JP4767425B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄用焼結鉱の製造方法に関し、特に、歩留、生産性を低下させることなく、高強度、低RDIの焼結鉱を安定的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結反応の主反応は、石灰石と鉄鉱石との融液生成反応であり、これを同化反応と呼んでいる。ここで重要なのが石灰石の粒度である。添加する石灰石の粒度が大きすぎると、原料層内でCaO濃度分布が適正でなくなることから、融液が過剰な部分と不足する部分が発生し、強度、歩留に悪影響を及ぼすことになる。一方、石灰石粒度が小さすぎると、石灰石そもそもの造粒性の悪さから焼結層内の通気性が悪化して焼けムラが発生し、焼結鉱の歩留及び強度を低下させる原因になる。また、焼けムラ箇所では、強度を維持するための融液不足及びヘマタイトの多い鉱物組織となり、耐還元粉化性(RDI)の悪化を引き起こすことになる。したがって、焼結鉱製造時に使用する石灰石の粒度範囲は、5mm以下からとし、0.5mm以下は極力省くように調整される。また、5mm以上の粒子は破砕後5mm以下の粒度にしてから使用される。しかし、5mm以下の粒度分布が一定にならない場合が多いことから、歩留、生産性や焼結鉱の強度(SI)及び耐還元粉化性(RDI)にバラツキが生じていた。また、粒度分布を一定にしても、鉄鉱石との反応性が異なる石灰石を使用した場合も同様の結果になった。
【0003】
前者の石灰石の粒度による操業及び品質の悪化の対策として、特開昭58−84931号公報には、配合原料中または、配合原料層の下層部のみに添加する石灰石中の0.25mm以下の粒子が19mass%以下となるように粒度を行うことで、焼結過程前半でのCaO反応を抑制することでFeO−SiO2−CaO系スラグを低減し、2次ヘマタイトの生成または結晶粒粗大化を抑制し、耐還元粉化性(RDI)を向上させる技術が開示されている。
【0004】
特開昭61−34119号公報には、配合原料に添加する石灰石中の3mm〜5mmの粒子が35mass%以上になるように粒度調整することで1300℃前後で急激にCaO反応を生成させ、高温保持時間を短くして2次ヘマタイトの生成を抑制することによりRDIを向上させる技術が開示されている。さらに、特開昭58−91132号公報には、粉鉄鉱石を下方吸引式焼結機で焼結する際、石灰石を水分2〜7mass%で造粒し、造粒後の粒度が0.5mm以下が20mass%以下、3mm以上が40mass%以下の石灰石を他の原料と共に配合して焼結し、焼結鉱中の鉱物組織を改善することでJIS還元率とRDIを向上させる技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のほとんどの技術は、焼結鉱製造時の配合原料中に添加する石灰石の粒度分布を調整するものであり、石灰石の鉄鉱石との焼結反応性向上の観点から、成品歩留、生産性や焼結鉱の強度(SI)及び耐還元粉化性(RDI)を改善する技術はなかった。
【0006】
本発明は、配合原料中に添加する石灰石の焼結反応性の観点から焼結鉱製造時の歩留、生産性を低下させることなく焼結鉱の強度、RDIを向上させるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その要旨は以下の通りである。
【0008】
(1)製鉄用焼結鉱の製造方法において、配合原料中に添加する石灰石中に、10℃/minの昇温速度で焼成した場合の示差熱分析により測定した熱分解開始温度と熱分解終了温度との温度差が230℃未満であり、かつ、結晶粒の平均粒径が100μm以上である、粒度が10mm以下の石灰石を全石灰石に対して20mass%以上配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0013】
一般の製鉄用焼結鉱の製造は、次のように行われる。
【0014】
