JP2006310972A - 搬送波漏洩電力低減回路 - Google Patents

搬送波漏洩電力低減回路 Download PDF

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Abstract

【課題】 回路構成を簡単且つ安価にする搬送波漏洩電力低減回路を得る。
【解決手段】 主直交復調器26により復調されたベースバンド信号と、副直交復調器27により復調され、直流成分が阻止されたベースバンド信号との加算値が最小になるような補正情報を生成し、主直交変調器17に入力されるベースバンド信号をその補正情報に応じて補正する。主直交変調器17の中心電圧とその主直交変調器17に入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを直交変調を行いながら自動的に最小にし、主直交変調器17における搬送波漏洩電力を低減する。また、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、DA変換器10〜13およびAD変換器28〜31をデジタル回路により構成したので、アナログ回路を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にすることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、送信機等に用いられ、直交変調器において直交変調を行いながら自動的に搬送波漏洩電力(キャリアリーク)を低減する搬送波漏洩電力低減回路に関するものである。
一般に、直交変調器は、その直交変調器に規定された中心電圧を中心に、入力されるベースバンド信号の振幅に応じて搬送波を変調するが、直交変調器に規定された中心電圧からその直交変調器に入力されるベースバンド信号の直流成分がずれることにより、搬送波漏洩電力が発生する。
そのため、発生する搬送波漏洩電力を低減する回路が必要となるが、送信機等に用いられる直交変調器は、一旦、変調動作が開始されるとシステムが運用停止するまで変調動作を停止することができず、その間に回路に生じる温度変化や経年変化に対応して直交変調を行った状態のまま、自動的に搬送波漏洩電力を低減する必要がある。
従来では、これら直交変調器の搬送波漏洩電力低減回路の要求を満たすものとして、一つの直交変調器および一つの直交復調器からなり、アナログ回路やアナログ部品を多用して構成され、直交変調器に入力される変調前のアナログベースバンド信号と、直交復調器により復調されたアナログベースバンドとを比較することにより、自動的に搬送波漏洩電力を低減するものがある。
また、この搬送波漏洩電力低減回路では、温度補正回路や経年補正回路を設けることにより、回路に生じる温度変化や経年変化に対応するものである(例えば、特許文献1参照)。
特表平10−512133号公報
従来の搬送波漏洩電力低減回路は以上のように構成されているので、直交変調器に入力される変調前のアナログベースバンド信号と、直交復調器により復調されたアナログベースバンドとを比較することにより、直交変調を行った状態のまま、自動的に搬送波漏洩電力を低減するものであり、アナログ回路やアナログ部品を多用して構成されたものであるから、その搬送波漏洩電力の低減性能が温度変化や経年変化に影響を受けやすい。このことから、温度補正回路や経年補正回路を設けなくてはならず、回路構成が複雑になり、且つ高価になるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、直交変調を行いながら自動的に搬送波漏洩電力を低減し、また、アナログ回路やアナログ部品を極力低減し、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にする搬送波漏洩電力低減回路を得ることを目的とする。
この発明に係る搬送波漏洩電力低減回路は、補正されたベースバンド信号を直交変調する主系統直交変調器と、ビット反転されたベースバンド信号を直交変調する副系統直交変調器と、主系統直交変調器による変調波を直交復調する主系統直交復調器と、副系統直交変調器による変調波を直交復調する副系統直交復調器と、副系統直交復調器により復調されたベースバンド信号の直流成分を阻止する直流成分阻止回路と、主系統直交復調器により復調されたベースバンド信号と直流成分阻止回路により直流成分が阻止されたベースバンド信号との加算値が最小になるような補正情報を生成し、主系統直交変調器に入力されるベースバンド信号をその補正情報に応じて補正する補正回路とを備え、少なくとも直流成分阻止回路および補正回路をデジタル回路により構成したものである。
この発明によれば、主系統直交復調器により復調されたベースバンド信号と直流成分阻止回路により直流成分が阻止されたベースバンド信号との加算値が最小になるような補正情報を生成し、主系統直交変調器に入力されるベースバンド信号を補正情報に応じて補正するように構成したので、主系統直交変調器の中心電圧とその主系統直交変調器に入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを直交変調を行いながら自動的に最小にすることができ、主系統直交変調器における搬送波漏洩電力を低減することができる。
