JP2015021906A - 測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置 - Google Patents

測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置 Download PDF

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宏光 八谷
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秀和 長峯
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Abstract

【課題】溶液として調整した後に失活しやすい酵素などの生物由来化合物を含む試薬などの劣化を防止し、測定手順の一部又は全部の自動化にも対応することができる測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置を提供する。
【解決手段】測定方法は、(a)入口及び出口を有する流路10、20、30の前記出口に連通する反応槽40に試料を注入する工程と、(b)前記流路において前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、前記入口と前記出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬R1、R2、R3を、溶解し且つ前記反応槽に移送する工程と、(c)前記(b)工程の後に、前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と、を有する構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、酵素などの生物由来化合物を含む試薬などを利用した測定方法、その測定用のカートリッジ、及びその測定方法を実施する測定装置に関するものである。
従来、医療、医薬品、臨床検査などの分野において、血液(全血、血清、血漿)、或いは透析液、注射液、輸液、医薬品又はその原料や原料水中のエンドトキシンを検出又は定量することが行われている。エンドトキシンは、血液中に所定量以上存在すると、発熱、ショック、多臓器不全などを引き起こす。そのため、血液中のエンドトキシンを検出又は定量してこれらの診断をすること、又は上記透析液やその原料水などに含まれるエンドトキシンを検出又は定量してエンドトキシンが体内に注入されることを未然に防ぐことは重要である。エンドトキシンを検出又は定量する方法としては、カブトガニの血球抽出液の成分であるリムルス反応系がエンドトキシンにより活性化されてゲル化するプロセスを利用したリムルステストがある(特許文献1)。そして、このリムルステストには、リムルス反応系の活性化の程度を測定する手法の異なる、発色合成基質法(比色法)、比濁時間分析法(比濁法)、生物化学発光法がある。
又、従来、医療、医薬品、臨床検査、食品産業などの分野において、βグルカンを検出又は定量することが行われている。例えば、深在性真菌症が疑われる患者に対する治療方法の選択や治療効果の判定などのために、βグルカンを検出又は定量することは重要である。βグルカンを検出又は定量する方法としては、上記エンドトキシンの検出又は定量と同様、発色合成基質法(比色法)、比濁時間分析法(比濁法)、生物化学発光法によるリムルステストがある(特許文献2)。
上述のエンドトキシン、βグルカンの検出又は定量(以下、単に「測定」ともいう。)方法のうち、特に、生物化学発光法を用いた方法は、他の方法と比較して、簡便、迅速、且つ、高感度であることから非常に有効な方法である。
国際公開第2009/063840号 特開2010−187634号公報
しかしながら、例えば従来の生物化学発光法によるエンドトキシン、βグルカンの測定の手順の一部又は全部を自動化しようとした場合などに、次のような改善すべき課題があることが分かった。
例えば、生物化学発光法によるエンドトキシンの測定では、先ず、試料と、試料中のエンドトキシンにより活性化されるリムルス反応系を含む第1の試薬(リムルス試薬)とをよく混和し、所定温度で所定時間インキュベートする。その後、試料中の測定対象成分によりリムルス反応系が活性化されることで発光基質(ルシフェリン)を遊離する発光合成基質を含む第2の試薬(発光合成基質含有試薬)を添加して混和し、所定温度で所定時間インキュベートする。その後、所定温度において、遊離された発光基質に作用して生物化学発光を生じさせる発光酵素(ルシフェラーゼ)を含む第3の試薬(発光酵素含有試薬)を添加して、所定時間経過後に反応液が発する光を検出する。通常、第1、第2、第3の試薬は、反応系に添加する前に溶液として調整しておき、ディスペンサなどを用いて反応系に正確に測り入れる。
ここで、一般に、バイオ分析に用いる試薬(酵素など)は、時間経過とともに失活するため、例えば1時間といった、比較的短い時間で使い切るようにする。不安定な(失活が早い)試薬ほど、測定開始時と時間経過後の測定結果の値は異なる。そのような試薬では、試薬が時間とともに失活するため、同一試料でも測定結果の指示値が異なることになる。
そして、例えば、上述の生物化学発光法によるエンドトキシンの測定のように、第1、第2、第3の試薬を順次に反応系に添加する場合、その手順の一部又は全部を自動化しようとすると、第1、第2、第3の試薬を予め溶液として調整してしまうと、いずれかの試薬が失活の影響を受け、上述のように同一試料でも測定結果が異なってしまうことがある。
例えば、単一の試料についての測定を自動化する場合を考えると、第3の試薬が反応系に添加されるまでの間に失活してしまうことが考えられる。又、複数の試料についての測定を自動化する際に、予め溶液として調整した第1、第2、第3の試薬から所定量ずつを分注して用いる場合を考えると、第3の試薬のみならず、第1の試薬についても、いずれかの試料に関する反応系に添加されるまでの間に失活してしまうことが考えられる。又、第2の試薬についても、反応系に添加されるまでの間の生じる劣化が測定結果に影響することがあり得る。
又、従来の方法では、装置や雰囲気と、試薬や試料との接触の機会が多いため、測定時の試薬や試料の汚染が問題となることがある。
以上では、エンドトキシンの測定の場合を例としたが、βグルカンの測定についても上述と同様の問題がある。
又、生物化学発光法を用いる場合だけではなく、比色法、比濁法を用いる場合においても、例えば複数の試料についての測定を自動化しようとする場合などに、上述と同様の問題が生じ得る。
更に、同様の問題は、エンドトキシン、βグルカンの測定に限らず、失活しやすい試薬を用いた測定の場合や、測定対象が雰囲気中に存在するような場合においては一般に生じ得る。例えば、従来、食品衛生、医療、医薬品、臨床検査、環境などの分野において、製品又はその原料や原料水中の微生物及び動物などの細胞数(生菌数)を測定することが行われている。そして、その細胞数を測定する方法として、ルシフェリンとルシフェラーゼによる生物化学発光反応を用いてATP(アデノシン三リン酸)を測定する生物化学発光法が利用される。又、生化学研究の分野などにおいて、試料中のATP自体を測定の目的とする場合にも、生物化学発光法によるATPの測定が行われる。例えば、これら細胞数(生菌数)の測定やATPの測定といった、酵素などの生物由来化合物を含む試薬を利用した測定では、一般に、複数の試料についての測定を自動化しようとする場合などに、上述と同様の問題が生じ得る。
従って、本発明の目的は、溶液として調整した後に失活しやすい酵素などの生物由来化合物を含む試薬などの劣化を防止し、測定手順の一部又は全部の自動化にも対応することができる測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置を提供することである。
本発明の他の目的は、測定時の試薬や試料の汚染の原因を低減することができる測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置にて達成される。要約すれば、本発明の代表的な構成は、(a)入口及び出口を有する流路の前記出口に連通する反応槽に試料を注入する工程と、(b)前記流路において前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、前記入口と前記出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬を、溶解し且つ前記反応槽に移送する工程と、(c)前記(b)工程の後に、前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と、を有することを特徴とする測定方法である。
又、本発明の他の代表的な構成は、(a)各々入口及び出口を有する複数の流路の各前記出口に連通する1つの反応槽に試料を注入する工程と、(b)前記複数の流路において各前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、各前記入口と各前記出口との間の各試薬配置部に配置されたそれぞれ異なる乾燥試薬を、溶解し且つ前記反応槽に移送する工程と、(c)前記(b)工程の後に、前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と、を有し、前記(b)工程は、各前記流路ごとに所定の時間差をおいて順次行うことを特徴とする測定方法である。
又、本発明によると、上記各本発明の測定方法に用いられるカートリッジが提供される。
更に、本発明によると、上記各本発明の測定方法に用いられる測定装置が提供される。
本発明によれば、溶液として調整した後に失活しやすい酵素などの生物由来化合物を含む試薬などの劣化を防止し、測定手順の一部又は全部の自動化にも対応することができる。又、本発明によれば、測定時の試薬や試料の汚染の原因を低減することができる。
