JP4773662B2 - 診断・治療用粒子 - Google Patents

診断・治療用粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP4773662B2
JP4773662B2 JP2001545848A JP2001545848A JP4773662B2 JP 4773662 B2 JP4773662 B2 JP 4773662B2 JP 2001545848 A JP2001545848 A JP 2001545848A JP 2001545848 A JP2001545848 A JP 2001545848A JP 4773662 B2 JP4773662 B2 JP 4773662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
plasticizer
group
analyte
photoactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001545848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003517608A5 (ja
JP2003517608A (ja
Inventor
シャーラート・シン
ジョン・エス・ピーズ
ジャクリーン・サーダーキアン
ダニエル・ビー・ワグナー
エドウィン・エフ・ウルマン
Original Assignee
シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・プロダクツ・ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・プロダクツ・ゲーエムベーハー filed Critical シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・プロダクツ・ゲーエムベーハー
Publication of JP2003517608A publication Critical patent/JP2003517608A/ja
Publication of JP2003517608A5 publication Critical patent/JP2003517608A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4773662B2 publication Critical patent/JP4773662B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/585Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with a particulate label, e.g. coloured latex
    • G01N33/587Nanoparticles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/10Composition for standardization, calibration, simulation, stabilization, preparation or preservation; processes of use in preparation for chemical testing

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、アナライトのアッセイにおける使用、治療的使用および色素としての使用のための粒子に関する。粒子は上述の用途にさらに適切になるような光学的および表面的性質を有する。
【0002】
【発明の背景】
臨床診断の分野は近年、容易にかつ正確に測定できる興味ある様々な物質ならびに測定方法の両者に関して広範囲に拡大してきた。液体中に低濃度で存在する物質を検出するための便利な、信頼できる、そして面倒のない手段が望ましい。臨床化学においては、これらの物質は体液中に10〜12モル未満の濃度で存在する。低濃度のこれらの物質を検出することの難しさは、使用できるサンプルサイズが比較的小さいことによって増大する。
【0003】
血液および他の体液中の多くのアナライトを測定する必要が多くの医学分野で明らかに増大してきた。内分泌学においては、多くの異なるホルモンの血漿濃後に関する知識が診断の問題またはある診断のためのマーカーのパネルを解決するために要求されることが多い。この場合、それらの比が疾患の進行の決定を補助する。さらに緊急な必要性があるのは、他の領域たとえばアレルギー試験、ウイルスの汚染および遺伝的診断に関する輸液用血液のスクリーニングであることは明らかである。
【0004】
他のアッセイたとえば核酸ハイブリダイゼーションアッセイには、時間がかかる分離および移送工程のない単一試験管内での特異的標的および陽性対照配列の検出および定量の必要性がある。原理的に、内部対照は標準曲線の必要性を消失させる。試験管を開封することなく単一の試験管内での増幅および検出も汚染の問題を克服する。突然変異分析では、単一の試験管内で2または3種以上の変異体を測定する能力は突然変異体集団の出現の定量的モニターを可能にする。
【0005】
大部分の多重分析は不均一性で、貧弱な感度および貧弱な動態学的範囲(アナライトの2〜100倍の濃度差が測定される)を示し、高度に複雑な器具の使用が要求される場合もある。高い感度、大きな動態学的範囲(アナライト濃度の103〜104倍の差)ならびにより少なくより安定な試薬を有する均一系アッセイでは、多重分析アッセイの単純性および信頼性の上昇が考えられる。
【0006】
ルミネセンス化合物たとえば蛍光化合物および化学ルミネセンス化合物は、それらの光を発光する能力により、アッセイ領域における広い適用が見出される。この理由により、ルミネッサーは核酸アッセイおよびイムノアッセイのようなアッセイにおいて標識として利用されてきた。たとえば、特異的結合ペアがルミネッサーに接合され、様々なプロトコールが用いられている。ルミネッサー接合体は、アナライトの含有が疑われるサンプル中のアナライトの量に比例して固相と液相の間に分配させることができる。いずれかの相のルミネセンスを測定することによって、観察されたルミネセンスのレベルをサンプル中のアナライトの濃度に関連づけることができる。
【0007】
リポソームおよび赤血球ゴーストのような粒子は水溶性物質を封入する担体として利用されてきた。たとえばリポソームは様々な用途のための生物活性物質を封入し、たとえば医薬をリポソームの製造時に捕獲させ、ついで処置すべき患者に投与する薬物送達システムとして使用されている。
【0008】
ラテックスビーズおよびリポソームのような粒子もアッセイに利用されてきた。たとえば、均一系アッセイにおいては、酵素が抗体または抗原で標識されたリポソームの水相に捕獲されている。リポソームはサンプルおよび補体の存在下に酵素の放出を起こす。水相小胞内に封入された水溶性蛍光もしくは非蛍光染料または脂質の脂質二重層内に溶解された脂溶性染料を有する抗体または抗原標識リポソームはまた、表面に結合した抗体または抗原と免疫化学的反応を行うことができるアナライトのアッセイに利用されている。リポソームの水相から染料を放出させるためには界面活性剤が使用されている。
【0009】
染色されたラテックス粒子は以前、イムノアッセイのみならず、光力学的療法のような他の別の用途や色素としても使用されていた。吸収性染料および蛍光または化学ルミネセンス性を付与する染料の両者がこれらの粒子内に導入される。しばしば、ラテックスはそれらの粒子を少なくとも部分的に有機性の溶媒である溶媒中に分散させることにより染色される。有機溶媒は粒子の膨潤を引き起こし、増大された濃度の染料の導入を可能にするものと考えられる。染色された粒子の光学的性質は一方、粒子内に多くの染料が導入されるほど上昇することが期待されるが、これはこの場合必ずしも真実ではない。本発明者らは、蛍光染料の濃度の上昇は自己消光を促進する傾向があり、吸収性染料の高い濃度は完全に分散された状態とは異なる光学的性質を有する基底状態のマルチマーを導く可能性があることを観察した。化学ルミネセンスオレフィンおよびエネルギーアクセプターは低濃度でも、一重項酸素との反応でラテックス粒子中に産生されるジオキセタンの減衰速度は非線形であることを本発明者らは見出したのである。この観察はポリスチレンフィルム内における励起状態の溶質の以前に報告された多相減衰と一致した。
【0010】
関連技術の簡単な説明
米国特許5,340,716(Ullmanら)は光活性化化学ルミネセント標識を利用する方法を記載している。
光活性化が可能な化学ルミネセンスマトリックスは米国特許5,709,994(Peaseら)に記載されている。
米国特許5,194,300(Cheung 1)には蛍光ミクロスフェアの作成方法が論じられている。
米国特許5,132,242(Cheung 2)には蛍光ミクロスフェアおよびそれらの使用方法が論じられている。
米国特許4,837,168(de Jaeger)には着色可能なラテックス粒子を用いるイムノアッセイが開示されている。
【0011】
米国特許4,699,826(Schwartzら)には蛍光によって標識されたミクロビーズが論じられている。
Madisonらによれば、取り込みおよび逆行性輸送を介して選択的にニューロン亜集団に標的化されたラテックスナノスフェア送達システム(LNDS)、蛍光染料の新規なナノメーターサイズの担体、ならびに活性物質が記載されている(Brain Research, 1990, 552: 90-98)。
米国特許3,996,056(Muller)には、スフェア粒子のポリスチレン色素およびジアゾタイプ成分のマトリックスから形成されたジアゾタイプの再生層が論じられている。
【0012】
米国特許3,755,238(Wiita)には可塑剤が加えられたビニル樹脂ラッテックスおよび微粉化ポリオレフィン粒子を含有する高グロス低ブロックコーティング組成物が開示されている。
O'Connellらは抗体でコーティングされたチューブおよびリポソームに捕獲された染料を包含する高感度イムノアッセイシステムを記載している(Clin. Chem. 1985, 31(9): 1424-1426)。
米国特許5,618,732(Peaseら,1)には光活性化可能な化学ルミネセンスマトリックスによる検量方法が論じられている。
米国特許5,489,537(Van Aken)にはコロイド状染料を使用する凝集アッセイおよびキットが開示されている。
【0013】
米国特許5,284,752(Sutton 1)にはポリマーラテックス組成物および水不溶性生物試薬の製造方法が論じられている。
米国特許5,234,841(Sutton 2)にはポリマーラテックス組成物および水不溶性生物試薬の製造方法が開示されている。
米国特許5,157,084(Leeら)には、中空ポリマーラテックス粒子の作成方法が論じられている。
米国特許5,053,443(Sutton 3)には、ポリマーラテックス組成物および水不溶性生物試薬の製造方法が開示されている。
米国特許4,891,324(Pease)にはアッセイのためのルミネッサーを有する粒子が開示されている。
【0014】
米国特許4,801,504(Burdickら)には、ポリマー粒子に結合したポリサッカライドを有する蛍光標識が論じられている。
米国特許4,784,912(Schaefferら)には安定化された蛍光希土類標識を導入したラテックス粒子が論じられている。
米国特許4,650,770(Liuら)には発光競合的タンパク質結合アッセイにおいて消光するエネルギー吸収性粒子が開示されている。
米国特許4,483,929(Szoka)には糖脂質連結抗体を有するリポソームが論じられている。
米国特許4,388,296(Hart)にはエネルギー・発光ラテックス微粒子が開示されている。
【0015】
米国特許4,318,707(Litmanら)には特異的受容体アッセイにおける巨大分子蛍光クエンチャー粒子が論じられている。
米国特許4,264,766(Fischer)には免疫学的診断試薬が開示されている。
分析試薬、エレメントおよび方法におけるラテックス粒子が、欧州特許出願0 360 452 A2(Warshawskyら)に論じられている。
診断試験のための水性懸濁液について、欧州特許出願0 369 515 A1(Brouwer)に論じられている。
米国特許5,573,909(Singerら)には、制御可能なストークシフトを有するミクロ粒子を使用する蛍光標識が開示されている。
【0016】
親水性ラテックス粒子およびその使用について、Betzらの米国特許4,415,700に論じられている。
米国特許4,487,855(Shihら)には着色ラテックスおよびその作成方法ならびに着色微粉末生成物が論じられている。
米国特許4,419,453(Dormanら)には、染色または着色ラテックスを用いる免疫学的凝集アッセイおよびキットが開示されている。
米国特許4,745,075(Hadfieldら)には診断試験方法が論じられている。
免疫学的診断試薬の製法が米国特許4,181,636(Fischer)に論じられている。
米国特許5,716,855(Lernerら)には、少なくとも2種の蛍光色素を含有する蛍光ラテックス、その製造方法、およびその応用が開示されている。
【0017】
【発明の概要】
本発明の一態様は、光活性化合物を溶解して有するポリマーマトリックスからなる発光組成物である。この組成物は、光活性化合物の活性化後、組成物からの発光強度の低下速度は上記強度が20倍に低下する(20-fold decrease)までは常に発光の強度に比例するという特徴を有する。一実施態様においては、ポリマーマトリックスは直径約20nm〜約100μmの粒子からなる。
【0018】
本発明の他の態様は、直径約20〜約100μmの粒子からなる発光組成物である。これらの粒子は(a)約1〜約20重量%のドーパントおよび(b)光活性化合物が溶解されたポリマーマトリックスからなる。発光組成物は、光活性化合物の活性化が停止したのち、ポリマーマトリックスからの発光強度の低下速度は強度が20倍に低下するまでは常に発光強度に比例するという特徴を有する。

