JP3239654B2 - 円偏波マイクロストリップアンテナ - Google Patents

円偏波マイクロストリップアンテナ

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JP3239654B2
JP3239654B2 JP31324494A JP31324494A JP3239654B2 JP 3239654 B2 JP3239654 B2 JP 3239654B2 JP 31324494 A JP31324494 A JP 31324494A JP 31324494 A JP31324494 A JP 31324494A JP 3239654 B2 JP3239654 B2 JP 3239654B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は円偏波を発生するマイ
クロストリップアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来例として例えば電子情報通
信学会論文誌Vol.J64−B No.7(612−
618)に示された従来の基本モード(TM11)励振円
偏波マイクロストリップアンテナを示す構成図であり、
(a)は上面図、(b)はA−A断面図である。図にお
いて、1は地導体、2は誘電体基板、3は放射導体であ
り、これらからマイクロストリップアンテナ4が構成さ
れる。また、5はマイクロストリップアンテナを給電す
るための同軸ピン、6は同軸コネクタであり、これを通
してマイクロストリップアンテナが励振される。7は放
射導体の直交したモードの縮退を解くために設けた縮退
分離セグメントである。
【0003】次に動作について説明する。図11、12
は従来の円偏波マイクロストリップアンテナの動作原理
を説明する図である。図11(a)は縮退分離セグメン
トを付けた場合のモード関数、図11(b)はその等価
回路を示す図である。一般に円偏波を励振するためには
直交した2つの給電点に90度の位相差で励振する必要
がある。このため、T分岐回路あるいはハイブリッド回
路が必要になり、給電回路が複雑になる。そこで1点給
電でも放射導体に直交したモードの縮退を解くための縮
退分離セグメントを設けることで、簡単な円偏波を励振
することができる。この動作原理を以下に説明する。給
電点に対して斜め45度方向に縮退分離セグメントを設
けると2つの直交したモードの縮退が解かれ、共振周波
数の異なる2つのモードФa、Фbに分けて考えること
ができる。マイクロストリップアンテナはその共振周波
数付近においてはインダクタンスL、キャパシタンス
C、コンダクタンスGの並列共振回路で表わすことがで
きる。2つのモードが存在するため、それぞれLa、C
a、GaとLb、Cb、Gbの並列共振回路で表わすこ
とにする。また、給電点のインダクタンスをLpで表わ
す。図12は2つの並列共振回路の振幅、位相の共振特
性を示している。Фaの共振周波数をfa、Фbの共振
周波数をfbとする。図より2つのモードの振幅が等し
く、且つ位相差が90度となる周波数をf’にて円偏波
が励振されることがわかる。この円偏波励振周波数での
位相は0度である。
【0004】図13は従来例として例えばIEEE T
rans.Antenna&Propagat.,Vo
l.AP−32,No.9,991−994,1984
に示された従来の高次モードTMnmモード(n=2,
3,....)励振円偏波マイクロストリップアンテナ
の概略構成図あるいは動作原理を説明する図である。図
において17はTM21モード励振マイクロストリップア
ンテナ、18はブランチライン形ハイブリッド回路、1
9は反射波を吸収するチップ抵抗である。高次モードT
Mnmモードで円偏波のコニカルビームを励振するため
には、90/2n(n=2,3,....)度離れた2
点に90度の位相差で励振する必要がある。図13
(a)はハイブリッド給電回路を用いた例である。図1
3(b)に2つの給電点から給電した場合の電流分布を
示す。正面方向では全ての成分は打ち消すが、広角にお
いてはそれぞれ2つの給電点に対応して放射電界の垂直
成分と水平成分が発生し、且つ2つの給電点に90度の
位相差をつけることで図13(c)に示すようなコニカ
ルビームをもつ円偏波が励振される。
【0005】図14は従来例として電子情報通信学会技
術報告A.P83−57,49−54,1983に示さ
れた従来のシーケンシャルアレーを示す概略構成図とそ
の動作原理を説明する図である。完全な円偏波を励振す
ることは難しく、一般に楕円偏波となる。特に1点給電
