JP4771119B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP4771119B2
JP4771119B2 JP2005187766A JP2005187766A JP4771119B2 JP 4771119 B2 JP4771119 B2 JP 4771119B2 JP 2005187766 A JP2005187766 A JP 2005187766A JP 2005187766 A JP2005187766 A JP 2005187766A JP 4771119 B2 JP4771119 B2 JP 4771119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
power roller
bearing
clogging
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005187766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007009934A (ja
Inventor
巧 篠島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2005187766A priority Critical patent/JP4771119B2/ja
Publication of JP2007009934A publication Critical patent/JP2007009934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4771119B2 publication Critical patent/JP4771119B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図7および図8に示すように構成されている。図7に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図8参照)が回転自在に挟持されている。
図7中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図7の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7のA−A線に沿う断面図である図8に示すように、ケーシング50の内側であって、出力側ディスク3,3の側方位置には、両ディスク3,3を両側から挟む状態で一対のヨーク23A,23Bが支持されている。これら一対のヨーク23A,23Bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン15の両端部に設けられた枢軸14を揺動自在に支持するため、ヨーク23A,23Bの四隅には、円形の支持孔18が設けられるとともに、ヨーク23A,23Bの幅方向の中央部には、円形の係止孔19が設けられている。
一対のヨーク23A,23Bは、ケーシング50の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト64,68により、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト64,68はそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク3の内側面3aとの間にある第1キャビティ221および第2キャビティ222にそれぞれ対向する状態で設けられている。
したがって、ヨーク23A,23Bは、各支持ポスト54,68に支持された状態で、その一端部が第1キャビティ221の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ222の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ221,222は同一構造であるため、以下、第1キャビティ221のみについて説明する。
図8に示すように、ケーシング50の内側において、第1キャビティ221には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図8においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、その本体部である支持板部16の長手方向(図8の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、ラジアルニードル軸受38を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、前述したように、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図8の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。前述したように、各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、前述したように、ヨーク23A,23Bの幅方向(図8の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、支持ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Aは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図8で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図8の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(枢軸14から延びる軸部)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、駆動軸22の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2および入力軸1に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図8の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
