JP2005005834A - 送信機 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線機におけるカーテシアンループ方式送信機において、電力増幅器の利得の温度変化による隣接チャネルへの悪影響や、検波ダイオードの検波電圧の温度変化による不法電波の送信、および通信障害を防ぐ。
【解決手段】温度センサ27の出力を基に順方向利得制御回路26は可変アッテネータ13に対し電力増幅器15の利得の温度特性を補正する様に制御し、歪改善量を一定に保つ。また、温度センサ27の出力を基に電力制御回路25は可変アッテネータ18に対し検波ダイオード24の検波電圧の温度特性を補正する様に制御し、送信電力を一定に保つ。
【選択図】 図1
【解決手段】温度センサ27の出力を基に順方向利得制御回路26は可変アッテネータ13に対し電力増幅器15の利得の温度特性を補正する様に制御し、歪改善量を一定に保つ。また、温度センサ27の出力を基に電力制御回路25は可変アッテネータ18に対し検波ダイオード24の検波電圧の温度特性を補正する様に制御し、送信電力を一定に保つ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信機における増幅器の歪補償の一方式であるカーテシアンループ方式の送信機に関し、更に詳しくは、カーテシアンループ方式送信機における温度変化による性能劣化を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例を図2により説明する。
【0003】
同相成分入力端子1より入力された同相成分ベースバンド信号Iは、加算器2と誤差増幅器3を経由し直交変調器9の変調器4に入力され、同様に、直交成分入力端子5より入力された直交成分ベースバンド信号Qは、加算器6と誤差増幅器7を経由し直交変調器9の変調器8に入力される。直交変調器9は、変調器4、変調器8、0°/90°移相器10、および加算器11から構成される。発振器12で作られた搬送波Lo信号は、0°/90°移相器10により同相成分LoIと直交成分LoQに分けられ、それぞれ変調器4、変調器8に入力される。変調器4および変調器8により変調されたそれぞれの出力は、加算器11で加算され、直交変調が行われる。直交変調器9で直交変調された送信信号は、可変アッテネータ13を経て、フィルタ14にて不要成分を除去された後、電力増幅器15により所要電力まで増幅され、カプラ16を経てアンテナ17から出力される。
【0004】
一方、カプラ16は送信信号の一部を取り出し、取り出された信号は、可変アッテネータ18を経て、直交復調器19の復調器20および復調器21に入力される。直交復調器19は、復調器20、復調器21、および0°/90°移相器22から構成される。発振器12で発生させ可変移相器23を経た帰還部用搬送波Lo’は、0°/90°移相器22により、同相成分Lo’Iと直交成分Lo’Qに分けられ、それぞれ復調器20、復調器21に入力され、帰還方向同相成分ベースバンド信号Irと帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが、直交復調器19から出力される。加算器2に帰還方向同相成分ベースバンド信号Irが入力されると、同相成分ベースバンド信号IはIrだけ減算され誤差増幅器3に出力する。同様に、加算器6に帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが入力されると、直交成分ベースバンド信号QはQrだけ減算され誤差増幅器7に出力する。
【0005】
以上の構成により負帰還ループが形成され、電力増幅器15で生じる歪みの補正が行われる。ここで、順方向利得をA、帰還方向利得をβとすると、歪改善量は|1+A・β|≒A・β(∵A・β≫1)となる。可変アッテネータ13は、順方向利得制御回路26によりあらかじめ適切な減衰量に設定し、順方向利得Aを得るようにする。
【0006】
また、カプラ16の出力は、検波ダイオード24により高周波電力に応じた電圧に変換され、電力制御回路25を経て、可変アッテネータ18を制御する。電力制御回路25は、検波ダイオード24の出力電圧が規定の電圧になる様に可変アッテネータ18を制御し、送信出力電力を一定に保つ働きをする。
【0007】
上記のように、順方向部および帰還部に可変アッテネータを有し、送信出力電力を一定に保つようにそれぞれの可変アッテネータを制御するカーテシアンループ方式の送信機として、例えば、特許文献1のようなものがる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−319870号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の従来技術では、温度による電力増幅器の利得の変化が生じた場合、適正な歪改善量が得られず、歪による隣接チャネルへの妨害を生じる。例えば、順方向利得A=70dB、帰還方向利得β=−40dBの場合、歪改善量としてA・β=30dB得られるが、温度変化により順方向利得Aが下がりA=65dBとなった場合、A・β=25dBと歪改善量が5dB低下してしまう。
【0010】
また、温度による検波ダイオードの検波電圧の変化が生じた場合、適正な送信出力の制御が出来なくなってしまい、違法電波である規定値以上の送信出力を行ったり、十分な送信出力が得られず通信障害を生じたりする。