生物化学発光法による測定の原理を示す説明図である。 生物化学発光法によるエンドトキシンの測定の原理を示す説明図である。 生物化学発光法によるβグルカンの測定の原理を示す説明図である。 本発明に従う測定の手順の概要を説明するための模式図である。 本発明の一実施例に係るカートリッジの(a)縦断面図(図5(b)中のA−A線断面図)、(b)平面図である。 本発明の一実施例に係る測定装置の正面図である。 本発明の一実施例に係る測定装置の側面図(図6中の矢印A方向から見た側面図)である。 本発明の一実施例に係る測定装置の部分拡大斜視図である。 本発明の一実施例に係る測定装置の要部の概略機能ブロック図である。 本発明の一実施例に係る測定装置を用いた測定手順の一例を説明するためのフローチャート図である。 比色法によるエンドトキシンの測定の原理を示す説明図である。 比濁法によるエンドトキシンの測定の原理を示す説明図である。 比色法によるβグルカンの測定の原理を示す説明図である。 比濁法によるβグルカンの測定の原理を示す説明図である。 生物化学発光法による微生物及び動物などの細胞数の測定の原理を示す説明図である。 本発明の他の適用例を説明するための模式図である。 本発明の他の適用例における検出手段の構成例を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る測定方法、測定用のカートリッジ及び測定装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.本発明に従う測定方法及び測定装置の概要
前述のように、酵素などの生物由来化合物を含む試薬を用いた測定を行う場合、試薬の失活の影響を受けやすい。
試薬の失活の影響を抑制するためには、常に調製直後の試薬を用いることが有効である。そこで、本発明によれば、入口及び出口を有する流路内に乾燥状態の試薬を配置し、上記入口側から、上記出口に連通して設けられた反応槽に向けて溶媒(水など)を流すことで、試薬を溶解し且つ反応槽に移送する。好ましくは、試薬は、流路の入口と出口との間の試薬配置部に凍結乾燥状態で配置する。又、所望により、反応槽にも試薬を配置することができ、この場合も、好ましくは、試薬は乾燥状態で配置する。試料は、典型的には、流路に溶媒を流す前に反応槽に注入する。斯かる構成により、失活しやすい酵素などの生物由来化合物を含む試薬を用いた測定においても、試薬が流路内で溶解されることで、常に調製直後の試薬を用いることができる。尚、試薬としては、一般に、生物由来化合物である核酸、ペプチド、蛋白質(酵素を含む)、糖鎖及びこれらの誘導体を挙げることができる。
又、溶媒は、上記試薬配置部よりも入口側の貯留部に一旦貯留させた後、入口から空気を流入させて押すことによって、流路内を反応槽に向けて流すようにすることが好ましい。斯かる構成により、比較的簡易で安価な構成でありながら、溶媒をより正確に測り入れて高精度の測定を可能としつつ、装置や雰囲気と試薬や試料との接触の機会を低減して、測定時の試薬や試料の汚染の原因を低減することができる。即ち、例えばシリンジポンプなどを用いた分注装置があるが、複数の試薬を分注する装置は比較的大型、高価になる。又、正確に試薬を分注するためには比較的複雑な機構が必要になる。そこで、シリンジポンプなどの複雑な機構の代わりに、空気を押し出す送気手段を用い、流路の貯留部に予め測り入れられ貯留された溶媒をその空気で押して流路内を流す。
又、特に、複数の流路に溶媒を流す場合、流路に溶媒を流す送液手段と各流路の各入口との相対位置を変更する移動手段を用い、各流路に順次に溶媒を流す。特に、送液手段が上記送気手段を有する場合、送気手段の空気出口と各流路の各入口との相対位置を変更する移動手段を用い、送気手段の空気出口を各流路の各入口に順次に接続する。ここで、複数の流路に溶媒を流す場合には、1つの試料に対する複数の試薬を順次に流す場合と、複数の試料に対する単数又は複数の試薬を順次に流す場合とがある。斯かる構成により、反応槽に試薬を添加するタイミングをより正確に制御することができ、反応槽における各反応の反応時間をより正確に制御することが可能となる。又、自動で複数の流路に溶媒を流すことができるので、1つの試料に対する複数の試薬の添加、或いは複数の試料に対する単数又は複数の試薬の添加を自動化して、測定時の試薬や試料の汚染の可能性を低減することができる。
又、上述の流路、反応槽、試薬を一体的に構成して測定装置の本体(装置本体)に着脱可能なカートリッジ(バイオチップ)とすることが好ましい。典型的には、カートリッジは、一度使用されると廃棄される。装置本体には、反応槽の収容物の光学特性(本実施例では発光量)を検出する検出手段(本実施例では発光検出手段)を設ける他、流路に溶媒を流す送液手段、送液手段やカートリッジを移動させる移動手段(電動アクチュエータなど)、各部を制御する制御手段などを設ける。
このように、本発明に従う測定方法は、一般には、(a)入口及び出口を有する流路の出口に連通する反応槽に試料を注入する工程と;(b)流路において入口側から反応槽に向けて溶媒を流し、入口と出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬を、溶解し且つ反応槽に移送する工程と;(c)上記(b)工程の後に、反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と;を有していればよい。又、好ましくは、少なくとも上記(b)工程よりも前に、入口を介して流路に溶媒を注入して、流路において試薬配置部よりも入口側に位置する貯留部に溶媒を貯留する工程を有し、上記(b)工程では、入口から空気を流入させることで、貯留部に貯留された溶媒を反応槽に向けて流す。
又、本発明に従うカートリッジは、一般には、入口及び出口を有する流路と;出口に連通する反応槽と;流路において入口と出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬と;を有し、流路において入口側から反応槽に向けて溶媒を流し、乾燥試薬を溶解し且つ反応槽に移送可能であるものであればよい。又、好ましくは、流路は、試薬配置部よりも入口側に位置する、入口を介して流路に注入された溶媒を貯留する貯留部を有する。
又、本発明に従う測定装置は、一般には、入口及び出口を有する流路と;出口に連通する反応槽と;流路において入口と出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬と;流路において、入口側から反応槽に向けて溶媒を流し、乾燥試薬を溶解し且つ反応槽に移送する送液手段と;反応槽に収容された液体の光学特性を検出する検出手段と;送液手段により流路に溶媒を流させると共に、流路に溶媒を流した後に検出手段により光学特性を検出させる制御手段と;を有するものであればよい。斯かる測定装置において、好ましくは、流路と、反応槽と、試薬と、を有するカートリッジが着脱可能とされる。又、好ましくは、流路は、試薬配置部よりも入口側に位置する、入口を介して流路に注入された溶媒を貯留する貯留部を有し、送液手段は、入口から空気を流入させることで貯留部に貯留された溶媒を反応槽に向けて流す送気手段を有する。
2.測定原理
本実施例では、本発明は、生物化学発光法を用いたエンドトキシン、βグルカンの測定方法に適用される。
2−1.生物化学発光法による測定
図1は、生物化学発光法による測定の原理を示す。同図中に反応式を示すように、ルシフェリンは、Mg2+(2価金属イオン)の存在下で、ルシフェラーゼの作用でATPと反応して、AMPとオキシルシフェリンとピロリン酸を生成する。その際に光が発生する。そして、過剰のルシフェラーゼ、ルシフェリンが存在すれば、発光量はATP量と相関する。
2−2.生物化学発光法によるエンドトキシンの測定
図2は、生物化学発光法によるエンドトキシンの測定の原理を示す。カブトガニの血球抽出液(LAL:Limulus Amebocyte Lysate)の成分であるリムルス反応系には、エンドトキシンによって開始される連鎖反応系であるC因子リムルス反応系が存在する。エンドトキシンは、リムルス反応系のC因子を活性化する。活性化された活性型C因子(図示せず)は、リムルス反応系のB因子を活性化する。活性化された活性型B因子(図示せず)は、リムルス反応系の凝固酵素前駆体(図示せず)を活性化し、凝固酵素を生成する。この生成した凝固酵素が、その基質であるリムルス反応系のコアギュローゲンを加水分解して凝固タンパク質であるコアギュリン(図示せず)を生成することで、リムルス反応系はゲル化する。
生物化学発光法によるエンドトキシンの測定は、上述のようなエンドトキシンによりリムルス反応系のC因子リムルス反応系が活性化されてゲル化するプロセスを利用する。即ち、エンドトキシンによりリムルス反応系が活性化されることで生成する凝固酵素の基質として、ルシフェリンを遊離する発光合成基質をリムルス反応系に添加する。これにより、エンドトキシンが存在する場合には、リムルス反応系の活性化により生成した凝固酵素により、発光合成基質から、生物化学発光反応の発光基質であるルシフェリンが遊離する。従って、この遊離したルシフェリンにルシフェラーゼを作用させて生物化学発光反応による発光量を測定することができる。そして、過剰のルシフェラーゼ、ATPが存在すれば、発光量は遊離されたルシフェリン量(リムルス反応系の活性化の程度)と相関するので、結果としてエンドトキシン量を測定することができる。
2−3.生物化学発光法によるβグルカンの測定
図3は、生物化学発光法によるβグルカンの測定の原理を示す。カブトガニの血球抽出液の成分であるリムルス反応系には、βグルカンによって開始される連鎖反応系であるG因子リムルス反応系が存在する。βグルカンは、リムルス反応系のG因子を活性化する。活性化された活性型G因子(図示せず)は、リムルス反応系の凝固酵素前駆体(図示せず)を活性化し、凝固酵素を生成する。この生成した凝固酵素が、その基質であるリムルス反応系のコアギュローゲンを加水分解して凝固タンパク質であるコアギュリン(図示せず)を生成することで、リムルス反応系がゲル化する。
生物化学発光法によるβグルカンの測定は、上述のようなβグルカンによりリムルス反応系のG因子リムルス反応系が活性化されてゲル化するプロセスを利用する。即ち、βグルカンによりリムルス反応系が活性化されることで生成する凝固酵素の基質として、ルシフェリンを遊離する発光合成基質をリムルス反応系に添加する。これにより、βグルカンが存在する場合には、リムルス反応系の活性化により生成した凝固酵素により、発光合成基質から、生物化学発光反応の発光基質であるルシフェリンが遊離する。従って、この遊離したルシフェリンにルシフェラーゼを作用させて生物化学発光反応による発光量を測定することができる。そして、過剰のルシフェラーゼ、ATPが存在すれば、発光量は遊離されたルシフェリン量(リムルス反応系の活性化の程度)と相関するので、結果としてβグルカン量を測定することができる。
