JP4770382B2 - 液体移送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体移送装置に係り、より詳細には、ウェルが表面側に形成され且つウェルに接続される流路を内部に有するチップに対し、ウェルから流路に液体を移送させる液体移送装置に関するものである。
バイオテクノロジー等の分野においては、微生物の検出等を行うためにマイクロチャネルチップが用いられている。マイクロチャネルチップは一般に、液体を収容する複数のウェルと、複数のウェルを接続する流路とを有する。特に最近では、液体を収容する複数のウェルを表面側に有し、ウェル同士を流路によって接続するマイクロチャネルチップも用いられるようになってきている。このようなマイクロチャネルチップにおいては、流路の断面積が極めて小さいため、ウェルに液体を収容しただけでは流路に液体を移送させることはできない。このため、液体をウェルから流路に移送させるためには、ウェル内に液体を収容した後、この液体を加圧する必要がある。
液体を加圧してチップ内の流路に移送する方法としては、従来、例えば下記特許文献1に開示される方法が知られている。同文献に記載の方法は、剛性部材をチップに押し当てながら液体を加圧し、剛性部材の貫通孔を通してチップ内の流路に液体を移送させるものである。
特開2003−121311号公報
しかしながら、上記の剛性部材は以下に示す課題を有していた。
即ち、上記剛性部材は、チップに押し当てることによりチップを固定できるものの、チップが剛性部材と載置台とによって挟まれるため、チップに亀裂が生じたり、チップが破損したりするおそれがあった。またチップが、剛性部材と、チップを載置する載置台とによって挟まれることで流路が狭められる。この結果、次のような問題が生じていた。即ち、例えばチップの一部のみに剛性部材が押し当てられることでチップが撓み、チップと剛性部材との間に隙間が生じて液体が漏出する結果、液体を十分に加圧することができなくなり、液体を所望の流量で移送できなくなるという問題や、チップが剛性部材と載置台とによって挟まれるときの圧力が流路上の位置によって異なったり、その圧力が液体を移送するたびごとに変動するという問題があり、液体の移送量をコントロールすることが困難であった。更に、同様の理由により、流路の断面積が狭められるため、液体を流路に円滑に移送させることができないという問題も存在していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、チップの破損を防止しながら、液体を流路に円滑に移送でき且つ液体の移送量を容易にコントロールできる液体移送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ウェルが表面側に形成され且つウェルに接続される流路を内部に有するチップを基体に密着させながらウェルを加圧し、ウェル内に収容されている液体を流路に移送させる液体移送装置であって、基体が、ウェルに供給するガスを流通させる第1貫通孔と、第2貫通孔とを有し、第1貫通孔にガスを供給してウェルを加圧するガス供給手段と、第2貫通孔を減圧してチップを基体に吸着させる減圧手段と、を備えることを特徴とする。
この液体移送装置を使用する際には、まず、表面側にウェルが形成されウェルに接続される流路を内部に有するチップを用意する。具体的には、基体における第1貫通孔の数と同数のウェルを有し、基体とチップとを密着させる場合に、ウェルの位置と第1貫通孔の位置とが一致するようなチップを用意する。そして、例えばチップの複数のウェルのうちいずれか一つのウェルに、移送対象となる液体を収容する。次に、このチップと、基体とを、ウェルの位置と第1貫通孔の位置とが一致するように接触させる。この状態で、減圧手段により第2貫通孔を減圧すると、チップが基体に吸着される。次に、第1貫通孔にガス供給手段によりガスを供給する。すると、ガスにより液体が加圧され、この液体は、流路に移送されることになる。このとき、チップは基体に吸着されており、基体とともにチップを挟む物体が存在しないため、チップの破損も十分に防止される。また、流路が狭められるという事態が確実に防止されるため、チップが撓むことが十分に防止され、チップと基体との間の密着性が増大し、ガスの漏出が十分に防止される。その結果、ガスにより液体を十分に加圧することができるようになり、液体を所望の流量で移送することができる。また、基体とともにチップを挟む物体が存在しないため、チップにかかる圧力が極めて小さくなる。このため、流路上の位置によらず流路にかかる圧力が等しくなり、その圧力が液体を移送するたびごとに変動するという事態も防止される。即ち、液体の移送量を容易にコントロールすることができる。更に、流路の断面積が狭められないため、液体を流路に円滑に移送することも可能となる。