また、少なくとも直流成分阻止回路および補正回路をデジタル回路により構成したので、アナログ回路やアナログ部品を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にすることができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図であり、図において、コントロールユニット1は、ワンチップ上により集積回路化され、同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号を生成すると共に、後述する主直交変調器17の搬送波漏洩電力(キャリアリーク)を最小に制御する同相成分補正情報Iadj outおよび直交成分補正情報Qadj outを生成するものである。
遅延回路2,3は、コントロールユニット1により生成される同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号を、それぞれ後述するビット反転器6,7による遅延時間と等時間だけ遅延させるものである。
ビット加算器(補正回路:同相成分ビット加算器)4は、遅延回路2により遅延された同相成分のデジタルベースバンド信号に、コントロールユニット1により生成される同相成分補正情報Iadj outを加算し、ビット加算器(補正回路:直交成分ビット加算器)5は、遅延回路3により遅延された直交成分のデジタルベースバンド信号に、コントロールユニット1により生成される直交成分補正情報Qadj outを加算するものである。
ビット反転器(同相成分ビット反転器)6は、コントロールユニット1により生成される同相成分Ioutのデジタルベースバンド信号をビット反転し、ビット反転器(直交成分ビット反転器)7は、コントロールユニット1により生成される直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号をビット反転するものである。
遅延回路8,9は、ビット反転器6,7により反転された同相成分Inv Ioutおよび直交成分Inv Qoutのデジタルベースバンド信号を、それぞれビット加算器4,5による遅延時間と等時間だけ遅延させるものである。
DA変換器(主系統同相成分DA変換器)10は、ビット加算器4により加算された同相成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換し、DA変換器(主系統直交成分DA変換器)11は、ビット加算器5により加算された直交成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換し、DA変換器(副系統同相成分DA変換器)12は、遅延回路8により遅延された同相成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換し、DA変換器(副系統直交成分DA変換器)13は、遅延回路9により遅延された直交成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換するものである。
局部発振器14は、搬送波を発生し、分波器15,16は、その搬送波をそれぞれ分波するものである。
主直交変調器(主系統直交変調器)17は、分波器16により分波された搬送波を、DA変換器10,11から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調し、副直交変調器(副系統直交変調器)18は、分波器16により分波された搬送波を、DA変換器12,13から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調するものである。
分波器19は、主直交変調器17による変調波を分波し、高周波増幅器20,21は、分波器19を通過した変調波を2段階にそれぞれ高周波増幅し、アンテナ22は、高周波増幅器20,21により高周波増幅された変調波を送信するものである。
また、分波器23は、副直交変調器18による変調波を分波し、終端器24は、分波器23を通過した変調波を、反射することなく消去するものである。
分波器25は、分波器15による搬送波を分波し、主直交復調器(主系統直交復調器)26は、主直交変調器17により変調され、分波器19により分波された変調波を、分波器25により分波された搬送波により直交復調し、副直交復調器(副系統直交復調器)27は、副直交変調器18により変調され、分波器23により分波された変調波を、分波器25により分波された搬送波により直交復調するものである。
