JP4773526B2 - シュードモナス属hn―72およびこれを用いた2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2,6−ジメチルナフタレン(2,6−dimethylnaphthalene;以下、2,6−DMN)を酸化させて生成された粗ナフタレンジカルボン酸(crude naphthalene dicarboxylic acid;以下、cNDA)に含まれている不純物である2−ホルミル−6−ナフトエ酸(2−formyl−6−naphthoic acid;以下、FNA)を2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid;以下、NDA)に転換する能力を有する新規な微生物およびこれを用いて2,6−ナフタレンジカルボン酸を高純度に精製する方法に関する。
ナフタレンジカルボン酸のジエステルは、ポリエステルおよびポリアミドのような様々な高分子物質を製造するのに有用である。特に有用なジエステルの一例としては、ジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、NDC)がある。NDCは、エチレングリコールと縮合反応して高性能ポリエステル物質であるポリ(エチレン2,6−ナフタレート)(以下、PEN)を生成することができる。PENから製造された繊維およびフィルムは、ポリ(エチレンテレフタレート)(以下、PET)から製造されたそれらに比べて強度が高くて熱的性質に優れている。これらの利点により、PENは、磁気記録テープおよび電子部品の製造に使用できる薄膜のような商用品を製造するのにとても適している。また、PENは、気体拡散、特に二酸化炭素、酸素および水蒸気に対する抵抗性に優れるため、PENから製造されたフィルムは、食品容器、特に高温充填する食品容器を製造するのに有用である。さらに、PENは、タイヤコード製造に有用な強化繊維を製造するのに用いることができる。
現在、NDCは、2,6−ジメチルナフタレン(以下、2,6−DMN)を酸化させて粗ナフタレンジカルボン酸(以下、cNDA)を生産した後、このcNDAをエステル化して生産されており、PEN合成時、主原料として用いられている。しかし、PEN合成時、主原料としてNDCを用いる場合、2,6−ナフタレンジカルボン酸(以下、NDA)を主原料として用いる場合に比べていくつかの問題を抱えている。第一に、NDA縮合反応時には副産物として水が生成される反面、NDCの場合には副産物としてメタノールが生成されて爆発の危険がある。第二に、純粋なNDCを得るためにNDAをエステル化して精製工程を通じてNDCを生産するため、NDAに比べて一つの段階を追加で必要とする。第三に、既存のPET生産設備を利用する場合、NDCの使用は適切ではない。このようなNDCの使用により引き起こされる問題点にもかかわらず、PEN製造時、NDCが優先的に用いられる理由は、未だにPENの重合に必要な純度を有する精製したNDAの製造が難しいためである。
2,6−ジメチルナフタレン(以下、2,6−DMN)の酸化時には、2−ホルミル−6−ナフトエ酸(以下、FNA)、2−ナフトエ酸、トリメリット酸などの各種の不純物を含むcNDAが生成される。特に、cNDA中のFNAは、PENを製造するための重合反応を停止させて重合体(すなわちPEN)の物理的特性に悪い影響を与えるため、cNDA中のFNAを除去しなければならないが、FNAを除去するのには難しい問題が存在する。
これらの状況下、cNDA中のFNAを除去するために、またはNDAを精製するために、例えば、cNDAの再結晶法、cNDAをもう一度酸化する方法、cNDAをメタノールで処理してNDCを製造した後に水和させてNDAを製造する方法、cNDAの水素化工程により精製したNDAを製造する方法などが研究されてきた。その他にも、溶媒処理、溶融結晶、高圧結晶、超臨界抽出など多様なNDAの精製方法が用いられているが、未だに満足できる純度を有するNDAを製造することができなかった。また、前記精製方法は、NDAの純度を高めることができてもNDAの収率が低いため、実際の生産に適用しにくいのが実情である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、微生物を用いた生物学的な方法によりcNDA中に含まれている不純物であるFNAを選択的にNDAに転換させて高純度のNDAを生産する方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一つの態様は、2−ホルミル−6−ナフトエ酸(2−formyl−6−naphthoic acid)を2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)に転換する能力を有するシュードモナス属(Pseudomonas sp.)HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)に関する。
本発明の他の態様は、前記シュードモナス属(Pseudomonas sp.)HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)を用いて高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)を精製する方法に関する。
