JP2007327339A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体圧縮機において、吐出室内の邪魔板上の潤滑油が巻き上げられ難いものとする。
【解決手段】内部に導入された冷媒ガスGを圧縮して吐出させる、回転軸51周りに回転するロータ50を有する圧縮機本体をハウジング(ケース11およびフロントヘッド12)の内部に備え、ケース12のうち、圧縮機本体から吐出された冷媒ガスGを通過させる吐出室21の内壁を形成する部分に、吐出室21の底部に溜められた冷凍機油Rの油面の上方に張り出して、冷凍機油Rの巻上げを抑制する庇状のリブ70が設けられたコンプレッサ100において、リブ70の上面70aに、この上面70aに流れ落ちる冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70bまで導く案内溝71が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、圧縮機本体を覆うハウジングの内面に形成された潤滑油の巻上げ抑制用の邪魔板の改良に関する。
従来より、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
ここで、一般的なコンプレッサの1つとして例えばベーンロータリ形式のコンプレッサが知られている。このベーンロータリ形式のコンプレッサは、ハウジングの内部に、圧縮機本体が収容された構成となっている。
圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、ロータの外方を取り囲むシリンダと、ロータに埋設されて、突出側の先端が、断面輪郭形状が略楕円形のシリンダの内周面に追従するように該ロータの外周面からの突出量が可変とされた板状のベーンと、ロータやベーンを、ロータの両端面側から覆う2つのサイドブロックとを備えている。
そして、ロータの回転方向について相前後する2つのベーン、シリンダの内周面、ロータの外周面および両サイドブロックの端面により、ロータの回転に伴ってその容積が変化し、吸入された気体を圧縮して吐出する複数の圧縮室が画成されている。
また、ハウジングの内面と圧縮機本体の外面とにより、圧縮機本体を挟んで一方の側に、圧縮機本体に吸入される気体が通過する低圧雰囲気の吸入室が形成されているとともに、圧縮機本体を挟んで他方の側に、圧縮機本体から吐出された気体が通過する高圧雰囲気の吐出室が形成されている。
ここで、吐出室を画成するサイドブロックには、圧縮室で圧縮された高圧の気体を、吐出室に導くための吐出路が形成されているとともに、吐出された気体に混じる冷凍機油等の潤滑油を分離するためのサイクロンブロックが取り付けられており、吐出路からサイクロンブロックに導かれた高圧の気体がサイクロンブロックを通過する間に、この気体に混入していた潤滑油が分離されて、気体は吐出室に吐出され、一方、分離された潤滑油は、吐出室の下部に滴下して溜められる。
この潤滑油は、基本的には、気体圧縮機の内部で必要とされるため、外部の蒸発器等に過度に流出しないように、ハウジングのうち吐出室の内壁を形成する部分に、吐出室の底部に溜められた冷凍機油の油面の上方に張り出した庇状のリブ(邪魔板)が設けられ、このリブが油面の上方を覆うことで、吐出室の内部に吐き出された冷媒ガスの気流が底部に溜まった冷凍機油を、吐出ポートに巻き上げるのを抑制している(特許文献1)。
特開2004−360491号公報
ところで、吐出室には、細かい粒子となって浮遊している潤滑油もあり、このような細かい粒子の潤滑油が吐出室の内壁面に付着すると、やがて凝集して大きな油滴となり、重力によって下方に流れ落ち、底部に溜まっている潤滑油に合流する。
このとき、内壁面に沿って流れ落ちた潤滑油が、上述した庇状に形成されたリブの上面に到達すると、潤滑油は、内壁面よりも傾斜が緩やかなリブの上面で滞留し易くなる。また、リブの上面には、潤滑油の細かい粒子も付着し易く、この粒子は凝集していないため、油滴よりも滞留し易い。
そして、リブの上面は、吐出室に吐出した冷媒ガスの気流に直接晒されるため、リブの上面に滞留した潤滑油は冷媒ガスの気流によって巻き上げられ易く、潤滑油が気流によって吐出ポートまで巻き上げられると、冷媒ガスとともに気体圧縮機の外部に流出して、気体圧縮機内部の潤滑等に必要な量を確保できなくなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、吐出室内の邪魔板上の潤滑油が巻き上げられ難いものとする気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、邪魔板の上面に潤滑油用の案内通路を設けて、潤滑油の凝集を促進するとともに、気流に晒される表面積を低減させて、潤滑油が、気流によって巻き上げられるのを抑制したものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、内部に導入された気体を圧縮して吐出させる、回転軸周りに回転する回転体を有する圧縮機本体をハウジングの内部に備え、前記ハウジングのうち、前記圧縮機本体から吐出された気体を通過させる吐出室の内壁を形成する部分に、前記吐出室の底部に溜められた潤滑油の油面の上方に張り出して、潤滑油の巻上げを抑制する庇状の邪魔板が設けられた気体圧縮機において、前記邪魔板の上面側に、該上面に流れ落ちる前記潤滑油を、該邪魔板の先端縁まで導く案内通路が設けられていることを特徴とする。
