JP4769180B2 - 裏込注入材および裏込注入方法 - Google Patents

裏込注入材および裏込注入方法 Download PDF

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本発明は、シールド工法等において使用される裏込注入材およびこの裏込注入材を利用した裏込注入方法に関する。
近年、シールドトンネルは長距離大断面化の傾向にある。掘削断面の大断面化により、掘削土砂が大量に発生するため、大量の掘削土砂の改質処理費、残土処分費など、残土処理に要する費用も増大し、トンネル工事全体に占める割合が大きくなっている。また、大量に発生する残土を処分する用地を確保することも困難になっている。
特許文献1に示すように、従来、余剰泥水や掘削土砂を、溶解、液状化させた後、裏込注入材として使用する場合があった。このように、シールドトンネル工事により発生する残土や余剰泥水を、建設材料として使用すれば、産業廃棄物の量を減らすことが可能となるため、処理費用等を削減することで建設コストを削減するとともに、処分場への投棄量を削減することで環境保全の面でも優れている。
なお、シールドトンネル工事における裏込注入材は、シールドマシンの掘削断面とセグメント等の覆工の外形との間に生じる隙間(テールボイド)に充填されるものであって、以下のような性状が求められている。
(1)最終強度として地山と同程度の強度を発現すること。
(2)空隙充填性が高いこと。
(3)材料のブリージングが少ないこと。
(4)固化後の止水性が高いこと。
(5)長距離圧送性が高いこと。
(6)適切な初期強度が得られること。
特許文献1に示す、従来の余剰泥水や掘削土砂を利用した裏込注入では、余剰泥水や掘削土砂を篩等にかけて粒度分を砂分以下とし、液比重1.34程度となるように溶解させ、セメントと安定剤を混練したA液と、3号または4号珪酸(B液)とを1.5ショット方式で注入していた。なお、1.5ショット方式とは、それぞれ別々に混練した2種類の液体を、配管の途中で混合し、塑性ゲル化させた状態で注入する方法である。
特開2003−247391号公報([0013]−[0023]、図1−図2)
前記従来の余剰泥水や掘削土砂を利用した裏込注入材は、地山と同程度の強度を発現するために、ベントナイト23kg/m、セメント230kg/m、安定剤1kg/m、凝結材80L/m(104kg/m)を基本配合とし、28日強度が2.0〜2.6N/mmとなるように構成されていた。このため、セメントの配合量が多く、コストが高くなるという問題点を有していた。
また、余剰泥水や掘削土砂を利用した裏込注入材は、比重調整が難しいため、発現強度にばらつきが生じるという問題点も有していた
さらに、近年、シールドトンネル工事は、大深度化傾向にある。従来、裏込注入材の強度を高めるには、セメントの配合量を増加させるのが一般的であったため、このような、強度の高い大深度の地山と同程度の強度を裏込注入材に発現させるには、コストがさらに上昇する傾向にあった。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、安価かつ良質な裏込注入材およびこの裏込注入材を利用した裏込注入方法を提案することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明の裏込注入材は、ペースト状の掘削土砂と掘削泥岩塊とを利用して液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように作液された液体と、セメントミルクと、珪酸と、を混合してなることを特徴としている。
かかる裏込注入材は、掘削泥岩塊が骨材として働き、強度の発現に寄与するため、泥水を利用する従来の裏込注入材に比べて少ないセメント量で所望の強度を発現する。また、破砕された掘削泥岩塊を利用するため泥水を利用する従来の裏込注入材に比べて比重の調整がしやすく、強度にばらつきが生じることがなく、良質な裏込注入材を提供することが可能となる。また、当該裏込注入材は、泥岩塊を使用していることにより、液比重に多少のばらつきがあっても、所望の強度を発現させることができる。さらに、掘削泥岩塊を有効に活用することで、掘削残土の搬出量を削減し、残土処分に要する費用が削減される。したがって、工事全体の費用の削減も可能となり、経済性に優れている。なお、掘削泥岩塊が、20質量%以上、好ましくは20〜65質量%の範囲内であれば、液比重を1.35〜1.6の範囲内に調整するのが容易となるため、好適である。