【0019】
本発明の他の態様はアナライトを測定する方法である。(1)アナライトの含有が疑われるメジウム、(2)アナライトに結合できるか、またはアナライトの存在下に関連する複合体を形成する第二のsbpメンバーに結合できる第一の特異的結合ペア(sbp)メンバーからなる組み合わせであって、少なくとも1種の上記sbpメンバーが約1〜約20重量%のドーパントおよび光活性物質が均一に分散された直径約20 nm〜約100μmのポリマー粒子に結合している組み合わせが提供される。光活性物質は活性化され、上記組み合わせの光学的性質に対する活性化の影響が測定される。この影響の大きさはメジウム中のアナライトの量に比例する。
【0020】
本発明の範囲にはアッセイに使用されるキットも包含される。そのキットは、アッセイを実施するための試薬のパッケージされた組み合わせからなる。試薬は約1〜約20重量%のドーパントおよび光活性物質が導入されている直径約20nm〜約100μmのポリマー粒子に結合している特異的結合ペア少なくとも1種からなる。
【0021】
添付図面の説明
図1は、本発明による粒子および従来技術における粒子についてシグナル強度対時間のプロットを示すグラフである。
図2は、図1のグラフの対数プロットである。
図3は、本発明の他の実施態様による粒子および従来技術における粒子についてシグナル強度対時間のプロットを示すグラフである。
図4は、図3のグラフの対数プロットである。
図5は、本発明による粒子および従来技術の粒子についての熱安定性試験におけるシグナル強度対時間のプロットを示すグラフである。
【0022】
図6は、図5のグラフの対数プロットである。
図7は、本発明の他の実施態様による粒子についてのシグナル強度対時間のプロットを示すグラフである。
図8は、本発明による粒子および従来技術の粒子についての2つの異なる温度での化学ルミネセンス減衰試験におけるシグナル強度対時間のプロットを示すグラフである。
図9は、図8のグラフの対数プロットである。
図10は、本発明による粒子および従来技術の粒子を用いるHbsAgのアッセイの結果を示すグラフである。
図11は、図10に関するアッセイからの問題のサンプル6個について、本発明による粒子を従来技術の粒子と比較した結果を示すグラフである。
図12は、本発明による粒子および従来技術の粒子を用いるTSHのアッセイの結果を示すグラフである。
【0023】
特定の実施態様の説明
本発明者らは、ポリスチレンラテックス粒子に導入された染料が、同じく粒子中にドーパントも導入すると、非粘性有機溶媒中のそれらの溶液により類似した挙動を示すことを見出した。ドーパントの導入は、イムノアッセイのためだけでなく、他のタイプのアッセイおよびこれら粒子の他の用途においても多くの重要な利点を提供する。化学ルミネセンス粒子に関し、本発明者らは今回、発光減衰速度(decay rate)が事実上完全な一次速度則に従うことを見出した。これは高い初期光強度を提供し、これがバックグランド比に対して高いシグナルに翻訳され、検出能力を改善する。これにまた互いに異なる減衰速度を有するシグナルを逆重畳することを可能にする。
【0024】
本発明の粒子はアミノデキストランでより効率的にコーティングされる。すなわち、本発明の粒子は既知粒子の場合の4±1%に比べて10±2%のアミノデキストランを取り込む。粒子のアミノデキストランによる良好な表面被覆は粒子の等方性表面を導き、これがひいては良好なアッセイ結果を導くことになる。
【0025】
本発明の組成物は、たとえば一重項酸素と成分の反応、化学ルミネセンス減衰または蛍光減衰および濃度効果において、溶液様の化学的挙動を提供する。
増感剤粒子中へのドーパントの導入も改善を提供する。増感剤粒子の照射に対する一重項酸素の形成速度は粒子中の増感剤の量とともに線状には上昇しない。その速度はプラトーに達することがなく、十分の増感剤を添加すると一重項酸素の形成は実際に低下する。特定の機構に限定するわけではないが、この一つの理由は粒子中の増感剤たとえばジ−(トリ−n−ヘキシルシリル)−t−ブチルシリコンフタロシアニンおよびジ−(トリ−n−ヘキシルシリル)−シリコンフタロシアニンの自己消光またはスタッキングであろうと考えられる。可塑剤の添加が染料のスタッキングまたは自己消光を防止し、したがって一重項酸素の産生が増大するものと考えられる。粒子中にドーパントを包含させた場合には、このプラトーに達する前により多くの増感剤を粒子に導入することができる。
【0026】
アッセイ中における一重項酸素産生の増加の利点は、同じ量の一重項酸素を産生させるために低い光強度および同じ強度の化学ルミネセンスを使用できることである。これは望ましくないソースからの化学ルミネセンスのバックグランドを低下させ、また装置の経費を低下させる。別法として、光強度を不変のままにし、一重項酸素の産生速度の増加をアッセイの感度の上昇に使用することができる。
【0027】
粒子あたりの一重項酸素産生の効率における上昇はまた、光力学療法への応用に改善を提供する。疾患組織に結合する各粒子のためにより多くの一重項酸素を送達することができるか、さらに/または障害性の低いレーザー力を使用できる。
本発明の特異的な実施態様の説明をさらに進める前に、以下、多くの用語について定義し、詳細に説明する。
成分−興味ある成分;検出すべき化合物または組成物。成分はアナライト、参照化合物、対照化合物、カリブレーター等でもよい。
【0028】
アナライト−検出またはその濃度が決定される物質であり、多くの場合、特異的結合ペア(sbp)のメンバーである。それは1価(モノエピトープ)または多価(ポリエピトープ)のリガンドであってもよく、通常、抗原またはハプテンであり、少なくとも1個の共通のエピトープまたは決定基を共有する単一の化合物または複数個の化合物である。アナライトは細胞たとえば細菌またはA、B、D等のような血液型抗原もしくはHLA抗原を有する細胞の部分とすることが可能であり、またアナライトは微生物たとえば細菌、真菌、原生動物またはウイルスであってもよい。sbpメンバーではない場合、アナライトは酵素、酵素基質または光を吸収する固有の能力もしくは光を吸収する能力を有する物質の濃度を変化させる能力により検出できる、通常臨床的に重要な任意の他の物質、たとえばクレアチン、コレステロール、尿素、アルカリホスファターゼ、カリウム、トリグリセライド等である。
【0029】
多価リガンドアナライトは通常、ポリ(アミノ酸)すなわちポリペプチドおよびタンパク質、ポリサッカライド、核酸、およびそれらの組み合わせである。このような組み合わせには、細菌、ウイルス、染色体、遺伝子、ミトコンドリア、核、細胞膜等が包含される。
大抵の場合、本発明が適用できるポリエピトープリガンドアナライトは、少なくとも約5,000、さらに通常には少なくとも約10,000の分子量を有する。ポリ(アミノ酸)の範疇では、興味あるポリ(アミノ酸)は一般に約5,000〜5,000,000の分子量、さらに通常には約20,000〜1,000,000の分子量を有し、とくに興味のあるホルモンでは、分子量は通常約5,000〜60,000分子量の範囲である。
【0030】
広範囲のタンパク質が、類似の構造的特徴を有するタンパク質、特定の生物学的機能を有するタンパク質、特定の微生物とくも疾患の原因となる微生物等に関連するタンパク質のファミリーとして考えられる。このようなタンパク質には、たとえば免疫グロブリン、サイトカイン、酵素、ホルモン、癌抗原、栄養マーカー、組織特異的抗原等が包含される。このようなタンパク質には、限定ではなく例示として、プロタミン、ヒストン、アルブミン、グロブリン、スクレオプロテイン、ホスホプロテイン、ムコプロテイン、クロモプロテイン、リポプロテイン、ヌクレオプロテイン、グリコプロテイン、T−細胞受容体、プロテオグリカン、HLA, 分類されないタンパク質たとえばソマトトロピン、プロラクチン、インスリン、ペプシン、ヒト血漿中に見出されるタンパク質、血液凝固因子、タンパク質ホルモンたとえば卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモン、ルテオトロピン、プロラクチン、絨毛性ゴナドトロピン、組織ホルモン、サイトカイン、癌抗原たとえばPSA、CEA、a−フェトプロテイン、酸ホスファターゼ、CA 19.9およびCA 125、組織特異的抗原たとえばアルカリホスファターゼ、ミオグロビン、CPK−MBおよびカルシトニン、ならびにペプチドホルモンが含まれる。興味がある他のポリマー物質にはムコポリサッカライドおよびポリサッカライドがある。
【0031】
モノエピトープリガンドアナライトは一般的に約100〜2,000の分子量、さらに通常は約125〜1,000の分子量を有する。アナライトには、薬物、代謝物、有害生物殺滅剤、汚染物質等が包含される。興味ある薬物にはとくにアルカロイドが含まれる。アルカロイドにはとくにモルフィンアルカロイド(モルフィン、コデイン、ヘロイン、デキストロメトロファン、それらの誘導体および代謝物);コカインアルカロイド(コカインおよびベンジルエクゴニン、それらの誘導体および代謝物);エルゴットアルカロイド(リゼルギン酸のジエチルアミド);ステロイドアルカロイド;イミナゾイルアルカロイド;キナゾリンアルカロイド;イソキノリンアルカロイド(キニンおよびキニジン);ジテルペンアルカロイド、それらの誘導体および代謝物が包含される。
【0032】
薬物の次のグループにはステロイドがあり、これにはエストロジェン、アンドロゲン、アンドレオ皮質ステロイド、胆汁酸、強心グリコシドおよびアグリコンが包含され、それにはジゴキシンおよびジゴキシゲニン、サポニンおよびサポゲニン、それらの誘導体および代謝物が包含される。また、ステロイド模倣物質たとえばジエチルスチルベストロールが包含される。
【0033】
薬物の次のグループは5または6員環のラクタムであり、バルビツレートたとえばフェノバルビタールおよびセコバルビタール、ジフェニルヒダントイン、プリミドン、エトスキシミド、およびそれらの代謝物が包含される。
薬物の次のグループは、2または3個の炭素原子のアルキル基を有するアミノアルキルベンゼンであり、アンフェタミン;カテコールアミンたとえばエフェドリン、L−ドーパ、エピネフリン;ナルセイン;パパベリン;および上記薬物の代謝物が包含される。
【0034】
薬物の次のグループは、ベンズヘテロ環であり、オキサゼパム、クロロプロマジン、テグレトール、それらの誘導体および代謝物が包含され、そのヘテロ環はアゼピン、ジアゼピンおよびフェノチアジンである。
薬物の次のグループはプリンであり、テオフィリン、カフェイン、それらの代謝物および誘導体が包含される。
薬物の次のグループはマリハナから誘導される薬物であり、カンナビノールおよびテトラヒドロカンナビノールが包含される。
【0035】
薬物の次のグループは、ホルモンたとえばサイロキシン、コルチゾール、トリヨードサイロニン、テストステロン、エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、ポリペプチドたとえばアンギオテンシン、LHRH、および免疫抑制剤たとえばシクロスポリン、FK 506、マイコフェノール酸等である。
薬物の次のグループには、ビタミンたとえばA、BたとえばB12、C、D、EおよびK、葉酸、チアミンが包含される。
薬物の次のグループはプロスタグランジンであり、それらはヒドロキシル化および不飽和の程度および部位によって相違する。
【0036】
薬物の次のグループは三環性抗うつ剤であり、イミプラミン、デスメチルイミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、ドキセピンおよびデスメチルドキセピンが包含される。
薬物の次のグループは抗新生物剤であり、メトトレキセートが包含される。
薬物の次のグループは抗生物質であり、ペニシリン、クロロマイセチン、アクチノマイセリン、テトラサイクリン、テラマイシン、それらの代謝物および誘導体が包含される。
【0037】
薬物の次のグループはヌクレオシドおよびヌクレオチドであり、適当な糖およびホスフェート置換基を有するATP、NAD、FMN、アデノシン、グアノシン、チミジン、およびシチジンが包含される。
薬物の次のグループはその他の個々の薬物であり、メサドン、メプロバメート、セロトニン、メペリジン、リドカイン、プロカインアミド、アセチルプロカインアミド、プロプラノロール、グリセオフルビン、バルプロ酸、ブチロフェノン、抗ヒスタミン、クロラムフェニコール、抗コリン剤たとえばアトロピン、それらの代謝物および誘導体が包含される。
【0038】
疾患状態に関連する代謝物には、スペルミン、ガラクトース、フェニルピルビン酸、およびポルフィリン1型が包含される。
薬物の次のグループはアミノグリコシドたとえばゲンタマイシン、カナマイシン、トブラマイシン、およびアミカシンである。
興味ある有害生物殺滅剤には、ポリハロゲン化ビフェニル、ホスフェートエステル、チオホスフェート、カルバメート、ポリハロゲン化スルフェンアミド、それらの代謝物および誘導体がある。
【0039】
受容体アナライトについては、分子量は一般的に10,000〜2×108、さらに通常には10,000〜106である。免疫グロブリン、IgA、IgG、IgEおよびIgMについては、分子量は一般的に約160,000〜約106を変動する。酵素の分子量は通常、約10,000〜1,000,000の範囲である。天然の受容体の分子量は広範囲に変動し、一般に少なくとも約25,000であり、106またはさらに高い分子量を有し、このような物質にはアビジン、DNA、RNA、サイロキシン結合グロブリン、サイロキシン結合プレアルブミン、トランスコルチン等が包含される。
【0040】
アナライトの語にはさらに、ポリヌクレオチドアナライトたとえば以下に定義されるようなポリヌクレオチドが包含される。すなわち、m−RNA、r−RNA、t−RNA、DNA、DNA−RNA二重鎖等である。アナライトの語にはまた、ポリヌクレオチド結合物質である受容体、たとえば制限酵素、アクティベーター、サプレッサー、ヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、ヒストン、修復酵素、化学療法剤等も包含される。
【0041】
アナライトは、たとえば宿主からの生物学的組織、体液を含むサンプル中に直接見出される分子であってもよい。サンプルは直接検査するか、またはさらに容易に検出できるアナライトにするように前処理することもできる。さらに、興味あるアナライトは、興味あるアナライトを実証する物質、たとえばその存在はサンプル中に興味あるアナライトが存在する場合にのみ検出される興味あるアナライトに相補性の特異的結合ペアのメンバーを検出することによって測定することもできる。すなわち、アナライトを実証する物質がアッセイで検出されるアナライトとなる。生物学的組織には宿主の臓器または他の生体部分から切除した組織、および体液たとえば尿、血液、血漿、血清、唾液。精液、糞、痰、脳脊髄液、涙液、粘液等が包含される。
【0042】
標識試薬−1または2以上の成分についてアッセイを行うために使用される試薬。標識試薬もまた、一般的に特異的結合ペアのメンバーからなる。
光活性化合物−単独でまたは他の化合物と組み合わせて、波長300〜1200nm、好ましくは450〜900nm、多くの場合600〜900nmを有する光を吸収することによって光活性化することができる化合物。光活性化は上記化合物の1種または両者に不可逆性の化学変化を生じる。本発明の光活性化合物は、化合物の一つが光を吸収し、その際他の化合物が不可逆性の化学変化を受ける他の化合物との組み合わせで働くのが好ましい。このような光活性化合物には、化学ルミネセンス化合物、光増感剤、光活性化可能な蛍光化合物等が包含される。光活性化合物はポリマーマトリックス中に導入され、したがって疎水性であり、水中のマトリックスにはるかに可溶性であるように、通常少なくとも103倍、好ましくは少なくとも106倍水中よりもマトリックスに可溶性であるように選択される。
【0043】
一重項酸素と反応できるオレフィン−オレフィンの一重項酸素との典型的な反応は2+2付加であり、ジオキセタンを形成する。適当なオレフィンは通常、反応しない橋頭の炭素を除いてオレフィン炭素に結合する飽和C−H基をもたず、好ましくはオレフィン炭素に直接結合した、またはオレフィンと共役した1または2以上の電子供与基を有する。ジオキセタンは自然にまたは自発性化学ルミネセンスと加熱することによって解離できるか、または生成するカルボニル基は蛍光基の部分として形成できるか、もしくは蛍光分子を導く以後の反応を受けることができる。また、この解離反応は、その際その蛍光性を再び獲得する基本的な蛍光基から消光基の分離を導くことができる。
【0044】
オレフィンと一重項酸素による別のタイプの反応は、ジエン、通常は芳香族化合物たとえばナフタレン、アントラセン、オキサゾール、フラン、インドール等との4+2付加環化である。このような反応は最初、エンドペルオキシドを導く。ある場合には、エンドペルオキシドが、適当に配置された基と反応して蛍光を発することができるラクトンまたはラクタムを提供することが可能な活性化エステルまたは無水物に転位することができる。また、エンドペルオキシドは蛍光または化学ルミネセント化合物前駆体に酸化されることもある。エンドペルオキシドはまた、自然にもしくは化学ルミネセント発光と加熱すると解離するかまたは蛍光ロイコ染料に酸化される。
【0045】
オレフィンと一重項酸素のさらに他の型の反応にはアリルヒドロペルオキシドを産生する「エン」反応がある。適当なオレフィンはオレフィン炭素に結合する反応性飽和C−Hを有する。アリルヒドロペルオキシド生成物は同じ分子における活性エステルと反応して、自然にまたは加熱により化学ルミネセント発光とともに解離できるジオキセタノンを形成する。
【0046】
一般的に、興味あるオレフィンは一重項酸素との反応で化学反応を受け準安定な反応性生物、同時にまたは続いて通常は波長範囲250〜1200nm内の発光とともに分解できる通常はジオキセタンまたはエンドペルオキシドを形成するオレフィンである。通常、電子供与基を含有する電子に富んだオレフィンが好ましい。このような電子に富んだオレフィンには、エノールエーテル、エナミン、9−アルキリデン−N−アルキルアクリダン、アリールビニルエーテル、1,4−ジオキセン、1,4−チオキセン、1,4−オキサジン、アリールイミダゾール、9−アルキリデン−キサンタンおよびルシゲニンである。
【0047】
一重項酸素と興味あるオレフィンの反応で産生されるルミネセンスは、化学ルミネセンスまたは蛍光を問わず、好ましくは波長300ナノメーター(nm)以上、好ましくは500ナノメーター以上、さらに好ましくは550nm以上である。サンプル成分が光の吸収に有意に寄与する領域を越える波長で光を吸収する化合物は、本発明にとくに有用である。血清の吸収は500nm以上で急速に低下し、600nm以上では有意ではなくなる。550nm以上のルミネセンスがとくに興味がある。しかしながら、より短い波長でのルミネセンスもサンプルの吸収からの干渉がない場合には有用である。一重項酸素と反応することができるオレフィンは、光感作により一重項酸素が不注意に産生する危険がない、室内光での慣用の取り扱いが可能な約400nm未満で光を吸収することが好ましい。
【0048】
化学ルミネセンス化合物(化学ルミネッサー)−多くの場合、化学ルミネセンス光活性化合物。化学ルミネッサーの例には、限定ではなく例示としてたとえば一重項酸素またはペルキシドと反応してケトンまたはカルボン酸誘導体に分解できるヒドロペルオキシドまたはジオキセタン;光の作用により分解可能な安定なジオキセタン;一重項酸素と反応してジケトンを形成できるアセチレン;アゾ化合物またはアゾカルボニルたとえばルミノールを形成できるヒドラゾンまたはヒドラジド、エンドペルオキシドを形成できる芳香族化合物等がある。活性化反応の結果として化学ルミネセンスが直接的または間接的に発光を生じる。
【0049】
電子に富む適当な化学ルミネセンスオレフィンの例は、米国特許出願一連番号07/923,069の64頁8行〜76頁11行に掲げられている。この開示は引用により本明細書に導入される。このようなオレフィンは一般的にオレフィンに共役した電子供与基を有する。
【0050】
ジオキセタンは単独でまたは蛍光エネルギーアクセプターと接合してルミネセンスであることができる。エノールエーテルはこのようなオレフィンの例である。多くの場合、エノールエーテル化合物はオレフィン炭素に結合した少なくとも1個のアリール基を有し、アリ−ル環はオレフィンの一重項酸素に対する反応性の増大および/または得られたジオキセタン解離生成物への蛍光の付与を行う位置で電子供与基により置換されている。電子供与基は、たとえば、ヒドロキシル、アルコキシ、ジ置換アミノ、アルキル、チオ、フリル、ピリル等とすることができる。好ましくは、エノールエーテルは直接オレフィン炭素に結合した電子供与基を有する。
【0051】
エナミンはこのようなオレフィンの他の例である。一般的に、有用なエナミンはエノールエーテルについて上述した規則によって支配されることになる。
化学ルミネセンスの他のファミリーには、母体生成物に対する一般名としてロフィンと呼ばれる2,4,5−トリフェニルイミダゾールがある。化学ルミネセント類縁体にはp−ジメチルアミノおよび−メトキシ置換体が包含される。
【0052】
上述の要求を満足する他の化学ルミネセンスオレフィンについては、欧州特許出願0,345,776に見出すことができる。
本発明における化学ルミネセンス組成物は一般的に粒子内のポリマーマトリックスと会合している。本明細書において用いられる「会合」の語はポリマーマトリックス中に溶解していることを意味する。
【0053】
光活性化可能な蛍光化合物−光活性化可能な蛍光化合物の例には、限定ではなく例示として、たとえば一重項酸素およびヒドラジドと反応できるオレフィン、ならびに蛍光化合物を生成する結合の切断と同時にまたはその後に、一重項酸素もしくはペルオキシドと反応するヒドラゾンがある。光活性化可能な蛍光化合物の例は、米国特許5,616,719に記載されている。この開示は引用によって本明細書に導入される。一般に、ロイコ蛍光染料、とくにジヒドロメロシアニン染料は、それらが一重項酸素により容易に酸化されて蛍光化合物を与える点で有用である。
【0054】
増感剤−多くの場合一重項酸素である反応性中間体の発生または光活性化合物の活性化のための分子、通常は化合物。好ましくは、増感剤は光増感剤である。しかしながら、他の増感剤は化学活性化(たとえば酵素および金属塩)可能であり、限定ではなく例示として、外部光源によって活性化されるかまたは好ましさは劣るが外部光源により活性化されないで一重項酸素を産生できる他の物質および組成物が包含される。すなわち、たとえばモリブデン酸塩(MoO4--)およびクロロペルオキシドまたはミエロペルオキシダーゼプラス臭素または塩素イオン(Kanofsky, J. Biol. Chem. 1983, 259: 5596)が過酸化水素の一重項酸素と水への変換を触媒することが示された。これらの組成物はいずれも、たとえば、sbpメンバーが結合され、過酸化水素が補助剤として含まれ、クロロペルオキシダーゼが表面に結合され、モリブデン酸塩がリポソームの水相に導入されるアッセイに使用される粒子に包含させることができる。光増感剤としては、真の増感剤ではないが、熱、光、イオン化照射または化学活性化による励起時に一重項酸素の分子を放出する化合物も本発明の範囲内に包含される。このクラスの化合物の最もよく知られたメンバーには、エンドペルオキシドたとえば1,4−ビスカルボキシエチル−1,4−ナフタレンエンドペルオキシド、9,10−ジフェニルアントラセン−9,10−エンドペルオキシドおよび5,6,11,12−テトラフェニルナフタレン5,12−エンドペルオキシドが包含される。これらの化合物の加熱または光の直接吸収は、一重項酸素を放出する。
【0055】
光増感剤−多くの場合光での励起による一重項酸素の発生により光活性化合物の活性化のための増感剤。光増感剤は光活性化が可能であり、たとえば染料および芳香族化合物を包含し、通常多重共役二重結合または三重結合を有する共有結合原子からなる化合物である。これらの化合物は波長範囲200〜1,100nm、通常300〜1,100nm、好ましくは450〜950nmの光を吸収しなければならず、その吸収極大における減衰係数は、励起波長において500 M-1 cm-1、好ましくは5,000 M-1 cm-1、さらに好ましくは50,000 M-1 cm-1以上である。酸素の不存在下における光の吸収後に生じる励起状態の寿命は、通常、少なくとも100ナノ秒、好ましくは少なくとも1ミリ秒である。一般的にその寿命はメジウムに依存して10-5〜10-3Mの範囲の濃度で通常存在する化学ルミネッサーまたは酸素へのエネルギー移送を可能にするように十分長くなければならない。光増感剤励起状態は通常その基底状態以上の異なるスピン量子数(S)を有し、通常の場合にはシングレット(S=0)であるように、基底状態の場合にはトリプレット(S=1)である。好ましくは、光増感剤は高い項間交差収率を有する。すなわち光増感剤の光励起は通常、少なくとも10%、望ましくは少なくとも40%、好ましくは80%以上の効率でトリプレット状態を産生する。
【0056】
