以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
既に述べたように、ファイルをオブジェクトと記す。オブジェクトは、例えばアイコンによって画面上に表される。ただし、オブジェクトの表示態様はアイコンに限定されず、ファイル名等によってオブジェクトを画面上に表してもよい。例えば、コンピュータの画面にアイコンを並べて各オブジェクトを表すのではなく、ファイル名を並べて各オブジェクトを表してもよい。
オブジェクトとなるファイルは、特に限定されない。例えば、オブジェクトは、文書ファイルであってもよい。あるいは、アプリケーション用のデータファイル(例えば、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイル)であってもよい。また、ブラウザを起動して、予め定めたWebページをインターネットを介して取得し、そのWebページを表示するように設定されたファイルであってもよい。また、オブジェクトは、そのオブジェクトに対して所定の操作が行われたときに、そのオブジェクトに応じたアプリケーションを起動してオブジェクトに応じた情報を表示するように設定されていてもよい。例えば、ワードプロセッサアプリケーションを用いて作成した文書ファイルのオブジェクトがコンピュータの画面上にアイコン等で表され、そのオブジェクトがダブルクリックされた場合、コンピュータがワードプロセッサアプリケーションを起動して文書ファイルの内容を表示してもよい。また、予め定めたWebページを表示するように設定されたファイルのオブジェクトがコンピュータの画面上に表示され、そのオブジェクトがダブルクリックされた場合、コンピュータが、ブラウザを起動し、ファイルに設定されたWebページをインターネットを介して取得し、そのWebページを表示してもよい。
また、オブジェクトを表示する表示領域またはオブジェクトを格納する領域(例えば、フォルダやディレクトリ)を仮想デスクトップと記す。仮想デスクトップは、オブジェクトを表示したり、オブジェクトを格納したりすることができるので、利用者は、作業を行う場合、情報(例えば、文書ファイルの内容やWebページ等)を閲覧して、コンピュータを用いた作業を行うことができる。すなわち、仮想デスクトップは、コンピュータを用いた作業における作業環境ということができる。なお、通常、デスクトップは操作の基本画面であり、1台のコンピュータに1つ存在する。本発明における仮想デスクトップは、「オブジェクトを表示する表示領域またはオブジェクトを格納する領域」という定義からわかるように、複数存在してもよい。例えば、ある作業Aで用いるオブジェクトを表示する表示領域(例えばウィンドウ)と、別の作業Bで用いるオブジェクトを表示する表示領域(例えばウィンドウ)とが存在してもよい。操作の基本画面である「デスクトップ」も、仮想デスクトップの1つである。
図1は、本発明による仮想作業環境提供システムの実施の一形態を示すブロック図である。仮想作業環境提供システムは、仮想デスクトップ提示部110と、操作情報検知部111と、仮想デスクトップ情報管理部121と、仮想デスクトップ管理データベース122と、オブジェクト間関係情報管理部123と、オブジェクト間関係情報管理データベース124と、オブジェクト間関係情報要求部112とを備える。
仮想デスクトップ提示部110は、表示装置を含み、仮想デスクトップや、仮想デスクトップに配備されたオブジェクトを表示する。
操作情報検知部111は、利用者による仮想デスクトップ上での操作内容を検知する。例えば、仮想デスクトップ内のオブジェクトを他の仮想デスクトップにコピーしたり移動したりする操作や、仮想デスクトップ内のオブジェクトを削除する操作を検出する。また、操作情報検知部111は、オブジェクトのコピー操作や移動操作を検出した場合には、コピーまたは移動されたオブジェクトのオブジェクト識別子およびコピー先または移動先の仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子を仮想デスクトップ情報管理部121に通知する。また、操作情報検知部111は、オブジェクトの削除操作を検出した場合には、オブジェクトが削除された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子およびそのオブジェクトのオブジェクト識別子を仮想デスクトップ情報管理部121に通知する。
利用者によるコピー操作や移動操作の例として、例えば、ドラッグアンドドロップ操作等がある。なお、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトの移動は、オブジェクトのコピーと、オブジェクトが存在していた仮想デスクトップからのオブジェクトの削除によって実現できる。よって、以下の説明では、オブジェクトのコピーおよび削除を中心に説明する。
操作情報検知部111は、例えば、キーボード(図示せず。)の所定のボタンが押下された状態で、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトのドラッグアンドドロップが行われた場合に、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトのコピー操作が行われたと判定し、オブジェクトのコピー操作を検出する。また、操作情報検知部111は、例えば、マウスなどのポインティングデバイス(図示せず。)によってオブジェクトが選択され、キーボード(図示せず。)の所定の削除ボタンが押下されたときに、オブジェクトの削除操作が行われたと判定し、オブジェクトの削除操作を検出する。また、操作情報検知部111は、例えば、キーボード(図示せず。)の所定のボタンが押下されない状態で、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトのドラッグアンドドロップが行われた場合に、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトの移動操作が行われたと判定し、オブジェクトの移動操作を検出する。
仮想デスクトップ情報管理部121は、仮想デスクトップに関する情報を管理する。「仮想デスクトップに関する情報」とは、仮想デスクトップおよびその仮想デスクトップ内に存在するオブジェクトとの対応関係を示す情報である。以下、「仮想デスクトップに関する情報」を、仮想デスクトップ情報と記す。図2は、仮想デスクトップ情報の例を示す説明図である。仮想デスクトップ情報は、仮想デスクトップを識別する仮想デスクトップ識別子と、オブジェクトを識別するオブジェクト識別子とを対応付けた情報として表される。図2に示す例では、例えば、FILE-0001 ,FILE-0002 ,ToDo-0001 という3つのオブジェクト識別子がそれぞれ仮想デスクトップ識別子DT001 に対応付けられている。このことは、DT001 によって特定される仮想デスクトップに、FILE-0001 ,FILE-0002 ,ToDo-0001 によって特定される3つのオブジェクトが配備されていることを意味する。
なお、本発明では、1つの仮想デスクトップ内に同一のオブジェクトが複数配備されることを禁止する。従って、例えば、FILE-0001 とDT001 との対が複数組仮想デスクトップ情報に含まれることはない。
仮想デスクトップ管理データベース122は、仮想デスクトップ情報を蓄積する。