【0011】
本発明の目的は、温度変化による性能の低下を軽減したカーテシアンループ方式送信機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のカーテシアンループ方式送信機は、増幅器および検波部の温度を検知する温度検知手段を少なくとも1つ備え、増幅器の利得が温度変化によらず一定になるように順方向部の可変減衰器を制御する手段と、検波部の温度特性を補正し出力電力が一定になるように帰還方向部の可変減衰器を制御する手段とを具備するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図1により説明する。
【0014】
同相成分入力端子1より入力された同相成分ベースバンド信号Iは、加算器2と誤差増幅器3を経由し変調器4に入力され、同様に、直交成分入力端子5より入力された直交成分ベースバンド信号Qは、加算器6と誤差増幅器7を経由し、変調器8に入力される。直交変調器9は、変調器4、変調器8、0°/90°移相器10、および加算器11から構成され、発振器12で作られた搬送波Lo信号は、0°/90°移相器10により同相成分LoIと直交成分LoQに分けられ、それぞれ変調器4、変調器8に入力され、それらの出力は加算器11で加算され、直交変調が行われる。直交変調器9で直交変調された送信信号は、可変アッテネータ13を経てフィルタ14にて不要成分を除去された後、電力増幅器15により所要電力まで増幅され、カプラ16を経てアンテナ17から出力される。
【0015】
一方、カプラ16により取り出された送信信号の一部は、可変アッテネータ18を経て直交復調器19に入力される。直交復調器19は、復調器20、復調器21、および0°/90°移相器22から構成される。発振器11で発生させ可変移相器23を経た帰還部用搬送波Lo’は、0°/90°移相器22により同相成分Lo’Iと直交成分Lo’Qに分けられ、それぞれ復調器20、復調器21に入力され、帰還方向同相成分ベースバンド信号Irと帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが、直交復調器19から出力される。加算器2に帰還方向同相成分ベースバンド信号Irが入力されると、同相成分ベースバンド信号IはIrだけ減算され、誤差増幅器3へ出力される。同様に、加算器6に帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが入力されると、直交成分ベースバンド信号QはQrだけ減算され、誤差増幅器7へ出力される。可変アッテネータ13は、順方向利得制御回路29によりあらかじめ適切な減衰量に設定され、適切な順方向利得が得られるようにする。
【0016】
また、カプラ16の出力は、検波ダイオード24により高周波電力に応じた電圧に変換され、電力制御回路28を経て、可変アッテネータ18を制御する。電力制御回路28は、検波ダイオード24の出力電圧が規定の電圧になる様に可変アッテネータを制御し、送信出力電力を一定に保つ働きをする。
【0017】
ここで、電力増幅器15の利得が図3の実線に示すような温度特性をもっている場合、その温度特性を補正する様に順方向利得制御回路29を動作させる。図3に示す例では、−20℃における利得が+25℃に比べ3dB低下している。この低下を補うためには、順方向の利得を温度により一点鎖線のように補正し、補正後の利得特性を温度に係わらず一定にする必要がある。このため、可変アッテネータ13の減衰量を、図4に示すように温度による電力増幅器のゲイン変動を補正するよう、順方向利得制御回路29により可変アッテネータ13を制御する。
【0018】
図5に順方向制御回路26の一例を示す。この例の順方向制御回路は、アナログ・デジタル変換器(以下、A/Dコンバータと称する)30と、CPU31と、ROM32と、デジタル・アナログ変換器(以下、D/Aコンバータと称する)33により構成されている。以下、動作を説明する。
【0019】
温度センサ27から出力された温度に応じた電圧は、A/Dコンバータ30でデジタル信号に変換され、CPU31に入力される。ROM32には図4に示す減衰量の補正データが記憶されており、CPU31は、常温時の減衰量に現在の温度に対応した補正データを加減することにより、可変アッテネータ13の制御信号を補正する。CPU31から出力されたデジタルの補正信号は、D/Aコンバータ33によりアナログの制御電圧に変換され、可変アッテネータ13の減衰量を制御する。
【0020】
以下、本発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、検波ダイオード24が温度特性をもっている場合の補正方法に関するものである。
【0021】
検波ダイオード24の検波電圧が図6の様な温度特性をもっている場合、温度補正を行わないと送信出力電力は図7のような特性になってしまい、送信出力電力は一定ではなくなる。その温度特性を補正し、送信出力電力が一定になるように電力制御回路28を動作させる。図6の例では、+25℃での規定電力時の検波電圧が1.2Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.2Vになるように可変アッテネータ18を制御する。また、−20℃での規定電力時の検波電圧が1.0Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.0Vになるように可変アッテネータ18を制御する。
