JP4774062B2 - 銅バーの取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は銅バー(バスバー)の取付構造に係り、詳しくは大電流を通電させるために使用する銅バーを端子台に簡単に取り付け、また、端子台から簡単に取り外すことができる銅バーの取付構造に関する。
特許文献1または特許文献2に開示されるように、今日、銅バーは、接続信頼性向上の観点から大電流が流れる配線、また、ワイヤーハーネス等を不要とする省スペース化を達成するための配線として広く使用されている。
前記特許文献1の従来例は、電源供給機構の如く大電流の供給が必要とされる大型計算機に於て、許容電流値の増加,電圧降下の低減及び放熱性向上のために銅バーを用いたもので、特許文献2の従来例は、自動車部品の電子制御化の進展に伴い、自動車制御部品の配線部を一括モジュール化して、設置空間の省スペース化のために銅バーを用いたものである。
そして、従来、大電流通電のため、銅バーを電源装置の端子台に取り付ける場合、ネジを締め付けて銅バーを端子台に固定していた。
特開昭63−182897号公報 特開平8−268254号公報
しかし、斯様にネジを締め付けて銅バーを端子台に固定する場合、従来は規定トルクまでネジを何度も回転させて締め付けなければならず、また、銅バーを交換する場合にも、ネジを何度も回転させてネジを取り外さなければならないため、銅バーの取付け/取り外しに手間がかかっているのが実情であった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、端子台への銅バーの取付け/取り外しが簡単に行える銅バーの取付構造を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る銅バーの取付構造は、対向する隔壁によって銅バー取付部が区画形成された端子台と、前記銅バー取付部内に回転自在に抜け止め支持された平面視楕円形状のロックピンと、前記端子台に装着され、前記ロックピンを挟んで対向する前記隔壁に接続部が配設された電極金具と、前記銅バー取付部内に配置され、前記ロックピンより大きな平面視楕円形状のロックピン挿入孔が形成された銅バーとからなり、前記ロックピン挿入孔は、銅バーの長手方向と長軸を一致させて形成され、前記銅バー取付部内に配置した銅バーのロックピン挿入孔内のロックピンの略90度の回転操作で、該ロックピンの長軸部が前記ロックピン挿入孔の短軸側内周に圧接し、前記銅バーを膨出変形させて前記接続部と隔壁とに圧着させることを特徴とする。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の銅バーの取付構造に於て、前記ロックピン挿入孔の短軸側内周に、該ロックピンの長軸部が係合可能な簡易ロック用の凹部が設けられていることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の銅バーの取付構造に於て、前記電極金具の接続部及び該接続部が配設された隔壁の内面は、銅バーの変形形状に沿って湾曲形状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の銅バーの取付構造に於て、前記ロックピン挿入孔に、銅バーの長手方向に沿ってスリットが設けられていることを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の銅バーの取付構造に於て、前記スリットは先端側が平面視略円形状に形成され、請求項6に係る発明は、請求項4に記載の銅バーの取付構造に於て、前記スリットは、銅バーの長手方向へ幅寸法が順次大きく形成されていることを特徴とする。
そして、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の銅バーの取付構造に於て、前記ロックピンに、銅バーの抜け止めを図る抜止め部が設けられていることを特徴とする。
各請求項に係る発明によれば、ロックピンの略90度の回転操作で銅バーを端子台に取り付けたり、端子台から取り外すことができるため、従来に比し銅バーの取付け/取り外しが簡単にできることとなった。
そして、請求項2に係る発明によれば、ロックピンによる端子台への銅バーの固定時に、ロックピンの長軸部が簡易ロック用の凹部に係合するため、ロックピンの不用意な緩みが防止される。
また、請求項3に係る発明によれば、電極金具の接続部と該接続部が取り付く側壁が銅バーの変形形状に沿って予め湾曲形状に凹んだ形状となっているため、変形した銅バーが該接続部と隔壁とに面接触の状態で圧着し、この結果、銅バーが端子台に確実に固定されると共に、良好な電気導通性が確保できる利点を有する。
