JP4771596B2 - コーティング剤及びそれを用いた構造体 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明はポリマー型コーティング剤及びそれを被覆した構造体に関する。更に詳しくは、耐光性、防汚性、耐久性及び透明性に優れたコーティング剤及びそれを被覆した構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農業用ハウス、屋外貯水タンク、電化製品、テント類等、プラスチック等の構造体を光(紫外線)による劣化や汚染から保護する方法が提案されている。例えば、特開平6−145598号公報には、水素原子がフッ素原子で置換されたオキシアルキレン基と2以上の活性水素原子を含有する化合物と、ポリイソシアネートとを反応させた、ポリウレタン樹脂を含有する水性コーティング剤が、特開平7−224127号公報には、ポリメチルシルセスキオキサンとカルボン酸基、スルホン酸基等のビニルモノマーとの共重合体からなるコーティング剤が提案されている。また、特開平9−220794号公報には、紫外線吸収型アクリル樹脂と無機親水性コロイド物質を主成分とする被覆層をプラスチックフィルム表面に設けた農業用被覆資材が、特開平10−166534号公報には、紫外線吸収剤を配合したアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂被膜をPETフィルム表面に設けた農業用フィルム等が提案されている。
【0003】
しかし、上記の撥水性のポリマー(シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の撥水性のポリマー等)は、撥水性、防汚性は優れているが、耐光性に劣る欠点がある。また、撥水性のポリマーに紫外線吸収剤を混合して塗布し、耐光性と防汚性の両立をねらった提案もあるが、紫外線吸収剤を撥水性ポリマーに混合することにより、撥水効果が単独被膜と比較して低下する等の問題がある。また、ポリマー中に紫外線吸収剤を添加する方法は、短期間では効果があるものの、時間がたつにつれてポリマーから紫外線吸収剤がブリードアウトし、徐々に耐光性の効果がなくなる問題がある。従って、耐光性と防汚性を同時に満足させることのできるコーティング剤は得られていないのが現状である。さらに、防汚性付与の方法として、従来は、撥水/撥油性の皮膜を作ることにより、ほこり、タール等の汚染物質がこれらの皮膜に付着するのを防止する方法がよく用いられているが、完全に汚染物質の全ての付着を防止する事は困難であり、徐々に汚染物質が堆積していくといった欠点があり、比較的短い期間で皮膜表面を機械的に洗浄し、堆積した汚染物質を落とす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】
特開平6−145598号公報
【特許文献2】
特開平7−224127号公報
【特許文献3】
特開平9−220794号公報
【特許文献4】
特開平10−166534号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、長期にわたる耐光性と防汚性を有するコーティング剤、及びそれを用いた構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明のコーティング剤は、下記式(化1)で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び下記式(化2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(A)と、
アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、スチレンスルホン酸トリ−n−ブチルアミン塩、4−スルホブチルメタクリレートNa及びN−ビニル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも一種以上の親水性モノマー(B)と、
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタアクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピルメタアクリル酸エステル、4―ヒドロキシブチルアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル及びアミノエチル(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の官能基含有モノマー(C)と、
スチレン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル及びアルキルビニルエステルから選ばれる少なくとも1種以上の共重合性ビニルモノマー(D)を含む共重合体に、
ポリアルキレンオキシド誘導体からなる親水性極性基を主鎖もしくは側鎖にもち、2官能以上のイソシアネート基を含む親水性極性基含有ウレタンプレポリマーからなるポリイソシアネート系親水性架橋剤(E)を添加したことを特徴とする。
【化1】
Figure 0004771596
(式(1)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
【化2】
Figure 0004771596
(式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
【0007】
発明においては、官能基含有モノマー(C)を含む。上記の紫外線吸収モノマーと親水性モノマーに、さらに官能基含有モノマーを共重合することにより、架橋剤と反応させ被膜物性を向上させることができる等の点で効果がある。具体的には、被膜の耐水性や基材との密着性等が向上する。
