JP4771308B2 - カテーテルおよび医療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテルおよび医療装置に関するものである。
生体内の患部、例えば、虚血性心疾患の心臓虚血部位またはその周辺部に、治療用組成物を注入するためのカテーテルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このカテーテルは、その基端側に設けられた操作部と、長尺状の鞘部と、鞘部内に移動可能に設置された長尺状の挿通部材と、挿通部材の先端部に設置された中空針と、鞘部の先端部に設置され、心臓の活動電位を検出する電極と、中空針に設置され、心臓の活動電位を検出する電極とを有している。
各電極は、それぞれ、導線を介して対応する出力端子に接続されている。また、各出力端子には、それぞれ、コードを介して対応する生体アンプが接続されている。
このカテーテルによれば、鞘部の先端部および注射針にそれぞれ電極が設けられているので、鞘部の先端部が目的部位に接触したや、中空針が目的部位に穿刺されたこと等の各状態を検知することができ、これにより、目的部位に治療用組成物を確実に注入することができる。
しかしながら、このような2つの電極を有する従来のカテーテルでは、2つの生体アンプを必要とするので、術者(使用者)は、鞘部の先端部が目的部位に接触したことや、中空針が目的部位に穿刺されたこと等の各状態を確認するには、2つの生体アンプの出力を見て、判断する必要があり、その確認作業に手間と時間がかかる。
また、2つの生体アンプを必要とするので、システム全体が大型化し、コストも増大する。
特開2004−290582号公報
本発明の目的は、1つの生体アンプで足り、その出力に基づいて、容易に、鞘部の先端部が目的部位に接触したことや、中空針が目的部位に穿刺されたこと等の各状態を確認することができるカテーテルおよび医療装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) 生体内腔に挿入され、目的部位に液体を注入するカテーテルであって、
基端側に設けられた操作部と、
可撓性を有する長尺で管状の鞘部と、
前記鞘部内に該鞘部の長手方向に沿って移動可能に設けられ、その内部に液体が流れる流路を有し、可撓性を有する長尺で管状の挿通部材と、
前記挿通部材の先端部に、該挿通部材の流路にその内腔が連通するように設けられ、目的部位に液体を注入する中空針と、
前記中空針に設けられ、目的部位の電位を検出する第1の電極と、
前記鞘部の先端部に設けられ、目的部位の電位を検出する第2の電極と、
前記操作部に設けられ、検出された目的部位の電位を出力する出力端子とを備え、
前記第1の電極と前記第2の電極とが共に共通の前記出力端子に導通しており、前記第1の電極により検出される検出信号と前記第2の電極により検出される検出信号とが当該カテーテル側で合成されて、前記出力端子から出力されるよう構成されていることを特徴とするカテーテル。
(2) 前記中空針は、導電性を有し、該中空針の先端部が、前記第1の電極として機能する上記(1)に記載のカテーテル。
(3) 前記挿通部材は、導電性を有し、該挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されている上記(1)または(2)に記載のカテーテル。
(4) 前記鞘部の先端部を引っ張って偏向させる引張ワイヤを有し、該引張ワイヤを介して、前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に接続されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカテーテル。
(5) 前記挿通部材は、導電性を有し、該挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されており、
前記第2の電極と、前記挿通部材とを電気的に接続する導電体を有する上記(1)に記載のカテーテル。
(6) 前記中空針および前記挿通部材は、導電性を有し、前記中空針の先端部が、前記第1の電極として機能し、前記挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されており、
前記第2の電極と、前記中空針または前記挿通部材とを電気的に接続する導電体を有する上記(1)に記載のカテーテル。
(7) 前記導電体は、前記鞘部の先端部またはその近傍に設けられている上記(5)または(6)に記載のカテーテル。
(8) 前記鞘部の先端部を引っ張って偏向させる引張ワイヤを有し、該引張ワイヤが前記導電体を兼ねる上記(5)または(6)に記載のカテーテル。
(9) 前記中空針と前記挿通部材とが一体的に形成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のカテーテル。
(10) 前記第2の電極は、前記中空針の外周側で、かつ、前記鞘部の先端面に設けられている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のカテーテル。
(11) 前記目的部位は、心臓であり、前記液体は、心臓の治療用組成物である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のカテーテル。
