JP4769812B2 - 光反射体 - Google Patents

光反射体 Download PDF

Info

Publication number
JP4769812B2
JP4769812B2 JP2007533798A JP2007533798A JP4769812B2 JP 4769812 B2 JP4769812 B2 JP 4769812B2 JP 2007533798 A JP2007533798 A JP 2007533798A JP 2007533798 A JP2007533798 A JP 2007533798A JP 4769812 B2 JP4769812 B2 JP 4769812B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light reflector
lactic acid
light
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007533798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007072801A1 (ja
Inventor
未来 西田
一成 勝原
孝之 渡邊
隆 比留間
潤 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2007533798A priority Critical patent/JP4769812B2/ja
Publication of JPWO2007072801A1 publication Critical patent/JPWO2007072801A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4769812B2 publication Critical patent/JP4769812B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • B32B27/20Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F1/00Details not covered by groups G06F3/00 - G06F13/00 and G06F21/00
    • G06F1/16Constructional details or arrangements
    • G06F1/1601Constructional details related to the housing of computer displays, e.g. of CRT monitors, of flat displays
    • G06F1/1603Arrangements to protect the display from incident light, e.g. hoods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F1/00Details not covered by groups G06F3/00 - G06F13/00 and G06F21/00
    • G06F1/16Constructional details or arrangements
    • G06F1/1613Constructional details or arrangements for portable computers
    • G06F1/1615Constructional details or arrangements for portable computers with several enclosures having relative motions, each enclosure supporting at least one I/O or computing function
    • G06F1/1616Constructional details or arrangements for portable computers with several enclosures having relative motions, each enclosure supporting at least one I/O or computing function with folding flat displays, e.g. laptop computers or notebooks having a clamshell configuration, with body parts pivoting to an open position around an axis parallel to the plane they define in closed position
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F1/00Details not covered by groups G06F3/00 - G06F13/00 and G06F21/00
    • G06F1/16Constructional details or arrangements
    • G06F1/1613Constructional details or arrangements for portable computers
    • G06F1/1633Constructional details or arrangements of portable computers not specific to the type of enclosures covered by groups G06F1/1615 - G06F1/1626
    • G06F1/1637Details related to the display arrangement, including those related to the mounting of the display in the housing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

本発明は、パソコンやテレビなどの表示装置、照明器具、照明看板等に用いる光反射体に関し、特に液晶表示装置に内蔵される照明機構を構成するリフレクターの材料として好適に用いることができる光反射体に関する。
液晶表示装置に内蔵される照明機構(バックライト機構)には、光源からの光を直接液晶表示パネルに照明させる直下方式のものと、光源からの光をアクリル樹脂等からなる導光板を介して液晶表示パネルに照明させるサイドライト方式(エッヂライト方式とも言う)のものとが存在する。
液晶表示装置において、モニターや小型液晶テレビ、ノート型パソコンなどのように薄型であることが要求される用途では、上記照明機構としてサイドライト方式が採用されており、光源からの光を効率よく導光板に伝えるために、金属と反射フィルムとが積層してなる光反射体を成形加工してなる「リフレクター」と呼ばれる部材が使用されている。
近年、表示性能の高度化が進み、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させるため、反射体乃至反射フィルムに対してより一層高度な反射性能が求められている。
この種の光反射体に用いる反射フィルムとしては、銀を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、銀蒸着PETフィルム)や、反射性能を有する白色ポリエステルフィルム等が用いられており、コストや光反射体に要求される厚さ等を考慮して使い分けられている。
例えば、特許文献1には、芳香族ポリエステル系樹脂に酸化チタンを添加して形成された白色シートである反射フィルムが開示されている。また、リフレクターのように光反射体を成形加工する場合は、金属板に反射フィルムを接着した光反射体が使用される。光反射体を成形加工する際、折り曲げた時の形状を保持する形状保持性が求められるため、例えば、特許文献2には、金属に接着剤層を設け、その上にさらにポリエステル反射フィルムを積層してなる反射体が開示されている。
しかし、従来の反射体は、最近の液晶表示装置において要求される高い反射性能を実現することが困難であり、さらに、フィルムを形成する芳香族ポリエステル系樹脂の分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によってフィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという課題も抱えていた。
そこで、本発明者らは脂肪族ポリエステル系樹脂に酸化チタン等の微粉状充填剤を添加して形成した反射フィルムを開発し、これを開示した(特許文献3)。
特開2002−138150号公報 特開平10−177805号公報 WO2004104077号
特許文献3において開示された反射フィルムは、高い反射性能を実現することができるばかりか、成形加工の面においても満足するものであったが、この光反射フィルムを金属板に積層してリフレクターを形成し、これをノート型パソコンの液晶表示装置に組み込んだ場合、モニター部を開閉した際にノイズが発生することがあった。このような問題は、ノート型パソコンの液晶表示装置ばかりではなく、テレビやその他の表示装置においても発生が懸念される問題である。
このノイズの発生原因を調査した結果、導光板とリフレクター(反射体)との摩擦に由来する可能性があることを究明することができた。
そこで本発明は、かかる課題解決のため、例えばリフレクターに加工してノート型パソコン等の液晶表示装置内に組み込んだ場合に、モニター部を開閉した際のノイズの発生を低減することができる光反射体を提供せんとするものである。