上記液体移送装置において、基体が、基体の表面側で且つ第1貫通孔の周囲に凹部を有し、第2貫通孔が凹部と連通し、第2貫通孔の凹部側の開口の面積よりも凹部の開口のうち基体の表面側の開口の面積が大きくなっていることが好ましい。
凹部を覆うようにチップが配置される場合、第2貫通孔が減圧手段により減圧されると、凹部が減圧される。これにより、チップが基体によって吸着されることになる。このとき、第2貫通孔の凹部側の開口の面積よりも凹部の開口面積が大きくなっているため、基体に対するチップの吸着力をより増大させることが可能となる。従って、液体の移送中に、基体からチップが外れたりする事態が十分に防止される。
上記基体は、凹部を囲む環状領域の周囲に環状領域より突出する突出部を更に有し、環状領域と突出部とにより、チップを位置決めするチップ位置決め部が形成されていること
が好ましい。
この場合、チップ位置決め部にチップを収容すると、チップの位置決めが容易となるので、液体の移送に要する時間を大幅に短縮できる。
上記液体移送装置は、チップを位置決めするチップ位置決め部が一面側に形成されているチップ収容体と、チップ収容体と前記基体とを、基体の表面とチップの表面とが密着するように接続させることが可能な接続手段とを更に備えることが好ましい。
この場合、チップ位置決め部にチップを収容すると、チップの位置決めが容易となるので、液体の移送に要する時間を大幅に短縮できる。
上記液体移送装置において、基体の表面側の少なくとも一部が弾性体となっており、第1貫通孔および第2貫通孔が弾性体を貫通していることが好ましい。
この場合、弾性体とチップとの密着性が向上するため、シール性が向上する。即ち、ガス供給手段により第1貫通孔を経てウェルにガスを供給する場合に、ガス漏れが十分に防止されるため、液体を効率よく流路に移送させることができる。
本発明の液体移送装置によれば、チップの破損を防止しながら、液体を流路に円滑に移送でき且つ液体の移送量を容易にコントロールできる。
以下、本発明の液体移送装置の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず液体移送装置の説明をする前に、液体移送装置の適用対象となるチップの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る液体移送装置の適用対象となるチップを示す斜視図である。
図1に示すように、チップ10は、表面10a側に複数のウェルW1,W2,W3,W4と、ウェルW1,W2同士、ウェルW2,W3同士、ウェルW3,W4同士を接続する流路11,12,13を内部に有する。ここで、ウェルW1〜W4はそれぞれ、1つの開口によって大気開放されている。以下、表面10aを「ウェル形成面10a」と称することとする)。なお、ウェルW1〜W4は、複数の開口を有する部材、例えばフィルタ部材等によって覆われていてもよい。
また本実施形態において、例えばウェルW1は検体液を収容する検体ウェル、ウェルW2は、抽出試薬の凍結乾燥体を収容する抽出ウェル、ウェルW3は、増幅試薬の凍結乾燥体を収容する増幅ウェル、ウェルW4は、発光試薬の凍結乾燥体を収容する発光ウェルである。
次に、チップ10内の流路11〜13に液体を移送する液体移送装置100について説明する。図2は、本実施形態に係る液体移送装置100の外観を示す斜視図、図3は、液体移送装置100の全体を示す概略図、図4は、本実施形態の液体移送装置100の平面断面図、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。
図2及び図4に示すように、液体移送装置100は平板状の基体21を備えている。基体21は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂、又はアルミニウムやSUSなどの金属材料で構成されている。また基体21は、変形が少ないものであることが好ましい。基体21の一面21a側には、5本のガス流通管22a〜22eが接続されている。図3に示すように、5本のガス流通管22a〜22eのうち一面21aの中央に接続されるガス流通管22aは減圧装置24に接続され、その周囲に設けられるガス流通管22b〜22eは加圧装置23に接続されている。
ここで、加圧装置23は、好ましくは検体液と反応しないガス、例えば窒素ガス等の不活性ガスを供給するものであり、例えば窒素ガスを充填したガスボンベ又はシリンジ等で構成される。なお、加圧装置23は、検体液と反応するガス、例えば空気、を供給するものであってもよく、その場合、加圧装置23としては、例えばコンプレッサを用いることができる。また減圧装置24としては、例えば真空ポンプなどが用いられる。