本発明の菌株シュードモナス属HN−72は、2−ホルミル−6−ナフトエ酸を2,6−ナフタレンジカルボン酸に転換するのに優れた効果がある。したがって、本発明のシュードモナス属HN−72は、経済的および環境親和的な方法で高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産することに寄与して産業的に極めて有用である。
以下、本発明の新規菌株についてより詳細に説明する。
本発明者らは、FNAをNDAに転換する能力を有する新規な菌株を土壌から分離するのに成功した。本発明の新規な菌株は、16S rDNA部分シークエンシング方法によりシュードモナス属に属する菌株として同定され、シュードモナス属(pseudomonas sp.)HN−72と命名された。前記シュードモナス属HN−72菌株は、2005年6月21日国際寄託機関である韓国生命工学研究所遺伝子銀行(KRIBB)に寄託番号KCTC−10819BPとして寄託された。本発明のシュードモナス属HN−72(KCTC−10819BP)菌株は、2−ホルミル−6−ナフトエ酸と同じ位置にホルミル基を有する2−ナフトアルデヒドを酸化して、2−ナフトアルデヒドのホルミル基をカルボキシル基に変換させる微生物である。したがって、本発明の菌株は、2,6−ジメチルナフタレンを酸化させて生成された粗ナフタレンジカルボン酸に含まれている2−ホルミル−6−ナフトエ酸を選択的に2,6−ナフタレンジカルボン酸に転換する能力に優れている。このような本発明の菌株のシュードモナス属HN−72(KCTC−10819BP)の転換能は、同一の転換能を有する既特許出願(韓国特許出願番号10−2002−0087819)に記載される菌株のバシラス属F−3に比べて顕著に優れている。
本発明のシュードモナス属HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)菌株は、25〜37℃の広い範囲の温度で液体培地を用いて容易に培養することができる。
以下、前記シュードモナス属HN−72菌株を用いた本発明の2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法に対してより詳細に説明する。
本発明の前記2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法は、具体的に、1)シュードモナス属HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)を液体培地に接種して振盪培養した後、培養した菌体を回収し、回収した菌体を生理食塩水で洗浄して菌体を活性化する段階;2)基質である粗ナフタレンジカルボン酸(crude naphthalene dicarboxylic acid)を緩衝溶液と混合した後、前記混合液のpHを調節して精製反応液を調製する段階;および3)前記1)段階で調製した活性菌体(シュードモナス属HN−72)と前記2)段階で調製した反応液とを反応させて粗ナフタレンジカルボン酸に含まれている2−ホルミル−6−ナフトエ酸(2−formyl−6−naphthoic acid)を2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)に転換して2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)の純度を高める段階を含む。
前記1)段階でシュードモナス属HN−72菌体を培養するための液体培地としては、特に制限されることはないが、LBまたはM9培地を用いることができる。また、前記シュードモナス属HN−72菌株の振盪培養は、25〜37℃の温度範囲で行うことが好ましく、30℃の温度で行うことがより好ましい。
前記1)段階で振盪培養した後、回収した菌体(シュードモナス属HN−72)は、できる限り菌体の反応活性を長期間維持させるために、4℃で冷蔵保管するか、または凍結乾燥して貯蔵することが好ましい。
前記2)段階で緩衝溶液としては、特に制限されることはないが、水、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)、ピロリン酸ナトリウム緩衝溶液(sodium pyrophosphate−HCl)、ホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)またはホウ酸ナトリウム緩衝溶液(sodium borate−HCl)を用いることができ、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)またはホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)を用いることが好ましい。
cNDA反応は、反応液のpHが減少する反応であって、cNDA反応が終了した後、反応液のpHが7.0〜8.0の範囲で形成されるため、pH6.0〜8.0のリン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)を用いることが好ましい。このとき、前記緩衝溶液の濃度は、0.01〜100mMであることが好ましい。