また、前記裏込注入材において、前記掘削泥岩塊として、最大粒径が0.075mm以上20mm以下、好ましくは0.075mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上10mm以下の範囲内のものを使用すれば、比重調整が容易なため、良質な裏込注入材を提供することが可能となる。さらに、掘削泥岩塊の最小粒径が0.075mm以上、好ましくは2mm以上であれば、比重調整がより容易となるため、好適である。
また、前記裏込注入材において、セメント量が、140〜200kg/mの範囲内であれば、セメント分が少なく、ゲルタイムの調整が容易となる。また、セメント分が従来の裏込注入材に比べて少ないため、強度発現が緩やかとなり、大断面シールドのテールボイドにおいても、十分に充填することが可能である。
また、本発明の裏込注入方法は、ペースト状の掘削土砂と掘削泥岩塊とを利用して液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように調整されたA液にセメントミルクを混合して得られた混合液と、珪酸を含有する溶液と、を1.5ショット方式で注入することを特徴としている。
また、本発明の他の裏込め注入方法は、掘削泥岩塊を含み、液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように調整されたA液に珪酸を添加して得られたG液と、セメントミルクと、を1.5ショット方式で注入することを特徴としている。
かかる裏込注入材は、掘削泥岩を利用するため、搬出される掘削残土を削減し、経済的に優れている。また、泥岩の一軸圧縮強度を利用して強度を発現するため、従来に比べて少ないセメント量で所望の強度を発現する。また、セメント分を削減することで、ゲルタイムの調整が容易となるとともに、強度発現が緩やかになるため、テールボイドへの充填性にも優れている。
なお、前記裏込注入方法における各作業工程を、トンネル内の切羽近傍において行えば、裏込注入材の圧送距離が短く、裏込注入材が高粘度であっても、注入が可能なため、好適である。また、掘削泥岩塊が、20質量%以上、好ましくは20〜60質量%の範囲内であれば、液比重を1.35〜1.6の範囲内に調整するのが容易となるため、好適である。
本発明によれば、安価かつ良質な裏込注入材を提供することが可能となる。また、この裏込注入材を使用する裏込注入方法により、シールドトンネル工事全体の費用を削減することが可能となる。
以下、本発明の好適な第1の実施の形態について説明する。
ここで、図1は、第1の実施の形態に係る裏込注入方法を示す模式図である。
第1の実施形態では、泥土圧シールドにより大深度トンネルを施工する場合において、本発明の裏込注入材およびこの裏込注入材を利用した裏込注入方法について説明する。なお、当該トンネルは、一軸圧縮強度が1.5〜3.0N/mm程度の土丹(泥岩)層を掘進するものとする。
第1の実施形態では、図1に示すように、シールドトンネルのテールボイド9に裏込注入材を注入することで、シールド掘削機Mによる掘削断面形状と、セグメント10の外形との間に形成される隙間をなくし、トンネルの蛇行をなくすとともに地山の崩壊を抑止する。
裏込注入材は、シールドトンネルの掘進に伴い発生した掘削泥岩塊(土丹塊)を含む溶液(A液)と、セメントと水と安定剤とからなるセメントミルク(C液)と、珪酸を含有する溶液(B液)と、を混合することにより構成されている。
A液は、トンネルの掘進に伴い、切羽から搬出された掘削土砂(ペースト状のもの)と、掘削土砂に含まれる最大粒径が10mm程度の土丹塊を利用し、土丹塊の混合量が20質量%程度となるように加水調整することで得られる。A液は、土丹塊を20質量%程度含むことにより、液比重で1.35〜1.6程度に構成されている。
なお、ペースト状の掘削土砂や土丹塊には、トンネル掘削に伴い混練された、気泡材あるいは分散剤または増粘材等の加泥材の効果が残っている。また、土丹塊として、最大粒径が10mm程度のものを使用するものとしたが、土丹塊の粒径はこれに限定されるものではなく、最大粒径が0.075〜20mmの範囲内、好ましくは2〜15mmの範囲内、より好ましくは2〜10mmの範囲内で適宜設定すればよい。さらに、土丹塊の最小粒径を0.075mm以上、好ましくは2mm以上としてもよい。また、本実施形態では、土丹塊を20質量%程度含むものとしたが、土丹塊の含有量は、液比重を1.35〜1.6程度に生成することが可能であれば限定されるものではなく、好ましくは20質量%以上、より好ましくは20〜60質量%の範囲内で適宜設定すればよい。