焼結原料は、主原料の鉄鉱石、副原料の石灰石及び蛇紋岩をコークス、返し鉱と混合し、さらに水を添加しながらドラム型のミキサーで造粒して擬似粒子としてから焼結ベッドに装入する。通常、焼結機には下方吸引型焼結機を用い、焼結ベッドの原料層の表面にバーナーで点火し、原料層中のコークスの燃焼熱は上層から下層に伝熱され、それとともに焼結反応が進行して焼結鉱が製造される。
【0015】
通常の操業における原料装入密度は、1.7t/m3〜1.9t/m3であり、充填層の厚みは500mm〜600mmである。また、一般に、焼結原料の組成は、T.Fe=55mass%〜57mass%、CaO=9.5mass%〜11.0mass%、SiO2=5.0mass%〜5.3mass%、Al2O3=1.7mass%〜1.8mass%、MgO=1.0mass%〜2.0mass%程度である。ここで、CaO源の殆どは配合原料中に添加された石灰石由来のものである。配合原料の平均粒度は、通常、鉄鉱石の場合、2.0mm〜3.0mm、石灰石では1.5mm〜2.5mm程度である。SiO2とMgOソースである蛇紋岩の平均粒度も石灰石同様1.5mm〜2.5mm程度になる。また、Al2O3は鉄鉱石中の脈石由来である。
【0016】
焼結反応は、1200℃付近で配合原料に添加された石灰石中のCaOと鉄鉱石中のFe2O3の同化反応で初期融液を生成し、この融液中に鉄鉱石あるいは副原料が溶け込むことにより進行する。この反応は、融液を介して数分程度で終了する極めて短時間の反応であるが、焼結鉱の歩留及び生産性や品質に大きな影響を与える。
【0017】
同化反応が過剰に進み、生成する融液量が極端に増加する場合は、焼結層内の通気性が悪化して原料の焼けムラが発生し、焼結鉱の歩留及び強度を低下させる原因になる。一方、同化反応が進まない場合は、原料粒子の結合材となる融液の生成が少ないため、焼結鉱の強度の低下や耐還元粉化性(RDI)の悪化を引き起こす。したがって、同化反応の制御が焼結操業や品質にとって重要である。
【0018】
同化反応における鉄鉱石の同化性に関しては数多くの研究例があり、その同化性決定因子は概ね解明されている(例えば、鉄と鋼 第78年第7号,p.1013)。しかし、石灰石の同化性については研究例は少ない。例えば、材料とプロセス,8(1995),1086には、試薬のFe2O3と石灰石粒子の反応の基礎研究が報告されているが、その試薬の成分系は、実際の焼結原料とかけ離れており、かつ1種類の石灰石での評価しかなく、実際の石灰石銘柄の違いによる同化反応の影響は全く考慮していないものであった。
【0019】
そこで、本発明者らは、先ず、石灰石銘柄の違いによる同化反応への影響を検討するために、セメント用石灰石(A石灰石)と4銘柄の製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)について、基礎的な鉱物特性を比較検討した。
【0020】
表1に各石灰石の組成分析の結果を示す。各石灰石とも主要成分であるCaOは55%程度であり、その他の成分も含め組成的にはあまり差がないことが分かった。
【0021】
【表1】
【0022】
次に、これらの各石灰石の反応開始温度での熱分解(CaCO3→CaO+CO2)特性を検討した。表2には、粒径2〜3mmの各石灰石を電気炉を用いて実機に近い昇温パターン(室温から1200℃までを3分間で昇温し、1200℃加熱後直ちに冷却)で焼成し、各石灰石の減量を測定した結果を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
石灰石中のCaCO3の熱分解が起きる理論温度は860℃であるから、1200℃の温度で石灰石の熱分解が完了していれば、理論的には(CO2/CaCO3)×100=44mass%のCO2放出による減量があるはずである。
【0025】
しかしながら、表2を見てわかるように、セメント用石灰石(A石灰石)は、上記理論値と同じだけのCO2放出による減量があったが、その他の4銘柄の製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)のCO2分の減量は理論値よりも低い値であり、石灰石中の一部のCaCO3が分解されずに残留していることがわかった。
