JP4768166B2 - 排水処理装置 - Google Patents

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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば溶存セレンや酸化性物質等の溶存物質を含む排水とこの排水中から溶存物質を析出させる鉄系金属等の接触材とを接触させ、上記排水中の溶存物質を析出させるための排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭火力発電所の排煙脱硫排水を始めとして、ガラス製品や窯業製品、半導体材料、太陽電池や映画用フィルム、赤外線偏光子、顔料、増感剤、脱水素剤、起泡剤等、様々な工業製品の製造工場等から排出される排水中には、有害物質であるセレン酸イオン(SeO4 2-)や亜セレン酸イオン(SeO3 2-)等の形で溶存するセレン(溶存セレン)や硫黄酸化物等の種々の酸化性物質が含まれており、また、製造工場等で用いられる種々の薬品類に起因して不可避的に様々な化学物質が含まれている。
【0003】
そして、このような様々な溶存物質を含む排水をそのまま放流することは環境汚染の原因になるので、通常は、各溶存物質毎に定められた環境基準(又は排水基準)以下にまでその濃度を低下させる必要な排水処理を行った後、放流することが行われている。
【0004】
例えば、溶存セレンを含有する排水(セレン含有排水)についてみると、その環境基準がセレン濃度(Seとして)0.01mg/リットル以下に設定され、また、排水基準がセレン濃度0.1mg/リットル以下に規定されたことも引き金になって、米国特許第4,405,464号明細書、特開平7-2,502号公報、特開平11-207,364号公報等に記載されているように、排水中の溶存セレンを分離除去する脱セレン処理(排水処理)のための種々の方法が提案されている。
【0005】
ところで、これらの方法においては、いずれにしてもセレン含有排水を接触還元材(接触材)である鉄系金属と接触させ、溶存セレンをこの鉄系金属で還元して固定化させ、しかる後に固液分離して除去するものであることから、排水中の溶存セレンの濃度を排水基準で定められた目標設定値まで効率良く分離除去するためには、排水と接触還元材との接触時間、言い換えれば排水が接触還元材に接触するための滞留時間が極めて重要である。
【0006】
しかるに、例えば石炭火力発電所からの排煙脱硫排水においては、火力発電所で使用される石炭の種類に応じて溶存セレンや酸化性物質等の含有量(以下、代表的に「セレン濃度」と称することがある)が大幅に変化する。このため、排水処理装置での脱セレン処理の操業を常時同じ条件で行うためには、この排水処理装置に導入されるセレン含有排水(未処理排水)中の予想される最高セレン濃度を想定して排水の滞留時間を設定しなければならず、必要以上に鉄系金属の接触還元材が消費され、また、必要以上に長い処理時間を要し、脱セレン処理の操業上極めて不経済である。
【0007】
そこで、従来においては、滞留時間については一定にし、脱セレン処理のその他の処理条件(pH値、溶存酸素濃度、液温度、接触還元材表面積等)の中から幾つかの操作因子を選定し、排水処理装置に導入される未処理排水中のセレン濃度に応じて、選定した操作因子をフィードバック制御し、処理後排水中のセレン濃度が目標設定値の範囲内となるようにしている。
【0008】
しかしながら、近年、火力発電所では多種類の石炭が用いられるようになり、結果としてセレン含有排水中のセレン濃度が広範囲に変化し、pH値、溶存酸素濃度、液温度、接触還元材表面積等の中から選定した幾つかの操作因子による制御では装置の追従性に乏しく、操業の安全性を優先するために、依然として必要以上の滞留時間に設定せざるを得ず、問題の充分な解決には至っていない。