ここで、第1の実施形態に係るシールドトンネル施工において使用される加泥材は限定されないことはいうまでもない。例えば、ベントナイト、グアガム、CMC、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、キサンタンガム、タラガム、ローストビンガム、アラビアガム、ヒドロキシプロピルメツルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アタパルジャイト、セピオライト等が使用可能である。これらの加泥材は、セメントの影響を受けにくいものであって、セメントのCaイオン、アルカリにより粘度低下がしにくく、ブリージング防止の効果を得ることが可能である。
C液(セメントミルク)は、セメントと水と安定剤とにより、セメント量が140〜200kg/mの範囲内となるように配合されている。第1の実施形態では、安定剤として、主としてグルコン酸ソーダを使用し、1〜5kg/mの範囲内で添加するものとするが、安定剤の種類や配合量等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、第1の実施形態において使用されるセメントの種類は限定されるものではない。
第1の実施形態では、B液として、JIS3号珪酸ソーダ(Na2O・3SiOaq)、または、JIS4号珪酸ソーダ(Na2O・nSiOnHO)を使用するものとする。B液は、裏込注入材全体に対して、70〜120L/m(490.53〜840.92モル)の範囲内で添加するものとする。なお、B液として使用する珪酸は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。
ここで、3号珪酸ソーダ(80%品)を使用した場合のB液70L中のモル数は、
NaO:118.64mol+SiO:371.89mol=490.53mol
であり、B液120L中のモル数は、
NaO:206.39mol+SiO:637.53mol=840.92mol
である。
次に、第1の実施形態に係る裏込注入方法について、図1を参照して説明する。
第1の実施形態による裏込注入方法は、切羽から排出された掘削土砂と最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の掘削泥岩塊(土丹塊)を混合し、掘削泥岩を20質量%以上含み、液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように調整されたA液にセメントミルク(C液)を混合して得られた混合液と、珪酸を含有する溶液と、を1.5ショット方式で注入することにより行う。
土丹塊の抽出は、シールド掘削機M内あるいはトンネル坑内において、シールド掘削機MのチャンバM3からスクリューコンベヤM4を介して搬出された掘削泥岩を、篩1等の分級機を介して、最大粒径10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の土丹塊とそれ以外のものとに分類する。そして、最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の土丹塊は、同じくチャンバM3から排出されたペースト状の掘削土砂とともに第一混合槽11に投入され、それ以外の土丹塊は、ベルトコンベヤ等の搬送手段2を介してトンネルの坑外へと搬出される。なお、掘削泥岩が、大きな塊として搬出される場合には、掘削泥岩の最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)となるように、砕いてもよい。なお、図1において、符号M1は、それぞれ地山を切削するカッターヘッドであって、符号M2は、シールド掘削機Mのシールド部材である。
最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の土丹塊を含む掘削土砂が投入された第一混合槽11には、水タンク3から水が土丹塊の混合量が20質量%程度となるように加水調整される。そして、第1混合槽11において土丹塊およびペースト状の掘削土砂と水とが混合されて、液比重で1.35〜1.6程度のA液が生成される。なお、A液の加水調整は、必要に応じて行えばよく、ペースト状の掘削土砂および土丹塊のみで所望の液比重からなるA液の生成が可能であれば、必ずしも加水する必要はない。
C液は、第二混合槽12にセメントと水と安定剤とを投入し、混合することにより作液される。C液の作液のタイミングは限定されるものではなく、A液の生成と同時でも、A液の生成と前後してもよい。また、第二混合槽12の設置箇所は限定されるものではなく、トンネルの坑外でも坑内であってもよい。ここで、C液のセメントと水との配合は限定されるものではないが、第1の実施形態ではセメント:水が2:1となるように、1mのC液中に約1255kgのセメントを配合する。なお、図1における符号4および5は、それぞれセメント槽と安定剤槽である。また、水タンク3、セメント槽4、安定剤槽5の設置箇所は限定されるものではなく、トンネルの坑内、坑外を問わない。
