JP4768357B2 - 電動ドライバ - Google Patents
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Description
ところで、この種の電動ドライバは、一般に、回転駆動源のモータとねじ締め付け用ビットを保持するビットホルダとの間にクラッチ機構を介在させ、ねじの締め付け作業時にビットホルダに所定のトルク以上の負荷が加わった場合に前記クラッチ機構が作動して、ビットホルダへの動力の伝達を遮断するようにし、さらに必要に応じて、モータへの通電を遮断する、締め付けトルク制御手段を備え、締め付けトルクを正確に制御できるようにしている。
このように、従来の電動ドライバは、締め付けトルクを制御する点では種々の配慮がなされてしているが、その反面、ねじの締め付け作業の際に生じる反力に対しては特段の配慮がなされておらず、このため、電動ドライバを保持する作業者に負荷がかかり、長時間のねじの締め付け作業によって作業者が疲労したり、反力の影響によって作業者による電動ドライバの保持状態が変動し、ねじの締め付け精度が低下する等の問題があった。
これによって、電動ドライバを保持する作業者にかかる負荷を軽減することができるとともに、反力の影響によって作業者による電動ドライバの保持状態が変動することがなく、ねじの締め付け精度を向上することができる。
この電動ドライバは、モータM2の回転駆動力をビットホルダ2を介してビット(図示省略)に伝達するようにした電動ドライバにおいて、ビットホルダ2の回転方向と同方向に前記モータM2とは別のモータM1によって回転駆動されるフライホイール3と、このフライホイール3を制動することにより、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2を打ち消す方向の反力F1を生じさせるブレーキ4と、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2の大きさに応じてブレーキ4を作動させるブレーキ操作機構5とを備えるようにしている。
また、トルクセンサS1の出力信号は、コントローラC1を介してブレーキ操作機構(ブレーキコントローラ)5に伝達され、ブレーキ操作機構(ブレーキコントローラ)5は、トルクセンサS1によって検出されるビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2の大きさに応じて、ブレーキ4を作動させる。
なお、ブレーキ4の作動は、電磁石等の任意の付勢機構によって行うことができる。
そして、ブレーキ4が作動すると、フライホイール3が制動されて、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2を打ち消す方向の反力F1を生じさせ、ねじの締め付け作業等の際に生じる反力を低減することができる。
反力F1のトルク(ブレーキトルク)の大きさは、次式で表される。
T=GD2×N/(375×t×9.8)
ここで、T:反力F1のトルク(ブレーキトルク)
GD2:慣性値
N:回転数
t:制動時間
である。
これによって、電動ドライバを保持する作業者にかかる負荷を軽減することができるとともに、反力F2の影響によって作業者による電動ドライバの保持状態が変動することがなく、ねじの締め付け精度を向上することができる。
このような場合には、図3(b)に示すように、ビットホルダ2を回転駆動するモータM2を間欠的に(図示の実施例では4回)駆動操作し、これに応じて、フライホイール3を回転駆動するモータM1を間欠的に(図示の実施例では4回)駆動操作し、ブレーキ操作機構(ブレーキコントローラ)5は、トルクセンサS1によって検出されるビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2の大きさに応じて、ブレーキ4を作動させるようにする。
このように、モータM1、M2の駆動を間欠的に行うようにすることにより、締め付け時間が長い場合や大きなトルクが発生する場合等でも、ねじの締め付け作業等の際に生じる反力を確実に低減することができる。
この電動ドライバは、モータMの回転駆動力をビットホルダ2を介してビット(図示省略)に伝達するようにした電動ドライバにおいて、ビットホルダ2の回転方向と同方向に前記モータMと共通のモータMによって回転駆動されるフライホイール3と、このフライホイール3を制動することにより、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2を打ち消す方向の反力F1を生じさせるブレーキ4と、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2の大きさに応じてブレーキ4を作動させるブレーキ操作機構5とを備えるようにしている。
また、トルクセンサSの出力信号は、コントローラCを介してブレーキ操作機構(ブレーキコントローラ)5に伝達され、ブレーキ操作機構(ブレーキコントローラ)5は、トルクセンサSによって検出されるビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2の大きさに応じて、ブレーキ4を作動させる。
そして、ブレーキ4が作動すると、フライホイール3が制動されて、ビットからビットホルダ2を介して本体ケーシング1に伝わる反力F2を打ち消す方向の反力F1を生じさせ、ねじの締め付け作業等の際に生じる反力を低減することができる。
これによって、電動ドライバを保持する作業者にかかる負荷を軽減することができるとともに、反力F2の影響によって作業者による電動ドライバの保持状態が変動することがなく、ねじの締め付け精度を向上することができる。
また、ビットホルダ2の外周面と、本体ケーシング1の内周面との間には、ワンウェイクラッチ7を配設するようにしている。これにより、ブレーキ4が作動することによって発生した反力(トルク)F1は、ワンウェイクラッチ7を介して締め付けトルクとして作用する。
このように、モータMの駆動を間欠的に行うようにすることにより、締め付け時間が長い場合や大きなトルクが発生する場合等でも、ねじの締め付け作業等の際に生じる反力を確実に低減することができる。
なお、上記実施例及び参考例は、トルクセンサS、S1、S2に、歪ゲージ式センサを用いたものであり、また、図7に示す電動ドライバの参考例の変形例は、トルクセンサSに磁歪式センサを用いたものである。
ここで、磁歪式センサは、ビットホルダ2を周回するように配設した励磁コイル及び検出コイルSaにより、溝加工Sbを施したビットホルダ2の透磁率変化を検出コイルの出力電圧変化(トルクの大きさに比例)として検出するようにしたものである。
2 ビットホルダ
3 フライホイール
4 ブレーキ
5 ブレーキ操作機構
6 滑りクラッチ
7 ワンウェイクラッチ
C コントローラ
C1 コントローラ
C2 コントローラ
D ドライバ
D1 ドライバ
D2 ドライバ
M モータ
M1 モータ
M2 モータ
S トルクセンサ
S1 トルクセンサ
S2 トルクセンサ
Claims (2)
- モータの回転駆動力をビットホルダを介してビットに伝達するようにした電動ドライバにおいて、ビットからビットホルダを介して本体ケーシングに伝わる反力の大きさを測定する本体ケーシングに配設したトルクセンサと、前記ビットホルダの回転方向と同方向にモータによって回転駆動されるフライホイールと、該フライホイールを制動することにより、ビットからビットホルダを介して本体ケーシングに伝わる反力を打ち消す方向の反力を生じさせるブレーキと、ビットからビットホルダを介して本体ケーシングに伝わる反力の前記トルクセンサによって測定された大きさに応じて前記ブレーキを作動させるブレーキ操作機構とを備えるとともに、ビットホルダを回転駆動するモータと、フライホイールを回転駆動するモータとを、個別に配設したことを特徴とする電動ドライバ。
- 前記2つのモータの駆動を間欠的に行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の電動ドライバ。
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