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のカテーテルと、
前記カテーテルの前記出力端子から出力される電位の変化を表示する表示手段とを備え、
前記表示手段により表示される前記電位の変化のパターンに基づいて、前記中空針による穿刺の状態を判別し得るよう構成されていることを特徴とする医療装置。
(13) 体表の電位を検出する共通電極を有し、
前記表示手段により、前記出力端子から出力される電位と、前記共通電極により検出された体表の電位との電位差に対応する電位の変化が表示されるよう構成されている上記(12)に記載の医療装置。
本発明によれば、第1の電極と第2の電極とが共通の出力端子に導通し、第1の電極の検出信号と第2の電極の検出信号の2つの信号が、カテーテル側で1つの信号になるので、生体アンプは、1つ有れば足りる。
これにより、術者(使用者)は、その1つの生体アンプの出力(例えば、モニタやプリンタ等の表示手段により表示される電位の変化)を見ることで、容易に、鞘部の先端部が目的部位に接触したことや、中空針が目的部位に穿刺されたこと等の各状態(中空針による穿刺の状態)を確認(判別)することができる。
また、1つの生体アンプで足りるので、医療装置(システム)全体の小型化と低コスト化を図ることができる。
以下、本発明のカテーテルおよび医療装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のカテーテルおよび医療装置の第1実施形態を示す外観図、図2は、図1に示すカテーテルの先端部を示す断面図、図3は、図1に示すカテーテルを示す断面図、図4は、図1に示すカテーテルの患者側操作部を示す断面図、図5は、図1に示すカテーテルの機械側操作部を示す断面図、図6は、図1に示すカテーテルの出力端子から出力される電位の変化を示す図である。
なお、説明の都合上、図1〜図5において、中空針側(中空針の針先側)を「先端」、機械側操作部側(機械側操作部のハブ側)を「基端」として説明する。
図1に示すように、医療装置100は、カテーテル1と、生体アンプ(穿刺検出装置)200とを備えている。
カテーテル1は、生体内腔に挿入され、目的部位に液体を注入する医療器具であり、基端側に設けられた機械側操作部(第1の操作部)2と、機械側操作部2の先端側に設けられた患者側操作部(第2の操作部)3と、機械側操作部2と患者側操作部3との間および患者側操作部3の先端側に設けられ、可撓性を有する長尺で管状の鞘部4と、鞘部4内に鞘部4の長手方向に沿って移動可能に設けられ、可撓性を有する長尺で管状の挿通部材5と、挿通部材5の先端部に設けられ、目的部位に液体を注入する中空針6と、中空針6に設けられ、目的部位の電位を検出する第1の電極7と、鞘部4の先端部に設けられ、目的部位の電位を検出する第2の電極8と、機械側操作部2に設けられ、検出された目的部位の電位を出力する出力端子11と、鞘部4の先端部を引っ張って偏向させる引張ワイヤ9とを備えている。前記第1の電極7および第2の電極8は、共に前記出力端子11に導通している。なお、目的部位が、例えば、心臓(心臓の所定部位)の場合は、第1の電極7および第2の電極8により、それぞれ、心臓の活動電位(心電)が検出され、これら検出された心臓の活動電位は、単一の検出信号として出力端子11から出力される。以下、これらの各構成要素について順次説明する。
鞘部4は、略円筒状をなしている。この鞘部4の外径は、特に限定されないが、例えば、10フレンチ(3.3mm)以下であるのが好ましい。なお、鞘部4の形状は、円筒状には限定されず、管状をなしていればよい。
また、鞘部4の構成材料は、特に限定されないが、ポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、ポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、ポリアミド、アミド系エラストマー、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴムなどの高分子材料(樹脂材料)等、絶縁材料を用いることができる。
また、鞘部4の先端部は、X線造影マーカとしての機能を有するようになっているのが好ましい。この場合、例えば、鞘部4の先端部を、X線造影物質を含有する樹脂材料を使用して形成すればよい。X線造影物質としては、例えば、タンタル、炭化タングステン、酸化ビスマス、硫酸バリウム、プラチナ、プラチナ系合金、コバルト系合金等が挙げられる。
図2に示すように、第2の電極8は、円環状(環状)をなし、後述する中空針6の外周側で、かつ、鞘部4の先端面に設けられている。第2の電極8の内周面および外周面は、それぞれ、図示しない絶縁膜により被覆されている。なお、第2の電極8の形状は、円環状に限定されないことは、言うまでもない。
また、第2の電極8には、導電性を有する引張ワイヤ9の先端部が固定されている。これにより、第2の電極8に、引張ワイヤ9の先端部が電気的にも接続される。この引張ワイヤ9は、鞘部4の内腔(ルーメン)内で、かつ、後述する挿通部材5の外側に、配置されている。
挿通部材5は、略円筒状をなし、鞘部4の内腔に鞘部4の長手方向に沿って移動可能に設けられている。この挿通部材5の内腔により、液体が流れる流路が構成される。なお、挿通部材5の形状は、円筒状には限定されず、管状をなしていればよい。すなわち、挿通部材5は、その内部に液体が流れる流路を有していればよい。
