JP3007280B2 - 耐候性塗料組成物 - Google Patents

耐候性塗料組成物

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JP3007280B2
JP3007280B2 JP7086325A JP8632595A JP3007280B2 JP 3007280 B2 JP3007280 B2 JP 3007280B2 JP 7086325 A JP7086325 A JP 7086325A JP 8632595 A JP8632595 A JP 8632595A JP 3007280 B2 JP3007280 B2 JP 3007280B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料組成物に関し、特
に、高不揮発分・低粘度で塗膜物性及び重ね塗り性に優
れる上、有機溶剤による大気汚染が少なく、塗装の作業
性を改善することができる耐候性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、アクリル樹脂やポリエステル樹
脂に代表される耐候性塗料用ビヒクルには、架橋剤とし
てメラミン樹脂や多官能イソシアネート化合物が配合さ
れている。しかしながら、メラミン樹脂を配合した場合
には、硬化に150〜230℃という高温を必要とする
ので作業性及び経済性が悪いのみならず、低級アルコー
ルを脱離して塗膜の体積が減少する上、トリアジン骨格
に起因して酸性雨によって塗膜にしみや黄変が生じるの
で耐候性が劣るという欠点があり、またイソシアネート
化合物を配合した場合には、イソシアネート化合物に毒
性がある上、紫外線により塗膜の光沢が低下するという
欠点があった。
【0003】そこで、塗膜の耐候性を向上させるため
に、分子内にアルコキシシリル基を導入したアクリル樹
脂を常温で縮合架橋させる方法(例えば、特開昭57−
36109号、特開昭58−155666号各公報等)
が報告されているが、冬季における硬化時の反応速度が
遅いのみならず、塗料とした場合の保存安定性に欠ける
上耐候性も不十分であるという欠点があった。
【0004】また、アルコキシシリル基と有機樹脂の水
酸基との反応性を利用した硬化系(例えば特公昭63−
33512号公報)も報告されているが、耐アルカリ性
や耐塩水性に乏しいという欠点があった。更に、有機溶
剤を使用する塗料については、近年、大気汚染防止、環
境保護の観点からVOC規制が年々厳しくなっているの
で、無溶剤型又は高不揮発分型とすることが望まれてい
る。
【0005】一方、アルコキシシリル基含有オルガノポ
リシロキサンを、アルミキレート化合物の存在下で縮合
反応させる系(例えば、特公平2−9633号公報)、
及びビニルポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンを白金触媒存在下で硬化させる系も知られ
ているが、これらによって得られる硬化塗膜は、耐溶剤
性に劣る上重ね塗り性が悪いので、塗料分野における応
用は殆どなされていない。
【0006】また、ビニル基含有オルガノポリシロキサ
ンをアクリルゴムに導入して有機過酸化物の存在下で加
硫させ、硬化させる方法(特開平5−331341号及
び同5−331342号各公報)も提案されているが、
この方法はエラストマー成型品を製造する方法としては
有効であるものの、耐候性塗料用ビヒクルとしては使用
できるものではなかった。
【0007】そこで、このような欠点のない耐候性塗料
組成物を得る方法として、アルケニル基含有アクリル樹
脂又はアルケニル基含有ポリエーテル樹脂に、オルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンを付加反応させて架橋さ
せる方法が提案されている(特開平6−49347号公
報、国際公開90−10037号、特開平3−2776
45号公報等)。
【0008】しかしながら、これらの方法は塗膜の耐候
性や耐薬品性を向上させることはできるものの、使用す
る樹脂のハイドロジェンポリシロキサンに対する相溶性
が乏しいために、この方法によって得られた塗膜は、白
化したりはじき現象が生じるという欠点があった。更
に、耐候性付与成分であると共に架橋成分でもあるオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量が前記樹脂
に対して限界があるために、低粘度で且つ高不揮発分の
塗料を得ることができないのみならず、架橋密度を高く
して高耐擦傷性の塗膜を得ることができないという欠点
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
従来の係る欠点を解決すべく鋭意検討した結果、ビニル
シロキサニル基含有(メタ)アクリル酸エステル及び/
又はビニルシロキサニル基含有スチレン化合物を他の重
合性単量体と共重合してなる特定の重合体を、オルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンを用いて架橋させること
により、塗料とした場合の塗膜が、耐候性はもとより、
耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐水性、耐塩水性、