ここで、邪魔板の先端縁の下方には、吐出室の底部の潤滑油溜まりに溜まった潤滑油の油面が露呈し、邪魔板の案内通路の先端縁に到達した潤滑油は、この油面が露呈した潤滑油に滴下して、この潤滑油溜まりに溜まった潤滑油に合流する。
なお、潤滑油溜まりの潤滑油に合流した後の潤滑油は、合流前の油滴状態の潤滑油よりも、単位体積当たりの表面積が小さいため、巻き上げられ難い。
邪魔板の上面側に付着等して滞留した潤滑油であっても、吐出室内の気流によって、その上面上をある程度は動く。そして、本発明に係る気体圧縮機によれば、その動いた潤滑油が、この上面に設けられた案内通路に到達すると、凝集が促進されて流れ易い状態となり、案内通路を流れ始めると、流れ始めた潤滑油を、この案内通路が延びている邪魔板の先端縁まで導き、邪魔板の先端縁に導かれた潤滑油は、この先端縁から下方の油溜まりに滴下する。
このように、本発明に係る気体圧縮機によれば、上面に案内通路が設けられていることにより、潤滑油の凝集を促進することができ、これによって、気流で上方に巻き上げられる前に、下方に滴下するのを促進することができる。
また、潤滑油は、案内通路に流れ込むことによって、潤滑油の単位体積当たりの、気流に晒される表面積を小さくすることができ、これによって、気流に晒された潤滑油の表層部分からの気流による巻上げを、抑制することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、邪魔板の上面に付着した潤滑油が気流で上方に巻き上げられる前に、下方に滴下するのを促すことができる。
また、邪魔板の上面において、気流に晒された潤滑油の表層部分からの気流による巻上げを、抑制することができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明に係る気体圧縮機の第一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図、図3は図1におけるB−B線に沿った断面を示す図、図4は図3における矢視Cによる外観を示す図、図5は図3におけるD−D線に沿った断面を示す図である。
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
また、コンプレッサ100は、ケース11とフロントヘッド12とからなるハウジングの内部に収容された圧縮機本体と、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない動力源からの駆動力を圧縮機本体に伝える伝達機構13とを備える。そして、圧縮機本体は、複数のボルトによってフロントヘッド12に固定され、伝達機構13は、ラジアルボールベアリング14を介して、フロントヘッド12に回転自在に支持されている。
ケース11は、一端開放の筒状体を呈し、フロントヘッド12は、このケース11の開放された部分を覆うように組み付けられている。また、フロントヘッド12には、蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート12aが形成され、この吸入ポート12aには、冷媒ガスGの逆流を防ぐ逆止弁12bが設けられている。一方、ケース11には、圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
ハウジング内に収容された圧縮機本体は、伝達機構13を介して供給された駆動力によって軸回りに回転する回転軸51と、この回転軸51と一体的に回転する円柱状のロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49aを有するとともに、両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外方に向けて突出可能にロータ50に埋設され、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49aに追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔で配置された5枚の板状のベーン58と、シリンダ40の両側開放端面の外側からそれぞれ開放端面を覆うように固定されたフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、および回転軸51の回転方向(図2において時計回りの矢印方向)に相前後する2つのベーン58,58によって画成された各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して吐出するように構成されている。