また、挿通部材5の外径は、鞘部4の内腔内を移動可能な程度であれば、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度であるのが好ましい。また、挿通部材5の内径は、0.15〜0.8mm程度であるのが好ましい。
挿通部材5の構成材料としては、本実施形態では、導電性を有するもの、例えば、ステンレス綱、Ni−Ti系合金、Cu−Zn系合金、コバルト系合金、タンタル等の金属材料等を用いる。
なお、本発明では、挿通部材5の構成材料は、導電性を有するものに限らず、例えば、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等の樹脂材料等を用いることができる。
中空針6は、その先端(針先)に鋭利な刃(刃面)を有し、挿通部材5の先端部に設けられている。この中空針6の内腔(流路)は、挿通部材5の内腔(流路)に連通している。そして、この中空針6は、目的部位に穿刺され、その針先から目的部位に、例えば、治療用組成物等の液体が注入される。
中空針6は、後述する中空針6を目的部位に穿刺する操作(穿刺操作)を行なう前は、図5(a)に示すように、鞘部4の先端部の内腔内に位置し、中空針6を目的部位に穿刺する操作を行なうと、図5(b)に示すように、鞘部4の先端部から、予め設定された所定の長さ(突出長)だけ外部に突出するようになっている。この突出長は、機械側操作部2に設けられている図示しない突出長調整部により、自在に調整することができるように構成されている。
中空針6の構成材料としては、本実施形態では、導電性を有するもの、例えば、ステンレス綱、Ni−Ti系合金、Cu−Zn系合金、コバルト系合金、タンタル等の金属材料等を用いる。この中空針6の先端部は、第1の電極7として機能する。
また、本実施形態では、中空針6と前記挿通部材5とが一体的に形成されている。この場合、中空針6は、例えば、挿通部材5の先端部に針付け加工を施こして刃面を形成することにより、設けることができる。
なお、本発明では、中空針6は、例えば、挿通部材5先端部に別体の中空針を装着(固定)することにより、設けることもできる。
また、本発明では、中空針6の構成材料は、導電性を有するものには限定されない。この場合は、中空針6の先端部に、別体の第1の電極が装着(固定)される。
図3に示すように、前記鞘部4の基端部は、患者側操作部3の先端部に接続されている。この患者側操作部3は、引張ワイヤ9を介し、鞘部4の先端部を引っ張って偏向させる操作(偏向操作)を行なうことができるように構成されている。この機構としては、特に限定されず、種々の方式を採用することがでが、図3には、その一例が示されている。
図3に示す患者側操作部3は、ハウジング31と、ハウジング31の基端部に固定された固定部材32と、ハウジング31の先端部に固定された固定部材33と、ハウジング31の先端側の内部に長手方向に沿ってのみ移動可能に設けられた移動体35と、ハウジング31の先端側の外周側に設けられた操作部材34と、ハウジング31内に設けられたコイルバネ(付勢手段)36とを有している。
前記鞘部4の基端部は、固定部材33の先端部に固定されている。また、別の鞘部4の先端部は、固定部材32の基端部に固定され、その鞘部4の基端部は、後述する機械側操作部2の固定部材24の先端部に固定されている。
また、挿通部材5は、患者側操作部3を挿通し、後述する機械側操作部2内に挿入されている。
また、ハウジング31の先端側には、長手方向に延在する1対の長孔312が形成されている。また、移動体35の外周部には、1対の長孔312内に挿入された1対の突起351が形成されている。この突起351と長孔312とにより、移動体35の移動方向が規制され、移動体35は、長手方向に沿ってのみ移動可能となる。
また、コイルバネ36は、前記移動体35と、ハウジング31内の移動体35の基端側の内周部に形成された突出部311との間に、収縮(圧縮)された状態で設置されており、移動体35を、常に、先端側に向けて付勢している。
また、操作部材34と、ハウジング31の先端部とには、互いに螺号する図示しない螺子が形成されている。操作部材34を所定方向に回転させると(回転操作すると)、その操作部材34は、基端側に向って移動し、操作部材34を前記と逆方向に回転させると、その操作部材34は、先端側に向って移動する。
また、操作部材34の基端側の内周部には、その内周に沿って、段差部341が形成されている。前記移動体35の突起351は、この段差部341の基端側に位置し、コイルバネ36の付勢力により、段差部341に押し付けられている。
また、前記引張ワイヤ9の基端側は、患者側操作部3内に挿入され、その途中の部位(図3中の黒丸aの部位)が、移動体35に固定されている。
また、引張ワイヤ9の基端部は、前記挿通部材5に電気的に接続されている。これにより、引張ワイヤ9を介して、第2の電極8と挿通部材5とが電気的に接続される。すなわち、引張ワイヤ9および挿通部材5を介して、第1の電極7と第2の電極8とが電気的に接続される。したがって、引張ワイヤ9は、第2の電極8と挿通部材5とを電気的に接続する導電体として機能する(導電体を兼ねる)。
なお、本発明では、引張ワイヤ9の先端側が、例えば、導線(導電体)を介して中空針6に電気的に接続されていてもよい。この場合は、引張ワイヤ9は、第2の電極8と中空針6とを電気的に接続する導電体として機能する(導電体を兼ねる)。