本発明は、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有してなるA層が、金属板の片面側若しくは両面側に積層されてなる構成を備えた光反射体であって、少なくとも光反射体の片面側の表面の静摩擦係数が0.49以下であり、且つ、動摩擦係数が0.42以下である光反射体を提案する。
なお、上記の「片面側の表面」は、片面側のA層の表面であってもよいし、又、A層に積層された他の層の表面であってもよい。例えば、少なくとも片面側のA層の表面側に、熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂から形成されたB層が積層された場合のB層の表面であってもよい。
本発明の光反射体は、A層を構成する脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱によって優れた光反射性を得ることができる。しかも、少なくとも片面側の表面を、静摩擦係数が0.49以下であり、且つ、動摩擦係数が0.42以下に形成することにより、例えば、光反射体をリフレクターに加工してノート型パソコンの液晶表示装置内に組み込んだ場合、モニター部を開閉した際のノイズの発生を低減することができる。このようなノイズ発生の問題は、ノート型パソコンのモニター部を開閉した場合ばかりでなく、テレビやデスクトップパソコンなどの表示装置、さらには照明器具、照明看板等において何らかの動作をさせた場合にも懸念される問題である。したがって、本発明の光反射体は、例えばパソコンやテレビなどのディスプレイ装置、照明器具、照明看板等に組み込まれる反射板として好適に用いることができ、中でも液晶表示装置に組み込まれるバックライト装置を構成するリフレクターの構成部材として特に好適に用いることができる。
なお、本発明の光反射体を構成するA層は、シート状或いはフィルム状であってもよい。ただし、本発明では、シートとフィルムとを区別するものではない。一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品を示し、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものを示す(日本工業規格JISK6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シートを含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、本明細書において「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含するものである。特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、通常は主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
また、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意味と共に、「好ましくはXより大きくYより小さい」の意味を包含する。
以下、本発明の実施形態の一例について詳しく説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態に係る光反射体(「本光反射体」という)は、金属板の片面側若しくは両面側に、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を主成分とするA層を積層するとともに、少なくとも片面側のA層の表面の静摩擦係数並びに動摩擦係数が所定範囲となるに形成してなる光反射体である。
なお、金属板の片面側若しくは両面側にA層を備えていればよいから、例えば金属板とA層の間にC層が介在してもよい。そこで、以下では、A層及び金属板に続いてC層について説明し、その後、本光反射体の構成、特性及び製造方法等について説明する。
<A層>
A層は、主に光反射性を付与する層であって、少なくとも脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤とを主成分として含有する樹脂組成物Aからなる層である。例えば、フィルム状に形成して金属板に積層したり、或いは、金属板に薄膜状の層として製膜したりして形成することができる。
(A層の脂肪族ポリエステル系樹脂)
脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので、A層のベース樹脂として脂肪族ポリエステル系樹脂を用いることにより、紫外線吸収を起こさないようにすることができる。したがって、紫外線に晒されることによって、或いは、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線を受光することによって劣化したり、黄変したりすることがなく、光反射性が経時的に低下するのを抑えることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、或いは、これらの混合物を用いることができる。
化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ラクトンを開環重合して得られるポリε−カプロラクタム等や、二塩基酸とジオールとを重合して得られるポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合重合体等、ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる乳酸系重合体やポリグリコール等、或いは前記脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部を、例えばエステル結合の50%以下をアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等が挙げられる。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも、A層のベース樹脂としては、屈折率(n)が1.52未満の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いるのが好ましい。すなわち、屈折率(n)が1.52未満の脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤を含有してなる層を備えていれば、ベース樹脂と微粉状充填剤との界面における屈折散乱を利用して光反射性を実現することができる。この屈折散乱効果は、ベース樹脂と微粉状充填剤との屈折率が大きくなるにしたがって大きくなるため、ベース樹脂としては屈折率が小さい方が好ましく、この観点から、屈折率が1.46未満(一般的には1.45程度)である乳酸系重合体は最も好適な一例である。
乳酸系重合体としては、例えばD−乳酸またはL−乳酸の単独重合体またはそれらの共重合体を挙げることができる。具体的には、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、更にはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)、或いはこれらの混合体を挙げることができる。
乳酸には、上記のように2種類の光学異性体すなわちL−乳酸及びD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合で結晶性が異なる。例えば、L−乳酸とD−乳酸の割合が約80:20〜20:80のランダム共重合体では結晶性が低く、ガラス転移点60℃付近で軟化する透明完非結晶性ポリマーとなる。その一方、L−乳酸とD−乳酸の割合が約100:0〜80:20、又は約20:80〜0:100のランダム共重合体は、ガラス転移点は前記の共重合体同様に60℃程度であるが結晶性が高い。
本光反射体では、乳酸系重合体におけるDL比、すなわちD−乳酸とL−乳酸との含有比率が、D−乳酸:L−乳酸=100:0〜85:15であるか、またはD−乳酸:L−乳酸=0:100〜15:85であるのが好ましい。さらに好ましくはD−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5であるか、またはD−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95である。
D−乳酸とL−乳酸との含有比率が100:0もしくは0:100である乳酸系重合体は、非常に高い結晶性を示し、融点が高く、耐熱性および機械的物性に優れる傾向がある。すなわち、フィルムを延伸したり熱処理したりする際に、樹脂が結晶化して耐熱性及び機械的物性が向上するので、その点で好ましい。その一方、D−乳酸とL−乳酸とで構成される乳酸系重合体は、柔軟性が付与され、成形安定性及び延伸安定性が向上するので、その点で好ましい。得られる光反射体の耐熱性と成形安定性及び延伸安定性とのバランスを勘案すると、D−乳酸とL−乳酸との構成比が、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5であるか、又は、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95であるのがより好ましい。
乳酸系重合体は、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法で製造することができる。例えば、縮合重合法では、D−乳酸、L−乳酸、または、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。
上記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系重合体を得ることができる。