以上のように、トロイダル型無段変速機は、パワーローラ11とディスク2,3とを高圧で押し付けてトラクション力を発生させることによって動力伝達を行なうが、特にハーフトロイダル型無段変速機では、その構造上、パワーローラ11に非常に大きなスラスト力が働く。そのため、パワーローラ11のトラクション面やパワーローラ11を支えるスラスト軸受24,25に例えば潤滑油から異物(コンタミ)が混入して噛み込んだ場合には、例えばスラスト玉軸受24の転動体26の表面および内外輪軌道の軌道面(パワーローラ11の外側面および外輪28の内側面)等に圧痕が生じ、その圧痕を起点にして剥離が発生し易くなる。これは、パワーローラ11の軸受の寿命低下を招く。
したがって、このような問題が生じないよう、一般的には、例えばスラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24に潤滑油を圧送するポンプの吸い込み部や吐き出し口にラインフィルタを取り付け、このラインフィルタにより潤滑油中の異物をある程度除去しているが、これだけでは十分でない場合がある。
例えば、ラインフィルタのメッシュを細かくしすぎると、圧力損失が大きくなり、ポンプのロスも増えることになり、トランスミッション全体の効率が下がってしまう。そのため、メッシュをあまり細かくできず、小さな異物はラインフィルタを通過してしまう。
また、加工や組立時にラインフィルタよりも下流側に異物(バリやゴミ等)が入った場合、この異物はラインフィルタを通過しないため、トラクション面やスラスト玉軸受24に異物が流れてしまう場合がある。
そのため、パワーローラ11の軸受24,25へ潤滑油を供給するための潤滑油路中(潤滑回路のうち噴出し口に近い部分)に二次メッシュフィルタを設け、ラインフィルタ下流に異物が混入した場合でも前記二次メッシュフィルタによって潤滑油とこれに混入する異物とを分離することにより、トラクション面やパワーローラ11の軸受24,25に異物が侵入することを防止することが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。また、フィルタを配置する位置や形態も様々に工夫されている(例えば、特許文献3ないし特許文献5参照)。
特開2002−286110号公報 特開2004−324877号公報 特開2004−210374号公報 特開2005−147160号公報 特開2005−069355号公報
しかしながら、どの場所にどれだけ多くのフィルタを設けても、フィルタに目詰まりが発生してしまうと、潤滑油が十分に供給されなくなる虞がある。また、フィルタを設ける際に、目詰まり除去のための洗浄やフィルタ交換を考慮すると、フィルタの取付場所、形状、取付方向等が制約されてしまい、異物の混入防止が絶対不可欠な部分へフィルタを設置することが困難になる。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、フィルタの設置の自由度を狭めることなくフィルタの目詰まりを容易に防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、駆動源からの回転力を伝える駆動軸と、駆動軸から回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、パワーローラを回転可能に支承する軸受と、前記軸受に潤滑油を供給するための油路とを備えて成るトロイダル型無段変速機であって、前記軸受と対向する前記油路の部位に設けられ、前記軸受に対して供給される潤滑油中の異物を捕捉するためのフィルタと、前記フィルタの目詰まりを防止するための目詰まり防止手段とを備え、前記目詰まり防止手段は、前記フィルタをテーパ状の周面を有する筒状のフィルタにより形成し、前記油路中における潤滑油の流れ方向に対して前記フィルタの周面が斜めに交差し且つ前記油路を塞ぐように設置することから成るとともに、前記パワーローラに設けられ且つフィルタによって捕捉された異物をこのフィルタ上から逃がすための逃げ穴を有しており、この逃げ穴はその開口が前記フィルタに隣接し且つ前記フィルタの傾斜角とほぼ同じ傾斜角を持って伸びていることを特徴とする。
この請求項1に記載された発明においては、パワーローラを回転可能に支承する軸受に対して供給される潤滑油中の異物を捕捉するためのフィルタが設けられているため、他の部分に比べて特に異物に対して厳しい要求がなされるパワーローラの転動面やパワーローラの軸受への異物混入を確実に防ぐことができるとともに、前記フィルタの目詰まりを防止する目詰まり防止手段が設けられているため、常にクリーンで安定した量の潤滑油を前記軸受に対して供給することができる。また、目詰まり防止手段が設けられることで、目詰まりによる圧力損失を低減できるため、ポンプロス増加を防止でき、これによりトランスミッション全体の効率低下を防ぐことができる。また、フィルタの目詰まりが防止されることから、フィルタの目詰まりに伴うフィルタの洗浄や交換を考慮してフィルタの設置箇所が制約されるといった問題も解消され、異物の混入防止が絶対不可欠な部分(異物が噛み込んでしまうと、転動面に圧痕がついて製品寿命を低下させてしまう部分)へフィルタを簡単且つ確実に設置することが可能になる。すなわち、設置の自由度を大きく確保しながら、フィルタの目詰まりを防止できる。更に、フィルタの目詰まりが防止されることから、フィルタのメッシュを細かくすることも可能になり、細かい異物も確実に除去できるようになる。
また、フィルタを斜めに設置するだけで目詰まりを防止できるため、前記目詰まり防止手段を簡単に実現することができる。また、フィルタによって捕捉された異物は、潤滑油の流出力により、フィルタの傾斜面に沿ってフィルタ上から押し流されることとなるため、目詰まりの原因を根本から容易に断つことができる。
