JP4769700B2 - 光コネクタブーツ、および光コネクタブーツの取付け構造 - Google Patents

光コネクタブーツ、および光コネクタブーツの取付け構造 Download PDF

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Description

本発明は、光コネクタのブーツ、およびブーツの取付け構造に関する。
従来から、光ファイバを各種装置に接続する際に光コネクタが多用されている。そして、光コネクタと光ファイバとの接続部分には、光ファイバが湾曲する際に増大する側圧によって生じる光の伝送損失を低減するため、光コネクタブーツが装着されている。
この種の従来技術に関連する光コネクタブーツが、特許文献1に記載されている。図11は、この従来の光コネクタブーツの概要を示す模式図で、(a)は光コネクタブーツに荷重が掛かっていない状態、(b)は光コネクタブーツの図面右下方に向かって荷重が掛かっている状態をそれぞれ示している。
図11(a)に示すように、光コネクタブーツ101には所定のピッチPでスリット135が形成されている。このスリット135は、光コネクタブーツ101の長さ方向と直交し、且つ外側へ対称に開口する二個で一対のスリット135が複数対形成されている。また、スリット135は連結部133を底とすると深さ方向に一定の幅で形成されている。
光ファイバ(図示せず)がコネクタプラグ(図示せず)に連結され、所定の装置に固定されると光ファイバはその自重によって下方へ湾曲してしまうが、光コネクタブーツ101を装着することによって、このときの曲率半径を大きくし、側圧を低減している。
そして、光コネクタブーツ101は、光ファイバ(図示せず)に装着され、コネクタプラグ(図示せず)に組付けられると、光ファイバ(図示せず)の自重によって、図11(b)の破線に示すように光コネクタブーツ101は下方へ緩やかに湾曲する。
特開平8−122567号公報
しかしながら、上記従来例の光コネクタブーツでは、スリットの深さ方向に対してスリットの幅が一定なので、光ファイバへ光コネクタの着脱方向に対して90度の向き(図面の下方)に引張り荷重が掛かった場合に、図11(b)の破線で示される形状には湾曲せずに、実線で示すように、スリット135連結部133で剪断方向にずれてしまい、急角度で光ファイバが曲げられて、側圧が増大し、光の伝送損失が大幅に増大してしまうという問題があった。
そこで本発明は、上記した従来技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、光ファイバの配索方向に対して90度の向きに引張り荷重が掛かった場合でも、所定の部位で屈曲し、全体として緩やかに湾曲することで、光ファイバの曲がりを緩やかにし、光の伝送損失を低減することができる光コネクタブーツを提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、角筒形状を有し、内部に形成される挿通孔に複数の被覆付単心光ファイバが挿通される第1被覆部と、角筒形状を有し、内部に形成される挿通孔に複数の前記被覆付単心光ファイバが挿通される第2被覆部と、該第1被覆部と該第2被覆部の両幅広側壁を揺動自在に一体連結する第1連結部と、で構成される単位構造体と、角筒形状を有し、前記第1被覆部または前記第2被覆部と一体に形成される固定部とを備え、前記単位構造体を前記被覆付単心光ファイバの軸方向に沿って複数個隣接し、隣合う該単位構造体の間にて、一方の単位構造体の第1被覆部と他方の単位構造体の第2被覆部の両幅狭側壁を第2連結部を介して、揺動自在に一体に連結し、前記第1連結部を挟んで、該第1連結部から外周に向けてV字形状に拡開する一対の第1スリットを形成し、前記第2連結部を挟んで両側に、該第2連結部から外周に向けて拡開する一対の第2スリットを形成し、該固定部と各単位構造体とが一体成形されたことを特徴とする光コネクタブーツである。
請求項2の発明は、区画枠を単位構造体の端部に有し、該区画枠の内部は、区画壁により複数の挿通孔に区画されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタブーツである。