またガス流通管22b〜22eには、バルブ(図示せず)が設置されている。この場合、ガス流通管22b〜22eに設置されたバルブの開閉を調整することで、ガスを供給するガス流通管を適宜選択することができ、ひいては加圧すべきウェルも選択することができる。
なお、バルブ、ガス流通管22b〜22e及び加圧装置23によりガス供給手段が構成され、ガス流通管22a及び減圧装置により減圧手段が構成されている。
図5に示すように、基体21は、ガス流通管22b〜22dにそれぞれ接続される第1貫通孔25b〜25eと、ガス流通管22aに接続される第2貫通孔25aとを有している。4つの第1貫通孔25b〜25eの周囲には共通の1つの凹部26が形成されている。ここで、第1貫通孔25b〜25eは、第2貫通孔25aの周囲に設けられているため、凹部26の開口のうち基体21の表面21a側の開口26aの面積は、第2貫通孔25aの凹部26側の開口の面積よりも大きいことになる。また第2貫通孔25aは凹部26に連通している。従って、第2貫通孔25aを減圧装置24により減圧すると、凹部26が減圧されることになる。
また、各第1貫通孔25b〜25eと第2貫通孔25aとの間の距離はすべて等しいことが好ましい。第2貫通孔25aを減圧して基体21を吸着させながら複数の第1貫通孔を通してウェルを加圧する場合、各第1貫通孔25b〜25eと第2貫通孔25aとの間の距離のすべてが等しくない場合と比較して、液体の移送作業中にチップ10が基体21から外れる可能性を十分に低くすることができる。
なお、凹部26の開口は、チップ10のウェル形成面10aよりも小さくなっており、チップ10によって凹部26を覆うことが可能である。
次に、液体移送装置100を用いた液体移送方法について説明する。
まずチップ10を用意する。ここで、チップ10におけるウェルの数は4つであり、基体21における第1貫通孔の数も4つである。またウェルW1〜W4の位置は、基体21における第1貫通孔25b〜25eの位置と対応している。即ち、基体21とチップ10とを密着させる場合に、ウェルW1〜W4の位置と第1貫通孔25b〜25eの位置とが一致している。そして、例えばチップ10の複数のウェルW1〜W4のうち検体ウェルであるウェルW1に、移送対象となる検体液を収容する。
次に、チップ10と基体21とを、ウェルW1〜W4の位置と第1貫通孔25b〜25eの位置とが一致するように接触させる。このとき、チップ10のうちウェル形成面10aが、基体21の凹部26を覆うように接触させる。これにより、凹部26がチップ10により密閉されることとなる。この状態で、減圧装置24により第2貫通孔25aを減圧すると、凹部26とチップ10とによって形成される密閉空間が減圧され、チップ10が基体21に吸着される。次に、第1貫通孔25b〜25eに、加圧装置23よりガス流通管22b〜22eを経てガスを供給する。
すると、ガスにより検体液が加圧され、この液体はウェルW1から流路11に移送されることになる。このとき、チップ10は基体21に吸着されており、基体21とともにチップ10を挟む物体が存在しないため、チップ10の破損が十分に防止される。また、基体21とともにチップ10を挟む物体が存在しないことで、流路11が狭められるという事態が確実に防止されるため、チップ10が撓むことが十分に防止され、チップ10と基体21との間の密着性が増大し、ガスの漏出が十分に防止される。その結果、ガスにより液体を十分に加圧することができるようになり、液体を所望の流量で移送することができる。また、基体21とともにチップ10を挟む物体が存在しないため、チップ10にかかる圧力が極めて小さくなる。このため、流路11上の位置によらず流路11にかかる圧力が等しくなり、その圧力が液体を移送するたびごとに変動するという事態も防止される。従って、液体の移送量を容易にコントロールすることができる。更に、流路11の断面積の狭小化が防止されるため、液体を流路11に円滑に移送することが可能となる。
更に、本実施形態では、複数の第1貫通孔25b〜25eの周囲に、共通する1つの凹部26が形成されている。また、第2貫通孔25aの凹部26側の開口の面積よりも凹部26の開口のうち基体21の表面21a側の開口の面積が大きくなっているため、凹部26が形成されていない場合と比べて、基体21に対するチップ10の吸着力をより増大させることが可能となる。従って、検体液の流路11への移送中に、基体21からチップ10が外れたりする事態が十分に防止される。