仮想デスクトップ情報管理部121は仮想デスクトップ情報を管理するが、仮想デスクトップ情報管理部121による管理処理とは具体的には以下の処理である。仮想デスクトップ情報管理部121は、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子およびコピー先の仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子を通知された場合、そのオブジェクト識別子および仮想デスクトップ識別子の対が仮想デスクトップ管理データベース122に登録(蓄積)されているか否かを判定し、登録されていなければ新たに登録する処理を行う。そして、仮想デスクトップ情報管理部121は、その仮想デスクトップ識別子と対にして登録されている全てのオブジェクト識別子を検索して、その仮想デスクトップ識別子、および検索した全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する処理を行う。このとき、仮想デスクトップ情報管理部121は、検索した全てのオブジェクト識別子のうち、どのオブジェクト識別子が操作情報検知部111から通知されたオブジェクト識別子であるのかも通知する。すなわち、どのオブジェクト識別子がコピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子であるのかも通知する。仮想デスクトップ情報管理部121は、オブジェクトが削除された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子およびそのオブジェクトのオブジェクト識別子を通知された場合、そのオブジェクト識別子および仮想デスクトップ識別子の対を、仮想デスクトップ管理データベース122に蓄積された仮想デスクトップ情報の中から削除する。そして、仮想デスクトップ情報管理部121は、そのオブジェクト識別子および仮想デスクトップ識別子の対をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。
オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報を管理する。オブジェクト間関係情報とは、同一の仮想デスクトップ内に配備されたオブジェクト同士の組み合わせと、その仮想デスクトップを示す情報である。図3は、オブジェクト間関係情報の例を示す説明図である。オブジェクト間関係情報は、同一の仮想デスクトップ内に配備された2つのオブジェクトのオブジェクト識別子およびその2つのオブジェクトが配備された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子を対応付けた情報として表される。例えば、DT001 によって特定される仮想デスクトップに、FILE-0001 ,FILE-0002 ,ToDo-0001 によって特定される3つのオブジェクトが配備されているとする。この場合、図3に例示するように、FILE-0001 ,FILE-0002 ,DT001 を対応付けた情報、FILE-0001 ,ToDo-0001 ,DT001 を対応付けた情報、FILE-0002 ,ToDo-0001 ,DT001 を対応付けた情報がオブジェクト間関係情報として作成される。同様に、例えば、DT002 によって特定される仮想デスクトップに、FILE-0001 ,FILE-0003 ,ToDo-0002 によって特定される3つのオブジェクトが配備されているとする。この場合、図3に例示するように、FILE-0001 ,FILE-0003 ,DT002 を対応付けた情報、FILE-0001 ,ToDo-0002 ,DT002 を対応付けた情報、FILE-0003 ,ToDo-0002 ,DT002 を対応付けた情報がオブジェクト間関係情報として作成される。
なお、関連するオブジェクトとは、同一の仮想デスクトップに配備されているオブジェクトを意味する。例えば、図3に例示するようにオブジェクト間関係情報が作成されている場合、FILE-0002 と関連するオブジェクトは、FILE-0001 およびToDo-0001 である。また、FILE-0001 は、2つの仮想デスクトップ(DT001,DT002 )に配備されているので、FILE-0001 と関連するオブジェクトは、FILE-0002 ,ToDo-0001 ,FILE-0003 ,ToDo-0002 である。
オブジェクト間関係情報管理データベース124は、オブジェクト間関係情報を蓄積する。
オブジェクト間関係情報管理部123はオブジェクト間関係情報を管理するが、オブジェクト間関係情報管理部123による管理処理とは具体的には以下の処理である。
オブジェクト間関係情報管理部123は、仮想デスクトップ情報管理部121から、仮想デスクトップ識別子、およびその仮想デスクトップ識別子と対にして仮想デスクトップ管理データベース122に登録された全てのオブジェクト識別子の通知を受けた場合に、その仮想デスクトップ識別子と、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子と、他の各オブジェクト識別子とを組み合わせたオブジェクト間関係情報が、オブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されているか否かを判定し、オブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されていなければそのオブジェクト間関係情報を新たにオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録する処理を行う。
また、オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報要求部112から、あるオブジェクトに関連するオブジェクトのオブジェクト識別子を要求された場合に、そのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理データベース124から抽出してオブジェクト間関係情報要求部112に渡す処理を行う。
また、オブジェクト間関係情報管理部123は、仮想デスクトップ情報管理部121から、削除されたオブジェクトのオブジェクト識別子とそのオブジェクト識別子と対になる仮想デスクトップ識別子を通知された場合に、そのオブジェクト識別子および仮想デスクトップ識別子を含む組み合わせをオブジェクト間関係情報から削除する処理を行う。
オブジェクト間関係情報要求部112は、利用者が任意のオブジェクトについて、そのオブジェクトと関連するオブジェクトを検索する操作を行うと、そのオブジェクトに関連するオブジェクトのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に要求する処理を行う。また、オブジェクト間関係情報要求部112は、その要求に対する応答として、関連するオブジェクトのオブジェクト識別子を受けると、そのオブジェクト識別子によって特定されるオブジェクトの一覧を仮想デスクトップ提示部110に表示させる。
なお、上述の仮想デスクトップ識別子は、例えば、新たに仮想デスクトップを作成したときに仮想デスクトップ情報管理部121によって発行される。また、オブジェクト識別子は、例えば、利用者がオブジェクトを作成したときに利用者によって定められる。ただし、各仮想デスクトップ識別子は仮想デスクトップを一意に特定する識別子であればよく、また、各オブジェクト識別子はオブジェクトを一意に特定する識別子であればよく、仮想デスクトップ識別子やオブジェクト識別子の定め方は、特に限定されない。
次に、動作について説明する。
まず、利用者によってある仮想デスクトップから他の仮想デスクトップにオブジェクトをコピーする操作が行われ、新たにオブジェクト間関係情報を登録する動作について説明する。図4は、この場合の動作を示すフローチャートである。
仮想デスクトップ提示部110は、コンピュータの画面上に仮想デスクトップや、仮想デスクトップに配備されたオブジェクトを表示する。利用者は、ある仮想デスクトップから他の仮想デスクトップにオブジェクトをコピーする操作を行う(ステップS1)。オブジェクトのコピー操作は、例えば、マウスなどの計算機操作用のポインティングデバイス(図示せず。)を用いて、ある仮想デスクトップから他の仮想デスクトップにオブジェクトをドラッグアンドドロップすることによって実現される。なお、ドラッグアンドドロップは例示であり、オブジェクトのコピー操作はドラッグアンドドロップに限定されない。
操作情報検知部111は、仮想デスクトップ上で行われる操作を監視し、ある仮想デスクトップから他の仮想デスクトップにオブジェクトをコピーする操作を検出したときに、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子およびコピー先の仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子を仮想デスクトップ情報管理部121に通知する(ステップS2)。
