JP4773889B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、圧縮機本体から吐出された圧縮気体から油分を遠心分離する油分離器の改良に関する。
従来より、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
ここで、一般的なコンプレッサの1つとして例えばベーンロータリ形式のコンプレッサが知られている。このベーンロータリ形式のコンプレッサは、ハウジングの内部に、圧縮機本体が収容された構成となっている。
圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、ロータの外方を取り囲むシリンダと、ロータに埋設されて、突出側の先端が、断面輪郭形状が略楕円形のシリンダの内周面に追従するように該ロータの外周面からの突出量が可変とされた板状のベーンと、ロータやベーンを、ロータの両端面側から覆う2つのサイドブロックとを備えている。
そして、ロータの回転方向について相前後する2つのベーン、シリンダの内周面、ロータの外周面および両サイドブロックの端面により、ロータの回転に伴ってその容積が変化し、吸入された気体を圧縮して吐出する複数の圧縮室が画成されている。
また、ハウジングの内面と圧縮機本体の外面とにより、圧縮機本体を挟んで一方の側に、圧縮機本体に吸入される気体が通過する低圧雰囲気の吸入室が形成されているとともに、圧縮機本体を挟んで他方の側に、圧縮機本体から吐出された気体が通過する高圧雰囲気の吐出室(油分が分離された気体の通過する空間)が形成されている。
ここで、吐出室を画成するサイドブロックには、圧縮室で圧縮された高圧の気体を、吐出室に導くための吐出路が形成されているとともに、吐出された気体に混じる冷凍機油等の油分を遠心分離するための油分離器が取り付けられており、吐出路から油分離器に導かれた高圧の気体が油分離器を通過する間に、この気体に混入していた油分が遠心分離されて、気体は吐出室に吐出され、一方、分離された冷凍機油等油分は、吐出室の下部に滴下して溜められる。
また、スクロール形式等他の形式の気体圧縮機にあっても、同様の油分離器が備えられている(特許文献1)。
ところで、油分離器通過以後の行程において、油分離器によって分離された冷媒ガスと冷凍機油とが完全に隔離された構成の気体圧縮機、すなわち例えば、油分離器における冷媒ガスの排気部が気体圧縮機の出口(吐出ポート)に一致しているか、排気部と吐出ポートとが管などによって直接的に連通している構成の気体圧縮機では、気体圧縮機から冷媒ガスが吐出されるまでの間に、冷媒ガスと冷凍機油とが再度接触することはないが、油分離器通過以後の行程において冷媒ガスと冷凍機油とが再度接触し得る空間を有する構成の気体圧縮機、例えば、圧縮機本体から吐出された圧縮冷媒ガスが通過する吐出室が備えられ、この吐出室の底部に、油分離器で分離された冷凍機油が溜められる油溜まりを有する構成の気体圧縮機では、油溜まりの冷凍機油や油分離器で分離され底部に向けて滴下する冷凍機油の油滴が、吐出室内部での冷媒ガスの流れによって巻き上げられて、冷媒ガスとともに冷凍機油が吐出ポートから気体圧縮機の外部に排出される虞がある。
このような冷凍機油の、巻上げによる気体圧縮機外部への流出を抑制するために、ハウジングのうち吐出室の内壁を形成する部分に、吐出室の底部に溜められた冷凍機油の油面の上方に張り出した庇状のリブ(邪魔板)が設けられ、このリブが油面の上方を覆うことで、吐出室の内部に吐き出された冷媒ガスの気流が底部に溜まった冷凍機油を、吐出ポートに巻き上げるのを抑制している(特許文献2)。
特開2000−170681号公報 特開2004−360491号公報
しかし、気流によって巻き上げられるのは、油溜まりに溜まっている冷凍機油や油分離器の底部から滴下する油滴だけではなく、油分離器の外面の一部が吐出室内に露出している気体圧縮機では、この外面に付着した冷凍機油の油分も、巻き上げられる対象となる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、気流によって巻き上げられる油分が、気体圧縮機の出口から気体圧縮機の外部に流出するのを一層抑制することができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、油分が分離された気体の通過する空間に露出している油分離器の一部の外面に、気体が衝突する鍔を形成することで、この