なお、D−乳酸とL−乳酸との共重合比が異なる乳酸系重合体をブレンドしてもよい。この場合、複数の乳酸系重合体のD−乳酸とL−乳酸との共重合比を平均した値が上記DL比の範囲内に入るように調整するのが好ましい。
また、乳酸系重合体には、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体を用いることもできる。この際、共重合される「他のヒドロキシカルボン酸単位」としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
さらに、乳酸系重合体は、必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族カルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールや、乳酸及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を含んでいてもよい。
乳酸系重合体の分子量は高分子量であるのが好ましく、例えば、重量平均分子量が5万以上であるのが好ましく、6万〜40万であるのが更に好ましく、中でも10万〜30万であるのが特に好ましい。乳酸系重合体の重量平均分子量が5万未満であると機械的物性に劣る場合がある。
(A層の微粉状充填剤)
A層における微粉状充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等が挙げられる。
有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも1種を用いるのが好ましい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも1種を用いるのが好ましい。
中でも、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が大きく優れた反射性能を得られる微粉状充填剤が好ましく、この観点から、屈折率の大きい無機質微粉体等を用いるのが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛が好ましく、中でも屈折率が2.5以上である酸化チタンが特に好ましい。なお、長期耐久性を勘案すると、酸やアルカリに対して安定な硫酸バリウムも好ましいと言える。
酸化チタンは、他の無機質微粉体に比べて屈折率が顕著に高く、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が格別に大きいため、他の充填剤を使用した場合よりも少ない配合量で、高い反射性能と低い光透過性とを本反射体に付与することができる。また、酸化チタンを用いることにより、光反射体の厚みが薄くても高い反射性能と低い光透過性とを有する本光反射体を得ることができる。
酸化チタンとしては、アナターゼ型やルチル型のような結晶形の酸化チタンが好ましい。ベース樹脂との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンを用いるのが好ましく、この観点からルチル型の結晶形の酸化チタンを用いるのがより好ましい。屈折率差が大きいほど、ベース樹脂と酸化チタンとの境界面で光の屈折散乱作用が大きくなり、光反射性を容易に付与することができる。
また、高い光反射性を付与するには、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンであることが望ましい。酸化チタンの光吸収能を小さくするには、酸化チタンに含有されている着色元素の量が少ないことが好ましく、この観点から、ニオブ含有量が500ppm以下の酸化チタンを用いるのが好ましい。
塩素法プロセスで製造される酸化チタンは純度が高く、この製造法によれば、ニオブ含有量が500ppm以下の酸化チタンを得ることができる。
塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温で塩素ガスと反応させて四塩化チタンを生成させた後、この四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度の酸化チタンを得ることができる。
また、微粉状充填剤として用いる酸化チタンは、その表面が不活性無機酸化物で被覆処理されたものが好ましい。酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、しかも耐光性(光の照射を受けた際の耐久性)を高めることができる。
酸化チタンの被覆処理に用いる不活性無機酸化物としては、アルミナ、シリカ及びジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも1種であるのが好ましい。これらの不活性無機酸化物で被覆処理すれば、酸化チタンにより得られる高い反射性能を損なうことなく、耐光性を高めることができる。また、前記に挙げた不活性無機酸化物のうちの2種類以上を組み合わせて併用するのがさらに好ましく、中でもシリカと他の不活性無機酸化物(例えばアルミナ及びジルコニア)との組み合わせからなる混合物で被覆するのが特に好ましい。
ベース樹脂への分散性を向上させるために、酸化チタンの表面を、シロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも1種の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコール等から選ばれた少なくとも1種の有機化合物で表面処理するようにしてもよい。
添加する酸化チタンの平均粒径は、0.1μm〜1μmであるのが好ましく、中でも0.2μm〜0.5μmであるのがより好ましい。
酸化チタンの平均粒径が0.1μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が良好となり、均質に形成することができる。また、平均粒径が1μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの界面がより緻密に形成されるので、優れた光反射性を付与することができる。
なお、酸化チタン以外の微粉状充填剤を用いる場合にも、ベース樹脂への分散性を向上させるために、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理するようにしてもよい。
また、酸化チタン以外の微粉状充填剤の大きさは、平均粒径が0.05μm〜15μmであるのが好ましく、中でも0.1μm以上或いは10μm以下であるものがより好ましい。微粉状充填剤の平均粒径が0.05μm以上であれば、粗表面化に伴い光散乱反射が生じるので、得られる反射指向性がより小さくなる。また、微粉状充填剤の平均粒径が15μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面がより緻密に形成されるので優れた光反射性を付与することができる。
酸化チタン或いは酸化チタン以外の微粉状充填剤はいずれも、脂肪族ポリエステル系樹脂に分散配合することが好ましい。
微粉状充填剤の含有量は、光反射性、機械的物性、生産性等を考慮して、A層を構成する樹脂組成物Aの10〜60質量%であるのが好ましく、10〜55質量%であるのが特に好ましく、中でも20〜45質量%であることがさらに好ましい。
微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、ベース樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができるので、より一層高い光反射性を付与することができる。また、微粉状充填剤の含有量が60質量%以下であれば、フィルムに必要な機械的性質を確保することができる。
(A層における他の成分)
樹脂組成物Aは、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤の機能を妨げない範囲で他の樹脂や他の添加物を含んでいてもよい。例えば、加水分解防止剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、および、その他の添加剤を添加することができる。
(内部空隙)
なお、A層は空隙を有していてもよい。空隙を有することによって反射率を更に高めることができる。
A層の空隙率(A層中に空隙が占める割合)は50%以下であることが好ましく、特に5〜50%の範囲内であることが好ましい。中でも、反射率向上の点から、空隙率が20%以上であることが好ましく、特に30%以上であるのが好ましい。空隙率が50%を超えると、機械的強度が低下したり、使用時に耐熱性等の耐久性が不足することが想定される。
このようなA層内の空隙は、樹脂組成物Aに微粉状充填剤を添加してフィルムを作成し、これを延伸することにより形成することができる。
なお、微粉状充填剤として、ニオブ含有量500ppm以下の酸化チタンを用いた場合には、内部に存在する空隙率が低くても或いは空隙が存在しなくても十分に高い光反射性を得ることができ、次のような効果をも得ることができる。すなわち、ニオブ含有量が500ppm以下の酸化チタンを用いた場合には、充填剤の使用量を少なくすることができ、その結果、延伸により形成される空隙の数も少なくなるので、高い反射性能を維持しつつ機械的性質を向上させることもできる。また、内部に存在する空隙の数を少なくすることで、寸法安定性の向上を図ることもできる。さらに、薄肉でも高い反射性能を確保することができ、例えばノート型パソコンや携帯電話等の小型、薄型の液晶ディスプレイ用のバックライト装置を構成する光反射体等として特に好適である。
(A層表面の静摩擦係数並びに動摩擦係数)
このような組成を備えた樹脂組成物AからなるA層は、樹脂組成物Aからフィルムを形成し、これを金属板に積層したり、或いは、金属板に薄膜状の層として製膜したりして形成することができるが、その際、本光反射体においては、A層の表面の静摩擦係数及び動摩擦係数が所定範囲に調整されていることが重要である。
