JP4769664B2 - 円偏波パッチアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、広帯域で良好な円偏波特性が得られる円偏波パッチアンテナに関する。
パッチアンテナにおいて円偏波を発生する方法は、直交モードそれぞれに90°の位相差を与えて励振する2点給電方式と、パッチに摂動素子を装荷して円偏波を得る1点給電方式がある。
2点給電方式は、広い周波数帯域にわたり良好な円偏波を放射することができるが、90°の位相差を与えるための等分配回路+90°遅延ラインなどの給電回路が必要である。そのため、相応のスペースが必要になるとともに、コスト高になってしまう。
一方で、1点給電方式は給電構造が2点給電方式に比べ簡単で、アンテナの小型化・低コスト化を図ることができる。しかしながら、1点給電方式の円偏波パッチアンテナでは円偏波帯域が非常に狭く、製作偏差により共振周波数がずれると、所望帯域で仕様を満足することができないという問題があった。
また、このような1点給電方式の円偏波パッチアンテナにおいては、比誘電率を下げたり、導体間隔を広げる手法をとることにより、無負荷Qを下げて帯域を広げることも可能であるが、比誘電率を下げると、パッチ寸法が大きくなってしまうという問題がある。
また、パッチにスリットを装荷することにより、パッチ寸法を小型化することも可能であるが、この場合は逆に帯域が狭くなるとともに利得が低下するという問題がある。
このように、アンテナの小型化と高利得・広帯域はトレードオフの関係にあり、小型化と高利得・広帯域を同時に実現することできる円偏波パッチアンテナの出現が待ち望まれている。
このような従来の課題を解決するための方策として、例えば特許文献1に開示された技術が提案されている。この技術は、特許文献1の図1に開示されたように、第1の誘電体基板11の下側全面に導体地板12(グランド導体)を形成し、上面に縮退分離素子15a、15b(摂動素子)を負荷した導体励振素子13(パッチ導体)を形成した円偏波パッチアンテナに対して、第2の誘電基板16に形成した導体無給電素子17を装荷し、導体励振素子13にのみ給電を行って導体励振素子13を励振させることにより、導体励振素子13と導体無給電素子17のインピーダンスを複共振状態にし、アンテナの広帯域化を図っている。
特開平07−307613号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示の技術は、導体励振素子13と導体無給電素子17のインピーダンスを複共振状態にするために、導体励振素子13と導体無給電素子17間の間隔を最適化する必要がある。そのため、アンテナ設計時の難易度が高くなってしまうとともに、導体励振素子13と導体無給電素子17間の間隔を0.08λ程度とる必要があるため(段落番号[0025]に記載、例えば、信号周波数が5.8GHzの場合、約4mmの間隔が必要となる。)、円偏波パッチアンテナの低姿勢化が図れないという問題がある。
さらに、前記特許文献1に開示の技術では2つの誘電基板(第1の誘電体基板11、第2の誘電体基板16)を平行に配置する必要があるため、円偏波パッチアンテナの低姿勢化が図れないとともに、部品点数が増えるため高コスト化を招くという問題がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、小型で且つ簡単な構成の1点給電方式の円偏波パッチアンテナによって、広帯域化、高利得化を実現できる円偏波パッチアンテナを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、摂動素子が付加されたパッチ導体と、誘電体層を介して前記パッチ導体と平行に配置されたグランド導体と、前記グランド導体に形成されたスロットと、前記パッチ導体及び前記スロットをともに励振させる給電回路とを備え、前記パッチ導体と前記スロットとがそれぞれ励振することによって生成される電磁界ベクトルが同方向となるように、前記パッチ導体及び前記スロットを配置したことを特徴とする。
前記スロットの形状としては、例えば、リング状スロットや、矩形や円形のスロット、縦横の長さの異なる十字状スロット、或いは互いに長さと向きが異なる2素子以上の直線状スロットなどが考えられ、これらは、摂動素子が付加された円偏波発生可能なスロットであることが好ましい。
また、前記スロットを前記パッチ導体の外郭と略同形状の外郭にした場合には、設計の容易化を図ることができるとともに、前記パッチ導体と前記スロットとを補対構造とすることができ、より広帯域化を図ることができる。
また、前記パッチ導体と前記スロットを、略同形状の外郭で且つ互いの向きが略直交するように、両者を対向して配置することにより、簡単に前記パッチ導体と前記スロットにより生成される電磁界ベクトルを同方向にすることができる。