仮想デスクトップ情報管理部121は、通知されたオブジェクト識別子と仮想デスクトップ識別子の対が仮想デスクトップ管理データベース122に登録されているかどうかを判定する(ステップS3)。ステップS3では、仮想デスクトップ情報管理部121は、通知されたオブジェクト識別子と仮想デスクトップ識別子の対を仮想デスクトップ管理データベース122から検索し、検索に成功すれば登録されていると判定し、検索に失敗すれば登録されていないと判定すればよい。
通知されたオブジェクト識別子と仮想デスクトップ識別子の対が仮想デスクトップ管理データベース122に登録されている場合(ステップS3のYes)、仮想デスクトップ情報管理部121は、利用者がコピーしようといたオブジェクトが既にコピー先の仮想デスクトップに存在する旨の警告を、仮想デスクトップ提示部110に表示させ、オブジェクトのコピーを行わずに処理を終了する。
通知されたオブジェクト識別子と仮想デスクトップ識別子の対が仮想デスクトップ管理データベース122に登録されていない場合(ステップS3のNo)、仮想デスクトップ情報管理部121は、通知されたオブジェクト識別子と仮想デスクトップ識別子の対を仮想デスクトップ管理データベース122に登録する(ステップS4)。
次に、仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS4で登録した仮想デスクトップ識別子と対にして仮想デスクトップ管理データベース122に登録されている全てのオブジェクト識別子を仮想デスクトップ管理データベース122から検索する。そして、仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS4で登録した仮想デスクトップ識別子、および検索した全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する処理を行う(ステップS5)。このとき、仮想デスクトップ情報管理部121は、検索した全てのオブジェクト識別子のうち、どのオブジェクト識別子が操作情報検知部111から通知されたオブジェクト識別子であるのかもオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。すなわち、どのオブジェクト識別子がコピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子であるのかも通知する。
次に、オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS5において仮想デスクトップ情報管理部121から通知された仮想デスクトップ識別子と、ステップS5において検索され通知されたオブジェクト識別子と、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子(ステップS2で操作情報検知部111から仮想デスクトップ情報管理部121に通知されたオブジェクト識別子)とを組み合わせたオブジェクト間関係情報を作成する。オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS5において仮想デスクトップ情報管理部121から通知された仮想デスクトップ識別子と、ステップS5において検索され通知された各オブジェクト識別子と、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子との組み合わせをそれぞれ作成する。ただし、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子を重複して含むような組み合わせは作成しない。そして、オブジェクト間関係情報管理部123は、作成した全てのオブジェクト間関係情報についてそれぞれ、既にオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されているかどうかを判定する。このとき、オブジェクト間関係情報管理部123は、作成したオブジェクト間関係情報と同一のオブジェクト間関係情報をオブジェクト間関係情報管理部123から検索し、検索に成功した場合には既に登録されいると判定し、検索に失敗した場合には登録されていないと判定すればよい。オブジェクト間関係情報管理部123は、作成したオブジェクト間関係情報がオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されていなければ、そのオブジェクト間関係情報を新たにオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録する(ステップS6)。作成したオブジェクト間関係情報がオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されている場合には、登録しない。
次に、仮想デスクトップ内のオブジェクトに関連するオブジェクトを検索する操作を利用者が行った場合の動作について説明する。図5は、この場合の動作を示すフローチャートである。
まず、利用者が、仮想デスクトップ上で任意のオブジェクトについて、関連するオブジェクトを検索する操作を行う(ステップS11)。このような操作の例として、例えば、マウスなどのポインティングデバイス(図示せず。)によってオブジェクトを選択し、マウスの右ボタンのクリック操作によってコンテキストメニューを表示させ、コンテキストメニューの中から「関連オブジェクトの検索」の項目を選択するといった操作が挙げられる。なお、この場合、オブジェクトが選択されマウスの右ボタンがクリックされると、仮想デスクトップ提示部110は、「関連オブジェクトの検索」という項目を含むコンテキストメニューを表示装置に表示させる。なお、ここでは、「関連オブジェクトの検索」という項目を例示したが、選択されたオブジェクト関連するオブジェクトを検索する旨の項目であれば、項目として表示される文字列は「関連オブジェクトの検索」に限定されない。また、他の操作によって、関連するオブジェクトの検索を要求してもよい。
利用者に選択されたオブジェクトに関連するオブジェクトを検索する操作が行われると、オブジェクト間関係情報要求部112は、その選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS12)。
オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS12で通知されたオブジェクト識別子と組み合わされた全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理データベース124から検索する(ステップS13)。
続いて、オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS13で検索したオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報要求部112に渡す。オブジェクト間関係情報要求部112は、オブジェクト間関係情報管理部123から渡されたオブジェクト識別子によって特定されるオブジェクトの一覧を仮想デスクトップ提示部110に表示させる(ステップS14)。ステップS12では、オブジェクト間関係情報要求部112は、オブジェクト間関係情報管理部123から渡されたオブジェクト識別子の一覧を表示させてもよい。この後、一覧表示したオブジェクト(あるいは、オブジェクト識別子)のいずれかが利用者に選択され、選択されたオブジェクトに応じた情報を表示する操作が行われたならば、仮想デスクトップ提示部110は、その操作に従って情報を表示する。例えば、選択されたオブジェクトが文書ファイルであれば、その文書の内容を表示する。
また、一覧表示したオブジェクト(あるいは、オブジェクト識別子)のうちの1つが選択され、さらにそのオブジェクトに関連するオブジェクトを検索する操作が行われた場合、仮想作業環境提供システムは、再びステップS22以降の動作を行えばよい。