2−4.本実施例における測定方法の手順の概要
次に、後述するカートリッジ、測定装置の構成の理解を容易とするために、本実施例における測定方法の手順の概要を説明する。
図4は、本実施例におけるエンドトキシンの測定の手順の一例の概要を模式的に示す。カートリッジ1は、第1、第2、第3の流路10、20、30を有する。又、カートリッジ1は、第1、第2、第3の流路10、20、30の各出口に連通した1つの反応槽40を有する。第1の流路10には、エンドトキシンにより活性化されるリムルス反応系を含む乾燥された第1の試薬(リムルス試薬)R1が配置されている。第2の流路20には、エンドトキシンによりリムルス反応系が活性化されることで発光基質を遊離する発光合成基質を含む乾燥された第2の試薬(発光合成基質含有試薬)R2が配置されている。第3の流路30には、発光基質に作用して生物化学発光反応を生じさせる発光酵素を含む乾燥された第3の試薬(発光酵素含有試薬)R3が配置されている。
測定時には、先ず、図4(a)に示すように、反応槽40に試料Sを注入する。又、第1、第2、第3の流路10、20、30の各入口を介して溶媒としての水Wを注入して、例えば各入口の直下にそれぞれ水Wを貯留する。
次に、図4(b)に示すように、カートリッジ1を移動させることで、第1の流路10の入口を送気手段の空気出口111の位置に配置すると共に、空気出口111を移動させることで、該入口に空気出口111を気密的に接続する。その後、空気出口111から空気を押し出し、上記貯留された水を反応槽40に向けて流し、第1の試薬R1を溶解し且つ反応槽40に移送する。好ましくは、その後、反応槽40に収容された液体の温度を所定温度に調整して所定時間保持する。
次に、図4(c)に示すように、カートリッジ1を移動させることで、第2の流路20の入口を送気手段の空気出口111の位置に配置すると共に、空気出口111を移動させることで、該入口に空気出口111を気密的に接続する。その後、空気出口111から空気を押し出し、上記貯留された水を反応槽40に向けて流して、第2の試薬R2を溶解し且つ反応槽40に移送する。好ましくは、その後、反応槽40に収容された液体の温度を所定温度に調整して所定時間保持する。
次に、図4(d)に示すように、カートリッジ1を移動させることで、第3の流路30の入口を送気手段の空気出口111の位置に配置すると共に、空気出口111を移動させることで、該入口に空気出口111を気密的に接続する。その後、空気出口111から空気を押し出し、上記貯留された水を反応槽40に向けて流して、第3の試薬R3を溶解し且つ反応槽40に移送する。そして、例えば反応槽40に第3の試薬R3を移送した後、所定時間後に、反応槽40に収容された液体(反応液)が発する光を発光検出手段の検出部121により検出する。その後、予め求められたエンドトキシン濃度と発光量の検出値との関係を示す検量線を用いて、発光量の検出値からエンドトキシン濃度を求めることができる。
図4には、エンドトキシンの測定の場合について示したが、βグルカンの測定も概略同様にして行うことができる。この場合、第1の流路10には、βグルカンにより活性化されるリムルス反応系を含む乾燥された第1の試薬R1が配置される。
3.カートリッジ
次に、本実施例におけるカートリッジ1について更に詳しく説明する。尚、以下の説明において、カートリッジ1に関して上下とは、使用時における上下をいうものとする。
図5(a)はカートリッジ1の縦断面図(図5(b)中のA−A線断面図)であり、図5(b)はカートリッジ1の平面図である。
カートリッジ1は、ボディー2を有する。本実施例では、ボディー2は、第1部分3と第2部分4とを互いに連結することで形成されている。第1部分3は、使用時に略水平に配置される主平面(上面3aで代表される)を有する一方向に長い略平板状部材である。本実施例では、第1部分3は、断面視及び平面視が略矩形である。第2部分4は、第1部分3に対して略L字形の断面を形成するように連結される一方向に長い略角柱状部材である。第2部分4の上面4a側且つ第1部分3が連結される側の縁部は、第2部分4の長手方向の全域にわたり、略第1部分3の厚さ分が切り欠かれており、段部4eが形成されている。この段部4eに、第1部分3の長手方向の一方の端部側の側面3dから所定範囲が載置されるようにして、第1部分3は第2部分4に連結される。これにより、第2部分4の底面4b側の所定範囲の突出部4fが第1部分3の底面3bよりも下方に突出した、断面視略L字形のカートリッジ1が形成されている。
第1部分3と第2部分4とは、締結、接着、溶着、スナップフィットなどの任意の固定手段により固定することができる。本実施例では、第2部分4の第1部分3が連結される側とは反対側の側面4dから段部4e側に貫通するネジ5によって、第2部分4と、段部4e上に載置された第1部分3とを締結して固定した。ネジ5は、第2部分4の長手方向の両端部近傍にそれぞれ設けた。
ボディー2(第1部分3及び第2部分4)は、それに接触する試薬、試料、溶媒などに適合する任意の材料で形成することができるが、製造が容易であることなどから、好ましくは合成樹脂で形成する。合成樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどを用いることができる。本実施例では、合成樹脂として無色透明のアクリル樹脂を用いた。
カートリッジ1は、第1の入口11及び第1の出口12を有する第1の流路10と、第2の入口21及び第2の出口22を有する第2の流路20と、第3の入口31及び第3の出口32を有する第3の流路30と、を有する。本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30は、それぞれ第1部分3の主平面3aに沿って延在する横断部10a、20a、30aを有する。又、本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30は、それぞれ横断部10a、20a、30aの上方に向けて第1部分3の主平面3aに対して略直交する方向に沿って延在する導入部10b、20b、30bを有する。横断部10a、20a、30b及び導入部10b、20b、30bは、その延長方向(軸線)と略直交する方向の断面が一様な略円形状の穴で形成されている。
第1、第2、第3の流路10、20、30の一方の端部である第1、第2、第3の入口11、21、31は、それぞれ第1部分3の長手方向における第2部分4に連結される側とは反対側の側面3cに隣接して、第1部分3の上面3aに開口している。この第1、第2、第3の入口11、21、31から横断部10a、20a、30aまで、それぞれ導入部10b、20b、30bが連続している。第1、第2、第3の流路10、20、30の他方の端部である第1、第2、第3の出口12、22、32は、第1部分3の長手方向の他方の側面3dに開口している。第1、第2、第3の入口11、21、31は、カートリッジ1の使用時まで取り外し可能な封鎖手段により封鎖することができる。この封鎖のためには、シール部材を接着や溶着によって取り外し可能に固定するなどの任意の封鎖手段を用いることができる。例えば、合成樹脂製のシート部材81を取り外し可能に接着することで封鎖することができる。
又、カートリッジ1は、第1、第2、第3の出口12、22、32に連通する1つの反応槽40を有する。本実施例では、反応槽40は、第2部分4の長手方向の略中央において、第2部分4の上面4aから底面4bに向けて形成された略円柱状の穴で形成されている。反応槽40の、第2部分4の上面4a側且つ段部4e側の一部は、段部4eが設けられることで切り欠かれている。又、この段部4eに第1部分3が配置されることで、段部4eに位置する反応槽40の開口は、第1部分3の底面3bで閉鎖される。そして、第2部分4の上面4aにおいて反応槽40は円弧状に開口している。本実施例では、この開口部が、反応槽40に収容された液体が発する光を検出するための光透過部40aとなる。第1部分3の長手方向における第2部分4に連結される側の側面3dに開口している第1、第2、第3の出口12、22、32は、第1部分3の底面3bで閉鎖された反応槽40の開口の上部において、反応槽40と連通している。第2部分4の上面4aに開口した光透過部40aは、カートリッジ1の使用時まで取り外し可能な封鎖手段により封鎖することができる。この封鎖のためには、シール部材を接着や溶着によって取り外し可能に固定するなどの任意の封鎖手段を用いることができる。例えば、合成樹脂製のシート部材82を取り外し可能に接着することで封鎖することができる。
又、第1の流路10において第1の入口11と第1の出口12との間の第1の試薬配置部13に、測定対象成分により活性化されるリムルス反応系を含む乾燥された第1の試薬(リムルス試薬)R1が配置される。又、第2の流路20において第2の入口21と第2の出口22との間の第2の試薬配置部23に、測定対象成分によりリムルス反応系が活性化されることで発光基質を遊離する発光合成基質を含む乾燥された第2の試薬(発光合成基質含有試薬)R2が配置される。又、第3の流路30において第3の入口31と第3の出口32との間の第3の試薬配置部33に、発光基質に作用して生物化学発光反応を生じさせる発光酵素を含む乾燥された第3の試薬(発光酵素含有試薬)R3が配置される。第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3及びその配置方法の詳細については後述する。
又、本実施例では、第1の流路10は、第1の試薬配置部13よりも第1の入口11側に位置する、第1の入口11を介して第1の流路10に注入された溶媒を貯留する第1の貯留部14を有する。又、第2の流路20は、第2の試薬配置部23よりも第2の入口21側に位置する、第2の入口21を介して第2の流路20に注入された溶媒を貯留する第2の貯留部24を有する。又、第3の流路30は、第3の試薬配置部33よりも第3の入口31側に位置する、第3の入口31を介して第3の流路30に注入された溶媒を貯留する第3の貯留部34を有する。本実施例では、導入部10b、20b、30bと横断部10a、20a、30aとの接続部、即ち、第1、第2、第3の入口11、21、31の直下が、第1、第2、第3の貯留部14、24、34となる。