の場合円偏波が励振される周波数帯域が狭い。そこで、
軸比のよい円偏波を得るために同一平面にて2つのマイ
クロストリップアンテナを共に円偏波励振とし、第2の
マイクロストリップアンテナを第1のマイクロストリッ
プアンテナに対し90度回転させ、且つ位相も90度変
える。このシーケンシャルアレーにより2つの楕円偏波
の長軸が90度の傾きで合成されるため、軸比のよい円
偏波が励振される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように縮退分離セ
グメントを設けることで1点給電でも円偏波を励振でき
るが、以下のような問題点がある。マイクロストリップ
アンテナの給電には給電ピンを用いる方法、マイクロス
トリップ線路で直接給電する方法、あるいはスロットで
電磁結合させる方法などがあるが、それぞれ給電方法で
入力インピーダンスが異なる。給電方法に応じて給電点
でのリアクタンス及びサセプタンスがあるため、これら
を含んで整合がとれる周波数が決まる。一方、円偏波が
励振される周波数は基本的に給電方法には依存せず、マ
イクロストリップアンテナと縮退分離セグメントの関係
で決まる。従って、円偏波が励振される周波数と入力イ
ンピーダンスの整合のとれた周波数が異なるという問題
点がある。例えば同軸ピンで給電した場合、入力インピ
ーダンスはピンのインダクタンスLpを含むため、2つ
の直交したモードの縮退を解くことで円偏波が励振され
る周波数と異なる周波数で整合がとれることになる。す
なわち、入力インピーダンスの整合のとれた周波数にお
いて軸比が悪いという問題点があった。
【0007】また、放射導体に直交したモードの縮退を
解くための縮退分離セグメントを設ける際、その縮退分
離セグメントの形状を凸部とするとアンテナ寸法が大き
くなり、アレー化する際、素子間隔が制限されるという
問題点があった。また、凹部を設けた場合でも、設計周
波数で軸比が良くなるように何度も放射導体と凹部の寸
法を変えて試行錯誤を繰り返す必要があり、設計が難し
いという問題点があった。
【0008】更に、高次モードTMnmモード(n=
2,3,...,m=1)励振マイクロストリップアン
テナにおいて円偏波を励振する場合、2つの給電点に9
0度の位相差をつけるためにT分岐給電あるいはハイブ
リッド給電回路が必要になり、アンテナ全体の寸法が大
きくなるという問題点があった。
【0009】また、軸比を良くするために同一平面にて
複数個のマイクロストリップアンテナを回転させるシー
ケンシャルアレーの場合、最低2つ以上のマイクロスト
リップアンテナが必要であり、小型化が難しいという問
題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の問題点
を解決するために、この発明の実施例1〜4ではTMn
mモード(n=1,2,3,...)で励振した円偏波
マイクロストリップアンテナにおいて、放射導体に直交
したモードの縮退を解くための縮退分離セグメントの位
置を給電点に対して(90/2n)+k(360/2
n)度(k=0,1,2,3,....)からずらして
構成したものである。
【0011】この発明の実施例1では同軸で地板の背面
から給電したTMnmモード(n=1,2,
3,...)で励振した円偏波マイクロストリップアン
テナにおいて、放射導体に直交したモードの縮退を解く
ための縮退分離セグメントの位置を給電点に対して(9
0/2n)+k(360/2n)度(k=0,1,2,
3,....)から1度以上ずらして構成したものであ
る。
【0012】この発明の実施例5では放射導体に直交し
たモードの縮退を解くための縮退分離セグメントを備え
た円偏波マイクロストリップアンテナにおいて、縮退分
離セグメントの放射導体の境界に沿った周方向の2点
A,Bとそのそれぞれ点から中心方向に向かう2つの線
が交わる点Cの3点を結んだ形状の縮退分離セグメント
を構成したものである。
【0013】この発明の実施例6では高次モードTMn
mモード(n=2,3,....)で励振した円偏波マ
イクロストリップアンテナにおいて、上記放射導体に直
交したモードの縮退を解くための縮退分離セグメント
、給電点と上記放射導体の中心を結ぶ軸に対し、上記
縮退分離セグメントと上記放射導体の中心を結ぶ軸を、
概略斜め(90/2n)+k(360/2n)度(k=
0,1,2,3,....,2n)傾けた位置に、2n
個設けたものである。
【0014】この発明の実施例7では第1の放射導体と
第2の放射導体を上下に重ね共に円偏波励振とし、第2
の放射導体の給電位置を第1の放射導体に対し180/