ここで、図4に示すように、鞘部4の先端部を図4中の矢印の方向に曲げる(偏向させる)場合には、操作部材34を図4中の矢印の方向に回転させる。これにより、操作部材34は、基端側に向って移動し、移動体35の突起351が操作部材34の段差部341により基端側に押され、その移動体35は、基端側に向って移動し、これにより、引張ワイヤ9が基端側に向って牽引され、鞘部4の先端部は、引張ワイヤ9により、基端側に引っ張られて、中空針6や挿通部材5の先端部とともに図4中の矢印の方向に曲げられる。
また、鞘部4の先端部を図4中矢印の逆方向に伸ばす場合には、操作部材34を図4中の矢印の逆方向に回転させる。これにより、図3に示すように、操作部材34は、先端側に向って移動し、移動体35は、コイルバネ36の付勢力により、段差部341に押し付けられた状態で先端側に向って移動し、この段差部341とともに引張ワイヤ9の途中の部位(図3中の黒丸aの部位)が先端側に向って移動し、鞘部4の先端部および中空針6や挿通部材5の先端部は、自己の復元力により伸びてゆく。
このようにして、鞘部4の先端部および中空針6や挿通部材5の先端部の曲げ量を自在に調整することができる。
機械側操作部2は、中空針6を目的部位に穿刺する操作(穿刺操作)を行なうことができるように構成されている。この機構としては、特に限定されず、種々の方式を採用することができ、図3には、その一例が示されている。なお。図3および図5において、機械側操作部2の第2の第2のハウジング22、移動体26およびロック部材27の断面は、それぞれ、中心軸を中心とする中心角で、180度にはなっていない。
図3に示す機械側操作部2は、第1のハウジング21と、第1のハウジング21の先端部に固定された第2のハウジング22と、第1のハウジング21の基端部に固定された固定部材23と、第2のハウジング22の先端部に固定された固定部材24と、第1のハウジング21の先端側の内部に長手方向に沿ってのみ移動可能に設けられた移動体25と、第2のハウジング22の基端側の内部に長手方向に沿ってのみ移動可能に設けられた移動体26と、第2のハウジング22の基端側の外周側に設けられたロック部材27と、第1のハウジング21の先端側から第2のハウジング22の基端側に渡ってそれらの外周側に設けられた操作部材28と、固定部材23の基端部に設けられたハブ29と、第1のハウジング21内に設けられたコイルバネ(付勢手段)12と、第2のハウジング22内に設けられたコイルバネ(付勢手段)13とを有している。出力端子11は、この機械側操作部2の固定部材23の基端から外部に突出するように、固定部材23に固定されている。
第1のハウジング21の先端側には、長手方向に延在する1対の長孔212が形成されている。また、移動体25の外周部には、1対の長孔212内に挿入された1対の突起251が形成されている。この突起251と長孔212とにより、移動体25の移動方向が規制され、移動体25は、長手方向に沿ってのみ移動可能となる。
また、コイルバネ12は、前記移動体25と、固定部材23との間に、収縮(圧縮)された状態で設置されており、移動体25を、常に、先端側に向けて付勢している。
操作部材28は、第1のハウジング21および第2のハウジング22に対して、回動および長手方向に沿って移動可能に設けられている。
また、操作部材28の基端側の内周部には、その内周に沿って、段差部281が形成されている。前記移動体25の突起251は、この段差部281の基端側に位置し、コイルバネ12の付勢力により、段差部281に押し付けられる。
また、第2のハウジング22の中央部よりも少し先端側の外周部には、1対のストッパー221が設けられている。操作部材28は、このストッパー221の基端側に位置し、ストッパー221によって、ストッパー221よりも先端側への移動が阻止される。
前記挿通部材5の基端側の途中の部位は、移動体26に固定されており、挿通部材5と移動体26とが、長手方向に沿って一体的に移動し得るようになっている。
また、第2のハウジング22の略中央部からの基端側には、長手方向に延在する図示しない1対の長孔が形成されている。また、移動体26の外周部には、第2のハウジング22の1対の長孔内に挿入された1対の突起261が形成されている。この突起261と長孔とにより、移動体26の移動方向が規制され、移動体26は、長手方向に沿ってのみ移動可能となる。
また、コイルバネ13は、前記移動体26と、第1のハウジング21の先端側の内周部に形成された突出部211との間に、収縮(圧縮)された状態で設置されており、移動体26を、常に、先端側に向けて付勢している。
また、ロック部材27は、略円筒状をなしており、第2のハウジング22に対して、回動および長手方向に沿って移動可能に設けられている。
このロック部材27には、周方向に延在する1対の長孔271と、ロック部材27の基端に開放し、図示しない略L字状の1対の長孔とが形成されている。また、ロック部材27の外周部には、1対の突起272が形成されている。
前記移動体26の突起は、ロック部材27の長孔271内に挿入されている。これにより、移動体26とロック部材27とは、長手方向に沿って一体的に移動することができ、また、ロック部材27は、その長孔271の範囲内で回動することができる。
また、操作部材28の略中央部から先端側には、長手方向に延在する1対の長孔282が形成されている。この長孔282内には、前記ロック部材27の突起272が挿入されている。