鍔に衝突した衝撃により、巻き上げられた油分の分離を図るものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、ハウジングの内部に、気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体により圧縮して吐出された圧縮気体を通過させて該圧縮気体から油分を遠心分離する油分離器とを備え、前記油分離器は、その外面の少なくとも一部が、前記油分が分離された前記気体の通過する空間に露出して配設された気体圧縮機において、前記油分離器の外面の前記少なくとも一部に、前記圧縮気体を衝突させる鍔が形成されていることを特徴とする。
このように構成された本発明に係る気体圧縮機によれば、油分が分離された気体の通過する空間に、油分離器の外面の少なくとも一部が露出して配設されているため、その露出した一部の外面には、巻き上げられたり浮遊している油分が付着し、この付着した油分は、この空間を流れる圧縮気体の流れによって巻き上げられるが、この外面には、圧縮気体を衝突させる鍔が形成されているため、油分を巻き上げた圧縮気体はこの鍔に衝突し、この衝突持の慣性力によって、圧縮気体よりも質量の大きい油分は鍔に付着し、この油分を巻き上げた圧縮気体から再度分離させることができる。
なお、油分離器としては、圧縮気体が沿って旋回する円筒内周面および該円筒内周面の一方の端面を塞ぐ底面を有する、前記気体に含有された油分を遠心分離する遠心分離本体部と、前記円筒内周面に囲まれた円柱状空間内に、該円柱状空間の軸に沿って配設され、前記旋回した気体を前記底面とは反対側の端面側から前記遠心分離本体部の外部に導く内筒状の気体排気部とを有し、鍔は、前記軸を中心とする半径方向の前記外面よりも外方に向かって拡がるように形成されているものなどを適用することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、油分を巻き上げた圧縮気体からこの油分を再度分離させることができるため、油分が、気体圧縮機の出口から気体圧縮機の外部に流出するのを一層抑制することができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100(気体圧縮機)を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図、図3は図1における矢視Bによるサイクロンブロック60(油分離器)の要部外観を示す図である。
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
また、コンプレッサ100は、ケース11とフロントヘッド12とからなるハウジングの内部に収容された圧縮機本体と、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない動力源からの駆動力を圧縮機本体に伝える伝達機構13とを備える。そして、圧縮機本体は、複数のボルトによってフロントヘッド12に固定され、伝達機構13は、ラジアルボールベアリング14を介して、フロントヘッド12に回転自在に支持されている。
ケース11は、一端開放の筒状体を呈し、フロントヘッド12は、このケース11の開放された部分を覆うように組み付けられている。また、フロントヘッド12には、蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート12aが形成され、この吸入ポート12aには、冷媒ガスGの逆流を防ぐ逆止弁12bが設けられている。一方、ケース11には、圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
ハウジング内に収容された圧縮機本体は、伝達機構13を介して供給された駆動力によって軸回りに回転する回転軸51と、この回転軸51と一体的に回転する円柱状のロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49aを有するとともに、両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外方に向けて突出可能にロータ50に埋設され、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49aに追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔で配置された5枚の板状のベーン58と、シリンダ40の両側開放端面の外側からそれぞれ開放端面を覆うように固定されたフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、および回転軸51の回転方向(図2において時計回りの矢印方向)に相前後する2つのベーン58,58によって画成された各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して吐出するように構成されている。