一方、前記3)段階のcNDA精製反応で、精製反応液のpHはとても重要な反応要素であり、前記2)段階の混合液のpHは、7.5〜8.3の範囲で調節されることが好ましい。反応液の初期pHが7.5未満またはpH8.3を超過する場合には、前記3)段階で反応がおこらない。
さらに、前記2)段階での混合液には、cNDAを溶解させるための目的として、有機溶媒をさらに添加することができる。好ましい有機溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide,“DMSO”)、ジメチルホルムアミド(N,N−dimethylformamide,“DMF”)、ジメチルアセトアミド(N,N−dimethylacetamide,“DMA”)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran,“THF”)などが挙げられ、このうちジメチルスルホキシドを用いることが酵素活性面において最も好ましい。このとき、前記有機溶媒の添加濃度が、0.01〜10%であることが好ましいが、より好ましくは、添加しないことが良い。前記濃度が10%を超過すると、微生物の細胞膜を溶解させて反応を阻害する結果をもたらす。
前記3)段階での反応温度は、30〜50℃であることが好ましい。前記反応温度がこの範囲外の場合には、反応性が顕著に減少する。
以下、実施例を挙げてより詳しく本発明の構成および効果を説明するが、これら実施例は説明を目的としたものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1:菌株分離
微生物の分離のために、韓国京畿道所在の排水処理場、油類貯蔵所またはガソリンスタンド付近の土壌を採取して使用した。それぞれの土壌サンプル5gを0.85%生理食塩水50mlに入れて振盪した後、濾過した濾過液を適度に希釈してcNDA混合物が入っているLB固体培地に塗抹して30℃の培養器で培養した。培養した結果、200余種の微生物が分離された。
そのうち、FNAと同じ位置にホルミル基(formyl group)を有する2−ナフトアルデヒド(2−naphthaldehyde)を分解する微生物を一次選別するために、前記200余種の微生物をそれぞれLB液体培地5mlに接種して30℃、200rpmで16時間振盪しながら培養した後、その培養液を遠心分離して回収した菌体を0.85%生理食塩水1mlに懸濁した。次いで、全てのガラスキュベットにβ―NAD溶液(0.25mg/ml;100mM KHPO−KOH(pH8.0)に溶解)3mlを入れた後、サンプルキュベットには2−ナフトアルデヒド溶液(50μg/ml;DMSOに溶解)0.2mlを、ブランクキュベットにはDMSO0.2mlをそれぞれ添加して混合した。その後、上記キュベットを分光器に入れて3分間安定化した。上記微生物懸濁液0.05mlをそれぞれ添加して5分後、340nmで吸光度を測定してブランクキュベットとの吸光度の差を比べることで、ホルミル基のカルボキシル基への酸化可否を確認した。その結果、吸光度の差が最小0.1以上である4種の微生物を分離した。一次選別した4種の微生物を再びLB液体培地に接種して30℃、200rpmで16時間振盪しながら培養した。その培養液を遠心分離して菌体を回収し、0.85%生理食塩水で洗浄した。その後、下記表1に示す組成の反応液と30℃の反応槽で3時間反応させた後、反応生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析してFNA除去能力の優れた菌株を最終選別した。HPLC分析条件は下記表2に示す。HPLC分析した結果、HN―72と命名した菌株が高いFNA分解能力を持っていることを確認することができた。
Figure 0004773526
Figure 0004773526
実施例2
(1)分離微生物の同定
上記実施例1で得られた菌株を同定するために、16S rDNA部分シークエンシング(partial sequencing)を行い、その結果を配列表に示した。この結果によると、本発明の菌株は、シュードモナス属に属するものと確認された。したがって、前記菌株をシュードモナス属(Pseudomonas sp.)HN−72と命名し、2005年6月21日国際寄託機関である韓国生命工学研究所遺伝子銀行に寄託番号KCTC−10819BPとして寄託した。
前記菌株(シュードモナス属HN−72)の形態学的および生化学的性質を測定した結果は、下記表3および4のようである。
Figure 0004773526
Figure 0004773526
(2)シュードモナス属HN−72と公知の菌株との比較
本発明のシュードモナス属HN−72菌株のようにFNAを除去する能力を有する既特許出願の菌株のバシラス属(Bacillus sp.)F−3(韓国特許出願番号10−2002−0087819)との反応効率を比較するために、上記表1に示す組成を有する反応液にそれぞれバシラス属F−3菌株およびシュードモナス属HN−72菌株を添加した実験群を同一条件下で反応させてHPLCで分析して比較した。HPLC分析は上記表2で示す条件下で行った。