防錆性及び耐汚染性において改善されると共に、重ね塗
り性も良好となること、及び、使用に際し、有機溶剤の
使用量を少なくすることが可能である上、高不揮発分・
低粘度の塗料を得ることができ、塗装の作業性が改善さ
れるということを見出し、本発明に到達した。
【0010】従って、本発明の第1の目的は、優れた耐
候性塗料組成物を提供することにある。本発明の第2の
目的は、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐水性、耐
塩水性、防錆性及び耐汚染性等の塗膜物性に優れた耐候
性塗料組成物を提供することにある。本発明の第3の目
的は、重ね塗り性が改善された耐候性塗料組成物を提供
することにある。更に、本発明の第4の目的は、有機溶
剤による大気汚染が少なく、塗装の作業性も改善され
た、高不揮発分・低粘度の塗料を得ることができる耐候
性塗料組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、(イ)ビニルシロキサニル基含有(メタ)アクリル
酸エステル及び/又はビニルシロキサニル基含有スチレ
ン化合物を他の重合性単量体と共重合してなる、数平均
分子量が2,000〜50,000の重合体;100重
量部、(ロ)1分子中に少なくとも2個の珪素−水素結
合を有する数平均分子量が200〜20,000のオル
ガノハイドロジエンポリシロキサン;(イ)成分中のビ
ニル基1個に対して、珪素原子に結合した水素原子が
0.8〜4個となる量、及び(ハ)白金触媒とからなる
ことを特徴とする耐候性塗料組成物よって達成された。
【0012】本発明で(イ)成分として使用する重合体
は、ビニルシロキサニル基含有(メタ)アクリル酸エス
テル及び/又はビニルシロキサニル基含有スチレン化合
物を他の重合性単量体と共重合させたビニル系共重合体
である。上記の共重合体に使用するビニルシロキサニル
基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記の、
側鎖又は末端にビニル基を少なくとも1個含有する化8
で表される化合物であるか、又は下記化9で表される化
合物であることが好ましい。
【0013】
【化8】 但し、化8中のR1 は水素原子又はメチル基、R2 はヘ
テロ原子を含み得る炭素原子数が3〜12の2価の有機
基、R3 は炭素原子数が1〜6のアルキル基、アルケニ
ル基又はフェニル基であり、pは0〜2の整数、mは0
〜10の整数である。R2 の具体例としては、−CH2
CH2 CH2 −、−CH2 CH2 OCH2 CH2 CH2
CH2 −、−CH2 CH2 SCH2 CH2 CH2 CH2
−等が挙げられる。R3 のアルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基等が、アルケニル
基の具体例としてはメチル基、ビニル基等が挙げられ
る。工業的に使用する観点からは、R3 が、メチル基、
ビニル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
【0014】
【化9】 但し、化9中のR4 は水素原子又はメチル基、R5 はヘ
テロ原子を含み得る炭素原子数が3〜12の2価の有機
基、及びR6 炭素原子数が1〜6のアルキル基、アルケ
ニル基又はフェニル基であり、nは2〜6の整数であ
る。R5 の具体例としては、前記化8中の、R2 と同様
のもの、R6 の具体例としてはR3 と同様のものが挙げ
られる。
【0015】このようなビニルシロキサニル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、下
記化10〜化26で表されるもの等を挙げることができ
る。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0016】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0017】前記ビニルシロキサニル基含有スチレン化
合物としては、下記の、側鎖又は末端にビニル基を少な
くとも1個含有する下記化27で表される化合物である
か、又は下記化28で表される化合物であることが好ま
しい。
【化27】 但し、化27中のR7 は炭素原子数が1〜6のアルキル
基、アルケニル基又はフェニル基であり、qは0〜2の
整数、nは0〜10の整数である。
【0018】
【化28】 但し、化28中のR8 は炭素原子数が1〜6のアルキル
基、アルケニル基又はフェニル基であり、qは0〜2の
整数であり、nは2〜6の整数である。化27及び化2
8中のR7 及びR8 の具体例としては、前記化8中のR
3 と同様のものが挙げられる。
【0019】このようなビニルシロキサニル基含有スチ
レン化合物の具体例としては、例えば、下記化29〜化
37で表される化合物を挙げることができる。
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【0020】前記ビニルシロキサニル基含有(メタ)ア
クリル酸エステル及び/又はビニルシロキサニル基含有
スチレン化合物(以下、ビニルシロキサニル基含有化合
物と総称する)と共重合させる他の重合性単量体は、こ
れらの化合物に共重合させることができるものであれば
特に限定されるものではない。