なお、ロータ50の両端面50a,50bからそれぞれ突出した回転軸51の部分のうち一方の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延び、この貫通部分がフロントヘッド12により軸支され、外方に延びた部分が伝達機構13に連結されている。同様に回転軸51の突出部分のうち他方の側は、リヤサイドブロック20の軸受部22により軸支されており、これらによって、回転軸51は、リヤサイドブロック20およびフロントサイドブロック30に対して回転自在とされている。
また、回転軸51のうち、フロントサイドブロック30の軸受部32よりも外側部分であってフロントヘッド12よりも内側の部分には、リップシール15が配置されて、冷凍機油Rが、回転軸51とフロントヘッド12との隙間からフロントヘッド12の外部に漏れるのを阻止している。
そして、フロントヘッド12による回転軸51の支持と、ボルトによるフロントヘッド12へのフロントサイドブロック30の固定と、両サイドブロック20,30の外周部がOリングによりケース11,フロントヘッド12の内周面に保持されることとによって、圧縮機本体はハウジング内の所定位置に保持されている。
また、圧縮機本体がケース11の内部に収容された状態で、リヤサイドブロック20とケース11とにより、圧縮機本体から高圧の冷媒ガスGが吐出される高圧雰囲気の吐出室21(冷凍機油Rが分離された冷媒ガスGの通過する空間)が形成され、一方、フロントサイドブロック30とフロントヘッド12とにより、圧縮機本体に低圧の冷媒ガスGを供給する低圧雰囲気の吸入室34が形成され、吐出室21は吐出ポート11aに連通し、吸入室34は吸入ポート12aに連通している。そして、吸入室34と吐出室21とは、前述したOリング等によって気密に隔絶されている。
また、リヤサイドブロック20には、冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するためのサイクロンブロック60(油分離器)が取り付けられており、このサイクロンブロック60は吐出室21内に、その外面が露出して配置されている。なお、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間には、短円柱状の軸背圧空間66が形成されている。
吐出室21の下部には、このコンプレッサ100の摺動部等を潤滑、冷却、清浄するとともに、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに向けて突出させて、その先端を内周面49aに当接させた状態に付勢するように、ベーン58に背圧を作用させる冷凍機油Rが溜められている。
すなわち、ロータ50には、図2に示すように、スリット状のベーン溝56が放射状に、かつロータ50の回転中心回りに等角度間隔で5つ形成され、これらのベーン溝56に、前述のベーン58が挿入され、各ベーン58は、ロータ50の回転によって生じる遠心力と、ベーン溝56およびベーン58の底面によって画成された背圧室59(背圧空間の一部)に加えられる冷凍機油Rの油圧(背圧)とにより、シリンダ40の内周面49aに向けて突出し、このベーン58の突出した先端がシリンダ40の内周面49aに当接した状態に付勢され、回転軸51の回転に伴って、この先端は内周面49aに追従する。
これにより、シリンダ40と、ロータ50と、回転軸51の回転方向について相前後する2つのベーン58,58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とにより画成された各圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがって容積の変化を繰り返す。
また、フロントサイドブロック30には、吸入室34と圧縮室48とを連通させるフロント側吸入口31が開口しており、吸入ポート12aから吸入室34に導入された冷媒ガスGは、このフロント側吸入口31を介して圧縮室48に吸入される。