なお、ロータ50の両端面50a,50bからそれぞれ突出した回転軸51の部分のうち一方の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延び、この貫通部分がフロントヘッド12により軸支され、外方に延びた部分が伝達機構13に連結されている。同様に回転軸51の突出部分のうち他方の側は、リヤサイドブロック20の軸受部22により軸支されており、これらによって、回転軸51は、リヤサイドブロック20およびフロントサイドブロック30に対して回転自在とされている。
また、回転軸51のうち、フロントサイドブロック30の軸受部32よりも外側部分であってフロントヘッド12よりも内側の部分には、リップシール15が配置されて、冷凍機油Rが、回転軸51とフロントヘッド12との隙間からフロントヘッド12の外部に漏れるのを阻止している。
そして、フロントヘッド12による回転軸51の支持と、ボルトによるフロントヘッド12へのフロントサイドブロック30の固定と、両サイドブロック20,30の外周部がOリングによりケース11,フロントヘッド12の内周面に保持されることとによって、圧縮機本体はハウジング内の所定位置に保持されている。
また、圧縮機本体がケース11の内部に収容された状態で、リヤサイドブロック20とケース11とにより、圧縮機本体から高圧の冷媒ガスGが吐出される高圧雰囲気の吐出室21が形成され、一方、フロントサイドブロック30とフロントヘッド12とにより、圧縮機本体に低圧の冷媒ガスGを供給する低圧雰囲気の吸入室34が形成され、吐出室21は吐出ポート11aに連通し、吸入室34は吸入ポート12aに連通している。そして、吸入室34と吐出室21とは、前述したOリング等によって気密に隔絶されている。
また、リヤサイドブロック20には、冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するためのサイクロンブロック60が取り付けられており、このサイクロンブロック60は吐出室21内に配置されており、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間には、短円柱状の軸背圧空間66が形成されている。
吐出室21の下部には、このコンプレッサ100の摺動部等を潤滑、冷却、清浄するとともに、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに向けて突出させて、その先端を内周面49aに当接させた状態に付勢するように、ベーン58に背圧を作用させる冷凍機油Rが溜められている。
すなわち、ロータ50には、図2に示すように、スリット状のベーン溝56が放射状に、かつロータ50の回転中心回りに等角度間隔で5つ形成され、これらのベーン溝56に、前述のベーン58が挿入され、各ベーン58は、ロータ50の回転によって生じる遠心力と、ベーン溝56およびベーン58の底面によって画成された背圧室59(背圧空間の一部)に加えられる冷凍機油Rの油圧(背圧)とにより、シリンダ40の内周面49aに向けて突出し、このベーン58の突出した先端がシリンダ40の内周面49aに当接した状態に付勢され、回転軸51の回転に伴って、この先端は内周面49aに追従する。
これにより、シリンダ40と、ロータ50と、回転軸51の回転方向について相前後する2つのベーン58,58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とにより画成された各圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがって容積の変化を繰り返す。
また、フロントサイドブロック30には、吸入室34と圧縮室48とを連通させるフロント側吸入口31が開口しており、吸入ポート12aから吸入室34に導入された冷媒ガスGは、このフロント側吸入口31を介して圧縮室48に吸入される。
一方、シリンダ40の外周の一部には凹部が形成され、この凹部は、両サイドブロック20,30の各内側端面とケース11の内周面とによって囲まれた吐出チャンバ45を形成している。
そして、この吐出チャンバ45が形成されて薄肉化されたシリンダ40のうち、冷媒ガスGの圧縮行程に対応した圧縮室48に臨む部分に、圧縮室48内の冷媒ガスGを圧縮室48の外部、すなわち吐出チャンバ45に吐出させる吐出口42が設けられているとともに、圧縮室48の内部圧力に応じて吐出口42を開閉するリードバルブ43が配設されている。