n(n=1,2,3,...)度回転させ、位相も18
0/n(n=1,2,3,...)度変えたものであ
る。
【0015】
【作用】この発明の実施例1〜4ではTMnmモード
(n=1,2,3,...)で励振した円偏波マイクロ
ストリップアンテナにおいて、放射導体に直交したモー
ドの縮退を解くための縮退分離セグメントの位置を給電
点に対して(90/2n)+k(360/2n)度(k
=0,1,2,3,....)からずらして構成するこ
とで給電点で発生したリアクタンス及びサセプタンス成
分を打ち消して円偏波を励振することができる。
【0016】この発明の実施例1では同軸で地板の背面
から給電したTMnmモード(n=1,2,
3,...)で励振した円偏波マイクロストリップアン
テナにおいて、放射導体に直交したモードの縮退を解く
ための縮退分離セグメントの位置を給電点に対して(9
0/2n)+k(360/2n)度(k=0,1,2,
3,....)から1度以上ずらして構成することで給
電ピンのインダクタンス成分を打ち消して円偏波を励振
することができる。
【0017】この発明の実施例5では放射導体に直交し
たモードの縮退を解くための縮退分離セグメントを備え
た円偏波マイクロストリップアンテナにおいて、上記縮
退分離セグメントの放射導体の境界に沿った周方向の2
点A,Bとそのそれぞれ点から中心方向に向かう2つの
線が交わる点Cの3点を結んだ形状の縮退分離セグメン
トを構成し、線分C−AとC−Bのなす鋭角をαとし、
このαを変えることで設計周波数である軸比が最小とな
る周波数を調整することができる。
【0018】この発明の実施例6では高次モードTMn
mモード(n=2,3,....)で励振した円偏波マ
イクロストリップアンテナにおいて、上記放射導体に直
交したモードの縮退を解くための縮退分離セグメント
、給電点と上記放射導体の中心を結ぶ軸に対し、上記
縮退分離セグメントと上記放射導体の中心を結ぶ軸を、
概略斜め(90/2n)+k(360/2n)度(k=
0,1,2,3,....,2n)傾けた位置に、2n
個設けることで簡単な構造で円偏波が励振できる。
【0019】この発明の実施例7では第1の放射導体と
第2の放射導体を上下に重ね共に円偏波励振とし、第2
の放射導体の給電位置を第1の放射導体に対し180/
n(n=1,2,3,....)度回転させ、位相も1
80/n(n=1,2,3,....)度変えることで
1素子でも軸比のよい円偏波が励振できる。
【0020】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1を示す概略構成図
である。図1(a)は上面図、図1(b)はそのA−A
断面図である。図において1は地導体板、2は誘電体基
板、3は放射導体でありこれらでマイクロストリップア
ンテナ4を構成している。6は同軸コネクタであり、5
はその内導体の給電ピンである。7は放射導体3の直交
したモードの縮退を解くために設けた縮退分離セグメン
トである。
【0021】次に動作原理について説明する。マイクロ
ストリップアンテナには種々の給電方法がある。その給
電方法に応じて給電点でのリアクタンス及びサセプタン
スがあるため、このリアクタンス及びサセプタンスを含
んで整合がとれることになる。一方、円偏波が励振され
る周波数は給電方法には基本的に依存せず、マイクロス
トリップアンテナと縮退分離セグメントの関係で決ま
る。そこで、給電点で発生するリアクタンス及びサセプ
タンスを打ち消すように円偏波励振時の位相を調整すれ
ば、円偏波が励振される周波数と入力インピーダンスの
整合のとれる周波数を一致させることができる。図2は
縮退分離セグメントを付けた場合の2つのモード関数の
共振特性を示す図である。給電点に対して斜め45度方
向に縮退分離セグメントを設けると2つの直交したモー
ドの縮退を解かれ、共振周波数の異なる2つのモードФ
a、Фbに分けて考えることができる。縮退分離セグメ
ントを付けた場合のモード関数とその等価回路について
は図11と同じである。それぞれLa,Ca,GaとL
b,Cb,Gbの並列共振回路で表わすことができる。
給電点のインダクタンスをLpで表わす。給電点に対し
て縮退分離セグメントの位置を斜め45度からずらすと
2つのモードФa、Фbの大きさが変化する。図2
(a)はβ>45度の場合、図2(b)はβ<45度の
場合の共振特性の振幅、位相を示している。β>45度
の場合、Фaの振幅の方がФbよりも大きくなり、Фa
とФbの振幅が等しく、且つ位相差が90度となる周波
数f’で円偏波が励振される。このとき、周波数f’で