光増感剤は比較的光に安定であり、好ましくは一重項酸素と効率的には反応しない。大部分の有用な光増感剤には幾つかの構造的特徴が存在する。大部分の光増感剤は剛性に維持される少なくとも1個、多くの場合3個またはそれ以上の共役二重または三重結合、多くの場合、芳香性構造を有する。それらは多くの場合、項間交差を促進する少なくとも1個の基、たとえばカルボニルもしくはイミン基または周期律表の3〜6列から選択される重金属とくにヨウ素または臭素を含有するかまたはそれらは拡張された芳香性構造を有する。典型的な光増感剤には、アセトン、ベンゾフェノン、9−チオキサントン、エオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、メタロ−ポルフィリンたとえばヘマトポルフィリン、フタロシアニン、クロロフィル、ローズベンガル、バックミンスターフレレンス等、およびこのような化合物をより脂溶性もしくはより親水性にする1〜50原子の置換基および/または結合のための結合基としてたとえばsbpメンバーを有するこれらの化合物の誘導体が包含される。本発明に使用できる他の光増感剤の例は上記性質を有する増感剤であり、N.F. Turro, “Molecular Photochemistry" 132頁, W.A. Benjamin Inc. N.Y. 1995に挙げられている。
【0057】
光増感剤は、光増感剤がラテックス粒子に導入された場合、脂溶性メンバー中への溶解が保証されるように比較的に非極性であることが好ましい。
ラテックス粒子−平均直径少なくとも約20nm、約100μm未満、通常少なくとも約40nm、約20μm未満、好ましくは約0.10〜2.0μmの平均直径を有する球状または非球状、好ましくは球状のラテックス粒子。これらの粒子は任意の密度を有するが、好ましくはほぼ水に近い密度、一般的には約0.7〜約1.5g/mLであることが好ましい。これらの粒子は電荷をもっていても、もっていなくてもよいが、電荷を有する場合には陰性であることが好ましい。結合アッセイに使用する場合には、それらはまた多くの場合、吸収性であるか、またはそれらの表面で、sbpメンバーに直接的にもしくは間接的に結合または付着できるように機能化が可能である。
【0058】
「ラテックス」は水に懸濁可能な水不溶性ポリマー材料の微粒子を意味する。ラテックスは多くの場合、置換されたポリエチレン、たとえばポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、アミノ基を有するポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリロニトリル−ブタジエン、スチレンコポリマー、ポリ酢酸ビニル−アクリレート、ポリビニルピリジン、塩化ビニルアクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルナフタレン等である。一般に、ラテックス粒子組成物は、光活性化合物とポリマーマトリックスの会合に有利であるように選択される。この理由により、ポリマーは通常線状ポリマーである。スチレンとカルボキシル化スチレンまたは他の活性な基たとえばアミノ、ヒドロキシル、ハロ等で機能化されたスチレンの非架橋ポリマーが好ましい。多くの場合、置換スチレンのジエンたとえばブタジエンとのコポリマーが使用される。
【0059】
本発明に用いられるラテックス粒子と光活性化合物の会合は、重合による粒子の形成時に導入が行われてもよいが、通常は予め形成された粒子に、通常は粒子への非共有結合的溶解によって行われる。光活性化合物は、したがって、ポリマーマトリックス中に溶解するように選択され、したがって通常疎水性であり、ラテックス粒子組成物は光活性化合物のポリマーマトリックスとの会合に有利なように選択される。通常、光活性化合物の溶液が使用される。使用できる溶媒には、アルコールたとえばエタノール、エチレングリコールおよびベンジルアルコール;アミドたとえばジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミドおよびテトラメチル尿素等;スルホキシドたとえばジメチルスルホキシドおよびスルホラン;およびエーテルたとえばカルビトール、エチルカルビトール、ジメトキシエタン等ならびに水が包含される。粒子が不溶性で、高沸点を有する溶媒の使用は、粒子中への標識化合物の溶解を容易にする高い温度の使用を可能にし、とくに適している。溶媒は単一でもまた組み合わせとしても使用できる。
【0060】
溶媒は粒子から完全に除去できるか、または光活性化に干渉しないものを選択しなければならない。多くの場合、ヒドロキシル溶媒も好ましい。ジブチルフタレート、ベンゾニトリル、ナフトニトリル、ジオクチルテレフタレート、ジクロロベンゼン、ジフェニルエール、ジメトキシベンゼン等を包含する典型的な芳香族共溶媒も、粒子の溶解を回避する低濃度ではあるが粒子の膨潤には十分な濃度で使用される。
【0061】
一般に、操作時に使用される温度は、選択された温度で粒子が溶融または凝集しないことを条件に、光活性化合物を活性化する光の能力を最大にするように選ばれる。通常高い温度が採用される。操作のための温度は一般に20℃〜200℃、さらに通常には50℃〜170℃の範囲である。室温ではほとんど不溶性の化合物が高い温度ではたとえば分子量の低いアルコールたとえばエタノールおよびエチレングリコール等に溶解する場合があることが観察されている。カルボキシル化により修飾されたラテックス粒子は、このような温度で低分子量アルコールに耐えられる。
【0062】
sbpメンバーはラテックス粒子の表面上に物理的に吸着されるか、または他のマトリックスに関して上述したのと類似の様式で粒子に共有結合的に結合または付着させることができる。
ラテックス粒子へのsbpメンバーの結合は、直接または間接に、共有結合または非共有結合により、文献に共通して利用されているよく知られた技術で達成することができる。たとえば、“Immobilized Enzymes," Ichiro Chibata, Halsted Press, New York, 1978 およびCuatrecasas, J. Biol. Chem. 245: 3059, 1970が参考になる。
【0063】
ラテックス粒子の表面は通常、多機能性であるかもしくは多機能化することが可能であり、またはsbpメンバー等に共有結合的もしくは特異的または非特異的非共有結合的相互作用によって結合できる。このような結合は非共有結合的相互作用が用いられた場合は間接的であり、共有結合的相互作用が用いられた場合は直接的である。広範囲の機能性基が利用可能であり、導入することができる。機能性基には、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基等が包含される。広範囲の化合物の表面への連結様式は周知であり、文献に豊富に例示されている(上記参照)。オリゴヌクレオチドまたはsbpメンバーへの連結基の長さは連結される化合物の性質、連結される化合物間の距離の影響、および特異的結合性に対する表面等に依存して広く変動する。
【0064】
光活性化合物はポリマーマトリックスの製造時または製造後のいずれかにポリマーマトリックス中に導入される。それらは、ポリマーマトリックスから解離するそれらの能力を低下させるために、疎水性マトリックスに溶解するように選択される。一般に、ポリマーマトリックスラテックス粒子組成物はポリマーマトリックスと光活性化合物の会合に有利なように選択される。
【0065】
本発明の組成物中のポリマーマトリックスに導入される光活性化合物の量は、多くの因子たとえば光活性化合物およびポリマーマトリックスの性質ならびに得られる試薬に意図された用途に依存する。光活性化合物は光活性化を生じる光の効率を最大にするのに必要な量をポリマーマトリックス中に加える。アッセイにおける光活性化の程度は、本発明により産生されるシグナルの大きさに同等であり、すなわちアッセイにおけるバックグランドに対して最高のシグナルが提供される。たとえば光力学療法においては、光活性化の程度は産生される一重項酸素の量と均等である。一般に、光活性化合物の量は経験的に決定され、通常約10-8〜1M、好ましくは10-5〜10-2、さらに好ましくは10-3〜10-1である。
【0066】
一般に、sbpメンバーはラテックス粒子の表面上に存在する分子の約0.5〜100、さらに通常には1〜90、多くの場合約5〜80、好ましくは約50〜100モル%存在する。sbpメンバーの特定の量も多くの因子に依存し、通常経験的に最善に決定される。
【0067】
特異的結合ペアのメンバー(「sbpメンバー」)−他分子の特定の空間的および極性的構成と特異的に結合し、それにより相補性として定義される表面または空洞部領域を有する2つの異なる分子の1つ。特異的結合ペアのメンバーはリガンドおよび受容体(アンチリガンド)を意味する。これらは通常、免疫学的ペア、たとえば抗原−抗体のメンバーであるが、他の特異的結合ペアたとえばビオチン−アビジン、ホルモン−ホルモン受容体、核酸二重鎖、IgG−プロテインA、ポリヌクレオチドペアたとえばDNA−DNA、DNA−RNA等は免疫学的ペアではないが、本発明およびsbpメンバーの定義に包含される。
【0068】
ポリヌクレオチド−天然の状態で約50〜500,000またはそれ以上、単離状態で約15〜50,000またはそれ以上、通常約15〜20,000、さらに多くの場合15〜10,000のヌクレオチドを有するポリマーヌクレオチドである化合物または組成物。ポリヌクレオチドには任意のソースからの精製型または非精製型の天然に存在するかまたは合成的に産生された核酸が包含され、たとえばDNA(dsDNAおよびssDNA)およびRNA、通常DNAが包含され、t−RNA、m−RNA、r−RNA、ミトコンドリアDNAおよびRNA、クロロプラストDNAおよびRNA、DNA−RNAハイブリドまたはそれらの混合物、遺伝子、染色体、プラスミド、生物材料たとえば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、糸状菌、真菌のような微生物、植物、動物、ヒトのゲノムおよびそれらのフラグメント等が包含される。
【0069】
リガンド−受容体が天然に存在するかまたは調製できる任意の有機化合物。
リガンド類縁体−修飾されたリガンド、有機ラジカルまたはアナライト類縁体、通常は100以上の分子量を有し、受容体に対する類縁のリガンドと競合し、修飾は他分子にリガンド類縁体を結合する手段を提供する。リガンド類縁体は通常、リガンドとは、リガンド類縁体を腔部または標識に連結させる結合による水素の置換以上にリガンドとは異なるが、必ずしも必要ではない。リガンド類縁体は、リガンドと同じ様式で受容体に結合することができる。類縁体はたとえば、リガンドに対する抗体のイデオタイプに向けられた抗体とすることができる。
【0070】
受容体(「アンチリガンド」)−分子の特定の空間的および極性的構成たとえばエピトープまたは決定基を認識できる化合物または組成物。例示的な受容体の例には天然に存在する受容体たとえばサイロキシン結合グロブリン、抗体、酵素、Fabフラグメント、レクチン、核酸、プロテインA、補体成分C1q等が含まれる。
【0071】
特異的結合−2つの異なる分子中、他方の分子の実質的に低い認識に比較して、他方に対して一方の特異的な認識。一般に分子はそれらの表面上または空洞内に2分子間の特異的認識を生じる領域を有する。特異的結合の例には抗体−抗原相互作用、酵素−基質相互作用、ポリヌクレオチド相互作用等がある。
非特異的結合−特異的な表面構造とは相対的に独立した分子間の非共有結合。非特異的結合は分子間の疎水性相互作用を含む幾つかの因子から生じる。
【0072】
抗体−他分子の特定の空間的および極性的構造と特異的に結合し、したがってそれと相補性として定義される免疫グロブリン。抗体にはモノクローナルまたはポリクローナルがあり、本技術分野において周知の技術により、たとえば宿主の免疫および血清の収集(ポリクローナル)もしくは連続的なハイブリド細胞系の調製および分泌されるタンパク質の収集(モノクローナル)、または少なくとも天然の抗体の特異的な結合のために必要なアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列もしくはその突然変異バージョンのクローニングおよび発現によって製造することができる。抗体は完全な免疫グロブリンまたはそのフラグメントを包含し、免疫グロブリンには様々なクラスおよびアイソタイプ、たとえばIgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3、IgM等が包含される。それらのフラグメントには、Fab、FvおよびF(ab′)2、Fab′等が包含される。さらに、特定の分子に対する結合親和性が適宜維持されている限り、免疫グロブリンの凝集体、ポリマーおよび接合体またはそれらのフラグメントも使用することができる。
【0073】
抗体を含む抗血清(ポリクローナル)は、動物たとえばウサギ、モルモットまたはヤギの適当な免疫原による免疫処置および適当な待ち時間の後免疫処置された動物の血液からの抗血清の取得を包含する十分確立された技術により得ることができる。現在の技術水準の総説は、Parker, Radioimmunoassay of Biologically Active Compounds, Prentice-Hall (Englewood Cliffs, J. N., U.S., 1976, Butler, J. Immunol. Meth. 7: 1-24, 1975; Broughton & Strong, Clin. Chem. 22: 726-732, 1976; Playfairら, Br. Med. Bull. 30: 24-31, 1974により提供されている。
【0074】
抗体はまた、体細胞ハイブリダイゼーション技術によっても得られる。このような抗体は共通してモノクローナル抗体と呼ばれる。モノクローナル抗体は標準技術、Kohler & Milstein, Nature 265: 495-497, 1975によって製造することができる。モノクローナル技術の総説は、Lymphocyte Hybridomas, Melchers編, Springer-Verlag (New York 1978), Nature 266: 495, 1977, Science 208: 692, 1980, Methods of Enzymology 73 (Part B): 3-46, 1981に見出される。適当な免疫原プレパレーションのサンプルを、動物たとえばマウスに注射し、十分な時間後に動物を屠殺して脾臓細胞を得る。別法として、非免疫処置動物の脾臓細胞をインビトロで免疫原に感作することもできる。所望の免疫グロブリンの塩基配列をコードする脾臓細胞の染色体を、一般的に非イオン界面活性剤たとえばポリエチレングリコールの存在下に骨髄細胞系と脾臓細胞を融合させることによって圧縮することができる。融合したハイブリドーマ含有の得られる細胞を選択メジウムたとえばHAT−メジウム中で増殖させ、生存する不死化細胞を、限定希釈条件を用いてこのようなメジウム中で増殖させる。細胞は適当な容器たとえばマイクロタイターウエル中で増殖させ、上清を所望の特異性を有するモノクローナル抗体についてスクリーニングする。
【0075】
モノクローナル抗体の収率を増加させるためには様々な技術が存在する。たとえば、細胞をアクセプトする哺乳動物宿主の腹腔内にハイブリドーマを注射し、腹水を収穫する方法がある。腹水中に十分な量のモノクローナル抗体が収集できない場合は、宿主の血液から抗体を収穫する。別法として、所望の抗体を産生している細胞を、いずれも本技術分野において周知の中空の線維細胞培養デバイス、またはスピナーフラスコデバイス中で増殖させることができる。他のタンパク質および他の夾雑物からのモノクローナル抗体の単離および精製についても、様々な慣用方法がある(Kohler & Milstein, 前出参照)。
【0076】
抗体を製造する他のアプローチには、抗体結合部位をコードする配列を染色体DNAから切り出し、細菌中で発現して相当する抗体結合部位を有する組換えタンパク質を産生するクローニングベクター中に挿入することができる。
一般に、抗体は既知の方法、たとえばクロマトグラフィーたとえばDEAEクロマトグラフィー、Abxクロマトグラフィー等、ろ過などによって精製することができる。
【0077】
置換−分子の水素原子が、単一原子である他原子たとえばハロゲン等、またはたとえば1〜50個の原子(このような原子の原子価を満たすために必要な必須水素原子以外)を有する機能性を形成する原子グループの一部によって置換されることを意味する。このような原子は炭素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)およびリンからなる群より独立に選択され、それらは1または2以上の金属原子に結合してもしていなくてもよい。
【0078】
電子供与基−分子に結合した場合、電子供与基が分子の他の部分に比較して電子の寡占状態になり、陽性に荷電、すなわち電子密度が低下するように分子を極性化できる置換基。このような基には限定ではなく例示として、アミン、エーテル、チオエーテル、ホスフィン、ヒドロキシ、オキシアニオン、メルカプタンおよびそれらのアニオン、スルフィド等が包含される。
【0079】
炭素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲンおよびリンからなる群より独立に選択される1〜50個の原子(このような原子の原子価を満たすために必要な必須水素原子以外)を有する置換基−有機ラジカル;有機ラジカルはラジカル中の原子の原子価を満たすために必要な必須の数の水素原子以外に、1〜50個の原子を有する。一般に、この原子は炭素(C)である場合が多いが、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)でもよく、O、N、SまたはPが存在する場合には炭素または互いの1もしくは2以上または水素もしくは金属原子に結合し、様々な官能基、たとえばカルボキシル基(カルボン酸)、ヒドロキシル基(アルコール)、メルカプタン(チオール)、カルボキシアミド、カルバメート、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、リン酸、リン酸エステル、尿素、カルバメート、ホスホロアミド、スルホンアミド、エーテル、スルフィド、チオエーテル、オレフィン、アセチレン、アミン、ケトン、アルデヒドおよびニトリル、およびアルキル、アルキリデン、アリール、アラールキル、ならびに1または2以上の上述の基で置換されたアルキル、アリールおよびアラールキルたとえばフェニル、ナフチル、フェナントリル、m−メトキシフェニル、ジメチルアミノ、トリチル、メトキシ、N−モルホリノを形成し、または一緒に環たとえばアダマンチル、N−メチルアクリダニリド、キサンタニリジン、1−(3,4−ベンゾ−5−ヒドロフリリデン等を形成する。
【0080】
連結基−分子間の共有結合に関与する基。連結基は分子すなわち標識、マトリックス、sbpメンバーまたは連結される粒子またはその部分と会合する分子の性質に依存して変動する。ラテックス粒子またはsbpメンバー上に存在するかまたはそれに導入される官能基はこれらの物質を連結させるために用いられる。 多くの場合、カルボニル官能基については、オキソカルボニルたとえばアルデヒドならびに非オキソカルボニル(窒素および硫黄類縁体を含む)たとえばカルボキシ、アミジン、アミデート、チオカルボキシおよびチオノカルボキシの両者が有用であることが見出されている。
【0081】
オキソと別の官能基には、ハロゲン、ジアゾ、メルカプト、オレフィン、とくに活性化オレフィン、アミノ、ホスホロ等が包含される。連結基に関する記載は米国特許3,817,837に見出される。この開示は引用によりその全体が本明細書に導入される。
【0082】
連結基は、結合から1〜100原子鎖まで、通常は約1〜70原子、好ましくは1〜50個の原子、さらに好ましくは1〜20原子で変動し、それぞれ独立に炭素、酸素、硫黄、窒素、ハロゲンおよびリンからなる基より選択される。連結基中のヘテロ原子の数は正常には約0〜20であり、通常約1〜15、さらに好ましくは2〜6である。鎖中の原子は水素以外の原子で、1〜50個の原子を有する置換基について上述したのと類似の様式で置換されていてもよい。一般的な規則として、特定の連結基は、任意の所望の基たとえばエネルギーアクセプター、発蛍光団、項間交差の分析のための基たとえば重い原子等の合成および導入の便利さを提供するように選択される。連結基は脂肪族でも芳香族でもよいが、アゾ基および芳香族基は通常包含される。
【0083】
ヘテロ原子が存在する場合には、通常、酸素がオキソまたはオキシとして存在し、炭素、硫黄、窒素またはリンに結合する。窒素は通常、ニトロ、ニトロソまたはアミノとして存在し、炭素、酸素、硫黄またはリンに結合し、硫黄は酸素と同様であり、一方リンは炭素、硫黄、酸素または窒素にホスホネートおよびホスフェートモノまたはジエステルとして結合する。
連結基と接合すべき分子の間に共有結合を形成する共通の官能基は、アルキルアミン、アミジン、チオアミン、エーテル、尿素、チオ尿素、グアニジン、アゾ、チオエーテルおよびカルボキシレート、スルホネート、およびホスフェートエステル、アミドおよびチオエステルである。
【0084】
大部分について、連結基が非オキソカルボニル基を有する場合、窒素および硫黄類縁体、ホスフェート基、アミノ基、アルキル化剤たとえばハロまたはトシルアルキル、オキシ(ヒドロキシルまたは硫黄類縁体、メルカプト)、オキソカルボニル(たとえばアルデヒドまたはケトン)、または活性オレフィンたとえばビニルスルホンまたはα,β−不飽和エステルが包含される。これらの官能基はアミン基、カルボキシル基、活性オレフィン、アルキル化剤たとえばブロモアセチルに連結する。アミンおよびカルボン酸もしくはその窒素誘導体またはリン酸が連結するとアミド、アミジンおよびホスホロアミドが形成される。メルカプタンおよび活性オレフィンが連結すると、チオエーテルが形成される。メルカプタンとアルキル化剤が連結すると、チオエーテルが形成される。アルデヒドとアミンが還元条件下に連結すると、アルキルアミンが形成される。カルボン酸とリン酸およびアルコールが連結すると、エステルが形成される。
【0085】
親水性または水溶性を付与する基または官能性−は固体の水による湿潤性および結合される化合物の水溶性を増大させる親水性官能基である。このような官能基または官能性は1〜50またはそれ以上の原子を有する置換基であり、スルホン、サルフェート、ホスフェート、アミジン、ホスホネート、カルボキシレート、ヒドロキシルとくにポリオール、アミン、エーテル、アミド等を有する基が包含される。官能基の例としては、カルボキシアルキル、スルホノキシアルキル、CONH−OCH2COOH、CO−(グルコサミン)、糖、デキストラン、シクロデキストラン、SO2−NHCH2COOH、SO3H、CONHCH2CH2SO3H、PO32、OPO3H、ヒドロキシル、カルボキシル、ケトン、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。上記官能基の大部分はまた、標識を構成する微粒子組成物へのsbpメンバー等の付着を可能にする付着基としても使用することができる。
【0086】
疎水性または脂溶性を付与する基−は表面の水による湿潤性および結合される化合物の水溶性を低下させる脂溶性官能基である。このような官能基または官能性は1〜50またはそれ以上の原子、通常は水素またはハロゲンで置換された炭素原子を含有し、アルキル、アルキリデン、アリールおよびアラールキルとすることができる。脂溶性の基または官能性は通常、少なくとも6個の炭素原子、さらに通常には少なくとも10個の炭素原子、好ましくは少なくとも12個の炭素原子、通常は30個を越えない炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の脂肪族基1〜6個を有する。脂肪族基は脂環式、ヘテロ環または芳香環の5〜6員環に結合する。脂肪親和性の基は通常、可塑剤からなり、また非水性マトリックスにおけるその溶解性を高める標識または他の物質に結合される。
【0087】
補助材料−本発明のアッセイにおいては多くの場合、様々な補助材料が使用される。たとえばアッセイメジウム中には、緩衝剤ならびにアッセイメジウムおよびアッセイ成分の安定剤を存在させる。これらの添加物に加えて、多くの場合、タンパク質たとえばアルブミン;有機溶媒たとえばホルムアミド;四級アンモニウム塩;ポリアニオンたとえばデキストラン硫酸;界面活性剤とくに非イオン界面活性剤;結合増強剤たとえばポリアルキレングリコール等が添加される。
【0088】
全体にまたは部分的に順次−サンプルおよび本発明に用いられる様々な物質は、付随的(同時に)以外に組み合わされ、1または2以上の残余物質は混合して、サブ混合物を形成させる。サブ混合物を本発明の1または2以上の工程に付す。すなわち、それぞれのサブ混合物を1または2以上の所望の結果を得るための条件下にインキュベートする。
【0089】