また、第2のハウジング22の基端側には、前記ロック部材27の図示しないL字状の1対の長孔の最奥部に挿入されることにより、そのロック部材27を係止し得る図示しない1対の突起が形成されている。
ここで、中空針6を目的部位に穿刺する操作を行なうには、まず、図5(a)に示すように、ロック部材27を基端側にロックする。
この場合、まずは、図5(b)に示す状態から、操作部材28を基端側に向って移動させる。これにより、ロック部材27の突起272が操作部材28の長孔282に臨む縁部(先端部283)により基端側に押され、そのロック部材27および移動体26は、一体的に基端側に向って移動する。また、移動体25の突起251が操作部材28の段差部281により基端側に押され、その移動体25は、基端側に向って移動する。
そして、操作部材28を最も基端側に移動させた後、操作部材28を図5(b)中の矢印の逆方向に回転させる。これにより、ロック部材27の突起272が操作部材28の長孔282に臨む縁部により図5(b)中の矢印の逆方向に押され、そのロック部材27は、図5(b)中の矢印の逆方向に、長孔271の範囲内で回転する。
これにより、第2のハウジング22の図示しない突起が、ロック部材27の図示しないL字状の長孔の最奥部に挿入され、これによって、ロック部材27は、その突起に係止され、ロック部材27および移動体26は、基端側にロックされる。
次いで、操作部材28から手指を離すと、移動体25は、コイルバネ12の付勢力により、先端側に向って移動し、これにより、操作部材28の段差部281が移動体25の突起251により先端側に押され、その操作部材28は、先端側に向って移動し、図5(a)に示す状態になる。
次いで、操作部材28を図5(b)中の矢印の方向に回転させる。これにより、ロック部材27の突起272が操作部材28の長孔282に臨む縁部により図5(b)中の矢印の方向に押され、そのロック部材27は、図5(b)中の矢印の方向に、長孔271の範囲内で回転する。
これにより、第2のハウジング22の図示しない突起が、ロック部材27の図示しないL字状の長孔の最奥部から、ロック部材27に対して相対的に周方向に移動し、ロック部材27がその突起に係止されることによるロック部材27および移動体26のロックが解除される。
これによって、移動体26は、コイルバネ13の付勢力により、先端側に向って移動し、この移動体26と共に、ロック部材27および挿通部材5が先端側に向って移動し、図5(b)に示すように、中空針6は、鞘部4の先端部から、予め設定された所定の長さだけ外部に突出する。
なお、中空針6を再び鞘部4内に移動させて収納するには、前述したように、ロック部材27を基端側にロックすればよい。
挿通部材5の基端には、可撓性を有するチューブ15の先端が接続されており、このチューブ15の基端は、ハブ29に接続されている。
また、ハブ29は、シリンジ16の先端部が着脱自在に装着されるように構成されている。このハブ29に装着されたシリンジ16を操作すると、シリンジ16内に収納されている液体は、チューブ15、挿通部材5および中空針6を経て、中空針6の針先から流出し、目的部位に注入される。
また、挿通部材5の基端部には、導線(導電体)14の先端部が電気的に接続されており、この導線14の基端部は、出力端子11に電気的に接続されている。これにより、導線14を介して、出力端子11と挿通部材5とが電気的に接続される。すなわち、挿通部材5および導線14を介して、第1の電極7と出力端子11とが電気的に接続される。また、引張ワイヤ9、挿通部材5および導線14を介して、第2の電極8と出力端子11とが電気的に接続される。このようにして、第1の電極7および第2の電極8は、共に前記出力端子11に導通する。
図1に示すように、生体アンプ200は、正極用の入力端子210と、負極用の入力端子220と、モニタ(表示手段)230とを有している。
入力端子210は、接続コード310により、カテーテル1の出力端子11に電気的に接続される。これにより、入力端子210と、第1の電極7および第2の電極8とが、電気的に接続される。
また、入力端子220は、接続コード320により、体表の電位を検出する共通電極400に電気的に接続される。この共通電極400は、患者の体表面の所定の位置に着脱自在に固定される。
この生体アンプ200では、内蔵されている図示しない回路部において、カテーテル1の出力端子11から出力される電位と、共通電極400により検出された体表の電位との電位差に対応する電位が検出される。以下、前記電位差に対応する電位を、「出力端子11から出力される電位」とも言う。
モニタ230は、例えば、液晶表示パネル、EL表示パネル等で構成することができる。このモニタ230には、例えば、カテーテル1の出力端子11から出力される電位(目的部位の電位)の変化(経時変化)、すなわち、生体アンプ200で検出された前記電位差に対応する電位の変化を示す波形等が表示される。
また、生体アンプ200には、図示しないプリンタ(表示手段)が接続される。このプリンタにより、生体アンプ200で検出された前記電位差に対応する電位の変化を示す波形が、リアルタイムでプリントアウトされる。
術者(使用者)は、前記モニタ230に表示される波形、または前記プリンタによりプリントアウトされる波形を見て、その電位の変化のパターンに基づいて、中空針6による穿刺の状態を判別することができる。なお、中空針6による穿刺の状態をどのようにして判別するかは、後に詳述する。