【0021】このような重合性単量体としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アク
リル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキ
シブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル
とε−カプロラクトンとの付加物、(メタ)アクリル酸
グリシジル;
【0022】(メタ)アクリル酸−3−トリメトキシシ
リルプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリエトキシ
シリルプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ジメトキシ
メチルシリルプロピル、(メタ)アクリル酸−3−トリ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、(メタ)ア
クリル酸−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、アシドホスホキシプロピルメタクリレート、
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルイソシ
アネート、(メタ)アクリル酸−2−イソシアネートエ
チル等が挙げられる。これらは併用しても良い。更に、
50重量%以内の範囲であれば、スチレン、α−メチル
スチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル、酢酸
アリル等を併用することもできる。
【0023】本発明で使用する(イ)成分である重合体
は、ビニルシロキサニル基含有化合物に対する他の重合
性単量体の配合比が、重量比で(5〜80)/(20〜
95)であるものが好ましい。5/95未満のものは架
橋性が乏しくなる上(ロ)成分に対する相溶性が悪くな
る。80/20を超えるものは、架橋密度が高くなりす
ぎて、塗料とした場合の塗膜と基材との密着性が悪くな
ったり、(ロ)成分を加えた場合のポットライフが短く
なる。
【0024】(イ)成分である重合体は、前記ビニルシ
ロキサニル基含有化合物、他の重合性単量体及び重合開
始剤を溶液中に添加して重合させる溶液重合法によって
得ることができる。この場合に用いることができる溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸−n−ブ
チル、酢酸イソブチル等のエステル類、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、ジ
アセトンアルコール等のアルコール類を挙げることが出
来る。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上を併用
しても良い。
【0025】前記重合開始剤としては、有機過酸化物、
アゾ系化合物等の、通常の重合に用いられるラジカル重
合開始剤を使用することができるが、特に、ビニルシロ
キサニル基を重合させずに(メタ)アクリル基又はスチ
リル基等の重合性基を選択的に重合させる観点から、
2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチラート等を使用することが
好ましい。
【0026】本発明で使用する(イ)成分の分子量は、
数平均分子量で2,000〜50,000である必要が
ある。2,000未満では、塗料とした場合の造膜形成
性が乏しくなるのみならず、塗膜強度も弱くなる。5
0,000を超えると高不揮発分型の塗料を得ることが
困難となるのみならず、有機溶剤の配合量を少なくして
も、塗料の粘度が高いので、塗料としての塗装性が悪く
なる。
【0027】重合体をこのような分子量に調製するため
には、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、四塩化炭
素、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用
することができる。重合条件は50〜180℃、特に6
0〜120℃とすることが好ましく、この温度条件で
は、5〜20時間で重合反応は終了する。
【0028】本発明で使用する(ロ)成分は、1分子中
に少なくとも2ケの珪素−水素結合を有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンであり、ヒドロシリル化し
て(イ)成分中のビニルシロキサニル基を架橋させるも
のである。(ロ)成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、下記化38〜化40で表される化合
物を使用することが好ましい。
【化38】 但し、化38中のR9 は同種又は異種の炭素原子数が1
〜6のアルキル基又はフェニル基であり、aは1〜10
0の整数、bは0〜100の整数である。
【0029】
【化39】 但し、化39中のR10は同種又は異種の炭素原子数が1
〜6のアルキル基又はフェニル基であり、cは0≦c≦
8の整数、dは2≦d≦10の整数、且つc+dは3≦
c+d≦10である。
【化40】 但し、化40中のR11は同種又は異種の炭素原子数が1