上述のように、本発明の一態様は、光活性化合物を溶解したポリマーマトリックスからなる発光組成物である。組成物は、光活性化合物の活性化後、ポリマーマトリックスからの発光強度の低下速度がその強度の20倍まで低下する間(指数関数的減衰)は常に発光の強度に比例するという特性を有する。これは通常、マトリックスに十分量たとえば約0.1〜約25%、通常は約1〜約20%、さらに通常には約2〜15重量%のドーパントを導入することによって達成される。
【0090】
ドーパントは非極性であり、通常は水不溶性であり、保存もしくは使用時に粒子と接触の機会があるかもしれない他種脂溶性物質の任意な界面活性剤の存在下にかなりの速度で浸出することを防止するためラテックス中に十分可溶性であることを条件に比較的フレキシブルな任意の有機化合物である。一般的規則として、マトリックスに好ましい分布は、ドーパントがエスケープから実質的に防止されるように、速度論的にきわめて高い必要がある。このような分布は、疎水性物質が水性メジウム中に包含される場合、ドーパントの浸出を回避する。一般に、本発明に使用されるドーパントは水中におけるよりも、少なくとも1010、多くの場合少なくとも1014、好ましくは少なくとも1018倍、ポリマーマトリックス中に可溶性である。
【0091】
本発明の組成物に好ましいドーパントには、可塑剤たとえば高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物ならびにフルオロカーボンが包含される。「高級アルキル」の語は、少なくとも10炭素原子、通常10〜30炭素原子、さらに通常には15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルを意味する。このようなラジカルの例には、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、アイコシル、4−メチル−3,3−ジエチル−5−イソプロピルオクタン、4−t−ブチル−4−イソプロピルデカン等がある。可塑剤の芳香族残基は置換反応を受けることができるものとして一般的に特徴づけられる一つである。このような化合物は典型的には1または2以上の二重結合を有する環状化合物である。通常、化合物は1または2以上の5、6または7員環を含有する。芳香族化合物は水素と酸素のみを含有するか、またはそれらはヘテロ環であり、水素および炭素原子のほかに1または2以上の窒素、酸素、硫黄等の原子を含有する。芳香族残基の一つの基は炭素と水素のみを含有する化合物、たとえばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等であり、それらは1または2以上の置換基で置換されていてもよい。他の残基にはたとえば、ピリジル、ピロリル、フリル、キノリル、フェナントロリル、アクリジル等が包含される。可塑剤の特定の例には、限定ではなく例示として、ヘプタデシルベンゼン、ドデシルオキシナフタレン、ビス−ヘキサデシルナフタレンおよびクロロフェニルオクタデカンがある。
【0092】
フルオロカーボンは炭素およびフッ素原子からなる化合物である。一般に、フルオロカーボンは約1〜約20、通常は約2〜約10のフッ素原子および約5〜約30、通常は約10〜約20の炭素原子からなる。炭素原子は芳香族化合物の部分であってもよい。特定の化合物には、1または2個以上のフッ素原子でフッ素化された縮合芳香族化合物たとえばデカヒドロナフタレン、ドデカヒドロアントラセン、テトラデカヒドロフェナントレン等、およびビフェニルなどが包含される。フルオロカーボンの特定の例には、限定ではなく例示として、ペルフルオロナフタレン(ペルフルオロデカリン)、ペルフルオロアントラセン、ペルフルオロフェナントレン等が包含される。
【0093】
可塑剤は通常、光活性物質が導入されたのちに、粒子中に導入される。別法として、可塑剤は光活性化合物の導入後に導入される。可塑剤を導入するためには、粒子が実質的に不溶であり、光活性物質が限られた溶解度を有する有機溶媒中で粒子を加熱する。このような有機溶媒には、限定ではなく例示として、エトキシエタノール、エタノール、エチレングリコールおよびベンジルアルコール;アミド類たとえばジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミドおよびテトラメチル尿素等;スルホキシドたとえばジメチルスルホキシドおよびスルホラン;ならびにエーテルたとえばカルビトール、エチルカルビトール、ジメトキシエタン等、およびそれらの約1〜80%水性混合物が包含される。
【0094】
好ましさは劣る実施態様においては、可塑剤は染色過程で導入されうる。しかしながら、凝集が起こることがあり、このアプローチは好ましくはなく、このような凝集に耐えられる場合にのみ使用される。可塑剤が光活性化合物の導入時に導入される場合は上述のように導入のための溶液中に包含される。
【0095】
可塑剤は溶媒中に、得られた粒子中に所望のレベルの可塑剤が存在するような量で包含される。溶媒中の可塑剤の量は溶媒の性質ならびに粒子および可塑剤の性質に依存する。通常、可塑剤の濃度は約0.1%〜約25%であり、好ましくは約2%〜約15%、さらに好ましくは3%〜7%である。溶媒は約40〜約180℃の温度、通常約60〜約140℃に約20分〜約10時間、通常は約1時間〜約6時間加熱される。
【0096】
溶媒中には、とくに溶媒が部分的に水性である場合粒子の凝集を防止するある物質、通常はポリマーを包含させることが望ましい場合がある。選択される物質は溶媒および粒子の性質に依存する。このような物質の例は限定ではなく例示として、デキストラン、アミノデキストラン、アルブミン、ポリビニルアルコール、デンプン、ポリリジン、ポリアクリル酸等がある。このような物質の量は粒子の凝集の低下または消失に有効な量である。このような量は通常約0.1%〜約20%、好ましくは約0.5%〜約5重量%である。
【0097】
本発明の一実施態様は、光活性化合物を溶解し、約0.1〜約25%、好ましくは約2%〜約10重量%の可塑剤を含有するポリマーマトリックスからなる粒子を製造する方法に向けられている。粒子は直径約20〜約100μmを有する。方法は(i)光活性化合物からなる粒子、および(ii)水性メジウム中可塑剤から構成される混合物を、約1%〜約20%、好ましくは約2%〜約15重量%の可塑剤を粒子中に溶解させるのに十分な時間および濃度である時間加熱することからなる。可塑剤粒子のこの別法による製造には、染色された粒子と可塑剤の混合物を水性メジウムたとえば水性有機溶媒中で加熱することを包含する。ついで、可塑剤を加えた粒子は粒子上にデキストランコーティングを与える試薬と反応させることができる。このような試薬には、たとえば、可塑剤を添加された粒子をアミノデキストランコーティングするカップリング剤たとえばEDAC等の存在下におけるヨードアミノデキストランが包含される。可塑剤を加えられた粒子の製造におけるこのアプローチは、アミノデキストランコーティングを形成するためヨードアミノデキストランのような安定な試薬の使用を可能にする。可塑剤を添加された粒子の製造は、染色された粒子を水性メジウム中可塑剤およびアミノデキストランと混合し、この混合物をカップリング剤たとえばEDACの存在下に加熱することを包含する実施例1に例示する。
【0098】
上述のように化学ルミネセント粒子に関して、本発明者らは発光の減衰速度が実質的に完全な指数関数的キネティクスに従うことを見出した。これはより高い初期光の強度を生じ、これは高いシグナル対バックグランド比に翻訳され、検出性が改善される。また、シグナルを互いに異なる減衰速度で逆重畳することを可能にする。可塑剤(ヘプタデシルベンゼン)でドーピングしたおよびドーピングしない化学ルミネッサー粒子をB型肝炎イムノアッセイに用いた比較実験では、1 pg/mLにおいて感度(すなわち応答曲線の傾斜)にほぼ2.3倍の上昇を示し、これは検出性における4倍の上昇に翻訳された(2.3倍標準偏差が陰性より高いシグナルとして検出限界が定義される場合には、5から1 pg/mLに低下した)。
【0099】
増感剤粒子に関しては、ドーパントが粒子中に包含される場合、増感剤濃度の増加による一重項酸素の速度における増加がプラトーに達する前に、さらに増感剤を粒子に導入することができる。一つの実験では、一重項酸素の産生速度は、フタロシアニン光増感剤を含むラテックス粒子にヘプタデシルベンゼンを導入した場合、2.2倍だけ増加した。一重項酸素の産生は9,10−ビスカルボキシエチルアントラセン溶液中の増感剤粒子懸濁液の照射ついで粒子の除去による9,10−ビスカルボキシエチルアントラセン濃度に生じた低下の測定、および溶液の吸収の測定により決定した。
【0100】
上述のように、本発明の組成物はアッセイの領域に特定の適用を有する。本発明の一態様はしたがって、アナライトの測定方法である。(1)アナライトの含有が疑われるメジウム、(2)アナライトまたは第二のsbpメンバーに結合してアナライトの存在に関連する複合体を形成できる第一の特異的結合ペア(sbp)のメンバー、および(3)約1〜20重量%のドーパントおよび光活性化合物が均一に分散された直径約20nm〜100μmのポリマー粒子からなる組み合わせが提供される。光活性化合物は活性化され、組み合わせの光学的性質に対する活性化の影響が検出される。影響の存在および量はメジウム中におけるアナライトの存在および量に関連する。
【0101】
アッセイは通常、一般に至適アッセイ感度を与える中等度のpHにおいて水性緩衝メジウム中で行われる。水性メジウムは単に水であるか、0.01〜80またはそれ以上の容量%の補溶媒を含有する。メジウムのpHは通常約4〜13の範囲であり、さらに通常は約5〜10の範囲、好ましくは約6.5〜9.5の範囲である。pHは一般に至適アッセイ感度と特異性が達成されるように選択される。考慮されなければならない因子はとくに、関与する反応の速度のpH依存性、結合メンバーの結合および非特異的結合の最小化等である。
【0102】
所望のpHを達成し、測定時の間そのpHを維持するためには、様々な緩衝剤が使用される。緩衝剤の例には、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、トリス、バルビタール等がある。本発明に使用される特定の緩衝剤には限定はないが、個々のアッセイにおいては、いずれかの緩衝剤が好ましいということはある。
アッセイの実施には通常、中等度の温度が使用され、測定時には通常、一定の温度好ましくは室温が採用される。インキュベーション温度は正常には約5℃〜99℃の範囲、通常は約15℃〜70℃, さらに通常には20℃〜45℃である。測定時の温度は一般に約10℃〜70℃の範囲であり、さらに通常は約20℃〜45℃であり、さらに通常には約20℃〜25℃である。
【0103】
一部の例では、光活性化された蛍光または化学ルミネセント化合物は蛍光または化学ルミネセンスの産生を減衰させるため、その反応生成物が比較的安定なことから、100℃までの温度への加熱を要する場合がある。比較的安定なジオキセタンはたとえば一重項酸素のアダマンチリデンとの反応により形成され(たとえば、McCapra、前出参照)、比較的安定なエンドペルオキシドは一重項酸素の1,4−ジ置換ナフタレンおよびアントラセンとの反応により形成される(たとえば、N. J. Turro, Modern Molecular Photochemistry, 1978, Benjamin Cummings Publishing Co. 594頁参照)。上述の両環境において、安定な物質は通常200℃未満、好ましくは約50〜100℃の温度への加熱時に減衰を受ける。このような加熱は一重項酸素/オレフィン付加物の急速な分解を生じ、したがって化学ルミネセンスが生成する場合には短時間にわたって発光が起こる。このアプローチの使用は、異なる蛍光または化学ルミネセント化合物からの別のシグナルが寿命および波長による分離が困難な場合に望ましい。
【0104】
検出される成分の濃度は一般に約10-5〜10-21M、さらに通常には10-6〜10-14Mを変動する。アッセイが定性的、半定量的または定量的のいずれかであるかのような考慮、特定の検出技術ならびに興味ある化合物の性質および濃度により通常、各種試薬の濃度が決定される。
アッセイメジウムにおける各種試薬の濃度は一般に、検出される化合物の興味ある濃度範囲によって決定される一方、それぞれの試薬の最終濃度はその範囲にわたるアッセイの感度を至適化するため、経験的に決定される。すなわち、検出される成分の濃度における変動が、正確に測定可能なシグナル差を提供するために重要である。
【0105】
添加の順序は広範囲に変動させることができるが、アッセイの性質に依存するある種の優先性がある。添加の最も単純な順序はすべての材料を同時に添加することである。別法として、試薬を完全にまたは部分的に順次、混合することもできる。1または2以上のインキュベーション工程が試薬を混合したのち約30秒〜6時間、さらに通常には約2分〜1時間の範囲で行われる。
化学ルミネセントまたは蛍光化合物からなる本発明の組成物によって産生されるルミネセンスまたは光は、肉眼で、写真により、化学光量により、分光光度法によりまたはそれらの量を決定する他の任意の慣用方法により測定することが可能であり、それがメジウム中の各成分の量に比例する。
【0106】
本発明の方法および組成物はsbpメンバーが関与する大部分のアッセイ、たとえばリガンド−受容体、たとえば抗原−抗体反応、ポリヌクレオチド結合アッセイ等に適用することができる。アッセイは通常均一または不均一アッセイであり、好ましくは均一アッセイであるが、競合およびサンドイッチアッセイも包含される。特異的な結合アッセイにおいては、サンプルは望ましくない物質を除去するために、必要があれば前処理される。
【0107】
前に述べたように、第一のsbpメンバーは、アナライトまたはアナライトに結合できる第二のsbpメンバーに結合することが可能である。第二のsbpメンバーもアナライトに結合できるときはサンドイッチアッセイのプロトコールが生じる。サンドイッチ型のアッセイのための免疫学的反応は通常、sbpメンバーたとえばアナライトに同じく相補性の抗体を包含し、第二のsbpメンバーたとえばアナライトにも相補性で粒状マトリックスに結合した抗体、および興味あるサンプルを包含する。
【0108】
別法として、sbpメンバーの一つはアナライトの類縁体とすることも可能で、この場合には競合アッセイプロトコールが得られる。競合的プロトコールのための免疫学的反応には通常、アナライトに相補性sbpメンバーおよびアナライトの類縁体であるsbpメンバー、通常アナライトの誘導体が包含される。これらのsbpメンバーの一つがマトリックスと会合する。
【0109】
アッセイの一つのタイプにおいては、アナライトの含有が疑われるサンプル、すなわちsbpメンバーと他のアッセイ成分を本発明の粒状マトリックスと混合する。ついで、メジウムを照射し、自発性(すなわち、化学ルミネセント)または誘導された光(すなわち、蛍光)の存在を通常、サンプル中のアナライトの量に比例する発光した光の量を測定することによって調べる。このアプローチは均一アッセイであり、分離工程は使用されない。
【0110】
典型的なアッセイプロトコールを次に限定ではなく例として説明する。本発明の化学ルミネセント粒子組成物は、アナライトに相補性の特異的結合試薬(たとえば、抗体、オリゴヌクレオチド、受容体等)に付着する。増感剤粒子はアナライトに相補性の第二の特異的結合試薬に付着する。サンドイッチアッセイフォーマットではアナライトは増感剤および化学ルミネッサー粒子の両者をきわめて接近した位置にてもっている。増感剤粒子の光による活性化一重項酸素の形成を生じ、これは粒子標識試薬に運ばれる。
【0111】
上述の組成物およびアッセイは、本技術分野の熟練者に本発明の範囲を評価し、不要な実験を行うことなく本発明を実施することを可能にするために限定ではなく例示として提供するものである。成分たとえばアナライト、標識試薬、粒子、他の試薬および反応条件の選択は、本明細書の開示および以下の実施例をみれば本技術分野の熟練者に示唆を与えるものであることが理解されよう。
【0112】
本発明はまた、アッセイ以外の領域へも適用されるものである。たとえば、本組成物は光力学療法に使用することができる。光力学療法についての考察は、文献Levy, Semin Oncol, 21 (6 Suppl 15) : 4-10, 1994 Decに見出すことができる。光力学療法(PDT)は光増感剤と呼ばれる光感受性分子の使用に基づいている。光活性化は一重項酸素の形成を生じ、それは細胞の損傷および死を生じる過酸化反応を起こす。ポルファイマーナトリウム(Photofrin, Lederle Parenteras, Carolina, Puerto Ricoにより、Quadra Logic Technologies, Inc, Vancouver, BC, Canadaからのライセンス下に製造)は最も広く研究されている光増感剤である。患者は一般に、ポルファイマーナトリウムの投与後、光処置の前に2日間入院しなければならない。腫瘍組織に至適濃度に達するまでに注射後約48時間を要する。ポルファイマーナトリウムとPDTの腫瘍殺滅能力は、波長630nmを有する光の最大透過深度により一部決定される。ポルファイマーナトリウムは6週まで継続する皮膚の光感作を生じる。ベンゾポルフィリン誘導体(BPD, verteporfin; BPD-Quadra Logic Technologies, Inc, Vancouver, BC, Canada)、他の光増感剤は腫瘍組織に急速に蓄積し、静脈注射後30〜150分に至適PDTが可能になる。それは生体から急速に排泄され、光感受性は数日を越えて続くことはない。PDTの一時的な作用機構は腫瘍組織における光増感剤の選択的蓄積に関連する。光力学療法は多くの非新生物状態の処置、たとえば乾癬、網膜の黄斑変性、アテローム性プラークおよび再狭窄、自己骨髄移植による白血病の処置のためパージした骨髄、血液および血液製品中のウイルスの不活性化、ならびに数種の自己免疫状態たとえば慢性関節リウマチの処置に有望である。Levyはまた、この全く異なる疾患群が共有する生理学的特性およびそれらが光活性化を仲介する機構について考察している。また、蛍光染料のナノメーターサイズの担体、およびニューロンの亜集団を選択的な標的とする活性物質を含むラテックスナノスフェア送達システム(LNDS)について論じている。
【0113】
Madisonら、Brain Research, 1990, 522 (1) : 90-98は、インビトロおよびインビボにおいてニューロンの亜集団に選択的な高濃度の蛍光染料、薬物および光活性物質を運ぶことができる広範囲なラテックス粒子を開示している。Bachorら、J. Urol 146 (6): 1654-8, 1991 Decはヒト膀胱癌細胞の光力学療法における遊離および接合クロリンE6の使用を開示している。フタロシアニンの化学、光物理学および光感作性がLierら、Ciba Found Symp 146: 17-26; 考察 26-32, 1989に記載されている。Reddi, J Photochem Photobiol B 37 (3) : 189-95, 1997 Febには腫瘍の光力学療法における光増感剤送達ビヒクルの役割が論じられている。脂質ベースの送達ビヒクル、たとえばリポソームおよび油性エマルジョンが水不溶性光増感剤の投与を可能にする。Jiangら、J Natl Cancer Inst 83 (17) : 1218-25, 1991 Sep 4には、モノクローナル抗体−光増感剤接合体を用いるヒト落屑細胞癌細胞の光力学療法による殺滅が記載されている。Yemulら、Proc Natl Acad Sci USA 84 (1): 246-50, 1987 Janには光毒性リポソームによるTリンパ球の選択的殺滅が記載されている。
【0114】
本発明の組成物の有利な性質は一重項酸素の高い、より効率的な産生を提供することであり、したがって処置される部位に必要なレベルの一重項酸素をより効果的に送達することである。疾患組織に結合する各粒子により多くの一重項酸素を送達できることおよび/または障害のより少ない低レーザーパワーを使用できることである。これはドーピングされた粒子中に、一重項酸素の速度がも早上昇しなくなる前に、高濃度の増感剤を導入する能力によるものである。このような粒子の照射時における一重項酸素形成の高い最高速度は、慣用の光力学療法の増感剤に対して粒子が局在する部位により大きな組織傷害を生じることができる。これは治療に必要なレーザー装置を単純化するのみでなく、さらに重要な点は、光の通路にはあるがそれに光増感剤が結合していない末梢組織の傷害の量を低下させることである。粒子が、それらの表面のある種の化学的性質たとえば標的化組織上に局在する抗原への抗体に付着することによって興味ある組織に標的化されている場合、この方法はとくに有用である。
【0115】
本発明の他の態様はアッセイの実施に使用されるキットに関する。キットは、(a)アッセイを行うための試薬、少なくとも一つの特異的結合ペアのメンバーと(b)約1〜約20重量%のドーパントおよび光活性物質が導入された直径約20nm〜約100μmのポリマー粒子からなるパッケージされた組み合わせである。
【0116】
本発明の多能性を高めるために、試薬は、試薬の比がその方法およびアッセイの実質的な至適化を提供するように、同じまたは別の容器にパッケージした組み合わせとして提供される。試薬はそれぞれ別個の容器に入れるか、または各種試薬を、試薬の交差反応性および安定性に依存して、1または2以上の容器に一緒に入れることもできる。
【0117】
キットにはさらに、アッセイを実施するための他の別個にパッケージした試薬たとえば酵素基質、付加的なsbpメンバー、補助試薬等を包含させることができる。キット中の各種試薬の相対的な量は広範囲に変動させることができるが、本発明の方法の実施時に起こる必要がある反応を至適化し、さらにアッセイの感度を実質的に至適化する濃度の試薬が提供される。適当な環境下には、キット内の1または2以上の試薬は通常は凍結乾燥され賦形剤を含有し、溶解すると本発明の方法またはアッセイを実施するために適当な濃度を有する試薬溶液が得られる乾燥粉末として提供することができる。キットにはさらに、上述のような本発明の方法の文書による説明書が包含される。
【0118】
【実施例】
本発明をさらに以下の例示的な実施例によって明らかにする。実施例中、部および百分率は、とくに他の指示がない限り重量によるものであり、温度は摂氏で表示する(℃)。
【0119】
融点はHooverの毛細管装置で測定し、補正していない。1H NMRスペクトルはBrucker WP-250 MHzもしくはBrucker WP-300 MHz NMRスペクトロメーターで記録した。化学シフトはppm(0.0)で記録した。NMRの多重性は以下の略号を用いて記録する。s,シングレット;d,ダブレット;t,トリプレット;m,マルチプレット;Hz,ヘルツ。赤外スペクトルはPerkin-Elmer 297 IRスペクトロメーターで記録した。脱着化学イオン化(C.I.)および電子イオン化(E.I.)はVarian-MAT 311A二重収束高分解能マススペクトロメーターによって行った。高速原子衝撃マススペクトル(FABL/LIMS)にはFinnigan TSQ-70またはMAT-8230を用いた。UV−可視吸収スペクトルはダイオードアレイスペクトロメーターによって測定した。蛍光および化学ルミネセンスの測定はSpex fluorologスペクトロメーターまたはPerkin Elmer 650-40スペクトロメーターによって行った。化学ルミネセンスの測定はまた実験室の化学ルミノメーター(Orielボックス)でも実施した。
【0120】
トルエンはナトリウムからアルゴン上で蒸留した。とくに他の指示がない限り溶媒は精製しないで使用し、大部分の反応はアルゴン下に実施した。フラッシュクロマトグラフィーに使用したシリカゲルは、230〜400メッシュASTMとし、Scientific Productsから購入した。一方、調製用プレート(1000)および分析用プレートはAnaltechから購入した。
【0121】
C−28チオキセン、置換N−フェニルオキサジンおよび9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)に付着したチオキセンは以下に記載するようにして調製した。2−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(1−Cl−BPEA)およびルブレン(5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン)はAldrich Chemical Co.から購入した。ルブレンはメチレンクロリドから再結晶し、使用時まで褐色瓶に入れて4℃で保存した。シリコンフタロシアニンは以下に記載のようにして調製し、フタロシアニンテトラスルホネートはUltra Diagnostics, Incから購入した。カルボキシレート修飾ポリスチレン(ラテックス)粒子はSeradyn, Incから購入した。粒子は203nmであった。カルボキシルパーキング領域は49.5オングストローム平方(0.09ミリ当量/g)であった。固体は10%(100mg/mL)であった。
【0122】
2−エトキシエタノールはAldrich Chemical Co.から購入し、真空中で再蒸留した。水酸化ナトリウムは0.1Nとした。イソプロパノールはAldrich Chemical Co.から購入した。
