JP4766027B2 - 減速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーブ等を旋回走行する車両の減速制御を行うようにした減速制御装置に関するものである。
従来、カーブ或いはコーナ等を旋回走行する車両の運動状態及び運転操作から安全車速を算出し、その安全車速に実際の車速が達した場合には、自動的に安全車速以下に車速を減速し、スピン、ドリフトアウト又は横転等を防止する減速制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−278762号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、ドライバの操作状況に基づいて減速制御量を算出するようにしているため、例えば、制御効果をより得るために、制御介入タイミングをより早くするとドライバに違和感を与え、逆に、違和感を与えないようにするために制御介入のタイミングを遅くすると制御効果をあまり得ることができないという問題があり、ドライバに違和感を与えることなくより制御効果を得ることの可能な減速制御装置が望まれていた。
そこで、この発明は上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、ドライバに違和感を与えることなく、十分な制御効果を得ることの可能な減速制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る減速制御装置は、車両の旋回走行状態に応じて減速制御を行うことによって旋回時の安全走行を図ると共に、自車両が車線逸脱傾向にあるときには、減速制御手段の減速制御開始タイミングを早める。これによって、効果的に減速制御を行うことができる。
本発明に係る減速制御装置は、車両の旋回状態に応じて減速制御を行う際に、自車両が車線逸脱傾向にあるときには減速制御開始タイミングが早められるから、車線逸脱傾向に応じて効果的に減速制御を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明における減速制御装置の一例を示す構成図である。
図中、1は、制動流体圧制御装置であって、図示しない各車輪に対応するホイールシリンダに供給される制動流体圧を制御するようになっている。つまり、通常は、ドライバによるブレーキペダルの踏込み量に応じて、マスタシリンダで昇圧された制動流体圧が各ホイールシリンダに供給されるようになっているが、図示しないマスタシリンダと各ホイールシリンダとの間に介挿された制動流体圧制御装置1によって、ブレーキペダルの操作とは別に各ホイールシリンダへの制動流体圧を制御するようになっている。
前記制動流体圧制御装置1は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。
この制動流体圧制御装置1は、後述する減速制御コントローラ10からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダの制動流体圧を制御するようになっている。
また、この車両には、自車両に発生するヨーレートφ′を検出するヨーレートセンサ11、図示しないステアリングホイールの操舵角δを検出する操舵角センサ12、各車輪の回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ13FL〜13RRが設けられ、それらの検出信号は前記減速制御コントローラ10に出力される。
また、この車両には、走行車線内における自車両の位置を検出するための外界認識センサ15が設けられている。この外界認識センサ15は、自車両の走行路前方の道路を撮像するための単眼カメラ等の撮像手段15aと、この撮像手段15aで撮像した画像情報を処理するカメラコントローラ15bとから構成される。そして、前記カメラコントローラ15bは、前記撮像手段15aからの画像情報に基づいて、走行車線に対する自車両位置を表す自車両のヨー角Φ、走行車線中央からの自車両の横変位量X、走行車線の曲率βを検出し、これらを、前記減速制御コントローラ10に出力する。
そして、この減速制御コントローラ10では、入力される各種情報に基づいて、制動流体圧制御装置1への制御信号を生成するようになっている。
図2は、減速制御コントローラ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、減速制御コントローラ10は、外界認識センサ15からの走行車線における自車両の位置を表す自車位置情報に基づいて自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを判断する車線逸脱判断部21と、車輪速度センサ13FL〜13RRからの車輪速VwFL〜VwRRから自車両の走行速度Vを推定し、この走行速度Vと操舵角センサ12からの操舵角δとに基づいて自車両に発生するヨーレートφ′sを推定するヨーレート推定部22と、このヨーレート推定部22で推定した推定ヨーレートφ′sと、ヨーレートセンサ11からの実ヨーレートφ′rとのいずれか大きい方を選択し、これを、演算処理に用いるヨーレートセレクト値φ′*とするヨーレートセレクト部23と、予め設定された所定の値を横加速度制限値Yg*として設定する横加速度制限値算出部24と、前記ヨーレートセレクト部23で設定したヨーレートセレクト値φ′*と前記横加速度制限値算出部24で設定した横加速度制限値Yg*に基づいて目標車速V*を算出する目標車速演算部25と、目標車速演算部25で算出した目標車速V*に基づいて目標減速度Xg*を算出する目標減速度演算部26と、この目標減速度演算部26で算出した目標減速度Xg*を実現するように制動流体圧制御装置1を駆動制御する減速制御演算部27と、を備え、この減速制御演算部27は、前記車線逸脱判断部21での車線逸脱判断結果に応じて制動流体圧制御装置1の制御量を変更するようになっている。
次に、前記減速制御コントローラ10で行われる演算処理の処理手順を図3のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、所定サンプリング時間毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読み出される。
この演算処理では、まず、ステップS1で、各種センサからの信号を入力する。具体的には、前記ヨーレートセンサ11からの実ヨーレートφ′r、操舵角センサ12からの操舵角δ、車輪速度センサ13FL〜13RRからの車輪速度Vwi(i=FL〜RR)、外界認識センサ15からの、自車両のヨー角Φ、車線中心からの横変位X、走行車線の曲率βを読込む。