〜6のアルキル基又はフェニル基であり、eは0〜10
0の整数、fは2〜100の整数である。化38〜化4
0中の、R9 、R10及びR11のアルキル基の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
挙げられる。これらの基は、工業的利用の観点からは、
特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
【0030】(ロ)成分は、(イ)成分との相溶性の観
点からは、フェニル基を一部に含有するものであること
が好ましい。(ロ)成分の分子量は、上記化38〜化4
0中のa〜fの数で規定されるが、特に数平均分子量で
200〜20,000であることが好ましい。200未
満では、混合中や塗布後、或いは硬化する前に蒸発する
ので架橋性が悪くなる。20,000を超えると、
(イ)成分との相溶性が悪くなる上、塗料組成物とした
場合の粘度が高くなるので塗装時の作業性が悪くなる。
【0031】(ロ)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの具体例としては、例えば、下記化41〜化
61で表される化合物等を挙げることができる。
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【0032】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【0033】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】 尚、以上の化式中のphは全て、フェニル基を示す。
【0034】(ロ)成分の量は、(イ)成分中のビニル
基1個に対して、珪素原子に結合した水素原子が0.8
〜4個となる量が必要であり、特に1.0〜2.0個に
相当する量であることが好ましい。上記の範囲から外れ
た場合には、塗料として使用した場合の塗膜中に残存し
たビニル基や水素原子が、水分や汚染物質と反応したり
紫外線によって活性化されるので、塗膜の耐候性、光沢
度、硬度、可撓性等を低下させる。
【0035】本発明の耐候性塗料組成物は、(イ)成分
として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相
溶性が良いビニルシロキサニル基含有(メタ)アクリル
酸エステル及び/又はビニルシロキサニル基含有スチレ
ン化合物を他の重合性単量体と共重合した重合体を使用
しているので、従来以上に(ロ)成分であるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンの配合量を高めることがで
きる。また、ビニルシロキサニル基含有化合物の配合量
を高めた場合には、塗膜は、耐アルカリ性、耐酸性、耐
擦傷性及び耐汚染性が特に向上する。
【0036】本発明で使用する(ハ)成分は(イ)成分
と(ロ)成分を硬化させるための触媒であり0価若しく
は4価の白金触媒が使用されるが、工業的観点からは塩
化白金酸を使用することが好ましい。これにより硬化反
応は低温で進行し、硬化後の体積減少も殆どない。上記
触媒の添加量は、(イ)成分と(ロ)成分の混合物10
0重量部に対して5〜1,000ppmであることが好
ましく、特に10〜500ppmであることが好まし
い。5ppm未満では硬化性に乏しく、1,000pp
mを越えると塗布中に硬化し易くなり、塗装作業性が悪
くなる。
【0037】本発明においては、(イ)、(ロ)及び
(ハ)成分を混合する際の硬化を防止したり、ポットラ
イフを延ばす目的で、アセチレン化合物等の、白金触媒
に配位して硬化を遅らせる物質を適宜添加しても良い。
これらの遅効剤は、加熱硬化の際に気化して系外へ揮散
するものであるか、或いは密閉下で存在し開放下で蒸発
して白金触媒活性を発現させるものが好ましい。このよ
うな遅効剤としては、例えばエチニルアルコール、3−
オールプロピン、3−オール−3,3−ジメチルプロピ
ン、3−トリメチルシロキシプロピン、3−トリメチル
シロキシ−3,3−ジメチルプロピン等が挙げられる。
【0038】(イ)、(ロ)及び(ハ)成分の混合物
は、無溶剤或いは有機溶剤に溶解させて塗布し、室温下
で或いは加熱することにより硬化させる。本発明の耐候
性塗料用組成物を用いて形成された硬化塗膜は、Si−
C結合により架橋された塗膜であるので、耐湿性、耐水
性及び耐塩水性等が極めて良好である。又、架橋硬化さ
せるので、耐溶剤性、耐アルカリ性及び重ね塗り性も十
分である。
【0039】尚、本発明の樹脂組成物には、所望により
顔料やその他の添加剤等を加えることができるが、ヒド
ロシリル化反応を阻害する物質や化合物、例えばチッ
素、リン、ヒ素等の元素を含むものを添加することは好
ましくない。本発明の耐候性塗料組成物は、低粘度でハ
イブリッド型のものである上塗料とした場合の重ね塗り
性も良好であると共に、VOC(揮発性有機化合物)規
制にも対応することができる。また、その硬化塗膜は、
雨だれ汚染による黒しみや酸性雨による光沢低下等の欠
点がない、外装用塗料として好適なのものである。
【0040】
【発明の効果】本発明の耐候性塗料組成物を使用した塗
料は、粘度低下が可能である上高不揮発性であるので、
有機溶剤による大気汚染が少なく塗装の作業性が改善さ