なお、ステップS13の検索結果の中に、同一のオブジェクト識別子が重複して存在する場合がある。例えば、仮想デスクトップ識別子は異なるが、オブジェクト識別子の組み合わせが同一となるようなオブジェクト間関係情報が存在したとする。具体例を挙げると、仮想デスクトップ識別子DT003 と、オブジェクト識別子FILE-0005 ,FILE-0006 との組み合わせであるオブジェクト間関係情報(Pとする。)と、仮想デスクトップ識別子DT004 と、オブジェクト識別子FILE-0005 ,FILE-0006 との組み合わせであるオブジェクト間関係情報(Qとする。)とがオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されていたとする。この場合、ステップS12でオブジェクト識別子FILE-0005 が通知された場合、オブジェクト間関係情報P,Qそれぞれからオブジェクト識別子FILE-0006 を検索することになる。このようにステップS13の検索結果の中に同一のオブジェクト識別子が重複して存在する場合、オブジェクト間関係情報管理部123は、重複するオブジェクト識別子に関しては1つのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報要求部112に渡す。上記の例の場合、オブジェクト識別子FILE-0006 が複数検索されたとしても、オブジェクト間関係情報要求部112に対してオブジェクト識別子FILE-0006 を1つ渡す。
次に、利用者によって仮想デスクトップ内のオブジェクトを削除する操作が行われた場合の動作について説明する。図6は、この場合の動作を示すフローチャートである。
まず、利用者が、仮想デスクトップ内のいずれかのオブジェクトを選択して、そのオブジェクトを仮想デスクトップから削除する操作を行う(ステップS21)。すると、操作情報検知部111は、オブジェクト削除操作を検出し、オブジェクトが削除された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子と、削除されたオブジェクトのオブジェクト識別子とを仮想デスクトップ情報管理部121に通知する(ステップS22)。
仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS22で通知された仮想デスクトップ識別子とオブジェクト識別子との対を、仮想デスクトップ管理データベース122に記憶された仮想デスクトップ情報から削除する(ステップS23)。続いて、仮想デスクトップ情報管理部121は、削除した仮想デスクトップ識別子とオブジェクト識別子との対をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS24)。
オブジェクト間関係情報管理部123は、仮想デスクトップ識別子とオブジェクト識別子との対を通知されると、その仮想デスクトップ識別子およびオブジェクト識別子を含むオブジェクト間関係情報を、オブジェクト間関係情報管理データベース124が記憶しているオブジェクト間関係情報の中から削除する(ステップS25)。
例えば、仮想デスクトップ管理データベース122が図2に例示する仮想デスクトップ情報を記憶していて、オブジェクト間関係情報管理データベース124が図3に例示するオブジェクト間関係情報を記憶していたとする。そして、DT001 によって特定される仮想デスクトップにおいて、FILE-0001 によって特定されるオブジェクトが削除されたとする。このとき、操作情報検知部111は、オブジェクト識別子FILE-0001 と仮想デスクトップ識別子DT001 とを仮想デスクトップ情報管理部121に通知する(ステップS22)。すると、仮想デスクトップ情報管理部121は、仮想デスクトップ管理データベース122が記憶している仮想デスクトップ情報(図2参照。)から、DT001 とFILE-0001 との対を削除し(ステップS23)、DT001 およびFILE-0001 をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS24)。すると、オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報管理データベース124が記憶しているオブジェクト間関係情報(図3)の中から、DT001 およびFILE-0001 を含むオブジェクト間関係情報を削除する(ステップS25)。本例では、図3に示す1番目および2番目のオブジェクト間関係情報を削除する。
また、利用者が仮想デスクトップを削除する操作を行う場合もある。その場合には、仮想作業環境提供システムは、削除対象とされた仮想デスクトップに配備されたオブジェクト毎にそれぞれステップS22〜S25の動作を行えばよい。
また、利用者が仮想デスクトップに配備されたオブジェクトを他の仮想デスクトップに移動する操作を行う場合もある。そのときには、仮想作業環境提供システムは、コピー操作時の動作と、削除操作時の動作とを行えばよい。すなわち、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトの移動操作を操作情報検知部111が検出した場合、仮想作業環境提供システムは、仮想デスクトップから他の仮想デスクトップへのオブジェクトのコピー時と同様の動作(ステップS2〜S6)を行い、その後、移動元の仮想デスクトップから移動したオブジェクトを削除する動作(ステップS22〜S25)を行えばよい。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態では、利用者が計算機上の仮想デスクトップにおいて作業を行う際に、作業に必要な情報(オブジェクト)を仮想デスクトップに集める操作(コピー操作や移動操作)を行うことによって、集められたオブジェクト同士が関連することを自動的にシステムがデータベースに登録する構成となっているため、利用者に負担をかけずに情報間の関連性を設定することができる。さらに、情報間の関連性に関するデータは、図2に例示する仮想デスクトップ情報や図3に例示するオブジェクト間関係性情報として管理されるため、任意の仮想作業環境において情報の関連性に基づいた情報検索や利用などが可能である。
例えば、仮想デスクトップXが、特定のアクティビティを遂行するための作業環境であるとする。ある利用者が、そのアクティビティで、ある調査報告レポートAを作成していて、仮想デスクトップXには、レポートAを作成するために用いたオブジェクトが配備されているとする。一方、別の仮想デスクトップYが存在し、仮想デスクトップYは、プロジェクトメンバが発行したレポートを管理(保存)するライブラリであるものとする。このライブラリ(仮想デスクトップY)で調査報告レポートAを閲覧したユーザが、そのレポートAの調査の背景を深く知りたいと感じた場合に、本発明によれば、仮想デスクトップY内のオブジェクト(調査報告レポートA)を選択し、そのオブジェクトに関連するオブジェクトを検索することによって、仮想デスクトップXに配備された参考文献(オブジェクト)を見つけることができる。
また、本発明では、同一の仮想デスクトップに配備されているオブジェクトのオブジェクト識別子の組(すなわち関連するオブジェクトのオブジェクト識別子の組)と仮想デスクトップ識別子とを組み合わせてオブジェクト間関係情報として蓄積する。従って、同一のオブジェクトが、異なる仮想デスクトップに配備されていれば、利用者が指定したオブジェクトと他の仮想デスクトップにて関連するオブジェクトも検索することができる。
次に、上記の実施の形態の変形例について説明する。上記の実施の形態では、ステップS13において、オブジェクト間関係情報管理部123が、オブジェクト間関係情報要求部112から通知されたオブジェクト識別子と組み合わされた全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理データベース124から検索する場合を示した。オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報要求部112から通知されたオブジェクト識別子と組み合わされたオブジェクト識別子のうち所定の条件を満足するオブジェクト識別子を検索してもよい。例えば、ステップS11で選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子と組み合わされたオブジェクト識別子のうち、選択されたオブジェクトが配備された仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップに配置されたオブジェクトのオブジェクト識別子を検索してもよい。利用者が選択したオブジェクトと同一の仮想デスクトップに配備されたオブジェクトは、選択したオブジェクトと関連することが自明なので、そのようなオブジェクトを検索対象から除外した上で、ステップS13の検索結果をオブジェクト間間関係情報要求部112に渡し、オブジェクト間間関係情報要求部112がその検索結果一覧を仮想デスクトップ提示部110に表示させることによって、より利用者の利便性を高めることができる。この場合、オブジェクト間関係情報要求部112は、利用者によって、選択されたオブジェクトに関連するオブジェクトを検索する操作が行われると、その選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子と、そのオブジェクトが配備された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子とをオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。ステップS13において、オブジェクト間関係情報管理部123は、通知されたオブジェクト識別子と組み合わされているが、通知された仮想デスクトップ識別子とは組み合わされていないオブジェクト識別子を検索すればよい。ステップS14の動作は、既に説明した動作と同様である。