一方、シリンダ40の外周の一部には凹部が形成され、この凹部は、両サイドブロック20,30の各内側端面とケース11の内周面とによって囲まれた吐出チャンバ45を形成している。
そして、この吐出チャンバ45が形成されて薄肉化されたシリンダ40のうち、冷媒ガスGの圧縮行程に対応した圧縮室48に臨む部分に、圧縮室48内の冷媒ガスGを圧縮室48の外部、すなわち吐出チャンバ45に吐出させる吐出口42が設けられているとともに、圧縮室48の内部圧力に応じて吐出口42を開閉するリードバルブ43が配設されている。
リードバルブ43は板ばね状であって、圧縮室48の冷媒ガスGから吐出口42を通じて作用する圧力(詳細には、この圧力と吐出チャンバ45の内部の圧力(さらに、リードバルブ43を吐出口42に付勢している場合には、その付勢力に応じた初期負荷圧力も加算した圧力)との差)に応じて吐出チャンバ45の側に撓むように弾性変形し、この弾性変形によって、閉止していた吐出口42を開放する。
また、このリードバルブ43が、過大な撓みにより破損したり、大きな撓みの持続によって永久変形が生じるのを防止するために、リードバルブ43の変形量を規制するバルブサポート44が、リードバルブ43に重ね合わされて、シリンダ40に共締め固定されている。
そして、圧縮室48から吐出口42、リードバルブ43を通って吐出チャンバ45に吐出された高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20を介して、サイクロンブロック60の内部に導入される。
サイクロンブロック60は、圧縮された冷媒ガスGを旋回させる円筒内周面61aおよびこの円筒内周面61aの一方の端部側の面を塞ぐ底面61bを有する、冷媒ガスGに含有された冷凍機油Rを遠心分離する遠心分離本体部61と、円筒内周面61aに囲まれた円柱状空間内に、この円柱状空間の軸に沿って配設され、内部で旋回した冷媒ガスGを底面61bとは反対側の端面(図1において上面側)から遠心分離本体部61の外部に導く内筒状の気体排気部62とを有する構成である。
ここで、サイクロンブロック60の遠心分離本体部61は、その上部に、吐出チャンバ45からリヤサイドブロック20を介して冷媒ガスGを円筒内周面61aに沿って導入する導入孔61dが形成され、その下部に、導入孔61dから導入された冷媒ガスGが円筒内周面61aに沿って螺旋状に旋回することによって遠心分離された冷凍機油Rを遠心分離本体部61の外部に排出する油分排出孔61cが形成されている。
そして、遠心分離本体部61の外面61eには、吐出室21の底部から上部の吐出ポート11aに流れる冷媒ガスGを衝突させる鍔61fが形成されている。この鍔61fは、図3に示すように、円筒内周面61aに囲まれた円柱状空間の軸を中心とする半径方向の、遠心分離本体部61の外面61eよりも外方に向かって拡がるように形成されている。
一方、気体排気部62は、導入孔61dから遠心分離本体部61に導入された冷媒ガスGが、円筒内周面61aに沿って螺旋状に旋回して冷凍機油Rを遠心分離した後の冷媒ガスGを、遠心分離本体部61の上部から遠心分離本体部61の外部に排気する上部開口62bを有する中空筒部62aを有している。
サイクロンブロック60によって分離された冷凍機油Rは、油分排出孔61cからサイクロンブロック60の外部に排出されて下方に滴下し、このサイクロンブロック60の外周面61eが露呈した吐出室21の底部に溜められ、後続して滴下した冷凍機油Rの油滴は、この底部に溜められた冷凍機油Rに合流する。
一方、サイクロンブロック60によって冷凍機油Rが分離された冷媒ガスGは、中空筒部62aおよび上部開口62bを通って吐出室21に吐出される。
そして、吐出室21に吐出された冷媒ガスGは、そのまま吐出ポート11aを通ってコンプレッサ100の外部に吐出されるが、一部の冷媒ガスGは、吐出室21の内壁面21aに当たって、吐出室21内を対流する。
このとき、吐出室21で対流する冷媒ガスGは、底部に溜められた冷凍機油Rを巻き上げる虞があり、この巻上げを抑制するために、内壁面21aには、吐出室21の底部に溜められた冷凍機油Rの油面の上方に張り出した庇状のリブ(邪魔板)21bが形成されている。このリブ21bにより、冷媒ガスGが、底部に溜められた冷凍機油Rを巻き上げるのを抑制することができる。