すなわち、少なくとも片面側のA層の表面(好ましくは両面側のA層の表面)は、その静摩擦係数が0.49以下であり、且つ、動摩擦係数が0.42以下であることが重要である。
少なくとも片面側のA層の表面の静摩擦係数が0.49以下であり、且つ、動摩擦係数が0.42以下であれば、例えば本光反射体をリフレクターに加工してノート型パソコンの液晶表示装置内に組み込んだ場合に、モニター部を開閉した際のノイズの発生を効果的に低減することができる。
かかる観点から、少なくとも片面側のA層の表面(好ましくは両面側のA層の表面)は、その静摩擦係数が0.46以下であるのが好ましい。また、動摩擦係数は0.36以下であるのが好ましい。
A層の表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を上記所定範囲に調整するには、摩擦調整剤をA層に練り混んだり、摩擦調整剤を含有する塗液をA層表面に塗布したりすることにより、調整することができる。
摩擦調整剤としては、例えば、その分子内に親水性部分と親油性部分とを併せ持った界面活性剤或いはこれを主成分とするものを挙げることができる。かかる界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、両性イオン系、非イオン系に大別され、加工法や用途に応じて使い分けするのが好ましい。
中でも、アニオン系界面活性剤或いはこれを主成分とするものは、汎用性があり、効果と経済性のバランスの点から好ましい。代表的には、1)脂肪酸塩類、2)高級アルコール硫酸エステル塩類、3)液体脂肪油硫酸エステル塩類、4)脂肪族アミンおよび脂肪族アミドの硫酸塩類、5)脂肪族アルコールリン酸エステル塩類、6)二塩基性脂肪酸エステル塩類、7)脂肪酸アミドスルホン酸塩類、8)アルキルアリールスルホン酸塩類、9)ホルマリン縮合のナフタレンスルホン酸塩類等が挙げられる。
また、熱に弱く高コストであるが帯電防止性が高いカチオン系として、1)脂肪族アミン塩類、2)四級アンモニウム塩類、3)アルキルピリジニウム塩類等が挙げられる。
また、アニオン系の弱点である耐熱性をやや改良した両性イオン系として、1)イミダゾリン誘導体類、2)カルボン酸アンモニウム類、3)硫酸エステルアンモニウム類、4)リン酸エステルアンモニウム類、5)スルホン酸アンモニウム類等があげられる。
なお、摩擦調整剤は、シリコーンオイルや、シリコーンを含む樹脂を含有してもよい。
この摩擦調整剤は、摩擦調整剤を含有する液にA層表面を浸漬したり、摩擦調整剤を含有する液をA層表面に吹き付けたり、或いは、摩擦調整剤を予め樹脂組成物Aに練り込んでおき、A層表面に移行させたりすることができる。
摩擦調整剤を樹脂組成物Aに練り混む場合、A層における摩擦調整剤の含有率は0.001〜2質量%とするのが好ましく、0.01〜1.5質量%とするのがさらに好ましい。0.001〜2質量%範囲内であれば、反射性能を損なわず、滑り性の良好な光反射体を得ることができる。
<金属板>
本光反射板を構成する金属板としては、例えばリフレクターを使用する液晶表示装置の種類などに応じて選択するのが好ましく、例えば厚さ0.05mm〜0.4mmのステンレス鋼板、厚さ0.1〜0.6mmのアルミニウム合金、或いは、厚さ0.2〜0.4mmの黄銅板などを挙げることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
光反射板を積層する側の面は、光反射板の接着性や密着性を向上させるために、表面処理を施すのが好ましい。
表面処理としては、化学処理、放電処理、電磁波照射処理を挙げることができる。化学処理としては、シランカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理等の処理法を挙げることができる。放電処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、アーク放電処理、低温プラズマ処理等の処理法を挙げることができる。電磁波照射処理としては、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理等の処理法を挙げることができる。中でも、シランカップリング剤処理は、特に無機物(金属板)と有機物(微粉含有ポリエステル層)との接着性を向上させる効果が高く、また、コロナ放電処理は、大気圧下で効果的に接着性を向上させることができるため、好ましい。
<C層>
本光反射体においては、例えば樹脂組成物Aからフィルムを形成し、このフィルムを金属板に熱融着させたり、或いは、樹脂組成物Aを融解させ、金属板上に押出して製膜させたりして、金属板にA層を直接積層することもできるが、A層と金属板との間にC層を介在させるようにしてもよい。
C層は、例えば、ポリエステル系樹脂からなるフィルムから形成することができる。
ポリエステル系樹脂からなるフィルムの具体例としては、例えば芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂或いは共重合ポリエステル系樹脂からなるフィルムを挙げることができる。かかるポリエステル系樹脂からなるフィルムをC層として、A層と金属板との間に介在させれば、A層の有する光反射性等の機能を損なわずに、低温で金属板と積層させることができる。
上記の芳香族ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレン)テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂を挙げることができる。
上記の脂肪族ポリエステル系樹脂としては、前記の如く例示した化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂、及び、これらの混合物を用いることができる。
また、上記の共重合ポリエステル系樹脂としては、エステルの繰り返し単位が、一種以上の酸成分と一種以上の多価アルコール成分とからなるものを挙げることができる。一種、又は二種以上の酸成分と一種、又は二種以上の多価アルコール成分とからなるものもよい。
共重合ポリエステル系樹脂中のエステルの繰り返し単位としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン酸、シュウ酸、コハク酸、ダルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカジオン酸等の中から選ばれる一種、又は二種以上の酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサジオール等の中から選ばれる一種、又は二種以上の多価アルコールからなる共重合ポリエステル系樹脂を挙げることができる。
中でも好ましいのは、酸成分としてはイソフタル酸、テレフタル酸であり、多価アルコールではエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有する共重合体である。
C層のベース樹脂としての芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂或いは共重合ポリエステル系樹脂は、上記に例示したものに限定されるものではない。
上記の中でも特に好ましいのは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、乳酸系重合体である。
C層を構成するポリエステル樹脂は、融点が80℃〜270℃の範囲の樹脂であるのが好ましく、150℃〜250℃の範囲の樹脂であるのがより好ましい。融点が80℃〜270℃であれば、接着剤を用いることなく金属板との密着性を十分確保することができるとともに、金属板へ積層する際の熱の影響を抑え、光反射板の反射性能の低下を防ぐことができる。なお、ここでいう融点は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した値である。
また、C層を構成するポリエステル系樹脂は、その融解熱量が、A層を構成する脂肪族ポリエステル系樹脂の融解熱量よりも小さい方が好ましい。C層のポリエステル系樹脂の融解熱量が低ければ、A層と金属板とを低温で積層することができるから、A層と金属板との間にC層を介在させることによって、各層の密着力を向上させ、光反射体の機械的強度を向上させることができる。
例えば、C層を構成するポリエステル系樹脂として乳酸系重合体を用いる場合、C層を構成する乳酸系重合体の融解熱量が、A層を構成する脂肪族ポリエステル系樹脂の融解熱量より小さいと好ましい。乳酸系重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比によらず融点が80℃〜270℃の範囲となるため、所望のD−乳酸とL−乳酸との構成比の乳酸系重合体を用いることができる。中でも、共重合体である乳酸系重合体であれば、乳酸系重合体の結晶性が低く、融解熱量も低いことから、より好ましい。
なお、ここでいう融解熱量は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した値である。
(C層における他の成分)
C層は、上記ポリエステル系樹脂の作用効果を損なわない範囲内で、上記以外の成分を含有していてもよい。例えば、微粉状充填剤、滑剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、及びその他の添加剤を含有していてもよい。
例えば、C層が、A層で説明した微粉状充填剤を含有していれば、C層を構成するポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得ることができ、光反射体の反射性能をさらに向上させることができる。