リードバルブ43は板ばね状であって、圧縮室48の冷媒ガスGから吐出口42を通じて作用する圧力(詳細には、この圧力と吐出チャンバ45の内部の圧力(さらに、リードバルブ43を吐出口42に付勢している場合には、その付勢力に応じた初期負荷圧力も加算した圧力)との差)に応じて吐出チャンバ45の側に撓むように弾性変形し、この弾性変形によって、閉止していた吐出口42を開放する。
また、このリードバルブ43が、過大な撓みにより破損したり、大きな撓みの持続によって永久変形が生じるのを防止するために、リードバルブ43の変形量を規制するバルブサポート44が、リードバルブ43に重ね合わされて、シリンダ40に共締め固定されている。
そして、圧縮室48から吐出口42、リードバルブ43を通って吐出チャンバ45に吐出された高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20に形成された連通孔20a、およびリヤサイドブロック20に固定されたサイクロンブロック60のオイルセパレータ60aを経て、吐出室21に吐出される。
一方、サイクロンブロック60およびオイルセパレータ60aによって、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rは、吐出室21の底部に滴下し、前述したようにこの底部に溜められる。
ここで、ケース11のうち、吐出室21の内壁を形成する部分に、吐出室21の底部に溜められた冷凍機油Rの油面の上方に張り出して、冷凍機油Rが吐出された冷媒ガスGによって巻き上げられるのを抑制する庇状のリブ70(邪魔板)が形成されている。
そして、このリブ70の上面70aには、図3,4,5に示すように、この上面70aに流れ落ちた、または付着した冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70bまで導く8本の案内溝71(案内通路)が設けられている。なお、この案内溝71は、先端縁70bに向かって、低くなるように勾配が付けられている。
さらに、このコンプレッサ100には、回転軸51と軸受部22,32との間の潤滑、ロータ50の各端面と各サイドブロック20,30の内側端面との間の潤滑等する目的と、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに付勢すべく背圧空間(背圧室59、後述するサライ溝25および軸背圧空間66)に油圧(背圧)を供給等する目的とにより、吐出室21の下部に貯留した冷凍機油Rを各部位に導く構造を備えている。
すなわち、リヤサイドブロック20に、軸受部22に至る油路23が形成され、また、リヤサイドブロック20の内側端面26(ロータ50の端面50aに向いた面)には、軸受部22における油路23の開口から、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を通って、ロータ50の背圧室59に連通する凹部であるサライ溝25が形成されている。
また、軸受部22まで延びた油路23は、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を介して、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間に形成された空間である軸背圧空間66にも連通し、この軸背圧空間66は背圧連通路28を介してサライ溝25に、圧力損失なく連通している。
これにより、背圧室59、サライ溝25、背圧連通路28および軸背圧空間66は、略同一の圧力Pvとなり、ベーン58の背圧空間を構成している。
この背圧空間に作用する圧力Pvは、具体的には、低圧雰囲気の吸入室34の圧力Psよりも高い圧力であって、軸受部22と回転軸51の周面部分との間の微小隙間(絞り)を通過した分だけ、高圧雰囲気の吐出室21の圧力Pdよりも低い中間圧(Ps<Pv<Pd)となる。
サライ溝25は、軸受部22の中心回りの所定角度範囲に亘って、略扇形状の輪郭(図2において破線で示す)を有する凹部であり、上述した微小隙間を通過して中間圧Pvまで低下した冷凍機油Rが溜められる。
そして、ロータ50の回転に伴って、ロータ50の端面50aに露呈しているベーン溝56の背圧室59がリヤサイドブロック20のサライ溝25を通過している間だけ、ベーン溝56の背圧空間59とサライ溝25とが連通して、ベーン溝56の背圧空間59にサライ溝25の中間圧Pvの冷凍機油Rが供給され、ベーン58はこの供給された冷凍機油Rの中間圧Pvを受けて、シリンダ40の内周面49aに向かって突出する。