そして、このような問題は、単にセレン含有排水に限らず、例えば硼素やフッ素等を溶存する排水においても同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、このような従来の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、排水処理装置の装置本体内を仕切壁で仕切って互いに直列状に配置された複数の処理空間に区画し、各仕切壁には排水流路を形成して上流側の処理空間内で処理された排水が下流側の処理空間内に移動するように構成し、各処理空間には排水を接触材と接触せしめる接触帯域と装置本体の外部から未処理排水を導入するための導入口とを設け、最下流側の処理空間の側壁に処理後排水を抜き出すための抜出口を形成し、未処理排水の溶存物質濃度に応じて排水の導入口を選択し、装置本体内での排水の流通経路を切り換えることにより排水が接触材と接触するための滞留時間を段階的に制御し、これによって処理後排水の溶存物質濃度が目標設定値の範囲内となるように制御すると共に、必要により処理条件の中から適当な操作因子を選択して制御することにより、排水処理装置の操業を未処理排水の溶存物質濃度の変化に迅速に追従させてより正確に制御することができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
従って、本発明の目的は、未処理排水の溶存物質濃度に応じて、排水が接触材と接触する滞留時間を段階的に制御し、これによって排水処理装置の操業を未処理排水の溶存物質濃度の変化に迅速に追従せしめることができる排水処理装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、セレン含有排水の排水処理装置において、セレン含有排水(未処理排水)のセレン濃度に応じて、排水が鉄系金属の接触還元材に接触する滞留時間を段階的に制御し、更に必要により排水のpH値及び溶存酸素濃度を制御して処理条件を微調整し、これによって未処理排水のセレン濃度変化に迅速に追従して処理後排水のセレン濃度をより正確に目標設定値の範囲内に制御することができる排水処理装置を提供することにある。
【0012】
すなわち、本発明は、基本的には、除去対象の溶存物質を含む排水とこの排水中から溶存物質を析出させる接触材とを接触させ、上記排水中の溶存物質を析出させるための排水処理装置であり、排水処理装置の装置本体には、仕切壁で仕切られて互いに直列状に配置された複数の処理空間を形成すると共に、各仕切壁の上部には上流側の処理空間内で処理された排水が下流側の処理空間内に移動するように排水流路を形成し、上記各処理空間には、この処理空間内に導入された排水を接触材と接触せしめる接触帯域を設けると共に、装置本体の外部から未処理排水をこの処理空間内に導入するための導入口を設け、最下流側に位置する処理空間の側壁には、処理後排水を装置本体の外部に抜き出すための抜出口を形成し、未処理排水の溶存物質濃度に応じてこの排水を装置本体に導入する導入口を選択し、装置本体内の接触帯域で処理されて抜出口から外部に抜き出される処理後排水の溶存物質濃度が目標設定値の範囲内となるように、装置本体内での排水の流通経路を切り換えることを特徴とする排水処理装置である。
【0013】
本発明において、用いる排水処理装置については、好ましくは、上記各処理空間には、その略中央部に、この処理空間を反応領域と循環領域とに区画する隔壁を立設すると共に、各隔壁の上部及び下部には上記反応領域と循環領域との間を互いに連通する連通路を形成し、上記各反応領域内には接触材を収容した接触帯域を形成すると共に、各循環領域内には各処理空間内に導入された排水が実質的にその反応領域の接触帯域を通過して循環領域へと循環するように排水循環流を形成する排水循環手段を配設し、この排水循環流における循環領域から反応領域への流れの中に未処理排水の導入口を開口させた構成にするのがよく、これによって、例えば処理対象の排水がセレン含有排水であって接触材として鉄系金属の接触還元材を用いた場合、反応領域側で溶存セレンの還元反応を行い、次いで循環領域側で還元した還元セレンの固定化反応を行うことができ、これら溶存セレンの還元反応と還元セレンの固定化反応のために別個に処理装置(反応装置)を建設する必要がなくなる。
【0014】