次いでステップS2に移行し、前記車輪速度センサ13FL〜13RRからの車輪速度Vwiのうち、例えば、駆動輪としての前輪の車輪速度VwFL、VwFRの平均値から車両速度Vを算出する。
なお、ここでは、前左右輪速度VwFL、VwFRに基づいて走行速度Vを算出するようにした場合について説明したが、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御手段が搭載されており、このABS制御手段によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにすればよい。
次いで、ステップS3に移行し、逸脱推定値XS*を算出する。
まず、外界認識センサ15からの各種情報に基づいて、自車両の推定横変位、つまり、逸脱推定値XSを、次式(1)に基づいて算出する。
XS=Tt×V×(Φ+Tt×V×β)+X ……(1)
なお、(1)式において、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間、Vは前記車両速度、Φは自車両のヨー角Φ、Xは車線中央からの現在の横変位、βは走行車線の曲率である。前記車頭時間Ttに車両速度Vを乗算することで、前方注視距離Tt×Vが算出される。つまり、車頭時間Tt後の車線中央からの横変位予測値がXSとなる。なお、この横変位予測値、すなわち逸脱推定値XSは、左方向逸脱時に正値となる。
なお、逸脱量は、正確にいうと走行車線の端からの横変位であるが、ここでは、車線中央からの横変位をもとに逸脱量を推定するので、横変位予測値XSを逸脱推定値とし、次式(2)に示すように、前記横変位予測値XSに所定のゲインCを乗算した値を逸脱推定値XS*として用いる。
そして、このようにして逸脱推定値XS*を算出したならばステップS4に移行し、この逸脱推定値XS*に基づいて逸脱判断を行う。
つまり、逸脱推定値XS*が予め設定したそのしきい値を超えるかどうかを判定し、逸脱推定値XS*がしきい値以上となり、車線逸脱傾向にあると判断されるときには、車線逸脱フラグFoutを“1”に設定し、逸脱推定値XS*がしきい値を下回り、車線逸脱傾向にないと判断されるときには車線逸脱フラグFoutを“0”に設定する。
なお、ここでは、逸脱推定値XS*を用いて車線逸脱の判断を行うようにしているが、外界認識センサ15からの、車線中心からの横変位Xを用いて車線逸脱の判断を行うようにしてもよい。
次いで、ステップS5に移行し、操舵角センサ12からの操舵角δ及びステップS2で算出した自車両の走行速度Vに基づいて公知の手順でヨーレートを算出する。そして、推定したヨーレート推定値φ′sと、ヨーレートセンサ11で検出したヨーレートφ′rとのうち、その絶対値が大きい方を選択し、これを以後の演算で用いる、ヨーレートセレクト値φ′*(φ′*>0)とする。
ここで、車両にヨーレートが発生する場合、通常、操舵角δに基づいて推定されるヨーレート推定値の方が、ヨーレートセンサ11で検出されるヨーレートセンサ値よりも先に検出することができる。しかしながら、低μ路等においては、例えばスロースピンモードの場合等のように、ステアリングホイールをそれほど操舵しない状態であってもヨーレートが増加する方向に車両挙動が発生する場合がある。このため、このような場合にヨーレートセンサ11で検出したヨーレートφ′rを用いることで、減速制御を早期に介入し、より早い段階で減速制御を開始するようにしている。
このようにして、ヨーレートセレクト値φ′*を設定したならば、ステップS6に移行し、横加速度制限値Yg*を設定する。例えば、安全に旋回走行することの可能とみなすことの可能な横加速度として予め検出した固定値Ygaを、前記横加速度制限値Yg*として設定する。
次いで、ステップS7に移行し、ステップS6で算出した横加速度制限値Yg*に基づいて目標車速V*を算出する。
この目標車速V*は、ステップS5で算出したヨーレートセレクト値φ′*、ステップS6で算出した横加速度制限値Yg*及び路面摩擦係数の推定値μに基づいて次式(2)にしたがって算出する。
*=(μ×Yg*)/φ′* ……(2)
なお、前記路面摩擦係数の推定値μは公知の手順で算出するようにしてもよく、また、路面摩擦係数を検出するセンサを設け、このセンサ出力を用いるようにしてもよい。
前記(2)式にしたがって目標車速V*を算出することにより、目標車速V*は、路面摩擦係数μが低いほど小さな値となって制御介入がしやすい傾向となり、同様に横加速度制限値Yg*が小さいほど制御介入がしやすい傾向となり、また、ヨーレートセレクト値φ′*が大きいほど制御介入がしやすい傾向となるように設定される。
次いで、ステップS8に移行し、目標減速度Xg*を算出する。
具体的には、ステップS2で算出した自車両の走行速度Vと、ステップS7で算出した目標車速V*との差に基づいて次式(3)から算出する。
Xg*=ΔXg×(V−V*)/Δt ……(3)
なお、式(3)において、ΔXgは予め設定したゲイン、Δtは、予め設定した所定時間であって、走行速度Vと目標車速V*との差を零とするまでの所要時間である。
つまり、目標減速度Xg*は、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差が正の方向へ大きくなるほど、目標減速度Xg*も大きくなるように設定される。なお、目標減速度Xg*は、Xg*>0であるとき減速側とする。
なお、ここでは、走行速度Vと目標車速V*との差に基づいて目標減速度Xg*を算出するようにした場合について説明したが、前記走行速度Vと目標車速V*との差である車速偏差の差分値を考慮して、次式(4)から目標減速度Xg*を設定するようにしてもよい。
Xg*={K1×(V−V*)+K2×Δ(V−V*)}/Δt ……(4)
なお、(4)式において、K1、K2は予め設定したゲイン、Δ(V−V*)は、今回の車速偏差から、1演算周期前の車速偏差を減算した値である。
このように車速偏差の差分値を考慮することにより、例えば、比較的早い速度で操舵を行った場合には、ヨーレートセレクト値φ′*の変化量に対する目標減速度Xg*の増加量も多くなる。よって、例えばドライバが速い操舵操作を行った場合、目標減速度がそれに応じて即座に反応して、瞬時に増加するようになる。この結果、ドライバの操舵操作に応じてすばやく減速制御を行うことができる。
次いで、ステップS9に移行し、減速制御を行う必要があるかどうかを判断する。具体的には、前記目標減速度Xg*がしきい値より小さく、減速制御を行う必要がないと判断されるときにはステップS10に移行し、減速制御の解除処理を行う。逆に、目標減速度Xg*がしきい値以上であって減速制御を行う必要があると判断されるときにはステップS11に移行する。