請求項3の発明は、前記区画壁が前記第1連結部の延在方向に沿って、該第1連結部の直下に向い合った前記幅広側壁を連結しつつ、複数個形成されたことを特徴とする請求項2記載の光コネクタブーツである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光コネクタブーツにおいて、前記幅広側壁の壁面が延在する方向を前記被覆付単心光ファイバの主たる曲げ方向となるようにして、前記光コネクタブーツを光機器に取付けることを特徴とする光コネクタブーツの取付け構造である。
請求項1の発明によれば、一対の第1スリットによる開口部が、第1連結部を挟んで側壁の外側に向かって次第に拡開する対称な形状であるため、挿通孔に挿通される複数の被覆付単心光ファイバの曲りの中心が第1連結部の中央部分となるように屈曲し、全体として光ファイバコネクタブーツを所定の曲がり径以上で湾曲させることができる。これにより、被覆付単心光ファイバに対して局所的な過度の剪断力が発生しなくなるため、被覆付単心光ファイバの曲がりを緩やかにできる。その結果、光の伝送損失を低減させることができる。
また、拡開する第1スリットを幅広側壁に形成することにより、光コネクタブーツが幅広側壁の壁方向に沿う方向に屈曲しても第1スリットの開口部により、被覆付単心光ファイバに加わる曲げ力が分散して、光の伝送損失を低減させることができる。
さらに、第1スリットがV字形状であることにより、第1スリットの開口部で曲がり易さと、曲げ力の分散効果をより高めることができるばかりか、光コネクタブーツの最大の曲がり量がV溝の辺で規定されるから過度の屈曲を防止できる。
請求項2の発明によれば、光コネクタブーツ後端部に区画壁を有する区画枠を設けて、挿通孔を区画することにより、収納する被覆付単心光ファイバの本数が増大しても、挿通孔内で被覆付単心光ファイバの配列の乱れが生ずることを防止できる。
請求項3の発明によれば、区画壁を第1連結部の延在方向に沿って複数個形成することにより、被覆付単心光ファイバが挿通されるルートを明確にして、被覆付単心光ファイバの積層配列状態を安定させることができる。
請求項4の発明によれば、ケースを光機器に取付ける際に、拡開された第1スリットが形成された幅広側壁の壁面の延在する方向(壁面の延在方向)をケースから延出する被覆付単心光ファイバが主に曲がる方向、つまり光コネクタブーツが主に屈曲する方向に合わせることにより、ブーツ内に複数本挿通される被覆付単心光ファイバの曲がりを緩やかにできる。
これにより、収容された複数の被覆付単心光ファイバに対して局所的な曲がりや、内部の配線乱れの発生を防止できるから、光コネクタブーツを光機器に多数設置した場合でも、光伝送損失の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る光コネクタブーツの詳細を図面に基づいて説明する。図1〜図8は本発明の一実施形態を示し、図1は光コネクタブーツを使用した状態を示す構成概要図、図2は光コネクタブーツの斜視図、図3は光コネクタブーツの一部断面を示す正面図、図4は光コネクタブーツの一部断面を示す下面図、図5は光コネクタブーツの右側面図、図6は光コネクタブーツの左側面図、図7は光コネクタブーツの働きを示す概念図で(a)は荷重が掛かる前の状態図、(b)は荷重が掛かった状態図、図8は図1のA−A線に沿った断面図で、光コネクタブーツを用いた評価試験で計測する光ファイバの位置を示し、図9は汎用光ファイバに関する評価試験の計測結果で、(a)は入力される光の波長が1310nmの場合の計測結果、(b)は入力される光の波長が1550nmの場合の計測結果、(c)は入力される光の波長が1650nmの場合の計測結果で、図10は曲げ損失の少ない光ファイバに関する評価試験の計測結果で、(a)は入力される光の波長が1310nmの場合の計測結果、(b)は入力される光の波長が1550nmの場合の計測結果、(c)は入力される光の波長が1650nmの場合の計測結果である。
光コネクタブーツ1とは、柔軟な樹脂で一体成型された光ファイバを保護するための筒状の部品である。図1に本実施形態の光コネクタブーツ1を示す。図中、光ファイバ50の先端に、SCコネクタプラグ等の光コネクタプラグ50aが取付けられている方向を後端側(紙面上側)、スプリッタケース51側(紙面下側)とする。
スプリッタケース51は、内部にスプリッタ等の光部品と光ファイバ余長を収納する。スプリッタケース51は両側部51a,51aにより光配線盤等の光機器類のパネルに係止される。スプリッタケース51のフロント面51bからは、複数本の光ファイバ50がフロント面51bに取付けられた光コネクタブーツ1,1,1aの内部を経由して取出される。