なお、こうして検体液が流路11に移送されると、検体液はウェルW2に移送され、凍結乾燥体である抽出試薬を溶解する。こうして、抽出試薬と検体液との抽出試薬混合液が得られる。この抽出試薬混合液を流路12に移送する場合は、加圧装置23により、ガス流通管22b、22cにガスを供給する。ここで、ガス流通管22bにもガスを供給するのは、これによりウェルW1を加圧することにより、抽出試薬混合液が流路11側に逆流することを防止するためである。またこのとき、ガス流通管22aは、減圧装置24により減圧状態を保持しておく。これにより、ガス流通管22cを流通するガスによって、ウェルW2内に収容されている抽出試薬混合液が流路12に移送される。そして、この抽出試薬混合液は流路122を経てウェルW3に移送され、ウェルW3に収容されている凍結乾燥体である増幅試薬を溶解する。こうして増幅試薬混合液が得られる。
増幅試薬混合液を流路13に移送する場合には、上記と同様に、ウェルW3内に収容されている増幅試薬混合液を加圧すればよい。こうして増幅試薬混合液が凍結乾燥体である発光試薬を溶解し、発光が観測されることとなる。
(第2実施形態)
次に、本発明の液体移送装置の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図6は、本発明の液体移送装置の第2実施形態を示す側面図である。図6に示すように、本実施形態の液体移送装置200は、チップ10を位置決めするチップ位置決め部31が一面31a側に形成されているチップ収容体32を更に備えており、チップ収容体32と基体21とが蝶番33によって接続されている点で第1実施形態の液体移送装置100と相違する。
ここで、蝶番33を中心として、チップ10に対して基体21を相対的に開閉することが可能となっており、チップ位置決め部31は、チップ収容体32に対して基体21を閉じたときに、チップ10におけるウェルW1〜W4と、基体21における第1貫通孔25b〜25eとが一致する位置に形成されている。またチップ位置決め部31は、チップ10をチップ位置決め部31に収容した場合にチップ位置決め部31内でチップ10を回転させないように形成されている。
このため、液体移送装置200によれば、チップ位置決め部31にチップ10を収容した場合に、チップ10がチップ収容体32に対して回転しないように位置決めされる。しかも、チップ位置決め部31にチップ10を収容すると、蝶番33を中心として、チップ収容体32に対して基体21を閉じる場合に、基体21における第1貫通孔25b〜25eの位置と、チップ10におけるウェルW1〜W4の位置とを一致させることができると共に、基体21の表面21aとチップ10の表面10aとを密着させることができる。このため、チップ位置決め部31にチップ10を収容すると、チップ10の位置決めが容易となるので、検体液の移送に要する時間を大幅に短縮できる。
なお、本実施形態では、蝶番33により接続手段が構成されているが、接続手段は、蝶番33に限定されない。例えば基体21において第1貫通孔25b〜25eの開口が形成されている面に設けられる複数の凹部と、チップ収容体32のチップ位置決め部31が形成されている側の面のうちチップ位置決め部の外側の面に設けられる複数の凸部とで構成されてもよい。ここで、上記凸部は、チップ10の位置決め精度を向上させる点からは、上記凹部に嵌合可能であることが好ましい。なお、凹部の開口の形状が多角形(例えば四角形、三角形など)である場合には、凹部及び凸部はそれぞれ1つであっても構わない。更に、基体21が凸部を有し、チップ収容体32が凹部を有していてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の液体移送装置の第3実施形態について図7を用いて説明する。なお、第1又は第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図7は、本発明の液体移送装置の第3実施形態を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態の液体移送装置300は、基体10が、凹部26の周囲に環状領域27を有し、環状領域27の周囲に環状領域27よりも突出する環状の突出部28を更に有している点で第1実施形態の液体移送装置100と相違する。
ここで、環状領域27と突出部28とにより、チップ10を位置決めするチップ位置決め部29が形成されている。チップ位置決め部29は、チップ10が収容されてもチップ10を回転させない。またチップ位置決め部29は、チップ10を収容した場合に、基体21における第1貫通孔25b〜25eの位置と、チップ10におけるウェルW1〜W4の位置とを一致させるものである。
従って、基体21にチップ位置決め部29が形成されていると、チップ10の位置決めを容易に行うことができ、検体液の移送に要する時間を大幅に短縮できる。
本発明は、上記第1〜第3実施形態に限定されない。例えば上記第1〜第3実施形態では、基体10において、4つの第1貫通孔25b〜25eの周囲に、共通の1つの凹部26が形成されているが、凹部26は形成されていなくてもよい。また基体21が複数の第2貫通孔25aを有する場合、第2貫通孔25aの数に応じて凹部26を有しても構わない。
