JP4765329B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池は、電解質膜を燃料極と酸化剤極によってはさむ構造を有し、燃料極に燃料ガスを供給し、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電を行うことが一般的に知られている。また、自動車用途において上記電解質膜としては、水素イオン導電性を有する高分子固体電解質膜が一般的に利用される。また、燃料電池は、電解質膜が乾燥すると発電性能が低下することから、電解質膜を加湿しておく必要がある。ところが、燃料電池は氷点下の状況において用いられる場合があり、このような場合には加湿水が燃料電池内部で凍結する可能性がある。特に、氷点下などの状況下において燃料電池の始動直後(駆動時間が所定時間未満)では、燃料電池の内部温度が上昇しておらず、加湿水を供給すると凍結しやすくなってしまう。
そこで、始動直後では加湿を行わず、燃料電池内部の温度に関連する温度(燃料電池の入口部や燃料電池自体の温度)が設定温度を超えたとき、燃料極および空気極のうちの少なくとも一方を加湿するようにした燃料電池システムが提案されている。この燃料電池システムでは、設定温度(例えば0℃)を超えたときのみに加湿するため、加湿水が燃料電池内部で凍結しないようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−103367号公報
このように、従来の燃料電池システムでは、燃料電池の内部温度を基準にして加湿制御を行っている。しかしながら、燃料電池の内部の温度差が大きく、0℃以下の部分と0℃を超える部分とが混在する場合には、検出温度が0℃を超えているにもかかわらず、加湿を行って加湿水が凍結してしまう可能性がある。他方、検出温度が0℃よりも明らかに大きくなるまで加湿を行わないとすると、電解質膜の乾燥を招きやすくなってしまうこととなる。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池と、燃料電池の内部温度を検出する手段と、燃料電池に供給する燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する加湿手段と、燃料電池の温度状態を制御すると共に、加湿手段による加湿を制御する制御手段と、を備えている。この制御手段は、第1制御、第2制御及び中止制御を行う。第1制御は、燃料電池の内部温度を検出する手段により検出された最低温度が水の凍結のおそれがある凍結温度以下であって、燃料電池の内部温度を検出する手段により検出された最高温度が凍結温度を上回り且つ予めドライアウトの可能性があるとして設定した設定温度未満である場合に、燃料電池の内部温度を上昇させる制御である。第2制御は、最低温度が凍結温度以下のままで、最高温度が予めドライアウトの可能性があるとして設定した設定温度に達したときには、最低温度を上昇させつつ最高温度を低下させる制御である。中止制御は、第1及び第2制御の間に前記加湿手段による加湿を中止する制御である。
ここで、燃料電池内部の最高温度、最低温度を検出するためには、燃料電池の内部温度を検出する手段を最高温度検出用、最低温度検出用に複数設けてもよい。あるいは、燃料電池の内部温度を検出する手段を一つ設け、計測された温度から燃料電池内部の最高温度あるいは最低温度を推測することもできる。この場合燃料電池の内部温度を検出する手段は燃料電池内部に設けるほか、燃料電池の燃料ガスあるいは酸化剤ガス出口、あるいは冷却液の出口に設けることもできる。
本発明によれば、燃料電池の最低温度が凍結温度以下であって最高温度が凍結温度を上回り且つ設定温度未満である場合に、燃料電池の内部温度を上昇させる第1制御を行う。また、最低温度が凍結温度以下のままで、最高温度が設定温度に達したときには、最低温度を上昇させつつ最高温度を低下させる第2制御を行う。さらに、第1及び第2制御の間に加湿を中止する中止制御を行う。このように、中止制御により加湿を行っていないため、最低温度が凍結温度以下であっても加湿水の凍結は生じないこととなる。また、燃料電池の最低及び最高温度は第1制御により上昇させられるが、最高温度が設定温度に達したときには最高温度が低下させられる。このため、燃料電池の内部温度が上昇して飽和水蒸気量が大きくなり電解質膜が乾燥するということを防止することとなる。すなわち、中止制御により加湿を行っていないが、飽和水蒸気量も小さく抑えるため、加湿の必要がなく、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応によって生成される水によって、電解質膜を湿潤に保つことができる。従って、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一又は同様の要素には同一の符号を付して説明を省略するものとする。また、以下の実施形態では、燃料電池の内部温度を検出する手段を最高温度検出用と最低温度検出用とで複数設ける構成と例に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池システム1は、概略的に説明すると、燃料電池10と、第1及び第2の温度センサ11,12と、第1及び第2の加湿器(加湿手段)13,14と、制御装置(制御手段)15とからなっている。