複数本の光ファイバ50は、それぞれ、複数本の光ファイバ50を収納できる多心用の光コネクタブーツ1,1と、1本の光ファイバ50を収納できる単心用の光コネクタブーツ1aに振分けられて収納されている。多心用の光コネクタブーツ1,1の内部は、区画壁38(連結部)によって2つの光ファイバ挿通路に仕切られている。本実施形態では、各光ファイバ挿通路には8本の光ファイバ50が収納されている。8本の光ファイバ50は、横並びで4列(紙面左右方向、紙面に沿って光ファイバ50引出し方向とは垂直な方向)に並べられ、2層(紙面垂直方向)に積重ねられている。したがって、1個の多心用の光コネクタブーツ1は16本の単心光ファイバ50を整列収納する。52は、コードクランプであり、光ファイバ50を整列固定する部品である。
次に、図2、図3および図4に基づき、光コネクタブーツ1の構造について説明する。本実施形態の光コネクタブーツ1は、角形の固定部10と湾曲部20とにより構成される。光コネクタブーツ1の外観は、全体として角形で蛇腹状をなし、光コネクタプラグ50a側に向かって次第に先細り形状をなしている。各図において、光コネクタブーツ1の向い合った側壁は対称であり、同一形状である。また、側壁30aの幅(図3、紙面上下方向)は、側壁30bの幅(図4、紙面上下方向)よりも広い。したがって、以下、側壁30aを幅広側壁と呼び、側壁30bを幅狭側壁と呼ぶ場合がある。
固定部10は、平板状の4枚の側壁で構成されており、上下面(図3、紙面垂直方向)には2箇所の係止孔11、11が形成されている。固定部10は、後述する湾曲部20の枠体に連続している。光コネクタブーツ1をコードクランプ52に被せ、2箇所の係止孔11、11に固定部10の内部に収納されたコードクランプ52の係合突起(図示せず)を係合させることにより、コードクランプ52と光コネクタブーツ1が固定される。コードクランプ52はスプリッタケース51に固定されているため、光コネクタブーツ1とケース5が固定される。
次に、湾曲部20について説明する。湾曲部20は、固定部10と連続して形成されており、光コネクタプラグ50a側に向かって次第に小さくなる複数の単位構造体30、…30の集合である。各単位構造体30は、枠体をなす第1被覆部31と第2被覆部32が連結された中空の角筒形状をなし、その内部は光ファイバ50が挿通される挿通孔39をなしている。単位構造体30の側壁は連結部33,34によって光ファイバ50挿通方向(光コネクタブーツ1内部に挿通される光ファイバ50の方向)に沿って連結されている。
以下、さらに詳細に説明する。単位構造体30の第1被覆部31および第2被覆部32は、幅広側壁30a,30aと幅狭側壁30b,30bに囲まれた枠体をなしている。
第1被覆部31の幅広側壁30aと、同一の単位構造体内の向い合った第2被覆部32の幅広側壁30aが第1連結部33によって連結されている。連結される位置は幅広側壁30aの幅方向(図3、紙面上下方向)の側壁の中央に位置する連結域31a,32aである。
第1被覆部31と第2被覆部32は、幅方向(同上)において、中央に向かって次第に横幅(図3、紙面左右方向)が広くなっており、これら第1被覆部31と第2被覆部32の横幅が最大となる部分、すなわち第1被覆部31と第2被覆部32が最も接近した部分が連結域31a,32aとなる。第1連結部33はこの連結域31a,32aを連結する。これにより、第1被覆部31と第2被覆部32、および第1連結部33とによってV字形状の第1スリット35が形成される。
第1スリット35は、第1連結部33を中心にして両側(図3、紙面上下方向)に対称であり、幅広側壁30aの外周に向けて次第に開口する、ブーツ壁の内外を貫通する開口部をなしている。この開口部から光ファイバ50が露出する。これに対して、図4では、第1被覆部31の幅狭側壁30bと、隣接する別の単位構造体30の幅狭側壁30bが第2連結部34によって連結されている。連結される位置は、幅狭側壁30bの幅方向(図4、紙面上下方向)の中央に位置する連結域31bと連結域32bである。第2連結部34は、連結域31bと連結域32bを連結する。幅狭側壁30bを構成する第1被覆部31と第2被覆部32は横幅(図4、紙面左右方向)が一定である。第1被覆部31と第2被覆部32、および第2連結部34とによってコ字形状の第2スリット36が形成される。