本発明の排水処理装置において、装置本体内に形成する処理空間の数については、複数であれば特に制限はないが、通常は2〜5個所程度であるのがよく、例えば脱セレン処理の場合には好ましくは2〜3個所程度であるのがよく、処理対象の溶存物質の種類やその排水中濃度の変動の程度等に応じて決定される。
【0015】
本発明の排水処理装置においては、装置本体内での排水の流通経路を切り換えて排水の滞留時間を段階的に制御するものであるから、排水処理のより正確な制御が要求される場合には、この滞留時間の制御に加えて、排水処理のその他の処理条件、例えばpH値、溶存酸素濃度、液温度、接触材表面積、排水の接触材通過速度等の中から幾つかの操作因子を選定し、これら選定した操作因子をフィードバック制御するのがよく、これによって処理後排水の溶存物質濃度をより正確に目標設定値の範囲内とすることができる。
【0016】
本発明の制御方法において、未処理排水の溶存物質濃度に応じて排水の流通経路を切り換える手段については、特に制限されるものではなく、未処理排水の溶存物質濃度をイオンクロ等の手段で連続的に測定し、その測定値に基づいて、各処理空間の導入口に接続された未処理排水の配管を自動的に切り換えるようにしてもよく、また、未処理排水の溶存物質濃度の変化が事前に予見できる場合には、各処理空間の導入口に接続された未処理排水の配管を手動で切り換えてもよい。また、滞留時間以外の処理条件の中から幾つかの操作因子を選定してフィードバック制御を行う場合についても、その方法について特に制限はなく、従来より行われているこの種の制御方法をそのまま採用することができる。
【0017】
本発明の排水処理装置は、例えば、食品等の製造工場から排出されて有機物質等の溶存物質を含む排水の処理に適用できるが、特に、溶存物質が溶存セレン、又は溶存セレン及び酸化性物質からなる有害物質であって、接触材として溶存セレン及び酸化性物質を還元して固定化する鉄系金属の接触還元材を用いる脱セレン処理に好適に適用でき、この際に、上記接触還元材としては鉄系金属の金属繊維を成形して得られた金属繊維成形体が好適に用いられる。
【0018】
そして、本発明の制御方法を脱セレン処理に適用する場合、その処理条件としては、好ましくは、接触還元材との接触帯域を通過する排水の液空間速度(LHSV)が0.03〜0.5hr-、より好ましくは0.5〜0.1hr-であり、また、排水のpH値がpH5〜7、より好ましくはpH6〜7であり、更に、排水中の溶存酸素濃度がDO計指示値で0〜8mg/リットル、より好ましくは2〜6mg/リットルであるのがよく、脱セレン処理後排水のセレン濃度の目標設定値としては0.1mg/リットル以下、好ましくは0.05〜0.1mg/リットルとして操業するのがよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて、本発明が適用された脱セレン処理装置を具体的に説明する。
【0020】
図1及び図2に、本発明の好適な実施形態であるセレン含有排水の脱セレン処理装置が示されている。
この脱セレン処理装置においては、その装置本体1の内部空間が2つの仕切壁2a,2bで仕切られて図面上左右方向に互いに直列状に位置する第1段〜第3段の3つの処理空間3a,3b,3cが形成されており、また、上記各仕切壁2a,2bの上部にはスリット孔(排水流路)4a,4bが形成されており、これらのスリット孔4a,4bを介して上流側の第2段又は第3段の処理空間3b,3c内で処理された排水が下流側の第1段又は第2段の処理空間3a,3b内に移動するようになっている。この実施形態において、上記各スリット孔4a,4bは、後述する循環領域6a,6b,6c側に形成されている。
【0021】