1%および5%のcNDA濃度を有する反応液に二つの菌株(バシラス属F−3、シュードモナス属HN−72)を添加して30℃で反応させた後、前記反応液を分析した結果を下記表5に示す。
下記表5の結果から、シュードモナス属HN−72が、より高い濃度のcNDA中でも反応することができ、FNAをNDAに転換させるNDA収率および純度においてもバシラス属F−3菌株より優れていることを確認することができた。
Figure 0004773526
実施例3:反応温度の影響
最適反応温度を確認するために、下記表6に示す組成を有するcNDA反応液をそれぞれ30、35、40および50℃で反応させた。このとき、酵素液としては、シュードモナス属HN−72をLB液体培地に接種して16時間、30℃の振盪培養器で培養した後、その培養液を遠心分離して菌体を回収し、回収した菌体を0.85%生理食塩水で洗浄した後、また0.85%生理食塩水に懸濁して得たものを調製した。反応液中の最終菌体濃度は、0.05g/mlになるようにした。その結果、下記表7から明らかなように、反応温度が上がるほど有利であったが、40℃以上ではほとんど変化がなかった。
Figure 0004773526
Figure 0004773526
実施例4:ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide;DMSO)の影響
基質として使用するcNDAは、水溶液に溶解されないため、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を使用して反応を行った。DMSOが反応にどのような影響を与えるかを確認するために、上記表6に示す組成を有する反応液で下記表8に示すDMSO濃度を変化させてその差を比較した。すなわち、50mMリン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH,pH8.0)と0%、5%および10%の濃度のDMSOを含む5%cNDA反応液とを40℃で反応させた。その結果、下記表8に示すように、DMSOを添加しない場合が最も良い結果を示した。
Figure 0004773526
実施例5:緩衝溶液の影響
この実験では、緩衝溶液の種類による効果を確認するため、類似のpH緩衝範囲を有する様々な緩衝溶液を用いた。前記緩衝溶液は微生物菌体の恒常性を維持するために使用した。上記表6に示す組成を有する反応液で緩衝溶液を変化させて実験した。
実験では、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)、ピロリン酸ナトリウム緩衝溶液(sodium Pyrophosphate−HCl)、ホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)およびホウ酸ナトリウム緩衝溶液(sodium borate−HCl)を用い、全ての緩衝溶液の濃度は50mM、pHは8.0にした。
下記表9に示した実験結果より、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)およびホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)が優れていた。cNDA反応は、反応液のpHが減少する反応であって、具体的には、cNDA反応が終了した後、反応液のpHは7.0〜8.0の範囲であるため、pH6.0〜8.0のリン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)を用いることが最も好ましいと判断される。
また、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)の濃度を0〜100mMまで変化させて反応液の組成における前記緩衝溶液の影響を確認したが、下記表10に示すように、緩衝溶液の濃度変化によっても反応液の組成の差はなかった。
Figure 0004773526
Figure 0004773526
実施例6:反応液の初期pH
pHが高いほどcNDAの溶解度が増加するため、cNDA精製反応で反応液のpHは、とても重要な反応要素である。よってこの実験では、上記表1に示す組成を有する反応液の初期pHを7.0〜9.0まで変化させた。その結果、初期pH7.5以下およびpH8.3以上では、反応が進まなかった。したがって、適正pH範囲が7.5〜8.3であることがわかった。また、初期pH7.8〜8.1の範囲がcNDA精製反応の最適pH範囲であることがわかり、このpH範囲では反応後にcNDA反応液の組成の差がほとんどなかった。
実施例7:cNDA中のFNA含量、cNDA濃度および菌体量の影響
この実験では、1〜10%の範囲の異なるFNA含量を有するcNDAの精製反応を行った結果、cNDA中のFNA含量、反応液中のcNDA濃度およびFNA完全除去のために必要な菌体量の間には密接な関係があることが明らかになった。すなわち、cNDA中のFNA含量および反応液中のcNDA濃度が高いほど、FNAを処理するために多量の菌体(シュードモナス属HN−72)が必要であった。下記表11および12は、cNDA中のFNA含量およびcNDA濃度に応じて必要な菌体(シュードモナス属HN−72)の量を示している。