【0008】
また、本発明においては、紫外線吸収モノマー(A)と、親水性モノマー(B)と、官能基含有モノマー(C)と、共重合性ビニルモノマー(D)との割合が、モノマー成分全量に対して、(A)/(B)/(C)/(D)=5〜50/10〜90/1〜95/5〜50(質量%)であることが好ましい。コーティング剤を構成するモノマーが、このような割合であると、高い紫外線吸収能を発揮することができるだけでなく、コーティング層の耐光性及び防汚性も良好になる。
【0009】
また、本発明においては、前記コーティング剤が、ポリイソシアネート系親水性架橋剤(E)を含有する。コーティング剤に、ポリイソシアネート系親水性架橋剤を含有させることにより、官能基含有モノマーに含まれる官能基が親水性架橋剤で架橋されるので、被膜の親水性を低下させることなく機械強度、耐水性、耐候性が良好となる。
【0010】
また、本発明においては、前記コーティング剤の乾燥被膜の水に対する接触角が、65度以下であることが好ましく、特に好ましくは60度以下である。65度を超えると、親水性が低下し、それにともない防汚性能が低下する。
【0011】
次に、本発明の構造体は、構造体の表面に、前記のコーティング剤からなる被膜が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このように、本発明においては、紫外線吸収モノマーと親水性モノマー(防汚性成分)及び官能基含有モノマー(被膜性改良成分)を共重合しているため、経時により紫外線吸収成分および防汚性成分がポリマーからブリードアウトすることなく、長期間にわたり効果が持続する。
【0013】
また、本発明は、防汚性成分として親水性モノマーを用いているため、親水性皮膜が形成され、そのため、被膜に付着した汚染物質が雨により洗い流され、汚染物質が堆積することなく、長期間にわたる防汚性を付与することができる。即ち、汚染物質が付着した皮膜に雨等・水が接触することにより、汚染物質と防汚性皮膜の界面に水が進入し、進入した水が徐々に汚染物質を浮き上がらせ(ローリングアップ現象)、最終的に水玉と一緒に汚染物質が皮膜から脱離することで防汚性を付与し、長期的な防汚性能を与えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明においては、紫外線吸収ユニットと防汚性ユニットと被膜性改良ユニットとを共重合してポリマー型コーティング剤としているので、耐光性、防汚性、耐久性を発揮できる。このうち、耐光性は、本発明のポリマーの紫外線吸収ユニットで達成できる。防汚性は、本発明のポリマーの防汚性ユニットで達成できる。また、耐久性は、本発明のポリマーの紫外線吸収ユニット、防汚性ユニット、及び官能基含有モノマーと親水性架橋剤による架橋で達成できる。
【0015】
次に本発明のポリマーの各成分について詳述する。
【0016】
本発明においては、紫外線吸収モノマー(A)として、前記式()で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び前記式()で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーから選択された少なくとも一種が用いられる。
【0017】
式()において、炭素数1〜6のアルキル基(R11)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜4(さらに好ましくは1〜2)のアルキル基が挙げられる。また、炭素数1〜6のアルコキシル基(R11)としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜4(さらに好ましくは1〜2)のアルコキシル基が挙げられる。
【0018】
11は、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環において、どの部位に置換していてもよく、好ましいR11の置換位置は3位又は5位である。
【0019】
また、式()及び/又は式()において、炭素数1〜10のアルキレン基(R12、R23)としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基(さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基)が挙げられる。炭素数1〜10のオキシアルキレン基(R12、R23)としては、例えば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げられる。
【0020】
12は、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環において、どの部位に置換していてもよく、好ましいR12の置換位置は4位又は5位であり、特に4位が好ましい。また、R23は、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環においてどの部位に置換していてもよい。好ましいR23の置換位置は5位である。
【0021】
低級アルキル基(R13、R25)としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、具体的には、前記例示のアルキル基のうち炭素数が1〜4のアルキル基が挙げられる。
【0022】
ハロゲン原子(R21)としては、例えば、フッソ原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子である。R21がハロゲン原子又はメチル基の場合、R21はベンゼン環において、どの部位に置換していてもよい。好ましいR21としては水素原子が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜6の炭化水素基(R22)において、炭化水素基としてはアルキル基が好適に用いられる。このようなアルキル基には、前記例示のアルキル基のうち炭素数が1〜6のものが含まれる。R22は、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環において、どの部位に置換していてもよく、好ましいR22の置換位置は3位である。
