以下、本発明の送受信システム、送出装置、送出方法、および、情報出力方法の実施形態について図面を参照して順次説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素が同様の動作を行う場合には、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の送受信システム、および、送出装置の一実施の形態の構成図である。図1(A)において、送受信システムは、送出装置10と受信装置17を備える。放送番組受信部15と合成部16は、必要に応じて設ける。送出装置10は、注意喚起情報格納部11、出力情報格納部12、送出部13、および、出力指示部14を備える。受信装置17は、受信部18と表示部19を備える。
注意喚起情報格納部11は、視聴者の注意を喚起する画面に関する情報である注意喚起情報を格納している。注意喚起情報は、例えば、視聴者の注意を喚起する画面全体の情報、視聴者の注意を喚起する画面を構成する要素画面(画面の一部)の情報、画面を生成するための図形の座標や色彩や輝度を表す情報、これらの情報を圧縮してデータ量を削減した情報などである。視聴者の注意を喚起する画面として典型的なものとして、輝度、色彩、形状などを0.5秒から1秒前後の周期(かかる周期は一定でなくても良い)で大幅に変化させるフラッシュ画面が適用できる。なお、フラッシュ画面とは、輝度等を所定の間隔(一定でなくても良い)で変換させる画面であり、表示画面全体の輝度等が変化することが好適であるが、表示画面の一部の輝度等が変化するものであっても良い。注意喚起情報格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
出力情報格納部12は、視聴者に伝えたい情報である出力情報を格納している。出力情報の格納形態は、種々あるが、典型的には、文字情報とする。出力情報格納部12は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
出力指示部14は、安全管理者などが操作するスイッチなどを内蔵した操作部を有している。視聴者に情報を伝えたいときには、安全管理者が捜査部を操作することにより、出力指示部14は出力指示情報を送出部13に供給する。出力指示部14は、通常、MPUやメモリ等とキーボードのような入力操作装置により実現できる。
送出部13は、出力指示情報を受け取ると、その指示内容に従い、注意喚起情報格納部11より注意喚起情報を読み出し、合成部16に送出する。また、送出部13は、出力指示情報を受け取ると、その指示内容に従い、出力情報格納部12より出力情報を読み出し、合成部16に送出する。送出部13は、通常、MPUやメモリ等および、無線または有線の通信手段を具備するが、放送手段を具備しても良い。なお、送出部13、出力指示部14の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。また、送出部13の重畳用の信号生成回路と合成部16の回路は、スーパーインポーズ用の回路の技術や市販のオンスクリーンディスプレイ(OSD)処理のための集積回路などにより実現できる。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
放送番組受信部15は、通常、一般のテレビ放送電波を受信して合成部16に供給する。ここで放送とは、地上波デジタル放送、衛星放送、インターネット放送、CATV等の放送等がある。放送番組受信部15は、テレビの再送信機器でよい。簡単なものとしては、VHS、UHF,BSなどのアンテナ、ブースター、および、混合器でよい。受信装置17は、公知のテレビ受像機でもよい。
合成部16は、テレビ信号の映像に注意喚起情報と出力情報を重畳して受信装置17に供給する。合成部16は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。合成部16の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、通常、合成部16の出力信号は、分配器により、各部屋の壁面端子を介してテレビ受像機に供給される。
受信装置17は、受信部18と表示部19を備える。受信部18は、注意喚起情報と出力情報が重畳されたテレビ信号を受信し、映像信号に復調して表示部19により表示する。受信部18は、通常、放送を受信する手段で実現されるが、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
表示部19は、ディスプレイ(出力デバイス)を含むと考えても含まないと考えても良い。表示部19は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
表示の一例を図1(B)に示す。図1(B)において、通常のテレビ番組の映像画面の左上に、緊急通報であることを示す点滅図形が表示され、映像画面下部に、火災発生を通報する文字文章が表示される。
放送番組受信部15がテレビ放送の1チャンネルだけを出力する場合は、NTSC方式のベースバンド信号とし、送出部13は、注意喚起情報と出力情報をNTSC形式の映像信号に変換して合成部16に供給し、合成部16が、2つのNTSC形式の信号を合成する。図1(B)に示した緊急通報の図形の場合は、送出部13は、図形の各画素に対応する信号を水平走査線上に表示位置毎に発生させて合成部16に供給し、合成部16は、ベースバンド信号の対応する走査線上に重畳することにより、緊急通報の図形を合成する。出力情報が文字情報の場合は、送出部13は、文字情報をキャラクタ図形に変換して、映像画面の下部に対応する位置の走査線に重畳する信号を生成する。合成部16は、送出部13から供給される前記重畳用の信号を、放送番組受信部15から供給されるNTSC信号の画面下部に対応する走査線上に重畳する。このような、NTSC信号へのスーパーインポーズの技術は、周知であるので、合成処理の詳細の説明は省く。合成部16は、重畳済のNTSC信号を、再び、VHF、または、UHF周波数帯域に変調して、受信装置17に送出する。なお、NTSC信号の形式で重畳合成する方法以外に、コンポジットビデオ信号やコンポーネントビデオ信号に変換して重畳してもよい。この場合は、合成部16は、重畳済のコンポジットビデオ信号やコンポーネントビデオ信号をNTSC信号に変換し、再び、VHF、または、UHF周波数帯域に変調して、受信装置17に送出する。