更に、請求項4に係る発明によれば、ロックピンの略90度の回転操作によって銅バーが容易に湾曲状に膨出変形するため、作業効率がよく銅バーを端子台に確実に固定することが可能となり、請求項5及び請求項6に係る発明によれば、銅バーを更に膨出変形し易くなる利点を有する。
そして、請求項7に係る発明によれば、端子台への銅バーの固定後に、銅バーの確実な抜け止めを図ることができる利点を有する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図6は請求項1乃至請求項5に係る銅バーの取付構造の一実施形態を示し、図1及び図2に於て、1は電源装置の筐体(図示せず)に取り付く端子台で、本実施形態は、複数の電源装置の端子台を複数の銅バーで繋ぐ銅バーの取付構造に係り、本明細書は一つの端子台1を基に本実施形態を説明する。
前記端子台1は樹脂のモールド品で、端子台1の上部に6個の対向する隔壁3によって5個の銅バー取付部5が一方向に区画形成されており、図3に示すように各銅バー取付部5は、夫々の底部中央が肉厚に形成されて、上面が平坦な凸部7が側壁3間に亘って突設されている。そして、各銅バー取付部5の凸部7に、夫々、電極金具9が装着(モールド)されている。
図3乃至図5に示すように電極金具9は導電性を有する板材で形成され、銅バー取付部5の対向する側壁3の内周に取り付く一対の矩形状の接続部9a,9bと、同じく矩形状に形成された底部9cとからなる側面視略コ字状の頭部9dと、該頭部9dから下方へ側面視L字状及び側面視逆L字状に屈曲された脚部9eとからなり、前記底部9cは前記凸部7の上面に固着され、脚部9eは端子台1にモールドされている。そして、図3に示すように該脚部9eの先端側が、端子台1の裏面側に設けた後述する凹部11から端子台1の下方へ突出しており、脚部9eの先端側に、電源装置内の図示しない配線が半田付けされるようになっている。
そして、図2に示すように前記接続部9a,9bは、後述する銅バー13の変形形状に沿って予め外方へ湾曲形状に凹んで形成され、同様に該接続部9a,9bが取り付く側壁3も銅バー13の変形形状に沿って予め湾曲形状に凹んだ形状となっている。
また、図1乃至図5に於て、15は前記電極金具9の底部9cを軸部15aが貫通するロックピンで、該ロックピン15は平面視楕円形状に形成された柱状の頭部15bと、断面円形状に形成された小径な前記軸部15aと、該軸部15aの先端に形成された円盤状のロックピン抜止め部15cとからなり、頭部15bの頂部にマイナスドライバー(図示せず)用の溝17が設けられている。そして、図3に示すように前記凸部7に、前記軸部15aの挿通孔19が設けられ、該凸部7の裏面側に前記ロックピン抜止め部15cを収納する凹部11が設けられており、前記挿通孔19はロックピン抜止め部15cより小径に形成されて、ロックピン15が銅バー取付部5内で回転自在に抜け止め支持されている。
そして、図1及び図2に示すように、各銅バー取付部5内に銅バー13が一方向に固定されるが、図2及び図6に示すように銅バー13には、前記ロックピン15の頭部15bよりやや大きな平面視楕円形状のロックピン挿入孔21が、銅バー13の長手方向と長軸を一致させて設けられている。
更に、前記ロックピン挿入孔21には、その短軸側内周に、ロックピン15の頭部15bの長軸部23が係合可能な簡易ロック用の凹部25が形成され、更にまた、該ロックピン挿入孔21には、バー13の長手方向に沿ってスリット27が前後方向に設けられており、両スリット27の先端側は平面視略円形状に形成されている。
そして、図1及び図2に示すように長軸方向を合わせてロックピン挿入孔21にロックピン15の頭部15bを挿入して銅バー取付部5内に銅バー13を配置した後、図2の如くロックピン15をマイナスドライバーで略90度回転操作すると、ロックピン15の頭部15bの長軸部23がロックピン挿入孔21の短軸側内周に圧接し乍ら、銅バー13を外方へ湾曲状に膨出変形させて前記接続部9a,9bと隔壁3とに圧着させるようになっている。
而して、既述したようにロックピン挿入孔21にはスリット27が銅バー13の前後方向設けられているため、図2の如く銅バー13は外方へ容易に湾曲状に膨出変形する。そして、斯様に銅バー13が膨出変形して湾曲状に予め形成されている接続部9a,9bと隔壁3に圧着することで、銅バー13が端子台1に固定されると同時に、電極金具9を介して銅バー13と電源装置内の配線が導通するようになっている。