【0024】
炭素数1〜8のアルキレン基(R24)としては、例えば、前記例示のアルキレン基のうち炭素数が1〜8のアルキレン基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4(さらに好ましくは1〜2)のアルキレン基が挙げられる。また、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基としては、前記例示のアルキレン基に、アミノ基又はヒドロキシル基が置換しているものが挙げられる。
【0025】
1、X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示しており、具体的には、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−O−、−NHCOO−、−COONH−などである。m1、m21、m22は0又は1を示しており、例えば、m1が0の場合は、X1が、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環に、R12を介さず、直接結合していることを意味している。また、m21が0の場合は、X2が、ヒドロキシル基が置換しているベンゼン環に、R23を介さず、直接結合していることを意味しており、m22が0の場合は、X2が、R25が結合している炭素原子に、R24を介さず、直接結合していることを意味している。すなわち、m1、m21またはm22が0の場合は、R12、R23又はR24が存在していないことを意味している。一方、m1、m21又はm22が1の場合は、R12、R23又はR24が存在していることを意味し、例えば、X1がR12と結合していることを意味している。
【0026】
より具体的には、前記式()で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0027】
また、前記式()で示されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーとしては、例えば、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−メチル−5´−(アクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−3´−メチル−5´−(アクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2´−ヒドロキシ−5´−(アクリロイルオキシブチル)フェニル]−5−メチルベンゾトリアゾール、[2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0028】
紫外線吸収モノマー(A)は、2−ヒドロキシベンゾフェノン骨格又は2−ヒドロキシベンゾトリアゾール骨格、および官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基など)を有する紫外線吸収性化合物と、官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基など)を有する共重合性ビニル化合物(アクリル酸やメタクリル酸など)とを、反応させて結合させること(エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合など)により調製することができる。
【0029】
紫外線吸収モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して、5〜50質量%、好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。当該モノマーの割合が5質量%未満の場合は耐候性および紫外線級収能が低下し、50質量%を越えると耐防汚性が低下する。
【0030】
親水性モノマー(B)としては、特に制限されず、例えば、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、その他の親水性モノマーなどが挙げられる。
【0031】
アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜25)モノメチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜25)モノメチルエーテルメタクリレートなどが含まれる。市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製 NKエステルM−40G:メトキシポリエチレングリコール#230メタクリレート、NKエステルM−90G:メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、NKエステルAM−90G:メトキシポリエチレングリコール#400アクリレートなどが挙げられる。
【0032】
フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルには、例えば、フェノキシポリエチレン(n=2〜25)グリコールアクリレートなどが含まれる。市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製 NKエステルAMP−20G:フェノキシジエチレングリコールアクリレートなどが挙げられる。