また、本発明は、背面輻射を抑圧する反射板導体を前記グランド導体の背面側に設けることにより、ボアサイトの利得を大幅に向上させることも可能である。
本発明にかかる円偏波パッチアンテナは、摂動素子が付加されたパッチ導体と、グランド導体に形成されたスロットとが互いに作用し合って励振するため、一点給電方式の円偏波パッチアンテナであっても、小型で且つ高利得、広帯域な特性を得ることが可能になる。
また、前記パッチ導体と前記スロットとを、略同形状の外郭で且つ互いの向きが略直交するように、対向して配置したことにより、簡単な設計工程にて、小型で且つ高利得、広帯域な円偏波パッチアンテナを得ることが可能になる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による円偏波パッチアンテナについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による円偏波パッチアンテナの構成を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は上面図、図1(c)は側面図をそれぞれ示す。
図1において、本発明の実施の形態1による円偏波パッチアンテナは、1点給電にて円偏波を発生するパッチアンテナであり、アンテナの放射エレメントとなるパッチ導体1と、パッチ導体1と平行に配置されたパッチ導体1よりも大きな寸法のグランド導体2と、パッチ導体1とグランド導体2間に配置された誘電体層3と、グランド導体2に形成されたリング状スロット4と、パッチ導体1とグランド導体2との間に配置され、パッチ導体1及びリング状スロット4に1点給電するL型プローブ5とからなる。
パッチ導体1は円偏波を発生するための摂動素子が付加された導体であり、1点給電にて円偏波を発生するための「切欠き」や「出っ張り」が施されている。ここでは図1に示すようにパッチ導体1の形状を長方形形状としている。これにより、パッチ導体1の形状を給電点から見て非対称にすることができ、パッチ導体上に互いに直交する2つの励振モードを発生させて円偏波を発生させることができる。
誘電体層3は、空間や、BTレジン基板、ガラスエポキシ基板等の誘電体基板により形成されており、通常、アンテナの効率を悪化させない誘電体損失の少ない材料が選択される。なお、誘電体層3は空間(空気層)と誘電体基板を組合せて形成してもよい。
リング状スロット4は、パッチ導体1の外郭と略同形状の外郭を有するスロットである。リング状スロット4をパッチ導体1の外郭と略同形状にすることにより、アンテナの設計を容易化することができる。スロット幅については特に限定はなく、少なくとも0.5mm以上のスロット幅を有していれば十分な効果が得られることを確認している。また、リング状スロット4に換えて完全にくり貫いたスロットを形成した場合であっても同様の効果を得ることができる。
パッチ導体1とリング状スロット4とは互いに対抗するように配置され、パッチ導体1とリング状スロット4がそれぞれ励振することによって生成される電磁界ベクトルが同方向となるように互いの向きを決定している。この時、パッチ導体1とリング状スロット4間を伝達する電磁波の位相変化を考慮してパッチ導体1とリング状スロット4の互いの向きを決定しても良い。しかしながら、パッチ導体1とリング状スロット4間の距離は通常0.8mmや1.6mm程度であり、アンテナが送受信する周波数信号の波長に比べ十分小さい。そのため、パッチ導体1とリング状スロット4が同形状の場合には互いの向きが略直交するように配置すれば十分である。なお、基板厚を0.6〜3.0mmまで変化させてシミュレーションを行ったが、各厚みにおいてパッチ寸法、スロット寸法を最適化すれば、何れの厚みにおいてもほぼ同様の小型化、広帯域化の効果が得られた。図1に示す例では、長方形形状のパッチ導体1とリング状スロット4とを互いの長辺及び短辺同士が略直交するように対向させて配置している。
L型プローブ5は、1点給電によってパッチ導体1及びリング状スロット4をともに励振させる給電回路であり、準TEMモードの電磁界を形成する。なお、図1には示していないがインピーダンス整合を取るために、L型プローブ5にスタブ等のインピーダンス整合回路を付加してもよい。
次に、本発明にかかる円偏波パッチアンテナの動作について説明する。
L型プローブ5に給電された電気信号は、準TEMモードの電磁界を形成してL型プローブ5を伝搬し、その上部に位置するパッチ導体1と電気的に結合することでパッチ導体1を励振する。励振されたパッチ導体1は摂動素子が付加されているため、パッチ導体1上には縮退が解かれた2つの直交モードが励起され、電磁波は円偏波となって放射される。
一方で、L型プローブ5を伝搬する電磁界は、プローブの下部に位置するリング状スロット4とも電気的(磁気的)に結合しリング状スロット4を励振する。励振されたリング状スロット4は、パッチ導体1と同様に、電磁波を放射する。