AD変換器(主系統同相成分AD変換器)28は、主直交復調器26により復調された同相成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換し、AD変換器(主系統直交成分AD変換器)29は、主直交復調器26により復調された直交成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換し、AD変換器(副系統同相成分AD変換器)30は、副直交復調器27により復調された同相成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換し、AD変換器(副系統直交成分AD変換器)31は、副直交復調器27により復調された直交成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換するものである。
図2はコントロールユニットの詳細を示す構成図であり、図において、直流成分低減回路32は、AD変換器28からの同相成分Iinのデジタルベースバンド信号の直流成分を低減し、直流成分低減回路33は、AD変換器29からの同相成分Qinのデジタルベースバンド信号の直流成分を低減するものである。
直流成分阻止回路(同相直流成分阻止回路)34は、AD変換器30からの同相成分Inv Iinのデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止し、直流成分阻止回路(直交直流成分阻止回路)35は、AD変換器31からの直交成分Inv Qinのデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止するものである。
加算器(補正回路:同相成分加算器)36は、直流成分低減回路32により直流成分が低減された同相成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路34により直流成分が阻止された同相成分のデジタルベースバンド信号とを加算し、加算器(補正回路:直交成分加算器)37は、直流成分低減回路33により直流成分が低減された直交成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路35により直流成分が阻止された直交成分のデジタルベースバンド信号とを加算するものである。
差分検出回路(補正回路:同相成分補正情報生成回路)38は、加算器36による加算値から搬送波漏洩電力の発生原因となる、主直交変調器17の中心電圧からのその主直交変調器17に入力される同相成分のベースバンド信号の直流成分のずれ量を検知し、その直流成分のずれ量を次段のシフト量算出回路40の入力情報として適した数値に変換し、差分検出回路(補正回路:直交成分補正情報生成回路)39は、同様に加算器37による加算値から、主直交変調器17の中心電圧からのその主直交変調器17に入力される直交成分のベースバンド信号の直流成分のずれ量を検知し、その直流成分のずれ量を次段のシフト量算出回路41の入力情報として適した数値に変換するものである。
シフト量算出回路(補正回路:同相成分補正情報生成回路)40は、加算器36による加算値が最小になるような同相成分補正情報Iadj outを算出し、ビット加算器4に供給し、シフト量算出回路(補正回路:直交成分補正情報生成回路)41は、加算器37による加算値が最小になるような直交成分補正情報Qadj outを算出し、ビット加算器5に供給するものである。
デジタルベースバンド信号生成回路42は、同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号を生成するものである。
なお、図1において、DA変換器10〜13、AD変換器28〜31を中心に左側はデジタル回路により構成され、右側はアナログ回路により構成されるものである。
次に動作について説明する。
主直交変調器17は、その主直交変調器17に規定された中心電圧を中心に、入力されるベースバンド信号の振幅に応じて搬送波を変調するものであるが、主直交変調器17に規定された中心電圧から主直交変調器17に入力されるベースバンド信号の直流成分がずれることにより、搬送波漏洩電力が発生する。なお、その主直交変調器17の温度特性によっても主直交変調器17の中心電圧は変化し、入力されるベースバンド信号の直流成分を予め調整して一定にしても、温度変化により主直交変調器17の中心電圧と入力されるベースバンド信号の直流成分とにずれが生じ、その結果、搬送波漏洩電力が発生する。
この実施の形態1では、温度変化により主直交変調器17の中心電圧がずれても、直交変調を行いながら自動的に中心電圧と入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを最小にすることができ、主直交変調器17における搬送波漏洩電力を低減するものである。
また、アナログ回路やアナログ部品を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にするものである。以下、その動作について説明する。
図1および図2において、コントロールユニット1のデジタルベースバンド信号生成回路42は、同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号を生成する。
遅延回路2,3は、同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号を、それぞれビット反転器6,7による遅延時間と等時間だけ遅延させる。ビット加算器4,5については後述する。