又、本実施例では、カートリッジ1は、第1の流路10に連通する第1の試薬投入路50と、第2の流路20に連通する第2の試薬投入路60と、第3の流路30に連通する第3の試薬投入路70と、を有する。本実施例では、第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70は、それぞれ第1、第2、第3の流路10、20、30の横断部10a、20a、30aの上方に向けて第1部分3の主平面3aに対して略直交する方向に沿って延在する。第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70は、その延長方向(軸線方向)と略直交する方向の断面が一様な略円形状の穴で形成されている。第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70の一方の端部である第1、第2、第3の試薬投入口51、61、71は、それぞれ第1部分3の上面3aに開口している。この第1、第2、第3の試薬投入口51、61、71から横断部10a、20a、30aまでそれぞれ第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70が連続している。そして、第1の試薬配置部13は、第1の流路10と第1の試薬投入路50との接続部、即ち、第1の試薬投入口51の直下を含む。又、第2の試薬配置部23は、第2の流路20と第2の試薬投入路60との接続部、即ち、第2の試薬投入口61の直下を含む。又、第3の試薬配置部33は、第3の流路30と第3の試薬投入路70との接続部、即ち、第3の試薬投入口71の直下を含む。第1、第2、第3の試薬投入口51、61、71は、それぞれ詳しくは後述するようにして第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3が乾燥状態で第1、第2、第3の試薬配置部13、23、33に配置された後に封鎖することができる。この封鎖のためには、シール部材を接着や溶着によって固定したり、樹脂を封入したりする任意の封鎖手段を用いることができる。例えば、合成樹脂製のシート部材83を接着することで封鎖することができる。
本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30の横断部10a、20a、30aは、第1、第2、第3の出口12、22、32側の延長線上の中心に関して放射状に形成されている。特に、本実施例では、第2の流路20の横断部20aは第1部分3の長手方向と略平行に配置され、第1、第2、第3の流路10、20、30のうち隣り合うものの軸線間の角度は約10度とされている。しかし、これに限定されるものではなく、上記角度は他の値であってもよいし、或いは第1、第2、第3の流路10、20、30の横断部10a、20a、30aは略平行であってもよい。
又、本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30(横断部及び導入部)は、断面形状が円形とされている。しかし、これに限定されるものではなく、溶媒の意図しない流動を防止すること、乾燥状態の試薬を所定位置に安定して配置することなどの観点から、断面形状や寸法を適宜設定することができる。一般に、上記各観点及び加工性の良さなどから、断面形状は円形が好ましい。
又、本実施例では、反応槽40は、第1、第2、第3の出口12、22、32より下方における、使用時に液体を収容する部分は、断面形状が円形とされている。尚、本実施例では、反応槽40の光透過部(開口部)40aは、上記円形の第1部分3側の一部が切り欠かれた円弧状とされている。しかし、これに限定されるものではなく、最終的に反応槽に収容される液体の容量(即ち、試料、及び試薬を溶解した溶媒)の量や、発光検出手段の検出部の特性などの観点から、断面形状や寸法を適宜設定することができる。一般に、上記各観点及び加工性の良さなどから、使用時に液体を収容する部分は、断面形状は円形が好ましい。
又、本実施例では、第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70は、断面形状が円形とされている。しかし、これに限定されるものではなく、乾燥状態の試薬を所定位置に配置する操作を良好に行えるように、断面形状や寸法を適宜設定することができる。一般に、上記観点及び加工性の良さなどから、断面形状は円形が好ましい。
又、本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30の横断部10a、20a、30aと導入部10b、20b、30bとの接続部の底部側の角部10c、20c、30c(図5(a)に第2の流路20の角部20cのみ図示)には、Rが付けられている。これにより、第1、第2、第3の入口11、21、31からの空気の流動がより円滑に行われる。
又、本実施例では、第1、第2、第3の流路10、20、30の第1、第2、第3の入口11、21、31側の縁部10d、20d、30d(図5(a)に第2の流路20の縁部20dのみ図示)には、これら入口11、21、31に向けて拡径されたテーパが設けられている。これにより、第1、第2、第3の流路10、20、30に溶媒を注入しやすくなっている。同様に、本実施例では、第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70の第1、第2、第3の試薬投入口51、61、71側の縁部50a、60a、70a(図5(a)に第2の流路20の縁部60aのみ図示)には、これら試薬投入口51、61、71に向けて拡径されたテーパが設けられている。これにより、第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70に試薬を注入しやすくなっている。
又、本実施例では、反応槽40の底部40bは、上方に向けて拡径されたテーパが設けられている。これにより、第1、第2、第3の出口12、22、32から吐出された液体が、反応槽40内においてより確実に混合されるようになっている。
第1の試薬(リムルス試薬)R1としては、従来リムルステストに使用されているカブトガニ血球抽出液の成分を好適に用いることができる。測定対象成分がエンドトキシンの場合、リムルス試薬は、少なくともリムルス反応系のうちエンドトキシンにより活性化されるC因子リムルス反応系であって、発光合成基質からルシフェリンを遊離させる成分(活性型C因子、活性型B因子又は凝固酵素)を生成するものであればよい。例えば、エンドトキシン測定用のリムルス試薬(LAL試薬)或いはエンドトキシン測定用キットとして市販されているリムルス試薬を好適に用いることができる。又、リムルス試薬の成分は、天然のものであってもよいが、その一部又は全部が合成されたもの又は組換え遺伝子由来のものであってもよい。又、測定対象成分がβグルカンの場合、リムルス試薬は、少なくともリムルス反応系のうちβグルカンにより活性化されるG因子リムルス反応系であって、発光合成基質からルシフェリンを遊離させる成分(活性型G因子又は凝固酵素)を生成するものであればよい。例えば、βグルカン測定用のリムルス試薬或いはβグルカン測定用キットとして市販されているリムルス試薬を好適に用いることができる。又、リムルス試薬の成分は、天然のものであってもよいが、その一部又は全部が合成されたもの又は組換え遺伝子由来のものであってもよい。
又、第2の試薬(発光合成基質含有試薬)R2の発光合成基質としては、ペプチドに生物化学発光反応の発光基質であるルシフェリンが結合されており、リムルス反応系が活性化されることで、その結合されているルシフェリンを遊離させるものであれば好適に用いることができる。上記ペプチドに結合されているルシフェリンとしては、図2に化学式を示すアミノルシフェリンを好適に用いることができる。この場合、上記ペプチドのアミノ酸のカルボキシル基とアミノルシフェリンのアミノ基がアミド結合を形成することができる。上記ペプチドは、C末端におけるルシフェリンとの結合が、リムルス反応系が活性化されることで切断されるアミノ酸配列から成るものであればよい。測定対象成分がエンドトキシンの場合、リムルス反応系が活性化されることで発光合成基質からルシフェリンを遊離させる成分としては、いずれもプロテアーゼ活性を有する活性型C因子、活性型B因子又は凝固酵素が挙げられる。この場合、上記ペプチドは、活性型C因子、活性型B因子又は凝固酵素の認識配列を有するものを用いることができる。これらの認識配列を有する上記ペプチドの例は、特許文献1に記載されている。測定対象成分がβグルカンの場合、リムルス反応系が活性化されることで発光合成基質からルシフェリンを遊離させる成分としては、いずれもプロテアーゼ活性を有する活性型G因子又は凝固酵素が挙げられる。この場合、上記ペプチドは、活性型G因子又は凝固酵素の認識配列を有するものを用いることができる。これらの認識配列を有する上記ペプチドの例は、特許文献2に記載されている。又、上記ペプチドのN末端は、斯界にて一般に用いられる任意適宜の保護基で保護されていてよい。例えば、発光合成基質としては、測定対象成分がエンドトキシン又はβグルカンのいずれの場合にも、上記ペプチドとして凝固酵素の認識配列を有し、ルシフェリンとしてアミノルシフェリンが結合されたものである「ベンゾイル−Leu−Gly−Arg−ルシフェリン」を好適に用いることができる(図2、図3)。この場合、エンドトキシン又はβグルカンによってリムルス反応系が活性化されて凝固酵素が生成されると、この凝固酵素は上記「ベンゾイル−Leu−Gly−Arg−ルシフェリン」のArgとルシフェリン(より詳細にはアミノルシフェリン)との間の結合を切断する。これにより、ルシフェリン(より詳細にはアミノルシフェリン)が遊離する。本発明にて用い得る発光合成基質は、特許文献1又は2に記載の方法により合成することができ、又市場にて入手することができる。