ここで、前記中空針6による穿刺の状態とは、単に、中空針6が穿刺されたか否かではなく、下記(1)〜(6)の6つの状態がある。
(1)鞘部4の先端部が目的部位に接触(当接)しておらず、中空針6が目的部位に穿刺されていない状態。
(2)鞘部4の先端部が目的部位に接触し、中空針6が目的部位に穿刺されていない状態。
(3)中空針6が目的部位に穿刺された瞬間。
(4)鞘部4の先端部が目的部位に接触し、中空針6が目的部位に穿刺されている状態。
(5)中空針6が目的部位から抜去された(抜けた)瞬間。
(6)鞘部4の先端部が目的部位に接触しておらず、中空針6が目的部位に穿刺されている状態。
なお、生体アンプ200に対し、図示しないコンピュータを接続し、このコンピュータが、生体アンプ200で検出された前記電位差に対応する電位の変化のパターンに基づいて、中空針6による穿刺の状態を判別するように構成してもよい。
次に、前記中空針6による穿刺の状態をどのようにして判別するかについて、目的部位が心臓の所定部位の場合を例に挙げて説明する。なお、目的部位が心臓の所定部位の場合は、出力端子11から出力される電位は、第1の電極7および第2の電極8により検出される心臓の活動電位(心電)であり、下記のようにして、中空針6による穿刺の状態を判別する。
鞘部4の先端部が目的部位に接触しておらず、中空針6が目的部位に穿刺されていない状態では、第1の電極7および第2の電極8は、いずれも目的部位に接触していない。この状態では、電位の変化を示す波形は、図6のAに示すように、波状になる(ノイズのみが出力される)。
また、鞘部4の先端部が目的部位に接触し、中空針6が目的部位に穿刺されていない状態では、第1の電極7は、目的部位に接触しておらず、第2の電極8は、目的部位に接触している。この状態では、電位の変化を示す波形には、図6のBに示すように、所定の振幅のピークが、心臓の鼓動に同期して一定の周期でマイナス側に現れる。
また、中空針6が目的部位に穿刺された瞬間は、第1の電極7は、目的部位に接触し、心臓は、中空針6が穿刺されることより、期外収縮し、これにより、電位の変化を示す波形には、図6のCに示すように、大きな振幅のピークがマイナス側に現れる。
また、鞘部4の先端部が目的部位に接触し、中空針6が目的部位に穿刺されている状態では、第1の電極7および第2の電極8は、いずれも目的部位に接触している。この状態では、電位の変化を示す波形は、図6のDに示すように、ほぼ直線状になる。
また、中空針6が目的部位から抜去された(抜けた)瞬間は、第1の電極7は、目的部位から離間し(非接触となり)、電位の変化を示す波形には、図6のEに示すように、大きな振幅のピークがプラス側に現れる。
また、鞘部4の先端部が目的部位に接触しておらず、中空針6が目的部位に穿刺されている状態では、第1の電極7は、目的部位に接触し、第2の電極8は、目的部位に接触していない。この状態では、電位の変化を示す波形には、図6のBに示すピークよりも少し大きい振幅のピーク(図示せず)が、心臓の鼓動に同期して一定の周期でマイナス側に現れる。
次に、医療装置100を用いて心臓の治療を行なう場合、すなわち、目的の病変部位である心筋に、その治療用組成物(液体)を注入する場合を例に挙げ、その作業の手順について説明する。
まず、前述したように、カテーテル1の機械側操作部2の操作部材28を操作して、図5(a)に示すように、ロック部材27を基端側にロックする。
次に、カテーテル1を操作し、鞘部4を、その先端部から、患者の大腿動脈に挿入し、大動脈および大動脈弁を経て、鞘部4の先端部を心臓の左心室内に挿入する。
次に、X線の造影画像を見ながら、カテーテル1の患者側操作部3の操作部材34を操作し、鞘部4の先端部を所定量湾曲させ、心筋内面に、鞘部4の先端部を当接させる。
この際、モニタ230に表示される波形、またはプリンタによりプリントアウトされる波形を見て、鞘部4の先端部が心筋内面に接触し、中空針6が心筋に穿刺されていない状態となったことを確認する。これにより、次の工程で、中空針6を確実に心筋に穿刺することができる。
次に、前述したように、カテーテル1の機械側操作部2の操作部材28を操作して、中空針6を、鞘部4の先端部から、予め設定された所定の長さだけ外部に突出させる。これにより、中空針6は、心筋に穿刺される。
この際、モニタ230に表示される波形、またはプリンタによりプリントアウトされる波形を見て、中空針6が心筋に穿刺された瞬間を確認する。また、必要に応じて、鞘部4の先端部が心筋内面に接触し、中空針6が心筋に穿刺されている状態となったことを確認する。これにより、中空針6が心筋に穿刺されていない状態で、シリンジ16内の治療用組成物を中空針6の針先から流出させてしまうのを防止することができ、確実に、心筋に治療用組成物を注入することができる。
次に、内部に治療用組成物が収納されているシリンジ16の先端部をハブ29に装着する。この治療用組成物としては、所定の細胞を含む液体等が挙げられる。
次に、シリンジ16を操作し、シリンジ16内に収納されている治療用組成物を中空針6の針先から流出させ、心筋に注入する。
この際、モニタ230に表示される波形、またはプリンタによりプリントアウトされる波形を見て、鞘部4の先端部が心筋内面に接触し、中空針6が心筋に穿刺されている状態になっていることや、中空針6が心筋から抜けた瞬間がないことを確認する。これにより、確実に、心筋に治療用組成物を注入することができる。