放送番組受信部15が、多数のテレビ放送チャンネルを受信し、受信装置17の受信部が選局する場合について説明する。放送番組受信部15から合成部16に供給されるテレビ放送信号は、複数チャンネルからなる。合成部16において、各チャンネルの信号を別々に復調し、チャンネル毎に上記スーパーインポーズ処理を行い、再び、VHF、または、UHF周波数帯域に変調して、周波数軸上に複数チャンネルの放送信号を配列して、受信装置17に供給する。受信装置17においては、受信部18が、1つのテレビ放送信号を選局し復調して、映像を表示部19に表示する。このような形態は、同軸ケーブルにより、障害者専用のホームセンター、介護施設、病院などの各部屋にテレビ放送を供給している場合に適用できる。マンション内の各家庭にテレビ放送を再送信するシステムでも適用できる。
注意喚起情報と出力情報の送出順序は、同時でもよいし、どちらか一方、例えば注意喚起情報が先でもよい。注意喚起情報と出力情報が同時に表示される時間があるように送出されることが好ましい。
図1(B)では、番組映像上に注意喚起情報と出力情報の図形を重ねて表示しているが、番組映像を縮小し、表示部19の左右や下部にできる余白部に、注意喚起情報と出力情報を配置してもよい。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、一般のテレビ放送の受信画面を重畳の対象にしたが、老人ホーム、障害者ケアセンターなどで独自に作成しているテレビ放送の画面に緊急通報を重畳してもよい。図2(A)は、このような場合の、送受信システムの構成図である。図2(A)においては、放送番組受信部15の代りに放送番組生成部25が設けられている。放送番組生成部25は、自主番組を複数チャンネル出力する。それぞれNTSC形式でよく、個別の信号線により合成部16に供給される。合成部16は、送出部13からの送出される注意喚起情報と出力情報をNTSC信号に重畳する信号波形に変換して、放送番組生成部25から受け取った複数のNTSC信号に重畳し、VHF、UHFなどの放送周波数帯域に変調して周波数軸上に配列し、同軸ケーブルにより受信装置17に供給する。なお、放送番組生成部25は、放送番組をコンポジットビデオ信号やコンポーネントビデオ信号の形式で出力し、送出部13も、注意喚起情報と出力情報をコンポジットビデオ信号やコンポーネントビデオ信号の形式で送出し、合成部16において重畳合成した後、NTSC信号に変換し、更にVHF、UHFなどの放送周波数帯域に変調して送出してもよい。送出装置10と受信装置17の構成や動作は、実施の形態1において説明したものと同様でよい。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2では、受信装置17として、広く普及しているテレビ受像機を使用したが、本実施の形態3では、放送番組と緊急通報とを、受信装置において合成する。図2(B)は、本実施の形態3の送受信システムの構成図である。図2(B)において、受信装置27は、受信部28と表示部19を備える。受信部28は、放送番組受信部15から供給される複数チャンネルのテレビ放送信号と、送出部13から送出される注意喚起情報および出力情報とを別々に受け取る。受信部28は、放送番組受信部15から供給される複数チャンネルのテレビ放送信号に対しては、選局と復調とを行い、水平走査信号、垂直走査信号およびRGB信号を生成する。また、受信部28は、送出部13から注意喚起情報および出力情報を受け取り、RGB信号の所定の水平、垂直位置に、注意喚起情報の画像と出力情報の文字の画素に相当する信号波形を重畳する。
注意喚起情報格納部11は、実施の形態1において説明したように、視聴者の注意を喚起する注意喚起情報として、画面の情報を、画面全体の情報、画面を構成する要素画面の情報、画面を生成するための図形の座標や色彩や輝度を表す情報、これらの情報を圧縮してデータ量を削減した情報などの形式で格納している。送出部13は、注意喚起情報をこれらの形態の情報のまま、受信部28に送出し、受信部28において表示のための画像信号の形態に変換してもよい。出力情報格納部12が、出力情報として文字情報を格納している場合、文字情報を送出部13が受信部28に送出し、受信部28が、文字情報を各文字の画像信号の形態に変換して、テレビ映像上に重畳してもよい。
表示部19として、プラズマパネルディスプレイや液晶パネルを採用する場合、ラインメモリ、フィールドメモリ、フレームメモリの何れかを使用することが多い。この場合は、受信部28において、注意喚起情報や出力情報を表示位置における画素データに変換し、ラインメモリ、フィールドメモリ、フレームメモリにテレビ映像の画素データを書き込む前に、注意喚起情報や出力情報の画素データをその表示位置において置き換えるか、テレビ映像の画素データと注意喚起情報や出力情報の画素データを所定に比率で加算合成してからラインメモリ、フィールドメモリ、フレームメモリに書き込むようにしてもよい。