【0026】
次に、表2で用いた粒径:2〜3mmの各石灰石を粉砕し、粒径を0.5mm〜1.0mmに粒度調整して、10℃/minの昇温速度で焼成した場合の示差熱分析を行い、分解開始及び終了温度、CO2放出による減量を調べた。表3にその試験結果を示す。表3から、試料の細粒化により全ての試料のCO2放出による減量はほぼ理論値と同じになったが、一定の昇温速度における熱分解開始温度と熱分解終了温度の温度差(Δt)をみると、A石灰石が他の試料に比べて非常に小さく(10℃〜35℃の差)、A石灰石の熱分解によるCO2放出までの時間が他の試料に比べて非常に短いことがわかった。
【0027】
【表3】
【0028】
実際の焼結反応は、擬似粒子の0.5mm以下の付着粉部中の鉄鉱石と石灰石が反応して融液を生成することにより進行する。
【0029】
そこで次に発明者らは、各石灰石及び鉄鉱石をそれぞれ粒度0.5mm以下に粒度調整後、それらを混合させて8mmφ×10mmHのタブレットを作成し、これを実機の昇温パターンに近い1300℃で焼成した。また、焼成後、それぞれのタブレットの圧潰強度を測定すると共に、垂直断面を研磨して平均気孔径が20μm以上の気孔率を市販の画像解析装置により測定した。なお、気孔率を測定する際の気孔径を20μm以上としたのは測定装置の分解能が最小20μmであったためである。
【0030】
図1に、各石灰石を用いて作成したタブレットの焼成後の気孔径が20μm以上の気孔率と焼成後の圧潰強度の関係を示す。また、図2には、タブレット作成に用いた各石灰石の熱分解開始温度と終了温度の温度差(△t)と、焼成後の気孔径が20μm以上の気孔率の関係を示す。さらに、図3には、タブレット作成に用いた各石灰石の熱分解開始温度と終了温度の温度差(△t)と、焼成後の圧潰強度の関係を示す。
【0031】
図1〜3から、焼結原料に用いた石灰石の熱分解開始温度と終了温度の温度差(△t)が大きいほど焼成後の気孔率は高くなり、圧潰強度は低くなることが判った。また、セメント用石灰石(A石灰石)は、製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)に比べて焼成後の気孔率は小さくなり、圧潰強度が高いことが判った。これは、実機の焼結時に近い昇温パターンでは、焼結原料に用いた石灰石の熱分解時間(熱分解反応特性)が焼結鉱石中の気孔形成に影響し、セメント用石灰石(A石灰石)に比べて熱分解時間が長い製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)では、熱分解が遅いために、1200℃以上の融液生成領域においても熱分解によるCO2化が起こり、このCO2ガスが融液内に取り残されて気孔率が増加し、結果的に強度が低下したためと考えられる。
【0032】
発明者らは、セメント用石灰石(A石灰石)が製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)に比べて、熱分解開始温度と終了温度の温度差(△t)が小さい、つまり熱分解時間が短い理由を検討した。
【0033】
表4に画像解析により各石灰石の結晶粒径を測定した結果を示す。セメント用石灰石(A石灰石)の平均結晶粒径は125μmであり、製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)(平均結晶粒径:20μm以下)に比べて大きいことがわかる。
【0034】
【表4】
【0035】
このことから、セメント用石灰石(A石灰石)が製鉄用石灰石(B、C、D、E石灰石)に比べて熱分解時間が短い理由は、発明者らの検討の結果、セメント用石灰石(A石灰石)は、粒子を構成する一個一個の結晶粒径が100μm以上と大きく、緻密な構造であるため、図4に焼成後の組織を示すように、加熱により結晶質の石灰石粒子内に大小の亀裂が多く発生しやすく、その結果、反応界面積が増加するためであると考えられる。
【0036】
