除去される回数は比較的多い。アナログ入力信号が比較的大きい場合は、出力549の低域通過フィルタ処理は不要である。従って、もし第2の所定の電荷レベル310(図3)が除去される回数が所定数より大きいならば、バイパススイッチ551は閉じられ、抵抗552が短絡される。この結果、低域通過フィルタ582 は、演算増幅器546の出力549を処理しない。一実施形態では、所定の回数は3回である。第2の所定の電荷レベル310(図3)がデジタル論理回路60(図l)が積分コンデンサ544から除去される回数を追跡し、同様に、第1のクロックサイクル内に所定の回数に達するときに、デジタル論理回路60(図1)はバイパススイッチ551が閉じるように指示を与えることを正しく理解されたい。従って、所定時間で第2の所定の電荷レベル310(図3)が積分コンデンサ544から除去される回数を追跡することによって、低域通過フィルタ582が出力549の残余電荷レベルを処理するかどうかを決定する。
【0039】
本発明のこれまでの議論は、例示と説明のためになされた。さらに、この記述により、本発明をここで開示された形態に限定することを意図するものではない。結論として、関連技術の技能と知識を使ってなされ、上述の教唆に相応する差異や修正は本発明の範囲内にある。本発明を実践するためと考えられる現状でのベストモードを説明することで、上述の実施形態そのままで、もしくは、特定のアプリケーション、即ち、本発明の用途から必要とされる様々な変更を行った実施形態で当業者が本発明を利用できることを意図するものである。従来技術で許される程度までの他の実施形態をも特許請求の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログ−デジタル変換回路の模範的な一実施形態の回路図である。
【図2】図1の様々な点での時間線図である。
【図3】積分及び折返し回路の出力の電圧波形図である。
【図4】パイプライン型アナログ−デジタル変換回路の模範的な一実施形態のブロック回路図である。
【図5】積分増幅器と低域通過フィルタ回路の模範的な一実施形態の回路図である。
【図6】サンプル及び保持回路の模範的な一実施形態の回路図である。
【図7】第2段階のアナログ−デジタル変換回路の模範的な一実施形態の回路図である。

Claims (10)

  1. アナログ入力信号を複数の二進出力ビットに変換するアナログ−デジタル変換回路(10)において、前記アナログ入力信号を受け取る反転端子(47)と出力端子(49)を備える演算増幅器(46)と、前記演算増幅器(46)の前記出力端子(49)と前記反転端子(47)との間に接続された積分コンデンサ(44)であって、前記アナログ入力信号の積分値に比例する電荷量を蓄積する積分コンデンサ(44)と、前記演算増幅器(46)の前記出力端子(49)と前記反転端子(47)とに選択的に接続され、前記演算増幅器(46)の出力電荷が第2の所定の電荷レベル(300)に実質的に等しいときに前記積分コンデンサ(44)から第1の所定の電荷(310)を除去する電荷減算回路(36)であって、前記第1の所定の電荷(310)が前記積分コンデンサ(44)から複数回除去され、前記積分コンデンサ(44)からの前記第1の所定の電荷(310)の複数回の除去によって、前記積分コンデンサ(44)の蓄積可能な最大電荷より前記アナログ入力信号の前記積分値が大きくなることができるようにする、当該電荷減算回路(36)と、前記電荷減算回路(36)に接続されたデジタル論理回路(66)であって、前記電荷減算回路(36)によって前記第1の所定の電荷(310)が前記積分コンデンサ(44)から除去された回数を追跡して、前記複数の二進出力ビットのうち少なくとも1ビットを供給する当該デジタル論理回路(66)と、前記演算増幅器(46)の前記出力(49)と前記積分コンデンサ(44)とに接続され、前記積分コンデンサ(44)から前記第1の所定の電荷(310)が前記複数回除去された後に前記積分コンデンサ(44)内に蓄積されている電荷量に実質的に等しい残余電荷量を決定する残余量子化回路(450)であって、前記残余電荷に対応する、前記複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1つの追加ビットを供給する当該残余量子化回路(450)と、前記演算増幅器(46)の前記出力端子(49)に選択的に接続される低域通過フィルタ回路(582)であって、前記積分コンデンサ(44)から前記第1の所定の電荷(310)を除去した回数が所定の数より少ないときに前記出力端子(49)に接続される当該低域通過フィルタ(582)と、を備えるアナログ−デジタル変換回路(10)。