また、ビット反転器6,7は、同相成分Ioutおよび直交成分Qoutのデジタルベースバンド信号をそれぞれビット反転し、遅延回路8,9は、ビット反転器6,7により反転された同相成分Inv Ioutおよび直交成分Inv Qoutのデジタルベースバンド信号を、それぞれビット加算器4,5による遅延時間と等時間だけ遅延させる。
このようにして、副系統のデジタルベースバンド信号を反転すると共に、主系統および副系統のデジタルベースバンド信号の遅延時間を一致させ、DA変換器10〜13によりデジタルアナログ変換する。
局部発振器14から発生される搬送波は、分波器15,16,25によりそれぞれ分波され、主直交変調器17、副直交変調器18、主直交復調器26および副直交復調器27に供給される。
主直交変調器17は、搬送波をDA変換器10,11から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調する。この時、主直交変調器17は、その主直交変調器17の周囲温度に応じた中心電圧を中心に、入力されるベースバンド信号の振幅に応じて搬送波を変調するが、主直交変調器17の中心電圧から主直交変調器17に入力されるベースバンド信号の直流成分がずれることにより、搬送波漏洩電力が発生する。また、その直流成分のずれに応じて主直交変調器17による変調波にも直流成分が含まれる。
同様に、副直交変調器18は、搬送波をDA変換器12,13から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調する。ここでの変調波は、主直交変調器17による変調波の位相を反転したものとなる。なお、副直交変調器18においても、副直交変調器18の中心電圧から副直交変調器18に入力されるベースバンド信号の直流成分がずれることにより、搬送波漏洩電力が発生する。また、その直流成分のずれに応じて副直交変調器18による変調波にも直流成分が含まれる。
また、分波器19は、主直交変調器17による変調波を分波して主直交復調器26に供給し、高周波増幅器20,21は、変調波をそれぞれ高周波増幅し、アンテナ22から変調波を送信する。さらに、分波器23は、副直交変調器18による変調波を分波して副直交復調器27に供給して、終端器24は、分波器23を通過した変調波を、反射することなく消去する。
主直交復調器26は、主直交変調器17により変調され、分波器19により分波された変調波を、搬送波により直交復調し、同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号に戻す。なお、この復調された同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号にも、変調波に含まれた直流成分に応じた直流成分が含まれる。
副直交復調器27は、副直交変調器18により変調され、分波器23により分波された変調波を、搬送波により直交復調し、同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号に戻す。なお、この副直交復調器27において復調された同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号にも、変調波に含まれた直流成分に応じた直流成分が含まれる。
このようにして、主系統および副系統において共に直流成分が含まれるが、互いに位相を反転した同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号を、AD変換器28〜31によりアナログデジタル変換する。
図2において、直流成分低減回路32は、同相成分Iinのデジタルベースバンド信号の直流成分を低減し、直流成分低減回路33は、同相成分Qinのデジタルベースバンド信号の直流成分を低減する。また、直流成分阻止回路34は、同相成分Inv Iinのデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止し、直流成分阻止回路35は、直交成分Inv Qinのデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止する。よって、主直交変調器17および主直交副調器26を経由した主系統の直流成分低減回路32,33から出力されるデジタルベースバンド信号には直流成分が含まれており、副直交変調器18および副直交復調器27を経由した副系統の直流成分阻止回路34,35から出力されるデジタルベースバンド信号からは直流成分が消去される。これによって、副系統の直流成分阻止回路34,35から出力されるデジタルベースバンド信号は、主系統の直流成分低減回路32,33から出力されるデジタルベースバンド信号にどのくらいの直流成分が含まれるか検知するための基準とすることができる。
加算器36は、直流成分低減回路32による同相成分のデジタルベースバンド信号と、直流成分阻止回路34により直流成分が消去され、且つ位相を反転した同相成分のデジタルベースバンド信号とを加算し、加算器37は、直流成分低減回路33による直交成分のデジタルベースバンド信号と、直流成分阻止回路35により直流成分が消去され、且つ位相を反転した直交成分のデジタルベースバンド信号とを加算し、各加算値を出力する。これら加算値は、変調波成分が相殺された、主系統のデジタルベースバンド信号に含まれる直流成分に相当するものとなる。