次に、発明者らは、製鉄用石灰石に比べて結晶粒径が大きく、緻密な構造であるセメント用石灰石(A石灰石)を使用した焼結鉱の製造条件について焼結鍋試験により検討した。表5に示した配合原料の割合(コークスは4.0mass%(外数))で、粒度を5mm以下に調整し、その他の条件を全て同一条件とした。
【0037】
【表5】
【0038】
実験は、最初に表5中の配合原料に添加する石灰石の銘柄として、一般に多く使用されているB石灰石を使用して焼成を行い、その後、B石灰石の5mass%から100mass%をA石灰石に振り替えて焼成を行い、その際の操業評価として成品歩留、生産率、得られた焼結鉱の品質評価として、SI強度、RDIの評価をおこなった。その結果を図5に示す。
【0039】
図5から、通常の製鉄用石灰石(B石灰石)中の5mass%をセメント用石灰石(A石灰石)に切り替えた場合には、操業および品質面で殆ど効果が得られないが、10mass%切り替え時では、成品歩留が2.3%、生産率が1.7t/D/m2それぞれ向上し、さらに20mass%切り替え時には、成品歩留および生産率の向上だけでなく、焼結鉱の品質もSI強度が1.5%向上し、RDI(耐還元粉化性)は37%から35%に低下した。石灰石の全量をセメント用石灰石(A石灰石)に切り替えた場合には、通常の製鉄用石灰石(B石灰石)の使用時に比べて、成品歩留は5.1%、生産率は3.5t/D/m2向上し、SI強度は2.2%向上し、RDIは33%まで改善された。
【0040】
セメント用石灰石(A石灰石)を100mass%及び通常の製鉄用石灰石(B石灰石)を100mass%それぞれ使用した場合の焼成後の成品焼結鉱組織を比較するために、それぞれの鉱物相を画像解析により解析した結果を図6に示す。
【0041】
図6から、セメント用石灰石(A石灰石)では、通常の製鉄用石灰石(B石灰石)に比べ、より同化反応が進むため、得られる焼結鉱の組織は、気孔が少なくカルシウムフェライト組織主体となっており、シリケートスラグも減少し、これらの結果、強度向上やRDI改善がなされたものと考えられる。
【0042】
次に、発明者らは、セメント用石灰石(A石灰石)の粒度の最適化を検討した。
【0043】
表6にセメント用石灰石(A石灰石)及び通常の製鉄用石灰石(B石灰石)のそれぞれの粒度を5mm以下及び10mm以下に粒度調整して焼結鍋試験を行った結果を示す。
【0044】
【表6】
【0045】
表6から、通常の製鉄用石灰石(B石灰石)を使用した場合は、石灰石の粒度を5mm以下から10mm以下に大きくすることにより、原料層の通気が改善して焼結時間が短縮されることにより生産率が1.4t/d/m2向上したが、成品歩留は1.0%低下し、SI強度は2.1%低下し、RDIも1.2%悪化した。これは、製鉄用石灰石(B石灰石)を使用する場合は、粒径が大きくなることで石灰石中の熱分解されないCaCO3が多く(CaOが少なく)なり、充分に同化反応がなされず原料粒子間の結合材となる融液の生成量が少なかったためと考えられる。
【0046】
一方、セメント用石灰石(A石灰石)を使用した場合は、石灰石の粒度を5mm以下から10mm以下に大きくすることにより、成品歩留を低下させずに、生産率を1.6t/d/m2に向上でき、SI強度は3.0%向上し、RDIも2.7%改善された。
【0047】
この結果から、セメント用石灰石(A石灰石)は、通常の製鉄用石灰石(B石灰石)に比べて、その粒度が10mm以下の場合にも、成品歩留を低下させずに、生産率の向上やSI強度及びRDIなどの品質の改善を可能とする。
【0048】
以上の知見から、本発明では、焼結鉱中の気孔率を低減することにより焼結鉱の圧壊強度を従来よりも向上させるために、製鉄用焼結鉱を製造する際の配合原料中に添加する石灰石中に熱分解開始温度と熱分解終了温度との温度差が230℃未満である石灰石を配合する。この熱分解開始温度と熱分解終了温度との温度差が230℃未満である石灰石としては、結晶粒の平均粒径が100μm以上である石灰石を用いることができる。結晶粒の平均粒径が100μm以上の石灰石は、従来の石灰石に比べて、加熱により結晶質の石灰石粒子内に大小の亀裂が多く発生しやすく、反応界面積が増加するために短時間で熱分解してCaOとCO2を生成するため、鉄鉱石との同化反応が促進されるとともに残留CO2に起因する気孔率の発生を抑制でき、その結果、成品歩留や生産性を良好に維持しつつ焼結鉱の強度(SI)やRDIの品質の向上ができる効果を得るためである。この効果を得るために、配合原料中に添加する石灰石中に結晶粒の平均粒径が100μm以上である石灰石を配合する必要がある。