前記ステップS10では、減速制御処理によって制動流体圧を制御しており増圧制御を行っている場合にはこの増圧分が徐々に零となるように制動流体圧制御装置1を制御するための制御信号を生成する。また、増圧制御を行っていない場合には引き続き制動流体圧の制御を行わない。
一方、前記ステップS11では、実際の減速度がステップS8で算出した目標減速度Xg*となるように、制動流体圧制御装置1を駆動制御するための制御信号を生成する。
具体的には、前記ステップS8で算出された目標減速度Xg*に基づいて制動流体圧を算出する。つまり、前記目標減速度Xg*が、予め設定した減速制御を開始するためのしきい値を超えるとき減速制御を行う必要があると判断し、前記目標減速度Xg*に、減速度を制動流体圧に変換するためのゲインを乗算し、これをフィルタ処理した値f(Ps)を目標制動流体圧P*として設定する。
次いで、ステップS12に移行し、前記ステップS4の処理で車線逸脱フラグFoutが“1”に設定されているか、つまり、自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを判断する。そして、車線逸脱フラグFoutが“0”であって、車線逸脱傾向にないと判断されないときにはステップS14に移行し、ステップS11で算出した目標制動流体圧P*を実現するための制御信号を制動流体圧制御装置1に出力する。
制動流体圧制御装置1では、この目標制動流体圧P*だけ、制動流体圧が増加するよう、図示しない各ホイールシリンダへの制動流体圧を増加させる。
一方、前記ステップS12で、前記車線逸脱フラグFoutが“1”に設定されている場合、つまり、自車両が車線逸脱傾向にあると判断される場合には、ステップS13に移行し、前記ステップS11で算出した目標制動流体圧P*を補正する。つまり、ステップS9で算出された目標制動流体圧P*に、この目標制動流体圧P*を補正するための補正ゲインPhを乗算し、これを新たな目標制動流体圧P*として設定する。なお、この補正ゲインPhは、“1”より大きい値であって、例えば図4の(a)、(b)、(c)に示すように、自車両のヨー角Φ、曲率β、車線中心からの横変位Xの少なくとも何れか1つに応じて設定する。
なお、図4(a)において横軸は自車両のヨー角Φ、縦軸は補正ゲインPhであってヨー角Φが比較的小さい領域では、補正ゲインPhは比較的小さい一定値に維持され、自車両のヨー角Φが中程度以上の領域ではヨー角Φが増加するほどこれに比例して補正ゲインPhも増加するように設定される。同様に図4(b)において、横軸は自車両前方道路の曲率β、縦軸は補正ゲインPh、また、図4(c)において横軸は車線中心からの横変位X、縦軸は補正ゲインPhであって、曲率β又は横変位Xが比較的小さい領域では、前記補正ゲインPhは比較的小さい一定値に維持され、前記曲率β又は横変位Xが中程度以上であるときには曲率βが増加するほど、また、横変位Xが増加するほどこれに比例して前記補正ゲインPhも増加するように設定される。
つまり、前記ヨー角Φ又は、曲率β、又は横変位Xが大きいときほど補正ゲインPhが大きな値に設定され、すなわち、車線逸脱傾向が大きいときほど、目標制動流体圧P*がより大きな値に補正されてより大きな制動力が発生するように、つまりより減速されるように制御される。
そして、このようにして目標制動流体圧P*を補正したならば前記ステップS14に移行する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を図5のタイムチャートを伴って説明する。
なお、図5において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御による制動流体圧の増圧制御が行われているか否かを表す状態フラグであって、“1”の場合には、制動流体圧の増圧制御が行われていることを表し逆に“0”の場合には増圧制御が行われていないことを表す。また、(c)は逸脱推定値XS*、(d)は逸脱判断結果に応じて設定される車線逸脱フラグFoutの状態、(e)は目標制動流体圧P*の変化状況を表す。
今、自車両が走行車線のほぼ中央を直進走行している場合には、操舵角δが略零を維持するから、ヨーレートセレクト値φ′*は略零を維持し(ステップS5)、目標車速V*は比較的大きな値に設定されることから(ステップS7)、目標減速度Xg*は負値となる(ステップS8)。したがって、減速制御を行う必要はないからステップS9からステップS10に移行し、制動流体圧の増減制御は行われない。
この状態から、時点t1で、ドライバが操舵を行って旋回状態に移行すると、自車両に発生するヨーレートセレクト値φ′*が増加することから、目標車速V*がより小さな値となり、自車両の走行速度Vがこの目標車速V*を上回らない間は、制動流体圧の増圧制御は行われないが、時点t2で自車両の走行速度Vが目標車速V*以上となり目標減速度Xg*が負値となると、この時点から、この目標減速度Xg*を実現し得る、目標制動流体圧P*が算出され、これに応じて制動流体圧制御装置1によって、制動流体圧の増圧制御が行われ減速度が発生されることになる。
このとき、自車両のヨー角Φ、曲率βに応じて算出される逸脱推定値XS*が増加するが、この逸脱推定値XS*が、そのしきい値(図5(c)に一点鎖線で示す)以上となるほど大きくない場合には、車線逸脱傾向にはないと判断されて、車線逸脱フラグFoutは“0”を維持する。
したがって、目標制動流体圧P*の補正は行われず、ヨーレートセレクト値φ′*及び走行速度Vに応じた減速が行われることになる。
この状態から、自車両の走行位置が、走行車線の中央から例えば旋回外側方向にずれ、時点t3で逸脱推定値XS*がそのしきい値以上となり、車線逸脱傾向にあると判定される状態となると、車線逸脱フラグFoutが“1”に設定される(ステップS4)。
このため、ステップS12からステップS13に移行し、この時点におけるヨーレートセレクト値φ′*、走行速度Vに応じた目標制動流体圧P*が、さらに大きくなるように補正される。
したがって、図5に示すように、時点t3で自車両が車線逸脱傾向にあると判断されると、この時点から、目標制動流体圧P*の増加度合がより大きくなり、その分減速度合が増加することになる。つまり、自車両が旋回走行しているときには、安全走行を確保可能な車速にまで減速制御が行われると共に、旋回走行中に自車両が車線逸脱傾向にあるときにはより大きな減速度が得られるように減速制御が行われることになるから、自車両の車線逸脱傾向を抑制することができる。