以下の実施例に使用したオリゴヌクレオチドは、とくに他の指示がない限り、自動シンセサイザーを用いて合成により調製し、ゲル電気泳動またはHPLCによって精製した。
【0123】
以下の略号は以下に掲げる意味を有する。
Tris HCl−トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(100×溶液);BioWhittaker, Walkersvilleから購入
DTT−ジチオスレイトール(Sigma Chemical Company, St, Louis MO)
HPLC−高速液体クロマトグラフィー
DPP−4,7−ジフェニルフェナントロリン(Aldrich Chemical Company, Milwaukee WI)
BSA−ウシ血清アルブミン(Sigma Chemical Company, St, Louis MO)
ELISA−固相酵素免疫測定法(“Enzyme-immunoassay," Edward T, Maggio , CRC Press, Inc, Boca Raton, Florida, 1980)
bp−塩基ペア
ddc−ジデオキシシチジン
g−グラム
mmol−ミリモル
mM−ミリモーラー
pM−ピコモーラー
DMF−ジメチルホルムアミド
THF−テトラヒドロフラン
LMIMS−高速イオン衝撃マススペクトル
NMR−核磁気共鳴スペクトル
TMSCl−テトラメチルシリルクロリド
EDAC−1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩
MES−2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
SPDP−N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルチオ)−プロピオネート
スルホ−SMCC−N−スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレト
TCEP−トリス−カルボキシエチルホスフィン
SATA−N−スクシンイミジルS−アセチルチオアセテート
TSH−甲状腺刺激ホルモン
HbsAg−B型肝炎表面抗原−
RLU−相対的光単位
【0124】
試薬の調製
N−フェニルオキサジン(NPhe):
N−フェニルオキサジンは米国特許5,578,498(Singhら)に化合物16の製造について記載されたようにして調製された。関連の開示は引用により本明細書に導入される。
【0125】
C−28チオキセン
乾燥DMF(200mL)中4−ブロモアニリン(30g,174mmol)の溶液に1−ブロモテトラデカン(89.3mL,366mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(62.2mL,357mmol)を加えた。反応溶液をアルゴン下、90℃に16時間加熱し、ついで室温に冷却した。この反応溶液に再度1−ブロモテトラデカン(45mL,184mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(31mL,178mmol)を加え、反応混合物を90℃にさらに15時間加熱した。冷却後、反応溶液を真空中で濃縮し、残留物をCH2CH2(400mL)で希釈した。CH2CH2溶液を1N NaOH(2×)、H2Oおよび食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空中で濃縮すると暗褐色の油状物(約110g)が生成した。Waters 500 Prep LCシステムを用い、シリカゲル上製造用カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサンで溶出すると黄色油状物が得られ、これは主に生成物(4−ブロモ−N,N−ジ(C1429)−アニリン)を微量成分の1−ブロモテトラデカンとともに含有した。後者の化合物は真空蒸留(bp 105〜110℃、0.6mm)すると混合物から除去されて、生成物50.2g(51%)が褐色の油状物として残った。乾燥THF(30mL)中マグネシウムリボン(9.60g,395mmol)の混合物にアルゴン下、THF(250mL)中上記置換アニリン生成物(44.7g,79mmol)を滴下して加えた。ヨー素の結晶数個を加えてグリニヤール試薬の形成を開始させた。反応混合物が温かくなり、還流を始めたならば、添加速度を調節して穏やかな還流を維持させた。添加完了後、混合物をさらに1時間還流下に加熱した。冷却した上清溶液をカニューレで滴下ろ斗に移し、THF(300mL)中フェニルグリオキザール(11.7g,87mmol)の溶液に−30℃でアルゴン下に滴下して(2.5時間を要し)加えた。反応混合物を徐々に1時間を要して0℃に加温し、さらに30分間攪拌した。得られた混合物を氷水(800mL)および酢酸エチル(250mL)の混合物中に注いだ。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせてH2O(2×)、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させると粗生成物48.8gが暗緑色の油状液体として得られた。この液体をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン、1.5:98.5、3:97、5:95酢酸エチル:ヘキサンの勾配溶出)に付すと24.7g(50%)のベンゾイン生成物が得られ、(LSIMS(C4269NO2):[M−H]+ 618.6,1H NMR(250 MHz,CDCl3))は期待されたベンゾイン生成物の場合と一致した。上述のベンゾイン生成物(24.7g,40mmol)の乾燥トルエン(500mL)溶液に順次、2−メルカプトエタノール(25g,320mmol)およびTMSCl(100mL,788mmol)を加えた。反応溶液をアルゴン下に23時間還流加熱したのち、室温に冷却した。これに付加的なTMSCl(50mL,394mmol)を加え、反応溶液をさらに3時間還流加熱した。得られた溶液を冷却し、冷2.5N NaOH水溶液で塩基性とし、CH2CH2(3×)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO3(2×)および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮すると、褐色の油状液体が得られた。Waters 500 Prep LCシステムを用い、シリカゲル上製造用カラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン、1:99,2:98酢酸エチル:ヘキサンで勾配溶出すると、橙黄色の油状物としてC−28チオキセン15.5g(60%)が得られ、LSIMS(C4477NOS):[M−H]+ 661.6,1H NMR(250 MHz,CDCl3)は期待されたC−28チオキセン生成物、2−(4−(N,N−ジ−(C1429)−アニリノ)−3−フェニルチオキセンの場合と一致した。
【0126】
シリコンテトラ−t−ブチルフタロシアニン:
新たに切り出したナトリウム(5.0g,208mmol)を、磁気攪拌器、還流冷却器、乾燥チューブおよび気体挿入管を装着した2Lの3頚フラスコ中、300mLの無水メタノールに加えた。ナトリウムが完全に溶解したのち、4−t−ブチル−1,2−ジシアノベンゼン(38.64g,210mL, TCl Chemicals, Portland ORより)を、ろ斗を用いて加えた。混合物は澄明になり、温度は約50℃に上昇した。この時点で、無水アンモニア気体の連続流を、気体挿入管を通じて反応混合物に1時間導入した。ついで、反応混合物を還流下に4時間加熱し、この間、反応の進行時にアンモニア気体流の導入を続けると、固体が沈殿し始めた。得られた懸濁液を蒸発乾固し(実験室の真空)、残留物を水(400mL)に懸濁し、ろ過した。固体を乾燥した(60℃、実験室の真空、P25)。生成物(1,3−ジイミノイソインドリン、42.2g)の収率はほぼ定量的であった。この物質はさらに精製することなく次工程に使用した。冷却器および乾燥チューブを付した1Lの3頚フラスコに上記生成物(18g,89mmol)およびキノリン(200mL, Aldrich Chemical Company, St, Louis MO)を加えた。シリコンテトラクロリド(11mL, 95mmol, Aldrich Chemical Company)を攪拌した溶液に10分を要してシリンジで加えた。添加完了後、反応混合物を油浴中180〜185℃に1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却させ、濃塩酸を注意深く加えて反応混合物を酸性(pH 5〜6)にした。暗褐色の反応混合物を冷却し、ろ過した。固体を100mLの水で洗浄し、乾燥した(60℃、実験室の真空、P25)。固体物質を1Lの丸底フラスコに取り、攪拌しながら、濃硫酸(500mL)を加えた。混合物を4時間60℃で攪拌し、ついで注意深く砕氷(2000g)で希釈した。得られた混合物をろ過し、固体を水100mLで洗浄し、乾燥した。暗青色の固体を1Lの丸底フラスコに移し、濃アンモニア水(500mL)を加え、混合物を還流下に2時間加熱攪拌し、室温に冷却し、ろ過した。固体を水50mLで洗浄し、真空下に乾燥(60℃、実験室の真空、P25)すると、12gの生成物、シリコンテトラ−t−ブチルフタロシアニンが暗青色の固体として得られた。磁気攪拌器および還流冷却器を装着した1Lの3頚フラスコ中、上記生成物12gに3−ピコリン(12g, Aldrich Chemical Companyから)、トリ−n−ブチルアミン(無水、40mL)およびトリ−n−ヘキシルクロロシラン(11.5g)を加えた。混合物を還流下に1.5時間加熱し、ついで室温に冷却した。ピコリンは、高真空下に(オイルポンプ、約1mmHg)乾固して留去した。残留物をCH2CH2に溶解し、シリカゲルカラム(ヘキサン)を用いて精製すると、10gの純粋な生成物、ジ−(トリ−n−ヘキシルシリル)−シリコンテトラ−t−ブチルフタロシアニンが暗青色の固体として得られた。LSIMS:[M−H]+ 1364.2, 吸収スペクトル:メタノール 674nm(180,000):トルエン 678nm, 1H NMR(250 MHz, CDCl3): -2.4 (m, 12H), -1.3 (m, 12H), 0.2-0.9 (m, 54H), 1.8 (s, 36H), 8.3 (d, 4H) および9.6 (m, 8H)は上述の期待された生成物に一致した。
【0127】
機械的攪拌器および滴下ろ斗を付した3頚丸底フラスコ中、デキストランT−500(Pharmacia, Uppsala, Sweden, 50g)をH2O 150mLに溶解してヒドロキシプロピルアミノデキストラン(1NH2/7 グルコース)を調製した。上記溶液に18.8gのZn(BF4)2を加え、温度を熱水浴で87℃にした。攪拌しながら約30分を要してエピクロルヒドリン(350mL)を添加し、この間、温度は87〜88℃に維持した。混合物を4時間攪拌し、この間温度は80〜95℃に維持し、ついで混合物を室温に冷却した。クロロデキストラン生成物を3Lのメタノール中に激しく攪拌しながら徐々に注いで沈殿させ、ろ過して回収し、真空オーブン中で一夜乾燥させた。
【0128】
クロロデキストラン生成物を200mLの水に溶解し、2Lの濃アンモニア水(36%)を添加した。この溶液を室温で4日間攪拌し、ついでロータリーエバポレーターで約190mLに濃縮した。濃縮物を2つの等しいバッチに分け、各バッチを急速に攪拌した2Lのメタノール中に徐々に注いで沈殿させた。最終生成物はろ過により回収し、真空下に乾燥した。
【0129】
上に調製したヒドロキシプロピルアミノデキストラン(1NH2/7 グルコース)を50mM MOPS, pH 7.2に12.5mg/mLで溶解した。この溶液を室温で8時間攪拌し、冷蔵庫に保存し、使用直前に痕跡の固体物質を除去するためにSorvall RC-5B遠心分離器を用いて15,000rpmで45分間遠心分離した。この溶液10mLに1mL中23.1mgのスルホ−SMCCを加えた。この混合物を室温で1時間インキュベートし、さらに精製することなく使用した。
【0130】
シリコンテトラ−t−ブチルフタロシアニンが導入され、それらの表面上にストレプトアビジンが固定化された増感剤粒子
攪拌棒を付した25mLの丸底(R.D.)フラスコ中、洗浄した175nmカルボキシレート修飾ラテックスの20%懸濁液(400mg)4mLを3mLのエトキシエタノールで希釈した。ついで、R.B.フラスコを105℃の油浴中に置き、10分間攪拌した。次に、上述のように調製されたシリコンテトラ−t−ブチルフタロシアニン40mgを加え、ビーズをさらに5分間攪拌した。この時点で、0.1N NaOH 10mLを5分間かけて徐々に加えた。すべての添加時に、油浴温度を105℃に維持した。油浴の温度を、2時間を要して徐々に室温まで低下させた。冷却後、混合物をエタノール20mLで希釈し、遠心分離した(12,500、30分)。上清を捨て、ペレットをエタノールに超音波処理して再懸濁した。遠心分離を反復し、ペレットを水に再懸濁し、遠心分離を反復した。ペレットを10%含水エタノール5mLに再懸濁して最終容量を40mLとした。
【0131】
ビーズ100mgあたりストレプトアビジン25mgを用い、ストレプトアビジンを上記ビーズに結合させた。25mgのストレプトアビジン(50mg Aaston固体、Aaston, Wellesley, MA)を1mLの1mM EDTA、pH 7.5に溶解し、エタノール中2.5mg/mLのSATAをそれに加えた。混合物を室温で30分間インキュベートした。1Mヒドロキシルアミン塩酸塩、50mM Na2PO4、25mM EDTA、pH 7.0を含有する脱アセチル化溶液を調製した。この脱アセチル化溶液0.1mLを上記溶液に添加し、室温で1時間インキュベートした。得られたチオール化ストレプトアビジンを50mM MOPS、50mM EDTA、pH 7.2を含むカラム緩衝液で洗浄した。サンプルの容量は上記カラム緩衝液1.5mLを添加して2.5mLとした。サンプルをカラムに負荷し、カラム緩衝液3.5mLで溶出した。チオール化ストレプトアビジンを、50mM MOPS、50mM EDTA、0.1% Tween-20、pH 7.2、1.5mLを加えて5mLに希釈した。チオール化ストレプトアビジン溶液5mLを上述のように調製したマレイミド化増感剤ビーズ5mLにアルゴン下に加え、よく混合した。ビーズをアルゴンで1分間覆い、試験管をシールして反応混合物を一夜、暗所、室温でインキュベートした。
【0132】
上記ビーズに7.5mLの50mM MOPS、50mM EDTA、0.1% Tween-20、pH 7.2を加えてビーズを1mg/mLとした。残ったマレイミドを、最終濃度2mMでメルカプト酢酸を加えることによりキャップした。混合物を暗所、室温で30分間インキュベートした。残ったチオールはヨード酢酸を最終濃度10mMで加えることによってキャップし、混合物を暗所、室温で30分間インキュベートした。ビーズを上述のように(Sorvall RC-5B)計3回15,000rpmにおいて30分遠心分離した。
【0133】
TAR粒子の製造
Microgonのセットアップ:Microgonは“Minikros Lab Systems”のマニュアル8〜10頁に記載されているようにして組み立てた。約5〜10psiの間の操作には0.1ミクロンモジュールを用いた。Microgon装置はエタノール(200プルーフ)で洗浄した。
【0134】
装置のセットアップ:
1.油浴は95±3℃に加熱した。中央の頚部にデジタルcafeama機械攪拌器を装着した1Lの3頚丸底フラスコを油浴中に浸した。
2.粒子の添加:200mL±5.0mLのラテックス粒子を、メスシリンダーを用いてrbfに加え、2×30mLのエトキシエタノール(ee)で洗浄し、内容物をrbfに移した。フラスコに0.1N NaOH 20±5mLを加えた。粒子を95℃で20分間、330rpm/分で攪拌した。
3.C−28チオキセンの添加:C−28チオキセン3.6gを85mLのエトキシエタノールに溶解し、得られた溶液を、約1.0mL/分の一定の添加速度で85〜100分を要して粒子に滴下して加えた。粒子を5分間攪拌し、0.1N水酸化ナトリウム6.0mLおよび脱イオン水30mLを10分かけて加えた。粒子を5分間攪拌した。
4.1−Cl−BPEAの添加:1gの1−Cl−BPEAを155mLのeeに加え、95℃に穏やかに加熱して1−Cl−BPEAを溶解させた。1−Cl−BPEAのエトキシエタノ−ル溶液を5分間攪拌し、0.1N 水酸化ナトリウム6.0mLおよび脱イオン水12mLを5分かけて加えた。粒子を10分間攪拌した。
5.ルブレンの添加:ルブレン(再結晶して融点328〜329℃、480mg)を200mLの1,2−ジメトキシエタンに溶解し、ついで攪拌しながら上記粒子に70〜90分を要して加えた。添加速度は3.0mL/分とした。次に、0.1N 水酸化ナトリウム30mLおよび脱イオン水120mLを30分かけて粒子に加え、メジウムを10分間攪拌した。メジウムを攪拌しながら、1時間かけて40℃に冷却した。粒子を、43ミクロン(Tetko)のフィルター(Tetko Inc, Briacliff Manor, NYから)を用いてMicrogon装置上でろ過した。
【0135】
粒子は、約15重量%の染料が導入されていること、および粒子の濃度は37mg/mLであることが測定された。粒子のサイズは216nm±17nmであった。染料の濃度は次の通りであった。すなわち、C−28チオキセン、約100mM:1−Cl−BPEA、約43mM;ルブレン、約21.5mM。
【0136】
N−Phe粒子の製造
Microgonのセットアップ:Microgonは“Minikros Lab Systems”のマニュアル8〜10頁に記載されているようにして組み立てた。約5〜10psiの間の操作には0.1ミクロンモジュールを用いた。Microgon装置はエタノール(200プルーフ)で洗浄した。
【0137】
装置のセットアップ:
1.油浴は95±3℃に加熱した。中央の頚部にデジタルcafeama機械攪拌器を装着した1Lの3頚丸底フラスコを油浴中に浸した。
2.粒子の添加:200mL±5.0mLのラテックス粒子を、メスシリンダーを用いてrbfに加え、2×30mLのエトキシエタノール(ee)で洗浄し、内容物をrbfに移した。フラスコに0.1N水酸化ナトリウム 20±5mLを加えた。粒子を95℃で20分間、330rpm/分で攪拌した。
3.N−Pheの添加:N−Phe(1.93g、5.4mmol)を85mLのエトキシエタノールに溶解し、得られた溶液を、約1.0mL/分の一定の添加速度で85〜100分を要して粒子に加えた。粒子を5分間攪拌し、0.1N 水酸化ナトリウム6.0mLおよび脱イオン水30mLを10分かけて加えた。粒子を5分間攪拌した。
4.ルブレンの添加:ルブレン(480mg、0.9mmol)を200mLの1,2−ジメトキシエタンに溶解し、ついで攪拌しながら上記粒子に70〜90分を要して加えた。添加速度は3.0mL/分とした。次に、0.1N 水酸化ナトリウム30mLおよび脱イオン水120mLを30分かけて粒子に加え、メジウムを10分間攪拌した。メジウムを攪拌しながら、1時間かけて40℃に冷却した。粒子を、43ミクロン(Tetko)のフィルター(Tetko Inc, Briacliff Manor, NYから)を用いてMicrogon装置上でろ過した。
【0138】
実施例1
可塑剤を加えた光活性(DopTAR)粒子の製造
Microgonのセットアップ:
Microgonは“Minikros Lab Systems”のマニュアル8〜10頁に記載されているようにして組み立てた。約5〜10psiの間の操作には0.1ミクロンモジュールを用いた。Microgon装置はエタノール(200プルーフ)で洗浄した。
【0139】
材料:
1.上述のように調製したTAR粒子
2.N−ヘプタデシルベンゼン(Pfaltz & Bauerから)
3.エタノール
4.アミノデキストラン(15.5グルコースにつき1アミン)
5.EDAC(Sigma)
6.デキストランアルデヒド(糖あたり8〜9アルデヒド)
7.ナトリウムシアノボロヒドリド
8.MES緩衝液
9.食塩
【0140】
操作
反応はアルミニウムホイルでキャップし、覆った500mLのコニカルフラスコ中で実施した。コニカルフラスコに0.5mLのN−ヘプタデシルベンゼン(ドーパントとして)および10mLのエタノールを加えた。アミノデキストラン(1.0g)を20mLの50mM MES緩衝液(pH=6.0)(50mg/mL)に溶解し、ついでコニカルフラスコに加えた。次に30mLのMES緩衝液(50mM、pH=6.0)をコニカルフラスコに加え、ついで振盪または攪拌した。光活性化TAR粒子(25mg/mL)を含有するメジウム80mLをコニカルフラスコに加え、これを再度、振盪または攪拌した。フラスコに60mLのMES緩衝液(50mM、pH=6.0)を加えた。フラスコをアルミホイルで覆い、80〜85℃で振盪器に入れた。
【0141】
振盪器に16時間置いたのち、粒子の温度を室温まで低下させた。DEAC(400mg)を5.0mLの脱イオン水に溶解し、1mLを上記フラスコに振盪しながら10分を要して加えた。フラスコを室温で振盪器に16時間戻した。MES緩衝液中等量の1.0M NaClをコニカルフラスコに加えた。混合物をMicrogonセットアップに充填し、粒子を25〜50mLに濃縮した。粒子をMES緩衝液中0.5M NaCl 2〜3Lで洗浄した。粒子のサイズはNICOMP装置を用いて測定した。
【0142】
染料の濃度は、チオチキセン100mM;Cl−BPEA 25mM;ルブレン35mMであり、可塑剤は20重量%のレベルで存在した。ビーズ上のデキストラン濃度はよく知られたアントロン法で10±2%と測定された。2gのアミノコーティング粒子をMES緩衝液(pH=6.0、50mMおよび0.5M NaCl)中20mg/mLに再懸濁した。総容量は100mLであった。
【0143】
上記懸濁液のアリコート(10mL)を取り、15パルスで超音波処理した。超音波処理したビーズ懸濁液を予めろ過したデキストランアルデヒド(60mg/mL)240mLに500mLのボトル中で振盪しながら滴下して加えた。新たに調製した40mg/mLのNaCNBH3の溶液12mLをビーズに加え、これを振盪器上で37℃において48時間インキュベートした。粒子はついでMicrogon装置に付した。
【0144】
実施例2
ドーピングした粒子の化学ルミネセンスの減衰
化学ルミネセンス粒子(ヘプタデシルベンゼンでドーピングまたはドーピングしない)50μgおよび50nMのフタロシアニンテトラスルホン酸を1.0mLのトリス緩衝液(pH 8.0;50mM)中で混合した。本例におけるすべての測定および以下に掲げる測定は実験室内で組み立てた手動式のリーダーを用いて実施した。このリーダーは、高速フィルター交換機構を有するほかは慣用のリーダーと類似している。リーダーは675nmのレーザーでサンプルを照射し、ついで発光した光を適当なシャッターおよびフィルターを使用して光増幅管で読み取る。溶液をリーダー内(37℃)に置き、680nmで1時間照射し、50ミリ秒遅れた化学ルミネセンスの読みを6秒間記録した。ドーピングおよび非ドーピング粒子の両者についてシグナル強度対時間のプロットを図1に示す。対数プロットを図2に示す。本発明によりドーピングしたビーズの化学ルミネセンスの減衰は一相性で、半減期は37℃で0.52秒であった。ドーピングしていないビーズについての化学ルミネセンスは多相性であった。
【0145】
実施例3
ドーピング粒子の安定性
抗体(TSH)でコーティングした化学ルミネセンス粒子(ヘプタデシルベンゼンでドーピングまたはドーピングしない)50μgを米国特許5,618,732(この関連する開示は引用により本明細書に導入する)の記載と類似の方法で調製した。これらの粒子を1.0mLのトリス緩衝液(pH 8.0;50mM)に加え1%Zwittergen(Sigma Chemical Company)とともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベートした粒子の溶液に50nMのフタロシアニンテトラスルホン酸を加えた。溶液をリーダー装置内(室温37℃)に置いた。溶液を680nmで1秒間照射し、50ミリ秒遅れた化学ルミネセンスの読みを5秒間記録した。ドーピングおよび非ドーピング粒子の両者についてシグナル強度対時間のプロットを図3に示す。対数プロットを図4に示す。本発明によりドーピングしたビーズの化学ルミネセンスの減衰は一相性で、半減期は37℃で0.50秒であった。
【0146】
実施例4
ドーピング粒子の熱安定性