Figure 0004773526
Figure 0004773526
実施例8:回収菌体(シュードモナス属HN−72)の保管
一般的に、微生物の活性は、培養後、時間が経過するほど減少する。したがって、できる限り菌体の活性を長く維持させることが本発明の精製方法にとって有利である。培養した菌体(シュードモナス属HN−72)の活性を長期間維持させるために、上記実施例1に記載した条件下で培養した菌体を遠心分離して回収した後、4℃で冷蔵保管または凍結乾燥した。その結果、4日間4℃で冷蔵保管しても菌体の反応活性が維持され、凍結乾燥した場合はより長期間の保管が可能であった。
本発明によるシュードモナス属HN−72を用いる精製方法は、経済的かつ環境親和的で、高純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を生産することができる。したがって、本発明のシュードモナス属HN−72は産業的に極めて有用である。

Claims (14)

  1. 2−ホルミル−6−ナフトエ酸(2−formyl−6−naphthoic acid)を2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)に転換する能力を有するシュードモナス属(Pseudomonas sp.)HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)。
  2. シュードモナス属(Pseudomonas sp.)HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)を用いる2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)の精製方法。
  3. 前記精製方法が、
    1)シュードモナス属HN−72(寄託番号KCTC−10819BP)を液体培地に接種して振盪培養した後、培養した菌体を回収し、回収した菌体を生理食塩水で洗浄して前記菌体を活性化する段階;
    2)基質である粗ナフタレンジカルボン酸(crude Naphthalene dicarboxylic acid)を緩衝溶液と混合した後、前記混合液のpHを調節して精製反応液を調製する段階;および
    3)前記1)段階で調製した活性菌体(シュードモナス属HN−72)と前記2)段階で調製した反応液とを反応させて2−ホルミル−6−ナフトエ酸(2−formyl−6−naphthoic acid)を2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)に転換して2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−naphthalene dicarboxylic acid)の純度を高める段階を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記液体培地が、LBまたはM9培地である請求項3に記載の方法。
  5. 前記振盪培養が、25〜37℃温度で行われる請求項3に記載の方法。
  6. 振盪培養した後、前記回収した菌体(シュードモナス属HN−72)が、4℃で冷蔵保管するかまたは凍結乾燥して貯蔵される請求項3に記載の方法。
  7. 前記緩衝溶液が、水、リン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)、ピロリン酸ナトリウム緩衝溶液(sodium Pyrophosphate−HCl)、ホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)およびホウ酸ナトリウム緩衝溶液(sodium borate−HCl)からなる群より選択される請求項3に記載の方法。
  8. 前記緩衝溶液が、pH6.0〜8.0のリン酸カリウム緩衝溶液(KHPO−KOH)またはホウ酸緩衝溶液(boric acid−NaOH)である請求項3に記載の方法。
  9. 前記緩衝溶液が、0.01〜100mMの濃度である請求項3に記載の方法。
  10. 前記混合液のpHが、7.5〜8.3の範囲で調節される請求項3に記載の方法。
  11. 前記混合液が、有機溶媒をさらに含む請求項3に記載の方法。
  12. 前記有機溶媒が、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)、ジメチルホルムアミド(N,N−dimethylformamide)、ジメチルアセトアミド(N,N−dimethylacetamide)およびテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)からなる群より選択される少なくとも一種である請求項11に記載の方法。
  13. 前記有機溶媒の添加濃度が、0.01〜10%である請求項11に記載の方法。
  14. 前記3)段階での反応が、30〜50℃の温度範囲で行われる請求項3に記載の方法。
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