この実施形態の脱セレン処理装置において、上記各処理空間3a,3b,3cには、その略中央部に、この処理空間3a,3b,3cをそれぞれ反応領域5a,5b,5cと循環領域6a,6b,6cとに区画する隔壁7a,7b,7cが立設されており、また、これら各隔壁7a,7b,7cの上部及び下部には上記反応領域5a,5b,5cと循環領域6a,6b,6cとの間を互いに連通する連通路8a,9a(図2参照:連通路8b,8c,9b,9cは図示せず)が形成されている。そして、上記各反応領域5a,5b,5c内には、鉄系金属の金属繊維を成形して得られた金属繊維成形体からなる接触還元材が充填された液流通可能な接触帯域10a,10b,10cが形成されており、また、上記各循環領域6a,6b,6c内には、各処理空間3a,3b,3cの排水が実質的に反応領域5a,5b,5cの接触帯域10a,10b,10cを通過して循環領域6a,6b,6cへと循環するように、排水循環流を形成する高吐出性能の例えば軸流型攪拌機(排水循環手段)11が配設されている。
【0022】
この実施形態において、未処理のセレン含有排水(未処理排水)の導入ライン12には、図1及び図2に示されているように、切替バルブ17a,17b,17cを介して各処理空間3a,3b,3cへ連通する分岐ライン12a,12b,12cが接続され、これら各分岐ライン12a,12b,12cの各処理空間3a,3b,3c内への導入口13は各循環領域6a,6b,6c側であって隔壁7a,7b,7cの下部近傍に開口し、上記排水循環流における循環領域6a,6b,6cから反応領域5a,5b,5cへの流れの中に位置している。
【0023】
また、この実施形態において、最下流側に位置する第1段の処理空間1aの側壁下部には、脱セレン処理後の処理後排水を装置本体1の外部に抜き出すための抜出口14が形成されている。
【0024】
更に、この実施形態において、上記各処理空間3a,3b,3cの上部には排水のpH値を測定するpH計18が設置されており、このpH計18で測定されたpH値の情報が薬液供給ユニット20に供給され、このpH値の情報に基づいて排水中に必要な量の塩酸水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液が供給され、排水のpH値が所定の値の範囲内に制御される。
【0025】
また、上記各処理空間3a,3b,3cの下部には排水の溶存酸素濃度を測定するDO計19が設置されており、このDO計19で測定された溶存酸素濃度の情報が流量計21aを経て酸素供給ユニット21に供給され、この溶存酸素濃度の情報に基づいて排水中に必要な量の酸素含有ガス(例えば、空気)が供給され、排水中の溶存酸素濃度が所定の値の範囲内に制御される。
【0026】
そして、この実施形態においては、各処理空間3a,3b,3cの反応領域5a,5b,5cに形成された接触帯域10a,10b,10cの下方には、操業中にこの接触帯域10a,10b,10cの接触還元材に付着した付着物をバブリング洗浄するための気体導入管22が配設されており、これら各気体導入管22は切替バルブ23aを介して空気源23に接続されている。
【0027】
この実施形態の脱セレン処理装置においては、装置本体内に導入されるセレン含有排水(未処理排水)のセレン濃度に応じて、上記導入ライン12の切替バルブ17a,17b,17cが開閉され、これら切替バルブ17a,17b,17cのうちの何れか1つの切替バルブ(例えば17a)が開いて残りの2つの切替バルブ(例えば17b,17c)が閉じ、これによって装置本体1内に3通りの排水の流通経路が形成され、排水は各流通経路によってそれぞれ異なる滞留時間で装置本体1内を流れ、その間に反応領域5a,5b,5cの接触帯域10a,10b,10cで接触還元材と接触し、脱セレン処理されて抜出ライン16より外部に抜き出される。
【0028】
そして、この際の処理空間段数切替え制御と排水の流通経路との関係は、次の通りである。
〔低濃度未処理排水の脱セレン処理〕
すなわち、図1及び図3において、先ず低いセレン濃度の未処理排水(低濃度未処理排水)を処理する場合には、低濃度未処理排水の脱セレン処理であるという起動条件の成立を前提に、処理空間3a,3b,3cについてその第1段の処理空間3aのみを選択し、第1段起動サブマスタを作動させてこの第1段の処理空間3aの起動に必要な軸流型攪拌機11、薬液供給ユニット20、酸素供給ユニット21、バブリング洗浄用の空気源23等を起動させ、また、切替バルブ17aを開いて残りの2つの切替バルブ17b,17cを閉じ、この第1段の処理空間3aのみを用いて脱セレン処理を第1段起動を実施する。