また、フィルタによって捕捉された異物を前記逃げ穴によりフィルタ上および油路内から確実に除去できるため(異物が経時的に油路内に蓄積されず)、目詰まりを効率的且つ効果的に防止することができる。
また、請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記フィルタは、10μm以上の異物を除去できるメッシュサイズのメッシュフィルタであることを特徴とする。
また、請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記目詰まり防止手段は、前記フィルタに設けられ且つ前記逃げ穴に向けて異物を案内するためのガイド手段を有していることを特徴とする。
この請求項3に記載された発明においては、前記逃げ穴に向けて異物を案内するためのガイド手段がフィルタに設けられているため、フィルタによって捕捉された異物をフィルタ上から効率的且つ確実に前記逃げ穴へと逃がすことができる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、フィルタの目詰まりを防止する目詰まり防止手段が設けられているので、フィルタの設置の自由度を狭めることなくフィルタの目詰まりを容易に防止できるとともに、潤滑に必要な潤滑油量を安定して供給することができる。さらに、目詰まり防止手段が設けられることで、目詰まりによる圧力損失を低減できるため、ポンプロス増加を防止でき、その結果トランスミッション全体の効率低下を防ぐことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、パワーローラの軸受に対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図7および図8と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1および図2は本発明の実施の形態を示している。図1に示すように、本実施形態のトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,3とを有して構成されるバリエータには、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつこのパワーローラ11の回転を許容するスラスト玉軸受24と、このスラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための油路とが設けられている。
前記油路は、変位軸23の先端部23b内をその長手方向に沿って延びる第1の油孔51と、第1の油孔51の途中から径方向に延びて先端部23bの外周面で開口する複数の第2の油孔52と、変位軸23の先端部23bの先端に位置する第1の油孔51の先端から径方向に延びる複数の第3の油孔53とを有している。第1の油孔51は、パワーローラ11へ潤滑油を供給するためにトラニオン15に形成され且つ変位軸23の先端部23bの基端面まで延びる油路90に連通している。また、第2の油孔52は、スラスト玉軸受24と対向して開口している。また、第3の油孔53は、変位軸23の先端部23bの先端側に位置し且つラジアルニードル軸受38により先端部23bとパワーローラ11との間に形成された環状空間55に連通している。更に、環状空間55は、変位軸23の先端部23bとパワーローラ11との間の隙間57を通じてスラスト玉軸受24へと通じている。すなわち、本実施形態において、スラスト玉軸受24に潤滑油を供給するための前記油路は、第1の油孔51と、第2の油孔52と、第3の油孔53と、環状空間55と、隙間57とによって形成されている。
また、複数の第2の油孔52の開口から吐き出される潤滑油中の異物を一括して捕捉するため、変位軸23の先端部23bの外周面には、図3の(a)に示すような略円筒状の第1のメッシュフィルタ80が被嵌して取り付けられている。また、複数の第3の油孔53の開口から吐き出される潤滑油中の異物を一括して捕捉するため、変位軸23の先端部23bの外周面には、図3の(a)に示すような略円筒状の第2のメッシュフィルタ82が被嵌して取り付けられている。なお、必要に応じて、図1のA部にフィルタを設けても良い。
また、第1のメッシュフィルタ80の直ぐ下流側には、第3のメッシュフィルタ200が設けられている。この第3のメッシュフィルタ200は、図3の(b)に示すようなテーパ状の周面を有する筒状のフィルタであり、第2の油孔52に対して斜めに配置されている。具体的には、図2にも示すように、第3のメッシュフィルタ200は、その目詰まりを防止する目詰まり防止手段を構成するため、第2の油孔52中における潤滑油300,300’の流れ方向(図2に矢印で示す方向)に対してフィルタ200の中心軸O’が所定の角度θを成すように、第2の油孔52内で斜めに設置されている。また、パワーローラ11には、更なる目詰まり防止手段を構成するため、第3のメッシュフィルタ200によって捕捉された異物302をフィルタ200上から逃がすための逃げ穴204が形成されている。この逃げ穴204は、その開口が第3のメッシュフィルタ200に隣接しており、第3のメッシュフィルタ200の傾斜角とほぼ同じ傾斜角をもって延びている。また、第3のメッシュフィルタ200のメッシュサイズは、要求される耐久信頼性にもよるが、自動車用として考えた場合、直径10ミクロン以上の異物を除去できる程度であることが望ましい。
以上のような構成において、変位軸23の先端部23bの基端面から第1の油孔51内に導入された潤滑油300は、図1に破線で示すように途中で第2の油孔52へと流れ、図2に示すように第1および第3のメッシュフィルタ80,200によって異物302が除去された後、クリーンな潤滑油300’として直接にスラスト玉軸受24に供給される。この際、潤滑油300の流出方向に対し斜めに取り付けられた第3のメッシュフィルタ200により捕捉された異物302は、潤滑油300の流出力により、第3のメッシュフィルタ200の傾斜面をガイド手段として逃げ穴204の内部(異物が侵入してもさほど影響が少ない部分)へと押し流される。そのため、第3のメッシュフィルタ200の目詰まりが防止される。なお、図4にも示すように、潤滑油300,300’の流れる方向に対して直角に取り付けられる第1のメッシュフィルタ80の場合には、捕捉した異物302によって目詰まりが発生してしまう可能性がある。