また、ステップS13における検索の検索条件をユーザが指定できるようにしてもよい。例えば、ステップS11で利用者によってオブジェクトが選択された場合、仮想デスクトップ提示部110は、検索条件の指定用GUIを含む画面を表示装置に表示させる。仮想デスクトップ提示部110は、利用者によって検索条件の指定用GUIに指定された検索条件をオブジェクト間関係情報要求部112に通知する。ステップS12において、オブジェクト間関係情報要求部112は、選択されたオブジェクトとのオブジェクト識別子とともに、仮想デスクトップ提示部110から通知された検索条件もオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。ステップS13において、オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報要求部112から通知されたオブジェクト識別子と組み合わされたオブジェクト識別子のうち、その検索条件を満足するオブジェクト識別子を検索すればよい。
利用者が指定する検索条件の例として、例えば、オブジェクトのファイル形式や、オブジェクトの作成日等が挙げられる。この場合、検索条件として指定される項目(例えば、オブジェクトのファイル形式やオブジェクトの作成日)とオブジェクト識別子との対応関係も、仮想デスクトップ管理データベース122およびオブジェクト間関係情報管理データベース124に記憶させておけばよい。すなわち、操作情報検知部111が仮想デスクトップ情報管理部121にオブジェクト識別子を通知するときには、検索条件として指定される項目(例えばファイル形式やオブジェクト作成日)もオブジェクト識別子に対応付けて通知し、仮想デスクトップ情報管理部121が、仮想デスクトップ管理データベース122にオブジェクト識別子を記憶させるときには、その項目もオブジェクト識別子に対応付けて記憶させる。また、仮想デスクトップ情報管理部121が、オブジェクト間関係情報管理部123にオブジェクト識別子を通知するときには、そのオブジェクト識別子に対応づけて検索条件として指定される項目(例えばファイル形式やオブジェクト作成日)も通知する。オブジェクト間関係情報管理部123が、オブジェクト間関係情報管理データベース124にオブジェクト識別子を記憶させるときには、その項目もオブジェクト識別子に対応付けて記憶させればよい。
また、選択されたオブジェクトが配備された仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップに配置されたオブジェクトのオブジェクト識別子を検索するのか、あるいは、仮想デスクトップに依らずに関連するオブジェクトのオブジェクト識別子を検索するのかを、ユーザが指定できるようにしてもよい。
以上の実施の形態やその変形例において、仮想デスクトップ提示部110は、例えば、表示装置と、プログラムによって動作するコンピュータによって実現される。仮想デスクトップ管理データベース122およびオブジェクト間関係情報管理データベース124は、例えば、記憶装置によって実現される。また、操作情報検知部111、仮想デスクトップ情報管理部121、オブジェクト間関係情報管理部123、およびオブジェクト間関係情報要求部112は、例えば、プログラム(仮想作業環境提供プログラム)に従って動作するコンピュータによって実現される。
また、仮想デスクトップ提示部110、操作情報検知部111、仮想デスクトップ情報管理部121、仮想デスクトップ管理データベース122、オブジェクト間関係情報管理部123、オブジェクト間関係情報管理データベース124、およびオブジェクト間関係情報要求部112が、表示装置と記憶装置を備えた1台のコンピュータによって実現されていてもよい。
また、本発明の仮想作業環境提供システムは、通信ネットワークを介して接続されたクライアントとサーバとによって実現されていてもよい。図7および図8は、クライアントとサーバとによって実現される仮想作業環境提供システムの例を示す説明図である。図7および図8に示す例では、いずれもクライアントが一台である場合を示しているが、通信ネットワークを介してサーバに接続されるクライアントは複数存在していてもよい。
図7に示す例では、表示装置を備えるクライアントが、仮想デスクトップ提示部110として動作する。また、サーバ130は、操作情報検知部111と、仮想デスクトップ情報管理部121と、仮想デスクトップ管理データベース122と、オブジェクト間関係情報管理部123と、オブジェクト間関係情報管理データベース124と、およびオブジェクト間関係情報要求部112とを備える。
仮想デスクトップ提示部(クライアント)110は、利用者による操作を逐次、通信ネットワークを介してサーバ130の操作情報検知部111に送信する。操作情報検知部11は、クライアント110から逐次受信する操作情報の中から、オブジェクトのコピー、移動、削除などの操作を検出した場合には、ステップS2の動作やステップS22の動作などを開始する。
また、仮想デスクトップ提示部(クライアント)110は、オブジェクトが選択され、そのオブジェクトに関連するオブジェクトの検索要求操作が行われると、選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子を、通信ネットワークを介してサーバ130のオブジェクト間関係情報要求部112に送信する。このとき、選択されたオブジェクトが配備された仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子や、検索条件として指定された項目もオブジェクト間関係情報要求部112に送信してもよい。仮想デスクトップ提示部(クライアント)110からオブジェクト識別子を受信したオブジェクト間関係情報要求部112は、ステップS12の動作を開始する。
図7に示す例において、サーバ130は、仮想デスクトップ管理データベース122やオブジェクト間関係情報管理データベース124として用いられる記憶装置を備える。また、サーバ(コンピュータ)に、操作情報検知部111、仮想デスクトップ情報管理部121、オブジェクト間関係情報管理部123、オブジェクト間関係情報要求部112としての動作を実行させるための仮想作業環境提供プログラムを搭載している。仮想作業環境提供プログラムは、サーバ130が備える記憶装置に記憶され、サーバ130は仮想作業環境提供プログラムを読み込み、そのプログラムに従って動作する。
図8に示す例では、表示装置を備えるクライアント141が、仮想デスクトップ提示部110、操作情報検知部111、およびオブジェクト間関係情報要求部112として動作する。また、サーバ140は、仮想デスクトップ情報管理部121と、仮想デスクトップ管理データベース122と、オブジェクト間関係情報管理部123と、オブジェクト間関係情報管理データベース124とを備える。
図8に示す例において、サーバ140は、仮想デスクトップ管理データベース122やオブジェクト間関係情報管理データベース124として用いられる記憶装置を備える。また、サーバ(コンピュータ)に、仮想デスクトップ情報管理部121およびオブジェクト間関係情報管理部123としての動作を実行させるための仮想作業環境提供プログラムを搭載している。仮想作業環境提供プログラムは、サーバ140が備える記憶装置に記憶され、サーバ140は仮想作業環境提供プログラムを読み込み、そのプログラムに従って動作する。