又、第3の試薬(発光酵素含有試薬)R3の、生物化学発光反応を触媒する発光タンパク質(発光酵素)であるルシフェラーゼとしては、甲虫由来のルシフェラーゼを好適に用いることができる。甲虫由来のルシフェラーゼとしては、北米ホタル、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ツチボタル、ヒメボタル、マドボタル、オバボタル、光コメツキムシ、鉄道虫などの甲虫由来のルシフェラーゼを好適に用いることができる。尚、ルシフェラーゼは、天然タンパク質であっても、組換えタンパク質であってもよく、各種のものが市場で入手可能である。又、ルシフェラーゼは野生型のアミノ酸配列を有するものであっても、野生型のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有する変異型ルシフェラーゼであってもよい。変異型ルシフェラーゼとしては、発光強度が増大するように改変された変異型ルシフェラーゼを好適に用いることができる。発光強度が増大するように改変された変異型ルシフェラーゼを用いることにより、より高感度、高精度の測定が可能となる。このような変異型ルシフェラーゼの例は、特許文献2又は3に記載されている。例えば、変異型ルシフェラーゼとしては、北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシンがロイシンに、530位のロイシンがアルギニンに置換され、更に、47位のイソロイシンがスレオニンに、50位のアスパラギンがセリンに、59位のメチオニンがスレオニンに、252位のスレオニンがセリンに置換されたアミノ酸配列からなるものを用いることができる。この変異型ルシフェラーゼは、野生型ルシフェラーゼに比べて生物化学発光反応における発光強度を増大させることができ、より高感度、高精度の測定を可能とし得ることが確認されている(特許文献1)。第3の試薬R3には、この他、ATPと、2価金属イオン(Mg2+など)が含まれる。
第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3は、それぞれの成分を反応時に適当な量で含む溶液として一旦調製される。その後、その溶解状態の第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3を、第1、第2、第3の試薬投入路50、60、70の第1、第2、第3の試薬投入口51、61、71を介して、第1、第2、第3の流路10、20、30に注入して、第1、第2、第3の試薬配置部13、23、33に貯留する。その後、その溶解状態の第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3を乾燥させる。このとき、第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3をカートリッジ1の使用時に溶媒で溶解した際に十分の活性が得られるような条件で乾燥させる。好ましくは、公知の方法に従って凍結乾燥により乾燥させる。こうして、乾燥状態の第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3を、第1、第2、第3の試薬配置部13、23、33に配置することができる。尚、前述のように、反応槽40にも試薬を配置しておくことができ、この場合も、例えば上記同様にして乾燥させた乾燥状態の試薬を反応槽40に配置することができる。
エンドトキシンの測定のためのカートリッジ1における第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3は、それぞれ溶媒としての水で溶解され且つ反応槽40に移送される。各成分の濃度などの条件は、適宜設定し得るものである。
又、βグルカンの測定のためのカートリッジにおける第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3は、それぞれ溶媒としての水で溶解され且つ反応槽40に移送される。各成分の濃度などの条件は、適宜設定し得るものである。
尚、カートリッジ1の使用時に第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3を溶解し且つ反応槽40に移送するのに使用される溶媒は、典型的には水である。水は、所望の測定精度に応じて、少なくとも測定結果に影響を与える量の測定対象成分を含んでいないことが必要である。水としては、常水、精製水、滅菌精製水、滅菌水、注射用水(注射用蒸留水)、純水、超純水、逆浸透水を用いることができる。注射用水(注射用蒸留水)、逆浸透水を用いることが好ましい。尚、所望により、溶媒として、所定の緩衝作用物を含有する緩衝液などその他の水系溶媒を用いてもよい。又、所望により、非水系の溶媒を用いることもできる。
又、試料は、例えば、注射剤、輸液又は透析液などの薬剤溶液(医薬品)、水(常水、精製水、滅菌精製水、滅菌水、注射用水(注射用蒸留水)、純水、超純水、逆浸透水)、医療用具や医療機器からの採取物、クリーンルームからの採取物、血液(全血、血清、血漿)又は尿などの生体試料(臨床試料)などである。
これら試薬を用いた生物化学発光法によるエンドトキシン、βグルカンの測定では、一般に、試料を含む反応系にリムルス試薬を添加して、37℃で5分〜60分間程度加温する。その後、反応系に発光合成基質を添加して、37℃で1分〜30分間程度加温する。その後、反応系に過剰のルシフェラーゼ、ATP、Mg2+(2価金属イオン)を添加する。そして、生物化学発光反応により発生する光を発光検出器で測定する。生物化学発光反応により発生する光の測定は、例えば、室温(25℃)で反応を行い、ルシフェラーゼ、2価金属イオンを添加してから所定時間後の受光素子の出力を測定したり、所定時間にわたる受光素子の出力の積算値を測定したりすることができる。
4.測定装置
図6は、本実施例における測定装置100の正面図である。又、図7は、本実施例における測定装置100を図6中の矢印Aで示す方向から見た側面図である。又、図8は、本実施例における測定装置100の部分拡大斜視図である。又、図9は、本実施例における測定装置100の要部の概略機能ブロック図である。尚、以下の説明において、測定装置100に関して上下とは、使用時における上下をいうものとする。
本実施例の測定装置100は、装置本体101に対して上述の本実施例におけるカートリッジ1が着脱可能とされている。本実施例では、装置本体101に対して1度に2個のカートリッジ1を装着することができる。
装置本体101には、第1、第2、第3の流路10、20、30において、それぞれ第1、第2、第3の入口11、21、31側から反応槽40に向けて溶媒を流し、第1、第2、第3の試薬R1、R2、R3を、溶解し且つ反応槽40に移送する送液手段が設けられている。本実施例では、送液手段は、第1、第2、第3の入口11、21、31から空気を流入させることで第1、第2、第3の貯留部14、24、34に貯留された溶媒をそれぞれ反応槽40に向けて流す、送気手段としての送気機構110を有する。送気機構110は、空気出口111を備えた送気部112と、送気部112に向けて空気を押し出すポンプ部113と、送気部112とポンプ部113との間を空気の流通が可能なように連結するチューブ114と、を有する。送気部112の空気出口111の周囲には、カートリッジ1の第1、第2、第3の入口11、21、31と同等又はそれよりも大きい内径を有する、可撓性の吸盤状部材で形成されたノズル111aが設けられている。これにより、後述するように送気部112の空気出口111を第1、第2、第3の入口11、21、31と接続する際に、ノズル111aが第1、第2、第3の入口11、21、31の周囲に気密的に接触して、第1、第2、第3の流路10、20、30に効率よく空気を流入させることができる。
又、装置本体101には、反応槽40に収容された液体が発する光を検出する発光検出手段としての発光検出器120が設けられている。本実施例では、発光検出器120は、光電子増倍管とされる検出部121、検出部121の出力電流を電圧に変換するアンプ122、アンプ122の出力電圧をデジタルデータに変換するA/D変換器123などを有する。
又、装置本体101には、装置本体101の各部の動作を統括的に制御する制御手段としての制御回路102が設けられている。制御回路102は、演算制御部としてのCPU、記憶部としてのRAM、ROMなどを有する。CPUは、ROM、RAMに記憶されたプログラム、データなどに従って装置本体101の各部の動作を制御する。特に、制御回路102は、送液手段としての送気機構110によりカートリッジ1の第1、第2、第3の流路10、20、30にこの順番で順次に溶媒を流させると共に、第3の流路30に溶媒を流した後に発光検出手段としての発光検出器120により光を検出させる。これは、本実施例では、制御回路102によって、送気機構110、発光検出器120、並びに、後述する送気部搬送部130、カートリッジ搬送部140及びシャッター150などを制御することによって実現される。又、制御回路102には、発光検出器120において検出部121が検出した光量に応じてA/D変換機123から出力されるデータが入力される。制御回路102は、そのデータから測定対象成分の濃度など所望の測定値を求めることができる。或いは、制御回路102は、制御回路102に対して通信可能に接続された外部機器(パーソナルコンピュータなど)200にそのデータを送信する。外部機器は、そのデータに応じて測定対象成分の濃度などの所望の測定値を求めることができる。更に、制御回路102は、後述するヒータ160を制御して、カートリッジ1の反応槽40に収容された液体の温度を所定温度に調整することを可能とする。
又、装置本体101には、上述のように送気機構110により第1、第2、第3の流路10、20、30に順次に溶媒を流させるために、送気機構110の送気部112を移動させる電動アクチュエータで構成された送気部搬送部130と、カートリッジ1を移動させる電動アクチュエータで構成されたカートリッジ搬送部140と、が設けられている。送気部搬送部130は、第1、第2、第3の入口11、21、31を含む第1部分3の上面(第1の平面)3aと略直交する方向に沿って空気出口111と第1、第2、第3の入口11、21、31との相対位置を変更する第1の移動手段を構成する。又、カートリッジ搬送部140は、上記第1の平面3aに沿って空気出口111と第1、第2、第3の入口11、21、31との相対位置を変更する第2の移動手段を構成する。制御回路102は、これら第1、第2の移動手段により、空気出口111を第1、第2、第3の入口11、21、31にこの順番で順次に接続させる。