更に、第1〜第3実施形態に係る液体移送装置100、200,300において、基体21のうち表面21a側の部分であってウェル形成面10aに接触する部分が弾性体となっており、第1貫通孔22b〜22e及び第2貫通孔22aが弾性体(図示せず)を貫通していることが好ましい。この場合、弾性体とチップ10との密着性が向上するため、シール性が向上する。即ち、加圧装置23によりガス流通管22b〜22e及び第1貫通孔25b〜25eを経てウェルW1〜W4にガスを供給する場合に、ガス漏れがより十分に防止されるため、検体液を効率よく流路11〜13に移送することができる。上記のような弾性体は、上記基体21を構成する材料よりも大きい弾性率を有するものであればよく、上記弾性体としては、例えばシリコーンゴムなどを用いることができる。なお、基体21の一部が弾性体であってもよいが、全体が弾性体であっても構わない。
また、本発明の液体移送装置の適用対象となるチップも上記第1〜第3実施形態のチップ10に限定されるものではない。必要に応じて、ウェルの数を増減したチップ、ウェルの位置及び大きさを変更したチップを用いることももちろん可能である。但し、その場合には、基体における第1貫通孔及び第2貫通孔の位置及び大きさを、そのチップに対応した位置及び大きさ、即ち、第2貫通孔を減圧しながら第1貫通孔を通してウェルを加圧できる位置及び大きさに設定する必要がある。
本発明の液体移送装置の実施形態で使用するチップの一例を示す斜視図である。 本発明の液体移送装置の一実施形態の概観を示す斜視図である。 図2の液体移送装置の全体を示す概略図である。 図2の液体移送装置を示す平面断面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 本発明の液体移送装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の液体移送装置の更に他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
10…チップ、10a…ウェル形成面(表面)、11〜13…流路、21…基体、21a…一面、22a〜22e…ガス流通管、23…加圧装置、24…減圧装置、25a…第2貫通孔、25b〜25e…第1貫通孔、26…凹部、26a…凹部の開口のうち基体の表面側の開口、27…環状領域、28…突出部、29…チップ位置決め部、31…チップ位置決め部、31a…一面、32…チップ収容体、33…蝶番、100,200,300…液体移送装置、W1〜W4…ウェル。

Claims (5)

  1. ウェルが表面側に形成され且つ前記ウェルに接続される流路を内部に有するチップを基体に密着させながら前記ウェルを加圧し、前記ウェル内に収容されている液体を前記流路に移送させる液体移送装置であって、
    前記基体が、前記ウェルに供給するガスを流通させる複数の第1貫通孔と、第2貫通孔とを有し、
    前記第1貫通孔にガスを供給して前記ウェルを加圧するガス供給手段と、
    前記第2貫通孔を減圧して前記チップを前記基体に吸着させる減圧手段と、
    を備え
    前記複数の第1貫通孔と、前記第2貫通孔との間の距離がすべて等しいことを特徴とする液体移送装置。
  2. 前記基体が、前記基体の表面側で且つ前記第1貫通孔の周囲に凹部を有し、前記第2貫通孔が前記凹部と連通し、前記第2貫通孔の前記凹部側の開口の面積よりも前記凹部の開口のうち前記基体の表面側の開口の面積が大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置。
  3. 前記基体が、前記凹部を囲む環状領域の周囲に前記環状領域より突出する突出部を更に有し、前記環状領域と前記突出部とにより、前記チップを位置決めするチップ位置決め部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体移送装置。
  4. 前記チップを位置決めするチップ位置決め部が一面側に形成されているチップ収容体と、
    前記チップ収容体と前記基体とを、前記基体の表面と前記チップの表面とが密着するように接続させることが可能な接続手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体移送装置。
  5. 前記基体の表面側の少なくとも一部が弾性体となっており、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔が前記弾性体を貫通していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体移送装置。
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