しかし、このリブ21bが、冷凍機油Rの巻上げを完全に防止するものではなく、また吐出室21内を浮遊している冷凍機油Rもあるため、これら巻き上げられ、または浮遊していた冷凍機油Rが、サイクロンブロック60の外面61eに付着する。
そして、このサイクロンブロック60の外面61eに付着した冷凍機油Rは、吐出室21の底部から上部の吐出ポート11aに向かって流れる冷媒ガスGの気流によって、外面61eから剥がされて、吐出ポート11aに向けて巻き上げられやすくなる。
しかし、この遠心分離本体部61の外面61eには、この冷媒ガスGの気流に衝突する鍔61fが形成されているため、冷凍機油Rを巻き上げた冷媒ガスGはこの鍔61fに衝突し(図1において黒太矢印)、この衝突持の慣性力によって、冷媒ガスGよりも質量の大きい冷凍機油Rは鍔61fに付着し、さらに鍔61に沿って図示水平方向に進んだ冷媒ガスGは、吐出室21の内壁面21aに衝突して、さらに冷媒ガスGから冷凍機油Rを分離させることができる。
なお、このコンプレッサ100には、回転軸51と軸受部22,32との間の潤滑、ロータ50の各端面と各サイドブロック20,30の内側端面との間の潤滑等する目的と、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに付勢すべく背圧空間(背圧室59、後述するサライ溝25および軸背圧空間66)に油圧(背圧)を供給等する目的とにより、吐出室21の下部に貯留した冷凍機油Rを各部位に導く構造を備えている。
すなわち、リヤサイドブロック20に、軸受部22に至る油路23が形成され、また、リヤサイドブロック20の内側端面26(ロータ50の端面50aに向いた面)には、軸受部22における油路23の開口から、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を通って、ロータ50の背圧室59に連通する凹部であるサライ溝25が形成されている。
また、軸受部22まで延びた油路23は、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を介して、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間に形成された空間である軸背圧空間66にも連通し、この軸背圧空間66は背圧連通路28を介してサライ溝25に、圧力損失なく連通している。
これにより、背圧室59、サライ溝25、背圧連通路28および軸背圧空間66は、略同一の圧力Pvとなり、ベーン58の背圧空間を構成している。
この背圧空間に作用する圧力Pvは、具体的には、低圧雰囲気の吸入室34の圧力Psよりも高い圧力であって、軸受部22と回転軸51の周面部分との間の微小隙間(絞り)を通過した分だけ、高圧雰囲気の吐出室21の圧力Pdよりも低い中間圧(Ps<Pv<Pd)となる。
サライ溝25は、軸受部22の中心回りの所定角度範囲に亘って、略扇形状の輪郭(図2において破線で示す)を有する凹部であり、上述した微小隙間を通過して中間圧Pvまで低下した冷凍機油Rが溜められる。
そして、ロータ50の回転に伴って、ロータ50の端面50aに露呈しているベーン溝56の背圧室59がリヤサイドブロック20のサライ溝25を通過している間だけ、ベーン溝56の背圧空間59とサライ溝25とが連通して、ベーン溝56の背圧空間59にサライ溝25の中間圧Pvの冷凍機油Rが供給され、ベーン58はこの供給された冷凍機油Rの中間圧Pvを受けて、シリンダ40の内周面49aに向かって突出する。
また、シリンダ40の底部側には、リヤサイドブロック20の油路23に接続する貫通孔46が設けられ、フロントサイドブロック30に、この貫通孔46のフロントサイドブロック30側の開口と軸受部32とを連通させる油路33が形成され、冷凍機油Rは、軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過して中間圧Pvまで降圧され、フロントサイドブロック30の内側端面に形成された凹部であるサライ溝35等に導かれる。
なお、フロントサイドブロック30のサライ溝35も、リヤサイドブロック20のサライ溝25と同様、ロータ50の背圧室59に連通している。
サライ溝25,35に供給された冷凍機油Rは、ロータ50のベーン溝58の背圧室59が連通したときに、この背圧室59にベーン58の突出力を作用させるが、背圧室59が連通しない角度範囲も含めて、ロータ50の端面50a,50bと各サイドブロック20,30の端面26,36との間などにそれぞれ浸透して、これらの端面50a,26間、端面50b,36間や、サイドブロック20,30の端面26,36とベーン58の側面との間、ベーン58の先端とシリンダ40の内周面49aとの間など、摺動部分における摺動摩擦力を低減させている。