また、図7や図8に示すサーバは、オブジェクトも共有オブジェクト(共有ファイル)として記憶し、複数のクライアントからの要求に応じて、オブジェクトを送信する。各クライアントは、サーバに記憶されたオブジェクトに応じた内容を表示する。その結果、通信ネットワーク(例えばインターネット)を介して、サーバとクライアント間でオブジェクトを送受信でき、組織横断プロジェクトを遂行する作業環境を提供することができる。図7や図8に示すサーバは、ストレージ(記憶装置)とネットワーク機能を有するサーバであり、共同作業支援用のアプライアンス装置である。
本実施例は、仮想作業環境提供システムが、グラフィカルユーザインタフェースを有するオペレーティングシステムおよび仮想作業環境提供プログラムに従って動作するコンピュータ(表示装置や記憶装置を備えたコンピュータ)によって実現されている場合を例にして説明する。また、以下に示す例では、ファイル名をオブジェクト識別子としているものとする。
また、以下の説明では、オブジェクト識別子が例えばAであるオブジェクトをオブジェクト“A”と記す。同様に、仮想デスクトップ識別子が例えばaである仮想デスクトップを仮想デスクトップ“a”と記す。
図9および図10は、仮想デスクトップ提示部110が表示する仮想デスクトップの例を示す説明図である。図9は、仮想デスクトップ“DT001 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”が配備されている例を示している。図10は、仮想デスクトップ“DT002 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”が配備されている例を示している。
図9および図10に例示するように、各仮想デスクトップ“DT001 ”,“DT002 ”にオブジェクトが配備されている場合、仮想デスクトップ管理データベース122には、図2に示す仮想デスクトップ情報が記憶され、また、オブジェクト間関係情報管理データベース124には、図3に示すオブジェクト間関係情報が記憶されている。
以下、図9に例示する仮想デスクトップ“DT001 ”に、オブジェクト識別子が“OBJ-1001”であるオブジェクトが新たに配備される場合(ケース1と呼ぶことにする。)を例にして、仮想作業環境提供システムの動作を説明する。
はじめに利用者が、仮想デスクトップ“DT001 ”にオブジェクト“OBJ-1001”を配備する操作を行う(ステップS1)。この操作は、例えば、マイクロソフトコーポレーションのオペレーティングシステムである「Windows XP(登録商標)」で標準に提供されているエクスプローラ等のようなオブジェクト操作用のGUIプログラムを起動して、ドラッグアンドドロップ等によって仮想デスクトップ“DT001 ”にオブジェクト“OBJ-1001”をコピーまたは移動することによって実現される。ここでは、オブジェクトがコピーされた場合を例にして説明する。
ステップS1の操作が行われると、操作情報検知部111は、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子“OBJ-1001”と、コピー先の仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子“DT001 ”とを仮想デスクトップ情報管理部121に通知する(ステップS2)。
次に、仮想デスクトップ情報管理部121は、通知されたオブジェクト識別子“OBJ-1001”と仮想デスクトップ識別子“DT001 ”の対が仮想デスクトップ管理データベース122に登録されているかどうかを判定する(ステップS3)。本例では、図2に示すように、オブジェクト識別子“OBJ-1001”と仮想デスクトップ識別子“DT001 ”との対は、仮想デスクトップ管理データベース122が記憶する仮想デスクトップ情報に含まれていない。よって、仮想デスクトップ情報管理部121は、オブジェクト識別子“OBJ-1001”と仮想デスクトップ識別子“DT001 ”の対を検索することができないため、“OBJ-1001”と“DT001 ”の対は仮想デスクトップ管理データベース122に登録されていないと判定する(ステップS3のNo)。
この場合、仮想デスクトップ情報管理部121は、通知されたオブジェクト識別子“OBJ-1001”と仮想デスクトップ識別子“DT001 ”の対を、新たな仮想デスクトップ情報として仮想デスクトップ管理データベース122に登録する(ステップS4)。図11は、実施例1のケース1において新たに追加される仮想デスクトップ識別子およびオブジェクト識別子の対を示す説明図である。図11に示すように、仮想デスクトップ識別子“DT001 ”とオブジェクト識別子“OBJ-1001”との対が、図2に示す仮想デスクトップ情報に追加される。
次に、仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS4で登録した仮想デスクトップ識別子“DT001 ”と対にして仮想デスクトップ管理データベース122に登録されている全てのオブジェクト識別子を仮想デスクトップ管理データベース122から検索する。そして、仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS4で登録した仮想デスクトップ識別子“DT001 ”および検索した全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に渡す(ステップS5)。
ケース1の場合は、仮想デスクトップ管理データベース122には当初、図2に示す仮想デスクトップ情報が記憶されていて、ステップS4にて、図11に示す仮想デスクトップ情報が追加される。従って、仮想デスクトップ識別子“DT001 ”と対にして仮想デスクトップ管理データベース122に記憶されているオブジェクト識別子は、“FILE-0001 ”,“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”,および“OBJ-1001”である。従って、仮想デスクトップ情報管理部121は、ステップS5において、オブジェクト識別子“FILE-0001 ”,“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”,“OBJ-1001”を検索し、検索した各オブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理部123に渡す。このとき、仮想デスクトップ情報管理部121は、検索した全てのオブジェクト識別子のうち、どのオブジェクト識別子が操作情報検知部111から通知されたオブジェクト識別子であるのかも通知する。すなわち、どのオブジェクト識別子がコピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子であるのかもオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。本例では、検索したオブジェクト識別子のうち、“OBJ-1001”が操作情報検知部111から通知されたオブジェクト識別子であることもオブジェクト間関係情報管理部123に通知する。
次に、オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS5において仮想デスクトップ情報管理部121から通知された仮想デスクトップ識別子“DT001 ”と、ステップS5において検索され通知されたオブジェクト識別子と、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子“OBJ-1001”(ステップS2で操作情報検知部111から仮想デスクトップ情報管理部121に通知されたオブジェクト識別子)とを組み合わせたオブジェクト間関係情報を作成する。オブジェクト間関係情報管理部123は、仮想デスクトップ情報管理部121から通知された仮想デスクトップ識別子“DT001 ”と、ステップS5において検索され通知された各オブジェクト識別子と、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子“OBJ-0001”との組み合わせをそれぞれ作成するが、コピーされたオブジェクトのオブジェクト識別子を重複して含むような組み合わせは作成しない。図12は、実施例1のケース1においてオブジェクト間関係情報管理部123が作成するオブジェクト間関係情報を示す説明図である。ケース1では、オブジェクト間関係情報管理部123は、図12に示すように、(OBJ-1001,FILE-0001,DT001)、(OBJ-1001,FILE-0002,DT001)、および(OBJ-1001,ToDo-0001,DT001)というオブジェクト間関係情報を作成する。