のФaとФbを合成した位相は容量性(Capacit
ively)を示している。逆に、β<45度の場合、
Фbの振幅の方がФaよりも大きくなり、ФaとФbの
振幅が等しく、且つ位相差が90度となる周波数f’で
円偏波が励振され、このとき、周波数f’でのФaとФ
bを合成した位相は誘導性(Inductivety)
を示している。すなわち、給電点と縮退分離セグメント
の位置関係を変えることで、円偏波発生周波数での位相
を変化させることができ、給電点で発生するリアクタン
ス及びサセプタンス成分を打ち消すことが可能となる。
【0022】図3は同軸ピンで給電し、βを変えた場合
の入力インピーダンスの測定値を示す。β=45度と5
5度の場合を示す。β=45度の場合は同軸ピンのイン
ダクタンス分で円偏波が発生する周波数(インピーダン
スの軌跡で小さく円弧を描いている点)で誘導性を示し
ており、この周波数では整合がとれていないことがわか
る。β=55度にすると容量成分が発生して同軸ピンの
インダクタンス分を打ち消し、円偏波が発生する周波数
でほぼ整合がとれていることがわかる。ここでは円形マ
イクロストリップアンテナの例を示したが、方形、楕
円、三角形など他の形状のマイクロストリップアンテナ
においても有効である。また、1素子の例を示したが、
アレーアンテナにおいても有効である。
【0023】実施例2.図4はこの発明の実施例2を示
す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成図であ
る。図4(a)は上面図、図4(b)はそのA−A断面
図である。図において7は放射導体3の直交したモード
の縮退を解くための縮退分離セグメント、11はマイク
ロストリップ線路である。マイクロストリップ線路で直
接給電した場合も図1の同軸ピンで給電した場合と同様
な原理で、マイクロストリップ線路と縮退分離セグメン
トの角度βを変えることで給電点で発生するキャパシタ
ンス分を打ち消し整合をとることができる。
【0024】実施例3.図5はこの発明の実施例3を示
す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成図であ
る。図5(a)は上面図、図5(b)はそのA−A断面
図である。図において11はマイクロストリップ線路で
ある。この場合はマイクロストリップ線路とマイクロス
トリップアンテナを近接させ、電磁界で結合させてい
る。この結合部分でキャパシタンスが生じる。図1の同
軸ピンで給電した場合と同様な原理で、マイクロストリ
ップ線路と縮退分離セグメントの角度βを変えることで
給電点で発生するキャパシタンス分を打ち消し整合をと
ることができる。
【0025】実施例4.図6はこの発明の実施例4を示
す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成図であ
る。図6(a)は上面図、図6(b)はそのA−A断面
図である。図において11はマイクロストリップ線路、
12は結合スロットである。この場合、マイクロストリ
ップアンテナはマイクロストリップ線路から結合用のス
ロットを介して電磁界的に結合される。この結合部分で
キャパシタンスが生じる。図1の同軸ピンで給電した場
合と同様な原理で、マイクロストリップ線路と縮退分離
セグメントの角度βを変えることで給電点を発生するキ
ャパシタンス分を打ち消し、整合をとることができる。
【0026】実施例5.図7はこの発明の実施例5を示
す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成図であ
る。図7(a)は上面図、図7(b)はそのA−A断面
図である。同軸ピンで給電した場合を示している。図に
おいて縮退分離セグメントの開き角をαとする。このα
を変えることで円偏波が発生する周波数が変化する。図
7(c)にαを変えた場合の軸比最小周波数の測定値を
示す。αを10度から180度まで変えることで放射導
体の半径が一定でも軸比最小周波数が1.53GHzか
ら1.58GHzまで変化している。従ってこのαを変
えることで、半径を固定した場合でも容易に軸比最小周
波数の調整が可能となり、設計が容易になる。
【0027】実施例6.図8はこの発明の実施例6を示
す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成図であ
り、TM21モード励振の場合を示している。図8(a)
は上面図である。図においてβは給電ピンと縮退分離セ
グメントの角度である。次に動作原理について説明す
る。基本モード(TM11)の場合と同様に縮退分離セグ