A液とC液との混合方法は、限定されるものではないが、第1の実施形態では、ラインミキサー6により混合する。A液とC液は、それぞれ第一混合槽11および第二混合槽12からポンプPを介してラインミキサー6に圧送されて、ラインミキサー6を流下することにより混合されながらグラウトホール7まで圧送される。なお、ラインミキサー6は、配管内を流下する流体を効率的に混合する部材であって、その構成等は限定されるものではない。ここで、本実施形態では、A液とC液との混合液に対して、C液が110〜170L/mとなるように混合することで、混合液のセメント量が140〜200kg/mの範囲内に調整されている。なお、A液とC液との割合(セメント量)は、これに限定されるものではない。
裏込注入材の注入は、グラウトホール7に圧送された混合液を、B液と1.5ショット方式で混合しながら行う。つまり、ラインミキサー6を経由して圧送された混合液は、グラウトホール7に設置された混合ノズル8を介して、第三混合槽13から圧送されたB液を、1.5ショット方式で混合しつつ、テールボイド9へと注入される。また、混合液とB液のテールボイド9への注入は、1.5ショット方式によるグラウトホール7からの同時注入方式や、即時注入方式により行ってもよい。また、同時注入装置を介して、1.5ショット方式にて注入してもよい。
裏込注入材は、B液が1.5ショット方式で混合されることにより、必要な可塑性とゲルタイムを確保した状態で、テールボイド9に注入される。したがって、大断面トンネルのテールボイド9に関しても、十分に充填することを可能としている。なお、1.5ショット方式とは、主材(A液とC液の混合液)と硬化材等(B液)をそれぞれ別々の容器で練り混ぜ、注入頭部で両液を混合し先端より注入する方式である。
第1の実施形態に係る裏込注入材およびこれを利用した裏込注入方法によれば、一軸圧縮強度が1.5〜3.0N/mm程度の掘削泥岩塊(土丹塊)が骨材として働くため、従来の泥水を利用した裏込注入材と比較して、初期強度から最終強度まで高い強度を発現する。また、掘削泥岩塊(土丹塊)として、最大粒径が0.075〜20mm程度のものを使用するため、比重の調整が容易である。
また、セメントの添加量が、従来の裏込注入材の場合の添加量の85%程度で周辺地山と同等の強度を得ることができる。セメント量を削減することで、経済的に優れたものとなる。また、セメント量が少ないため、ゲルタイムの調整が容易で、かつ、強度発現が緩やかになる。故に、大断面のシールドトンネルのテールボイドへの充填を十分に行うことができる。
また、第1の実施形態に係る裏込注入材は、従来の裏込注入材と比較して珪酸の添加量が80%程度であっても、十分な強度を発現する。そして、珪酸の添加量を削減することにより、ゲルタイムの調整が容易となる。そのため、大断面のシールドトンネルのテールボイドへの充填に対しても、十分に行うことが可能となる。なお、珪酸の実質の添加量は、490.53〜840.92モルの範囲で添加することで削減されるが、ゲルタイムの調整を目的として、B液の珪酸の濃度を調整することで、B液の添加量が増加する場合もある。
また、掘削泥岩塊を裏込注入材として使用することで、掘削残土を削減し、残土処分に要する費用を大幅に削減することが可能となる。
また、第1の実施形態に係る裏込注入方法は、トンネル坑内(シールド掘削機内)において生成した裏込注入材を打設するため、高粘度であってもグラウトホールまで圧送することを可能としている。
次に、本発明の好適な第2の実施の形態について、図2を参照して、説明する。ここで、図2は、第2の実施の形態に係る裏込注入方法を示す模式図である。
第2の実施形態では、前記第1の実施形態と同様に、泥土圧シールドにより大深度トンネルを施工する場合において、本発明の裏込注入材およびこの裏込注入材を利用した裏込注入方法について説明する。
第2の実施形態では、シールドトンネルのテールボイド9に裏込注入材を注入することで、シールド掘削機Mによる掘削断面形状と、セグメント10の外形との間に形成される隙間をなくし、トンネルの蛇行をなくすとともに、地山の崩壊を抑止する。
裏込注入材は、シールドトンネルの掘進に伴い発生した掘削泥岩塊(土丹塊)を含むA液と、セメントミルクを主体とするC液と、珪酸を含有する溶液(B液)と、を混合することにより構成されている。
第2の実施形態で使用するA液、C液およびB液は、前記第1の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態における裏込注入方法は、切羽から排出された掘削泥岩中から最大粒径10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の掘削泥岩塊を抽出する篩分け工程と、掘削泥岩塊を20質量%以上含み、液比重が1.4〜1.6の範囲内となるようにA液を生成するA液生成工程と、このA液とB液とを混合してG液を生成するG液生成工程と、セメントと安定剤とを混合してC液を生成するC液生成工程と、G液とC液とを1.5ショット方式で注入する注入工程を含んでいる。