燃料電池10は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電するものであって、具体的にはアノード(燃料極)10aに供給された水素と、カソード(空気極)10bに供給された空気との反応によって発電し、発電により生じる熱を冷却液にて冷却するようになっている。また、燃料電池10はアノード10aとカソード10bとの間に電解質膜を有している。
第1温度センサ11は、燃料電池10の内部の最低温度を検出するものであって、燃料電池内部のカソード側の入口マニホールドに設けられている。第2温度センサ12は、燃料電池10の内部の最高温度を検出するものであって、燃料電池10の中央部に設けられている。なお、第1温度センサ11は、アノード側の入口マニホールドに設けられていてもよい。
第1加湿器13は、燃料電池10に供給する水素ガスを加湿するものである。第2加湿器14は、燃料電池10に供給する空気を加湿するものである。これらの加湿により、燃料電池10の電解質膜は湿潤に保たれ、電解質膜が乾燥することによる発電性能の低下が防止される。また、第1及び第2の加湿器13,14は、それぞれが加湿を行ってもよいか否かを判断する機能を有している。例えば、第1及び第2の加湿器13,14は、自己の温度が0℃以下となる場合には加湿を行わないと判断し、内部のヒータにより加熱して自己の温度が0℃を超えると加湿を行うと判断する。
制御装置15は、燃料電池システム1の全体を制御するものであって、上記第1及び第2温度センサ11,12、並びに第1及び第2の加湿器13,14に接続されている。この制御装置15は、第1及び第2温度センサ11,12からの信号に応じて燃料電池10の内部温度を制御したり、第1及び第2の加湿器13,14による加湿を制御したりする構成となっている。
より具体的に説明すると、燃料電池システム1は、上記構成に加えて、冷却液循環路16、熱交換器17,冷却液タンク18、ポンプ19、流量計20、第3温度センサ21、及び計算部22を備えている。
冷却液循環路16は、燃料電池10に冷却液を供給して、燃料電池10を冷却するためのものであり、熱交換器17、冷却液タンク18、及びポンプ19が設置されている。冷却液は、燃料電池10を冷却して暖められた後に流出し、熱交換器17に至る。熱交換器17において冷却液は再度冷却され、冷却液タンク18に貯留される、また、冷却液タンク18に貯留されている冷却液は、ポンプ19によって再度燃料電池10の内部に送り込まれる。このポンプ19は、制御装置15に接続され、制御装置15からの指令に応じて回転数が制御され、その回転数に応じた量の冷却液を燃料電池10の内部に送り込むようになっている。
流量計20は、燃料電池10に供給される空気の流量を計測するものであり、第3温度センサ21は、燃料電池10に供給される空気の温度を計測するものである。また、計算部22は、流量計20により計測された供給空気量と、第3温度センサ21により計測された供給空気の温度とから、供給空気の飽和水蒸気量を求めるものである。また、計算部22は、制御装置15に接続され、求めた飽和水蒸気量の情報を制御装置15に送信するようになっている。
このような燃料電池システム1によれば、まず、制御装置15が第1温度センサ11からの信号を読み込んで、燃料電池10の最低温度が、水の凍結のおそれがある凍結温度以下(例えば0度以下)であるか否かを判断する。
燃料電池10の最低温度が凍結温度以下である場合、制御装置15は第2温度センサ12からの信号を読み込んで、燃料電池10の最高温度が凍結温度を超えているか否か、及び、予め電解質膜のドライアウトの可能性があるとして設定された設定温度未満であるか否かを判断する。
ここで、燃料電池10の最高温度が凍結温度を超えていない場合、燃料電池10の内部温度はいずれの箇所においても凍結温度以下となっていると言える。このため、制御装置15は冷却液の循環を停止すべく、ポンプ19を停止させる。これにより、冷却液は燃料電池10の内部に流入せず、燃料電池10は早期に暖められていくこととなる。
また、燃料電池10の最高温度が凍結温度を超え且つ設定温度未満である場合、制御装置15は、第1制御を行うと判断する。第1制御は、燃料電池10の内部温度を上昇させる制御方法であって、例えば、上記の如く冷却液を循環させなくしたり、少量の冷却液を循環させたりする制御方法をいう。
また、燃料電池10の最高温度が設定温度に達した場合、制御装置15は第2制御を行う。第2制御は、最低温度を上昇させつつ最高温度を低下させる制御方法であって、例えば冷却液の流量を増加させて、多量の冷却液を循環させる制御方法を行う。
なお、上記第1及び第2制御の間に、制御装置15は、第1及び第2加湿器による加湿を中止する中止制御を実行する。また、上記の設定温度は、空気の飽和水蒸気量が、発電によって生成される水の量を上回るように定められ、望ましくは、空気の飽和水蒸気量と発電によって生成される水の量とが略等しくなるように定められる。ここで、空気の飽和水蒸気量は、空気の量と温度、すなわち流量計20と第3温度センサ21とからの信号から求めることができる。また、供給する水素と空気の量とから、生成される水の量を求めることができる。設定温度はこれらの関係から、空気の飽和水蒸気量が生成水の量を上回るように又は略等しく定められる。