【0049】
また、本発明では、上記の結晶粒の平均粒径が100μm以上である石灰石の配合率を配合原料中に添加する全石灰石に対して10mass%以上とすることが好ましい。その配合率が、10mass%未満の場合には、成品歩留や生産性を良好に維持しつつ焼結鉱の強度(SI)やRDIの品質の向上ができる効果を安定して得ることができないため、その配合率の下限を10mass%以上にする。
【0050】
また、本発明では、前記の結晶粒の平均粒径が100μm以上である石灰石の粒度を10mm以下とすることが好ましい。これによって、従来の製鉄用石灰石を用いた場合のように成品歩留を低下させずに原料層の通気性を改善して生産率の向上や強度(SI)及びRDIなどの品質の改善を可能とする。石灰石の粒度の上限を10mmに規定したのは、それを超えると、従来の製鉄用石灰石に比べて短時間で熱分解しやすい平均粒径が100μm以上の結晶粒からなる石灰石を用いても石灰中の熱分解されないCaCO3が多く(CaOが少なく)なり、充分同化反応が行われず焼結組織に充分な結合相が形成されないため成品歩留やSI強度、RDIが低下するからである。
【0051】
【実施例】
本発明の効果を実施例を用いて説明する。
【0052】
表5に示した配合原料の割合(コークスは4.0%(外数))で、粒度を5mm以下に調整し、石灰石の条件以外は同一条件で実機焼結機で焼成して焼結鉱を製造し、その際の操業評価として成品歩留、生産率、得られた焼結鉱の品質評価として、SI強度、RDIの評価をおこなった。配合原料中の石灰石は、表1に示すB石灰石またはD石灰石をベースに使用し、これらの石灰石の一部を表1に示すA石灰石に代替した。
【0053】
その結果を表7に示す。表7で試験No.1〜11は本発明例であり、配合原料に添加する全石灰石に対して結晶粒の平均粒径が100μm以上である石灰石(A石灰石)を本発明で規定する配合率及び粒度分布で配合したものであり、歩留、生産率も向上し、さらにSIの向上とRDIの改善がみられた。
【0054】
【表7】
【0055】
一方、試験No.12〜17の比較例は、配合原料に添加する石灰石中のA石灰石の配合率が本発明の規定範囲より低いため、歩留、生産率、SIとRDIの改善がみられなかった。
【0056】
本発明の適用により、成品歩留、生産率が向上し、品質が改善することが明らかになった。
【0057】
【発明の効果】
本発明により焼結鉱製造時の歩留、生産性を低下させることなく、高強度、低RDIの焼結鉱を安定的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成タブレットの20μm以上の気孔率と圧潰強度の関係を示す図である。
【図2】石灰石の熱分解△tと焼成タブレットの20μm以上の気孔率の関係を示す図である。
【図3】石灰石の熱分解△tと焼成タブレットの圧潰強度の関係を示す図である。
【図4】A石灰石の加熱後組織を示す図である。
【図5】焼結鍋試験結果を示す図である。
【図6】焼結鍋試験焼結鉱の鉱物相割合を示す図である。
Claims (1)
- 製鉄用焼結鉱の製造方法において、配合原料中に添加する石灰石中に、10℃/minの昇温速度で焼成した場合の示差熱分析により測定した熱分解開始温度と熱分解終了温度との温度差が230℃未満であり、かつ、結晶粒の平均粒径が100μm以上である、粒度が10mm以下の石灰石を全石灰石に対して20mass%以上配合することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
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