第2スリット36は、第2連結部34を中心にして両側(図4、紙面上下方向)に対称であり、ブーツ壁の内外を貫通する開口部をなしている。この開口部から光ファイバ50が露出する。言い換えると、光コネクタブーツ1の角筒を形成する縦横の側壁の一方に第1連結部33が形成され、他方に第2連結部34が交互に形成されていることになる。
光コネクタブーツ1の光コネクタプラグ50a側後端部には、第2被覆部32と連結部34によって連結された区画枠37が配置される。挿通孔39の内部は、区画枠37に設けられた区画壁(連結部)38により、挿通孔39aと挿通孔39bの2つに区画される。これら挿通孔39a,39bの断面は同じ形状である。区画壁(連結部)38は、幅広側壁30aの幅方向中央にて、向い合った幅広側壁30a,30aを連結する部材であり、光コネクタブーツ1の長手方向に沿って第1連結部33が延在する線上に位置する。つまり、光コネクタブーツ1の中央に位置する。区画壁38の位置は、光コネクタブーツ1の後端に位置する区画枠37のみに設けても良いし、複数、あるいは全ての連結部の直下に設けても良い。区画壁38の数を増やすことにより、光ファイバ50が挿通されるルートを明確にして、光ファイバ50の積層配列を安定させることができる。
図5は、光コネクタブーツ1を後端側から見た右側面図、図6は光コネクタブーツ1を先端側から見た左側面図である。
光コネクタブーツ1の外径を光コネクタプラグ50a側に向かって先細り形状にするために、幅広側壁30aと幅狭側壁30bの幅は、スプリッタケース51から光コネクタプラグ50a側に向かって次第に細くなっている。本実施形態の光コネクタブーツ1では、幅広側壁30aの肉厚は不変であるが、幅狭側壁30bの肉厚は次第に薄くなるように形成されている。したがって、挿通孔39,39a,39bの内径は、紙面上下方向では変わらないが、左右方向では狭くなっている。ただし、挿通孔39,39a,39bの内径変化や側壁の肉厚変化は本実施形態には限定されない。
直径2mmの心線に被覆を被せた16本の光ファイバ50を光コネクタブーツ1に挿通し、光コネクタブーツ1を曲げた際の光損失変動を所定値以下(汎用光ファイバ(SMファイバ)の場合1.0dB以下、曲げ損失の少ない光ファイバ(SR15ファイバ)の場合0.1dB以下)にするには、光コネクタブーツ1を曲げた状態で最も曲率半径が小さくなる位置での仮想円の半径を15mm以上にすればよいことが計算により算出されている。そこで、光コネクタブーツ1の各部について、図7(a)、(b)に示すように、上下方向の寸法a、第2連結部34によって連結される第1被覆部31と第2被覆部32の長手方向の寸法b、第1スリット35のスリット幅x、光コネクタブーツ1の全長L、光コネクタブーツ1を曲げた状態で最も曲率半径が小さくなる位置での仮想円の半径rとすると、寸法a=26mm、寸法b=3.3mm、スリット幅x=2.8mm、全長L=48.8mmとすることで、光コネクタブーツ1を湾曲させた状態で仮想円の半径r=15.3mmとなる。
次に、この寸法で光コネクタブーツ1の評価サンプルを作成し、評価試験を実施した。なお、評価サンプルは、ポリエステル・エラストマ(東レ・デュポン社、商品名ハイトレル7237F)によって一体に形成されている。評価試験の内容は、鉛直方向下向き(図8中Y方向)に引張り荷重を加える。引張り荷重の大きさは250g、500g、750gとする。測定する光の波長は1310nm、1550nm、1650nmとする。以上の各試験パターンで、上記汎用光ファイバと曲げ損失の少ない光ファイバについて光損失変動を計測した。図9(a)〜(c)は汎用光ファイバの光損失変動の計測結果、図10(a)〜(c)は曲げ損失の少ない光ファイバの光損失変動の計測結果であり、それぞれ図8に示される各位置の光ファイバ50の各位置に対応している。
図9(a)〜(c)、図10(a)〜(c)の評価試験結果から、発明品の構成で計算通りに光損失変動を所定値以下に低減できることが確認された。これは、発明品では第1連結部33が第1スリット35で挟まれた最狭部分になることに起因している。つまり、引張り荷重が加わっても、第1連結部33は剪断方向にずれることなく、その位置で屈曲するので、光コネクタブーツ1は設計通りの仮想円を描き、光損失変動が所定値以下に低減される。