このとき車線逸脱傾向にないと判断されるときには、ステップS12からステップS14に移行して、目標制動流体圧P*の補正は行われない。したがって、図5の時点t3に破線で示すように、ドライバの操舵操作により操舵角δが増加するとこれに伴って目標制動流体圧P*が増加し、自車両を安全走行可能な速度にまで低減させるための制動力が発生されることになって安全速度での走行は可能となる。しかしながら、自車両が安全走行可能な速度で走行している場合であっても自車両が車線逸脱傾向にあるときには、この車線逸脱を抑制するには制動力不足である。上述のように、自車両が車線逸脱傾向にあるときにはより大きな制動力を発生させるようにしたから、自車両の車線逸脱傾向を抑制することができ、減速効果を十分に得ることができ、安全性を向上させることができる。
また、このとき、図4の制御マップに示すように、前記自車両のヨー角Φが大きいときど、また、曲率βが大きいときほど、また、車線中心からの横変位Xが大きいときほど目標制動流体圧P*の補正ゲインPhがより大きな値となるように補正を行っている。したがって、自車両が車線逸脱する可能性がより高くなるほどより補正ゲインPhを大きな値に設定し、目標制動流体圧P*の増加度合がより大きくなるようにするから、減速制御を効果的に行うことができ、自車両の走行状態に即して十分な減速効果を得ることができる。
このように、自車両が車線逸脱することなく旋回走行可能な安全車速で走行可能な状態であるかどうかに基づいて減速制御を行うが、このとき、さらに、自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかも検出するようにし、車線逸脱傾向にあるときにはさらに大きな制動力を発生させるようにしたから、減速制御を効果的に行うことができ、車線逸脱を的確に抑制することができる。
また、このとき、逸脱推定値XS*を算出する際に、前記(1)式に示すように、車両のヨー角Φ、車線中央からの横変位X、走行車線の曲率βを用いて算出するようにしているから、自車両の逸脱推定値XS*をより的確に算出することができる。なお、ここでは、前記各成分を用いて前記(1)式に基づいて逸脱推定値XS*を算出するようにした場合について説明したが、何れか一つの成分に基づいて算出するようにすることも可能である。
また、車線逸脱傾向にあるときには、前記ステップS13の処理では、目標制動流体圧P*を補正するための補正ゲインPhを変更するようにしているから、目標制動流体圧P*の増加速度をより早めることができ、車線逸脱速度をより低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、前記減速制御コントローラ10で行われる演算処理の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態における減速制御コントローラ10は、上記第1の実施の形態においては、車線逸脱傾向にあるときには目標制動流体圧P*を補正するようにしているのに対し、横加速度制限値Yg*を補正するようにしたものである。
図6は、第2の実施の形態における減速制御コントローラ10で実行される演算処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップS1からステップS6の処理は上記第1の実施の形態の処理と同様であって、ステップS6で横加速度制限値Yg*を設定した後、ステップS6aに移行する。
そして、ステップS6aで、前記ステップS4で車線逸脱傾向にあると判定されているかどうかを判断し、車線逸脱傾向にないと判定されている場合にはそのままステップS7に移行する。
一方、前記ステップS6aで、車線逸脱傾向にあると判断されている場合には、ステップS6bに移行し、前記ステップS6で設定した横加速度制限値Yg*の補正を行う。つまり、次式(5)に示すように、横加速度制限値Yg*に補正ゲインΔYgを乗算し、この乗算結果を新たな横加速度制限値Yg*とする。
Yg*=Yg*×ΔYg ……(5)
なお、前記補正ゲインΔYgは0<ΔYg<1を満足する値であって、自車両のヨー角Φ、曲率β、車線中心からの横変位Xの何れかに応じて設定される。図7は、ヨー角Φと補正ゲインΔYgとの対応を表す制御マップであって、横軸はヨー角Φ、縦軸は補正ゲインΔYgである。そして、ヨー角Φが比較的小さい領域では前記補正ゲインΔYgは比較的大きな一定値に維持され、ヨー角が中程度の領域ではヨー角Φが増加するにつれてこれに反比例して補正ゲインΔYgは減少し、ヨー角Φが比較的大きな領域では、補正ゲインΔYgは比較的小さな一定値に維持される。
なお、図7は、ヨー角Φと補正ゲインΔYgとの対応を表した場合の制御マップであるが、曲率β又は車線中心からの横変位Xと補正ゲインΔYgとの対応を表す制御マップも図7と同等の特性を有する。つまり、曲率β又は車線中心からの横変位Xが比較的小さい領域では、補正ゲインΔYgは比較的大きな一定値に維持され、曲率β又は車線中心からの距離が比較的中領域ではこれらが増加するほどこれに反比例して補正ゲインΔYgは減少し、曲率β又は車線中心からの横変位Xが比較的大きい領域では、補正ゲインΔYgは比較的小さな一定値に維持される。
そして、このようにして、横加速度制限値Yg* を補正したならば前記ステップS7に移行し、前記ステップS6で設定した横加速度制限値Yg* 又はステップS6bで補正した横加速度制限値Yg* に基づいて上記第1の実施の形態と同様にして、目標車速V* を算出し、続いて目標減速度Xg* を算出し(ステップS8)、減速制御を行う必要がない場合にはステップS9からステップS10に移行して減速制御の解除処理を行ってステップS14に移行し、減速制御を行う必要がある場合にはステップS9からステップS11に移行し、ステップS8で設定した目標減速度Xg* を実現し得る目標制動流体圧P* を算出した後、ステップS14に移行する。
ここで、図6のステップS2の処理が車速検出手段に対応し、ステップS5の処理が旋回状態検出手段に対応し、ステップS7の処理が目標車速算出手段に対応し、ステップS11、S14の処理及び制動流体圧制御装置1が減速制御手段に対応し、ステップS3、S4の処理が車線逸脱検出手段に対応し、ステップS6a、S6bの処理が減速制御開始タイミング調整手段に対応している。
次に、この第2の実施の形態の動作を、図8及び図9のタイムチャートを伴って説明する。
なお、図8及び図9において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御による制動流体圧の増圧制御が行われているか否かを表す状態フラグであって、“1”の場合には、制動流体圧の増圧制御が行われていることを表し、逆に“0”の場合には増圧制御が行われていないことを表す。
また、(c)は、逸脱推定値XS*、(d)は前記ステップS4の処理で設定される車線逸脱フラグFoutの状態、(e)は横加速度制限値Yg*、(f)は目標制動流体圧P*を表す。