また、C層が滑剤を含有していれば、A層、C層間、並びに、C層、金属板間の密着力をより一層向上させることができる。
滑剤としては、いわゆる内部滑剤、外部滑剤を用いることができる。例えば、脂肪酸系滑剤、アルコール系滑剤、脂肪族アマイド系滑剤、エステル系滑剤等の内部滑剤や、アクリル系滑剤、炭化水素系滑剤等の外部滑剤が挙げられ、好ましくはアクリル系滑剤、炭化水素系滑剤を添加するとよい。また、例示した滑剤を任意に組み合わせて用いてもよい。
滑剤の含有量は、C層を構成する脂肪族ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.05〜10質量部であることが好ましく、中でも0.1質量部以上或いは5質量部以下であるのがさらに好ましい。
(C層の構成)
C層は、異なる二種以上の多層の構成からなる層として形成することもできる。C層を多層構成とすることによって、A層、C層間の密着性や積層条件等と、C層、金属板間の密着性や積層条件等とを適切に調整することができ、光反射体全体としての密着性や反射性能、機械的強度等を好ましい範囲に設計することが可能となる。
なお、C層は、内部に空隙を有していてもよい。空隙を有していれば、C層を構成するポリエステル系樹脂と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得ることができ、光反射体の反射性能をさらに向上させることができる。
<光反射体の構成>
本光反射体は、上述のように、A層を金属板の片面若しくは両面に直接積層して構成することも、また、A層と金属板との間にC層を介在させて構成することもできる。よって、例えばA層/金属板からなる2層構成、A層/金属板/A層、又はA層/C層/金属板からなる3層構成、A層/C層/金属板/A層からなる4層構成、A層/C層/金属板/C層/A層、或いはそれ以上の多層構成として形成することができる。
また、A層及びC層以外の他の層を備えた積層構成としても形成することができる。
このような構成において、各A層の厚さは、50μm〜250μmであることが好ましく、特に50μm〜100μmであるのがより好ましい。
C層の厚さは、5μm〜100μmであることが好ましく、特に5μm〜20μmであるのがより好ましい。
また、光反射体全体の厚さとしては、所望の用途や使用する金属板によって異なり、特に限定されないが、小型、薄型の表示装置内に組み込まれるリフレクター等の用途を鑑みると、0.05mm〜1mmとするのが好ましく、中でも0.1mm〜0.7mmとするのがより好ましい。
<光反射体の特性>
(反射率)
本光反射板は、波長550nmの光に対する反射使用面側から測定した反射率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面に充分な明るさを与えることができる。
(熱的特性)
本光反射板を構成するA層及びC層の熱的特性は、120℃で5分間放置したときの熱収縮率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
例えば、自動車用カーナビゲーションシステムや車載用小型テレビ等の反射板として組み込まれる場合、夏場の炎天下の車内温度を鑑みると、耐熱性、加熱環境下での寸法安定性が要求される。したがって、前記の如く、120℃で5分間放置したときの熱収縮率が10%以下であれば、A層及びC層の平面性を維持し得る寸法安定性を確保し、金属板と剥離することもないため好ましい。
<用途>
本光反射体は、以上のように高度な反射性能と高い耐熱性を兼ね備えていることから、パソコンやテレビなどのディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板として好適であるばかりか、光反射体を成形加工してなるリフレクターと呼ばれる部材としても好適に用いることができる。
<製造方法>
以下、本光反射体の製造方法の例について説明するが、本発明の光反射体の製造方法が次の製造方法に限定されるものではない。
本光反射板は、樹脂組成物Aを溶融し、金属板上に直接製膜させ、必要に応じて摩擦調整剤を塗布するようにしたり、金属板上にC層を積層させておき、このC層上に、溶融させた樹脂組成物Aを製膜させ、必要に応じて摩擦調整剤を塗布するようにしたりして形成することもできるが、ここでは、予め、A層、或いはA層及びC層をそれぞれフィルム状に形成しておき、これを金属板上に積層して形成する方法について説明する。
A層に関しては、例えば脂肪族ポリエステル系樹脂、微粉状充填剤、摩擦調整剤及び必要に応じてその他の成分を混合して樹脂組成物Aを得、それを溶融製膜し、必要に応じて延伸してフィルムAを得るようにすればよい。以下、詳細に説明する。
先ず、脂肪族ポリエステル系樹脂に、微粉状充填剤、必要に応じて加水分解防止剤等その他の添加剤を配合して樹脂組成物Aを作製する。
練り込み型の摩擦調整剤を使用する場合には、ここで摩擦調整剤を添加する。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤、摩擦調整剤及び加水分解防止剤等を加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、一軸又は二軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、乳酸系重合体の場合には170℃〜230℃)で混練することにより樹脂組成物Aを得る。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂と、微粉状充填剤、摩擦調整剤、加水分解防止剤等とを別々のフィーダー等により所定量を添加することによって樹脂組成物Aを得ることもできる。また、予め、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤、加水分解防止剤等を高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂を混合して所望の濃度の樹脂組成物Aとすることもできる。
次に、このようにして得られた樹脂組成物Aを溶融し、フィルムAに形成する。
例えば、樹脂組成物Aを乾燥させ、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。この際、樹脂組成物Aを乾燥させずに押出機に供給してもよいが、乾燥させない場合には溶融押出する際に真空ベントを用いるのが好ましい。
押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定することが必要であり、例えば、押出温度は、脂肪族ポリエステル系樹脂として乳酸系重合体を用いた場合であれば、170℃〜230℃の範囲が好ましい。
そして、溶融させた樹脂組成物AをTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成し、フィルムAを得るようにすればよい。
他方、塗布型の摩擦調整剤の場合は、摩擦調整剤を含む水溶性塗工液をフィルムAに塗布乾燥すればよい。
塗布方法としては、スプレーコート法、エアナイフ法、リバースコート法、キスコート法、グラビアコート法、メタリングバー法、ロールブラッシュ法、ディップコート法、カレンダーコート法、スキーズコート法、ファンテンコート等が適用できる。
例えば未延伸フィルムの場合には、Tダイを装着した押出機を用いて成形した未延伸フィルムに、水性塗工液を塗布して、乾燥炉に入れて乾燥させればよい。フィルムに直接送風してもよい。
上記のようにして得られたフィルムA(キャストシート)は、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸することができる。延伸することにより、フィルム内部に微粉状充填剤を核とした空隙が形成されて、樹脂と空隙の界面、及び空隙と微粉状充填剤との界面が形成され、界面で生じる屈折散乱の効果が増えるから、A層の光反射性をさらに高めることができる。
延伸する際の延伸温度は、脂肪族ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)から所定の温度範囲(Tg〜Tg+50℃)内とするのが好ましく、例えば、乳酸系重合体の場合には50〜90℃であることが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することなく安定して延伸を行うことができ、また延伸配向が高くなり、その結果、空隙率が大きくなるので、高い反射率を有するA層を容易に得ることができる。
フィルムAは、一軸延伸よりも、二軸延伸するのがより一層好ましい。二軸延伸することによって、空隙率がさらに高くなり、A層の光反射性を更に高めることができる。二軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時二軸延伸でも逐次延伸でも構わない。
具体的には、例えば延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってMDに延伸した後、テンター延伸によってTDに延伸してもよいし、また、チューブラー延伸等によって二軸延伸を行ってもよい。
一軸延伸又は二軸延伸する場合の延伸倍率は、A層の組成、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態に応じて適宜決定すればよいが、面積倍率として5倍以上に延伸することが好ましく、7倍以上に延伸することが更に好ましい。面積倍率が5倍以上になるようにキャストシートを延伸すれば、A層中に5%以上の空隙率を実現することができ、7倍以上に延伸することにより20%以上の空隙率を実現することができ、7.5倍以上に延伸することにより、30%以上の空隙率も実現することができ、反射率をさらに高めることができる。
また、得られたフィルムAに耐熱性及び寸法安定性を付与するために、熱処理するのが好ましい。