篩分け工程は、図2に示すように、シールド掘削機M内において、チャンバM3から搬出された掘削泥岩から、最大粒径10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の土丹塊を抽出する工程である。
チャンバM3からスクリューコンベヤM4を介して排出された掘削泥岩は、篩1を介して最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)のものとそれ以外のものとに分別される。そして、最大粒径10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の掘削泥岩塊は、同じくチャンバM3から排出されたペースト状の掘削土砂とともに第一混合槽11に投入され、それ以外の掘削泥岩は、ベルトコンベヤ等からなる搬送手段2を介して坑外へと搬出される。なお、掘削泥岩が、大きな塊として搬出される場合には、掘削泥岩の最大粒径が10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)となるように、砕いてもよい。
A液生成工程は、篩分け工程において土丹塊(最大粒径10mm程度(0.075〜20mmの範囲内)の掘削泥岩塊)を含む掘削土砂が投入された第一混合槽11に、水タンク3の水を投入することで、土丹塊の混合量が20質量%程度となるように加水調整をし、混合する工程である。これにより、液比重で1.4〜1.6程度のA液を生成される。なお、A液の加水調整は、必要に応じて行えばよく、ペースト状の掘削土砂および土丹塊のみで所望の液比重からなるA液の生成が可能であれば、必ずしも加水する必要はない。また、第2の実施形態では、A液の生成を、シールド掘削機M内またはトンネル坑内に配置された第一混合槽11を利用して行うものとするが、トンネル坑外で生成してもよいことは言うまでもない。
G液生成工程は、A液にB液を70〜120L/m(490.53〜840.92モル)の範囲で添加することによりG液を生成する工程である。これにより、G液中の粘性が増加されて、土丹塊の沈降が防止される。
本実施形態では、A液とB液との混合を、ラインミキサー6を介して行う。A液とB液は、それぞれ第一混合槽11および第三混合槽13からポンプPを介してラインミキサー6に圧送されて、ラインミキサー6を流下することにより混合されながらグラウトホール7まで圧送される。
A液とB液との混合方法は、前記の方法に限定されるものではなく、この他、第一混合槽11において生成されたA液を、他の混合槽に投入して、同じく他の混合槽に投入された珪酸(B液)と混合したり、A液生成工程において使用した第一混合槽11に直接珪酸(B液)を投入したりすることにより行ってもよい。
C液作液工程では、第二混合槽12にセメントと水と安定剤とを投入し、混合することにより作液される。C液の作液のタイミングは、限定されるものではなく、後記する混合工程における、G液との混合のタイミングに応じて、生成すればよい。また、第二混合槽12の設置箇所は限定されるものではなく、トンネルの坑外でも坑内であってもよい。なお、図2における符号3、4、5は、それぞれ水タンクとセメント槽と安定剤槽である。なお、水タンク3、セメント槽4、安定剤槽5の設置箇所は限定されるものではなく、トンネルの坑内、坑外を問わない。
注入工程では、グラウトホール7に圧送されたG液を、C液と1.5ショット方式で混合し、テールボイド9に裏込注入する工程である。ラインミキサー6を経由して圧送されたG液は、グラウトホール7に設置された混合ノズル8を介して、第二混合槽12から圧送されたC液を、1.5ショット方式で混合しつつ、テールボイド9へと注入される。G液には、予め珪酸(B液)が混合されているため、裏込注入材は、必要な可塑性とゲルタイムを確保した状態で、テールボイド9に注入される。したがって、裏込注入材は、大断面トンネルのテールボイド9に関しても、十分に充填することが可能である。
以上、第2の実施形態による裏込注入方法によれば、前記第1の実施形態において示した作用効果が得られるとともに、珪酸(B液)を予めA液に混合しているため、珪酸の効果によりG液のブリージングが低減される。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記各実施形態では、泥土圧式シールドにおいて、本発明に係る裏込注入材を使用するものとしたが、これに限定されるものではなく、適宜公知のシールド工法の裏込注入材として使用することが可能である。