【0033】
その他の親水性モノマーには、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、スチレンスルホン酸トリ−n−ブチルアミン塩、4−スルホブチルメタクリレートNa、N−ビニル−2−ピロリドンなどが含まれる。
【0034】
前述した親水性モノマーの中でも、被膜が親水性で基材との密着性が優れる点で、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
【0035】
親水性モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して、10〜90質量%、好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。当該モノマーの割合が10質量%未満の場合は被膜の親水性が低下し、防汚性能が低下する。90質量%を越えると耐水性が低下する。
【0036】
官能基含有モノマー(C)とは、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基などの官能基を有する官能基含有共重合性ビニルモノマーのことを意味する。このような官能基含有モノマーを用いることにより、コーティング剤組成物の皮膜強度やコーティング面(プラスチック、ガラスなど)への密着性を向上させることができる。
【0037】
官能基含有モノマー(C)としては、特に制限されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタアクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピルメタアクリル酸エステル、4―ヒドロキシブチルアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、アミノエチル(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。官能基含有共重合性ビニルモノマー(C)は単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。中でも、反応性および親水性付与の点で、2−ヒドロキシエチルアクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタアクリル酸エステルが特に好ましい。
【0038】
官能基含有モノマーの割合は、モノマー成分全量に対して、1〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは20〜50質量%である。当該モノマーの割合が1質量%未満の場合は、架橋密度(分子量)が小さくなり、耐水性、密着性が低下する。90質量%を越えると架橋密度が大きくなり、被膜強度が低下してモロくなり、密着性が低下する。
【0039】
本発明のモノマー組成物には、本発明の目的を損なわない限度において、他の共重合性ビニルモノマー(D)を1種又は2種以上混合することもできる。このような共重合性モノマーとしては、スチレン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステルなどが挙げられる。
【0040】
より具体的には、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルには、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸−C1-2アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル酸−C1-2アルキルエステルなどが含まれる。アルキルビニルエーテルには、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのC1-2アルキルビニルエーテルが含まれる。アルキルビニルエステルには、例えば、酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニルエステル、酪酸ビニルエステルなどのC1-3アルキルビニルエステルが含まれる。なかでも、被膜物性向上の点で、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、酢酸ビニルが好ましく、メチルメタアクリレート、メチルアクリレートが特に好ましい。
【0041】
共重合可能なビニルモノマー(D)は、本発明の効果を阻害しない範囲で使用することができるが、例えばその割合は、モノマー成分全量に対して、5〜50質量%、好ましくは15〜45質量%である。このように共重合量を限定するのは、共重合割合により防汚性及び被膜物性に影響を与えるからである。
【0042】
本発明のコーティング剤の質量平均分子量は、好ましくは10,000〜100,000である。質量平均分子量が、10,000より小さいと紫外線吸収剤がブリードアウトし易くなり耐久性が低下する傾向となり、100,000より大きいと配合する樹脂との相溶性が低下して乾燥皮膜が濁ってしまい、外観性が低下する傾向となる。
【0043】
また、このモノマー組成物を重合して得られた共重合体に親水性架橋剤(E)を添加して、構造体の表面に塗布する。親水性架橋剤を添加することによって、紫外線吸収剤を含む被膜の強度、耐水性、耐候性がより向上する。
【0044】
親水性架橋剤(E)としては、メチロールメラミン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリイソシアネート系架橋剤などが使用できるが、構造体への密着性が良好なポリイソシアネート系架橋剤が好ましい。具体的には、ポリアルキレンオキシド誘導体等に代表される親水性極性基を主鎖もしくは側鎖にもち、2官能以上のイソシアネート基もしくはエポキシ基もしくはアミノ基を有する化合物などが使用でき、例えば、以下に示す親水性極性基含有ウレタンプレポリマーで、一般に親水性・自己乳化・自己分散タイプと称されるポリイソシアネートが挙げられる。中でも、防汚性の点でデュラネートWB40−100が好ましい。