そして、各摺動部分に浸透した冷凍機油Rは、圧縮室48内の冷媒ガスGに混入し、冷媒ガスGとともに圧縮室48から吐出され、サイクロンブロック60を介して吐出室21に吐出される。
以上のように構成された本実施形態のコンプレッサ100によれば、冷凍機油Rが分離された冷媒ガスGの通過する空間(吐出室21)に、サイクロンブロック60の外面61eの一部が露出して配設されているため、その露出した一部の外面61eには、巻き上げられたり浮遊している冷凍機油Rが付着し、この付着した冷凍機油Rは、吐出室21内を流れる冷媒ガスGの気流によって巻き上げられるが、この外面61eには、冷媒ガスGを衝突させる鍔61fが形成されているため、冷凍機油Rを巻き上げた冷媒ガスGはこの鍔61fに衝突し、この衝突持の慣性力によって、冷媒ガスGよりも質量の大きい冷凍機油Rは鍔61fに付着し、この冷凍機油Rを巻き上げた冷媒ガスGから適切に分離させることができる。
したがって、冷凍機油Rが、コンプレッサ100の吐出ポート11aからコンプレッサ100の外部に流出するのを一層抑制することができる。
また、サイクロンブロック60は、冷媒ガスGが沿って旋回する円筒内周面61aおよび円筒内周面61aの下方の端部側の面を塞ぐ底面61bを有する、冷媒ガスGに含有された冷凍機油Rを遠心分離する遠心分離本体部61と、円筒内周面61aに囲まれた円柱状空間内に、この円柱状空間の中心軸に沿って配設され、旋回した冷媒ガスGを底面61bとは反対側の端面側から遠心分離本体部61の外部に導く内筒状の気体排気部62とを有し、サイクロンブロック60の鍔61fは、上記中心軸を中心とする半径方向の外面61eよりも外方に向かって拡がるように形成されているため、外面61eに沿って上方の吐出ポート11aに向かって、外面61eに付着した冷凍機油Rを巻き上げる、吐出室21内の冷媒ガスGの気流を、外面61eに直交した鍔61fに、確実に衝突させることができ、冷凍機油Rを確実に分離させることができる。
なお、上述した第一実施形態の気体圧縮機は、ベーンロータリ形式の気体圧縮機であるが、本発明に係る気体圧縮機は、第一実施形態のベーンロータリ形式のものに限定されるものではなく、他の形式の気体圧縮機、例えば、斜板往復動形式やスクロール形式の気体圧縮機にも適用することができる。
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った面による断面図である。 図1における矢視Bによるサイクロンブロックの要部外観を示す図である。
符号の説明
21 吐出室
60 サイクロンブロック
61 遠心分離本体部
61a 円筒内周面
61b 底面
61e 外面
61f 鍔
62 気体排気部
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス
R 冷凍機油

Claims (2)

  1. ハウジングの内部に、気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体により圧縮して吐出された圧縮気体を通過させて該圧縮気体から油分を遠心分離する油分離器とを備え、
    前記油分離器は、その外面の少なくとも一部が、前記油分が分離された前記気体の通過する空間に露出して配設された気体圧縮機において、
    前記油分離器の外面の前記少なくとも一部に、前記圧縮気体を衝突させる鍔が形成されていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記油分離器は、前記圧縮気体が沿って旋回する円筒内周面および該円筒内周面の一方の端部側の面を塞ぐ底面を有する、前記気体に含有された油分を遠心分離する遠心分離本体部と、前記円筒内周面に囲まれた円柱状空間内に、該円柱状空間の軸に沿って配設され、前記旋回した気体を前記底面とは反対側の端面側から前記遠心分離本体部の外部に導く内筒状の気体排気部とを有し、
    前記鍔は、前記軸を中心とする半径方向の前記外面よりも外方に向かって拡がるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。


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