なお、スーパーインポーズ用の色彩、輝度、表示位置、文字とその表示位置のデータを受け取り、テレビ画面の信号上に重畳することができるスーパーインポーズ機能を備えた集積回路が周知であるので、このような集積回路をテレビ受信回路に組み込んでも、受信部28を実施できる。
(実施の形態4)
図3は、本発明の送受信システムの別の実施の形態の構成図である。本実施の形態における送出装置10は、テレビ放送局またはテレビ電波の送信所に設けられる。1つの放送局内では、放送番組生成部35が一連の放送番組の映像を生成する。出力形式は、例えば、放送用のアナログビデオ信号、デジタルビデオ信号、NTSCベースバンド信号等である。送出装置10は、前記実施の形態において説明した装置である。送出装置10は、出力指示部14の指示に従い、注意喚起情報と出力情報を合成部36に供給する。送出部13での出力形式は、放送用のアナログビデオ信号、デジタルビデオ信号、NTSCベースバンド信号等である。合成部36は、放送番組生成部35の出力信号に、注意喚起情報と出力情報を重畳する。重畳処理は出力形式に従って行われる。合成部36の出力信号は、送出部31により、VHFやUHF帯の所定のチャンネル周波数に変調されて送信アンテナ32より放送される。
受信装置17は、周知のテレビ受像機である。受信アンテナ33によりテレビ放送電波を受信し、受信部18において選局、復調して、表示部19において番組映像を表示する。番組映像には、緊急通報時には、図1(B)のような映像が表示されることになる。
(実施の形態5)
図4(A)は、本発明の送出装置10の一構成例のブロック図である。図4(A)において、送出部13は、制御部41、読出部42、映像情報変換部43を有する。注意喚起情報格納部11aと11bは、注意喚起情報格納部11における複数の格納領域である。注意喚起情報格納部11aには注意喚起画面データ1を格納し、注意喚起情報格納部11bには注意喚起画面データ2を格納する。出力情報格納部12は、複数の格納領域である12aと12bを有する。出力情報格納部12aには出力情報文字データ1を格納し、出力情報格納部12bには出力情報文字データ2を格納する。注意喚起画面データ1は、図1(B)に示した「緊急通報」の文字および文字を取り囲む16個の突起のある星型図形のデータとする。これらのデータの表現形式には種々の形式があるが、一例として、文字については、ASCIIコードのようなキャラクタ識別情報と各文字の表示画面上の座標位置情報とする。星型図形については、各線分の始点と終点の座標位置情報と線分の太さ情報、線分の色情報と輝度情報、文字の色情報と輝度情報とする。色情報は、線分、文字共に赤色、輝度情報は、普通の輝度とする。一方、注意喚起画面データ2では、注意喚起画面データ1の内、輝度情報を最大の輝度の値のデータとし、他は同じとする。出力情報文字データ1には、火災発生と避難場所に関する「調理室から出火しました。ベランダから運動場に避難して下さい。」の文字データとそれらの表示位置情報を格納する。出力情報文字データ2には、水害発生と避難場所に関する「大雨により大川が危険水位を超え、氾濫の危険があります。皆さんは2階の集会室に避難して下さい。」の文字データとそれらの表示位置情報とを格納する。すなわち、文字データは、キャラクタ識別情報と配列位置データである。
安全管理者が、出力指示部14に設けられた火災通報と水害通報の2つのボタンの内、火災通報ボタンを押すと、出力指示情報として火災通報指示情報が、送出部13の制御部41に供給される。制御部41は、出力指示情報の内容を解析し、火災通報指示である場合、注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ1を読み出すように読出部42に指示する。具体的には、読み出しアドレスを供給し、読み出し動作を行わせる。読出部42は、指示されたアドレスにより、注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ1を読み出し、映像情報変換部43に供給する。映像情報変換部43は、文字の形状を発生させるキャラクタジェネレータ、任意の図形を描画する図形発生機能を有しており、供給された注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ1に従って、内蔵するビデオメモリ上に星型図形、緊急通報の文字の図形、および、火災通報の文章の図形を生成する。星型図形と緊急通報の文字は、普通の輝度と最大輝度が所定の周期で交代する描画処理を行わせる。ビデオメモリの各画素データは、合成部16に送出され、テレビ番組放送の画面上に重畳される。
安全管理者が、2つのボタンの内、水害通報ボタンを押すと、出力指示情報として水害通報指示情報が、送出部13の制御部41に供給される。制御部41は、出力指示情報の内容を解析し、水害通報指示である場合、注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ2を読み出すように読出部42に指示する。読出部42は、指示されたアドレスにより、注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ2を読み出し、映像情報変換部43に供給する。映像情報変換部43は、注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、および、出力情報文字データ2に従って、ビデオメモリ上に星型図形、緊急通報の文字の図形、および、水害通報の文章の図形を生成する。星型図形と緊急通報の文字は、普通の輝度と最大輝度が所定の周期で交代する描画処理を行わせる。ビデオメモリの各画素データは、合成部16に送出され、テレビ番組放送の画面上に重畳される。
映像情報変換部43から出力する重畳用の図形の信号の形態は、合成部16での重畳の方式に合わせた形態とすることは言うまでもない。一般的には、アナログビデオ信号、デジタルビデオ信号、NTSCベースバンド信号、図形のビットマップデータなどの何れかとするが、これに限らない。