また、シリンダ40の底部側には、リヤサイドブロック20の油路23に接続する貫通孔46が設けられ、フロントサイドブロック30に、この貫通孔46のフロントサイドブロック30側の開口と軸受部32とを連通させる油路33が形成され、冷凍機油Rは、軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過して中間圧Pvまで降圧され、フロントサイドブロック30の内側端面に形成された凹部であるサライ溝35等に導かれる。
なお、フロントサイドブロック30のサライ溝35も、リヤサイドブロック20のサライ溝25と同様、ロータ50の背圧室59に連通している。
サライ溝25,35に供給された冷凍機油Rは、ロータ50のベーン溝58の背圧室59が連通したときに、この背圧室59にベーン58の突出力を作用させるが、背圧室59が連通しない角度範囲も含めて、ロータ50の端面50a,50bと各サイドブロック20,30の端面26,36との間などにそれぞれ浸透して、これらの端面50a,26間、端面50b,36間や、サイドブロック20,30の端面26,36とベーン58の側面との間、ベーン58の先端とシリンダ40の内周面49aとの間など、摺動部分における摺動摩擦力を低減させている。
そして、各摺動部分に浸透した冷凍機油Rは、圧縮室48内の冷媒ガスGに混入し、冷媒ガスGとともに圧縮室48から吐出され、サイクロンブロック60を介して吐出室21に吐出される。
冷媒ガスGがサイクロンブロック60を通過する間に、この冷媒ガスGに混入していた冷凍機油Rの一部は冷媒ガスGから分離され、冷媒ガスGは吐出室21に吐出され、一方、分離された冷凍機油Rは吐出室21の下部に滴下して溜められるが、冷凍機油Rは、上述したようにコンプレッサ100の内部で必要とされるため、コンプレッサ100の外部のシステム(蒸発器等)に過度に流出しないように、上述した庇状のリブ70が冷凍機油Rの油面を覆うように形成されて、冷凍機油Rが、冷媒ガスGの気流に直接晒されて、この冷媒ガスGの気流によって吐出ポートに巻き上げられるのを抑制している。
ここで、吐出室21には、細かい粒子となって浮遊している冷凍機油Rもあり、このような細かい粒子の冷凍機油Rが吐出室21の内壁面に付着すると、やがて凝集して大きな油滴となり、重力によって下方に流れ落ち、底部に溜まっている冷凍機油Rに合流する。
このとき、内壁面に沿って流れ落ちた冷凍機油Rは、上述した庇状に形成されたリブ70の上面70aに到達する。
ここで、従来の気体圧縮機であれば、冷凍機油Rは、吐出室21の内壁面よりも傾斜が緩やかなリブ70の上面70aに滞留し易い状態となる。同様に、リブ70の上面70aには、冷凍機油Rの細かい粒子も付着し、この粒子は凝集していないため、油滴よりもさらに滞留し易い状態となっている。
そして、リブ70の上面70aは、吐出室21に吐出した冷媒ガスGの気流に直接晒されるため、リブ70の上面70aに滞留している冷凍機油Rは冷媒ガスGの気流によって巻き上げられ易く、冷凍機油Rが気流によって吐出ポート11aまで巻き上げられると、冷凍機油Rは冷媒ガスGとともにコンプレッサ100の外部に流出して、気体圧縮機内部の潤滑等に必要な量を確保できない虞がある。
これに対して、本第一実施形態のコンプレッサ100は、リブ70の上面70aに、冷凍機油Rをリブ70の先端縁70bまで導く8本の案内溝71が設けられており、しかも、各案内溝71は、先端縁70bに向かうにしたがって低くなるように勾配が付けられている。
リブ70の上面70aに付着等して滞留した冷凍機油Rであっても、吐出室21内の冷媒ガスGの気流によって、その上面70a上をある程度は動く。そして、その動いた冷凍機油Rが、この上面70aに設けられた案内溝71に到達すると、凝集が促進されて流れ易い状態となり、案内溝71を流れ始めると、流れ始めた冷凍機油Rを、この案内溝71が延びているリブ70の先端縁70bまで導き、リブ70の先端縁70bに導かれた冷凍機油Rは、この先端縁70bから下方の油溜まりに滴下する。
このように、第一実施形態のコンプレッサ100によれば、上面70aに案内溝71が設けられていることにより、冷凍機油Rの凝集を促進することができ、この結果、冷媒ガスGの気流によって冷凍機油Rが上方に巻き上げられる前に、下方の冷凍機油溜まりに滴下するのを促進することができる。
また、冷凍機油Rは、案内溝71に流れ込むことによって、冷凍機油Rの単位体積当たりの、冷媒ガスGの気流に晒される表面積を小さくすることができ、この結果、冷媒ガスGの気流に晒された冷凍機油Rの表層部分からの気流による巻上げを、抑制することができる。
なお、上述した第一実施形態の気体圧縮機は、ベーンロータリ形式の気体圧縮機であるが、本発明に係る気体圧縮機は、第一実施形態のベーンロータリ形式のものに限定されるものではなく、他の形式の気体圧縮機、例えば、斜板往復動形式やスクロール形式の気体圧縮機にも適用することができる。
図1〜5に示した第一実施形態のコンプレッサ100は、邪魔板であるリブ70自体に、案内通路としての案内溝71が形成された構成であるが、本発明の気体圧縮機は、この形態に限定されるものではない。