今、時点t11で自車両がカーブに進入し、これに伴ってドライバが操舵操作を開始すると、カーブ走行に伴って走行車線における自車両の位置が車線中央からずれるため、推定横変位XS*が徐々に増加する。しかしながら、この推定横変位XS*がそのしきい値を下回る間は、車線逸脱フラグFoutは“0”に設定されるから、ステップS6aからそのままステップS7に移行し、横加速度制限値Yg*として設定された固定値Ygaに基づいて減速制御が行われる。このとき、自車両に作用するヨーレートが比較的小さい場合等、自車両の走行速度Vが、目標車速V*を下回る間は、減速させる必要はないから制動力は発生されないが、時点t12で、走行速度Vが目標車速V*以上となると、これを抑制すべく目標制動流体圧P*が算出され、制動流体圧制御装置1が作動して制動力が発生される。
この状態から、例えば時点t13で、自車両の走行位置がさらに車線中央からずれ、逸脱推定値XS*がそのしきい値以上となると、ステップS6aからステップS6bに移行し、前記横加速度制限値Yg*(=Yga)がより小さな値となるように補正が行われる。したがって、目標制動流体圧P*がより大きな値に設定され、図8に示すように、目標制動流体圧P*の増加度合が時点t13で一段と大きくなり、より大きな制動力が発生されることになる。したがって、時点t13で車線逸脱傾向にあると判断された時点から、これまでよりもさらに大きな制動力が発生されることになるから、安全車速で走行させることができると共に車線逸脱傾向を抑制することができ、効果的に減速制御を行うことができる。
このとき、例えば、時点t13で車線逸脱傾向にあると判断されない場合には、図8(e)に破線で示すように横加速度制限値Yg*の補正は行われず、引き続き固定値Ygaが設定されるから、目標制動流体圧P*が大きく増加することはなく、図8(f)に破線で示すようにこれまでと同様の傾きで増加することになって自車両の走行速度Vを安全速度に低減するのに十分な制動力が発生されることになる。
また、例えば、図9に示すように、自車両が比較的低速度でカーブに進入した場合等、安全走行可能な速度で走行している場合には減速制御は行われないが、時点t21で、逸脱推定値XS*がそのしきい値以上となった時点で、車線逸脱フラグFoutが“1”となり、ステップS6aからステップS6bに移行し、横加速度制限値Yg*がより小さくなる方向に補正される。そして、補正した横加速度制限値Yg*に基づいて目標車速V*、目標減速度Xg*が算出され、この目標減速度Xg*が正値であるときには減速制御が行われる。
したがって、自車両が旋回走行時における安全車速以下の速度で走行している場合には減速制御は行われないが、このとき、自車両が車線逸脱傾向にあるときにはこの時点から減速制御が開始されることになる。
つまり、自車両が安全車速で走行しているかどうかに基づいて減速制御を行うようにした場合には、図9に示すように、時点t21で車線逸脱をした後に、時点t22で自車両の走行速度が安全走行速度を満足しない状態となった場合等には、図9(b)及び(f)に破線で示すように時点t22の時点で初めて減速制御が開始されることになる。しかしながら、上述のように車線逸脱した場合にはこの車線逸脱を回避するための減速制御を開始するようにしているから、減速制御の開始タイミングをより早めることができ、効果的に減速制御を行うことができる。
このように、この第2の実施の形態においても上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができると共に、この第2の実施の形態においては、車線逸脱傾向にあることが検出された時点で減速制御を開始するようにしているからより効果的に減速制御による制御効果を得ることができる。
また、この第2の実施の形態においても前記横加速度制限値Yg*の補正ゲインΔYgをヨー角Φ、曲率β、車線中心からの横変位Xが大きくなるほどより小さくなるようにし、つまり、車線逸脱傾向が大きいときほど減速制御介入が行われやすくなるようにしているから、車両の走行状態に即した減速制御を行うことができる。
また、このとき、横加速度制限値Yg*を変更することで目標制動流体圧P*を増加させるようにしているから、減速制御の介入をより早めることができ、より減速効果を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、前記減速制御コントローラ10で行われる演算処理の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態における減速制御コントローラ10は、上記第1の実施の形態では車線逸脱傾向にあるときには目標制動流体圧P*を補正するようにしているのに対し、目標減速度Xg*を補正するようにしたものである。
図10は、第3の実施の形態における減速制御コントローラ10で実行される演算処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップS1からステップS8の処理は上記第1の実施の形態の処理と同様であって、ステップS8で目標減速度Xg*を算出した後、ステップS8aに移行する。
このステップS8aでは、前記ステップS4で車線逸脱傾向にあると判定されたかどうかを判断し、車線逸脱傾向にあると判定されていない場合には、そのままステップS9に移行し、車線逸脱傾向にあると判定されている場合にはステップS8bに移行する。
このステップS8bでは、次式(6)に示すように、目標減速度Xg*に、補正ゲインΔXgを乗算し、これを新たな目標減速度Xg*として設定する。
Xg*=Xg*×ΔXg ……(6)
なお、前記補正ゲインΔXgは“1”より大きな値であって、自車両のヨー角Φ、曲率β、車線中心からの横変位Xのいずれかに応じて設定される。
図11は、ヨー角Φと補正ゲインΔXgとの対応を表す制御マップであって、横軸はヨー角Φ、縦軸は補正ゲインΔXgである。そして、ヨー角Φが比較的小さい領域では前記補正ゲインΔXgは比較的小さな一定値に維持され、ヨー角が中程度の領域ではヨー角Φが増加するにつれてこれに比例して補正ゲインΔXgも増加し、ヨー角Φが比較的大きな領域では、補正ゲインΔXgは比較的大きな一定値に維持される。
なお、図11は、ヨー角Φと補正ゲインΔXgとの対応を表した場合の制御マップであるが、曲率β又は車線中心からの横変位Xと補正ゲインΔXgとの対応を表す制御マップも図11と同等の特性を有する。つまり、曲率β又は車線中心からの横変位Xが比較的小さい領域では、補正ゲインΔXgは比較的小さな一定値に維持され、曲率β又は車線中心からの距離が比較的中領域ではこれらが増加するほどこれに比例して補正ゲインΔXgも増加し、曲率β又は車線中心からの横変位Xが比較的大きい領域では、補正ゲインΔXgは比較的大きな一定値に維持される。