このようにして、パッチ導体1及びリング状スロット4から放射された電磁波は、さらに互いの励振動作により作用し合って、パッチ導体1とリング状スロット4との相互作用により、円偏波パッチアンテナの広帯域化を実現している。この主な要因としては、例えば、パッチ導体1及びリング状スロット4から放射された電磁波が電気的に結合することによる複共振作用や、パッチ導体1とリング状スロットの補対作用が考えられる。
図2は、5.8GHz帯の1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナの構成の一例を示す図であり、図3は、図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナのパッチ導体及びリング状スロットの寸法を示す図である。
図2、図3に示す1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナは、パッチ導体1に8mm×8.8mmの長方形形状をした摂動型円偏波素子を使用し、誘電体層3にはグランド導体2と同形状で高さが1.6mmの比誘電率が4.4のFR−4(ガラスエポキシ基板)を使用している。
給電系はL型プローブを用いた1点給電方式を採用し、インピーダンス整合を取るためにオープンスタブ7及びショートスタブ8を設けて最適化を行っている。
また、リング状スロット4は、グランド導体2のパッチ導体1と対向する位置に、パッチ導体1の外形と略同形状の外郭で且つパッチ導体1と略直交するように形成した。リング状スロット4のスロット幅は、略1.2mmとしている。
図4は、図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナのパッチ導体寸法、誘電体層、給電系を変化させず、グランド導体2にリング状スロットを形成した場合と、形成しない場合との軸比周波数特性の変化を示している。
図4において、左側がリング状スロットありの検証結果であり、右側がリング状スロット無しでの検証結果である。なお、図4に示した検証結果は、放射に寄与した電界成分のみを抽出して円偏波特性(軸比)を示した図であり、給電部の入力インピーダンス特性を排除した状態で比較を行っている。
図4に示すように、グランド導体2に形成したリング状スロット4の効果により、パッチ導体寸法が同じでも中心周波数が低域へシフトしている。すなわち、これは所望の中心周波数を得るために、パッチ導体を小型化できることを示している。
また、軸比3dB帯域幅を比較すると、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合の比帯域が5.6%であるのに対し、グランド導体2にリング状スロット4を形成しなかった場合の比帯域が2.2%であり、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合の方が、比帯域が2.5倍以上広くなっていることがわかる。
次に、本発明にかかる円偏波パッチアンテナの入力インピーダンス(VSWR)特性について図5、図6を用いて説明する。
図5は、図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナ(グランド導体にリング状スロットを形成)の入力インピーダンス(VSWR)特性を示す図である。
整合回路として、オープンスタブ7及びショートスタブ8を用いて最適化を行った場合、VSWR<2.0の帯域幅は、比帯域で22.5%と非常に広帯域であるとの結果が得られた。
また、図6は、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合と、形成しない場合との入力インピーダンス(VSWR)特性の比較結果を示したものである。
図6に示すように、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合と、形成しない場合とを比較すると、周波数特性はリング状スロット4ありの方がリング状スロット4なしに比べ低域側にあらわれ、アンテナの小型化の効果が得られていることがわかる。
また、全体的な特性(V字状の特性)をみると、例えば、VSWR≦2の比帯域では、リング状スロットありの場合が22.5%であるのに対し、リング状スロットなしの場合が5.0%であり、リング状スロット4ありの方がリング状スロット4なしに比べV字の開きが大きく、広帯域化の効果が得られていることもわかる。
次に、本発明にかかる円偏波パッチアンテナの利得周波数特性について図7、図8を用いて説明する。
図7は、図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナ(グランド導体にリング状スロットを形成)の利得周波数特性(右旋円偏波成分)を示す図である。
整合回路として、オープンスタブ7及びショートスタブ8を用いて最適化を行った場合、利得ピークから1dBダウンした帯域幅は、比帯域で17.5%と非常に広帯域であるとの結果が得られた。
また、図8は、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合と、形成しない場合との利得周波数特性(右旋円偏波成分)の比較結果を示したものである。
図8に示すように、グランド導体2にリング状スロット4を形成した場合と、形成しない場合とを比較すると、利得周波数特性はリング状スロット4ありの方がリング状スロット4なしに比べて低域側であるため、小型化の効果が得られていることがわかる。
また、全体的な特性(山なりの特性)をみると、例えば、ピーク利得から1dB低下した比帯域で、リング状スロットありの場合が17.5%であるのに対し、リング状スロットなしの場合が9.7%であり、リング状スロット4ありの方がリング状スロット4なしに比べ山なりの特性の裾野の広がりが大きく、広帯域化の効果が得られていることもわかる。
このように、本発明のパッチアンテナによれば、グランド導体2にリング状スロット4を形成したことにより、パッチ導体寸法の小型化を図ることができるとともに、1点給電パッチアンテナの円偏波特性を広帯域にすることができる。
また、本発明のパッチアンテナによれば、1点給電で広帯域な円偏波特性が得られるため、2点給電構成に比べ給電系をシンプルにすることができる。
また、最適なインピーダンス整合回路を付加すれば、整合帯域も非常に広帯域となり、利得の周波数特性においても広帯域となる。
なお、本実施形態では、パッチ導体1と略同形状の外郭を有するリング状スロット4をグランド導体2に形成するものについて説明したが、パッチ導体1と同形状でない、楕円形のスロットや、縦横の長さの異なる十字状スロット、或いは互いに長さと向きが異なる2素子以上の直線状スロットなど、円偏波を発生可能な摂動素子が付加されたスロットをグランド導体2に形成した場合であっても、同程度の効果が得られることを確認済みである。なお、この時、パッチ導体1とリング状スロット4の配置は、各々がそれぞれ励振することによって生成される電磁界ベクトルが同方向となるように対向させて配置する。
また、グランド導体に形成するスロットは、正方形リングや円形リングのような直線偏波素子でもよい。もっとも、この場合は、円偏波特性が劣化してしまうため、円偏波の広帯域化という面では円偏波素子でスロットを形成した場合に比べ効果が少ないが、アンテナの小型化という面では、円偏波素子でスロットを形成した場合と同程度の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
前述した実施の形態1では、L型プローブ給電方式を用いてパッチ導体1及びリング状スロット4をともに励振させるものについて説明したが、図9に示すように、パッチ導体1と同一面のパッチ端から給電する共平面給電方式をとってもよい。L型プローブ給電方式を用いて円偏波パッチアンテナを構成する場合には、図10に示すように、L型プローブ4を誘電体層3により上下方向から挟んで3層構造にする必要があった。一方で、図9に示すように、給電方式を共平面給電方式にすることで円偏波パッチアンテナを両面基板によって製造することができ、更なる構成の簡易化、低コスト化を図ることが可能になる。
以下に、共平面給電方式により給電を行う場合の本発明にかかる円偏波パッチアンテナの動作について説明する。
共平面給電ライン9に給電された電気信号は、準TEMモードの電磁界を形成して共平面給電ライン9を伝搬し、パッチ導体1を直接励振する。励振されたパッチ導体1は摂動素子が付加されているため、パッチ導体1上には縮退が解かれた2つの直交モードが励起され、電磁波は円偏波となって放射される。
また、パッチ導体1から放射された電磁波によって形成された電磁界は、パッチ導体1の下部に位置するリング状スロット4とも電気的(磁気的)に結合しリング状スロット4を励振する。励振されたリング状スロット4は、パッチ導体1と同様に、電磁波を放射する。
これにより、前述の実施の形態1と同様に、パッチ導体1とリング状スロットから放射された電磁波が互いの励振動作に作用し合い、パッチ導体1とリング状スロット4との相互作用により、円偏波パッチアンテナの広帯域化を実現している。
なお、ここでは、共平面給電方式について説明したが、グランド導体側からパッチ導体1に対して給電する方式など、通常の1点給電方式のパッチアンテナで使用される様々な給電方式を採用した場合であっても同様の効果を得ることができる。