    変換回路(10)。
  2. 前記低域通過フィルタ(582)は、直列接続された抵抗(552)及びコンデンサ(553)を備え、
    前記第1の所定の電荷が前記積分コンデンサから除去される回数が所定時間にわたって測定される、請求項のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  3. 前記デジタル論理回路(60)から供給される前記少なくとも1ビットは、少なくとも1つの最上位ビット又は最下位ビットを含む、請求項1のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  4. 前記アナログ入力信号は電流信号又は電圧信号で構成されている、請求項1のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  5. 前記残余電荷は前記第2の所定の電荷量より少なく、
    前記第1の所定の電荷が前記積分コンデンサ(44)から除去されたため、前記第1の所定の電荷は前記積分コンデンサ内の蓄積電荷量より大きい、請求項1のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  6. 前記残余量子化回路(450)は、少なくとも1つの積分及び折返し回路(410)を備え、前記積分及び折返し回路(412)の各々はパイプライン直列構成で接続され、前記積分及び折返し回路(412)の各々は、イ)積分及び折返し用残余電荷を受け取る前記少なくとも1つの積分及び折返し回路(410)の先行する積分及び折返し回路(412)の出力部に接続されたサンプル及び保持回路(414)であって、前記少なくとも1つの積分及び折返し回路(412)のうちの第1の積分及び折返し回路は、前記残余電荷を前記積分コンデンサ(44)から受け取る前記演算増幅器(46)の前記出力端子(49)と前記積分コンデンサ(44)に接続されている、当該サンプル及び保持回路と、ロ)反転端子(634)と出力端子(640)を備える積分及び折返し用演算増幅器(630)であって、前記サンプル及び保持回路(414)が前記積分及び折返し用演算増幅器(630)の前記反転端子(634)に接続されている、当該積分及び折返し用演算増幅器と、ハ)前記積分及び折返し用演算増幅器(630)の前記出力端子(640)と前記反転端子(634)との間に接続された積分及び折返し用積分コンデンサ(612)であって、前記積分及び折返し用積分コンデンサ(612)は、前記先行する積分及び折返し回路(410)からの前記積分及び折返し用残余電荷の積分値に実質的に比例する積分及び折返し用電荷量を蓄積する、当該積分及び折返し用積分コンデンサと、ニ)前記積分及び折返し用演算増幅器(630)の前記出力端子(640)と前記反転端子(634)に選択的に接続された積分及び折返し用電荷減算回路(716)であって、前記積分及び折返し用演算増幅器(630)の出力電荷が第2の積分及び折返し用の所定の電荷(300)に実質的に等しいとき、前記積分及び折返し用電荷減算回路(716)は第1の積分及び折返し用の所定の電荷(310)を前記積分及び折返し用積分コンデンサ(612)から除去し、前記第1の積分及び折返し用の所定の電荷(310)は前記積分及び折返し用積分コンデンサ(612)から複数回除去される、当該積分及び折返し用電荷減算回路と、ホ)前記積分及び折返し用電荷減算回路(716)に接続された積分及び折返し用デジタル論理回路(730)であって、前記デジタル論理回路(730)は、前記前記積分及び折返し用電荷減算回路(716)によって第1の積分及び折返し用の所定の電荷(310)が前記積分及び折返し用積分コンデンサ(612)から除去される回数を追跡して、前記複数の二進出力ビットのうちの前記少なくとも1つの追加ビットを供給する、当該積分及び折返し用デジタル論理回路(730)と、を備える、請求項1のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  