そして、このようにして、目標減速度Xg* を補正したならば前記ステップS9に移行し、制動流体圧による減速制御を行う必要がない場合にはステップS10に移行して減速制御の解除処理を行い、逆に制動流体圧による減速制御を行う必要がある場合にはステップS11に移行し前記ステップS8で設定した目標減速度Xg* 又はステップS8bで補正した目標減速度Xg* を実現し得る目標制動流体圧P* を、上記第1の実施の形態と同様にして算出した後ステップS14に移行する。
ここで、図10のステップS2の処理が車速検出手段に対応し、ステップS5の処理が旋回状態検出手段に対応し、ステップS7の処理が目標車速算出手段に対応し、ステップS11、S14の処理及び制動流体圧制御装置1が減速制御手段に対応し、ステップS3、S4の処理が車線逸脱検出手段に対応し、ステップS8a、S8bの処理が減速制御開始タイミング調整手段に対応し、ステップS8の処理が目標減速度算出手段に対応している。
次に、この第3の実施の形態の動作を、図12及び図13のタイムチャートを伴って説明する。
なお、図12及び図13において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御による制動流体圧の増圧制御が行われているか否かを表す状態フラグであって、“1”の場合には、制動流体圧の増圧制御が行われていることを表し、“0”の場合には制動流体圧の増圧制御が行われていないことを表す。
また、(c)は逸脱推定値XS*、(d)は前記ステップS4の処理で設定される車線逸脱フラグFoutの状態、(e)は目標減速度Xg*、(f)は目標制動流体圧P*を表す。
今、時点t31で自車両がカーブに進入し、これに伴ってドライバが操舵操作を開始し旋回走行に伴って自車両のヨー角Φが増加するとこれに伴って目標車速V*が増加するが、自車両の走行速度Vが目標車速V*を下回る間、或いは、走行速度Vが目標車速V*以上であるが目標減速度Xg*がしきい値を下回る間は、減速制御は行われない。また、このとき、自車両が車線逸脱傾向にない場合には、車線逸脱フラグFoutが“0”に設定されるから、ステップS8aからそのままステップS9に移行し、目標減速度Xg*の補正は行われない。
そして時点t32で、自車両の走行速度Vが目標車速V*以上となり、目標減速度Xg*がそのしきい値以上となると、減速制御を行う必要があると判断されて、この時点から減速制御が開始される。
そして、このように減速制御が行われている状態から自車両が時点t33で車線逸脱傾向となると、車線逸脱フラグFoutが“1”に設定されることから、ステップS8aからステップS8bに移行し、この時点における自車両の走行速度Vと目標車速V*との差に応じて設定される目標減速度Xg*がより大きくなるように補正され、この減速度を実現し得る目標制動流体圧P*が算出される。
したがって、図12に示すように、時点t33で、目標減速度Xg*が一段と大きくなることから、目標制動流体圧P*も一段と大きくなり、すなわち、より大きな制動力が発生されることになる。つまり、自車両が旋回走行をしている場合には、その旋回状況に応じた安全車速への減速が行われて、旋回走行時の安全走行確保が図られると共に、自車両が車線逸脱傾向になった場合には、この車線逸脱傾向を抑制するための減速制御が行われて、車線逸脱の抑制が図られることになり、減速制御を車両の走行状況に即して有効に行うことができる。なお、図12(e)及び(f)において破線は、目標減速度Xg*を補正しない場合の目標減速度Xg*及び目標制動流体圧P*を表す。
また、例えば、図13に示すように、時点t41で旋回走行状態となりこれに伴って目標減速度Xg*が増加するが、そのしきい値を超えてはおらず、まだ減速制御を開始する必要のない状態にあるときに、時点t42で逸脱推定値XS*がそのしきい値以上となると、この時点で車線逸脱フラグFoutが“1”に設定されることからステップS8aからステップS8bに移行し、この時点における目標減速度Xg*がより大きくなる方向に補正され、この目標減速度Xg*がそのしきい値を上回るとき、この時点で減速制御が必要と判断され、目標減速度Xg*に応じた減速度を発生し得る目標制動流体圧P*が算出される。
このため、旋回走行時の安全速度で走行している状態ではあるが、自車両が車線逸脱傾向にあるときには、減速制御が行われることになって車線逸脱傾向がさらに増加することを抑制することができる。つまり、旋回走行状態に応じた安全車速で走行しているかどうかに基づいて減速制御を開始するようにした場合には、図13の(b)、(e)及び(f)に破線で示すように、目標減速度Xg*がそのしきい値以上となる時点t43で減速制御が開始されることになり、時点t42で車線逸脱傾向となった時点では減速制御が開始されないため、車線逸脱傾向を抑制するタイミングが遅れることになる。しかしながら上述のように自車両が車線逸脱傾向にあるときには、自車両の走行速度Vが安全速度で走行している場合であってもこの時点で減速制御を開始するようにしたから、より早いタイミングで車線逸脱の抑制のための制御を行うことができより安全性を向上させることができる。
また、前記目標減速度の補正ゲインΔXgを図11の制御マップにしたがって設定し、ヨー角Φ、曲率β、或いは車線中心からの横変位Xが大きいときほど、つまり、自車両が車線逸脱する傾向が大きいときほど前記補正ゲインΔXgが大きくなるようにし目標減速度ΔXgがより大きくなるようにしているから、自車両の車線逸脱傾向の度合に即した減速制御を行うことができ効果的に減速制御を行うことができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
この第4の実施の形態における減速制御装置は、図14に示すように、前記図1に示す第1の実施の形態における減速制御装置において、さらに、ドライバによる図示しないアクセルペダルの操作量を検出するためのアクセルセンサ14が設けられると共に、図示しないスロットルバルブのスロットル開度を制御可能なエンジンスロットル制御装置3が設けられており、このエンジンスロットル制御装置3は、単独で、スロットル開度を制御可能であるが、前述した減速制御コントローラ10からのスロットル開度指令値が入力されたときには、そのスロットル開度指令値に応じてスロットル開度を制御するようになっている。