れると共に、重ね塗り性も改善される。更に、その塗膜
は耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐水性、耐塩水
性、防錆性及び耐汚染性等の塗膜物性に優れると共に、
表面の平滑性が高い上高光沢である。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。ま
た、「部」とあるのは、全て「重量部」を示す。 実施例1.反応容器にキシレン70部及びブタノール2
0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら120℃に昇温
した後、メタクリル酸メチル45部、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル20部、前記化26で表される化合物
であるシロキサン−1を15部、エチルアクリレート2
0部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチラート3
部及び3−メチルカプトプロピルトリメトキシシラン2
部の混合溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、
110℃で2時間熟成し、(イ)成分としてビニルシロ
キサニル基含有アクリル系共重合体溶液を得た。
【0042】得られた共重合体溶液((イ成分))10
0部に、(ロ)成分である、前記化56で表されるシロ
キサン−2を13部((イ)成分のビニル基1個に対し
て、珪素原子に結合した水素原子が1.5個となる
量)、(ハ)成分である白金系触媒(PL−50T:信
越化学工業株式会社製の商品名)0.17部及び遅効剤
(PLR−31:信越化学工業株式会社製の商品名)
0.002部を添加してよく混合し、塗料組成物を調製
した。得られた塗料組成物を、乾燥後の塗膜の厚さが2
0μmとなるように鉄板上に塗布した後、180℃で2
0分間硬化させた。得られた塗膜の物性を以下のように
して測定した結果は表1に示した通りである。
【0043】
【表1】
【0044】塗膜物性の測定 (1)鉛筆硬度 JIS K 5400 第6−14項に準じて行った。 (2)キシロールラビングテスト キシレンを含浸させた1cm×1cmの大きさの脱脂綿
で、塗膜の表面を50往復擦った後、その表面の外観の
変化を目視によって判定した。 (3)マンドレルテスト JIS K 5400 第6−16項に準じ、2mmの
心棒を用いた場合の塗膜の外観の変化を目視によって判
定した。
【0045】(4)耐衝撃テスト JIS K 5400 第6−13項に準じ、300g
の重りを50cmの高さから塗膜表面に落下させた場合
の塗膜の外観の変化を目視によって判定した。 (5)初期光沢 酸化チタン(タイペークR−820:石原産業株式会社
製の商品名)40部を樹脂の固形分100部に添加し、
ボールミルを用いて分散し、白色塗料を調製した。この
白色塗料を、乾燥後の塗膜の厚さが20μmとなるよう
に鉄板上に塗布した後180℃で20分間硬化させ、耐
候性試験前の60°鏡面光沢性を目視によって判定し
た。
【0046】(6)耐候性 サンシャインウェザーメータ((株)東洋精機製作所
製)で2,000時間照射し、その前後の塗膜表面の6
0°鏡面光沢の保持率(%)を測定し、また、その外観
の変化を目視によって観察し、耐候性を評価した。 (7)耐酸性 硬化クリヤー塗膜に0.1規定の硫酸水溶液0.2ミリ
リットルを塗布し、20℃で75%の湿度の状態で1昼
夜静置した後、60℃で10分間乾燥して塗布部の塗膜
の劣化状態を目視によって観察し、下記基準で判定し
た。◎印は極めて良好、○は良好、△は痕跡あり、×は
白濁があることを表す。 (8)粘度試験 樹脂系に不揮発分が50重量%となるようにキシロール
を添加した場合の25℃における粘度をE型粘度計を用
いて測定した。
【0047】実施例2.実施例1で使用したシロキサン
−1に代えて前記化18で表されるシロキサン−3を使
用した他は、実施例1の場合と全く同様にして重合体及
び塗料組成物を調製し、塗膜を形成させ、実施例1の場
合と全く同様にして塗膜物性の評価を行った結果は表1
に示した通りである。
【0048】実施例3.実施例1で使用したシロキサン
−1に代えて前記化29で表されるシロキサン−4を使
用した他は、実施例1の場合と全く同様にして重合体及
び塗料組成物を調製し、塗布して塗膜を形成させ、実施
例1の場合と全く同様にして塗膜物性の評価を行った結
果は表1に示した通りである。
【0049】比較例1.反応容器にキシレン40部及び
ブタノール20部を仕込み、窒素ガスを導入しながら1
10℃に昇温した後、スチレン15部、メタクリル酸
3.1部、メタクリル酸−2−エチルヘキシル34.1
部、メタクリル酸メチル31.6部、メタクリル酸−2
−ヒドロキシエチル16.2部及びt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート1.2部の混合溶液を3
時間かけて滴下した。滴下終了後105℃で1時間熟成
した後、キシレン6.7部及びt−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート0.2部を30分かけて滴下