7. アナログ入力信号を複数の二進出力ビットに変換するアナログ−デジタル変換器(10)であって、前記アナログ入力信号を受信し、前記アナログ入力信号に比例する電荷量を蓄積する積分回路(40)と、前記積分回路(40)に選択的に接続され、前記積分回路(40)に格納された電荷が第2の所定の電荷(300)に実質的に等しいときに前記積分回路(40)に蓄積された前記電荷から第1の所定の電荷(310)を除去する減算回路(36)であって、前記第1の所定の電荷(310)が前記積分回路(40)から複数回除去される、当該減算回路と、前記減算回路(36)に接続され、前記減算回路(36)によって前記第1の所定の電荷(310)が前記積分回路(40)から除去される回数を追跡する論理回路(66)であって、前記複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1ビットを供給する、当該論理回路と
    前記積分回路(40)に接続されたアナログ−デジタル変換器(450)と、
    前記積分回路(40)に選択的に接続された低域通過フィルタ回路(582)と、
    を備え、
    前記アナログ−デジタル変換器は前記積分回路(40)の残余電荷を決定し、前記第1の所定の電荷(310)が前記積分回路(40)から前記回数除去された後の前記残余電荷は前記積分回路(40)の蓄積電荷に実質的に等しく、前記アナログ−デジタル変換器(450)は、前記残余電荷に対応する前記複数の出力ビットのうちの追加ビットを提供し、
    前記第2の電荷を前記積分回路(40)から除去した前記回数が所定の数より少ないときに前記低域通過フィルタ回路は前記積分回路(40)に接続される、
    アナログ−デジタル変換回路(10)。
  8. 前記アナログ入力信号は電流信号又は電圧信号で構成される、請求項7のアナログ−デジタル変換回路(10)。
  9. アナログ入力信号を複数の二進出力ビットに変換する方法において、前記アナログ入力信号を演算増幅器と積分コンデンサに供給する工程であって、前記積分コンデンサは前記演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続される、当該工程と、前記アナログ入力信号の積分値に比例する電荷量を前記積分コンデンサに蓄積する工程と、前記演算増幅器の出力電荷は第2の所定の電荷に実質的に等しいときに、前記積分コンデンサから第1の所定の電荷量を減らす工程と、前記第1の所定の電荷量が前記積分コンデンサから減らされる回数を追跡する工程と、減算前記第1の所定の電荷を減らす前記工程で前記第1の所定の電荷量が前記積分コンデンサから減らされた回数から、前記複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1ビットを決定する工程であって、前記第1の所定の電荷量を前記積分コンデンサから前記回数除去することによって、前記アナログ入力信号の積分値を、前記積分コンデンサによって蓄積可能な最大電荷量よりも大きくできる、当該工程と、前記積分コンデンサの残余電荷量から前記複数の二進出力ビットのうちの少なくとも1つの追加ビットを決定する工程であって、前記第1の所定の電荷が前記積分コンデンサから前記回数除去された後の前記残余電荷量が前記積分コンデンサの蓄積電荷量に実質的に等しい、当該工程と、前記第1の所定の電荷量が前記積分コンデンサから減らされた回数が所定の数より少ないとき低域通過フィルタ回路を使って前記演算増幅器の出力をフィルタリングする工程と、を含むことを特徴とする方法。
  10. 前記少なくとも1つの追加ビットを決定する工程は、前記残余電荷を前記演算増幅器と前記積分コンデンサに供給する工程であって、前記積分コンデンサが前記演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続される、当該工程と、前記残余電荷の積分値に比例する電荷量を前記積分コンデンサに蓄積させる工程と、前記演算増幅器の出力電荷量が第4の所定の電荷量に実質的に等しいときに第3の所定の電荷量を前記積分コンデンサから減らす工程と、前記第3の所定の電荷量を前記積分コンデンサから減らした回数を追跡する工程と、減算前記第3の所定の電荷量を減らす前記工程によって前記第3の所定の電荷量が前記積分コンデンサから減らされた回数から、前記複数の二進出力ビットのうちの前記少なくとも1つの追加ビットを決定する工程と、を含む、請求項9の方法。
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