差分検出回路38は、加算器36による加算値から搬送波漏洩電力の発生原因となる、主直交変調器17の中心電圧からのその主直交変調器17に入力される同相成分のベースバンド信号の直流成分のずれ量を検知し、その直流成分のずれ量を次段のシフト量算出回路40の入力情報として適した数値に変換し、差分検出回路39は、同様に加算器37による加算値から、主直交変調器17の中心電圧からのその主直交変調器17に入力される直交成分のベースバンド信号の直流成分のずれ量を検知し、その直流成分のずれ量を次段のシフト量算出回路41の入力情報として適した数値に変換する。
シフト量算出回路40は、加算器36による加算値が最小になるような同相成分補正情報Iadj outを算出し、ビット加算器4に供給し、シフト量算出回路41は、加算器37による加算値が最小になるような直交成分補正情報Qadj outを算出し、ビット加算器5に供給する。
図1において、ビット加算器4は、遅延回路2により遅延された同相成分のデジタルベースバンド信号に、シフト量算出回路40により算出された同相成分補正情報Iadj outを加算し、ビット加算器5は、遅延回路3により遅延された直交成分のデジタルベースバンド信号に、シフト量算出回路41により算出された直交成分補正情報Qadj outを加算する。
このように、ビット加算器4,5により、同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号に、同相成分補正情報Iadj outおよび直交成分補正情報Qadj outを加算し、同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号の直流成分を逐次補正することで、主直交変調器17の中心電圧とその主直交変調器17に入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを直交変調を行いながら自動的に最小にすることができ、主直交変調器17における搬送波漏洩電力を低減することができる。
また、図1において、DA変換器10〜13、AD変換器28〜31を中心に左側はデジタル回路により構成したので、アナログ回路やアナログ部品を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にすることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、直流成分低減回路32から出力される同相成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路34により直流成分が阻止された同相成分のデジタルベースバンド信号との加算値が最小になると共に、直流成分低減回路33から出力される直交成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路35により直流成分が阻止された直交成分のデジタルベースバンド信号との加算値が最小になるように主直交変調器17に入力されるベースバンド信号を補正するように構成したので、主直交変調器17の中心電圧とその主直交変調器17に入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを直交変調を行いながら自動的に最小にすることができ、主直交変調器17における搬送波漏洩電力を低減することができる。
また、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、DA変換器10〜13およびAD変換器28〜31をデジタル回路により構成したので、アナログ回路やアナログ部品を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にすることができる。
さらに、デジタル回路により構成されたコントロールユニット1を、集積回路化したので、回路構成をさらに簡単且つ安価にすることができる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図であり、図において、集積回路51は、ワンチップ上に、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、DA変換器10〜13およびAD変換器28〜31を搭載したものである。その他の構成については、図1と同様である。
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、上記実施の形態1においてデジタル回路により構成した部品を、集積回路51として構成し、ワンチップ上に搭載したものである。動作については、上記実施の形態1と同様である。