デキストランアルデヒドでコーティングした化学ルミネセンス粒子(ヘプタデシルベンゼンでドーピング)50μgおよび200μgのヒドラジンでコーティングした増感剤ビーズを1.0mLのトリス緩衝液(pH 8.0;50mM)に加え37℃で18時間インキュベートした。ヒドラジンコーティングは本技術分野で周知の操作によって実施した。インキュベートした粒子溶液に100mLを0.9mLの緩衝液B(10mM トリス緩衝液、pH 8.3、50mM KCl、4mM MgCl2および0.2mg/mLアセチル化BSA)に加えた。チューブの1セットを35サイクルの熱サイクル(各サイクル=96℃、60秒;74℃、30秒、65℃、60秒)に付した。溶液を上記リーダー装置内(温度40℃)に置いた。溶液を680nmで1秒間照射し、50ミリ秒遅れた化学ルミネセンスを6秒間記録した。ドーピングおよび非ドーピング粒子の両者についてシグナル強度対時間のプロットを図5に示す。対数プロットを図6に示す。
【0147】
実施例5
ペルフルオロデカリンでドーピングした粒子の安定性
抗体(TSH)でコーティングした化学ルミネセンス粒子(ペルフルオロデカリンでドーピング)50μgをトリス緩衝液(pH 8.0;50mM、0.1%のTween-20とともに)1.0mLに加え37℃で2日間インキュベートした。ペルフルオロカーボン粒子はヘプタデシルベンゼン含有粒子の場合と同様にして調製した。インキュベートした粒子の溶液に50nMのフタロシアニンテトラスルホン酸を加えた。溶液を上述のリーダー装置内(室温37℃)に置いた。溶液を680nmで1秒間照射し、50ミリ秒遅れた化学ルミネセンスを5秒間記録した。ペルフルオロデカリンでドーピングした粒子についてのシグナル強度対時間のプロットを図7に示す。ペルフルオロデカリンによりドーピングしたビーズの化学ルミネセンスの減衰は一相性で、半減期は37℃で0.24秒であった。上に示したように、ヘプタデシルベンゼンでドーピングしたビーズの半減期は同じ条件下で0.52秒であった。
【0148】
実施例6
2つの異なる温度における化学ルミネセンスの減衰
化学ルミネセンス粒子(ヘプタデシルベンゼンでドーピングまたはドーピングしない)50μgおよび50nMのフタロシアニンテトラスルホン酸を1.0mLのトリス緩衝液(pH 8.0;50mM)中で混合した。溶液を上述のリーダー内(温度37℃または50℃)に置いた。溶液を680nmで1時間照射し、50ミリ秒遅れた化学ルミネセンスを4秒間記録した。ドーピングおよび非ドーピング粒子の両者についてシグナル強度対時間のプロットを図8に示す。対数プロットを図9に示す。化学ルミネセンスの減衰はドーピングした粒子については一相性で、半減期は37℃で0.48±0.05秒および50℃で0.166秒であった。
【0149】
実施例7
ドーピング化学ルミネセンス粒子を用いたHbsAgアッセイ
プールした血清中HbsAg標準(0〜100pg/mL)を、0.8mLの緩衝液B中抗−HbsAg抗体でコーティングしたドーピングまたは非ドーピング化学ルミネッサービーズ(アッセイあたり2μg)のいずれか、およびビオチン化抗体−2に加え、20分間インキュベートした。アッセイ混合物に、緩衝液B中20μgのストレプトアビジンを加え、10分間インキュベートした。サンプルを680nmの光で1秒間照射し、50ミリ秒に発光した光を1秒間記録した(550〜650nmバンドパスフィルター)。この操作を6回反復し、総シグナルを図10にプロットした。CVは血液銀行からの1500の陰性サンプルを、ドーピングおよび非ドーピング粒子の両者について測定した。1500のサンプルについて両セットのCVは2〜3%であった。ドーピングおよび非ドーピングビーズの問題の6サンプルについて図11に比較した。
【0150】
実施例8
ドーピング増感剤ビーズを用いたHbsAgアッセイ
プールした血清中HbsAg標準(0〜100pg/mL)を、0.8mLの緩衝液B中、抗−HbsAg抗体でコーティングしたドーピングしていない化学ルミネッサービーズ(アッセイあたり2μg)およびビオチン化抗体−2のいずれかに加え、20分間インキュベートした。アッセイ混合物に、緩衝液B 0.2mL中20μgのドーピングまたは非ドーピングされたストレプトアビジンビーズを加えて、10分間インキュベートした。サンプルを680nmの光で1秒間照射し、50ミリ秒後に発光した光を1秒間収集した(550〜650nmバンドパスフィルター)。この操作を6サイクル反復し、総シグナル(3実験の平均)を以下の表1に表化する。
【表1】
Figure 0004773662
【0151】
実施例9
ドーピング化学ルミネッサービーズを用いたTSHアッセイ
プールした血清TSH標準(0および1μLU/mL)を、0.8mLの緩衝液B中、抗−TSH抗体でコーティングしたドーピングおよび非ドーピング化学ルミネッサービーズ(アッセイあたり2μg)のいずれかおよびビオチン化抗体−2に加え、20分間インキュベートした。アッセイ混合物に、緩衝液B 0.2mL中20μgのストレプトアビジンビーズを加えて、10分間インキュベートした。サンプルを680nmの光で1秒間照射し、50ミリ秒後に発光した光を1秒間収集した(550〜650nmバンドパスフィルター)。この操作を6回反復し、総シグナルを以下の表1に表化し、図12にプロットする。
【表2】
Figure 0004773662
【0152】
実施例10
ドーピング増感剤ビーズを用いたTSHアッセイ
プールした血清TSH標準(0および1.0μU/mL)を、0.8mLの緩衝液B中、抗−TSH抗体でコーティングした非ドーピング化学ルミネッサービーズ(アッセイあたり2μg)およびビオチン化抗体−2のいずれかに加え、20分間インキュベートした。アッセイ混合物に、緩衝液B 0.2mL中20μgのドーピングおよび非ドーピングストレプトアビジンビーズを加えて、10分間インキュベートした。サンプルを680nmの光で1秒間照射し、50ミリ秒後に発光した光を1秒間収集した(550〜650nmバンドパスフィルター)。この操作を6サイクル反復し、総シグナル(3実験の平均)を以下の表3に表化する。
【表3】
Figure 0004773662
【0153】
実施例11
野生型5HIVの均一系定性的検出および内部対照(ELGA)
オリゴヌクレオチド結合粒子の調製
以下の様式で、本発明の実験に使用するため、オリゴヌクレオチドを粒子の表面に固定化した。アミノデキストラン(500mg)をスルホ−SMCC(157mg、0mL H2O)と反応させることにより、部分的にマレイミド化した。スルホ−SMCCはアミノデキストランの溶液(40mLの0.05M Na2HPO4、pH 7.5中)に加え、得られた混合物を1.5時間インキュベートした。ついで、反応混合物をMES/NaCl(2×2L、10mM MES、10mM NaCl、pH 6.0、4℃)に対して透析した。マレイミド化デキストランを15,000rpmで15分間遠心分離し、上清を集めた。上清のデキストラン溶液(54mL)をついで、MES緩衝液(pH 6.0)中イミダゾール(1.0M溶液、7mL)処理し、この攪拌溶液に染色粒子(光増感剤または化学ルミネッサー)(10mg/mL)を加えた。10分間攪拌後、懸濁液をEDAC(10mM、pH 6.0 MES中7mmol)で処理し、懸濁液を30分間攪拌した。この時間ののち、反応混合物にSurfactAmps(登録商標、Pierce Chemical Company)Tween-20(10%、0.780mL)を最終濃度0.1%に加えた。粒子をついで15,000rpmで45分間遠心分離し、上清は捨てた。ペレットをMES/NaCl(pH 6.0、10mM、100mL)中に超音波処理によって再懸濁した。15,000rpmで45分間の遠心分離、上清廃棄後のペレットの再懸濁を2回実施した。マレイミド化デキストラン粒子は水中に10mg/mL懸濁液として保存した。
【0154】
チオール化オリゴヌクレオチド(5′−ビス−(6−ヒドロキシエチルジスルフィド)基)(オリゴ等)を水に0.49mMの濃度で溶解した。この溶液116mLに8.3μLの3.5M 酢酸ナトリウム、pH 5.3および8.9μLのトリス(カルボキシエチル)ホスフィン(20mM)を加えた。室温で30分間インキュベートしたのち、冷エタノール548μLを加え、混合物を約−20℃に1.5時間保持した。沈殿したオリゴヌクレオチドをエッペンドルフ遠心分離機により15000rpmで2分間遠心分離し、ついで37.5mLの5mMリン酸ナトリウム、2mM EDTA、pH 6に溶解した。
【0155】
上述のように調製した22mgのビーズを含むマレイミド化ビーズのアリコートを約37,000gで30分間遠心分離し、ペレットを96μLの0.26M NaCl、0.05%Tween-20、95mMのリン酸ナトリウムおよび95mMのEDTA、pH 7に再懸濁した。チオール化オリゴヌクレオチドを加え、混合物をアルゴン下37℃に64時間保持した。ナトリウムチオグリコレートの10μLアリコートを加え、インキュベーションを37℃で2時間続けた。水を加えて総容量を1mLとし、ビーズを遠心分離によって回収し、5mLの0.1M NaCl、0.17Mグリシン、10mg/mLのBSA、1mM EDTA、0.1%Tween-20およびウシ胸腺DNA(Sigma Molecular Biology用)、pH 9.2に再懸濁した。3時間後ビーズを回収し、緩衝液A中で2回、標準PCR緩衝液中で1回、3回遠心分離して洗浄した。生成物はPCR緩衝液中冷蔵庫に保存した。緩衝液Aは0.1Mトリス塩基(J.T. Baker Chemical Co.)、0.3M NaCl(Mallinckrodt)、25mM EDTA Na22O(Sigma Chemical Co.)、0.1%BSA(Sigma Chemical Co.)、0.1%デキストランT−500(Pharmacia)、HBR−1(Scantibodies)、0.05% Kathonおよび0.01%硫酸ゲンタマイシン(GIBCO)を含有し、それらを溶解して調製する。濃塩酸でpHを8.20に調整し、蒸留水で10Lとした。上記操作は、Ullmanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1994, 91: 5426- 5427, 5427頁1欄に記載の方法を類似の様式に改変することができる。
【0156】
野生型HIVおよび内部対照(ELGA)の検出
標的HIV RNA(Organon Teknika, Boxtel, Netherlands)を等温NASBA増幅操作によって増幅した。Organon TeknikaのNASBA増幅キットを使用した。野生型(WT)に特異的なプローブをドーピングしたTARビーズに付着させた。内部対照(ELGA)に特異的なプローブはN−フェニツオキサジンビーズ(減衰半減期30秒の化学ルミネッサービーズ)に付着させた。増感剤ビーズには、WTおよびELGA配列の両者を認識するプローブを付着させた。NASBA増幅は米国特許5,130,238に記載のようにして行った。その関連の開示は引用により本明細書に導入する。増幅は62.5nMのプローブ(4種の異なるプローブ)および各タイプのビーズ(2種の化学ルミネッサーおよび2種の増感剤)1.25μgの存在下に実施した。20μLの反応混合物を41℃で90分間インキュベートした。シグナルを読んで以下の表4に示す。読み取りサイクル:0.1秒照射、0.5秒読み取り;30秒遅延および5秒読み取り。
【0157】
生シグナルから、5秒ウインドウはn−フェニルオキサジンビーズのみから化学ルミネセンスを示した。これは、減衰が一相性であることから、ド−ピングTARビーズを用いた場合にのみ生じることができる。ドーピングされていないTARビーズを用いた場合には、シグナルは5秒読み取り領域にわたって撒き散らされる。しかしながら、0.5−秒RLU値はドーピングされたTARおよびN−Pheビーズの両者の組み合わせを有する。N−PheシグナルのドーピングTARウインドウへの計算されたクロスオーバーはその5秒シグナルの約0.57倍である。結果は以下の表4にまとめる。
【表4】
Figure 0004773662
【0158】
実施例12
野生型HIVの均一な定量的検出および定量的対照(QA)
WTに特異的なプローブはDopTRAビーズに付着させた。定量的対照に特異的なプローブはN−フェニルオキサジンビーズ(30秒減衰半減期を有する化学ルミネッセンサービーズ)に付着させた。増感剤ビーズには、WTおよびQA配列の両者を認識するプローブを付着させた。NASBA増幅は上述のように、62.5nMのプローブ(4種の異なるプローブ)および各タイプのビーズ(2種の化学ルミネッサーおよび2種の増感剤)1.25μgの存在下に実施した。25μLの反応混合物を41℃で90分間インキュベートした。シグナルを読んで以下の表5に示す。読み取りサイクル:0.1秒照射、0.5秒読み取り;30秒遅延および5秒読み取り。
【0159】
生シグナルから、5秒ウインドウはn−フェニルオキサジンビーズのみから化学ルミネセンスを示した。これは、減衰が一相性であることから、ド−ピングTARビーズを用いた場合にのみ生じることができる。ドーピングされていないTARビーズを用いた場合には、シグナルは5秒読み取り領域にわたって撒き散らされる。しかしながら、0.5−秒RLU値はドーピングされたTARおよびN−Pheビーズの両者の組み合わせを有する。N−PheシグナルのドーピングTARウインドウへの計算されたクロスオーバーはその5秒シグナルの約0.57倍である。野生型シグナル(0.5秒の読み):400 RLU/10 atomole、定量的対照(QA)シグナル(5秒の読み:20 RLU/10 attomole。
【0160】
【表5】
Figure 0004773662
【0161】
実施例13
標的HIV RNA(Organon Teknika, Boxtel, Netherlandsから入手)を等温NASBA増幅操作によって増幅した。Organon TeknikaのNASBA増幅キットを使用した。標的RNA(以下WTと表示する)は様々な初期インプット(反応あたりの分子数)において既知分子数での参照RNAの存在下に増幅させた。参照RNA分子(以下、Qaと呼ぶ)を、21ヌクレオチドの内部配列を除いて標的RNAに均一になるように操作した(Organon Teknikaによる)。参照RNA中のこの配列はその3′−末端から63のヌクレオチドであり、以下に掲げる第三のオリゴヌクレオチドプローブに相補性であった。標的RNAにおける相当する配列は、以下に掲げる第二のオリゴヌクレオチドプローブと相補性であった。3′−末端から29ヌクレオチドである標的および参照RNA両者の配列は第一のオリゴヌクレオチドプローブまたは共通のプローブに相補性であった。
【0162】
参照RNAの上記設計は、標的および参照RNAに対するのと等しい増幅効率において、同じNASBAプライマーおよび酵素による参照および標的RMAの増幅を保証する。標的および参照RNAの配列は、J. Viological Methods, 1993, 43: 177-188に製造業者によって記載されていた。
【0163】
上述のように均一な化学ルミネセンスの検出方法が、測定のためのシグナルの発生に使用された。化学ルミネセンスシグナルは1対のプローブが標的RNAアナライトに結合した場合、その一つが一重項酸素産生粒子、増感剤粒子に結合し、その他方は、特異的アクセプター染料によって染色された粒子に結合した場合に産生される。これらのプローブは本明細書においては、粒子検出プローブと呼ばれる。粒子検出プローブは、以下の配列中に下線によって指示する第一のオリゴヌクレオチドプローブ中の配列と相補性であった第一のオリゴヌクレオチド検出プローブを包含した。増感剤が会合する粒子は第一のオリゴヌクレオチド検出プローブの3′−末端に付着した。第二のオリゴヌクレオチド検出プローブは、以下の配列中に下線によって指示する第二のオリゴヌクレオチドプローブ中の配列と相補性であった配列からなる。DopTAR染色された粒子は第二のオリゴヌクレオチド検出プローブの3′−末端に付着した。第三のオリゴヌクレオチド検出プローブは、以下の配列中に下線によって指示する第三のオリゴヌクレオチドプローブ中の配列と相補性であった配列からなる。N−PHE染色粒子は第三のオリゴヌクレオチド検出プローブの3′−末端に付着した。粒子検出プローブは、本例に使用されたそれぞれ第一、第二または第三のオリゴヌクレオチドに結合し、この場合、結合は非共有結合で、それぞれ第一、第二または第三のオリゴヌクレオチドプローブにおける相補性配列への3′−または5′−オリゴヌクレオチド尾部いずれかでの粒子検出プローブ配列のハイブリダイゼーションに基づくものである。共通の増感剤粒子の複合体によって、産生される化学ルミネセンスシグナルは、各特異的化学ルミネッサー粒子とともに特異的に検出された。
第一のオリゴヌクレオチドプローブ
5′(dT)20TGTTAAAAGAGACCATCAATGAGGA 3′ (配列番号:1)
第二のオリゴヌクレオチドプローブ
5′(TACT)5GCTGCAGAATGGGATAGA 3′ (配列番号:2)
第三のオリゴヌクレオチドプローブ
5′GATGACAGTCGCATGCAG (CTAT)5 3′ (配列番号:3)
【0164】
すべてのプローブは製造業者によって3′−C7アミノがブロックされ、ゲル精製された。プローブの下線部分は、粒子検出プローブ上における3′−または5′−テールに相補性な20ヌクレオチドの配列を表す。
【0165】
試験および参照RNAのRNA増幅は、すべてのプローブ、検出粒子および増幅試薬を含有する混合物中で実施した。使用された増幅試薬は製造業者(Organon Teknika)により提供された。凍結乾燥されたNASBA試薬、Accusphere(登録商標)を指示し従い再構築した。試薬混合物には、すべてのプライマー、NTP、MgCl2および緩衝液成分が包含される。標的および参照RNA、第一、第二および第三のオリゴヌクレオチドプローブおよび相当する粒子検出プローブは再構築反応混合物に加えた。第一のオリゴヌクレオチドプローブの濃度は25nMとし、第二および第三のオリゴヌクレオチドプローブの濃度は25nMの最終濃度とした。粒子検出プローブの濃度は反応あたり1μgの最終濃度とした、標的および参考RNA分子は既知の分子数で、相当する増幅チューブに加えた(2μL)。初期反応混合物の総容量は標的および参照RNAを含めて15μLであった。混合物は白色の軽い鉱油(Aldrich Chemical Cpmpany)20μLで覆い、65℃で5分間インキュベートした。41℃で10分間インキュベートしたのち、酵素の混合物(Orgamon Teknik)を加えた。増幅は、最初41℃の温度で合わせて計70分間行った。しかしながら、この期間の30分には不注意で8分間温度が28℃に低下したが、残りの32分間は41℃に戻した。インキュベーションはすべて熱サイクラー(Biometra Trio Thermocycler, Biometra)中で実施した。熱サイクラーは優れたインキュベーションデバイスであること、および熱サイクリングの必要がないことから、使用された。増幅反応の目的では、シグナルはフィルターホイールを装着した手動式リーダーを用いて読み取った。化学ルミネセンスシグナルの読み取りサイクルは以下の通りとした。680nmでの照射1秒、3サイクル、0.5秒読み取り(550〜660nm)、30秒遅延および10秒読み取り(650nm、短いパスフィルター)。
【0166】
結果は以下の表6にまとめる。DopTARおよびN−PHE粒子についての補正した化学ルミネセンスシグナルは、それぞれWTおよびQAと命名し、表6に示す。補正したシグナルの比は、したがって表1に示したように、試験および参照RNA標的濃度の比に比例し、その値を表す。
【表6】
Figure 0004773662
【0167】
実施例14
DopTAR粒子の別の製造
C28 チオキセン(上記実施例1のように製造)、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラレン(1−Cl−BPEA)(Aldrich Chemical Companyより)およびルブレン(Aldrich Chemical Companyより)からなる粒子は上述のようにして調製した。上記粒子のアリコート(47.9mg/mL 10%含水エタノール, pH10〜11)を13×100mmのガラス培養チューブ中1mLの10%含水エタノールに希釈し、約98〜99℃に維持した熱ブロック中に置いた。N−ヘプタデシルベンゼン(ドーパントとして)(HB)(20μL)(Pfaltz & Bauer)を同じチューブ中で2mLのエタノール中に希釈し、熱ブロックに入れた。平衡化のために数分間放置し、ついで粒子をパスツールピペットにより速やかにHB溶液中に加えた。内容物をピペットで20分間完全に混合した。チューブの内容物を冷却し、2mLのエタノールを加えて混合物の濃度を67%にした。懸濁液のアリコートを6×1.5−mLのエッペンドルフ試験管に取り、ベンチトップ冷凍遠心分離器中15Krpmで20分間遠心分離した。澄明であるが粘稠な黄色の上清約5.5mLを粒子から除去し、粒子を50%エタノール0.5mL中に超音波波処理によって懸濁した。15Krpmで20分間遠心分離したのち、上清を除去し、ペレットを25%エタノール2mL中に懸濁した。
【0168】
元の粒子(TAR)懸濁液からのアリコート100mLおよび上述のドーパント(DopTAR粒子)を秤量したガラス試験管に取り、それぞれ5.5および2.7mgの一定重量に蒸発させた。乾燥した残留物をそれぞれ、8および4mLのジオキサンに溶解した。これらの溶液の吸収スペクトルを比較した。DopTAR材料の吸収スペクトルにおける約15%の低下は粒子重量の約15重量%はHBの存在によることを示唆する。
【0169】
TARおよびDopTAR粒子の化学ルミネセンスの壊変を比較した。各タイプの粒子(1mg)を可溶性の増感剤、すなわちアルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート(Porphyrin Product, Logan, Utah)(C.D. 0.56@678nm)の水溶液1mLで希釈した。混合物を以下のパラメーター、すなわち照射1秒、読み取り30秒、サイクルあたり200データポイントを用いて37℃で平衡化させた。5秒にDopTAR粒子からの発光は約2%に低下したが、元のTAR粒子からの発光は約4%に10秒までに低下した。DopTAR粒子はバックグランドに到達したが、元のTAR粒子ななおそれらの初期強度の約1.5%を発光した。
【0170】
開始時のTAR粒子およびDopTAR粒子のサイズ分布をNICOMPサブミクロン粒子サイザー370型(NICOMP粒子サイジングシステム,Santa Barbara, CA)により比較した。各タイプの粒子(20μg)は0.2ミクロンろ過D.I.水1mL中に存在した。DopTAR粒子の平均直径は開始時のTAR粒子より約25nm大きく、それぞれ約220および195であった。
【0171】
0.5mgの粒子を0.5mLの可溶性増感剤(O.D. 1.12@678nm)に溶解し、ドライアイス中で凍結することによってDopTAR粒子の化学ルミネセンス発光スペクトルを開始時粒子と比較した。ついで、凍結懸濁液を60秒間、650nm長のパスフィルターを装着したDolan-Jennerランプで照射した。照射後、サンプルを直ちにフルオロメーターに移し、化学ルミネセンス発光をルミネセンスモード(Emスリット20nm,スキャンスピード1200nm/分)で記録した。開始時粒子におけるチオキセンからのわずかな発光(420)はDopTAR粒子では低下した。2つのスペクトルはその微量な差を除いてほぼ同一で、ドーパントの導入(ドーピング)は粒子の発光スペクトルには全く影響しないことが指示された。
【0172】
上述の考察には本発明に含まれるある種の機構に関する原理が包含されている。これらの原理は、本発明が記載の結果を達成することは明らかであるから、いかなる意味においても本発明の限定を構成するものではない。
【0173】
以上、本発明を明確にし理解させる目的で例示および実例によりある程度詳細に説明してきたが、特許請求の範囲内においてある種の改変および修飾が可能なことは自明の通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による粒子および従来技術における粒子についてシグナル強度対時間のプロットを示すグラフ。
【図2】 図1のグラフの対数プロット。
【図3】 本発明の他の実施態様における粒子および従来技術における粒子についてシグナル強度対時間のプロットを示すグラフ。
【図4】 図3のグラフの対数プロット。
【図5】 本発明による粒子および従来技術の粒子についての熱安定性試験におけるシグナル強度対時間のプロットを示すグラフ。
【図6】 図5のグラフの対数プロット。
【図7】 本発明の他の実施態様による粒子についてのシグナル強度対時間のプロットを示すグラフ。
【図8】 本発明による粒子および従来技術の粒子についての2つの異なる温度での化学ルミネセンス減衰試験におけるシグナル強度対時間のプロットを示すグラフ。
【図9】 図8のグラフの対数プロット。
【図10】 本発明による粒子および従来技術の粒子を用いるHbsAgのアッセイの結果を示すグラフ。
【図11】 図10に関するアッセイからの問題のサンプル6個について本発明による粒子を従来技術の粒子と比較した結果を示すグラフ。
【図12】 本発明による粒子および従来技術の粒子を用いるTSHのアッセイの結果を示すグラフ。