また、このとき、ロックピン15の頭部15bの長軸部23が前記凹部25に係合して、ロックピン15の不用意な緩みが規制される。
一方、斯様に端子台1に固着した銅バー13を交換のために取り外す場合には、図2の如くロックピンを略90度回転操作してロックピン15の頭部15bの長軸と銅バー13の軸方向を合わせると、膨出変形していた銅バー13が変形前の形状に戻り、接続部9a,9b及び隔壁3との圧接状態が解除されて銅バー13を銅バー取付部5から取り外すことができるようになっている。
本実施形態はこのように構成されているから、銅バー13を端子台1に取り付けるには、先ず、図1及び図2の如く長軸方向を合わせてロックピン挿入孔21にロックピン15の頭部15bを挿入し、銅バー13を銅バー取付部5内に配置する。
そして、図2の如くロックピン15をマイナスドライバーで略90度回転操作すると、ロックピン15の頭部15bの長軸部23がロックピン挿入孔21の短軸側内周に圧接し乍ら、銅バー13を外方へ湾曲状に膨出変形させて、予め湾曲状に形成されている前記接続部9a,9bと隔壁3とに圧着させる。
而して、ロックピン挿入孔21には、先端側を平面視略円形状に形成したスリット27が銅バー13の前後方向設けられているため、図2の如く銅バー13は外方へ容易に湾曲状に膨出変形し、斯様に銅バー13が膨出変形して接続部9a,9bと隔壁3とに面接触の状態で圧着することで、銅バー13が端子台1に確実に固定されると同時に、電極金具9を介して銅バー13と電源装置内の配線が導通する。そして、ロックピン15の頭部15bの長軸部23が凹部25に係合して、ロックピン15の不用意な緩みが規制される。
一方、斯様に端子台1に固着された銅バー13を取り外すには、図2の如くロックピン15を略90度回転操作してロックピン15の頭部15bの長軸と銅バー13の軸方向を合わせれば、膨出変形していた銅バー13が変形前の形状に戻り、接続部9a,9b及び隔壁3との圧接状態が解除されて、銅バー13を銅バー取付部5から取り外すことができる。
このように、本実施形態によれば、
[1]ロックピン15の略90度の回転操作で銅バー13を端子台1に取り付けたり、端子台1から取り外すことができるため、従来に比し銅バーの取付け/取り外しが簡単にできることとなった。
また、
[2]ロックピン15による端子台1への銅バー13の固定時に、ロックピン15の頭部15bの長軸部23が前記凹部25に係合するため、ロックピン15の不用意な緩みが防止される。
そして、
[3]電極金具9の接続部9a,9bと該接続部9a,9bが取り付く側壁3が銅バー13の変形形状に沿って予め湾曲形状に凹んだ形状となっているため、変形した銅バー13が該接続部9a,9bと隔壁3とに面接触の状態で圧着し、この結果、銅バー13が端子台1に確実に固定されると共に、良好な電気導通性が確保できる利点を有する。
更に、
[4]ロックピン挿入孔21に先端側を平面視略円形状に形成したスリット27を銅バー13の前後方向設けたため、ロックピン15の略90度の回転操作によって銅バー13が容易に湾曲状に膨出変形し、この結果、作業効率がよく、銅バー13を端子台1に確実に固定することが可能となった。
尚、前記スリット27に代え、図7の実線で示すように銅バー13の前後方向にストレート状のスリット29を設けたり、図7の二点鎖線で示すように銅バー13の長手方向へ幅寸法が順次大きくなるスリット31を設けてもよいが、銅バー13の変形を容易にする点を考慮すると、前記スリット27,31を用いて銅バー13の変形部分の薄肉化を図ることが好ましい。
図8乃至図11は請求項1乃至請求項5及び請求項7の一実施形態に係る銅バーの取付構造を示し、本実施形態は、端子台1に固定した銅バー13の確実な抜け止めを図るため、前記ロックピン15に代え、頭部15bに銅バー抜止め部15dを設けたロックピン15-1を用いたもので、該銅バー抜止め部15dを除くロックピン15-1の軸部15a,頭部15b,ロックピン抜止め部15cの構造を始め、端子台1,電極金具9,銅バー13等、その他の構成は図1の実施形態と同様であるため、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
前記銅バー抜止め部15dは、恰もネジ頭の如く頭部15bの上部から側方へ突出する平面視楕円形状のフランジからなり、図8に示すように該銅バー抜止め部15dは銅バー13の上方に突出し、その頂部にマイナスドライバー用の溝17が設けられている。