【0029】
そして、この場合、分岐ライン12aの導入口13から導入された未処理排水は、この第1段の処理空間3a内に形成された排水循環流に乗って連通路8aから反応領域5a内の接触帯域10aを通過し、この際に接触帯域10aを構成する鉄系金属の金属繊維成形体からなる接触還元材と接触し、次いでこの反応領域5a内を上昇して連通路8bから循環領域6aへと移行し、この循環領域6aを下降してその一部が抜出口14から一旦装置本体1の外部へと抜き出される。
【0030】
〔中濃度未処理排水の脱セレン処理〕
次に、この低濃度未処理排水についての第1段の処理空間3aのみの運転状態から、中程度のセレン濃度の未処理排水(中濃度未処理排水)の脱セレン処理に切り替える場合には、第2段の起動条件成立を条件にして、図3中の第1段→第2段の段数選択の切替えを行い、第2段サブマスタを作動させてこの第2段の処理空間3bの起動に必要な軸流型攪拌機11、薬液供給ユニット20、酸素供給ユニット21、バブリング洗浄用の空気源23等を起動させ、また、第2段の処理空間3bの切替バルブ17bを開いて残りの2つの切替バルブ17a,17cを閉じ、第1段の処理空間3aと第2段の処理空間3bとが起動する第2段起動を行う。
【0031】
この第2段への段数切替えが終了すると、中濃度未処理排水は、分岐ライン12bの導入口13から第2段の処理空間3b内に導入され、上記第1段の処理空間3a内の場合と同様に、排水循環流に乗って図示外の連通路8bから反応領域5b内の接触帯域10bを通過し、この際に接触還元材と接触し、次いでこの反応領域5b内を上昇して図示外の連通路8bから循環領域6bへと移行する。
【0032】
そして、循環領域6bへと移行した排水の一部は、図1及び図2に示す仕切壁2aに形成したスリット孔4aを介して下流側の第1段の処理空間3a内へと移動し、この第1段の処理空間3a内に形成されている排水循環流の流れに乗って連通路8a→反応領域5a(接触帯域10a)→連通路8b→循環領域6aの順に循環し、上記第1段の処理空間3a内の場合と同様に、この循環領域6aを下降してその一部が抜出口14から装置本体1の外部に抜き出される。
【0033】
〔高濃度未処理排水の脱セレン処理〕
更に、上記中濃度未処理排水についての第2段起動(第1段及び第2段の処理空間3a,3bの運転状態)から、高いセレン濃度の未処理排水(高濃度未処理排水)の脱セレン処理に切り替える場合には、第3段の起動条件成立を条件にして、図3中の第2段→第3段の段数切替えを行い、第3段サブマスタを作動させてこの第3段の処理空間3cの起動に必要な軸流型攪拌機11、薬液供給ユニット20、酸素供給ユニット21、バブリング洗浄用の空気源23等を起動させ、また、第3段の処理空間3cの切替バルブ17cを開いて残りの2つの切替バルブ17a,17bを閉じ、第1〜3段の処理空間3a,3b,3cが起動する第3段起動を行う。
【0034】
この第3段への段数切替えが終了すると、高濃度未処理排水は、分岐ライン12cの導入口13から第3段の処理空間3c内に導入され、上記第1段の処理空間3a内の場合と同様に、排水循環流に乗って図示外の連通路8cから反応領域5c内の接触帯域10cを通過し、この際に接触還元材と接触し、次いでこの反応領域5c内を上昇して図示外の連通路8cから循環領域6cへと移行する。
【0035】
そして、循環領域6cへと移行した排水の一部は、図1に示す仕切壁2bに形成したスリット孔4bを介して下流側の第2段の処理空間3b内へと移動し、この第2段の処理空間3b内に形成されている排水循環流の流れに乗って連通路8b→反応領域5b(接触帯域10b)→連通路8b→循環領域6bの順に循環する。
また、この循環領域6bへと移行した排水の一部は、図1及び図2に示す仕切壁2aに形成したスリット孔4aを介して、更に下流側の第1段の処理空間3a内へと移動し、この第1段の処理空間3a内に形成されている排水循環流の流れに乗って連通路8a→反応領域5a(接触帯域10a)→連通路8b→循環領域6aの順に循環し、上記第1段の処理空間3a内の場合と同様に、この循環領域6aを下降してその一部が抜出口14から装置本体1の外部に抜き出される。