更に説明すると、送気部搬送部130は、装置本体101のベース103に固定されたハウジング131、ハウジング131の外部に一部が露出したスライダ132、ハウジング131の外部でスライダ132に固定され送気部112を支持する送気部支持部133、ハウジング131の内部でスライダ132のボールナットと係合するボールネジが形成された駆動軸134、駆動軸134を回転させる本実施例ではパルスモータとされる駆動源135などを有する。ハウジング131は、駆動軸134の軸線方向がベース103の主平面(上面103aで代表される)と略直交する方向となるように、ベース103に固定されている。これにより、スライダ132、送気部支持部133及び送気部112は、一体的にベース103の主平面103aと略直交する方向に沿って移動可能である。又、後述するようにカートリッジ1の第1部分3の主平面(上面3aで代表される)は、ベース103の主平面103aと略平行に配置される。そのため、スライダ132、送気部支持部133及び送気部112は、一体的にカートリッジ1の主平面3aに対して略直交する方向に沿って移動可能である。尚、本実施例では、測定装置100の使用時に、ベース103の主平面は、実質的に水平に配置されることが意図されている。
又、カートリッジ搬送部140は、装置本体101のベース103に固定されたハウジング141、ハウジング141の外部に一部が露出したスライダ142、ハウジング141の外部でスライダ142に固定されカートリッジ1を支持するカートリッジ支持部143、ハウジング141の内部でスライダ142のボールナットと係合するボールネジが形成された駆動軸144、駆動軸144を回転させる本実施例ではパルスモータとされる駆動源145などを有する。ハウジング141は、駆動軸144の軸線方向がベース103の主平面103aと略平行な方向となるように、ベース103に固定されている。これにより、スライダ142、カートリッジ支持部143及びカートリッジ1は、一体的にベース103の主平面103aと略平行な方向に沿って移動可能である。カートリッジ支持部143の上面143aは、ベース103の主平面と略平行であり、その上にカートリッジ1を載置することで、カートリッジ1の第1部分3の主平面3aがベース103の主平面103aと略平行となる。そのため、スライダ142、カートリッジ支持部143及びカートリッジ1は、一体的に上記送気部112の移動方向に対して略直交する方向に沿って移動可能である。
図8に示すように、カートリッジ支持部142の上面143aには、その移動方向に沿って延在する2個の凹部143bが形成されている。凹部143bは、カートリッジ支持部143の移動方向と略直交する方向の一端部近傍に形成されている。この凹部143bは、カートリッジ1の第2部分4における、第1部分3より下方に突出した突出部4fに適合する形状に形成されている。カートリッジ1をカートリッジ支持部143に装着する際には、カートリッジ1の上記突出部4fをカートリッジ支持部143の凹部143bに嵌合させる。これにより、カートリッジ1を正しい向きでカートリッジ支持部143上に装着することができる。このようにカートリッジ1を正しい向きでカートリッジ支持部143上に装着した状態で、送気部112の空気出口111の移動方向とカートリッジ1上の第1、第2、第3の入口11、21、31の移動方向とが交差する。又、この状態で反応槽40の光透過部40aの移動方向が発光検出器120の検出部121の検出位置を通過する。特に、本実施例では、発光検出器120の検出部121は、カートリッジ1が、その第3の入口31に送気部112の空気出口111が接続し得る位置にあるときに、反応槽40の収容物の発光を検出できる位置に配置されている。これにより、第3の試薬R3を反応槽40に移送した後に、カートリッジ1を移動させることなく、直ちに発光を検出することが可能となる。
本実施例では、カートリッジ1を装着する際には、図6に示すようにカートリッジ搬送部140のカートリッジ支持部143を、カートリッジ搬送部140の駆動源145側に配置させる。そして、測定を開始する際には、カートリッジ支持部143を、一旦カートリッジ搬送部140の駆動源145とは反対側の端部まで移動させる。その後、所定のタイミングで、駆動源145側のカートリッジ1の第1の入口11から順次に、各流路の入口を送気部112の空気出口111の位置に配置させるように、カートリッジ支持部143を駆動源145側に移動させる。各流路の入口に送気部112の空気出口111を接続させる際には、送気部搬送部130の送気部支持部133をカートリッジ1側(即ち、駆動源135とは反対側)に移動させる。そして、少なくともカートリッジ搬送部140のカートリッジ支持部143を移動させる際には、送気部搬送部130の送気部支持部133をカートリッジ1から離間する方向(即ち、駆動源135側)に移動させる。
尚、本実施例では、装置本体101には、発光検出器120の検出部121を開放又は遮蔽するシャッター150が設けられており、検出部121により発光を検出する際にシャッター150が開放され、検出していない際にはシャッター150は閉じられる。
又、装置本体101には、カートリッジ1の反応槽40に収容された液体の温度を調整する温度調整手段が設けられている。本実施例では、カートリッジ支持部143の凹部143bの底部に隣接するようにして、温度調整手段としてのヒータ160がカートリッジ支持部143に内蔵されている。
又、本実施例では、測定装置100には、装置本体101の全体を覆う遮光ケース(図示せず)が設けられている。この遮光ケースは開閉可能とされており、カートリッジ1を装着するなどの操作時には開放され、測定を開始する際に閉じられる。
次に、本実施例における測定装置100を用いた測定手順の一例について説明する。図10は、本実施例の測定装置100を用いた測定手順の一例のフローチャートである。ここでは、1個のカートリッジ1を用いて試料中のエンドトキシンの測定を行う場合を例として説明する。
測定時には、先ず、カートリッジ1の反応槽40の光透過部(開口部)40aを介して、ディスペンサ(マイクロピペット)などにより反応槽40に試料Sを注入する(S101)。この際に、反応槽40の光透過部40aが封鎖手段で封鎖されている場合にはこれを除去する。又、カートリッジ1の第1、第2、第3の入口11、21、31を介して、ディスペンサ(マイクロピペット)などにより第1、第2、第3の流路10、20、30に溶媒としての水を注入して、第1、第2、第3の入口11、21、31の直下の第1、第2、第3の貯留部14、24、34にそれぞれ水を貯留する(S102)。この際に、第1、第2、第3の入口11、21、31が封鎖手段で封鎖されている場合にはこれを除去する。次に、カートリッジ1を、カートリッジ搬送部140のカートリッジ支持部143に装着する(S103)。
その後、例えば外部機器(パーソナルコンピュータなど)から測定装置100の制御回路102に測定開始指示が入力されると、制御回路102は、カートリッジ搬送部130によりカートリッジ1を移動させることで、カートリッジ1の第1の入口11を送気部112の空気出口111の位置に配置させる(S104)。次に、制御回路102は、送気部搬送部130により送気部112の空気出口111を移動させることで、第1の入口11に空気出口111を気密的に接続する(S105)。その後、制御回路102は、送気機構110において空気出口111から空気を押し出させ、第1の入口11から空気を流入させる(S106)。これにより、第1の貯留部14に貯留された水が反応槽40に向けて流され、第1の試薬配置部13に配置された第1の試薬R1が溶解され且つ反応槽40に移送される。尚、制御回路102は、送気の終了後に、送気部搬送部130により送気部112の空気出口111を第1の入口11から離間させる。その後、制御回路102は、ヒータ160により反応槽40内の液体を37℃に加温した状態で20分間維持させる(S107)。
その後、制御回路102は、カートリッジ搬送部130によりカートリッジ1を移動させることで、カートリッジ1の第2の入口21を送気部112の空気出口111の位置に配置させる(S108)。次に、制御回路102は、送気部搬送部130により送気部112の空気出口111を移動させることで、第2の入口21に空気出口111を気密的に接続する(S109)。その後、制御回路102は、送気機構110において空気出口111から空気を押し出させ、第2の入口21から空気を流入させる(S110)。これにより、第2の貯留部24に貯留された水が反応槽40に向けて流され、第2の試薬配置部23に配置された第2の試薬R2が溶解され且つ反応槽40に移送される。尚、制御回路102は、送気の終了後に、送気搬送部130により送気部112の空気出口111を第2の入口21から離間させる。その後、制御回路102は、ヒータ160により反応槽40内の液体を37℃に加温した状態で5分間維持させる(S111)。
その後、制御回路102は、カートリッジ搬送部130によりカートリッジ1を移動させることで、カートリッジ1の第3の入口31を送気部112の空気出口111の位置に配置させる(S112)。次に、制御回路102は、送気部搬送部130により送気部112の空気出口111を移動させることで、第3の入口31に空気出口111を気密的に接続する(S113)。その後、制御回路102は、送気機構110において空気出口111から空気を押し出させ、第3の入口31から空気を流入させる(S114)。これにより、第3の貯留部34に貯留された水が反応槽40に向けて流され、第3の試薬配置部33に配置された第3の試薬R3が溶解され且つ反応槽40に移送される。尚、制御回路102は、送気の終了後に、送気搬送部130により送気部112の空気出口111を第3の入口31から離間させる。又、このとき反応槽40の光透過部(開口部)40aに対して発光検出器120の検出部121が対向している。
その後、制御回路102は、シャッター150を開放し、発光検出器120により反応槽40に収容された液体(反応液)が発する光を検出させる(S115)。発光検出器120で発光を検出している際には、制御回路102は、ヒータ160により反応槽40内の液体を25℃に維持する。尚、第3の試薬R3を反応槽40に移送する前に、反応槽40内の液体を25℃にするようにしてもよい。
その後、例えば制御回路102によって発光量の検出値を示すデータを外部機器に送り、外部機器において、予め求められたエンドトキシン濃度と発光量の検出値との関係を示す検量線を用いて、発光量の検出値からエンドトキシン濃度を求めることができる(S116)。
ここでは、エンドトキシンの測定の場合について示したが、βグルカンの測定も概略同様にして行うことができる。