しかしながら、図11に示す従来形状の光コネクタブーツ101では、上記の各寸法(a、b、x、L)を一致させても、光損失変動を低減することができない。これは、スリット135の形状がいわゆるV字溝形状ではなく一定幅形状であるため、連結部133が長さxの梁形状になってしまうことに起因している。つまり、連結部133が梁形状になることにより、引張り荷重が加わると、連結部133が剪断方向へ屈曲する(図11(b)の実線参照)ため、設計通りの仮想円よりも小さい曲率で曲げられる部位が生じ、光損失変動が増大してしまう。
以上のことから、本実施形態の光コネクタブーツ1は、第1連結部33を挟んで、第1スリット35が外側に向けて次第に拡開するいわゆるV字溝形状のため、第1連結部33で屈曲し、全体として光コネクタブーツ1が所定の仮想円を描きつつ円弧状に湾曲するため、剪断方向にずれることなく、光ファイバの曲がりを緩やかにして、光の伝送損失を低減することができる。
また、第1スリット35の開口部が大きく、曲げやすくなるため、取扱いが容易になるとともに、想定以上の曲げが加わることが無くなる。
光コネクタブーツ1は、先端側から後端側にかけて、内径が一定のまま外径が縮小することで、光コネクタブーツ1が後端側に向かって徐々に薄く、曲がりやすくなり、光ファイバ50の湾曲に沿って曲がるため、光コネクタブーツ1の後端部分で光ファイバ50に掛かる側圧を低減することができる。
挿通孔39を上下方向に区画する区画壁38を有することで、上下方向に積み重ねられる光ファイバ50の段数が減少し、最下段に掛かる側圧が低減される。なお、挿通孔39を幅方向に区画する区画壁(図示せず)を形成した場合には、上方の光ファイバの配列が崩れなくなるため、配列が崩れることによる側圧の発生を防止することができる。
第1スリット35と第2スリット36とを設けたことによって、光コネクタブーツ1が湾曲しやすくなり、光ファイバ50に掛かる側圧を低減することができる。
周方向に90度間隔で第1連結部33と第2連結部34が交互に配置されることにより、光コネクタブーツ1が湾曲しやすくなり、光ファイバ50に掛かる側圧を低減することができる。
光コネクタブーツ1を角筒形状に形成することで、特定の方向へ屈曲しやすくなり、予期せぬ方向への屈曲が少なくなるので、挿通孔39内で側圧の影響を受けやすい光ファイバ50を特定することができ、対策が容易になる。
角形に形成された多心用の光コネクタブーツ1で収容する光ファイバ50の配列が縦横で本数が異なる場合には、光コネクタブーツ1の曲がり易さに方向性が生じる。たとえば、本実施形態の光コネクタブーツ1では、幅狭側壁30b,30b間の方向には光ファイバ50が並列に8本並べられ、幅広側壁30a,30a間の方向には、2本配列されている。したがって、幅広側壁30aの延在方向(壁に沿った方向)は曲がり難く、これとは垂直な方向である幅狭側壁30bの延在方向は曲がりやすい。
本発明は、幅広側壁30aに第1スリット35を形成することにより曲がり難い幅広側壁30aに沿った方向に対する屈曲自由度を向上させる。また、第1スリット35が大きく開口することにより、光ファイバ50が側壁に拘束させる面積を少なくすることができるから、光コネクタブーツ1だけでなく光ファイバ50の曲げ自由度が向上させて局部的な曲げ応力の発生を防止することができる。また、内部を区画することによって、光ファイバ50の積層状態を安定させることができる。
本実施形態は、幅狭側壁30bに形成される第2スリット36は幅狭側壁30bの壁に沿った方向は曲がりやすいため拡開した形状ではなくコ字型であるが、これには限定されず、拡開する形状であっても良い。光コネクタブーツ1を、スプリッタケース51、光配線盤(図示せず)、光配線架(図示せず)、キャビネット(図示せず)、光配線ボックス(図示せず)等の光ファイバ50が固定枠から延出する光機器に取付けた際に、光コネクタブーツ1は所定の方向に曲げられる。たとえば、光ファイバ50の自重により鉛直方向直下に垂れ下がる。この方向を主たる曲げ方向とすれば、光コネクタブーツ1の幅広側壁30aの壁に沿った方向(壁方向)を光ファイバ50に加わる曲げ加重を緩和させることができる。ただし、光ファイバ50の折れ曲がり方向は、光ファイバ50配線の取り回しにより、鉛直方向には限定されないから、幅広側壁30aの取付け方向は光ファイバ50の予想される最も折れ曲がり角度の大きな方向(主たる方向)に沿ったものとなる。