次に、オブジェクト間関係情報管理部123は、作成した全てのオブジェクト間関係情報(図12参照。)についてそれぞれ、既にオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録されているかどうかを判定する。本例では、オブジェクト間関係情報管理データベース124が記憶するオブジェクト間関係情報(図3参照。)には、図12に示す各オブジェクト間関係情報は含まれていない。よって、オブジェクト間関係情報管理部123は、図12に示す各オブジェクト間関係情報を検索することができないため、図12に示す各オブジェクト間関係情報は登録されていないと判定する。そして、オブジェクト間関係情報管理部123は、図12に示す各オブジェクト間関係情報をオブジェクト間関係情報管理データベース124に登録する(ステップS6)。
次に、仮想デスクトップ上で任意のオブジェクトについて利用者が関連するオブジェクトの検索操作を行った際の動作について説明する。以下の説明では、図9および図10に示すように、仮想デスクトップ“DT001 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”が配備され、仮想デスクトップ“DT002 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”が配備されているものとする。この場合、仮想デスクトップ管理データベース122には、図2に示す仮想デスクトップ情報が記憶され、また、オブジェクト間関係情報管理データベース124には、図3に示すオブジェクト間関係情報が記憶されている。
以下、利用者が、図10に示す仮想デスクトップ“DT002 ”のオブジェクト“FILE-0001”を選択して、オブジェクト“FILE-0001”に関連するオブジェクトの検索を要求する場合(ケース2と呼ぶことにする。)を例にして、仮想作業環境提供システムの動作を説明する。
利用者は、仮想デスクトップ“DT002 ”の任意のオブジェクト(本例ではオブジェクト“FILE-0001 ”とする。)に関連するオブジェクトの検索要求操作を行う(ステップS11)。例えば、利用者は、仮想デスクトップ“DT002 ”において、オブジェクト“FILE-0001”をマウスなどのポインティングデバイス(図示せず。)で選択し、マウスの右ボタンのクリック操作を行う。すると、仮想デスクトップ提示部110は、「関連オブジェクトの検索」という項目を含むコンテキストメニューを表示装置に表示させる。図13は、表示されたコンテキストメニューの例を示す説明図である。図13に示すコンテンキストメニューの項目のうち、「関連オブジェクトの検索」という項目は、選択されたオブジェクト関連するオブジェクトを検索することを示している。
図13に示すように、「関連オブジェクトの検索」が選択された場合、オブジェクト間関係情報要求部112は、選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子(本例では、FILE-0001 )をオブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS12)。
オブジェクト間関係情報管理部123は、オブジェクト間関係情報管理データベース124にて、ステップS12で通知されたオブジェクト識別子“FILE-0001 ”と組み合わされた全てのオブジェクト識別子をオブジェクト間関係情報管理データベース124から検索する(ステップS13)。実施例1のケース2では、オブジェクト間関係情報管理データベース124には、図3に示すオブジェクト間関係情報が記憶されている。従って、“FILE-0001 ”と組み合わされたオブジェクト識別子として、オブジェクト間関係情報管理部123は、“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”を検索する。
続いて、オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS13で検索したオブジェクト識別子“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”をオブジェクト間関係情報要求部112に渡す。オブジェクト間関係情報要求部112は、オブジェクト間関係情報管理部123から渡された各オブジェクト識別子によって特定されるオブジェクトの一覧を仮想デスクトップ提示部110に表示させる(ステップS14)。図14は、検索要求操作の結果表示されるオブジェクトの一覧の例を示す説明図である。本例では、オブジェクト間関係情報要求部112は、図14に示すように“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”によって特定される各オブジェクトの一覧301を仮想デスクトップ提示部110に表示させる。この結果、利用者は、選択したオブジェクトに関連するオブジェクトを知ることができる。
なお、実施例1のケース2では、ステップS11においてコンテキストメニューを表示する場合等を例示したが、オブジェクトを選択し、そのオブジェクトに関連するオブジェクトを要求する操作の態様は、コンテキストメニューを用いる態様でなくてもよい。また、オブジェクトの一覧の表示態様も、図14に例示する態様に限定されない。
実施例1のケースでは、利用者に選択されたオブジェクトに関連するオブジェクトを全て表示する場合を説明した。実施例2では、選択されたオブジェクトが配備された仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップに配置されたオブジェクトのオブジェクト識別子をステップS13で検索し、そのオブジェクト識別子によって特定されるオブジェクトの一覧を表示する場合について説明する。また、利用者が指定した検索条件を満足するオブジェクトのオブジェクト識別子をステップS13で選択する場合について説明する。
以下の説明では、図9および図10に示すように、仮想デスクトップ“DT001 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”が配備され、仮想デスクトップ“DT002 ”に、3つのオブジェクト“FILE-0001 ”,“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”が配備されているものとする。
この場合、仮想デスクトップ管理データベース122には、図2に示す仮想デスクトップ情報が記憶され、また、オブジェクト間関係情報管理データベース124には、図3に示すオブジェクト間関係情報が記憶されている。ただし、本実施例の場合、図2および図3には図示していないが、仮想デスクトップ情報およびオブジェクト間関係情報に含まれる個々のオブジェクト識別子に対応付けて、検索条件として指定される項目も仮想デスクトップ管理データベース122およびオブジェクト間関係情報管理データベース124に記憶される。本実施例では、検索条件として指定される項目として、オブジェクトのファイル形式、作成日、およびオブジェクトがスケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイルであるか否かが各オブジェクト識別子に対応付けて記憶されている。
なお、オブジェクト“ToDo-0001 ”,“ToDo-0002 ”は、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイルであるものとする。
以下の説明においても、利用者が、図10に示す仮想デスクトップ“DT002 ”のオブジェクト“FILE-0001”を選択して、オブジェクト“FILE-0001”に関連するオブジェクトの検索を要求する場合を例にして、仮想作業環境提供システムの動作を説明する。