メントを設けることで直交したモードの縮退を解くこと
ができる。そのようすを図8(b)に示す。TM21モー
ドの場合、β=22.5度とすることで図8(b)に示
すような分布となる。図13の場合と同様に正面方向で
は全ての成分は打ち消すが、広角においてはそれぞれ2
つのモードに対応して放射電界の垂直成分と水平成分が
発生し、且つモード間に90度の位相差がついているた
め、円偏波を発生することができる。ここではTM21
ードの例を示したが、TM31、TM41、TM51の場合の
場合においてもこの発明は有効である。
【0028】実施例7.図9(a)はこの発明の実施例
7を示す円偏波マイクロストリップアンテナの概略構成
図である。図において13は第2の地導体板、14は第
3の誘電体基板、15は第2の放射導体、16は開口部
である。次に動作原理について説明する。第1の放射導
体と第2の放射導体はそれぞれ円偏波励振されている。
完全な円偏波を得ることは難しく、一般的には楕円偏波
となる。楕円偏波をシーケンシャルアレーとすることで
完全な円偏波励振が可能になる。そこで第1の放射導体
と第2の放射導体を上下に配列し、上下でシーケンシャ
ルアレーを構成することで広帯域にわたり円偏波の軸比
が改善される。ここでは方形マイクロストリップアンテ
ナの例を示したが、円形でも良い。また、方形の開口部
の例を示したが、円形開口としても良い。さらに、1素
子の例を示したが、アレーアンテナでもこの発明は有効
である。
【0029】
【発明の効果】この発明の実施例1〜4ではTMnmモ
ード(n=1,2,3,....)で励振した円偏波マ
イクロストリップアンテナにおいて、放射導体に直交し
たモードの縮退を解くための縮退分離セグメントの位置
を給電点に対して(90/2n)+k(360/2n)
度(k=0,1,2,3,....)からずらして構成
することで給電点で発生したリアクタンス及びサセプタ
ンス成分を打ち消し、軸比の良い周波数と入力インピー
ダンスの整合のとれた周波数を一致できる効果がある。
【0030】この発明の実施例1では同軸で地板の背面
から給電したTMnmモード(n=1,2,
3,....)で励振した円偏波マイクロストリップア
ンテナにおいて、放射導体に直交したモードの縮退を解
くための縮退分離セグメントの位置を給電点に対して
(90/2n)+k(360/2n)度(k=0,1,
2,3,....)から1度以上ずらして構成すること
で同軸ピンのインダクタンスを打ち消し、軸比の良い周
波数と入力インピーダンスの整合のとれた周波数を一致
できる効果がある。
【0031】この発明の実施例5では放射導体に直交し
たモードの縮退を解くための縮退分離セグメントを備え
た円偏波マイクロストリップアンテナにおいて、上記縮
退分離セグメントの放射導体の境界に沿った周方向の2
点A,Bとそのそれぞれ点から中心方向に向かう2つの
線が交わる点Cの3点を結んだ形状の縮退分離セグメン
トを構成し、線分C−AとC−Bのなす鋭角をαとし、
このαを変えることで軸比が最小となる周波数を調整す
ることができ、設計が容易になる効果がある。
【0032】この発明の実施例6では高次モードTMn
mモード(n=2,3,....)で励振した円偏波マ
イクロストリップアンテナにおいて、上記放射導体に直
交したモードの縮退を解くための縮退分離セグメント
、給電点と上記放射導体の中心を結ぶ軸に対し、上記
縮退分離セグメントと上記放射導体の中心を結ぶ軸を、
概略斜め(90/2n)+k(360/2n)度(k=
0,1,2,3,....,2n)傾けた位置に、2n
個設けることで簡単な構造で円偏波が励振でき、且つ小
型化が図れる効果がある。
【0033】この発明の実施例7では第1の放射導体と
第2の放射導体を上下に重ね共に円偏波励振とし、第2
の放射導体の給電位置を第1の放射導体に対し180/
n(n=1,2,3,....)度回転させ、位相も1
80/n(n=1,2,3,....)度変えることで
1素子でも広帯域にわたり軸比のよい円偏波が励振でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図2】 実施例1の動作原理を説明する図である。
【図3】 図1に示したこの発明の実施例1の測定値を
示す図である。
【図4】 この発明の実施例2を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図5】 この発明の実施例3を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図6】 この発明の実施例4を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図7】 この発明の実施例5を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図及びαを変えた場合の軸