本実施の形態5の送出装置10において、注意喚起情報格納部11a、11bと出力情報格納部12a、12bは、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブなどの記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体、例えば半導体RAMでも実現可能である。送出部13は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。出力指示部14は、通常、MPUやメモリ等とキーボードのような入力操作装置により実現できる。送出部13の制御部41、読出部42、映像情報変換部43の処理手順、出力指示部14の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。送出部13の映像情報変換部43は、専用の画像処理のハードウェアを使用してもよい。
注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2、出力情報文字データ1、出力情報文字データ2のデータ形式は、上記説明した形式に限らず、種々の形式を適用できる。適用した形式に対応して映像情報変換部43が、描画処理を行えばよいことは言うまでもない。例えば、描画済の星型図形や文字、文章の画面データ(ピクセルデータ)の形で格納している場合は、映像情報変換部43は、供給される画面データをテレビ画面の所定の位置に配置する処理を行えばよい。注意喚起画面データ1、注意喚起画面データ2の一方に普通輝度の画面、他方に高輝度の画面を格納しておき、交互に送出することにより、フラッシュ画面を映像情報変換部43において生成することができる。
注意喚起画面データ1に星型図形と緊急通報の文字図形を格納し、注意喚起画面データ2に、低輝度と高輝度の輝度の大きさデータを格納し、映像情報変換部43は、注意喚起画面データ1により、星型図形と緊急通報の文字図形をビデオメモリ上に配置し、注意喚起画面データ2が指定する2つの輝度値に対応して図形の輝度を変更するように注意喚起処理を施してフラッシュ画面を生成してもよい。注意喚起処理とは、上記の図形の輝度の変更等、注意を喚起するための画面(フラッシュ画面)を構成する処理等であり、注意を喚起するための画面を得るための処理をいう。
図1(B)の画面では、注意喚起のフラッシュ図形を左上に、通報内容の文章を画面下部に、別々に表示した。左上のフラッシュ図形を省いて、画面下部の文章自身をフラッシュ表示してもよい。この場合は、注意喚起画面データ1として低輝度値データ、注意喚起画面データ2として高輝度値データを格納しておき、映像情報変換部43は、出力情報文字データ1や2の描画に際して、低輝度値データと高輝度値データを0.5秒から1秒程度の周期で交互に使用して、輝度が変化する文章の文字をビデオメモリ上に形成し、送出すればよい。この場合は、輝度値データが注意喚起情報に相当することになる。
(実施の形態6)
次に、注意喚起情報の形態と格納方法に関する別の実施の形態について説明する。本実施の形態では、視聴者の注意を喚起する処理に関わる情報である注意喚起情報を注意喚起情報格納部に格納しておく。
輝度値は、予め決められた値を使用することが多いから、映像情報変換部43の画像描画処理回路の内部に、メモリを設けておき、当該メモリに輝度値データを格納しておく。図4(B)は、このような実施の形態のブロック図である。図4(B)において、映像情報変換部43における輝度値データメモリ44が、注意喚起情報格納部に相当する。すなわち、注意喚起情報格納部は、映像情報変換部43の内部に設けられていることになる。輝度値データは、映像情報変換部43の描画処理のプログラムの命令の一部として格納されることもある。この場合は、描画処理のプログラムの命令中の輝度値データが注意喚起情報に相当し、当該命令を格納している部分のプログラムメモリ、あるいは、当該命令内の輝度値データ部分を格納している部分のプログラムメモリが、注意喚起情報格納部に相当することになる。輝度値データが使用されないような輝度変更命令であっても、実質的には、この命令が注意喚起情報に相当するので、この命令を格納している部分のプログラムメモリが注意喚起情報格納部に相当することになる。図4(B)では、輝度値データメモリ44が送出部13の内部にあるように図示したが、輝度値データメモリ44のみ送出部13の外部にあるものと看做してもよい。注意喚起処理のプログラム部分を格納しているプログラムメモリについても同様に看做せる。
また、注意喚起情報そのものを送出していなくとも、注意喚起情報が、描画された画面の輝度の変化するフラッシュ画面という形に変換されて送出されているので、実質的に注意喚起情報が送出されていると看做すこともできる。
なお、図4(A)、(B)において、映像情報変換部43から出力される矢印が両方に向いているのは、合成部16との間で、必要に応じて同期と取る必要がある場合があることを示している。
(実施の形態7)
上記各実施の形態では、通報する出力情報を送出装置10が保有している構成について説明した。放送番組が緊急通報を放送してきた場合に、放送の情報から緊急通報を検出して、本発明の送出装置10が、注意喚起のためのフラッシュ表示を行わせることにより、放送番組に含まれている緊急通報を強調してもよい。図5(A)は、本実施の形態の送受信システムのブロック構成図である。