心筋への治療用組成物の注入が終了した後、前述したように、カテーテル1の機械側操作部2の操作部材28を操作して、中空針6を、心筋から抜去し、再び鞘部4内に移動させて収納する。
この際、通常は不用であるが、必要に応じて、モニタ230に表示される波形、またはプリンタによりプリントアウトされる波形を見て、中空針6が心筋から抜去された瞬間を確認してもよい。
次に、カテーテル1を操作し、心筋内面に当接している鞘部4の先端部をその心筋内面から離脱させ、鞘部4を患者から抜去する。なお、このときの中空針6による穿刺の状態は、鞘部4の先端部が目的部位に接触しておらず、中空針6が目的部位に穿刺されていない状態であり、モニタ230に表示される波形およびプリンタによりプリントアウトされる波形は、図6中のFに示すように、波状になる(ノイズのみが出力される)。この図6中のFに示す波形と、図6中のAに示す波形は、同じである。
以上説明したように、カテーテル1および医療装置100によれば、第1の電極7と第2の電極8とが共通の出力端子11に導通し、第1の電極7の検出信号と第2の電極8の検出信号の2つの信号が、カテーテル1側で1つの信号になるので、生体アンプ200は、1つ有れば足りる。
これにより、術者(使用者)は、その1つの生体アンプ200のモニタ230に表示される波形、またはプリンタによりプリントアウトされる波形を見ることで、容易に、鞘部4の先端部が目的部位に接触したことや、中空針6が目的部位に穿刺されたこと等の中空針6による穿刺の状態を判別することができる。
また、1つの生体アンプで足りるので、医療装置100全体の小型化と低コスト化を図ることができる。
また、第1の電極7および第2の電極8が、それぞれ、専用の導線を介して、専用の出力端子に接続されている場合に比べ、部品点数が少なく、また、製造が容易であり、また、ノイズを低減することができ、また、鞘部4を細く(鞘部4の径を小さく)することができ、患者の負担を低減することができる。
また、引張ワイヤ9が、第2の電極8と挿通部材5(または中空針6)とを電気的に接続する導電体を兼ねるので、引張ワイヤ9と、前記導体とを別々に設ける場合に比べ、部品点数が少なく、また、製造が容易であり、また、鞘部4を細く(鞘部4の径を小さく)することができ、患者の負担を低減することができる。
次に、本発明のカテーテルおよび医療装置の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明のカテーテルおよび医療装置の第2実施形態を示す外観図、図8は、図7に示すカテーテルの先端部を示す断面図、図9は、図7に示すカテーテルを示す断面図である。
なお、説明の都合上、図7〜図9において、中空針側(中空針の針先側)を「先端」、機械側操作部側(機械側操作部のハブ側)を「基端」として説明する。
以下、第2実施形態のカテーテル1および医療装置100について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7および図8に示すように、第2実施形態のカテーテル1では、鞘部4の先端部に、先端チップ17が装着(固定)されている。
図8に示すように、先端チップ17は、円環状(環状)をなす第2の電極8と、第2の電極8の基端側に位置し、導電性を有する1対の突起171と、第2の電極8と1対の突起171とを連結し、導電性を有する1対の連結部172とを有している。
各突起171は、中空針6の先端部に電気的に接続されている。これにより、各突起171および各連結部172を介して、第2の電極8と中空針6とが電気的に接続される。すなわち、各突起171および各連結部172を介して、第1の電極7と第2の電極8とが電気的に接続される。したがって、各突起171および各連結部172により、第2の電極8と中空針6とを電気的に接続する導電体が構成される。
また、第2の電極8の内周面および外周面と、各連結部172の外面と、各突起171の外面とは、それぞれ、絶縁膜173により被覆されている。
なお、本発明では、各連結部172が、例えば、挿通部材5に電気的に接続されていてもよい。この場合は、各突起171および各連結部172により、第2の電極8と挿通部材5とを電気的に接続する導電体が構成される。
また、本発明では、第2の電極8と中空針6とを電気的に接続する導電体や第2の電極8と挿通部材5とを電気的に接続する導電体は、鞘部4の先端部またはその近傍に設けられているのが好ましい。
また、図9に示すように、患者側操作部(第2の操作部)3は、ハウジング31のみで構成されている。
このカテーテル1および医療装置100によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明のカテーテルおよび医療装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明では、目的部位は、心臓には限定されず、目的部位に注入される液体は、治療用組成物には限定されない。
本発明のカテーテルおよび医療装置の第1実施形態を示す外観図である。 図1に示すカテーテルの先端部を示す断面図である。 図1に示すカテーテルを示す断面図である。 図1に示すカテーテルの患者側操作部を示す断面図である。 図1に示すカテーテルの機械側操作部を示す断面図である。 図1に示すカテーテルの出力端子から出力される電位の変化を示す図である。 本発明のカテーテルおよび医療装置の第2実施形態を示す外観図である。 図7に示すカテーテルの先端部を示す断面図である。 図7に示すカテーテルを示す断面図である。