Claims (26)

  1. 光活性化合物を溶解した粒状ポリマーマトリックスを含む発光組成物であって、上記粒状ポリマーマトリックスは0.1〜25重量%の可塑剤またはフルオロカーボンを含み、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルである、発光組成物。
  2. 粒状ポリマーマトリックスは直径20nm〜100μmの粒子からなる請求項1記載の組成物。
  3. 粒子は水性メジウム中に分散されている請求項2記載の組成物。
  4. 粒状ポリマーマトリックスは1〜20重量%の可塑剤を含む請求項2記載の組成物。
  5. 光活性化合物は化学ルミネセンス化合物、蛍光化合物または光増感剤である請求項4記載の組成物。
  6. 特異的結合ペアのメンバーに付着している請求項2記載の組成物。
  7. 直径20〜100μmの粒子を含み、特異的結合ペアのメンバーに結合している発光組成物であって、上記粒子はそれに (a) 1〜20重量%の可塑剤またはフルオロカーボンおよび (b) 光活性化合物を溶解したポリマーマトリックスを含み、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルである、発光組成物。
  8. (a) 2〜10重量%の可塑剤および (b) 光活性化合物を溶解した直径20nm〜100μmのポリマー粒子を含み、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルである、組成物。
  9. 光活性化合物は化学ルミネセンス化合物および光増感剤からなる群より選択される請求項8記載の組成物。
  10. ポリマー粒子はポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルナフタレンおよびポリメタクリレートからなる群より選択されるポリマーを含む請求項8記載の組成物。
  11. 特異的結合ペアのメンバーに付着している請求項8記載の組成物。
  12. 特異的結合ペアの上記メンバーは核酸である請求項11記載の組成物。
  13. 光活性物質は光増感剤である請求項8記載の組成物。
  14. (a) (1) アナライトの含有が疑われるメジウム、および (2) 上記アナライトまたは上記アナライトの存在に比例して複合体を形成する第二の sbp メンバーに結合できる第一の特異的結合ペア(sbp)のメンバーの組み合わせを用意し、ここで、上記 sbp メンバーの少なくとも一つはその中に均一に分散された1〜20重量%の可塑剤またはフルオロカーボンおよび光活性物質を有する直径20nm〜100μmのポリマー粒子に結合しており、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルであり、
    (b) 上記光活性物質を活性化し、そして
    (c) 上記組み合わせの光学的性質に対する活性化作用を測定する、ここで上記作用の大きさは上記メジウム中の上記アナライトの量に比例する
    ことからなるアナライトを定量する方法。
  15. 光活性物質は化学ルミネセンス化合物および光増感剤からなる群より選択される請求項14記載の方法。
  16. 第一のsbpメンバーは粒子に会合している請求項14記載の方法。
  17. 組み合わせは、粒子と会合した第二の sbp メンバーを含む請求項14記載の方法。
  18. 粒子は化学ルミネセンス化合物を含み、組み合わせはさらに増感剤を含む請求項14記載の方法。
  19. 増感剤は sbp メンバーの一つと会合した第二の粒子のセット中に導入される請求項18記載の方法。
  20. 第二の粒子のセットは可塑剤またはフルオロカーボンを含む請求項19記載の方法。
  21. ポリマー粒子はポリスチレン、ポリ塩化ビニルおよびポリビニルナフタレンからなる群より選択されるポリマーを含む請求項14記載の方法。
  22. (a) アナライトの含有が疑われるサンプルを請求項8に記載の粒子および上記アナライトの量に比例する色の変化を生じる試薬と混合し、
    (b) 上記光活性物質を活性化し、上記色の変化の量に発光強度を関係づける
    ことからなるアナライトを定量する方法。
  23. アッセイに使用するキットであって、アッセイを実施するためのパッケージされた試薬の組み合わせを含み、該試薬は1〜20重量%の (i) 可塑剤またはフルオロカーボンおよび (ii) 光活性物質が導入された直径20nm〜100μmのポリマー粒子に結合した少なくとも1種の特異的結合ペアのメンバーを含み、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルである、上記キット。
  24. 光活性物質は化学ルミネセンス化合物および光増感剤からなる群より選択される請求項23記載のキット。
  25. ポリマー粒子はポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルナフタレンおよびポリメタクリレートからなる群より選択されるポリマーを含む請求項23記載のキット。
  26. 光活性化合物および0.1〜25重量%の可塑剤またはフルオロカーボンを溶解したポリマーマトリックスを含み、直径20〜100μmを有する粒子を製造する方法であって、(i) 上記光活性物質を含む上記粒子および (ii) 水性メジウム中の上記可塑剤またはフルオロカーボンを含む混合物を、上記可塑剤または上記フルオロカーボンが上記粒子中に0.1〜25重量%溶解するのに十分な時間、温度および濃度で加熱することからなり、可塑剤は高級アルキル芳香族および高級アルキルオキシ芳香族化合物からなる群より選択され、高級アルキルは15〜25炭素原子を含有する分岐状または非分岐の飽和1価炭化水素ラジカルである、上記方法。
JP2001545848A 1999-12-15 2000-11-27 診断・治療用粒子 Expired - Lifetime JP4773662B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/465,065 US6703248B1 (en) 1999-12-15 1999-12-15 Particles for diagnostic and therapeutic use
US09/465,065 1999-12-15
PCT/US2000/032361 WO2001044811A2 (en) 1999-12-15 2000-11-27 Plasminogen activator assay involving an elastase inhibitor