以上のように、この実施の形態2によれば、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、DA変換器10〜13およびAD変換器28〜31を集積回路51に搭載したので、回路構成をさらに簡単且つ安価にすることができる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図であり、図において、分波器61,62は、局部発振器14から発生された搬送波をそれぞれ分波するものである。
主直交変調器(主系統直交変調器)63は、分波器62により分波された搬送波を、ビット加算器4,5から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調し、副直交変調器(副系統直交変調器)64は、分波器62により分波された搬送波を、ビット反転器8,9から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調するものである。
DA変換器(主系統DA変換器)65は、主直交変調器63による変調波をデジタルアナログ変換し、DA変換器(副系統DA変換器)66は、副直交変調器64による変調波をデジタルアナログ変換するものである。
AD変換器(主系統AD変換器)67は、分波器19により分波された変調波をアナログデジタル変換し、AD変換器(副系統AD変換器)68は、分波器23により分波された変調波をアナログデジタル変換するものである。
分波器69は、分波器61により分波された搬送波を分波するものである。
主直交復調器(主系統直交復調器)70は、AD変換器67によりデジタルに変換された変調波を、分波器69からの搬送波により直交復調し、副直交復調器(副系統直交復調器)71は、AD変換器68によりデジタルに変換された変調波を、分波器69からの搬送波により直交復調するものである。
集積回路81は、ワンチップ上に、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、分波器61,62,69、主直交変調器63、副直交変調器64、DA変換器65,66、AD変換器67,68、主直交復調器70および副直交復調器71を搭載したものである。その他の構成については、図1と同様である。
次に動作について説明する。
この実施の形態3では、主直交変調器63、副直交変調器64、主直交復調器70および副直交復調器71をデジタル回路により構成し、さらに、デジタル回路により構成した部品を、集積回路81として構成し、ワンチップ上に搭載したものである。
動作については、上記実施の形態1とほぼ同様であるが、異なる点だけ簡単に説明する。
分波器61,62,69は、局部発振器14から発生された搬送波をそれぞれ分波し、主直交変調器63は、その搬送波を、ビット加算器4,5から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調し、副直交変調器64は、その搬送波を、遅延回路8,9から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調する。DA変換器65,66は、それぞれの変調波をデジタルアナログ変換し、後段の分波器19,23に出力する。
AD変換器67は、分波器19からの変調波をアナログデジタル変換し、AD変換器68は、分波器23からの変調波をアナログデジタル変換する。主直交復調器70は、AD変換器67によりデジタルに変換された変調波を、分波器69からの搬送波により直交復調し、副直交復調器71は、AD変換器68によりデジタルに変換された変調波を、分波器69からの搬送波により直交復調する。
以上のように、この実施の形態3によれば、直流成分低減回路32から出力される同相成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路34により直流成分が阻止された同相成分のデジタルベースバンド信号との加算値が最小になると共に、直流成分低減回路33から出力される直交成分のデジタルベースバンド信号と直流成分阻止回路35により直流成分が阻止された直交成分のデジタルベースバンド信号との加算値が最小になるように主直交変調器63に入力されるベースバンド信号を補正するように構成したので、主直交変調器63の中心電圧とその主直交変調器63に入力されるベースバンド信号の直流成分とのずれを直交変調を行いながら自動的に最小にすることができ、主直交変調器63における搬送波漏洩電力を低減することができる。
また、コントロールユニット1、遅延回路2,3,8,9、ビット加算器4,5、ビット反転器6,7、分波器61,62,69、主直交変調器63、副直交変調器64、DA変換器65,66、AD変換器67,68、主直交復調器70および副直交復調器71をデジタル回路により構成したので、アナログ回路やアナログ部品を極力低減することで、温度変化や経年変化に強く、そのための補正回路を不要とし、回路構成を簡単且つ安価にすることができる。
さらに、それらデジタル回路を集積回路81に搭載したので、回路構成をさらに簡単且つ安価にすることができる。
特に、2つの主直交変調器63および副直交変調器64、2つの主直交復調器70および副直交復調器71を集積回路化し、ワンチップ化により同一ウエハ上で形成することで、各2つの回路特性を極めて近似させることができ、搬送波漏洩電力の低減効果をより一層高めることができる。