以上の制御により、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することとなる。すなわち、最低温度が0度以下の状況(第1及び第2制御の際)において加湿を行っていないため、加湿水の凍結は生じないこととなる。また、燃料電池の最低及び最高温度は第1制御により上昇させられるが、最高温度が設定温度に達したときには第2制御により最高温度が低下させられる。このため、燃料電池の内部温度が上昇して飽和水蒸気量が大きくなり電解質膜が乾燥するということを防止することとなる。すなわち、中止制御により加湿を行っていないが、最高温度を抑えることにより飽和水蒸気量も小さく抑えることとなり、加湿の必要がなく、生成水によって、電解質膜を湿潤に保つことができる。よって、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。
また、最低温度が0度を超える場合、制御装置15は、第1及び第2加湿器13,14による加湿を行う。すなわち、加湿水の凍結が生じないため、第1及び第2加湿器13,14による加湿を行う。
また、制御装置15は、第1及び第2加湿器13,14の温度を検出し、これらの温度から加湿を開始するか否かについて判断する。例えば、制御装置15は、第1及び第2加湿器13,14の温度が0度以下であるときに、加湿不可と判断する。第1及び第2加湿器13,14の温度が0度以下の場合、加湿水が加湿器内で凍結してしまうからである。
また、制御装置15は、加湿不可と判断した場合、最低温度及び最高温度との双方が凍結温度を超え且つ第2設定温度未満となるように制御する。すなわち、第1及び第2加湿器13,14の温度が0度以下の場合、加湿水が加湿器内で凍結してしまう。このため、燃料電池10の最低及び最高温度を、凍結温度を超え且つ第2設定温度未満となるように制御することで、飽和水蒸気量を調整して、加湿器に頼ることなく電解質膜を湿潤に保つようにしている。
なお、上記の第2設定温度は、空気の飽和水蒸気量が発電によって生成される水の量を下回るように定められ、望ましくは空気の飽和水蒸気量と発電によって生成される水の量とが略等しくなるように定められる。
次に、第1実施形態に係る燃料電池システム1の詳細な動作を説明する。図2及び図3は、第1実施形態に係る燃料電池システム1の詳細な動作の一例を示すフローチャートであり、図2は処理の前半部分を示し、図3は処理の後半部分を示している。
図2に示すように、まず、制御装置15は、第1温度センサ11からの信号を読み込んで、燃料電池10の最低温度が0度を超えているか否かを判断する(ST10)。ここで、最低温度が0度を超えると判断した場合(ST10:YES)、加湿水の凍結はないため、加湿を行うべく図3に示す処理に移行する。
他方、最低温度が0度を超えないと判断した場合(ST10:NO)、制御装置15は、第2温度センサ12からの信号を読み込んで、燃料電池10の最高温度が0度を超えているか否かを判断する(ST11)。最高温度が0度を超えないと判断した場合(ST11:NO)、燃料電池10のいずれの箇所についても0度を超えることがないと予測される。このため、制御装置15は、冷却液を循環させずに燃料電池10を暖められていく。そして、処理はステップST10に戻る。
また、最高温度が0度を超えると判断した場合(ST11:NO)、制御装置15は、冷却液の循環を行う(ST13)。この時点において、循環する冷却液の量は少量である。その後、制御装置15は、最高温度が設定温度以上であるか否かを判断する(ST14)。
最高温度が設定温度以上でないと判断した場合(ST14:NO)、処理はステップST10に戻る。すなわち、循環する冷却液の量は少量であって、燃料電池10の内部温度は暖められていくこととなる。つまり、制御装置15は上記した第1制御を行うこととなる。
一方、最高温度が設定温度を超えていると判断した場合(ST14:NO)、制御装置15は、冷却液の流量を増加させる(ST15)。これにより、最高温度を低下させるようにしている。すなわち、最高温度が高くなると飽和水蒸気量も大きくなって電解質膜も乾燥し易くなるため、これを防止するべく冷却液の流量を増加させて最高温度を低下させることとしている。なお、この場合において最低温度は0度を超えていないため、冷却液の流量が増加させられたとしても、最低温度は上昇していくこととなる。その後、処理はステップST10に戻る。
ところで、最低温度が0度を超えると判断した場合(ST10:YES)、加湿水の凍結はないため、加湿を行うべく図3に示す処理に移行するが、その際に制御装置15は、第1及び第2加湿器13,14が加湿可能であるか否かを判断する(ST16)。そして、加湿可能であると判断した場合に(ST16:YES)、制御装置15は第1及び第2加湿器13,14に対し加湿を行うように指示する(ST17)。
次いで、制御装置15は冷却液の流量を通常値に変更する(ST18)。ここで、第1及び第2加湿器13,14による加湿を行うと電解質膜の乾燥が生じなくなる。このため、制御装置15は、飽和水蒸気量の調整の必要がなく冷却液の流量を通常にすることとしている。その後、処理は終了し、システムの電源がオフとなるまで、ステップST10から再度処理が実行されることとなる。