図5(A)において、放送番組受信部55は、テレビ放送番組を受信し、各チャンネルについてNTSC信号に復調し、更に映像情報に変換し、緊急検出部51と合成部56に供給する。放送番組受信部55は、映像情報の供給源である。緊急検出部51は、例えば、各チャンネルの映像情報の画面データを画像解析し、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定する。緊急通報の表示を検出した場合、緊急検出部51は、送出装置50に注意喚起情報の送出を指示する。送出装置50の注意喚起情報格納部11、送出部13は、上記各実施の形態において説明したと同様の動作を行う。なお、出力情報格納部12はなくともよいが、設ける場合については、後述する。送出部13は、図1(B)のフラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データを送出し、合成部56に供給する。緊急検出部51は、緊急通報が見つかったテレビ放送のチャンネル識別子、例えばチャンネル番号を、合成部56に供給する。合成部56は、放送番組受信部55から供給される各チャンネルの映像情報の内、チャンネル識別子に該当する映像画面に対してフラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データを重畳し、再びNTSC信号に変換し、更にVHF、UHF周波数帯に変調して、受信装置17に送出する。受信装置17は、フラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データが重畳された映像番組を受信し表示することになる。視聴者は、番組に気が取られていても、フラッシュする星型図形と緊急通報の文字により、遅滞なく緊急事態発生の通報に気づくことができ、放送局からの通報内容を読み取ることができる。
合成部56が、VHF、UHF周波数帯に変調して送出するのは、多数のチャンネルの放送を複数の受信装置17に送るためである。
放送局が通報する緊急通報の内容に加えて、特定地域、老人ホーム、障害者ケアセンターなどで、独自に準備している通報内容、例えば、避難場所の指示、避難経路の指示などを地域住民、老人ホーム、障害者ケアセンターなどの居住者に通報する場合は、出力情報格納部12にそれらの追加の通報内容の文章を格納しておき、注意喚起情報の送出と並行して送出部13より送出する。送出のタイミングは、注意喚起情報よりも遅らせてもよい。放送番組では、緊急通報の文字情報をテレビ画面の上部や下部に配置することが多いので、出力情報の文字は、映像画面の中央部に配置してもよい。
緊急検出部51は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。緊急検出の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。ソフトウェアとしては、映像画面の中に、地震、洪水、火災などに関する文字が含まれているかどうかの文字認識を行う方法が採用できる。画面中の文字認識を行う手順、認識した文字や単語が緊急通報に関連するかどうかの意味解析を行う手順には、公知の手順が種々発表されているので、詳細の説明は省く。意味解析の代りに、テレビ放送でよく使用される緊急通報に使用される文字や単語をテンプレートとして記憶しておき、認識した文字や単語をテンプレートと照合する方法でもよい。なお、これらの処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
なお、上記において、緊急検出部51は、各チャンネルの映像情報の画面データを画像解析し、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定する、とした。しかし、放送番組受信部55が受信した信号中に、緊急放送を示す情報(例えば、フラグ)が存在し、かかる緊急放送を示す情報を検出して、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定しても良い。緊急検出部51の機能は、他の実施の形態においても同様である。
(実施の形態8)
本実施の形態は、選局したテレビ放送番組に対する緊急通報の検出を、受信装置の内部で行い、緊急通報が検出された場合に注意喚起を行うようにした送受信システムである。図5(B)を用いて説明する。
図5(B)において、放送番組受信部15は、テレビ放送番組を受信し、施設内の複数のテレビ受像機である受信装置57に受信電波の信号を供給する。放送番組受信部15は、映像情報の供給源である。受信装置57は、受信部28、緊急検出部51、および、表示部19を備えている。受信部28は、テレビ放送のチャンネルを選択し、映像画面を復調する。復調した映像画面の情報を緊急検出部51に渡す。緊急検出部51は、受信中のチャンネルの映像情報の画面データに対して文字認識などの画像解析を行い、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定する。緊急通報の表示を検出した場合、緊急検出部51は、送出装置50に注意喚起情報の送出を指示する。送出装置50の注意喚起情報格納部11、送出部13は、上記各実施の形態において説明したと同様の動作を行う。なお、出力情報格納部12はなくともよいが、設ける場合については、後述する。送出部13は、図1(B)のフラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データを送出し、受信部28に供給する。受信部28は、復調した映像画面にフラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データを重畳し、表示部19に供給し、表示部19は、フラッシュする星型図形と緊急通報の文字の図形データが重畳された画面を表示する。視聴者は、番組に気が取られていても、フラッシュする星型図形と緊急通報の文字により、遅滞なく緊急事態発生に気づくことができ、放送局からの通報内容を読み取ることができる。