符号の説明
1 カテーテル
2 機械側操作部
21 第1のハウジング
211 突出部
212 長孔
22 第2のハウジング
221 ストッパー
23、24 固定部材
25、26 移動体
251、261 突起
27 ロック部材
271 長孔
272 突起
28 操作部材
281 段差部
282 長孔
283 先端部
29 ハブ
3 患者側操作部
31 ハウジング
311 突出部
312 長孔
32、33 固定部材
34 操作部材
341 段差部
35 移動体
351 突起
36 コイルバネ
4 鞘部
5 挿通部材
6 中空針
7 第1の電極
8 第2の電極
9 引張ワイヤ
11 出力端子
12、13 コイルバネ
14 導線
15 チューブ
16 シリンジ
17 先端チップ
171 突起
172 連結部
173 絶縁膜
100 医療装置
200 生体アンプ
210、220 入力端子
230 モニタ
310、320 接続コード
400 共通電極
a 黒丸

Claims (13)

  1. 生体内腔に挿入され、目的部位に液体を注入するカテーテルであって、
    基端側に設けられた操作部と、
    可撓性を有する長尺で管状の鞘部と、
    前記鞘部内に該鞘部の長手方向に沿って移動可能に設けられ、その内部に液体が流れる流路を有し、可撓性を有する長尺で管状の挿通部材と、
    前記挿通部材の先端部に、該挿通部材の流路にその内腔が連通するように設けられ、目的部位に液体を注入する中空針と、
    前記中空針に設けられ、目的部位の電位を検出する第1の電極と、
    前記鞘部の先端部に設けられ、目的部位の電位を検出する第2の電極と、
    前記操作部に設けられ、検出された目的部位の電位を出力する出力端子とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが共に共通の前記出力端子に導通しており、前記第1の電極により検出される検出信号と前記第2の電極により検出される検出信号とが当該カテーテル側で合成されて、前記出力端子から出力されるよう構成されていることを特徴とするカテーテル。
  2. 前記中空針は、導電性を有し、該中空針の先端部が、前記第1の電極として機能する請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記挿通部材は、導電性を有し、該挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されている請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 前記鞘部の先端部を引っ張って偏向させる引張ワイヤを有し、該引張ワイヤを介して、前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に接続されている請求項1ないし3のいずれかに記載のカテーテル。
  5. 前記挿通部材は、導電性を有し、該挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されており、
    前記第2の電極と、前記挿通部材とを電気的に接続する導電体を有する請求項1に記載のカテーテル。
  6. 前記中空針および前記挿通部材は、導電性を有し、前記中空針の先端部が、前記第1の電極として機能し、前記挿通部材を介して、前記第1の電極と前記出力端子とが電気的に接続されており、
    前記第2の電極と、前記中空針または前記挿通部材とを電気的に接続する導電体を有する請求項1に記載のカテーテル。
  7. 前記導電体は、前記鞘部の先端部またはその近傍に設けられている請求項5または6に記載のカテーテル。
  8. 前記鞘部の先端部を引っ張って偏向させる引張ワイヤを有し、該引張ワイヤが前記導電体を兼ねる請求項5または6に記載のカテーテル。
  9. 前記中空針と前記挿通部材とが一体的に形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のカテーテル。
  10. 前記第2の電極は、前記中空針の外周側で、かつ、前記鞘部の先端面に設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載のカテーテル。
  11. 前記目的部位は、心臓であり、前記液体は、心臓の治療用組成物である請求項1ないし10のいずれかに記載のカテーテル。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のカテーテルと、
    前記カテーテルの前記出力端子から出力される電位の変化を表示する表示手段とを備え、
    前記表示手段により表示される前記電位の変化のパターンに基づいて、前記中空針による穿刺の状態を判別し得るよう構成されていることを特徴とする医療装置。
  13. 体表の電位を検出する共通電極を有し、
    前記表示手段により、前記出力端子から出力される電位と、前記共通電極により検出された体表の電位との電位差に対応する電位の変化が表示されるよう構成されている請求項12に記載の医療装置。
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