一方、第1及び第2加湿器13,14が加湿可能でないと判断した場合(ST16:NO)、加湿できないことから、温度制御する必要性が生じる。そこで、制御装置15は、最高温度と最低温度とのいずれかが第2設定温度を超えているか否かを判断する(ST19)。
そして、最高温度と最低温度とのいずれかが第2設定温度を超えていると判断した場合(ST19:YES)、冷却液の流量を増加させて、多量の冷却液を循環させる(ST20)。その後、処理は終了し、システムの電源がオフとなるまで、ステップST10から再度処理が実行されることとなる。このように、本システム1は温度上昇によって電解質膜が乾燥することを防止している。すなわち、第2設定温度おいて生成水量の方が飽和水蒸気量よりも高いため電解質膜は湿潤となっており、第2設定温度を超えないように制御することにより、電解質膜を確実に湿潤に保つようにしている。
また、最高温度と最低温度とのいずれもが第2設定温度を超えないと判断した場合(ST19:NO)、温度制御の必要性がないことから、処理は終了し、システムの電源がオフされていない限り、処理はステップST10に戻ることとなる。
このようにして、第1実施形態に係る燃料電池システム1によれば、燃料電池10の最低温度が凍結温度以下であって最高温度が凍結温度を上回り且つ設定温度未満である場合に、燃料電池10の内部温度を上昇させる第1制御を行う。また、最低温度が凍結温度以下のままで、最高温度が設定温度に達したときには、最低温度を上昇させつつ最高温度を低下させる第2制御を行う。さらに、第1及び第2制御の間に加湿を中止する中止制御を行う。
このように、中止制御により加湿を行っていないため、最低温度が凍結温度以下であっても加湿水の凍結は生じないこととなる。また、燃料電池10の最低及び最高温度は第1制御により上昇させられるが、最高温度が設定温度に達したときには最高温度が低下させられる。このため、燃料電池の内部温度が上昇して飽和水蒸気量が大きくなり電解質膜が乾燥するということを防止することとなる。すなわち、中止制御により加湿を行っていないが、飽和水蒸気量も小さく抑えるため、加湿の必要がなく、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応によって生成される水によって、電解質膜を湿潤に保つことができる。従って、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。
また、設定温度は酸化剤ガスの飽和水蒸気量が発電によって生成される水の量を上回るように定められるため、第2制御が行われる時点において電解質膜は乾燥傾向にあり、湿潤であるにもかかわらず温度制御するという不要な処理を行わないようにすることができる。特に、両者が等しくなるように設定温度を定めた場合、最高温度が設定温度未満のとき、生成される水の方が多くなり、確実に電解質膜を湿潤に保つことができる。
また、最低温度が凍結温度を超える場合に加湿を行うため、加湿によって凍結が生じることなく、確実に加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。
また、加湿器13,14の温度から加湿を開始するか否かについて判断し、加湿不可と判断した場合には、最低温度及び最高温度との双方が凍結温度を超え、第2設定温度未満となるように制御する。ここで、加湿器13,14の温度が0℃以下の場合、加湿器13,14において凍結が生じるため、加湿を行うべきではない。ところが、加湿を行わないと、電解質膜に乾燥が生じる可能性が出てくる。そこで、最低温度及び最高温度との双方が凍結温度を超え、第2設定温度未満となるように制御する。これにより、生成水が飽和水蒸気量を上回って、加湿器13,14を駆動しなくとも、確実に電解質膜を湿潤に保つことができる。
また、第1温度センサ11は、燃料ガス又は酸化剤ガスの入口マニホールドに設けられている。ここで、氷点下などの状況において燃料電池システムを始動させると、燃料電池10は発熱するため、燃料電池10の中央部や中央部を通過した出口付近におけるガスの温度は高くなる傾向にある。これに対し、入口付近では、燃料電池10の発熱によってガスが暖められておらず最低温度となる傾向にある。よって、容易に最低温度を検出することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る燃料電池システム2は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。図4は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池システム2は、新たに負荷電流制御装置(制御手段)23を備えている。本実施形態において、制御装置15は、負荷電流制御装置23と共に燃料電池10の内部温度を制御する構成となっている。
すなわち、負荷電流制御装置23は、制御装置15から燃料電池10の最高温度が設定温度に達した旨の情報を入力した場合、負荷電流を下げるように制御する。これにより、燃料電池10の反応熱を少なくし、最高温度を低下させるようにする。
また、負荷電流制御装置23は、制御装置15から第1及び第2加湿器13,14による加湿が不可である旨の情報を入力した場合も同様に、最低温度及び最高温度との双方が凍結温度を超え且つ第2設定温度未満となるように、負荷電流を制御する。これにより、飽和水蒸気量を調整して加湿器に頼ることなく電解質膜を湿潤に保つようにしている。