そして、銅バー抜止め部15dは、平面視楕円形状に形成された頭部15bと長軸方向を同じくしており、該銅バー抜止め部15dの長軸を銅バー13のロックピン挿入孔21の長軸に合わると、銅バー抜止め部15dをロックピン挿入孔21に挿入させることができるようになっている。そして、図8に示すように前記銅バー抜止め部15dをロックピン挿入孔21に挿通し、頭部15bを該ロックピン挿入孔21に挿入して銅バー取付部5内に銅バー13を配置した後、ロックピン15-1をマイナスドライバーで略90度回転操作すると、前記実施形態と同様、ロックピン15-1の頭部15bの長軸部23がロックピン挿入孔21の短軸側内周に圧接し乍ら、銅バー13を外方へ湾曲状に膨出変形させて電極金具9の接続部9a,9bと隔壁3とに圧着させるが、銅バー13の上方に突出する前記銅バー抜止め部15dがロックピン挿入孔21の短軸方向に向いて、銅バー13の上方への抜け止めを図ることとなる。
また、銅バー13を端子台1から取り外す場合は、前記実施形態と同様、ロックピン15-1を略90度回転操作して銅バー抜止め部15dの長軸と銅バー13の軸方向を合わせればよい。
このように本実施形態によっても、図1の実施形態と同様、前記[1]〜[4]の作用効果を奏することができることは勿論、端子台1への銅バー13の固定後に、銅バー13の確実な抜け止めを図ることができる利点を有する。
端子台に銅バーが取り付く請求項1乃至請求項5の一実施形態に係る銅バーの取付構造の正面図である。 端子台とこれに取り付く銅バーの断面図である。 端子台とこれに取り付く銅バーの断面図である。 電極金具の側面図である。 電極金具の正面図である。 銅バーの要部拡大断面図である。 請求項4または請求項6の一実施形態に係る銅バーの要部拡大断面図である。 請求項1乃至請求項5及び請求項7の一実施形態に係る銅バーの取付構造の正面図である。 端子台とこれに取り付く銅バーの断面図である。 電極金具の側面図である。 電極金具の正面図である。
符号の説明
1 端子台
3 隔壁
5 銅バー取付部
7 凸部
9 電極金具
9a,9b 接続部
9c 底部
9d 頭部
9e 脚部
13 銅バー
15,15-1 ロックピン
15a 軸部
15b 頭部
15c ロックピン抜止め部
15d 銅バー抜止め部
17 マイナスドライバー用の溝
19 挿通孔
21 ロックピン挿入孔
23 ロックピンの頭部の長軸部
25 簡易ロック用の凹部
27 スリット

Claims (7)

  1. 対向する隔壁によって銅バー取付部が区画形成された端子台と、
    前記銅バー取付部内に回転自在に抜け止め支持された平面視楕円形状のロックピンと、
    前記端子台に装着され、前記ロックピンを挟んで対向する前記隔壁に接続部が配設された電極金具と、
    前記銅バー取付部内に配置され、前記ロックピンより大きな平面視楕円形状のロックピン挿入孔が形成された銅バーとからなり、
    前記ロックピン挿入孔は、銅バーの長手方向と長軸を一致させて形成され、
    前記銅バー取付部内に配置した銅バーのロックピン挿入孔内のロックピンの略90度の回転操作で、該ロックピンの長軸部が前記ロックピン挿入孔の短軸側内周に圧接し、前記銅バーを膨出変形させて前記接続部と隔壁とに圧着させることを特徴とする銅バーの取付構造。
  2. 前記ロックピン挿入孔の短軸側内周に、該ロックピンの長軸部が係合可能な簡易ロック用の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の銅バーの取付構造。
  3. 前記電極金具の接続部及び該接続部が配設された隔壁の内面は、銅バーの変形形状に沿って湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅バーの取付構造。
  4. 前記ロックピン挿入孔に、銅バーの長手方向に沿ってスリットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の銅バーの取付構造。
  5. 前記スリットは、先端側が平面視略円形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の銅バーの取付構造。
  6. 前記スリットは、銅バーの長手方向へ幅寸法が順次大きく形成されていることを特徴とする請求項4に記載の銅バーの取付構造。
  7. 前記ロックピンに、銅バーの抜け止めを図る抜止め部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の銅バーの取付構造。
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