以上、本実施例によれば、生物化学発光を利用した試料中のエンドトキシン又はβグルカンの測定において、溶液として調整した後に劣化しやすいリムルス試薬、発光合成基質含有試薬又は発光酵素含有試薬の劣化を防止し、測定手順の一部又は全部の自動化にも対応することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例において実施例1のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1では、流路内の貯留部に溶媒を貯留して、この溶媒を送液手段が備える送気手段により押し出すことで流路内を流した。これにより、上述のように、簡易な構成で、精度よく一定量の溶媒を流すことができ、又測定装置や雰囲気と試薬や試料との接触機会を低減して汚染を抑制することができる。
しかし、所望により、送液手段は、流路の入口を介して溶媒を直接流路に流すように構成することができる。例えば、送液手段として、流路の入口にノズルを接続して、入口を介して溶媒を注入するシリンジポンプなどを設けることができる。
尚、この場合、実施例1における流路に設けられた溶媒の貯留部は必要ない。例えば、試薬は、流路の入口に隣接して、例えば、流路の入口の直下に配置することもできる。
その他のカートリッジ1、測定装置100の構成、及びその使用方法は、実施例1と同様とすることができる。
実施例3
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例において実施例1のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1、2では、本発明を、生物化学発光を用いたエンドトキシン、βグルカンの測定に適用した。しかし、前述のように、比色法、比濁法を用いたエンドトキシン、βグルカンの測定、或いは生物化学発光反応を用いたATPの測定、細胞数(生菌数)の測定など、酵素などの生物由来化合物を利用した測定では、一般に、試薬の失活の影響を受け得る。従って、これらの測定にも本発明を適用することができる。
1.測定原理
1−1.比色法によるエンドトキシンの測定
図11は、比色法によるエンドトキシンの測定の原理を示す。比色法によるエンドトキシンの測定は、上述のようなエンドトキシンによりリムルス反応系のC因子リムルス反応系が活性化されてゲル化するプロセスを利用する。即ち、エンドトキシンによりリムルス反応系が活性化されることで生成する凝固酵素の基質として、発色基を遊離する発色合成基質をリムルス反応系に添加する。これにより、エンドトキシンが存在する場合には、リムルス反応系の活性化により生成した凝固酵素により、発色合成基質から発色基が遊離する。従って、遊離した発色基の量を吸光度の測定により比色定量することができる。そして、この遊離した発色基の量が、リムルス反応系の活性化の程度と相関するので、結果としてエンドトキシン量を測定することができる。カイネティック比色法(反応速度法)やエンドポイント比色法が周知である。
1−2.比濁法によるエンドトキシンの測定
図12は、比濁法によるエンドトキシンの測定の原理を示す。比濁法によるエンドトキシンの測定は、上述のようなエンドトキシンによりリムルス反応系のC因子リムルス反応系が活性化されてゲル化する過程を、濁度(透過光量)の変化として測定する方法であり、反応液の透過光量比が所定の閾値(90%程度)に減少するまでの時間(反応時間)を測定する。そして、この反応時間がリムルス反応系の活性化の程度と相関するので、結果としてエンドトキシン量を測定することができる。即ち、エンドトキシン量が少ないほど反応時間は長くなる。この方法は、カイネティック比濁法(反応時間法)やエンドポイント比濁法が周知である。
1−3.比色法によるβグルカンの測定
図13は、比色法によるβグルカンの測定の原理を示す。比色法によるβグルカンの測定は、上述のようなβグルカンによりリムルス反応系のG因子リムルス反応系が活性化されてゲル化するプロセスを利用する。即ち、βグルカンによりリムルス反応系が活性化されることで生成する凝固酵素の基質として、発色基を遊離する発色合成基質をリムルス反応系に添加する。これにより、βグルカンが存在する場合には、リムルス反応系の活性化により生成した凝固酵素により、発色合成基質から発色基が遊離する。従って、遊離した発色基の量を吸光度の測定により比色定量することができる。そして、この遊離した発色基の量が、リムルス反応系の活性化の程度と相関するので、結果としてβグルカン量を測定することができる。カイネティック比色法(反応速度法)やエンドポイント比色法が周知である。
1−4.比濁法によるβグルカンの測定
図14は、比濁法によるβグルカンの測定の原理を示す。比濁法によるβグルカンの測定は、上述のようなβグルカンによりリムルス反応系のG因子リムルス反応系が活性化されてゲル化する過程を、濁度(透過光量)の変化として測定する方法であり、反応液の透過光量比が所定の閾値(90%程度)に減少するまでの時間(反応時間)を測定する。そして、この反応時間がリムルス反応系の活性化の程度と相関するので、結果としてβグルカン量を測定することができる。即ち、βグルカン量が少ないほど、反応時間は長くなる。この方法は、カイネティック比濁法(反応時間法)やエンドポイント比濁法が周知である。
1−5.生物化学発光法によるATPの測定
生物化学発光法によるATPの測定の原理は、図1に示した通りである。即ち、同図中に反応式を示すように、ルシフェリンは、Mg2+(2価金属イオン)の存在下で、ルシフェラーゼの作用でATPと反応して、AMPとオキシルシフェリンとピロリン酸を生成する。その際に光が発生する。そして、過剰のルシフェリン、ルシフェラーゼが存在すれば、発光量はATP量と相関するので、これを利用してATP量を測定することができる。
1−6.生物化学発光法による細胞数の測定
図15は、生物化学発光法による微生物及び動物などの細胞数の測定の原理を示す。例えば、大腸菌、酵母菌、乳酸菌などの微生物、ヒトを含む動物の体細胞などの細胞中にはATPが存在する。従って、このATPを細胞から抽出して、そのATPを上述の生物化学発光反応を用いて測定することで、細胞数(例えば生菌数)を測定することができる。細胞中のATPは、ATP抽出試薬を用いて細胞から抽出することができる。
2.試薬
2−1.発色合成基質
上記比色法によるエンドトキシン、βグルカンの測定において、発色合成基質としては、ペプチドに発色基が結合されており、リムルス反応系が活性化されることで、その結合されている発色基を遊離させるものであれば好適に用いることができる。上記ペプチドに結合されている発色基としては、図11中に示すパラニトロアニリン(pNA)を好適に用いることができる。この場合、上記ペプチドのアミノ酸のカルボキシル基とパラニトロアニリンのアミノ基がアミド結合を形成することができる。
上記ペプチドは、C末端における発色基との結合が、リムルス反応系が活性化されることで切断されるアミノ酸配列から成るものであればよい。より詳しくは、エンドトキシン、βグルカンの測定について、それぞれ生物化学発光法によるエンドトキシン、βグルカンの測定の場合の発光合成基質のペプチドと同様のものを用いることができる。例えば、発色合成基質としては、測定対象成分がエンドトキシン又はβグルカンのいずれの場合にも、上記ペプチドとして凝固酵素の認識配列を有し、発色基としてパラニトロアニリンが結合されたものである「ベンゾイル−Leu−Gly−Arg−pNA」を好適に用いることができる(図11、図13)。この場合、エンドトキシン又はβグルカンによってリムルス反応系が活性化されて凝固酵素が生成されると、この凝固酵素は上記「ベンゾイル−Leu−Gly−Arg−pNA」のArgとpNAとの間の結合を切断する。これにより、pNAが遊離し、発色する。発色基がパラニトロアニリンの場合は、パラニトロアニリンの最大吸収波長である405nmの吸光度を測定する。又、発色基としてパラニトロアニリンをジアゾカップリングした場合は、545nmの吸光度を測定する。
2−2.ルシフェリン
生物化学発光反応の発光基質であるルシフェリンとしては、ホタルルシフェリンを好適に用いることができる。又、生物化学発光反応を触媒する発光タンパク質(発光酵素)であるルシフェラーゼとしては、甲虫由来のルシフェラーゼを好適に用いることができる。尚、このルシフェラーゼには、前述の生物化学発光法によるエンドトキシンの測定の場合と同じものを用いることができる。又、発光試薬として、上記ルシフェリン及びルシフェラーゼを含有するものを使用してもよい。
2−3.抽出試薬
細胞からATPを抽出するのに用いるATP抽出試薬としては、界面活性剤を使用した抽出試薬やエタノールを用いた抽出試薬などを使用することができる。例えば、微生物細胞用のATPの抽出試薬としては、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。又、体細胞用ATP抽出試薬としては、非イオン性界面活性剤を好適に用いることができる。又、全細胞用抽出試薬として、陽イオン性界面活性剤又は両イオン性界面活性剤を使用してもよい。
3.測定方法
3−1.比色法によるエンドトキシン、βグルカンの測定
本発明を比色法によるエンドトキシン、βグルカンの測定に適用する場合、例えば、図16(a)に示すように、第1の流路10の第1の試薬配置部13にエンドトキシン又はβグルカンにより活性化されるリムルス反応系を含む乾燥された第1の試薬(リムルス試薬)R1を配置する。又、第2の流路20の第2の試薬配置部23にエンドトキシン又はβグルカンによりリムルス反応系が活性化されることで発色基を遊離する発色合成基質を含む乾燥された第2の試薬(合成発色基質含有試薬)R2を配置する。そして、反応槽40に収容された液体の光学特性としての吸光度を、検出手段としての吸光度計で検出する。この場合、例えば、図17に示すように、反応槽40の全体又は少なくとも光入射部(例えば、開口部40a)と出射部(例えば底部40b)を光透過性とし、吸光度計220の投光部221から出射され反応槽40内の液体を透過した光を受光部222で受光するようにすることができる。このとき、カートリッジ支持部143が設けられる場合には、該カートリッジ支持部143における少なくとも上述の投光部221から受光部222への光路に対応する箇所にはスリットを設けるなどして光透過性とすればよい。
その他のカートリッジ1、測定装置100の構成、及びその使用方法は、実施例1と概略同様とすることができる。
3−2.比濁法によるエンドトキシン、βグルカンの測定