一方、第3の油孔53へと流れた潤滑油300は、環状空間55内に達し、変位軸23の先端部23bとパワーローラ11との間の隙間57を通じて、スラスト玉軸受24へと流れる。
以上説明したように、本実施形態においては、パワーローラ11を回転可能に支承する軸受24に対して供給される潤滑油中の異物を捕捉するための第1ないし第3のフィルタ80,82,200が設けられているため、他の部分に比べて特に異物に対して厳しい要求がなされるパワーローラ11の転動面やパワーローラ11の軸受24への異物混入を確実に防ぐことができる。また、特に第3のメッシュフィルタ200にあっては、当該フィルタ200の目詰まりを防止する目詰まり防止手段が設けられているため、常にクリーンで安定した量の潤滑油を軸受24に対して供給することができる。また、目詰まり防止手段が設けられていることで、目詰まりによる圧力損失を低減できるため、ポンプロス増加を防止でき、その結果トランスミッション全体の効率低下を防ぐことができる。また、フィルタ200の目詰まりが防止されることから、フィルタの目詰まりに伴うフィルタの洗浄や交換を考慮してフィルタ200の設置箇所が制約されるといった問題も解消され、異物の混入防止が絶対不可欠な部分(異物が噛み込んでしまうと、製品寿命を低下させてしまう部分)へフィルタ200を簡単且つ確実に設置することが可能になる。すなわち、設置の自由度を大きく確保しながら、フィルタの目詰まりを防止できる。更に、フィルタの目詰まりが防止されることなから、フィルタ200のメッシュを細かくすることも可能になり、細かい異物も確実に除去できるようになる。
また、本実施形態においては、フィルタ200を斜めに設置するだけで目詰まりを防止できるため、目詰まり防止手段を簡単に実現することができる。また、フィルタ200によって捕捉された異物は、潤滑油の流出力により、フィルタ200の傾斜面に沿ってフィルタ200上から押し流されることとなるため、目詰まりの原因を根本から容易に断つことができる。
また、本実施形態においては、フィルタ200によって捕捉された異物302を逃げ穴204によりフィルタ200上および油孔52内から確実に除去できるため(異物が経時的に油孔52内に蓄積されず)、目詰まりを効率的且つ効果的に防止することができる。
なお、フィルタ200が設置される場所は油孔52に限らない。また、潤滑対象もスラスト玉軸受24に限らない。例えば、潤滑油噴射ノズル330のようなものに対して目詰まり防止手段を伴うフィルタを取り付ける場合には、図5に示すように、前記潤滑油噴射ノズル330の噴射口に、円錐形のフィルタ220を取り付けることが考えられる。この場合、図5の(b)に示すように潤滑油噴射ノズル330にスリット330aを設け、このスリット330aを利用してフィルタ220を潤滑油噴射ノズル330に嵌め込む(差し込む)ようにしても良い。この構成では、異物302を除去した油300’のみが重要な箇所に噴射され、除去された異物302は潤滑油300の流出力で外側に押し出される。
また、以上説明したフィルタ200,220には、図6に示すように、異物302の外側への押し流しを促進させ或いは前述した逃げ穴204に向けて異物302を案内するためのガイド手段として、溝200a,220aが設けられていても良い。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機の他、トラニオンが無いフルトロイダル型無段変速機に適用することができる。
本発明の実施の形態の要部構成を示す断面図である。 図1の要部拡大図である。 (a)は第1のメッシュフィルタの外形図、(b)は第3のメッシュフィルタの外形図である。 第1のメッシュフィルタの設置形態を示す拡大図である。 フィルタ構成の変形例を示す図である。 フィルタ構成の他の変形例を示す図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
11 パワーローラ
22 駆動軸
24 スラスト玉軸受
51,52,53 油孔(油路)
80,82 フィルタ
200,220 フィルタ(目詰まり防止手段)
200a,220a 溝(ガイド手段)
204 逃げ穴(目詰まり防止手段)

Claims (3)

  1. 駆動源からの回転力を伝える駆動軸と、駆動軸から回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクと、パワーローラを回転可能に支承する軸受と、前記軸受に潤滑油を供給するための油路とを備えて成るトロイダル型無段変速機において、
    前記軸受と対向する前記油路の部位に設けられ、前記軸受に対して供給される潤滑油中の異物を捕捉するためのフィルタと、
    前記フィルタの目詰まりを防止するための目詰まり防止手段と、
    を備え
    前記目詰まり防止手段は、前記フィルタをテーパ状の周面を有する筒状のフィルタにより形成し、前記油路中における潤滑油の流れ方向に対して前記フィルタの周面が斜めに交差し且つ前記油路を塞ぐように設置することから成るとともに、前記パワーローラに設けられ且つフィルタによって捕捉された異物をこのフィルタ上から逃がすための逃げ穴を有しており、この逃げ穴はその開口が前記フィルタに隣接し且つ前記フィルタの傾斜角とほぼ同じ傾斜角を持って伸びていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 前記フィルタは、10μm以上の異物を除去できるメッシュサイズのメッシュフィルタであることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記目詰まり防止手段は、前記フィルタに設けられ且つ前記逃げ穴に向けて異物を案内するためのガイド手段を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