デュラネートWB40−100(旭化成工業(株)製)NCO残量:約17%
アクアネート100(日本ポリウレタン工業(株)製)NCO残量:約17%
アクアネート110(日本ポリウレタン工業(株)製)NCO残量:約20%
タケネートWD−720(武田薬品工業(株)製) NCO残量:約11%
タケネートWD−725(武田薬品工業(株)製) NCO残量:約17%
タケネートWD−730(武田薬品工業(株)製) NCO残量:約19%
【0045】
親水性架橋剤の添加量は、特に制限されず、例えば、共重合体組成物100質量部に対して、親水性架橋剤が0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部、特に好ましくは2〜10質量部である。親水性架橋剤の添加量が1質量部未満の場合は被膜の機械的強度が低下し、20質量部を越えると耐光性、防汚性が低下する傾向となる。
【0046】
本発明のコーティング剤は、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの通常の重合方法で製造できる。
【0047】
例えば、溶液重合方法により調製する場合、適当な溶剤中で重合開始剤の存在下に、紫外線吸収モノマー(A)、親水性モノマー(B)、官能基含有モノマー(C)及び共重合性ビニルモノマー(D)を含むモノマー組成物を重合させればよい。
【0048】
重合溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類など、公知の溶媒を使用できる。また、これらの溶媒は単独で、又は2種以上混合して使用できる。
【0049】
また、重合開始剤も公知のものを使用することができ、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物を挙げることができる。これらの重合開始剤も単独で、又は2種以上混合して使用できる。重合開始剤の使用量は特に限定されないが、モノマー組成物の0.05〜2質量%程度とするのがよい。
【0050】
また、乳化重合方法により調製する場合は、必要に応じて乳化剤を用いて、モノマー成分を乳化させて、重合開始剤の存在下、乳化重合を行うことにより調製することができ、乳化重合で用いられる乳化剤や重合開始剤などは、特に制限されず、公知のものを使用できる。
【0051】
なお、モノマー組成物には染料を添加して、着色されたコーティング剤を製造し、意匠性を付与してもよい。染料としては、DIANIX BLUE BG−FSNEW(三菱化成ヘキスト社製)、DIANIX YELLOW G−FS(三菱化成ヘキスト社製)、DIANIX RED KBN−SE(三菱化成ヘキスト社製)などが挙げられる。
【0052】
本発明のコーティング剤組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、加水分解防止剤、酸化防止剤、防黴剤、消泡剤、顔料、ビヒクルなどの添加剤が含まれていてもよい。加水分解防止剤としては、例えば、カルボジイミド系スタバクゾール1、PCD(BAYER社製)、4−t−ブチルカテコール、アゾジカルボナミッド、脂肪酸アマイド等を挙げることができる。酸化防止剤としては、BHT、Irganox1010、Irganox1076、Cyanox1790等を挙げることができる。防黴剤としては、ペンタクロロフェノール、銅−8−ヒドロキシキノリン、ビス(トリ−n−ブチル錫)等を挙げることができる。消泡剤としては、シリコーン、プルロニック化合物等を挙げることができる。
【0053】
本発明の構造体は、種々の構造体の表面に本発明のコーティング剤を塗布し、被膜を形成することにより製造できる。塗布方法は、特に限定されず、刷毛塗り方法、スプレー塗布方法、ディッピング方法、フローコーティング方法等を採用することができる。塗布後は適宜熱処理を行って溶媒を除去して、構造体表面にポリマー被膜を形成する。乾燥後の被膜の厚さが1〜10μmとなるように形成されることが好ましい。
【0054】
本発明のコーティング剤をコーティングするのに適した構造体は、特に制限されず、例えば、農業用被覆材、透明板、透明波板、屋外貯蔵タンク、電化製品、テント、外壁、各種のガラス、プラスチックシート又はフィルム、金属、ゴム等に使用できるが、長期にわたって耐光性、防汚性が持続するため、建築物や作業用テント、農業用ハウス(温室)などの屋外構造物、自転車、航空機等のガラス製或いはプラスチック製の窓等が好ましい。
【0055】
中でも、長期にわたって耐光性、防汚性が持続し、透明性にも優れているため、農作物を栽培する施設園芸用ハウスに用いられる農業用フィルムへの使用に特に適している。その中でも、3〜5年間又はそれ以上の長期間にわたって継続して使用されるハウスや大型ハウスの使用に最適である。農業用フィルムを製造する場合には、ポリエステルをカレンダ加工、Tダイ法、インフレーション法等で0.01〜0.5mm程度の厚さのフィルムに成形した後、表面にコーティング剤を塗布し、被膜を形成する。
【0056】
なお、適用できるプラスチックとしては、特に限定されないが、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等を例示することができる。また、適用できるガラスとしては、特に限定されないが、無機ガラス又はプラスチックガラスが好ましく、特に、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の高分子でガラス板状にしたプラスチックガラスないしプラスチックガラス窓が好ましい。