前記実施の形態6の場合と同様に、放送局が通報する緊急通報の内容に加えて、特定地域、老人ホーム、障害者ケアセンターなどで、独自に準備している通報内容、例えば、避難場所の指示、避難経路の指示などを通報する場合は、出力情報格納部12にそれらの追加の通報内容の文章を格納しておき、注意喚起情報の送出と並行して送出部13より送出する。送出のタイミングは、注意喚起情報よりも遅らせてもよい。放送番組では、緊急通報の文字情報をテレビ画面の上部や下部に配置することが多いので、出力情報の文字は、映像画面の中央部に配置してもよい。
本実施の形態8では、特定地域のセンター、老人ホーム、障害者ケアセンターなどの管理室に送出装置50を設置し、受信装置57と送出装置50の間を通信回線、LAN回線などで結合しておき、緊急検出部51からの緊急通報検出の信号、送出部13からの注意喚起情報や出力情報をやり取りする。なお、送出装置50を各受信装置57に内蔵させてもよい。図5(B)の緊急検出部51の実現方法は、図5(A)の緊急検出部51とほぼ同様であるが、1チャンネルについての緊急検知ができればよい。
(実施の形態9)
前記実施の形態7と8においては、テレビ放送に緊急通報があった場合、注意喚起用の図形を送出して重畳して表示するようにしたが、テレビ映像画面の一部や全体の輝度を変化させるようにして注意喚起を行ってもよい。図6(A)に、ブロック構成の例を示す。図5(A)の構成と似ている部分もあるが、異なっている部分を中心に説明する。
図6(A)において、放送番組受信部55は、テレビ放送番組を受信し、各チャンネルについてNTSC信号に復調し、更に映像情報に変換し、緊急検出部51と注意喚起処理・送出部63に供給する。放送番組受信部55は、映像情報の供給源である。緊急検出部51は、各チャンネルの映像情報の画面データを画像解析し、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定する。緊急通報の表示を検出した場合、緊急検出部51は、送出装置60の注意喚起処理・送出部63に注意喚起処理の実行を指示する。注意喚起情報格納部61は、注意喚起の画像処理プログラムや輝度値データを格納している。緊急検出部51は、緊急通報があったテレビ放送チャンネルのチャンネル識別子、例えばチャンネル番号を注意喚起処理・送出部63に供給する。注意喚起処理・送出部63は、注意喚起処理機能を有する送出部である。注意喚起処理・送出部63は、注意喚起情報格納部61から注意喚起処理命令や輝度値データを読み出し、放送番組受信部55から供給される各チャンネルの映像情報の内、チャンネル識別子に該当する映像画面について、テレビ映像画面全体、あるいは、その一部分の画面について、その輝度を大幅に変更し、フラッシュ画面にする。次に、注意喚起処理・送出部63は、緊急通報がないチャンネルのテレビ放送画面も含めて、再び、それぞれをNTCS形式に変換し、更にVHF、UHF周波数帯に変調して、受信装置17に送出する。受信装置17は、緊急通報が送られているチャンネルを選局している場合、フラッシュするテレビ映像画面を表示することになる。視聴者は、番組に気が取られていても、フラッシュにより、遅滞なく緊急事態発生に気づくことができ、放送局からの通報内容を読み取ることができる。
なお、注意喚起処理・送出部63は、テレビ放送画面上の緊急通報の文章の文字を検出して、その文字をフラッシュさせる処理を行ってもよい。
放送局が通報する緊急通報の内容に加えて、特定地域、老人ホーム、障害者ケアセンターなどで、独自に準備している通報内容、例えば、避難場所の指示、避難経路の指示などを通報する場合は、出力情報格納部を設けて、それらの追加の通報内容の文章を格納しておき、注意喚起処理・送出部63において、通報文を文字化して重畳すればよい。
注意喚起処理・送出部63は、通常、テレビ映像処理回路と、MPUやメモリ等から実現され得る。注意喚起の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。この処置手順が、テレビ映像処理回路に輝度変調などの画像変更の処理を行わせる。なお、これらの処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、注意喚起処理・送出部63を、注意喚起処理部と処理された映像信号を送出する送出部とにより構成してもよい。
(実施の形態10)
本実施の形態10では、選局したテレビ放送番組に対して、受信装置の内部で緊急通報の検出を行い、緊急通報が検出された場合にテレビ映像の画面の輝度を変調して注意喚起を行うようにした送受信システムについて説明する。
図6(B)において、放送番組受信部15は、テレビ放送番組を受信し、施設内の複数のテレビ受像機である受信装置57に受信電波の信号を供給する。放送番組受信部15は、映像情報の供給源である。なお、受信装置67が、アンテナによりテレビ電波を受信する場合は、テレビ電波、または、アンテナを、映像情報の供給源と看做してもよい。受信装置67は、受信部28、緊急検出部65、および、表示部19を備えている。受信部28は、テレビ放送の1つのチャンネルを選択し、映像画面を復調する。復調した映像画面の情報を緊急検出部65に渡す。緊急検出部65は、受信中のチャンネルの映像情報の画面データを画像解析し、画面に緊急通報が表示されているかどうかを判定する。緊急通報の表示を検出した場合、緊急検出部65は、送出装置60に注意喚起処理の実行を指示する。受信部28は、映像の画面データを注意喚起処理・送出部63に供給する。注意喚起情報格納部61は、内部に注意喚起の画像処理プログラムや輝度値データを格納している。注意喚起処理・送出部63は、注意喚起情報格納部61から注意喚起処理命令や輝度値データを読み出し、放送番組受信部55の受信部28から供給される映像画面について、テレビ映像画面全体、あるいは、その一部分の画面の輝度を大幅に変更し、フラッシュ画面にする。フラッシュ画面化の処理がなされた映像の画面データまたは映像情報は、受信部28に戻され、表示部19により表示される。視聴者は、番組に気が取られていても、フラッシュするテレビ放送の映像画面により、遅滞なく緊急事態発生に気づくことができ、放送局からの通報内容を読み取ることができる。