(第二実施形態)
図6は、本発明に係る気体圧縮機の第二実施形態であるコンプレッサ(100)のうち、邪魔板としてのリブが形成されたケース11のみを抽出した、図1相当の縦断面図、図7は図6におけるB−B線に沿った断面を示す図、図8は図7における矢視Cによる外観を示す図である。なお、図6は図7におけるD−D線に沿った断面図に相当する。
ここで、第二実施形態のコンプレッサ(100)は、ケース11を除いた他の構成が第一実施形態のコンプレッサ100と同一であり、同一の構成部分についての説明は省略する。
図示のコンプレッサ100は、リブ70自体に、案内通路としての案内溝71が形成されたものではなく、リブ70の上面70aを覆う樹脂製の覆い板72を備え、この覆い板72に、リブ70の上面70aに流れ落ちる冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70b(実際には、リブ70の先端縁70bよりもさらに先の、覆い板72の先端縁72b)まで導く7本の案内通路73が形成されている。
この覆い板72は、図6の断面図に示すように、リブ70を上下から挟持することにより、ケース11に備えられている。
また、案内通路73は、覆い板72の天面72aにおける開口72cの幅d2が、案内通路73の最大幅d1よりも狭く形成されている。
さらに、この覆い板72の天面72aは、底側の面よりも外方に張り出した周縁部72dを有し、この周縁部72dの下方には、リブ70の上面70aとの間に隙間71bが確保され、この隙間71bも案内通路73と同様の機能を発揮する。
このように構成された第二実施形態に係るコンプレッサ100によれば、リブ70の上面70a側に、案内通路73が設けられていることにより、冷凍機油Rの凝集を促進することができ、この結果、冷媒ガスGの気流によって冷凍機油Rが上方に巻き上げられる前に、下方の冷凍機油溜まりに滴下するのを促進することができる。
また、冷凍機油Rは、案内通路73に流れ込むことによって、冷凍機油Rの単位体積当たりの、冷媒ガスGの気流に晒される表面積(開口72cの幅d2に対応した面積)を小さくすることができ、この結果、冷媒ガスGの気流に晒された冷凍機油Rの表層部分からの気流による巻上げを、抑制することができる。
なお、周縁部72dに覆われた隙間71bも、上記案内通路73と同様に、冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70bまで導くことができる。
また、案内通路73は樹脂製の覆い板72によって形成されており、この覆い板72は、リブ70に対して着脱自在であるため、鋳物であるケース11(のリブ70)に機械加工あるいは鋳型で案内溝71を形成した構成(第一実施形態)よりも、簡便に案内通路73(案内溝)を形成することができるとともに、案内溝71あるいは案内通路73が無い既存のコンプレッサに対しても、後付けで、案内通路73を設けることができ、製造行程や整備担当部門または修理担当部門において、柔軟に対応(覆い板72の取付け)することができる。
なお、上述した第二実施形態の気体圧縮機は、ベーンロータリ形式の気体圧縮機であるが、本発明に係る気体圧縮機は、第二実施形態のベーンロータリ形式のものに限定されるものではなく、他の形式の気体圧縮機、例えば、斜板往復動形式やスクロール形式の気体圧縮機にも適用することができる。
(第三実施形態)
図9は、本発明に係る気体圧縮機の第三実施形態であるコンプレッサ(100)のうち、邪魔板としてのリブが形成されたケース11のみを抽出した、図1相当の縦断面図、図10は図9におけるB−B線に沿った断面を示す図、図11は図10における矢視Cによる外観を示す図である。なお、図9は図10におけるD−D線に沿った断面図に相当する。
ここで、第三実施形態のコンプレッサ(100)は、ケース11を除いた他の構成が第一実施形態および第二実施形態のコンプレッサ100と同一であり、同一の構成部分についての説明は省略する。
図示のコンプレッサ100は、リブ70自体に、案内通路としての案内溝71が形成されたものではなく、第二実施形態のコンプレッサ100と同様に、リブ70の上面70aを覆う樹脂製の覆い板74を備え、この覆い板74に、リブ70の上面70aに流れ落ちる冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70b(実際には、リブ70の先端縁70bよりもさらに先の、覆い板74の先端縁74b)まで導く7本の案内通路75が形成されている。
この覆い板74は、図10の断面図に示すように、リブ70を上下から挟持することにより、ケース11に備えられている。
また、案内通路75は、覆い板74の天面74aよりも下方に形成されている。