この発明の実施の形態1による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図である。 コントロールユニットの詳細を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による送信機の搬送波漏洩電力低減回路を示す構成図である。
符号の説明
1 コントロールユニット、2,3,8,9 遅延回路、4 ビット加算器(補正回路:同相成分ビット加算器)、5 ビット加算器(補正回路:直交成分ビット加算器)、6 ビット反転器(同相成分ビット反転器)、7 ビット反転器(直交成分ビット反転器)、10 DA変換器(主系統同相成分DA変換器)、11 DA変換器(主系統直交成分DA変換器)、12 DA変換器(副系統同相成分DA変換器)、13 DA変換器(副系統直交成分DA変換器)、14 局部発振器、15,16,19,23,25,61,62,69 分波器、17,63 主直交変調器(主系統直交変調器)、18,64 副直交変調器(副系統直交変調器)、20,21 高周波増幅器、22 アンテナ、24 終端器、26,70 主直交復調器(主系統直交復調器)、27,71 副直交復調器(副系統直交復調器)、28 AD変換器(主系統同相成分AD変換器)、29 AD変換器(主系統直交成分AD変換器)、30 AD変換器(副系統同相成分AD変換器)、31 AD変換器(副系統直交成分AD変換器)、32,33 直流成分低減回路、34 直流成分阻止回路(同相直流成分阻止回路)、35 直流成分阻止回路(直交直流成分阻止回路)、36 加算器(補正回路:同相成分加算器)、37 加算器(補正回路:直交成分加算器)、38 差分検出回路(補正回路:同相成分補正情報生成回路)、39 差分検出回路(補正回路:直交成分補正情報生成回路)、40 シフト量算出回路(補正回路:同相成分補正情報生成回路)、41 シフト量算出回路(補正回路:直交成分補正情報生成回路)、42 デジタルベースバンド信号生成回路、51,81 集積回路、65 DA変換器(主系統DA変換器)、66 DA変換器(副系統DA変換器)、67 AD変換器(主系統AD変換器)、68 AD変換器(副系統AD変換器)。

Claims (4)

  1. 補正情報に応じて補正されたベースバンド信号を直交変調する主系統直交変調器と、
    ビット反転されたベースバンド信号を直交変調する副系統直交変調器と、
    上記主系統直交変調器による変調波を直交復調する主系統直交復調器と、
    上記副系統直交変調器による変調波を直交復調する副系統直交復調器と、
    上記副系統直交復調器により復調されたベースバンド信号の直流成分を阻止する直流成分阻止回路と、
    上記主系統直交復調器により復調されたベースバンド信号と上記直流成分阻止回路により直流成分が阻止されたベースバンド信号との加算値が最小になるような補正情報を生成し、上記主系統直交変調器に入力されるベースバンド信号をその補正情報に応じて補正する補正回路とを備え、
    少なくとも上記直流成分阻止回路および上記補正回路をデジタル回路により構成したことを特徴とする搬送波漏洩電力低減回路。
  2. 同相成分のデジタルベースバンド信号に同相成分補正情報を加算する同相成分ビット加算器と、
    直交成分のデジタルベースバンド信号に直交成分補正情報を加算する直交成分ビット加算器と、
    同相成分のデジタルベースバンド信号をビット反転する同相成分ビット反転器と、
    直交成分のデジタルベースバンド信号をビット反転する直交成分ビット反転器と、
    上記同相成分ビット加算器により加算された同相成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換する主系統同相成分DA変換器と、
    上記直交成分ビット加算器により加算された直交成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換する主系統直交成分DA変換器と、
    上記同相成分ビット反転器により反転された同相成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換する副系統同相成分DA変換器と、
    上記直交成分ビット反転器により反転された直交成分のデジタルベースバンド信号をデジタルアナログ変換する副系統直交成分DA変換器と、
    搬送波を上記主系統同相成分DA変換器および上記主系統直交成分DA変換器から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調する主系統直交変調器と、
    搬送波を上記副系統同相成分DA変換器および上記副系統直交成分DA変換器から出力される同相成分および直交成分のアナログベースバンド信号により直交変調する副系統直交変調器と、
    上記主系統直交変調器による変調波を搬送波により直交復調する主系統直交復調器と、
    上記副系統直交変調器による変調波を搬送波により直交復調する副系統直交復調器と、