実施例2におけるステップS11の動作は、実施例1のケース2と同様である。続くステップS12では、オブジェクト間関係情報要求部112は、選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子(本例では、FILE-0001 )と、選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子(本例では、DT0002 )とを、オブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS12)。
オブジェクト間関係情報管理部123は、通知されたオブジェクト識別子“FILE-0001 ”と組み合わされているが、通知された仮想デスクトップ識別子“DT002 ”とは組み合わされていないオブジェクト識別子を検索する(ステップS13)。オブジェクト間関係情報管理データベース124には、図3に示すオブジェクト間関係情報が記憶されている。従って、オブジェクト識別子“FILE-0001 ”と組み合わされているが、仮想デスクトップ識別子“DT002 ”とは組み合わされていないオブジェクト識別子として、オブジェクト間関係情報管理部123は、“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”を検索する。なお、“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”は、“FILE-0001 ”と組み合わされているが、“DT002 ”とも組み合わされているので、検索対象から除外される。
続いて、オブジェクト間関係情報管理部123は、ステップS13で検索したオブジェクト識別子“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”をオブジェクト間関係情報要求部112に渡す。オブジェクト間関係情報要求部112は、オブジェクト間関係情報管理部123から渡された各オブジェクト識別子によって特定されるオブジェクトの一覧を仮想デスクトップ提示部110に表示させる(ステップS14)。図15は、検索要求操作の結果表示されるオブジェクトの一覧の例を示す説明図である。本例では、オブジェクト間関係情報要求部112は、図15に示すように“FILE-0002 ”,“ToDo-0001 ”によって特定される各オブジェクトの一覧302を仮想デスクトップ提示部110に表示させる。実施例1のケース2は異なり、オブジェクト“FILE-0003 ”,“ToDo-0002 ”は一覧に含まれないが、これらのオブジェクトがオブジェクト“FILE-0001 ”と関連することは、図10に示す仮想デスクトップが表示された段階で利用者は知ることができる。よって、選択されたオブジェクトと関連することが自明なオブジェクトを除外した一覧表示を行うことができ、利用者の利便性を高めることができる。
本実施例では、オブジェクト間関係情報要求部112は、関連するオブジェクトの絞込条件をユーザが指定するための画面を要求する項目(図15に示す例では「絞込条件を設定」)を含むオブジェクトの一覧302を表示させる。「絞込条件を設定」が選択された場合、オブジェクト間関係情報要求部112は、オブジェクトの絞込条件を指定するための画面(以下、条件指定画面と記す。)を仮想デスクトップ提示部110に表示させる。
図16は、条件指定画面の例を示す説明図である。図16に示す例では、条件指定画面は、オブジェクト形式の条件を指定するプルダウンメニュー401と、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイルであるか否かを指定するプルダウンメニュー402と、オブジェクトの作成日の指定欄403とを備える。また、選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップ内のオブジェクトのオブジェクト識別子を検索するのか、仮想デスクトップに依らずにオブジェクト識別子を検索するのかを指定するラジオボタン404も備える。また、条件指定画面は、検索の開始を指示する検索ボタン405も備える。
図17は、プルダウンメニューのメニュー項目の例を示す説明図であり、図17(a)は、プルダウンメニュー402のメニュー項目の例を示し、図17(b)はプルダウンメニュー401のメニュー項目の例を示している。図17(a)に示す「ファイル」は、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイル以外のファイルのオブジェクト識別子を検索するという条件を示している。また、「ToDo」は、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイルのオブジェクト識別子を検索するという条件を示している。また、プルダウンメニュー401のメニュー項目には、各種ファイル形式が示され、指定されたファイル形式のオブジェクトのオブジェクト識別子を検索することを表している。なお、プルダウンメニュー401の「すべてのオブジェクト」は、予定データのデータファイルであるか否かに依らずにオブジェクト識別子を検索することを示している。また、プルダウンメニュー402の「すべてのファイル」は、ファイル形式に依らずにオブジェクト識別子を検索することを示している。
また、オブジェクト作成日の指定欄403(図16参照。)は、条件とする日付の開始日および終了日が入力される入力欄である。
図18は、条件指定画面における条件の指定例を示す説明図である。図18に例示するように利用者によって条件が指定されたとする。図18に例示する場合、スケジュール管理アプリケーションに適用される予定データのデータファイルであるか否かは、検索条件とされず、また、テキスト形式のファイル(オブジェクト)のオブジェクト識別子を検索するという条件が指定されている。さらに、「2001年4月1日以降2006年3月31日以前」に作成されたオブジェクトのオブジェクト識別子を検索するという条件が指定されている。また、選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップ内のオブジェクトのオブジェクト識別子を検索するという条件が指定されている。
以下、検索ボタン405がクリックされた場合の動作を示す。なお、図15に示すように仮想デスクトップ“DT002 ”のオブジェクト“FILE-0001 ”が選択された状態で、オブジェクト間関係情報要求部112が条件指定画面を仮想デスクトップ提示部110に表示させ、図18に例示する条件が指定されたものとする。
検索ボタン405がクリックされると、オブジェクト間関係情報要求部112は、選択されたオブジェクトのオブジェクト識別子“FILE-0001 ”と、選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップの仮想デスクトップ識別子“DT002 ”と、指定された条件とをオブジェクト間関係情報管理部123に通知する(ステップS12)。本例では、条件として、「テキスト形式」、「2001年4月1日以降2006年3月31日以前」、および「選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップ内のオブジェクトのオブジェクト識別子を検索する」という条件が通知される。
オブジェクト間関係情報管理部123は、通知された条件に従い、通知されたオブジェクト識別子と組み合わされているが、通知された仮想デスクトップ識別子とは組み合わされていないオブジェクト識別子であって、かつ、「テキスト形式」というファイル形式と対応付けられ、さらに対応付けられている作成日時が「2001年4月1日以降2006年3月31日以前」であるオブジェクト識別子を検索する(ステップS13)。ステップS14以降の動作は、実施例2において既に説明した動作と同様であるので説明を省略する。
なお、「選択されたオブジェクトが配備されている仮想デスクトップ以外の仮想デスクトップ内のオブジェクトのオブジェクト識別子を検索する」という条件ではなく、「仮想デスクトップに依らずにオブジェクト識別子を検索する」という条件が指定されている場合には、「通知された仮想デスクトップ識別子とは組み合わされていない」という条件を除外してステップS13の検索処理を実行すればよい。
なお、図16では、プルダウンメニューやラジオボタンにより条件を指定する例を示したが、条件を指定するためのGUIはプルダウンメニューやラジオボタンに限定されない。