フィルム状のA層の熱処理温度は90〜160℃であることが好ましく、110〜140℃であることがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
次に、上記の如く作製したフィルムAを、C層を構成するポリエステル系樹脂からなるフィルムBを介して、金属板上に積層して光反射体を製造すればよい。
この際の積層方法としては、金属板上にフィルムB、フィルムAの順に重ね、この状況で加熱加圧ロールに供給して熱融着する方法を挙げることができる。熱融着する温度は、密着力の点から、140℃〜280℃の温度範囲で行うことが好ましく、150℃〜210℃の温度範囲がさらに好ましい。なお、金属板の表面温度が、A層及びC層を構成する樹脂の融点程度となるように加熱し、ゴムロールにより熱融着することもできる。
[第2の実施形態]
本実施形態に係る光反射体(「本光反射体」という)は、金属板の片面若しくは両面に、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤を主成分とするA層を積層し、少なくとも片面側のA層の表面側に、熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂から形成されたB層を積層し、該B層の表面の静摩擦係数並びに動摩擦係数が所定範囲となるように形成してなる光反射体である。
なお、金属板の片面側もしくは両面側にA層を備えていればよいから、例えば金属板とA層の間にC層が介在してもよい。
本実施形態においても、A層、金属板及びC層については、第1の実施形態と同様であるから、ここでは、B層について説明し、その後、本光反射体の構成、特性及び製造方法について説明する。
<B層>
B層は、熱硬化型樹脂または電離放射線硬化型樹脂から形成することができる。中でも作業環境性、生産性の点で、電離放射線硬化型樹脂から形成することが好ましい。
上記の電離放射線硬化型樹脂は、紫外線又は電子線等の電離放射線の照射により硬化される樹脂であればよい。例えば、電離放射線の照射によって重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に少なくとも一つ有する、プレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを適宜含有してなる樹脂を挙げることができる。紫外線硬化型樹脂の場合には光重合開始剤を含有することが一般的である。
また、電離放射線硬化型樹脂は、必要に応じて増感剤、非反応性樹脂、レベリング剤等の添加剤、溶剤を含有してもよい。また、シリコーンオイルや、シリコーンを含む樹脂を含有してもよい。
上記プレポリマー、オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート類、ポリエステルメタクリレート、ウレタンメタクリレート、エポキシメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、シリコーンメタクリレート等のメタクリレート類があげられる。
B層の屈折率は特に限定するものではないが、A層の高い反射性能を損なわないため、屈折率1.4〜1.8程度、中でも1.4〜1.6程度の樹脂を選択してB層を形成するのが好ましい。
また、B層に微粒状充填剤を含有させることもできる。このような微粒状充填剤としては、上述のA層における微粒状充填剤と同様のものが使用することができるが、B層の硬化性、A層との密着性、および光反射体としての反射性能等を損なわないで、かつ、B層表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を所定範囲に設定することを考慮すると、平均粒径が0.3μm以下の微粒状充填剤が好ましく、特に0.2μm以下のシリカが優位である。
(B層表面の静摩擦係数及び動摩擦係数)
B層表面は、静摩擦係数が0.49以下であり、かつ、動摩擦係数が0.42以下であることが好ましい。
B層表面の静摩擦係数が0.49以下であり、かつ、動摩擦係数が0.42以下であれば、例えば本反射体をリフレクターに加工してノート型パソコンの液晶表示内に組み込んだ場合に、モニター部を開閉した際のノイズの発生を効果的に低減することができる。
かかる観点から、B層の表面の静摩擦係数は0.46以下であるのがさらに好ましく、0.43以下あるのがより一層好ましい。また、動摩擦係数は、0.36以下であるのがさらに好ましく、0.33以下であるのがより一層好ましい。
<光反射体の構成>
本光反射体は、A層を金属板の片面もしくは両面に直接積層して構成することも、また、A層と金属板との間にC層を介在させて構成することもできる。よって、例えばB層/A層/金属板からなる3層構成、B層/A層/金属板/A層、又はB層/A層/C層/金属板からなる4層構成、B層/A層/C層/金属板/A層からなる5層構成、B層/A層/C層/金属板/A層/B層、B層/A層/C層/金属板/C層/A層、B層/A層/C層/金属板/C層/A層/B層、あるいはそれ以上の多層構成として成型することができる。
また、A層、B層およびC層以外の他の層(接着層等)を備えた積層構成としても形成することができる。
なお、各層の形成順としては特に限定はなく、例えば、A層上にB層を形成させた後に金属板と積層してもよいし、A層を金属板に積層させた後にB層をA層の表面側に積層させてもよい。
このような構成において、A層の厚さは、50μm〜250μmであることが好ましい。
また、B層の厚さは、1μm〜10μmが好ましく、さらに、1μm〜7μmが好ましく、特に2μm〜5μmが好ましい。
また、C層の厚さは、5μm〜100μmであることが好ましい。
また、光反射体全体の厚さとしては、所望の用途や使用する金属板によって異なり、特に限定されないが、小型、薄型の反射板用途の光反射体としての用途を鑑みると、0.05mm〜1mmとするのが好ましく、中でも0.1〜0.7mmとするのがより好ましい。
<光反射板の反射特性>
本光反射板は、波長550nmの光に対する反射使用面側から測定した反射率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面に充分な明るさを与えることができる。
<用途>
本光反射体は、以上のように高度な反射性能と高い耐熱性を兼ね備えていることから、パソコンやテレビなどのディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板として好適であるばかりか、光反射体を成形加工してなるリフレクターと呼ばれる部材としても好適に用いることができる。
<製造方法>
以下、本光反射体の製造方法の例について説明するが、本発明の光反射体の製造方法が次の製造方法に限定されるものではない。
本光反射体は、第1の実施形態と同様にフィルムAを作製した後、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂の塗布液を調製し、前記フィルムA上に塗工し、乾燥させて溶剤を除去した後、加熱又は電離放射線の照射によって硬化させてB層を形成することができる。
なお、B層を形成する上記のフィルムAは、延伸或いは熱処理してないフィルムであってもよいが、延伸済、さらには熱処理済のフィルムであるのが好ましい。具体的には、フィルムA上に塗工によってB層を形成する場合、延伸や熱処理済のフィルムA上にアウトラインで塗工形成する方法を採用してもよいし、又、未延伸状態のキャストフィルムを製膜する工程においてインラインでB層を塗工し、その後、延伸や熱処理を行う方法(所謂インラインコーティング)を採用してもよい。
熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂の塗工方法としては、例えばバーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、グラビアコーター、スピンコーター等の周知のコーター、また、スプレーコートやディップコート等の周知のコーティング方法によって塗布形成できる。
また、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の周知の印刷方法によってB層を形成することもできる。
なお、A層上にB層を形成する際、A層表面上をコロナ放電処理等の表面処理手段によって接着性を高めてもよい(前述した金属板の表面処理と同様の手段を使用できる)。また、両層間にアンカーコート層、接着層等が介在していても構わない。
次に、上記の如く作製した、B層を備えたフィルムAを、C層を構成するポリエステル系樹脂からなるフィルムCを介して、金属板上に積層して本光反射体を製造すればよい。
この際の積層する方法としては、金属板上に、フィルムC、B層を備えたフィルムAの順に重ね、この状態で加熱加圧ロールに供給し熱融着する方法を挙げることができる。
熱融着する温度は、密着力の点から、140℃〜280℃の温度範囲で行うことが好ましく、150℃〜210℃の温度範囲がさらに好ましい。
なお、金属板の表面温度が、A層及びC層を構成する樹脂の融点程度となるように加熱し、ゴムロールにより熱融着することもできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲が実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
なお、実施例に示す測定値及び評価は以下に示すようにして行った。また、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと示した。
<測定及び評価方法>
(1)静摩擦係数・動摩擦係数
JIS K 7125に基づき、A層表面の静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。この際、n=5で測定し、その平均値を表1に示した。