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003517608A JP2003517608A (ja) 2003-05-27
JP2003517608A5 JP2003517608A5 (ja) 2011-06-16
JP4773662B2 true JP4773662B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=23846360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001545848A Expired - Lifetime JP4773662B2 (ja) 1999-12-15 2000-11-27 診断・治療用粒子

Country Status (6)

Country Link
US (3) US6703248B1 (ja)
EP (1) EP1240522B1 (ja)
JP (1) JP4773662B2 (ja)
DE (1) DE60043235D1 (ja)
ES (1) ES2335473T3 (ja)
WO (1) WO2001044811A2 (ja)

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040055965A1 (en) * 1997-06-13 2004-03-25 Hubig Stephan M. Recreational water treatment employing singlet oxygen
US6703248B1 (en) * 1999-12-15 2004-03-09 Dade Behring Marburg Gmbh Particles for diagnostic and therapeutic use
EP1302770A4 (en) * 2000-07-14 2004-09-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd PARTICLE MARKING PROTEIN AND IMMUNO-CHROMATOGRAPHER USING THE SAME
US20060063219A1 (en) * 2004-09-17 2006-03-23 Chiron Corporation Trivalent metal mediated homogeneous luminescent proximity assay
US20080293153A1 (en) * 2005-07-08 2008-11-27 Kutateladze Andrei G Photolabile System with Instantaneous Fluorescence Reporting Function
WO2007008472A2 (en) * 2005-07-08 2007-01-18 Colorado Seminary, Which Owns And Operates The University Of Denver Photoinduced signal amplification through externally sensitized photofragmentation in masked photosensitizers
JP4902183B2 (ja) * 2005-12-06 2012-03-21 日立マクセル株式会社 機能性赤外蛍光粒子
WO2007070761A2 (en) * 2005-12-12 2007-06-21 Colorado Seminary, Which Owns And Operates The University Of Denver Method for encoding and screening combinatorial libraries
CA2669398C (en) * 2006-11-13 2016-01-05 Perkinelmer Las, Inc. Detecting molecular interactions comprising a target-selective binding agent and a target molecule with fluorescence resonance energy transfer (fret)
US20100105071A1 (en) * 2007-02-28 2010-04-29 Children's Medical Center Corporation Methods for predicting the onset of menarche
JP5214723B2 (ja) 2007-04-30 2013-06-19 ナノゲン・インコーポレイテッド 多分析物アッセイ
US20080305157A1 (en) * 2007-06-08 2008-12-11 University Of Maryland Office Of Technology Commercialization Encapsulation and separation of charged organic solutes inside catanionic vesicles
US8735167B2 (en) * 2007-08-20 2014-05-27 Colorado Seminary, Which Owns And Operates The University Of Denver Photoinduced signal amplification through externally sensitized photofragmentation in masked photosensitizers and photoamplified fluorescence turn-off system
US9347947B2 (en) * 2009-03-12 2016-05-24 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Immunoassays employing non-particulate chemiluminescent reagent
US20110306148A1 (en) 2010-06-14 2011-12-15 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Composition for use as an assay reagent
US10088490B2 (en) 2010-08-20 2018-10-02 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Assay for analytes using multiple receptors
EP2742352B1 (en) 2011-08-12 2018-02-28 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Detection of sex steroids
ITVR20120049A1 (it) * 2012-03-19 2013-09-20 Bbs Srl Soluzione colorata in particolare per uso in metodi chirurgici per il trattamento del corpo umano o animale
US9244083B2 (en) 2012-11-30 2016-01-26 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Compositions and methods for detecting vitamin D
US20140308751A1 (en) 2013-04-12 2014-10-16 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Assays for Analyte Homologs
US20160252507A1 (en) * 2013-10-24 2016-09-01 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Assays for macromolecular analytes
JP6596440B2 (ja) * 2014-03-26 2019-10-23 シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド 3つの抗体を利用する発光酸素チャネリング免疫測定法並びにその製造方法及び使用
EP3161005B1 (en) 2014-06-27 2020-11-25 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Binding partners specific for vitamin d epimers in vitamin d assays
BR112016030560A8 (pt) 2014-06-27 2021-07-13 Siemens Healthcare Diagnostics Inc parceiros de ligação específicos para epímeros de vitamina d, anticorpo e método para separar uma vitamina d epimérica de uma amostra suspeita de conter uma vitamina d epimérica
AU2017378406A1 (en) 2016-12-14 2019-06-13 Biora Therapeutics, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with an immunosuppressant
MX2019006864A (es) 2016-12-14 2019-10-15 Progenity Inc Tratamiento de una enfermedad del tracto gastrointestinal con un inhibidor de factor de necrosis tumoral (tnf).
AU2017376801A1 (en) 2016-12-14 2019-06-13 Biora Therapeutics, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with an integrin inhibitor
WO2018112256A1 (en) 2016-12-14 2018-06-21 Progenity Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with an il-1 inhibitor
EP3554344A1 (en) 2016-12-14 2019-10-23 Progenity, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a tlr modulator
WO2018112237A1 (en) 2016-12-14 2018-06-21 Progenity Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with an il-6r inhibitor
CA3045310A1 (en) 2016-12-14 2018-06-21 Progenity, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a chemokine/chemokine receptor inhibitor
US11134889B2 (en) 2016-12-14 2021-10-05 Progenity, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a SMAD7 inhibitor
AU2017378398B2 (en) 2016-12-14 2023-02-02 Biora Therapeutics, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a JAK inhibitor and devices
CN117045784A (zh) 2016-12-14 2023-11-14 比奥拉治疗股份有限公司 使用利用可摄入装置释放的il-12/il-23抑制剂治疗胃肠道疾病
EP3600249A1 (en) 2017-03-30 2020-02-05 Progenity Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a chst15 inhibitor
WO2018183932A1 (en) 2017-03-30 2018-10-04 Progenity Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with a il-13 inhibitor
EP3600416B1 (en) 2017-03-30 2023-06-07 Biora Therapeutics, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with an immune modulatory agent released using an ingestible device
US11596670B2 (en) 2017-03-30 2023-03-07 Biora Therapeutics, Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with IL-10 or an IL-10 agonist
WO2018183941A2 (en) 2017-03-30 2018-10-04 Progenity Inc. Treatment of a disease of the gastrointestinal tract with live biotherapeutics
WO2019036363A1 (en) 2017-08-14 2019-02-21 Progenity Inc. TREATMENT OF GASTROINTESTINAL TRACT DISEASE WITH GLATIRAMER OR A PHARMACEUTICALLY ACCEPTABLE SALT THEREOF
CN112424589A (zh) 2018-07-30 2021-02-26 美国西门子医学诊断股份有限公司 用于进行生物素测定的试剂盒、微流体装置和方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1392670A (en) * 1973-03-20 1975-04-30 Vnii Fiz Tekhn I Radiotekhnich Visual colour indicators of ionizing radiation doses
JPH05180773A (ja) * 1991-05-22 1993-07-23 Syntex Usa Inc ルミネセンスを利用する分析方法
US5616719A (en) * 1993-09-03 1997-04-01 Behringwerke Ag Photoactive indicator compounds
WO1997041442A1 (en) * 1996-05-01 1997-11-06 Behringwerke Aktiengesellschaft Chemiluminescent compositions and their use in the detection of hydrogen peroxide
US5709994A (en) * 1992-07-31 1998-01-20 Syntex (U.S.A.) Inc. Photoactivatable chemiluminescent matrices

Family Cites Families (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4264766A (en) 1877-09-19 1981-04-28 Hoffmann-La Roche Inc. Immunological diagnostic reagents
US3755238A (en) 1970-12-28 1973-08-28 R Wiita High gloss and low block coating composition containing plasticized vinyl resin latex and finely divided polyolefin particles
US3996056A (en) 1973-04-10 1976-12-07 Andrews Paper & Chemical Co. Diazotype reproduction layer formed from matrix of spheric particle polystyrene pigment and diazotype components
CA1101330A (en) 1977-09-19 1981-05-19 Ernst A. Fischer Immunological material bonded to carboxylated latex polymer and process for making it
US4388296A (en) 1978-03-27 1983-06-14 Hiram Hart Energy-emitting latex-particulates
US4318707A (en) 1978-11-24 1982-03-09 Syva Company Macromolecular fluorescent quencher particle in specific receptor assays
US4481136A (en) * 1979-09-07 1984-11-06 Syva Company Alkyl substituted fluorescent compounds and conjugates
US4265766A (en) * 1979-11-15 1981-05-05 Crossley Leonard S Chicken marinade draining system
DE3174918D1 (en) 1980-12-23 1986-08-14 Boehringer Mannheim Gmbh Hydrophilic latex particles, process for their preparation and their use
US4650770A (en) 1981-04-27 1987-03-17 Syntex (U.S.A.) Inc. Energy absorbing particle quenching in light emitting competitive protein binding assays
US4419453A (en) 1981-09-28 1983-12-06 The Dow Chemical Company Immunological agglutination assays with dyed or colored latex and kits
US4483929A (en) 1982-05-03 1984-11-20 Liposome Technology Incorporated Liposomes with glycolipid-linked antibodies
US4487855A (en) 1983-02-15 1984-12-11 Shih Yen Jer Colored latexes; methods for making same and colored finely divided products
US4652533A (en) * 1983-04-28 1987-03-24 Pandex Laboratories, Inc. Method of solid phase immunoassay incorporating a luminescent label
US4699826A (en) 1984-04-27 1987-10-13 Becton, Dickinson And Company Fluorescently labeled microbeads
US5145774A (en) * 1984-08-28 1992-09-08 Syntex (U.S.A.) Inc. Fluorescent dyes
US4745075A (en) 1984-09-06 1988-05-17 Burroughs Wellcome Co. Diagnostic test methods
US4719182A (en) 1985-03-18 1988-01-12 Eastman Kodak Company Fluorescent labels and labeled species and their use in analytical elements and determinations
US4735907A (en) 1985-03-18 1988-04-05 Eastman Kodak Company Stabilized fluorescent rare earth labels and labeled physiologically reactive species
US4806488A (en) * 1985-09-06 1989-02-21 Syntex (U.S.A.) Inc. Ligand-receptor assays employing squarate dye compositions
CA1291031C (en) 1985-12-23 1991-10-22 Nikolaas C.J. De Jaeger Method for the detection of specific binding agents and their correspondingbindable substances
US4891324A (en) 1987-01-07 1990-01-02 Syntex (U.S.A.) Inc. Particle with luminescer for assays
US5132242A (en) 1987-07-15 1992-07-21 Cheung Sau W Fluorescent microspheres and methods of using them
US5194300A (en) 1987-07-15 1993-03-16 Cheung Sau W Methods of making fluorescent microspheres
US4978625A (en) * 1987-10-19 1990-12-18 Becton, Dickinson And Company Fluorescence immunoassay using water insoluble dyes
US5284752A (en) 1987-12-18 1994-02-08 Eastman Kodak Company Methods of preparing a polymeric latex composition and water-insoluble biological reagent
US5234841A (en) 1987-12-18 1993-08-10 Eastman Kodak Company Methods of preparing a polymeric latex composition and water-insoluble biological reagent
US5053443A (en) 1987-12-18 1991-10-01 Eastman Kodak Company Methods of preparing a polymeric latex composition and water-insoluble biological reagent
US6083602A (en) * 1988-03-14 2000-07-04 Nextec Applications, Inc. Incontinent garments
JP2681061B2 (ja) 1988-06-08 1997-11-19 ロンドン・ダイアグノスティック・インコーポレーテッド 検出可能なシグナルのセンシタイザー誘導発生を利用したアッセイ
EP0360452A3 (en) 1988-09-06 1992-01-08 Eastman Kodak Company Latex particles in analytical reagents, elements and methods
ATE129075T1 (de) 1988-11-14 1995-10-15 Akzo Nobel Nv Wässerige suspension für diagnostischen test.
US5326692B1 (en) 1992-05-13 1996-04-30 Molecular Probes Inc Fluorescent microparticles with controllable enhanced stokes shift
US5157084A (en) 1990-10-12 1992-10-20 The Dow Chemical Company Process of making hollow polymer latex particles
US5578498A (en) * 1991-05-22 1996-11-26 Behringwerke Ag Metal chelate containing compositions for use in chemiluminescent assays
US5340716A (en) 1991-06-20 1994-08-23 Snytex (U.S.A.) Inc. Assay method utilizing photoactivated chemiluminescent label
US5154887A (en) * 1991-05-28 1992-10-13 Eastman Kodak Company Phenalenimine fluorescent dyes and their use in analytical compositions, elements and methods
DE69229960T2 (de) 1991-12-13 2000-01-05 Bion Diagnostic Sciences Inc Agglutierungsassays und kolloide farbstoffe verwendende testsätze
JPH07509245A (ja) * 1992-07-20 1995-10-12 デイド・ベーリング・マルブルク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 新規化学発光化合物およびその使用方法
US5518808A (en) * 1992-12-18 1996-05-21 E. I. Du Pont De Nemours And Company Luminescent materials prepared by coating luminescent compositions onto substrate particles
EP0613166B1 (en) * 1993-02-26 2000-04-19 E.I. Du Pont De Nemours And Company Method of making plasma display apparatus
FR2707658B1 (fr) * 1993-07-12 1995-11-24 Prolabo Sa Latex fluorescent comportant au moins deux fluorochromes, procédé d'obtention et application dudit latex comme marqueur, notamment en biologie.
US6238931B1 (en) 1993-09-24 2001-05-29 Biosite Diagnostics, Inc. Fluorescence energy transfer in particles
US5932309A (en) * 1995-09-28 1999-08-03 Alliedsignal Inc. Colored articles and compositions and methods for their fabrication
US5881311A (en) * 1996-06-05 1999-03-09 Fastor Technologies, Inc. Data storage subsystem with block based data management
US5824413A (en) * 1996-07-15 1998-10-20 Ppg Industries, Inc. Secondary coating for fiber strands, coated strand reinforcements, reinforced polymeric composites and a method of reinforcing a polymeric material
AU732936B2 (en) * 1997-02-03 2001-05-03 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Fluorescent materials and their use
US5977241A (en) * 1997-02-26 1999-11-02 Integument Technologies, Inc. Polymer and inorganic-organic hybrid composites and methods for making same
US6123923A (en) * 1997-12-18 2000-09-26 Imarx Pharmaceutical Corp. Optoacoustic contrast agents and methods for their use
US6255359B1 (en) * 1997-12-23 2001-07-03 Board Of Regents Of The University Of Texas System Permeable compositions and methods for their preparation
US6309701B1 (en) * 1998-11-10 2001-10-30 Bio-Pixels Ltd. Fluorescent nanocrystal-labeled microspheres for fluorescence analyses
US6197482B1 (en) * 1999-05-14 2001-03-06 Eastman Kodak Company Polymer overcoat for imaging elements
US6703248B1 (en) * 1999-12-15 2004-03-09 Dade Behring Marburg Gmbh Particles for diagnostic and therapeutic use

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1392670A (en) * 1973-03-20 1975-04-30 Vnii Fiz Tekhn I Radiotekhnich Visual colour indicators of ionizing radiation doses
JPH05180773A (ja) * 1991-05-22 1993-07-23 Syntex Usa Inc ルミネセンスを利用する分析方法
US5709994A (en) * 1992-07-31 1998-01-20 Syntex (U.S.A.) Inc. Photoactivatable chemiluminescent matrices
US5616719A (en) * 1993-09-03 1997-04-01 Behringwerke Ag Photoactive indicator compounds
WO1997041442A1 (en) * 1996-05-01 1997-11-06 Behringwerke Aktiengesellschaft Chemiluminescent compositions and their use in the detection of hydrogen peroxide

Also Published As

Publication number Publication date
EP1240522A2 (en) 2002-09-18
WO2001044811A3 (en) 2002-01-31
EP1240522B1 (en) 2009-10-28
ES2335473T3 (es) 2010-03-29
US20040241711A1 (en) 2004-12-02
DE60043235D1 (de) 2009-12-10
US6703248B1 (en) 2004-03-09
US20060121506A1 (en) 2006-06-08
US7709273B2 (en) 2010-05-04
US7022529B2 (en) 2006-04-04
JP2003517608A (ja) 2003-05-27
WO2001044811A2 (en) 2001-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4773662B2 (ja) 診断・治療用粒子
US6406667B1 (en) Chemiluminescent compositions for use in detection of multiple analytes
JP3892912B2 (ja) ルミネセンスを利用する分析方法
US6251581B1 (en) Assay method utilizing induced luminescence
JP4448642B2 (ja) 多糖で被覆された担体、その製造および使用
US5618732A (en) Method of calibration with photoactivatable chemiluminescent matrices
US5340716A (en) Assay method utilizing photoactivated chemiluminescent label
US5807675A (en) Fluorescent oxygen channeling immunoassays
JP4163869B2 (ja) 検出方法
US7635571B2 (en) Amplified signal in binding assays
US20130210003A1 (en) Compositions for use in detection of multiple analytes
CA2425483C (en) Assay method utilizing induced luminescence

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110107

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110208

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20110425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110624

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4773662

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term