【実施例】
【0057】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
ジムロート、滴下ロート、温度計、窒素導入菅、攪拌装置を備えた300mlのセパラブルフラスコに2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシ)フェニル]ベンゾトリアゾール30.0g、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(NKエステルM−90G、新中村化学工業(株)製)25g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25g、メタクリル酸メチル20g、n−ドデシルメルカプタン0.7g、メチルエチルケトン100g加え、窒素導入管から窒素を吹き込みながら50℃まで昇温する。その後、少量のメチルエチルケトンに溶解したアゾビスイソブチロニトリル0.3gを30分で滴下し、滴下終了後70℃まで昇温した後、8時間反応を行う。これに、ジブチルスズジラウレート0.1gを添加し、質量平均分子量約3.2万の低汚染性(親水性)高分子紫外線吸収剤を調製した。
【0058】
なお、分子量は液体クロマトグラフィ(GPC)により求めた。当該GPCでは、カラムとしては、品名「TSKGel GMHXL(東ソー株式会社製」)×2および品名「TSKGel G2000HXL(東ソー株式会社製)」×1を、移動相としてはテトラヒドロフランを、検出器としては、品名「UV−8000」と「RI−80000」とを用いた。また、測定条件は、温度が40℃で流量が0.8ml/分である。
【0059】
また、官能基含有モノマー(架橋剤)の使用量はイソシアネート残量を統一させて求めた。
【0060】
(実施例2〜9(但し実施例9は参考例)および比較例1〜2)
表1に示す紫外線吸収モノマー、親水性モノマー、官能基含有モノマー(架橋剤)を用いること以外は、実施例1と同様にして高分子紫外線吸収剤を調製した。
【0061】
(比較例3)
実施例1の組成物中における2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンの代わりに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(商品名「チヌビン327」CIBA−GEIGY社製)を用いること以外は、実施例1と同様にして、高分子紫外線吸収剤を調製した。なお、商品名「チヌビン327」は、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールである。
【0062】
【表1】
Figure 0004771596
【0063】
[調製例1:試験片の調製]
実施例及び比較例で作製した高分子紫外線吸収剤100部と、下記の親水性架橋剤2.7部を混合し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材に5g/m2の割合で塗工した後、100℃で2時間乾燥して、耐光性・防汚性塗料を塗布した構造体を作製した。調製した耐光性・低汚染性構造体を、下記の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(1)デュラネートWB40−100(ポリエーテルポリオールヘキサメチレンジイソシアネートアダクト、旭化成工業(株)製)
(2)コロネートL−45(トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、日本ポリウレタン工業(株)製)
(3)マイテックNY215A(トリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネートアダクト、三菱化学(株)製)
【0064】
(防汚性試験)
上記構造体を、70℃の恒温室に30分放置し、カーボンブラックの粉を振りかけ、さらに30分放置する。室温で放冷後、カーボンブラックで汚染させた構造体を傾斜させ霧吹きで水を噴霧させる(距離20cm、噴霧回数50回)。その試料を室温で乾燥させた後、汚染を目視にて観察した。
○:カーボンブラックはほぼ流れ落ち、汚れが除去できる。
△:若干汚れが残る。(基材PETレベル)
×:汚れは拡散するだけで除去できない。
【0065】
(耐光性試験)
実施例及び比較例で作製した紫外線吸収剤を調製例1で調製した耐光性・低汚染性構造体を、アイスーパーUVテスター(岩崎電気(株)製)にて照射時間8時間+湿潤時間4時間を1サイクルとして、20サイクル実施し、下記の基準で評価した。
評価 ○:殆ど退色しない
△:基材が若干、変色もしくは劣化し白濁している
×:基材がかなり変色、劣化している
【0066】
(密着性)
実施例1及び比較例で作製した紫外線吸収剤を調製例1で調製した耐光性・低汚染性構造体を、碁盤目試験(JIS K-5400)及びセロテープ剥離試験にて評価を行った。
(使用粘着テープ)
ゴム系テープ:ニチバン(株)製カートンNo.640
アクリル系テープ:日東電工(株)製ポリエステルテープNo.31B
評価 ○:100/100
△:99/100〜50/100
×:49/100〜0/100
【0067】
(耐温水性)
実施例1及び比較例で作製した紫外線吸収剤を調製例1で調製した耐光性・低汚染性構造体を、70℃の温水に24時間浸漬後、外観および防汚性の変化を目視により観察した。
評価 ○:変化無し
△:微濁
×:白濁もしくは塗膜の剥離がみられる
【0068】
(接触角)
エルマゴニオメーター式接触角測定器G−1型を使用し、23℃×60%RHの条件下で測定した。
【0069】
【表2】
Figure 0004771596
【0070】