放送局が通報する緊急通報の内容に加えて、特定地域、老人ホーム、障害者ケアセンターなどで、独自に準備している通報内容、例えば、避難場所の指示、避難経路の指示などを通報する場合は、出力情報格納部を設けて、それらの追加の通報内容の文章データを格納しておき、注意喚起処理・送出部63において、通報文データを文字画像化して重畳すればよい。送出のタイミングは、注意喚起情報よりも遅らせてもよい。放送番組では、緊急通報の文字情報をテレビ画面の上部や下部に配置することが多いので、出力情報の文字は、映像画面の中央部に配置してもよい。
本実施の形態10では、特定地域のセンター、老人ホーム、障害者ケアセンターなどの管理室に送出装置60を設けておき、受信装置67と送出装置60の間を通信回線、LAN回線などで結合しておき、緊急検出部65からの緊急通報検出の信号、注意喚起処理・送出部63との画面データをやり取りする。なお、緊急検出部65は、送出装置60に設けてもよい。逆に、送出装置60を各受信装置67に内蔵させてもよい。緊急検出部65の実現方法は、図5(A)の緊急検出部51とほぼ同様であるが、1チャンネルについての緊急検知ができればよい。
(実施の形態11)
次に、本発明の送出方法、および、情報出力方法について説明する。以下の手順は、上記各実施の形態における送受信システムや送出装置の動作をソフトウェアにより実現する場合のプログラムの手順でもある。
図7に最も基本的な本発明の送出方法、および、情報出力方法に関わる手順のフローチャートを示す。図7において、(S100)において、出力指示部14の操作手段からの出力指示情報を待つ。出力指示情報が発生するとYesとなり、(S101)に進む。(S101)において、出力指示情報の内容が何であるかを解析し、(S102)に進む。(S102)において、出力指示内容に対応する注意喚起情報を読み出して送出する。次に、(S103)に進み、出力指示内容に対応する出力情報を読み出して送出する。送出が完了すると、(S100)に戻り待機する。
注意喚起情報が1通りであり、出力情報の1通りである場合は、出力指示情報も1通りであるので、(S101)はなくともよい。火災通報と水害通報のように複数通りの注意喚起情報、あるいは、出力情報が用意、格納されている場合は、(S101)が必要である。(S102)、(S103)における送出形式は、注意喚起情報や出力情報のままでもよいし、表示形式に変換してからでもよい。
送出された注意喚起情報と出力情報は、表示形式の形で、テレビ放送番組の映像画面に重畳されて、受信装置などの表示画面に表示される。
なお、図7のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
図8は、読み出した注意喚起情報と出力情報を表示図形の形式に変換して送出する場合のフローチャートである。表示図形の形式に変換するとは、注意喚起情報が、そのまま表示に使用できる画面の形態の情報でない、例えば、注意喚起の画面の形状の幾何学的座標値、色彩、輝度などの形式で表した情報などの場合、あるいは、出力情報が、そのまま表示できる文字画面や文章画面の形式のデータでない形式の場合に、受信装置17における映像や画像の信号のフォーマット、例えばNTSC信号形式、ビデオ信号形式など、に合った形態に変換することや、表示部19において表示されるビットマップの信号形式に変換することである。
図8の(S200)において、出力指示部14の操作手段からの出力指示情報を待つ。出力指示情報が発生するとYesとなり、(S201)に進む。(S201)において、出力指示情報の内容が何であるかを解析し、(S202)に進む。(S202)において、出力指示内容に対応する注意喚起情報を読み出す。次に、(S203)に進み、出力指示内容に対応する出力情報を読み出す。(S204)に進み、注意喚起情報を表示形式に変換して送出する。(S205)に進み、出力情報を表示形式に変換して送出する。変換は、既に説明したように、注意喚起情報は、そのまま表示に使用できる画面の形態の情報でない場合、あるいは、出力情報が、そのまま表示できる文字画面や文章画面の形式のデータでない形式の場合に、受信装置17における映像や画像の信号のフォーマット、例えばNTSC信号形式、コンポジットやコンポーネントのビデオ信号形式など、に合った形態に変換することや、表示部19において表示されるビットマップの信号形式に変換することである。次に(S206)に進み、所定の表示時間だけ表示を継続し、その後に(S200)に戻り待機する。(S204)は(S202)より後であればよい。(S205)は(S203)より後であればよい。(S204)と(S205)の順序は、逆でも同時でもよい。一般的には、注意喚起情報による注意喚起を行い、そのあとに、出力情報による緊急通報文を表示するのがよい。(S206)において表示時間に達しないNoの場合、(S204)に戻り、表示を繰り返してもよい。
実施の形態7、8のように、テレビ放送の緊急通報を検知したときに映像上に注意喚起情報や出力情報の図形や文字を表示する場合は、(S100)や(S200)において、緊急検出を行い緊急検出の有無により分岐する手順を設ければよい。
(実施の形態12)
図4(B)を用いて説明した実施の形態6などのように、視聴者の注意を喚起する処理に関わる注意喚起情報により出力情報に輝度などの処理を行う場合の処置手順のフローチャートを図9に示す。