JP2005187766A 2005-06-28 2005-06-28 トロイダル型無段変速機 Expired - Fee Related JP4771119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005187766A JP4771119B2 (ja) 2005-06-28 2005-06-28 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005187766A JP4771119B2 (ja) 2005-06-28 2005-06-28 トロイダル型無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007009934A JP2007009934A (ja) 2007-01-18
JP4771119B2 true JP4771119B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=37748726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005187766A Expired - Fee Related JP4771119B2 (ja) 2005-06-28 2005-06-28 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4771119B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5245424B2 (ja) 2008-01-25 2013-07-24 日本電気株式会社 病理組織画像撮影システム、病理組織画像撮影方法、および病理組織画像撮影プログラム
JP5817199B2 (ja) * 2011-04-22 2015-11-18 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000097188A (ja) * 1998-09-21 2000-04-04 Toshiba Corp サンプポンプ及びこのポンプを設置したサンプ
JP4187496B2 (ja) * 2002-10-04 2008-11-26 三洋電機株式会社 電気掃除機
JP2005076798A (ja) * 2003-09-02 2005-03-24 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007009934A (ja) 2007-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4771119B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5131539B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2004324877A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3932027B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4836047B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2008032084A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4321179B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4968522B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5288121B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4356001B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP6427989B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2004324821A (ja) 変速機の洗浄方法及び変速機の製造方法
JP4260604B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5278569B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5057210B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2005265128A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4984138B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2013108511A (ja) トロイダル型無段変速機
WO2008001839A1 (fr) Transmission à variation continue de type toroïdal
JP4734892B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP5082498B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2005147160A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2005069394A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2005308166A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4900710B2 (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4771119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees