以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第一の実施形態
図1は、第一の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14、加算器16を備える。
ローカル信号源10は、同相ローカル信号を出力する。
乗算器12は、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、乗算器12は、同相ベースバンド信号Iを受ける。さらに、乗算器12は、同相ベースバンド信号Iと同相ローカル信号とを乗算する。なお、乗算器12から同相ローカル信号がリークしたものをリーク成分(キャリアリーク)という。
逆相リーク成分出力部14は、リーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相リーク成分を、同相ローカル信号に基づいて出力するものである。逆相リーク成分出力部14は、位相反転器142、逆相乗算器144を有する。
位相反転器142は、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、位相反転器142は、同相ローカル信号の位相を反転させた信号(「逆相ローカル信号」という)を出力する。位相反転器142は、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。
逆相乗算器144は、逆相ベースバンド信号−Iと、位相反転器142の出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。なお、逆相ベースバンド信号−Iは、同相ベースバンド信号Iの位相を逆にした信号に等しい信号である。
なお、逆相乗算器144のリーク特性は、乗算器12のリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)乗算器12に、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、乗算器12から同相ローカル信号がリークした信号(リーク成分)と、
(2)逆相乗算器144に、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、逆相乗算器144から同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このような逆相乗算器144は、乗算器12と逆相乗算器144とを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
加算器16は、乗算器12の出力と、逆相リーク成分出力部14(逆相乗算器144)の出力とを加算する。
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
ローカル信号源10は、同相ローカル信号を出力する。同相ローカル信号は、乗算器12および逆相リーク成分出力部14に与えられる。
乗算器12は、同相ベースバンド信号Iと同相ローカル信号とを乗算し、加算器16に乗算結果を出力する。このとき、乗算器12の乗算結果だけではなく、乗算器12からのリーク成分も加算器16に出力される。
同相ローカル信号は、位相反転器142により位相が反転され、逆相乗算器144に与えられる。逆相乗算器144は、逆相ベースバンド信号−Iと、位相反転器142の出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。逆相乗算器144の乗算結果は、加算器16に出力される。このとき、逆相乗算器144の乗算結果だけではなく、逆相乗算器144から位相反転器142の出力がリークした信号も加算器16に出力される。
逆相乗算器144の特性と乗算器12の特性とは一致している。逆相乗算器144に与えられる逆相ベースバンド信号−Iは、乗算器12に与えられる同相ベースバンド信号Iと正負が逆である。しかも、逆相乗算器144に与えられる逆相ローカル信号は、乗算器12に与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、逆相乗算器144の乗算結果は、乗算器12の乗算結果と同じ信号である。
逆相乗算器144の特性と乗算器12の特性とは一致している。また、逆相乗算器144に与えられる逆相ローカル信号は、乗算器12に与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、乗算器12から出力されるリーク成分の正負を逆にしたものと、逆相乗算器144から位相反転器142の出力がリークした信号とは同じものである。
加算器16は、乗算器12の出力と、逆相リーク成分出力部14(逆相乗算器144)の出力とを加算する。
逆相乗算器144の乗算結果は、乗算器12の乗算結果と同じ信号であるため、乗算器12の乗算結果が二倍になって、加算器16から出力される。
乗算器12から出力されるリーク成分は、加算器16により、逆相乗算器144から位相反転器142の出力がリークした信号と加算されると、0になる。すなわち、乗算器12から出力されるリーク成分が打ち消される。
第一の実施形態によれば、乗算器12の出力における二次歪み(リーク成分)を、逆相乗算器144から位相反転器142の出力がリークした信号と、加算器16により加算することで、打ち消すことができる。
しかも、第一の実施形態によれば、加算器16からは、乗算器12の乗算結果が二倍になって出力される。このため、逆相リーク成分出力部14および加算器16を使用しない場合に比べて、乗算器12の出力が半分でよいことになる。よって、乗算器12の出力における二次歪みを小さくすることができる。
第二の実施形態
第二の実施形態は、逆相リーク成分出力部14の構成が第一の実施形態とは異なるものである。
図2は、第二の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14、加算器16を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、乗算器12および加算器16は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
逆相リーク成分出力部14は、リーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相リーク成分を、同相ローカル信号に基づいて出力するものである。逆相リーク成分出力部14は、逆相乗算器146、位相反転器148を有する。
逆相乗算器146は、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。さらに、逆相乗算器146は、逆相ベースバンド信号−Iを受ける。そして、逆相乗算器146は、同相ローカル信号と逆相ベースバンド信号−Iとを乗算する。
位相反転器148は、逆相乗算器146の出力の位相を反転させる。位相反転器148は、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。位相反転器148は、さらに、その出力を加算器16に与える。
なお、逆相乗算器146のリーク特性は、乗算器12のリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)乗算器12に、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、乗算器12から同相ローカル信号がリークした信号(リーク成分)と、
(2)逆相乗算器146に、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このような逆相乗算器146は、乗算器12と逆相乗算器146とを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
次に、第二の実施形態の動作を説明する。
ローカル信号源10は、同相ローカル信号を出力する。同相ローカル信号は、乗算器12および逆相リーク成分出力部14に与えられる。
乗算器12は、同相ベースバンド信号Iと同相ローカル信号とを乗算し、加算器16に乗算結果を出力する。このとき、乗算器12の乗算結果だけではなく、乗算器12からのリーク成分も加算器16に出力される。
同相ローカル信号は、逆相乗算器146に与えられる。逆相乗算器146は、逆相ベースバンド信号−Iと、同相ローカル信号とを乗算する。逆相乗算器146の乗算結果は、位相反転器148に出力される。このとき、逆相乗算器146の乗算結果だけではなく、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号も位相反転器148に出力される。
位相反転器148は、逆相乗算器146の出力を受けて、位相を反転させてから、加算器16に与える。
逆相乗算器146の特性と乗算器12の特性とは一致している。逆相乗算器146に与えられる逆相ベースバンド信号−Iは、乗算器12に与えられる同相ベースバンド信号Iと正負が逆である。
よって、逆相乗算器146の乗算結果は、乗算器12の乗算結果の正負を逆にしたものと同じ信号である。
ここで、逆相乗算器146の乗算結果は、位相反転器148により、その位相が反転される。よって、逆相乗算器146の乗算結果を、位相反転器148を介して、加算器16に与えた信号は、乗算器12の乗算結果と同じ信号である。
逆相乗算器146の特性と乗算器12の特性とは一致している。また、逆相乗算器146に与えられる同相ローカル信号は、乗算器12に与えられる同相ローカル信号と同じものである。
よって、乗算器12から出力されるリーク成分と、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号とは同じ信号である。
ここで、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号は、位相反転器148により、その位相が反転される。よって、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号を、位相反転器148を介して、加算器16に与えた信号は、乗算器12から出力されるリーク成分の正負を逆にしたものと同じ信号である。
加算器16は、乗算器12の出力と、逆相リーク成分出力部14(位相反転器148)の出力とを加算する。
逆相乗算器146の乗算結果を、位相反転器148を介して、加算器16に与えた信号は、乗算器12の乗算結果と同じ信号である。このため、乗算器12の乗算結果が二倍になって、加算器16から出力される。
加算器16により、逆相乗算器146から同相ローカル信号がリークした信号を、位相反転器148を介して、加算器16に与えた信号と、乗算器12から出力されるリーク成分とを加算すると0になる。すなわち、乗算器12から出力されるリーク成分が打ち消される。
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様に、乗算器12の出力における二次歪み(リーク成分)を打ち消すことができる。
しかも、第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様に、加算器16からは、乗算器12の乗算結果が二倍になって出力される。このため、逆相リーク成分出力部14および加算器16を使用しない場合に比べて、乗算器12の出力が半分でよいことになる。よって、乗算器12の出力における二次歪みを小さくすることができる。
第三の実施形態
第三の実施形態は、第一の実施形態をI信号およびQ信号の変調を行う回路に適用したものである。
図3は、第三の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Q、加算部160を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
同相ベースバンド信号が、同相ベースバンドI信号Iと、同相ベースバンドQ信号Qとを有する。逆相ベースバンド信号が、逆相ベースバンドI信号−Iと、逆相ベースバンドQ信号−Qとを有する。
ローカル信号源10は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
I信号用乗算器12Iは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、I信号用乗算器12Iは、同相ベースバンドI信号Iを受ける。さらに、I信号用乗算器12Iは、同相ベースバンドI信号Iと同相ローカル信号とを乗算する。なお、I信号用乗算器12Iから同相ローカル信号がリークしたものをIリーク成分という。
Q信号用乗算器12Qは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、Q信号用乗算器12Qは、同相ベースバンドQ信号Qを受ける。さらに、Q信号用乗算器12Qは、同相ベースバンドQ信号Qと同相ローカル信号とを乗算する。なお、Q信号用乗算器12Qから同相ローカル信号がリークしたものをQリーク成分という。
逆相Iリーク成分出力部14Iは、Iリーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相Iリーク成分を出力する。
逆相Iリーク成分出力部14Iは、I信号用位相反転器142I、I信号用逆相乗算器144Iを有する。
I信号用位相反転器142Iは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、I信号用位相反転器142Iは、同相ローカル信号の位相を反転させた信号(「逆相ローカル信号」という)を出力する。I信号用位相反転器142Iは、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。
I信号用逆相乗算器144Iは、逆相ベースバンド信号−Iと、I信号用位相反転器142Iの出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。なお、逆相ベースバンド信号−Iは、同相ベースバンド信号Iの位相を逆にした信号に等しい信号である。
なお、I信号用逆相乗算器144Iのリーク特性は、I信号用乗算器12Iのリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)I信号用乗算器12Iに、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、I信号用乗算器12Iから同相ローカル信号がリークした信号(Iリーク成分)と、
(2)I信号用逆相乗算器144Iに、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、I信号用逆相乗算器144Iから同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このようなI信号用逆相乗算器144Iは、I信号用乗算器12IとI信号用逆相乗算器144Iとを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
逆相Qリーク成分出力部14Qは、Qリーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相Qリーク成分を出力する。
逆相Qリーク成分出力部14Qは、Q信号用位相反転器142Q、Q信号用逆相乗算器144Qを有する。
Q信号用位相反転器142Qは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。そして、Q信号用位相反転器142Qは、同相ローカル信号の位相を反転させた信号(「逆相ローカル信号」という)を出力する。Q信号用位相反転器142Qは、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。
Q信号用逆相乗算器144Qは、逆相ベースバンド信号−Qと、Q信号用位相反転器142Qの出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。なお、逆相ベースバンド信号−Qは、同相ベースバンド信号Qの位相を逆にした信号に等しい信号である。
なお、Q信号用逆相乗算器144Qのリーク特性は、Q信号用乗算器12Qのリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)Q信号用乗算器12Qに、同相ベースバンド信号Qおよび同相ローカル信号を与えた場合、Q信号用乗算器12Qから同相ローカル信号がリークした信号(Qリーク成分)と、
(2)Q信号用逆相乗算器144Qに、同相ベースバンド信号Qおよび同相ローカル信号を与えた場合、Q信号用逆相乗算器144Qから同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このようなQ信号用逆相乗算器144Qは、Q信号用乗算器12QとQ信号用逆相乗算器144Qとを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
加算部160は、I信号用乗算器12Iの出力と、逆相Iリーク成分出力部14Iの出力と、Q信号用乗算器12Qの出力と、逆相Qリーク成分出力部14Qの出力とを加算する。これにより、加算部160は、I信号用乗算器12Iの出力と、逆相Iリーク成分出力部14Iの出力とを加算するものであるといえる。また、加算部160は、Q信号用乗算器12Qの出力と、逆相Qリーク成分出力部14Qの出力とを加算するものであるといえる。
加算部160は、加算器160a、160b、160cを有する。
加算器160aは、I信号用乗算器12Iの出力と、Q信号用乗算器12Qの出力とを加算する。加算器160bは、逆相Iリーク成分出力部14I(I信号用逆相乗算器144I)の出力と、逆相Qリーク成分出力部14Q(Q信号用逆相乗算器144Q)の出力とを加算する。加算器160cは、加算器160aの出力と、加算器160bの出力とを加算する。
次に、第三の実施形態の動作を説明する。
ローカル信号源10は、同相ローカル信号を出力する。同相ローカル信号は、I信号用乗算器12I、逆相Iリーク成分出力部14I、Q信号用乗算器12Q、逆相Qリーク成分出力部14Qに与えられる。
I信号用乗算器12Iは、同相ベースバンドI信号Iと同相ローカル信号とを乗算し、加算器160aに乗算結果を出力する。このとき、I信号用乗算器12Iの乗算結果だけではなく、I信号用乗算器12IからのIリーク成分も加算器160aに出力される。
同相ローカル信号は、I信号用位相反転器142Iにより位相が反転され、I信号用逆相乗算器144Iに与えられる。I信号用逆相乗算器144Iは、逆相ベースバンド信号−Iと、I信号用位相反転器142Iの出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。I信号用逆相乗算器144Iの乗算結果は、加算器160bに出力される。このとき、I信号用逆相乗算器144Iの乗算結果だけではなく、I信号用逆相乗算器144IからI信号用位相反転器142Iの出力がリークした信号も加算器160bに出力される。
I信号用逆相乗算器144Iの特性とI信号用乗算器12Iの特性とは一致している。I信号用逆相乗算器144Iに与えられる逆相ベースバンド信号−Iは、I信号用乗算器12Iに与えられる同相ベースバンド信号Iと正負が逆である。しかも、I信号用逆相乗算器144Iに与えられる逆相ローカル信号は、I信号用乗算器12Iに与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、I信号用逆相乗算器144Iの乗算結果は、I信号用乗算器12Iの乗算結果と同じ信号である。
I信号用逆相乗算器144Iの特性とI信号用乗算器12Iの特性とは一致している。また、I信号用逆相乗算器144Iに与えられる逆相ローカル信号は、I信号用乗算器12Iに与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分の正負を逆にしたものと、I信号用逆相乗算器144IからI信号用位相反転器142Iの出力がリークした信号とは同じものである。
加算器160cは、I信号用乗算器12Iの乗算結果(およびQ信号用乗算器12Qの乗算結果)と、I信号用逆相乗算器144Iの出力(およびQ信号用逆相乗算器144Qの出力)とを加算する。
I信号用逆相乗算器144Iの乗算結果は、I信号用乗算器12Iの乗算結果と同じ信号であるため、I信号用乗算器12Iの乗算結果が二倍になって、加算器160cから出力される。
I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分は、加算器160cにより、I信号用逆相乗算器144IからI信号用位相反転器142Iの出力がリークした信号と加算されると、0になる。すなわち、I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分が打ち消される。
Q信号用乗算器12Qは、同相ベースバンドQ信号Qと同相ローカル信号とを乗算し、加算器160aに乗算結果を出力する。このとき、Q信号用乗算器12Qの乗算結果だけではなく、Q信号用乗算器12QからのQリーク成分も加算器160aに出力される。
同相ローカル信号は、Q信号用位相反転器142Qにより位相が反転され、Q信号用逆相乗算器144Qに与えられる。Q信号用逆相乗算器144Qは、逆相ベースバンド信号−Qと、Q信号用位相反転器142Qの出力(逆相ローカル信号)とを乗算する。Q信号用逆相乗算器144Qの乗算結果は、加算器160bに出力される。このとき、Q信号用逆相乗算器144Qの乗算結果だけではなく、Q信号用逆相乗算器144QからQ信号用位相反転器142Qの出力がリークした信号も加算器160bに出力される。
Q信号用逆相乗算器144Qの特性とQ信号用乗算器12Qの特性とは一致している。Q信号用逆相乗算器144Qに与えられる逆相ベースバンド信号−Qは、Q信号用乗算器12Qに与えられる同相ベースバンド信号Qと正負が逆である。しかも、Q信号用逆相乗算器144Qに与えられる逆相ローカル信号は、Q信号用乗算器12Qに与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、Q信号用逆相乗算器144Qの乗算結果は、Q信号用乗算器12Qの乗算結果と同じ信号である。
Q信号用逆相乗算器144Qの特性とQ信号用乗算器12Qの特性とは一致している。また、Q信号用逆相乗算器144Qに与えられる逆相ローカル信号は、Q信号用乗算器12Qに与えられる同相ローカル信号と正負が逆である。
よって、Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分の正負を逆にしたものと、Q信号用逆相乗算器144QからQ信号用位相反転器142Qの出力がリークした信号とは同じものである。
加算器160cは、Q信号用乗算器12Qの乗算結果(およびI信号用乗算器12Iの乗算結果)と、Q信号用逆相乗算器144Qの出力(およびI信号用逆相乗算器144Iの出力)とを加算する。
Q信号用逆相乗算器144Qの乗算結果は、Q信号用乗算器12Qの乗算結果と同じ信号であるため、Q信号用乗算器12Qの乗算結果が二倍になって、加算器160cから出力される。
Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分は、加算器160cにより、Q信号用逆相乗算器144QからQ信号用位相反転器142Qの出力がリークした信号と加算されると、0になる。すなわち、Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分が打ち消される。
第三の実施形態によれば、I信号およびQ信号を直交変調した場合でも、第一の実施形態と同様に、I信号用乗算器12Iの出力における二次歪み(Iリーク成分)およびQ信号用乗算器12Qの出力における二次歪み(Qリーク成分)を打ち消すことができる。
しかも、第三の実施形態によれば、第一の実施形態と同様に、加算器160cからは、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の乗算結果が二倍になって出力される。このため、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qおよび加算部160を使用しない場合に比べて、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の出力が半分でよいことになる。よって、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の出力における二次歪みを小さくすることができる。
第四の実施形態
第四の実施形態は、第二の実施形態をI信号およびQ信号の変調を行う回路に適用したものである。第四の実施形態は、第三の実施形態における逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qの構成を第二の実施形態と同様に変更したものといえる。
図4は、第四の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Q、加算部160を備える。以下、第三の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Qおよび加算部160は、第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
逆相Iリーク成分出力部14Iは、リーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相リーク成分を、同相ローカル信号に基づいて出力するものである。逆相Iリーク成分出力部14Iは、I信号用逆相乗算器146I、I信号用位相反転器148Iを有する。
I信号用逆相乗算器146Iは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。さらに、I信号用逆相乗算器146Iは、逆相ベースバンド信号−Iを受ける。そして、I信号用逆相乗算器146Iは、同相ローカル信号と逆相ベースバンド信号−Iとを乗算する。
I信号用位相反転器148Iは、I信号用逆相乗算器146Iの出力の位相を反転させる。I信号用位相反転器148Iは、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。I信号用位相反転器148Iは、さらに、その出力を加算器160bに与える。
なお、I信号用逆相乗算器146Iのリーク特性は、I信号用乗算器12Iのリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)I信号用乗算器12Iに、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、I信号用乗算器12Iから同相ローカル信号がリークした信号(Iリーク成分)と、
(2)I信号用逆相乗算器146Iに、同相ベースバンド信号Iおよび同相ローカル信号を与えた場合、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このようなI信号用逆相乗算器146Iは、I信号用乗算器12IとI信号用逆相乗算器146Iとを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
逆相Qリーク成分出力部14Qは、リーク成分の位相を逆にした信号に等しい逆相リーク成分を、同相ローカル信号に基づいて出力するものである。逆相Qリーク成分出力部14Qは、Q信号用逆相乗算器146Q、Q信号用位相反転器148Qを有する。
Q信号用逆相乗算器146Qは、ローカル信号源10から同相ローカル信号を受ける。さらに、Q信号用逆相乗算器146Qは、逆相ベースバンド信号−Qを受ける。そして、Q信号用逆相乗算器146Qは、同相ローカル信号と逆相ベースバンド信号−Qとを乗算する。
Q信号用位相反転器148Qは、Q信号用逆相乗算器146Qの出力の位相を反転させる。Q信号用位相反転器148Qは、例えば、180度移相器、ロジック回路またはアンプ(ただし、位相反転を起こすものであること)である。Q信号用位相反転器148Qは、さらに、その出力を加算器160bに与える。
なお、Q信号用逆相乗算器146Qのリーク特性は、Q信号用乗算器12Qのリーク特性と一致している。
すなわち、
(1)Q信号用乗算器12Qに、同相ベースバンド信号Qおよび同相ローカル信号を与えた場合、Q信号用乗算器12Qから同相ローカル信号がリークした信号(Qリーク成分)と、
(2)Q信号用逆相乗算器146Qに、同相ベースバンド信号Qおよび同相ローカル信号を与えた場合、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号と、
は同じものである。
このようなQ信号用逆相乗算器146Qは、Q信号用乗算器12QとQ信号用逆相乗算器146Qとを、モノリシック構造で特性が一致しているマッチドペアミキサとすることにより実現できる。
次に、第四の実施形態の動作を説明する。
ローカル信号源10は、同相ローカル信号を出力する。同相ローカル信号は、I信号用乗算器12I、逆相Iリーク成分出力部14I、Q信号用乗算器12Q、逆相Qリーク成分出力部14Qに与えられる。
I信号用乗算器12Iは、同相ベースバンド信号Iと同相ローカル信号とを乗算し、加算器160aに乗算結果を出力する。このとき、I信号用乗算器12Iの乗算結果だけではなく、I信号用乗算器12IからのIリーク成分も加算器160aに出力される。
同相ローカル信号は、I信号用逆相乗算器146Iに与えられる。I信号用逆相乗算器146Iは、逆相ベースバンド信号−Iと、同相ローカル信号とを乗算する。I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果は、I信号用位相反転器148Iに出力される。このとき、I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果だけではなく、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号もI信号用位相反転器148Iに出力される。
I信号用位相反転器148Iは、I信号用逆相乗算器146Iの出力を受けて、位相を反転させてから、加算器160bに与える。
I信号用逆相乗算器146Iの特性とI信号用乗算器12Iの特性とは一致している。I信号用逆相乗算器146Iに与えられる逆相ベースバンド信号−Iは、I信号用乗算器12Iに与えられる同相ベースバンド信号Iと正負が逆である。
よって、I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果は、I信号用乗算器12Iの乗算結果の正負を逆にしたものと同じ信号である。
ここで、I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果は、I信号用位相反転器148Iにより、その位相が反転される。よって、I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果を、I信号用位相反転器148Iを介して、加算器160bに与えた信号は、I信号用乗算器12Iの乗算結果と同じ信号である。
I信号用逆相乗算器146Iの特性とI信号用乗算器12Iの特性とは一致している。また、I信号用逆相乗算器146Iに与えられる同相ローカル信号は、I信号用乗算器12Iに与えられる同相ローカル信号と同じものである。
よって、I信号用乗算器12Iから出力されるリーク成分と、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号とは同じ信号である。
ここで、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号は、I信号用位相反転器148Iにより、その位相が反転される。よって、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号を、I信号用位相反転器148Iを介して、加算器160bに与えた信号は、I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分の正負を逆にしたものと同じ信号である。
加算器160cは、I信号用乗算器12Iの乗算結果(およびQ信号用乗算器12Qの乗算結果)と、I信号用位相反転器148Iの出力(およびQ信号用位相反転器148Qの出力)とを加算する。
I信号用逆相乗算器146Iの乗算結果を、I信号用位相反転器148Iを介して、加算器160bに与えた信号は、I信号用乗算器12Iの乗算結果と同じ信号である。このため、I信号用乗算器12Iの乗算結果が二倍になって、加算器160cから出力される。
加算器160cにより、I信号用逆相乗算器146Iから同相ローカル信号がリークした信号を、I信号用位相反転器148Iを介して、加算器160bに与えた信号と、I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分とを加算すると0になる。すなわち、I信号用乗算器12Iから出力されるIリーク成分が打ち消される。
Q信号用乗算器12Qは、同相ベースバンド信号Qと同相ローカル信号とを乗算し、加算器160aに乗算結果を出力する。このとき、Q信号用乗算器12Qの乗算結果だけではなく、Q信号用乗算器12QからのQリーク成分も加算器160aに出力される。
同相ローカル信号は、Q信号用逆相乗算器146Qに与えられる。Q信号用逆相乗算器146Qは、逆相ベースバンド信号−Qと、同相ローカル信号とを乗算する。Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果は、Q信号用位相反転器148Qに出力される。このとき、Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果だけではなく、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号もQ信号用位相反転器148Qに出力される。
Q信号用位相反転器148Qは、Q信号用逆相乗算器146Qの出力を受けて、位相を反転させてから、加算器160bに与える。
Q信号用逆相乗算器146Qの特性とQ信号用乗算器12Qの特性とは一致している。Q信号用逆相乗算器146Qに与えられる逆相ベースバンド信号−Qは、Q信号用乗算器12Qに与えられる同相ベースバンド信号Qと正負が逆である。
よって、Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果は、Q信号用乗算器12Qの乗算結果の正負を逆にしたものと同じ信号である。
ここで、Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果は、Q信号用位相反転器148Qにより、その位相が反転される。よって、Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果を、Q信号用位相反転器148Qを介して、加算器160bに与えた信号は、Q信号用乗算器12Qの乗算結果と同じ信号である。
Q信号用逆相乗算器146Qの特性とQ信号用乗算器12Qの特性とは一致している。また、Q信号用逆相乗算器146Qに与えられる同相ローカル信号は、Q信号用乗算器12Qに与えられる同相ローカル信号と同じものである。
よって、Q信号用乗算器12Qから出力されるリーク成分と、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号とは同じ信号である。
ここで、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号は、Q信号用位相反転器148Qにより、その位相が反転される。よって、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号を、Q信号用位相反転器148Qを介して、加算器160bに与えた信号は、Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分の正負を逆にしたものと同じ信号である。
加算器160cは、Q信号用乗算器12Qの乗算結果(およびQ信号用乗算器12Qの乗算結果)と、Q信号用位相反転器148Qの出力(およびQ信号用位相反転器148Qの出力)とを加算する。
Q信号用逆相乗算器146Qの乗算結果を、Q信号用位相反転器148Qを介して、加算器160bに与えた信号は、Q信号用乗算器12Qの乗算結果と同じ信号である。このため、Q信号用乗算器12Qの乗算結果が二倍になって、加算器160cから出力される。
加算器160cにより、Q信号用逆相乗算器146Qから同相ローカル信号がリークした信号を、Q信号用位相反転器148Qを介して、加算器160bに与えた信号と、Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分とを加算すると0になる。すなわち、Q信号用乗算器12Qから出力されるQリーク成分が打ち消される。
第四の実施形態によれば、I信号およびQ信号を直交変調した場合でも、第二の実施形態と同様に、I信号用乗算器12Iの出力における二次歪み(Iリーク成分)およびQ信号用乗算器12Qの出力における二次歪み(Qリーク成分)を打ち消すことができる。
しかも、第四の実施形態によれば、第二の実施形態と同様に、加算器160cからは、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の乗算結果が二倍になって出力される。このため、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qおよび加算部160を使用しない場合に比べて、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の出力が半分でよいことになる。よって、I信号用乗算器12I(Q信号用乗算器12Q)の出力における二次歪みを小さくすることができる。
第五の実施形態
第五の実施形態は、三次歪みの抑制のために、第一の実施形態にかかる変調器1に、第一定電流源22、第二定電流源26をさらに備えたものである。
図5は、第五の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14、加算器16、第一定電流源22、第一抵抗24、第二定電流源26、第二抵抗28を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14および加算器16は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
第一定電流源22および第一抵抗24は、同相ベースバンド信号Iに所定の電流(大きさi0)を加える第一電流付加手段を構成する。
第一定電流源22は、所定の電流(大きさi0)を発生する定電流源である。第一定電流源22は一端が接地されており、他端が第一抵抗24に接続されている。
第一抵抗24は、その一端が第一定電流源22に接続され、他端が同相ベースバンド信号Iを乗算器12に導く線に接続されている。
第二定電流源26および第二抵抗28は、所定の信号に所定の電流と同じ大きさの電流(大きさi0)を加える第二電流付加手段を構成する。
第二定電流源26は、大きさi0の電流を発生する定電流源である。第二定電流源26は一端が接地されており、他端が第二抵抗28に接続されている。
第二抵抗28は、その一端が第二定電流源26に接続され、他端が逆相ベースバンド信号−Iを逆相乗算器144に導く線に接続されている。
次に、第五の実施形態の動作を説明する。
同相ベースバンド信号Iの電流をifとすると、逆相ベースバンド信号−Iの電流は-ifとなる。また、i0>ifとする。
乗算器12には、if+i0=i1の大きさの電流が与えられる。乗算器12から出力される乗算結果rf1は下記のように表される。
rf1 = (kT/q)ln((I+Is)/(I+Is+i1)) (1)
ただし、kはボルツマン定数、Tは温度定数、qは電荷、Iは同相ローカル信号の電流の大きさ、Isは乗算器12の飽和電流である。
逆相乗算器144には、-if+i0=i2の大きさの電流が与えられる。逆相乗算器144から出力される乗算結果rf2は下記のように表される。
rf2 = -(kT/q)ln((I+Is)/(I+Is+i2)) (2)
ここで、加算器16から出力される電流は、rf1+rf2であり、式(1)、式(2)から下記のように表されることがわかる。
rf1+rf2 =
(kT/q)ln((I+Is+i2)/(I+Is+i1)) (3)
i1 = i2であれば、rf1+rf2 = 0となり、乗算器12の三次歪み成分は打ち消されたといえる。よって、i0がifに比べてはなはだ大きければ、i1 = i2とみなすことができ、乗算器12の三次歪み成分は打ち消されたといえることになる。
実際に、i0の値を変化させて式(3)に代入すると、rf1+rf2 = 0とみなしうる場合が生じる。そのようなi0を使用すれば、乗算器12の三次歪み成分を打ち消すことができる。
なお、乗算器12のリーク成分が打ち消される点については、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
第五の実施形態によれば、第一の実施形態と同様に乗算器12のリーク成分が打ち消される。しかも、乗算器12の三次歪み成分を抑制することができる。
第六の実施形態
第六の実施形態は、三次歪みの抑制のために、第二の実施形態にかかる変調器1に、第一定電流源22、第二定電流源26をさらに備えたものである。
図6は、第六の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14、加算器16、第一定電流源22、第一抵抗24、第二定電流源26、第二抵抗28を備える。以下、第二の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、乗算器12、逆相リーク成分出力部14および加算器16は、第二の実施形態と同様であり説明を省略する。
第一定電流源22、第一抵抗24、第二定電流源26および第二抵抗28は、第五の実施形態と同様であり説明を省略する。
第六の実施形態の動作は、乗算器12のリーク成分が打ち消される点については、第二の実施形態と同様であり説明を省略する。
また、第六の実施形態の動作は、乗算器12の三次歪み成分が打ち消される点については、第五の実施形態と同様であり説明を省略する。
第六の実施形態によれば、第二の実施形態と同様に乗算器12のリーク成分が打ち消される。しかも、乗算器12の三次歪み成分を抑制することができる。
第七の実施形態
第七の実施形態は、三次歪みの抑制のために、第三の実施形態にかかる変調器1に、I信号用第一定電流源22I、I信号用第二定電流源26I、Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第二定電流源26Qをさらに備えたものである。
図7は、第七の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Q、加算部160、I信号用第一定電流源22I、I信号用第一抵抗24I、I信号用第二定電流源26I、I信号用第二抵抗28I、Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第一抵抗24Q、Q信号用第二定電流源26Q、Q信号用第二抵抗28Qを備える。以下、第三の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qおよび加算部160は、第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
I信号用第一定電流源22I、I信号用第一抵抗24I、I信号用第二定電流源26IおよびI信号用第二抵抗28Iは、第五の実施形態の第一定電流源22、第一抵抗24、第二定電流源26および第二抵抗28と同様であり説明を省略する。
Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第一抵抗24Q、Q信号用第二定電流源26QおよびQ信号用第二抵抗28Qは、第五の実施形態の第一定電流源22、第一抵抗24、第二定電流源26および第二抵抗28と同様であり説明を省略する。
なお、I信号用第一定電流源22IとI信号用第二定電流源26Iの電流の大きさは等しい必要がある。Q信号用第一定電流源22QとQ信号用第二定電流源26Qの電流の大きさも等しい必要がある。しかし、I信号用第一定電流源22IとQ信号用第一定電流源22Qの電流の大きさは必ずしも等しくなくてよい。
第七の実施形態の動作は、I信号用乗算器12IのIリーク成分およびQ信号用乗算器12QのQリーク成分が打ち消される点については、第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
また、第七の実施形態の動作は、I信号用乗算器12IおよびQ信号用乗算器12Qの三次歪み成分が打ち消される点については、第五の実施形態と同様であり説明を省略する。
第七の実施形態によれば、第三の実施形態と同様に乗算器12のリーク成分が打ち消される。しかも、I信号用乗算器12IおよびQ信号用乗算器12Qの三次歪み成分を抑制することができる。
第八の実施形態
第八の実施形態は、三次歪みの抑制のために、第四の実施形態にかかる変調器1に、I信号用第一定電流源22I、I信号用第二定電流源26I、Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第二定電流源26Qをさらに備えたものである。第八の実施形態は、第七の実施形態における逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qの構成を第七の実施形態と同様に変更したものといえる。
図8は、第八の実施形態にかかる変調器1の構成を示す図である。変調器1は、ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Q、加算部160、I信号用第一定電流源22I、I信号用第一抵抗24I、I信号用第二定電流源26I、I信号用第二抵抗28I、Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第一抵抗24Q、Q信号用第二定電流源26Q、Q信号用第二抵抗28Qを備える。以下、第四の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
ローカル信号源10、I信号用乗算器12I、Q信号用乗算器12Q、逆相Iリーク成分出力部14I、逆相Qリーク成分出力部14Qおよび加算部160は、第四の実施形態と同様であり説明を省略する。
I信号用第一定電流源22I、I信号用第一抵抗24I、I信号用第二定電流源26IおよびI信号用第二抵抗28Iは、第七の実施形態と同様であり説明を省略する。
Q信号用第一定電流源22Q、Q信号用第一抵抗24Q、Q信号用第二定電流源26QおよびQ信号用第二抵抗28Qは、第七の実施形態と同様であり説明を省略する。
第八の実施形態の動作は、I信号用乗算器12IのIリーク成分およびQ信号用乗算器12QのQリーク成分が打ち消される点については、第四の実施形態と同様であり説明を省略する。
また、第八の実施形態の動作は、I信号用乗算器12IおよびQ信号用乗算器12Qの三次歪み成分が打ち消される点については、第七の実施形態と同様であり説明を省略する。
第八の実施形態によれば、第四の実施形態と同様にI信号用乗算器12IおよびQ信号用乗算器12Qのリーク成分が打ち消される。しかも、I信号用乗算器12IおよびQ信号用乗算器12Qの三次歪み成分を抑制することができる。