また、ここでは、1点給電方式の円偏波パッチアンテナについて説明したが、パッチ導体1及びグランド導体2に形成されたスロットをともに励振させる給電方式であれば、その給電方式には特に限定されず、例えば、2点給電方式の円偏波パッチアンテナであっても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1及び2で説明したように、グランド導体2にリング状スロット4を形成したことにより、上記に述べた効果が得られたが、リング状スロット4から放射する電磁波は上下方向へ伝搬していく。そのため、アンテナ背面側へは比較的強い左旋円偏波成分の電磁波が放射される。この放射は、用途によっては不要輻射として有害な作用を及ぼす可能性があり、さらには背面側への不要輻射はボアサイトの利得低下の要因となってしまう。そこで、本発明の実施の形態3では、この背面側への不要輻射を抑制できる円偏波パッチアンテナについて説明する。
図11は、本発明の実施の形態3による円偏波パッチアンテナの構成を示す図である。
図11に示すように、グランド導体2の背面側に導体で形成された反射板10を付加することで、背面輻射を抑圧でき、さらにボアサイトの利得を大幅に向上させることができる。
また、反射板10は、本発明にかかる円偏波パッチアンテナを載荷するアンテナユニットの基板面一面を金属皮膜すればよく、簡易な構成により実現可能である。
本発明の実施の形態1による円偏波パッチアンテナの構成を示す図 本発明の実施の形態1による1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナの構成の一例を示す図 図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナのパッチ導体及びリング状スロットの寸法を示す図 リング状スロットの有無による軸比周波数特性の変化を示す図 図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナ(グランド導体にリング状スロットを形成)の入力インピーダンス(VSWR)特性を示す図 リング状スロットの有無による入力インピーダンス(VSWR)特性の変化を示す図 図2に示した1点給電右旋円偏波方形パッチアンテナ(グランド導体にリング状スロットを形成)の利得周波数特性(右旋円偏波成分)を示す図 リング状スロットの有無による利得周波数特性(右旋円偏波成分)の変化を示す図 本発明の実施の形態2による円偏波パッチアンテナの構成を示す図 本発明の実施の形態1による円偏波パッチアンテナの誘電体層の構成の一例を示す図 本発明の実施の形態3による円偏波パッチアンテナの構成を示す図
符号の説明
1 パッチ導体
2 グランド導体
3 誘電体層
4 リング状スロット
5 L型プローブ
6 同軸ケーブル
7 オープンスタブ
8 ショートスタブ
9 共平面給電ライン
10 反射板

Claims (6)

  1. 摂動素子が付加されたパッチ導体と、
    誘電体層を介して前記パッチ導体と平行に配置されたグランド導体と、
    前記グランド導体の前記パッチ導体と対向する位置に、前記パッチ導体の外郭と略同形状の外郭で且つ前記パッチ導体と略直交するように形成されたスロットと、
    前記パッチ導体と前記グランド導体の間に配置されたプローブを有し、電気的に結合して前記パッチ導体及び前記スロットをともに励振させる給電回路と
    を備えることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
  2. 摂動素子が付加されたパッチ導体と、
    誘電体層を介して前記パッチ導体と平行に配置されたグランド導体と、
    前記グランド導体の前記パッチ導体と対向する位置に、前記パッチ導体の外郭と略同形状の外郭で且つ前記パッチ導体と略直交するように形成されたスロットと、
    前記パッチ導体に電気的に接続され電気信号を給電するプローブを有し、前記パッチ導体を励振するとともに、前記スロットと電気的に結合して該スロット励振させる給電回路と
    を備えることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の円偏波パッチアンテナにおいて、
    前記スロットは、リング状スロットであることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の円偏波パッチアンテナにおいて、
    前記スロットは、縦横の長さの異なる十字状スロットであることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
  5. 請求項1または請求項2に記載の円偏波パッチアンテナにおいて、
    前記スロットは、互いに長さと向きが異なる2素子以上の直線状スロットであることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の円偏波パッチアンテナにおいて、
    背面輻射を抑圧する反射板導体を前記グランド導体の背面側に備えることを特徴とする円偏波パッチアンテナ。
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