さらに、この覆い板74の天面74aは、底側の面よりも外方に張り出した周縁部74dを有し、この周縁部74dの下方には、リブ70の上面70aとの間に隙間71bが確保され、この隙間71bも案内通路75と同様の機能を発揮する。
このように構成された第三実施形態に係るコンプレッサ100によれば、リブ70の上面70a側に、案内通路75が設けられていることにより、冷凍機油Rの凝集を促進することができ、この結果、冷媒ガスGの気流によって冷凍機油Rが上方に巻き上げられる前に、下方の冷凍機油溜まりに滴下するのを促進することができる。
また、冷凍機油Rは、案内通路75に流れ込むことによって、冷媒ガスGの気流に晒されることがなく、この結果、冷媒ガスGの気流による巻上げを防止、抑制することができる。
なお、周縁部74dに覆われた隙間71bも、上記案内通路75と同様に、冷凍機油Rを、リブ70の先端縁70bまで導くことができる。
また、案内通路75は樹脂製の覆い板74によって形成されており、この覆い板74は、リブ70に対して着脱自在であるため、鋳物であるケース11(のリブ70)に機械加工あるいは鋳型で案内溝71を形成した構成(第一実施形態)よりも、簡便に案内通路75(案内溝)を形成することができるとともに、案内溝71あるいは案内通路73,75が無い既存のコンプレッサに対しても、後付けで、案内通路75を設けることができ、製造行程や整備事業所または修理事業所において、柔軟に対応(覆い板74の取付け)することができる。
なお、上述した第三実施形態の気体圧縮機は、ベーンロータリ形式の気体圧縮機であるが、本発明に係る気体圧縮機は、第三実施形態のベーンロータリ形式のものに限定されるものではなく、他の形式の気体圧縮機、例えば、斜板往復動形式やスクロール形式の気体圧縮機にも適用することができる。
本発明に係る気体圧縮機の第一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った面による断面図である。 図1におけるB−B線に沿った面による断面図である。 図3における矢視Cによる外観を示す図である。 図3におけるD−D線に沿った断面を示す図である。 本発明に係る気体圧縮機の第二実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサのケース部分のみを示す、図1相当の縦断面図である(図7におけるD−D線に沿った面による断面図にも相当)。 図6におけるB−B線に沿った面による断面図である。 図6における矢視Cによる外観を示す図である。 本発明に係る気体圧縮機の第三実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサのケース部分のみを示す、図1相当の縦断面図である(図10におけるD−D線に沿った面による断面図にも相当)。 図9におけるB−B線に沿った面による断面図である。 図9における矢視Cによる外観を示す図である。
符号の説明
11 ケース(ハウジング)
12 フロントヘッド(ハウジング)
21 吐出室
50 ロータ(圧縮機本体)
51 回転軸(圧縮機本体)
70 リブ(邪魔板)
70a 上面
70b 先端縁
71 案内溝(案内通路)
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス
R 冷凍機油

Claims (5)

  1. 内部に導入された気体を圧縮して吐出させる、回転軸周りに回転する回転体を有する圧縮機本体をハウジングの内部に備え、前記ハウジングのうち、前記圧縮機本体から吐出された気体を通過させる吐出室の内壁を形成する部分に、前記吐出室の底部に溜められた潤滑油の油面の上方に張り出して、潤滑油の巻上げを抑制する庇状の邪魔板が設けられた気体圧縮機において、
    前記邪魔板の上面側に、該上面に流れ落ちる前記潤滑油を、該邪魔板の先端縁まで導く案内通路が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記邪魔板の上面を覆う樹脂製の覆い板を備え、該覆い板に、前記案内通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記覆い板は、前記邪魔板を挟持することにより、前記ハウジングに備えられていることを特徴とする請求項2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記案内通路の、前記覆い板の天面における開口幅が、該案内通路の最大幅よりも狭いことを特徴とする請求項2または3に記載の気体圧縮機。
  5. 前記案内通路は、前記覆い板の天面よりも下方に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の気体圧縮機。

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