そして、この第4の実施の形態においては、前記減速制御コントローラ10は、図15のフローチャートに示す演算処理を行うようになっている。なお、上記第1の実施の形態と同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図15に示すように、まずステップS1及びステップS2を実行し走行速度Vを算出した後ステップS21に移行し、アクセルセンサ14の検出信号に基づいてアクセル操作が行われているかを判断する。そして、アクセルペダルの操作が行われているときには、ステップS21からステップS22に移行し、前記(1)式で算出される横変位推定値XSから逸脱推定値XS*を算出する際のゲインCacを設定する。このゲインCacの設定は、アクセルペダルの操作量Accに基づいて行い、例えば図16の制御マップに基づいて設定する。
なお、図16において、横軸はスアクセル開度Acc、縦軸は逸脱推定値XS*算出のためのゲインCacである。ゲインCacは“1”以上の値であって、アクセル開度Accが比較的小さい領域では、ゲインCacは“1”に維持され、アクセル開度Accが増加するに応じて、これに比例して前記ゲインCacは増加するように設定される。
そして、このようにしてゲインCacを設定したならばステップS23に移行し、このステップS22で設定したゲインCacを、前記ゲインCとして、これに基づいて逸脱推定値XS*を算出する。
一方、前記ステップS21でアクセルペダルが操作されていないと判断されるときにはステップS3に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして予め設定したゲインCに基づいて逸脱推定値XS*を算出する。
そして、このようにして、ステップS3又はステップS23で逸脱推定値XS*を算出したならば、ステップS4に移行し、以後、ステップS8の処理まで上記第1の実施の形態と同様に処理を行って、目標減速度Xg*を算出する。
そして、このようにして目標減速度Xg*を算出したならばステップS31に移行し、アクセルペダル操作が行われているかどうかを判定する。
そして、アクセルペダル操作が行われていない場合には、ステップS31からステップS9に移行し、目標減速度Xg*に応じてステップS10又はステップS11の処理で目標制動流体圧P*を算出した後、ステップS14に移行する。
一方、前記ステップS31でアクセルペダル操作が行われていると判断されるときにはステップS32に移行し、車線逸脱傾向にあると判定されているかどうかを判断する。そして、車線逸脱傾向にあると判定されていない場合にはステップ33に移行し、減速制御による制動流体圧の増圧制御が行われている場合にはこれを解除する。つまり徐々に増圧分を減圧するよう制御するための目標制動流体圧P*を生成する。そして、ステップS34に移行し、前記ステップS8で算出した目標減速度Xg*を実現するよう、スロットル開度を制御するためのスロットル開度指令値を生成する。そして、ステップS35に移行し、前記制動流体圧制御装置1及び前記スロットル開度制御装置3への制御信号を出力する。
一方、前記ステップS32で、車線逸脱傾向にないと判定されている場合にはステップS36に移行し、図17の制御マップにしたがって、アクセル開度Accに応じたフィルタf(P(s))の傾きを設定する。なお、図17において、横軸はアクセル開度Acc、縦軸はフィルタf(P(s))の傾きであって、アクセル開度Accが比較的小さい領域ではフィルタf(P(s))の傾きは比較的大きな一定値に維持され、アクセル開度Accが中程度の領域ではフィルタf(P(s))の傾きは、アクセル開度Accが増加するほどこれに反比例して減少し、アクセル開度Accが比較的大きな領域ではフィルタf(P(s))の傾きは比較的小さな一定値に設定される。
次いで、ステップS37に移行し、ステップS36で設定した傾きを有するフィルタf(P(s))を用いて、目標制動流体圧P*を算出し、ステップS34に移行する。なお、この目標制動流体圧P*は、前記スロットル開度の制御による減速量の不足分を補うこと、また、車線逸脱を抑制することを目的として設定され、例えば、目標減速度Xg*、横加速度制限値Yg*に基づいて算出される。
次に上記第4の実施の形態の動作を、図18のタイムチャートを伴って説明する。
なお、図18において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御による制動流体圧の増圧制御が行われているか否かを表す状態フラグであって、“1”の場合には、制動流体圧の増圧制御が行われていることを表し、“0”の場合には制動流体圧の増圧制御が行われていないことを表す。
また、(c)はドライバがアクセルペダル操作を行うことによりドライバによる介入が行われたかどうかを表すドライバ介入フラグであって“1”の場合にはアクセルペダル操作を行われていることを表し、“0”の場合にはアクセルペダル操作が行われていないことを表す。また、(d)は減速制御によるスロットル開度の閉方向への制御が行われているか否かを表す状態フラグであって、“1”の場合にはスロットル開度の閉方向への制御が行われていることを表し、“0”の場合にはスロットル開度の制御が行われていないことを表す。また、(e)は逸脱推定値XS*、(f)は前記ステップS4の処理で設定される車線逸脱フラグFoutの状態、(g)は目標制動流体圧P*を表す。
今、時点t51で、自車両がカーブに進入し、これに伴ってドライバが操舵操作を開始し旋回走行に伴って自車両のヨー角Φが増加するとこれに伴って目標車速V*が増加するが、自車両の走行速度Vが目標車速V*を下回る間、或いは、走行速度Vが目標車速V*以上であるが、その差が小さく、目標減速度Xg*がしきい値を下回る間は、減速制御は行われない。また、このときドライバがアクセルペダルを操作していないから、スロットル開度の制御は行われない。
この状態から、時点t52で、自車両の走行速度Vが目標車速V*以上となり、目標減速度Xg*がそのしきい値以上となると、減速制御を行う必要があると判断されて、この時点から減速制御が開始される。
そして、このように減速制御が行われている状態から、時点t53でドライバがアクセルペダルを踏み込むと、ステップS31からステップS32に移行し、このとき自車両が車線逸脱傾向にない場合には、ステップS32からステップS33に移行して、制動流体圧の減圧制御が開始されるが、ステップS34に移行して、スロットル開度をアクセルペダルの踏込み量に関わらず閉方向に減速制御することにより引き続き減速制御が行われる。
そして、このときアクセルペダルが操作されていることからステップS21からステップS22に移行して、アクセルペダルの踏込み量に応じて逸脱推定値算出用のゲインCacが設定され、これに基づいて逸脱推定値XS*が算出される。