本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを使用した状態を示す構成概要図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツの斜視図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツの一部断面を示す正面図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツの一部断面を示す下面図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを示す右側面図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを示す左側面図である。 本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツの概念を示す模式図で、(a)は荷重が掛かる前の状態図、(b)は荷重が掛かった状態図である。 図1のA−A線に沿った断面図で、本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを用いた評価試験で計測する光ファイバの位置を示している。 汎用光ファイバに関する本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを用いた評価試験の計測結果で、(a)は入力される光の波長が1310nmの場合の計測結果、(b)は入力される光の波長が1550nmの場合の計測結果、(c)は入力される光の波長が1650nmの場合の計測結果である。 曲げ損失の少ない光ファイバに関する本願発明の一実施形態を示す光コネクタブーツを用いた評価試験の計測結果で、(a)は入力される光の波長が1310nmの場合の計測結果、(b)は入力される光の波長が1550nmの場合の計測結果、(c)は入力される光の波長が1650nmの場合の計測結果である。 従来の光コネクタブーツの概念を示す模式図で、(a)は光コネクタブーツに荷重が掛かる前の状態図、(b)は荷重が掛かった状態図である。
符号の説明
1…光コネクタブーツ
10…固定部
30…単位構造体
31…第1被覆部
32…第2被覆部
33…第1連結部
34…第2連結部
35…第1スリット
36…第2スリット
38…区画壁
39…挿通孔
50…被覆付単心光ファイバ
52…コードクランプ(配索部位)
52a…後端部
d1…内径
d2…外径

Claims (4)

  1. 角筒形状を有し、内部に形成される挿通孔に複数の被覆付単心光ファイバが挿通される第1被覆部と、
    角筒形状を有し、内部に形成される挿通孔に複数の前記被覆付単心光ファイバが挿通される第2被覆部と、
    該第1被覆部と該第2被覆部の両幅広側壁を揺動自在に一体連結する第1連結部と、
    で構成される単位構造体と、
    角筒形状を有し、前記第1被覆部または前記第2被覆部と一体に形成される固定部とを備え、
    前記単位構造体を前記被覆付単心光ファイバの軸方向に沿って複数個隣接し、
    隣合う該単位構造体の間にて、一方の単位構造体の第1被覆部と他方の単位構造体の第2被覆部の両幅狭側壁を第2連結部を介して、揺動自在に一体に連結し、
    前記第1連結部を挟んで、該第1連結部から外周に向けてV字形状に拡開する一対の第1スリットを形成し、
    前記第2連結部を挟んで両側に、該第2連結部から外周に向けて拡開する一対の第2スリットを形成し
    該固定部と各単位構造体とが一体成形されたことを特徴とする光コネクタブーツ。
  2. 区画枠を単位構造体の端部に有し、該区画枠の内部は、区画壁により複数の挿通孔に区画されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタブーツ。
  3. 前記区画壁が前記第1連結部の延在方向に沿って、該第1連結部の直下に向い合った前記幅広側壁を連結しつつ、複数個形成されたことを特徴とする請求項2記載の光コネクタブーツ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の光コネクタブーツにおいて、
    前記幅広側壁の壁面が延在する方向を前記被覆付単心光ファイバの主たる曲げ方向となるようにして、前記光コネクタブーツを光機器に取付けることを特徴とする光コネクタブーツの取付け構造。
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