表1、2の結果から明らかなように、本発明の共重合体からなる高分子紫外線吸収剤を含有するコーティング剤を塗工したPET構造体は、防汚性、耐光性、密着性、耐温水性ともに優れているのに対し、本発明の紫外線吸収モノマーを含まないモノマー組成物の共重合体(比較例2)を含有するコーティング剤は耐光性が劣り、また、本発明の親水性モノマーを含まないモノマー組成物の共重合体(比較例1)を含有するコーティング剤は防汚性、密着性が劣っていた。また、水に膨潤しない非親水性架橋剤を用いた場合(実施例9(参考例))は、ポリイソシアネート系親水性架橋剤を用いた場合(実施例1〜8)に比べて、防汚性が不良であった。
【発明の効果】
【0071】
以上説明したとおり、本発明のコーティング剤は、紫外線吸収モノマーと親水性モノマー(防汚性成分)及び官能基含有モノマーを共重合しているため、経時により紫外線吸収成分および防汚性成分がポリマーからブリードアウトすることなく、長期間にわたり耐光性、防汚性が持続する。そのため、農業用フィルム等の構造体を紫外線による劣化から保護することができる。特に、ポリイソシアネート系親水性架橋剤を混合したコーティング剤は、構造体に塗工した後、適宜熱処理することにより形成される被膜の耐光性、防汚性が長期にわたって持続し、透明性にも優れている。さらに、本発明のコーティング剤の乾燥被膜の水に対する接触角が65度以下と低いため、ポリマーフィルム等の構造体に付着した汚染物質を、水や雨水で流すことができるので、長期間にわたり防汚性を持続させることができる。よって、本発明のコーティング剤をコーティングした構造体、例えば、屋外貯水タンク、外壁材、電化製品、自動車鋼板、農業用ハウス等は、紫外線による劣化も少なく、防汚性も良好であり、これら構造体自身の耐久性をのばすことが可能となる。

Claims (3)

  1. 下記式(化1)で表されるベンゾフェノン系紫外線吸収モノマー及び下記式(化2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーから選ばれる少なくとも一種の紫外線吸収モノマー(A)と、
    アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、スチレンスルホン酸トリ−n−ブチルアミン塩、4−スルホブチルメタクリレートNa及びN−ビニル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも一種以上の親水性モノマー(B)と、
    アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチルメタアクリル酸エステル、2−ヒドロキシプロピルメタアクリル酸エステル、4―ヒドロキシブチルアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールモノメタアクリル酸エステル及びアミノエチル(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種以上の官能基含有モノマー(C)と、
    スチレン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、アルキルビニルエーテル及びアルキルビニルエステルから選ばれる少なくとも1種以上の共重合性ビニルモノマー(D)を含む共重合体に、
    ポリアルキレンオキシド誘導体からなる親水性極性基を主鎖もしくは側鎖にもち、2官能以上のイソシアネート基を含む親水性極性基含有ウレタンプレポリマーからなるポリイソシアネート系親水性架橋剤(E)を添加したコーティング剤であって、
    紫外線吸収モノマー(A)と、親水性モノマー(B)と、官能基含有モノマー(C)と、共重合性ビニルモノマー(D)との割合が、モノマー成分全量に対して、(A)/(B)/(C)/(D)=5〜50/20〜70/10〜70/5〜50(質量%)であり、
    前記ポリイソシアネート系親水性架橋剤(E)の添加量は、前記共重合体組成物100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とするコーティング剤。
    Figure 0004771596
    (式(1)中、R11は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシル基を示す。R12は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m1は0又は1を示す。R13は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X1はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
    Figure 0004771596
    (式(2)中、R21は水素原子、ハロゲン原子、又はメチル基を示す。R22は水素原子、又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数1〜10のオキシアルキレン基を示し、m21は0又は1を示す。R24は炭素数1〜8のアルキレン基、アミノ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基、又はヒドロキシル基を有する炭素数1〜8のアルキレン基を示し、m22は0又は1を示す。R25は水素原子、又は低級アルキル基を示す。X2はエステル結合、アミド結合、エーテル結合、又はウレタン結合を示す。)
  2. 前記コーティング剤の乾燥被膜の水に対する接触角が、65度以下である請求項に記載のコーティング剤。
  3. 構造体の表面に、請求項1〜のいずれか1項に記載のコーティング剤からなる被膜が形成された構造体。
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