このとき、アクセル開度Accが比較的大きい領域ではアクセル開度Accに応じてゲインCacも増加するように設定されるから、すなわち逸脱推定値XS*は大きめに算出されることになり、いいかえれば、図18(e)に示すように、一点鎖線で示す逸脱推定値XS*のしきい値を、実線で示すようにより小さくなる方向に補正した場合と同等となる。そして、時点t54で、逸脱推定値XS*がそのしきい値(図18(e)に実線で示す)以上となると、車線逸脱フラグFoutが“1”となることから、ステップS32からステップS36に移行し、このときのアクセル開度Accの大きさに応じて目標制動流体圧算出用のフィルタf(P(s))の傾きが設定されて、これに基づいて目標制御流体圧P*が設定され、この目標制動流体圧P*を実現するよう制動流体圧の制御が再開される。
したがって、車線逸脱傾向になった時点t54の時点から、スロットル開度制御による減速制御が行われると共に、制動流体圧制御による減速制御が再開されることになり、より大きな制動力を得ることができる。したがって、安全車速での旋回走行が確保されると共に車線逸脱傾向が抑制される。
また、このとき、前記アクセル開度Accの大きさに応じて逸脱推定値算出用のゲインCacを設定し、アクセル開度Accが増加するほどゲインCacを大きくし、車線逸脱傾向であると判断されやすくなる方向に補正するようにしているから、アクセル開度Accが大きく、より車線逸脱する可能性が高いときほど車線逸脱傾向であると判断されやすくなり、より早い段階で制動流体圧による減速制御が再開されることになり、アクセル開度Accに応じて車線逸脱の可能性を的確に判断することができる。また、アクセル開度Accが大きくなるほど目標制動流体圧P*算出時におけるフィルタの傾きが小さくなるようにし、アクセル開度Accが大きく、ドライバの加速意思が強いときほど制動流体圧の変動量を抑制するようにしたからドライバの加速意思を優先しつつ制動流体圧による減速制御を実現することができる。
なお、上記第4の実施の形態においては、アクセル開度Accに応じて前記ゲインCacを変更することによって、アクセル開度Accに応じて車線逸脱傾向であると判断されやすくなる方向に補正するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、前記ステップS4の処理で車線逸脱傾向にあるかどうかを判定するためのしきい値をアクセル開度Accに応じて変更することによって、アクセル開度Accに応じて車線逸脱傾向にあると判断されやすくなる傾向となるように補正するようにしてもよい。
なお、上記第1から第3の実施の形態においては、ドライバのアクセルペダルの踏込みによるドライバの介入を考慮していない場合について説明したが、上記第1から第3の実施の形態においても、上記第4の実施の形態と同様にしてドライバの介入を考慮するようにした場合であっても適用することができることはいうまでもない。
本発明における減速制御装置の一例を示す概略構成図である。 図1の減速制御コントローラの機能構成を示すブロック図である。 図1の減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3の演算処理で用いられる制御マップである。 第1の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。 第2の実施の形態における減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6の演算処理で用いられる制御マップである。 第2の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。 第2の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。 第3の実施の形態における減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10の演算処理で用いられる制御マップである。 第3の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。 第3の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。 第4の実施の形態における減速制御装置の一例を示す概略構成図である。 第4の実施の形態における減速制御コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図15の演算処理で用いられる制御マップである。 図15の演算処理で用いられる制御マップである。 第4の実施の形態の動作説明に供するタイムチャートである。
符号の説明
1 制動流体圧制御装置
3 エンジンスロットル制御装置
10 減速制御コントローラ
11 ヨーレートセンサ
12 操舵角センサ
13FL〜13RR 車輪速度センサ
14 アクセルセンサ
15 外界認識センサ

Claims (2)

  1. 自車両の速度を検出する車速検出手段と、
    自車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、
    前記旋回状態検出手段で検出された旋回状態に基づき目標車速を算出する目標車速算出手段と、
    前記車速検出手段で検出した自車速と前記目標車速とに基づいて減速制御を行う減速制御手段と、を備えた減速制御装置において、
    自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する車線逸脱検出手段と、
    前記車線逸脱検出手段にて自車両が車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、前記減速制御手段の減速制御開始タイミングを早める減速制御開始タイミング調整手段と、を有し、
    前記目標車速算出手段は、前記旋回状態と安全に旋回走行することを可能とみなす横加速度として予め設定した横加速度制限値とに基づき前記目標車速を算出し、
    前記減速制御開始タイミング調整手段は、前記車線逸脱検出手段にて自車両が車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、前記横加速度制限値をより小さな値に補正することにより前記減速制御開始タイミングを早めるようになっていることを特徴とする減速制御装置。
  2. 前記減速制御開始タイミング調整手段は、前方注視位置における自車両の推定横変位、自車両の走行車線の車線中心からの横変位、自車両の走行車線に対するヨー角、及び走行車線の曲率の少なくとも何れか一つに応じて前記横加速度制限値を補正することを特徴とする請求項1記載の減速制御装置。
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