(2)密着性
JIS Z 2247に準拠した描画エリクセン試験機により、4mm押出した際に金属薄板からフィルムの剥離が認められるか否かを目視観察する方法で、フィルムの剥離が認められないものを○、実用上問題が無い程度のものを△、フィルムの剥離が認められるものを×と判定した。
(3)反射率
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長550nmの光に対する反射率を測定し、反射率の低下が認められないものを○、実用上問題が無い程度(−0.5%未満)のものを△、反射率の低下が認められる(−0.5%超)ものを×と判定した。なお、測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
(4)ノイズ音評価
光反射体を17インチノート用リフレクターに加工して、実際のノートPCに組み込みんで開閉した時の音を評価した。
○・・・音がならない
△・・・音がかすかにする
×・・・音がする
(5)平均粒径
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過の時間より、平均粒径を算出した。
(6)酸化チタン中のニオブ濃度(ppm)
JIS M−8321「チタン鉱石−ニオブ定量方法」に基づいてニオブ含有量を測定した。すなわち、試料を0.5gはかり取り、この試料を、融解合剤[水酸化ナトリウム:過酸化ナトリウム=1:2(質量比)]5gが入れられたニッケル製るつぼに移し入れ、かき混ぜた後、その試料の表面を約2gの無水炭酸ナトリウムで覆い、るつぼ内で試料を加熱融解して融成物を形成した。この融成物を、るつぼ内に入れたままの状態で放冷した後、融成物に温水100ml及び塩酸50mlを少量ずつ加えて溶解させて、さらに水を加えて250mlにメスアップした。この溶液を、ICP発光分光装置で測定し、ニオブ含有量を求めた。ただし、測定波長は309.42nmとした。
[実施例1]
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、ガラス転移温度65℃)70質量部に、平均粒径0.25μmの酸化チタン(ルチル型、ニオブ濃度430ppm;シリカ、アルミナおよびジルコニアによる表面処理あり、塩素法プロセスにより製造)30質量部の割合で混合した樹脂組成物を、220℃に設定された押出機で溶融し、押出し、キャストロールで冷却し、ここで摩擦調整剤として、エレクトロストリッパーAC(;商品名、花王製、組成:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸系)の溶液を、乾燥後の厚みが0.1μmとなるようにキャスト面に塗布し、温度65℃でMDに2.5倍、TDに2.8倍に2軸延伸した後、140℃で熱処理して厚さ75μmのキャストシートを得た。
次いで、該キャストシートとステンレス鋼板(厚さ0.1mm、SUS304)との間に、テレフタル酸−イソフタル酸ポリエステル共重合体(共重合PET)からなる厚さ15μmのフィルムを介在させ、180℃で熱融着し、厚さ約190μmの光反射体を得た。
この光反射体について、静摩擦係数、動摩擦係数、密着性、反射率及びノイズ音評価を行い、その結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において摩擦調整剤として使用したエレクトロストッパACの代わりに、リケマールA(;商品名、理研ビタミン製、組成:ショ糖脂肪酸エステル系)を用いた以外は、全て実施例1と同様に光反射体を得、静摩擦係数、動摩擦係数、密着性、反射率及びノイズ音評価を行い、その結果を表1に示した。
[比較例1]
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、ガラス転移温度65℃)70質量部に、平均粒径0.25μmの酸化チタン(ルチル型、ニオブ濃度430ppm;シリカ、アルミナおよびジルコニアによる表面処理あり、塩素法プロセスにより製造)30質量部の割合で混合した樹脂組成物を、220℃に設定された押出機で溶融し、押出し、キャストロールで冷却し、摩擦調整剤を塗布しないで、温度65℃でMDに2.5倍、TDに2.8倍に2軸延伸した後、140℃で熱処理して、厚さ75μmのキャストシートを得た。
次いで、該キャストシートとステンレス鋼板(厚さ0.1mm、SUS304)との間に、テレフタル酸−イソフタル酸ポリエステル共重合体(共重合PET)からなる厚さ15μmのフィルムを介在させ、180℃で熱融着し、厚さ約190μmの光反射体を得た。
この光反射体について、静摩擦係数、動摩擦係数、密着性、反射率及びノイズ音評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 0004769812
[実施例3]
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、ガラス転移温度65℃)70質量部に、平均粒径0.25μmの酸化チタン(ルチル型、ニオブ濃度430ppm;シリカ、アルミナおよびジルコニアによる表面処理あり、塩素法プロセスにより製造)30質量部の割合で混合した樹脂組成物を、220℃に設定された押出機で溶融し、押出し、キャストロールで冷却し、温度65℃でMDに2.5倍、TDに2.8倍に2軸延伸したあと、140℃で熱処理し厚さ75μmのフィルム(A層)を得た。
次いで、このA層の反射使用面側に6官能アクリレートモノマ50質量部、表面をアクリレート化した平均粒径20nmのシリカ微粒子30質量部、光重合開始剤5質量部、メチルエチルケトン15質量部を混合し、ロールコーターにて乾燥後膜厚2μmになるように塗工し、溶剤乾燥後、高圧水銀灯により紫外線を300mJ/cm照射してB層を形成した。
次いで、該B層/A層とステンレス鋼板(厚さ0.1mm、SUS304)との間に、テレフタル酸−イソフタル酸ポリエステル共重合体(共重合PET)からなる厚さ15μmのフィルムを介在させ、180℃で熱融着し、厚さ約192μmの光反射体を得た。
この光反射体について、上記の滑り性、密着性、反射率評価、ノイズ音評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、ガラス転移温度65℃)70質量部に、平均粒径0.25μmの酸化チタン(ルチル型、ニオブ濃度430ppm;シリカ、アルミナおよびジルコニアによる表面処理あり、塩素法プロセスにより製造)30質量部の割合で混合した樹脂組成物を、220℃に設定された押出機で溶融し、押出し、キャストロールで冷却し、温度65℃でMDに2.5倍、TDに2.8倍に2軸延伸したあと、140℃で熱処理し厚さ75μmのフィルム(A層)を得た。
次いで、A層の反射使用面側に、実施例1におけるB層を塗布せずに、A層とステンレス鋼板(厚さ0.1mm、SUS304)との間に、テレフタル酸−イソフタル酸ポリエステル共重合体(共重合PET)からなる厚さ15μmのフィルムを介在させ、180℃で熱融着し、厚さ約190μmの光反射体を得た。
この光反射体について、上記の滑り性、密着性、反射率評価、ノイズ音評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0004769812
表2から明らかなように、表面に電離放射線硬化型樹脂からなるB層を備えた実施例3の光反射体は、表面にB層を有しない比較例2の光反射体に比べて、密着性および反射率を損なうことなくノイズ音を低下することができた。

Claims (8)

  1. 脂肪族ポリエステル系樹脂、微粉状充填剤及び摩擦調整剤を含有してなるA層が、金属板の片面側若しくは両面側に積層されてなる構成を備えた光反射体であって、少なくとも該A層の反射使用面側の表面の静摩擦係数が0.49以下であり、且つ、動摩擦係数が0.42以下である光反射体。
  2. 摩擦調整剤として、分子内に親水性部分と親油性部分とを併せ持った界面活性剤或いはこれを主成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載の光反射体。
  3. A層の脂肪族ポリエステル系樹脂が、乳酸系重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射体。
  4. A層が含有する微粉状充填剤は、A層全体に対して10質量%〜60質量%の割合で含有されることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の光反射体。
  5. A層が含有する微粉状充填剤は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の光反射体。
  6. A層が含有する微粉状充填剤は、ニオブ含有量が500ppm以下の酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の光反射体。
  7. A層が含有する微粉状充填剤は、酸化チタンであり、その表面がシリカ、アルミナ、及びジルコニアの群から選ばれる少なくとも1種類の不活性無機酸化物で被覆されたものであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の光反射体。
  8. 請求項1乃至の何れかに記載の光反射体を用いた液晶表示装置用バックライト装置。
JP2007533798A 2005-12-22 2006-12-19 光反射体 Expired - Fee Related JP4769812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007533798A JP4769812B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-19 光反射体