【0036】
なお、第1段→第3段の段数切替え(すなわち、低濃度未処理排水の処理から高濃度未処理排水の処理への移行)、第3段→第2段の段数切替え(すなわち、高濃度未処理排水の処理から中濃度未処理排水の処理への移行)、第2段→第1段の段数切替え(すなわち、中濃度未処理排水の処理から低濃度未処理排水の処理への移行)、及び第3段→第1段の段数切替え(すなわち、高濃度未処理排水の処理から低濃度未処理排水の処理への移行)の場合における段数切替え制御についても上記の場合と同様の考え方で実施し、その際に上記の場合と同様の排水の流通経路が構成される。
【0037】
以上の脱セレン処理装置を用い、出口全セレン濃度を0.1mg/リットルとし、また、各槽のpH値を7とした場合における、入口セレン濃度に応じた処理結果を調べた。結果を図4及び図5に示す。
図4は段数制御に応じた入口セレン濃度と全セレン除去率との関係を示し、また、図5は同じく段数制御に応じた溶存酸素濃度と入口全セレン濃度との関係を示す。なお、図4において、実線は実除去率を、また、破線は必要除去率を示している。
【0038】
〔実施例〕
次に、上記実施形態の脱セレン処理装置を用い、第1〜3段の処理空間3a,3b,3cの容積:122.5リットル、何れかの処理空間3a,3b,3c内への排水の導入流量:6.8リットル/hr、各処理空間3a,3b,3c内の排水の液空間速度:0.06hr-、排水の液温度:35〜40℃、各接触帯域10a,10b,10cを通過する排水の平均通過流速:0.3m/秒、排水のpH値:7、排水の溶存酸素濃度:6.0mg/リットル、バブリング洗浄の頻度:12時間毎、及び、接触帯域10a,10b,10cを構成する接触還元材の条件(繊維径:70μm繊維状金属鉄、容積率:20〜30%、及び処理容量当りの表面積:80m2/m3)の条件で、処理後排水中のセレン濃度が目標設定値0.1mg/リットル以下となるようにセレン含有排水の脱セレン処理を実施した。
【0039】
セレン濃度が低濃度0.4mg/リットルの未処理のセレン含有排水(未処理排水)を第1段の処理空間3aのみを用い、また、排水のpH値をpH7、また、溶存酸素濃度を6mg/リットルにそれぞれ制御して処理した場合、滞留時間は6hrであって、その時のセレン除去率は90重量%であり、抜き出された処理後排水のセレン濃度は0.04mg/リットルであった。
【0040】
また、セレン濃度が中濃度1.7mg/リットルの未処理排水を第1,2段の処理空間3a,3bを用い、また、排水のpH値をpH7、また、溶存酸素濃度を5.5mg/リットルにそれぞれ制御して処理した場合、滞留時間は12hrであって、その時のセレン除去率は95.9重量%であり、抜き出された処理後排水のセレン濃度は0.07mg/リットルであった。
【0041】
更に、セレン濃度が高濃度4.2mg/リットルの未処理排水を第1〜3段の処理空間3a,3b,3cを用い、また、排水のpH値をpH7、また、溶存酸素濃度を6mg/リットルにそれぞれ制御して処理した場合、滞留時間は18hrであって、その時のセレン除去率は98.8重量%であり、抜き出された処理後排水のセレン濃度は0.05mg/リットルであった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の排水処理装置によれば、未処理排水の溶存物質濃度に応じて、排水が接触材に接触する滞留時間を段階的に制御し、これによって排水処理装置の操業を未処理排水の溶存物質濃度の変化に迅速に追従せしめることができる。
【0043】
特に、本発明をセレン含有排水の排水処理装置に適用した場合、セレン含有排水(未処理排水)のセレン濃度に応じて、排水が鉄系金属の接触還元材に接触する滞留時間を段階的に制御し、更に必要により排水のpH値及び溶存酸素濃度をフィードバック制御して処理条件を微調整し、これによって未処理排水のセレン濃度変化に迅速に追従して処理後排水のセレン濃度をより正確に目標設定値の範囲内に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の制御方法が適用された脱セレン処理装置を示す説明図である。