し、105℃で2時間熟成してアクリル樹脂溶液を得
た。
【0050】得られたアクリル樹脂溶液100部に、メ
ラミン樹脂(スーパーベッカミンL−127:大日本イ
ンキ化学工業株式会社製の商品名)43部を混合して塗
料用組成物を得た。得られた塗料組成物を塗布して塗膜
を形成させ、実施例1の場合と全く同様にして塗膜物性
の評価を行った結果は表1に示した通りである。
【0051】比較例2.比較例1で使用したメラミン樹
脂(スーパーベッカミンL−127:大日本インキ化学
工業株式会社製の商品名)43部に代えて、ポリイソシ
アネート(バーノックD−950:大日本インキ化学工
業株式会社製の商品名)25部及びジブチル錫ジラウレ
ート0.1部を使用した他は、比較例1の場合と全く同
様にして重合体及び塗料組成物を調製し、塗布して塗膜
を形成させ、比較例1の場合と全く同様にして塗膜物性
の評価を行った結果は表1に示した通りである。尚、こ
の場合の塗膜は、25℃で1週間かけて硬化させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−255780(JP,A) 特開 昭63−168469(JP,A) 特開 平3−277645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 143/04 C09D 183/04 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ビニルシロキサニル基含有(メタ)
    アクリル酸エステル及び/又はビニルシロキサニル基含
    有スチレン化合物を他の重合性単量体と共重合してな
    る、数平均分子量が2,000〜50,000の重合
    体;100重量部、(ロ)1分子中に少なくとも2個の
    珪素−水素結合を有する数平均分子量が200〜20,
    000のオルガノハイドロジエンポリシロキサン;
    (イ)成分中のビニル基1個に対して、珪素原子に結合
    した水素原子が0.8〜4個となる量、及び(ハ)白金
    触媒とからなることを特徴とする耐候性塗料組成物。
  2. 【請求項2】ビニルシロキサニル基含有(メタ)アクリ
    ル酸エステルが、側鎖又は末端にビニル基を少なくとも
    1個含有する、下記化1で表される化合物である、請求
    項1に記載された耐候性塗料組成物。 【化1】 但し、化1中のR1 は水素原子又はメチル基、R2 はヘ
    テロ原子を含み得る炭素原子数が3〜12の2価の有機
    基、R3 は炭素原子数が1〜6のアルキル基、アルケニ
    ル基又はフェニル基であり、pは0〜2の整数、mは0
    〜10の整数である。
  3. 【請求項3】ビニルシロキサニル基含有(メタ)アクリ
    ル酸エステルが下記化2で表される化合物である、請求
    項1に記載された耐候性塗料組成物。 【化2】 但し、化2中のR4 は水素原子又はメチル基、R5 はヘ
    テロ原子を含み得る炭素原子数が3〜12の2価の有機
    基、及びR6 は炭素原子数が1〜6のアルキル基、アル
    ケニル基又はフェニル基であり、nは2〜6の整数であ
    る。
  4. 【請求項4】ビニルシロキサニル基含有スチレン化合物
    が、側鎖又は末端にビニル基を少なくとも1個含有す
    る、下記化3で表される化合物である、請求項1に記載
    された耐候性塗料組成物。 【化3】 但し、化3中のR7 は炭素原子数が1〜6のアルキル
    基、アルケニル基又はフェニル基であり、qは0〜2の
    整数、nは0〜10の整数である。
  5. 【請求項5】ビニルシロキサニル基含有スチレン化合物
    が、側鎖又は末端にビニル基を少なくとも1個含有す
    る、下記化4で表される化合物である、請求項1に記載
    された耐候性塗料組成物。 【化4】 但し、化4中のR8 は炭素原子数が1〜6のアルキル
    基、アルケニル基又はフェニル基であり、qは0〜2の
    整数であり、nは2〜6の整数である。
  6. 【請求項6】オルガノハイドロジエンポリシロキサンが
    下記化5で表される化合物である、請求項1に記載され
    た耐候性塗料組成物。 【化5】 但し、化5中のR9 は同種又は異種の炭素原子数が1〜
    6のアルキル基又はフェニル基であり、aは1〜100
    の整数、bは0〜100の整数である。
  7. 【請求項7】オルガノハイドロジエンポリシロキサンが
    下記化6で表される化合物である、請求項1に記載され
    た耐候性塗料組成物。 【化6】 但し、化6中のR10は同種又は異種の炭素原子数が1〜
    6のアルキル基又はフェニル基であり、cは0≦c≦8
    の整数、dは2≦d≦10の整数、且つc+dは3≦c
    +d≦10である。
  8. 【請求項8】オルガノハイドロジエンポリシロキサンが
    下記化7で表される化合物である、請求項1に記載され
    た耐候性塗料組成物。 【化7】 但し、化7中のR11は同種又は異種の炭素原子数が1〜
    6のアルキル基又はフェニル基であり、eは0〜100
    の整数、fは2〜100の整数である。
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