本発明を比濁法によるエンドトキシン、βグルカンの測定に適用する場合、例えば、図16(b)に示すように、流路10の試薬配置部13にエンドトキシン又はβグルカンにより活性化されるリムルス反応系を含む乾燥された試薬(リムルス試薬)Rを配置する。そして、反応槽40に収容された液体の光学特性としての透過光量(濁度)を、検出手段としての吸光度計で検出する。この場合、吸光度計やカートリッジ1、カートリッジ支持部143は、図17を参照して上述したものと同様に構成すればよい。
その他のカートリッジ1、測定装置100の構成、及びその使用方法は、実施例1と概略同様とすることができる。
3−3.生物化学発光法によるATPの測定
本発明を生物化学発光法によるATPの測定に適用する場合、例えば、図16(c)に示すように、流路10の試薬配置部13に発光基質(ルシフェリン)と発光酵素(ルシフェラーゼ)を含む乾燥された試薬(発光試薬)Rを配置する。そして、反応槽40に収容された液体の光学特性として発光量を検出手段としての発光検出器で検出する。
尚、この場合、発光基質含有試薬を第1の試薬R1とし、発光酵素含有試薬を第2の試薬R2として、これらをそれぞれ第1、第2の流路10、20の第1、第2の試薬配置部13、23(図示せず)に配置するようにしてもよい。
その他のカートリッジ1、測定装置100の構成、及びその使用方法は、実施例1と概略同様とすることができる。
3−4.生物化学発光法による細胞数の測定
本発明を生物化学発光法による細胞数の測定に適用する場合、例えば、図16(d)に示すように、第1の流路10の第1の試薬配置部13に試料中の細胞からATPを抽出する乾燥された第1の試薬(ATP抽出試薬)R1を配置する。又、第2の流路20の第2の試薬配置部23に発光基質(ルシフェリン)と発光酵素(ルシフェラーゼ)を含む乾燥された第2の試薬(発光試薬)R2を配置する。そして、反応槽40に収容された液体の光学特性としての発光量を、検出手段としての発光検出器で検出する。
尚、この場合、発光基質含有試薬を第2の試薬R2とし、発光酵素含有試薬を第3の試薬R3として、これらをそれぞれ第2、第3の流路20、30の第2、第3の試薬配置部23、33(図示せず)に配置するようにしてもよい。
その他のカートリッジ1、測定装置100の構成、及びその使用方法は、実施例1と概略同様とすることができる。
以上のように、本発明によれば、溶液として調整した後に失活しやすい酵素などの生物由来化合物を含む試薬の劣化を防止し、測定手順の一部又は全部の自動化にも対応することができる。
その他
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、測定装置に1度にセットできるカートリッジの数は2個であったが、これに限定されるものではない。測定装置に1度にセットできるカートリッジの数は1個であってもよいし、3個以上のより多い数であってもよい。又、上述の実施例では測定装置においてカートリッジは直線的に搬送したが、これに限定されるものではない。例えば、円形に配列した複数のカートリッジを円周方向に搬送するようにしてもよく、この場合、より多くのカートリッジをセットしやすくなる。又、上述の実施例では、測定装置においてカートリッジを搬送して、流路の入口に対する送液手段(特に送気部)の相対位置、及び反応槽に対する検出手段(特に検出部)の相対位置を変更させたが、これに限定されるものではない。送液手段や検出手段を移動させて、上記各相対位置を変更するようにしてもよい。又、所望により、上述の実施例におけるカートリッジ1に対応する構成を装置本体に固定的に設けてもよい。
1 カートリッジ
10 第1の流路
20 第2の流路
30 第3の流路
11 第1の入口
21 第2の入口
31 第3の入口
12 第1の出口
22 第2の出口
32 第3の出口
13 第1の試薬配置部
23 第2の試薬配置部
33 第3の試薬配置部
100 測定装置
110 送気機構
120 発光検出器
130 送気部搬送部
140 カートリッジ搬送部
150 シャッター
160 ヒータ

Claims (16)

  1. (a)入口及び出口を有する流路の前記出口に連通する反応槽に試料を注入する工程と、
    (b)前記流路において前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、前記入口と前記出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬を、溶解し且つ前記反応槽に移送する工程と、
    (c)前記(b)工程の後に、前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と、
    を有することを特徴とする測定方法。
  2. (a)各々入口及び出口を有する複数の流路の各前記出口に連通する1つの反応槽に試料を注入する工程と、
    (b)前記複数の流路において各前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、各前記入口と各前記出口との間の各試薬配置部に配置されたそれぞれ異なる乾燥試薬を、溶解し且つ前記反応槽に移送する工程と、
    (c)前記(b)工程の後に、前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する工程と、
    を有し、
    前記(b)工程は、各前記流路ごとに所定の時間差をおいて順次行うことを特徴とする測定方法。
  3. 前記(c)工程の前に、前記反応槽に収容された液体の温度を所定温度に調整して所定時間保持する工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 前記測定対象成分は、エンドトキシン、βグルカン、ATP又は生菌であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 前記(b)工程における前記それぞれ異なる乾燥試薬は、測定対象成分により活性化されるリムルス反応系を含む第1の乾燥試薬と、前記測定対象成分により前記リムルス反応系が活性化されることで発光基質を遊離する発光合成基質を含む第2の乾燥試薬と、前記発光基質に作用して生物化学発光反応を生じさせる発光酵素を含む第3の乾燥試薬と、
    であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 入口及び出口を有する流路と、
    前記出口に連通する反応槽と、
    前記流路において前記入口と前記出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬と、
    を有し、
    前記流路において前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、前記乾燥試薬を溶解し且つ前記反応槽に移送可能であることを特徴とするカートリッジ。
  7. 前記流路を複数有し、
    前記反応槽は前記複数の流路の各前記出口に連通し、
    前記複数の流路の各前記入口と各前記出口との間の各試薬配置部にはそれぞれ異なる乾燥試薬が配置されることを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
  8. 前記測定対象成分は、エンドトキシン、βグルカン、ATP又は生菌であることを特徴とする請求項6又は7に記載のカートリッジ。
  9. 前記各試薬配置部に配置された前記それぞれ異なる乾燥試薬は、測定対象成分により活性化されるリムルス反応系を含む第1の乾燥試薬と、前記測定対象成分により前記リムルス反応系が活性化されることで発光基質を遊離する発光合成基質を含む第2の乾燥試薬と、前記発光基質に作用して生物化学発光反応を生じさせる発光酵素を含む第3の乾燥試薬と、であることを特徴とする請求項7又は8に記載のカートリッジ。
  10. 入口及び出口を有する流路と、
    前記出口に連通する反応槽と、
    前記流路において前記入口と前記出口との間の試薬配置部に配置された乾燥試薬と、
    前記流路において、前記入口側から前記反応槽に向けて溶媒を流し、前記乾燥試薬を溶解し且つ前記反応槽に移送する送液手段と、
    前記反応槽に収容された液体の光学特性を検出する検出手段と、
    前記送液手段により前記流路に溶媒を流させると共に、前記流路に溶媒を流した後に前記検出手段により前記光学特性を検出させる制御手段と、
    を有することを特徴とする測定装置。
  11. 前記流路を複数有し、
    前記反応槽は前記複数の流路の各前記出口に連通し、
    前記複数の流路の各前記入口と各前記出口との間の各試薬配置部にはそれぞれ異なる乾燥試薬が配置されることを特徴とする請求項10に記載の測定装置。
  12. 前記流路と、前記反応槽と、前記乾燥試薬と、を有するカートリッジが着脱可能であることを特徴とする請求項10又は11に記載の測定装置。
  13. 前記流路は、前記試薬配置部よりも前記入口側に位置する、前記入口を介して前記流路に注入された溶媒を貯留する貯留部を有し、
    前記送液手段は、前記入口から空気を流入させることで前記貯留部に貯留された溶媒を前記反応槽に向けて流す送気手段を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の測定装置。
  14. 前記反応槽の収容物の温度を調整する温度調整手段を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の測定装置。
  15. 前記測定対象成分は、エンドトキシン、βグルカン、ATP又は生菌であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の測定装置。
  16. 前記各試薬配置部に配置された前記それぞれ異なる乾燥試薬は、測定対象成分により活性化されるリムルス反応系を含む第1の乾燥試薬と、前記測定対象成分により前記リムルス反応系が活性化されることで発光基質を遊離する発光合成基質を含む第2の乾燥試薬と、前記発光基質に作用して生物化学発光反応を生じさせる発光酵素を含む第3の乾燥試薬と、であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の測定装置。
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