【図2】 図2は、図1の最下流側に位置する処理空間を示す説明図である。
【図3】 図3は、処理空間の段数切替え制御を示すフローチャートである。
【図4】 図4は、図1の脱セレン処理装置を用いて得られた結果であり、段数制御に応じた入口セレン濃度と全セレン除去率との関係を示すグラフ図である。
【図5】 図5は、図1の脱セレン処理装置を用いて得られた結果であり、段数制御に応じた溶存酸素濃度と入口全セレン濃度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…装置本体、2a,2b…仕切壁、3a,3b,3c…第1段〜第3段の処理空間、4a,4b…スリット孔(排水流路)、5a,5b,5c…反応領域、6a,6b,6c…循環領域、7a,7b,7c…隔壁、8a,9a…連通路、10a,10b,10c…接触帯域、11…軸流型攪拌機(排水循環手段)、12…導入ライン、12a,12b,12c…分岐ライン、13…導入口、14…抜出口、17a,17b,17c…切替バルブ、18…pH計、19…DO計、20…薬液供給ユニット、21…酸素供給ユニット、21a…流量計、22…気体導入管、23…空気源、23a…切替バルブ。

Claims (5)

  1. 除去対象の溶存物質を含む排水とこの排水中から溶存物質を析出させる接触材とを接触させ、上記排水中の溶存物質を析出させるための排水処理装置であり、
    排水処理装置の装置本体には、仕切壁で仕切られて互いに直列状に配置された複数の処理空間を形成すると共に、各仕切壁の上部には上流側の処理空間内で処理された排水が下流側の処理空間内に移動するように排水流路を形成し、
    上記各処理空間には、この処理空間内に導入された排水を接触材と接触せしめる接触帯域を設けると共に、装置本体の外部から未処理排水をこの処理空間内に導入するための導入口を設け、
    最下流側に位置する処理空間の側壁には、処理後排水を装置本体の外部に抜き出すための抜出口を形成し、
    未処理排水の溶存物質濃度に応じてこの排水を装置本体に導入する導入口を選択し、装置本体内の接触帯域で処理されて抜出口から外部に抜き出される処理後排水の溶存物質濃度が目標設定値の範囲内となるように、装置本体内での排水の流通経路を切り換えることを特徴とする排水処理装置。
  2. 各処理空間には、その略中央部に、この処理空間を反応領域と循環領域とに区画する隔壁を立設すると共に、各隔壁の上部及び下部には上記反応領域と循環領域との間を互いに連通する連通路を形成し、
    上記各反応領域内には接触材を収容した接触帯域を形成すると共に、各循環領域内には各処理空間内に導入された排水が実質的に上記反応領域の接触帯域を通過して循環領域へと循環するように排水循環流を形成する排水循環手段を配設し、この排水循環流における循環領域から反応領域への流れの中に未処理排水の導入口を開口させたことを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 溶存物質が溶存セレン、又は溶存セレン及び酸化性物質からなる有害物質であり、接触材が溶存セレン及び酸化性物質を還元して固定化する鉄系金属の接触還元材である請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  4. 接触還元材が鉄系金属の金属繊維を成形して得られた金属繊維成形体である請求項3に記載の排水処理装置。
  5. 装置本体には各処理空間における排水のpH値を測定するpH計と溶存酸素濃度を測定するDO計とが設けられており、接触還元材を収容する反応領域でのpH値と溶存酸素濃度とを制御する請求項3又は4に記載の排水処理装置。
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