なお、第2実施形態に係る燃料電池システム2において実行される処理は第1実施形態と同様であり、冷却水流量の制御が負荷電流の制御に代わった点において相違するのみである。
このようにして、第2実施形態に係る燃料電池システム2によれば、第1実施形態と同様に、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。また、湿潤であるにもかかわらず温度制御するという不要な処理を行わないようにすることができる。特に、確実に電解質膜を湿潤に保つことができる。
また、確実に加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができ、生成水が飽和水蒸気量を上回って、加湿器13,14を駆動しなくとも、確実に電解質膜を湿潤に保つことができる。また、容易に最低温度を検出することができる。
さらに、第2実施形態によれば、冷却液の流量制御でなく負荷電流制御により燃料電池10の温度を調整している。このため、冷却液による制御に限らず、電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。特に、双方を併用した場合には、一層効果的に電解質膜の乾燥を防止しつつ、加湿水の燃料電池内での凍結を防止することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。例えば、燃料電池10の温度制御は、冷却液の流量制御や負荷電流制御により行っているが、これに限らず他の方法にて温度制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、燃料電池10の内部温度を検出する手段として、複数の温度センサ11,12を備えているが、これに限らず、燃料電池10の内部温度を検出する手段を一つ設け、計測された温度から燃料電池10の内部の最高温度及び最低温度を推測する構成としてもよい。
また、燃料電池10の内部温度を検出する手段を一つとした場合、燃料電池10の内部温度を検出する手段は、燃料電池10の内部に設けられてもよく、燃料電池10の燃料ガス出口、は酸化剤ガス出口、又は冷却液の出口に設けられてもよい。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの詳細な動作の一例を示すフローチャートであり、前半部分の処理を示している。 第1実施形態に係る燃料電池システムの詳細な動作の一例を示すフローチャートであり、後半部分の処理を示している。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
符号の説明
1,2…燃料電池システム
10…燃料電池
11,12…温度センサ
13,14…加湿器(加湿手段)
15…制御装置(制御手段)
16…冷却液循環路
17…熱交換器
18…冷却液タンク
19…ポンプ
20…流量計
21…第3温度センサ
22…計算部
23…負荷電流制御装置(制御手段)

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の内部温度を検出する手段と、
    前記燃料電池に供給する燃料ガス及び酸化剤ガスの少なくとも一方を加湿する加湿手段と、
    前記燃料電池の温度状態を制御すると共に、前記加湿手段による加湿を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記燃料電池の内部温度を検出する手段により検出された最低温度が水の凍結のおそれがある凍結温度以下であって、前記燃料電池の内部温度を検出する手段により検出された最高温度が前記凍結温度を上回り且つ予めドライアウトの可能性があるとして設定した設定温度未満である場合に、前記燃料電池の内部温度を上昇させる第1制御を行い、
    前記最低温度が凍結温度以下のままで、前記最高温度が前記設定温度に達したときには、最低温度を上昇させつつ最高温度を低下させる第2制御を行い、
    前記第1及び第2制御の間に前記加湿手段による加湿を中止する中止制御を行う
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記設定温度は、前記酸化剤ガスの飽和水蒸気量が発電によって生成される水の量を上回るように定められることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、最低温度が凍結温度を超える場合、前記加湿手段による加湿を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記加湿手段の温度から加湿を開始するか否かについて判断し、加湿不可と判断した場合には、前記最低温度及び前記最高温度との双方が、凍結温度を超え且つ、酸化剤ガスの飽和水蒸気量が発電によって生成される水の量を下回るように定められる第2設定温度未満となるように制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の内部温度を検出する手段は、燃料ガス又は酸化剤ガスの入口マニホールドに設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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