また、本発明に係る裏込注入材に、一軸圧縮強度の大きい砂や礫をさらに加えることで、最適な強度発現を期待する構成としてもよい。
また、前記各実施形態では、シールド掘削機内において、裏込注入材を生成し、注入するものとしたが、裏込注入材の生成箇所は限定されるものではない。例えば、シールド掘削機後方のトンネル坑内や、トンネル坑外において生成し、テールボイドへ圧送してもよい。
また、前記各実施形態では、本発明に係る裏込注入方法を利用して、泥岩層を削孔する場合について説明したが、本発明に係る裏込注入方法の適用可能な地山層は、泥岩層に限られないことは言うまでもない。
以下、本発明に係る裏込注入材の実証実験結果について記載する。
本実証実験では、従来の泥水を利用した裏込注入材(比較例)と本発明に係る裏込注入材(ケース1〜ケース3)との発現強度の比較を行った。
本実証実験では、表1に示すように、粒径が0.075mm以下のベントナイトを使用した従来の可塑状グラウトを比較例とし、土砂(土丹塊:2.0mm以下)を利用して液比重が1.4程度に作液されたA液と、セメント量180kg/mのC液と、B液を混合して得られた供試体(ケース1)と、最大粒径が10.0mm程度の土丹塊を利用して液比重が1.4程度に作液されたA液と、セメント量182kg/mのC液と、B液を混合して得られた供試体(ケース2)と、最大粒径が15.0mm程度の土丹塊を利用して液比重が1.6程度に作液されたA液と、セメント量160kg/mのC液と、B液を混合して得られた供試体(ケース3)と、最大粒径が15.0mm程度の土丹塊を利用して液比重が1.6程度に作液されたA液と、セメント量140kg/mのC液と、B液を混合して得られた供試体(ケース4)と、について、材令1時間、7日、28日の一軸圧縮強度を測定し、比較を行った。
Figure 0004769180
表2に示すように、1時間強度で比較すると、従来の裏込注入材(比較例)は、0.04N/mmであるのに対し、本願発明に係る裏込注入材(ケース1〜4)は、いずれも0.02N/mmであった。つまり、本発明の裏込注入材によれば、セメント量が230kg/mである従来の裏込注入材(比較例)と比較して、60〜85%程度のセメント量(140〜190kg/m)により、同等の初期強度(1時間強度)を発現することが実証された。
また、表2に示すように、従来の裏込注入材(比較例)が材令28日強度で2.40N/mmであるのに対し、本願発明に係る裏込注入材(ケース1,2,3,4)がそれぞれ5.39(ケース1)、4.42(ケース2),3.67(ケース3),2.80(ケース4)N/mmとなった。したがって、本発明の裏込注入材によれば、従来の裏込注入材に添加したセメント量(230kg/m)の60〜85%程度のセメント量(140〜190kg/m)により、従来の裏込注入材と同等以上の強度を発現することが実証された。
Figure 0004769180
第1の実施の形態に係る裏込注入方法を示す模式図である。 第2の実施の形態に係る裏込注入方法を示す模式図である。
符号の説明
1 篩
6 ラインミキサー
7 グラウトホール
9 テールボイド
10 セグメント
11 第一混合槽
12 第二混合槽
13 第三混合槽
14 第四混合槽
M シールド掘削機

Claims (5)

  1. ペースト状の掘削土砂と掘削泥岩塊とを利用して液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように作液された液体と、セメントミルクと、珪酸と、を混合してなることを特徴とする裏込注入材。
  2. 前記掘削泥岩塊の最大粒径が0.075mm以上20mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の裏込注入材。
  3. セメント量が、140〜200kg/mの範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の裏込注入材。
  4. ペースト状の掘削土砂と掘削泥岩塊とを利用して液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように調整されたA液にセメントミルクを混合して得られた混合液と、珪酸を含有する溶液と、を1.5ショット方式で注入することを特徴とする、裏込注入方法。
  5. 掘削泥岩塊を含み、液比重が1.35〜1.6の範囲内となるように調整されたA液に珪酸を添加して得られたG液と、セメントミルクと、を1.5ショット方式で注入することを特徴とする、裏込注入方法。
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