比最小周波数の測定値を示す図である。
【図8】 この発明の実施例6を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図9】 この発明の実施例7を示す円偏波マイクロス
トリップアンテナの概略構成図である。
【図10】 従来例を示す円偏波マイクロストリップア
ンテナの概略構成図である。
【図11】 図10の動作原理を説明する図である。
【図12】 図10の動作原理を説明する図である。
【図13】 従来のTM21モード励振円偏波マイクロス
トリップアンテナを示す概略構成図及び動作原理を説明
する図である。
【図14】 従来のシーケンシャル配列を示す円偏波マ
イクロストリップアンテナの概略構成図である。
【符号の説明】
1 地導体板、2 誘電体基板、3 放射導体、4 マ
イクロストリップアンテナ、5 同軸ピン、6 同軸コ
ネクタ、7 縮退分離セグメント、8 第1の誘電体基
板、9 第2の誘電体基板、10 ストリップ導体、1
1 マイクロストリップ線路、12 結合スロット、1
3 第2の地導体板、14 第3の誘電体基板、15
第2の放射導体、16 開口部、17 TM21モード励
振マイクロストリップアンテナ、18 ブランチライン
形ハイブリッド回路、19 チップ抵抗。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/08 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地導体、地導体の上部に構成した誘導体
    基板、誘導体基板の上部に構成した放射導体、放射導体
    を給電する給電線路、さらに放射導体に直交したモード
    の縮退を解くための縮退分離セグメントを備えた円偏波
    マイクロストリップアンテナにおいて、上記縮退分離セ
    グメントの位置を上記給電線路に対し、(90/2n)
    +k(360/2n)度(n=1,2,3,...,k
    =0,1,2,3,...)からずらして構成したこと
    を特徴とする円編波マイクロストリップアンテナ。
  2. 【請求項2】 地導体、地導体の上部に構成した誘導体
    基板、誘導体基板の上部に構成した放射導体、放射導体
    を給電する給電線路、さらに放射導体に直交したモード
    の縮退を解くための縮退分離セグメントを備えた円偏波
    マイクロストリップアンテナにおいて、上記縮退分離セ
    グメントの位置を上記同軸線路の給電ピンに対し、(9
    0/2n)+k(360/2n)度(n=1,2,
    3,...,k=0,1,2,3,...)からずらし
    て構成したことを特徴とする円編波マイクロストリップ
    アンテナ。
  3. 【請求項3】 地導体、誘電体基板、放射導体から構成
    され、上記放射導体を給電する給電線路を備え、上記放
    射導体に直交したモードの縮退を解くための縮退分離セ
    グメントを備えた円偏波マイクロストリップアンテナに
    おいて、上記縮退分離セグメントの放射導体の境界に沿
    った周方向の2点A,Bとそのそれぞれ点から中心方向
    に向かう2つの線が交わる点Cの3点を結んだ形状の縮
    退分離セグメントを構成し、線分C−AとC−Bのなす
    鋭角をαとし、このαを変えることで軸比が最小となる
    周波数を調整することを特徴とする円編波マイクロスト
    リップアンテナ。
  4. 【請求項4】 地導体、誘導体基板、放射導体から構成
    され、上記放射導体を給電する給電線路を備え、高次モ
    ードTMnmモード(n=2,3,....,m=1)
    で励振した円偏波マイクロストリップアンテナにおい
    て、上記放射導体に直交したモードの縮退を解くための
    縮退分離セグメントを、給電点と上記放射導体の中心を
    結ぶ軸に対し、上記縮退分離セグメントと上記放射導体
    の中心を結ぶ軸を、概略斜め(90/2n)+k(36
    0/2n)度(k=0,1,2,....,2n)傾け
    た位置に、2n個設けたことを特徴とする円編波マイク
    ロストリップアンテナ。
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