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005369692 2005-12-22
JP2005369692 2005-12-22
JP2006023197 2006-01-31
JP2006023197 2006-01-31
PCT/JP2006/325233 WO2007072801A1 (ja) 2005-12-22 2006-12-19 光反射体
JP2007533798A JP4769812B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-19 光反射体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011013031A Division JP2011150348A (ja) 2005-12-22 2011-01-25 光反射体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007072801A1 JPWO2007072801A1 (ja) 2009-05-28
JP4769812B2 true JP4769812B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=38188579

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007533798A Expired - Fee Related JP4769812B2 (ja) 2005-12-22 2006-12-19 光反射体
JP2011013031A Abandoned JP2011150348A (ja) 2005-12-22 2011-01-25 光反射体

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011013031A Abandoned JP2011150348A (ja) 2005-12-22 2011-01-25 光反射体

Country Status (3)

Country Link
JP (2) JP4769812B2 (ja)
TW (1) TW200732142A (ja)
WO (1) WO2007072801A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053604A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd 反射板用白色ポリエステルフィルム
WO2012036061A1 (ja) * 2010-09-15 2012-03-22 シャープ株式会社 照明装置、表示装置およびテレビジョン受像機
EP2693102B1 (en) * 2011-03-29 2016-06-22 Toray Industries, Inc. White-colored reflection film for edge-light type backlight, and liquid crystal display backlight using same

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11198284A (ja) * 1998-01-19 1999-07-27 Mitsubishi Plastics Ind Ltd プレス加工性に優れた光反射体
JP2001130179A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Konica Corp 画像記録体及び画像記録体製造方法
JP2004012921A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Mitsui Chemicals Inc 反射体及びそれを用いたサイドライト型バックライト装置および液晶表示装置
WO2004104077A1 (ja) * 2003-05-20 2004-12-02 Mitsubishi Plastics, Inc. 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
WO2005039872A1 (ja) * 2003-10-27 2005-05-06 Mitsubishi Plastics, Inc. 反射フィルム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3821596B2 (ja) * 1999-03-03 2006-09-13 三井化学株式会社 反射体及びその加工方法及びそれを用いた反射部材
JP4217862B2 (ja) * 2001-06-27 2009-02-04 日本ゼオン株式会社 積層体及び光反射シート
JP5031177B2 (ja) * 2003-11-26 2012-09-19 三菱樹脂株式会社 蒸着用ポリエステルフィルム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11198284A (ja) * 1998-01-19 1999-07-27 Mitsubishi Plastics Ind Ltd プレス加工性に優れた光反射体
JP2001130179A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Konica Corp 画像記録体及び画像記録体製造方法
JP2004012921A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Mitsui Chemicals Inc 反射体及びそれを用いたサイドライト型バックライト装置および液晶表示装置
WO2004104077A1 (ja) * 2003-05-20 2004-12-02 Mitsubishi Plastics, Inc. 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
WO2005039872A1 (ja) * 2003-10-27 2005-05-06 Mitsubishi Plastics, Inc. 反射フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011150348A (ja) 2011-08-04
TW200732142A (en) 2007-09-01
JPWO2007072801A1 (ja) 2009-05-28
WO2007072801A1 (ja) 2007-06-28
TWI356768B (ja) 2012-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3927585B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
WO2006054626A1 (ja) 光反射体及び光反射体の製造方法
US20090082499A1 (en) Aliphatic polyester-based resin reflective film and reflective plate
US20070202320A1 (en) Aliphatic Polyester-Based Resin Reflective Film And Reflective Plate
JPWO2005045482A1 (ja) 反射フィルム
JP2007030284A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム
JPWO2005039872A1 (ja) 反射フィルム
JP2007033738A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム
JP4913476B2 (ja) 反射フィルムおよびそれを用いた反射板
JP4769812B2 (ja) 光反射体
JP4750405B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2007021952A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP4791028B2 (ja) 光反射体及び光反射体の製造方法
JP4791609B2 (ja) 光反射板及び光反射板の製造方法
JP2006145568A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP4630642B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP4804741B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2006145915A (ja) 反射フィルム
JP2006145917A (ja) 光反射体及び光反射体の製造方法
JP5054888B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2008233292A (ja) 反射フィルム及び反射板
JP4550787B2 (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板
JP2006145916A (ja) 反射フィルム
JP2006145914A (ja) 反射フィルム
JP2007023185A (ja) 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及び反射板

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350