    上記主系統直交復調器により復調された同相成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換する主系統同相成分AD変換器と、
    上記主系統直交復調器により復調された直交成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換する主系統直交成分AD変換器と、
    上記副系統直交復調器により復調された同相成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換する副系統同相成分AD変換器と、
    上記副系統直交復調器により復調された直交成分のアナログベースバンド信号をアナログデジタル変換する副系統直交成分AD変換器と、
    上記副系統同相成分AD変換器から出力される同相成分のデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止する同相直流成分阻止回路と、
    上記副系統直交成分AD変換器から出力される直交成分のデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止する直交直流成分阻止回路と、
    上記主系統同相成分AD変換器から出力される同相成分のデジタルベースバンド信号と上記同相直流成分阻止回路により直流成分が阻止された同相成分のデジタルベースバンド信号とを加算する同相成分加算器と、
    上記主系統直交成分AD変換器から出力される直交成分のデジタルベースバンド信号と上記直交直流成分阻止回路により直流成分が阻止された直交成分のデジタルベースバンド信号とを加算する直交成分加算器と、
    上記同相成分加算器による加算値が最小になるような同相成分補正情報を算出し、上記同相成分ビット加算器に供給する同相成分補正情報生成回路と、
    上記直交成分加算器による加算値が最小になるような直交成分補正情報を算出し、上記直交成分ビット加算器に供給する直交成分補正情報生成回路とを備えた搬送波漏洩電力低減回路。
  3. 同相成分のデジタルベースバンド信号に同相成分補正情報を加算する同相成分ビット加算器と、
    直交成分のデジタルベースバンド信号に直交成分補正情報を加算する直交成分ビット加算器と、
    同相成分のデジタルベースバンド信号をビット反転する同相成分ビット反転器と、
    直交成分のデジタルベースバンド信号をビット反転する直交成分ビット反転器と、
    搬送波を上記同相成分ビット加算器および上記直交成分ビット加算器から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調する主系統直交変調器と、
    搬送波を上記同相成分ビット反転器および上記直交成分ビット反転器から出力される同相成分および直交成分のデジタルベースバンド信号により直交変調する副系統直交変調器と、
    上記主系統直交変調器による変調波をデジタルアナログ変換する主系統DA変換器と、
    上記副系統直交変調器による変調波をデジタルアナログ変換する副系統DA変換器と、
    上記主系統DA変換器によりアナログに変換された変調波をアナログデジタル変換する主系統AD変換器と、
    上記副系統DA変換器によりアナログに変換された変調波をアナログデジタル変換する副系統AD変換器と、
    上記主系統AD変換器によりデジタルに変換された変調波を搬送波により直交復調する主系統直交復調器と、
    上記副系統AD変換器によりデジタルに変換された変調波を搬送波により直交復調する副系統直交復調器と、
    上記副系統直交復調器により復調された同相成分のデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止する同相直流成分阻止回路と、
    上記副系統直交復調器により復調された直交成分のデジタルベースバンド信号の直流成分を阻止する直交直流成分阻止回路と、
    上記主系統直交復調器により復調された同相成分のデジタルベースバンド信号と上記同相直流成分阻止回路により直流成分が阻止された同相成分のデジタルベースバンド信号とを加算する同相成分加算器と、
    上記主系統直交復調器により復調された直交成分のデジタルベースバンド信号と上記直交直流成分阻止回路により直流成分が阻止された直交成分のデジタルベースバンド信号とを加算する直交成分加算器と、
    上記同相成分加算器による加算値が最小になるような同相成分補正情報を算出し、上記同相成分ビット加算器に供給する同相成分補正情報生成回路と、
    上記直交成分加算器による加算値が最小になるような直交成分補正情報を算出し、上記直交成分ビット加算器に供給する直交成分補正情報生成回路とを備えた搬送波漏洩電力低減回路。
  4. デジタル回路により構成された一部あるいは全部を集積回路化したことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の搬送波漏洩電力低減回路。
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