図9では、(S300)において、出力指示部14の操作手段からの出力指示情報を待つ。出力指示情報が発生するとYesとなり、(S301)に進む。(S301)において、出力指示情報の内容が何であるかを解析し、(S302)に進む。(S302)において、出力指示内容に対応する出力情報を読み出す。出力情報は、火災発生や洪水発生と避難方法を通知する文章のデータである。次に、(S303)に進み、出力指示内容に対応する注意喚起情報を読み出し、出力情報に注意喚起処理を加える。注意喚起情報は、視聴者の注意を喚起する処理に関わる情報であって、出力情報に対して輝度の変調を付与するための処理プログラムや、輝度値データなどである。次に(S304)に進み、注意喚起処理を加えた出力情報を送出する。その後(S305)に進み、輝度変調された通報文章の表示を所定の表示時間だけ継続し、その後に(S300)に戻り待機する。
(実施の形態13)
図6(A)、図6(B)を用いて説明した実施の形態9や10などのように、テレビ放送などの供給源から供給される映像情報に対して注意喚起処理を行うための送出方法における処理手順のフローチャートを図10に示す。
図10では、(S400)において、テレビ放送番組の映像画面に緊急通報が含まれているかどうかを検知する。Noの場合は、(S400)を繰り返す。Yesの場合は(S401)に進む。(S401)に出力指示内容に対応する注意喚起情報を読み出し、映像情報に注意喚起処理を加える。ここでの注意喚起情報は、視聴者の注意を喚起する処理に関わる情報であって、画像の全体あるいは一部分の輝度を変調する画像処理プログラムや輝度値データなどである。映像情報は、テレビ放送などの供給源から供給される映像情報である。次に(S402)に進み、注意喚起処理を加えた映像情報を送出する。その後(S403)に進み、所定の表示時間だけ表示を継続し、その後に(S400)に戻り待機する。所定の表示時間中は、(S401)と(S402)が継続され、テレビ番組の映像の輝度が0.5秒から1秒程度の周期で変調される。送出された輝度変調されたテレビ番組映像は、受信装置の表示部に表示される。
(その他の実施の形態および補足)
上記各実施の形態においては、種々の構成をそれぞれ一例として説明した。本発明における、視聴者の注意を喚起する画面に関わる注意喚起情報、視聴者の注意を喚起する処理に関わる注意喚起情報、受信装置において出力される情報である出力情報、および、それらの送出について、その形態と概念について整理して説明する。
注意喚起情報格納部が格納している注意喚起情報は、そのまま表示に使用できる画面の形態の情報だけでなく、注意喚起の画面の形状の幾何学的座標値、色彩、輝度などの形式で表した情報などを採用できることは既に述べた。視聴者の注意を喚起する処理に関わる注意喚起情報の場合は、注意喚起の処理、例えばフラッシュ付加のための画像処理プログラム、フラッシュ処理に使用する輝度値データなどが一例として挙げられる。このような視聴者の注意を喚起する処理に関わる注意喚起情報は、受信装置にそのまま送出されるのではなく、他の映像や画面を注意喚起しやすい画面に変化させることにより、注意喚起処理された画面の性質の形で送出されることになる。
出力情報は、緊急通知の内容を文字や文章で表した情報が最も適している。文字画面や文章画面でもよいが、一般的には、既に説明したASCII形式などの文字識別コードを使用すると、少ない情報量ですむ。その他の形式としては、避難経路を示す地図や建物内部の経路図、手話による通報画面などでもよい。このような図形の一部分をフラッシュ付加して表示してもよい。この場合は、この図形は、出力情報だけでなく注意喚起情報と看做すこともできる。しかしながら、フラッシュ処理する図形部分の指定や輝度値データなどが、図形情報とは別に必要となるのが普通であるので、フラッシュ処理する図形部分の指定を行うデータや輝度値データは出力情報とは別の注意喚起情報と看做してもよい。
注意喚起情報や出力情報が画面情報である場合は、画面情報の形式で送出してテレビ放送の映像画面に重畳するが、注意喚起情報や出力情報が画面情報そのものでない場合にも、送出の後に最終的には、テレビ放送の映像画面に重畳される。本発明における送出とは、既に述べたように、情報そのままの形態での送出に限らない。フラッシュ処理などにより注意喚起を容易にされた画面としての送出も、注意喚起情報や出力情報の送出に含まれる概念である。従って、合成部16、36、56も、注意喚起情報や出力情報を送出していると看做すことができる。
以上説明したとおり、本発明における、注意喚起情報、出力情報、送出の形態と概念は、上記実施の形態におけるものに限らず、別の形態でもよい。
本発明における出力情報は、上記実施の形態では図形に関わる情報として説明したが、音声情報を伴っていてもよい。図形や映像の表示と共に、緊急通報が音声でなされることになる。また、出力情報として音声のみの場合でもよい。この場合は、聴覚障害者向けではなく、聴覚健常者向けの緊急通報注意喚起の送受信システム、送出装置、送出方法、および、情報出力方法になる。
上記各実施の形態では、NTSC方式のテレビ放送について説明したが、BS放送、ハイビジョン放送、デジタル放送、携帯電話による映像や画像提供通信サービス、PAL方式などの海外の方式など、種々の映像方式や画像メディアにおいても、映像や画像上で注意喚起を行う本発明が適用できることは言うまでもない。
上記各実施の形態では、市販のテレビ受像機や一部に特別の構成を有するテレビ受像機を受信装置として使用したが、出力情報を特許文献1のように、テレビ受像用の表示部とは別に専用の表示部に表示してもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。