【0022】
図8に電力制御回路28の一例を示す。この例の電力制御回路は、2つのA/Dコンバータ34、36と、CPU35と、ROM37と、D/Aコンバータ38により構成されている。以下、動作を説明する。
【0023】
検波ダイオード24から出力された検波電圧は、A/Dコンバータ34でデジタル信号に変換され、CPU35に入力される。また、温度センサ27から出力された温度に応じた電圧は、A/Dコンバータ36でデジタル信号に変換され、CPU35に入力される。ROM37には図6に示される検波ダイオード24の検波出力の温度特性が記憶されており、CPU35は、このROM37を用いて、温度センサ27からの温度情報を基に、現在の温度における規定電力の検波電圧値を求める。更にCPU35は、検波ダイオード24からの検波電圧が、求められた検波電圧値と同じレベルになるよう、可変アッテネータ18への制御信号を生成する。CPU35から出力されたデジタルの制御信号は、D/Aコンバータ38によりアナログの制御電圧に変換され、可変アッテネータ18の減衰量を制御する。
【0024】
以下、本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例は、電力増幅器の利得が温度特性をもっている場合と、検波ダイオード24が温度特性をもっている場合の補正方法に関するものである。
【0025】
電力増幅器15の利得が図3の実線に示すような温度特性をもっている場合、その温度特性を補正する様に順方向利得制御回路29を動作させる。図3に示す例では、−20℃における利得が+25℃に比べ3dB低下している。この低下を補うためには、順方向の利得を温度により一点鎖線のように補正し、補正後の利得特性を温度に係わらず一定にする必要がある。このため、可変アッテネータ13の減衰量を、図4に示すように温度による電力増幅器のゲイン変動を補正するよう、順方向利得制御回路29により可変アッテネータ13を制御する。
【0026】
また、検波ダイオード24の検波電圧が図6の様な温度特性をもっている場合、温度補正を行わないと送信出力電力は図7のような特性になってしまい、送信出力電力は一定ではなくなる。その温度特性を補正し、送信出力電力が一定になるように電力制御回路28を動作させる。図6の例では、+25℃での規定電力時の検波電圧が1.2Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.2Vになるように可変アッテネータ18を制御する。また、−20℃での規定電力時の検波電圧が1.0Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.0Vになるように可変アッテネータ18を制御する。
【0027】
なお、上記実施例では、1つの温度センサにより電力制御回路28と順方向利得制御回路29を制御しているが、電力制御回路28、順方向利得制御回路29それぞれの回路付近に別々に2つの温度センサを配置し、それぞれの温度センサにより電力制御回路28、順方向利得制御回路29を制御してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明よれば、電力増幅器や検波ダイオードの温度による変化の影響を受けず、安定したカーテシアンループ方式の送信機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】従来例を示すブロック図。
【図3】電力増幅器の送信出力の温度特性。
【図4】可変アッテネータの温度補正特性。
【図5】順方向利得制御回路。
【図6】検波ダイオードの検波出力の温度特性。
【図7】送信出力電力の温度特性。
【図8】電力制御回路。
【符号の説明】1:同相成分入力端子、2:加算器、3:誤差増幅器、4:変調器、5:直交成分入力端子、6:加算器、7:誤差増幅器、8:変調器、9:直交変調器、10:0°/90°移相器、11:加算器、12:発振器、13:可変アッテネータ、14:フィルタ、15:電力増幅器、16:カプラ、17:アンテナ、18:可変アッテネータ、19:直交復調器、20:復調器、21:復調器、22:0°/90°移相器、23:可変移相器、24:検波ダイオード、25:電力制御回路、26:順方向利得制御回路、27:温度センサ、28:電力制御回路、29:順方向利得制御回路、30:A/Dコンバータ、31:CPU、32:ROM、33:D/Aコンバータ、34,36:A/Dコンバータ、35:CPU、37:ROM、38:D/Aコンバータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信機における増幅器の歪補償の一方式であるカーテシアンループ方式の送信機に関し、更に詳しくは、カーテシアンループ方式送信機における温度変化による性能劣化を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例を図2により説明する。
【0003】
同相成分入力端子1より入力された同相成分ベースバンド信号Iは、加算器2と誤差増幅器3を経由し直交変調器9の変調器4に入力され、同様に、直交成分入力端子5より入力された直交成分ベースバンド信号Qは、加算器6と誤差増幅器7を経由し直交変調器9の変調器8に入力される。直交変調器9は、変調器4、変調器8、0°/90°移相器10、および加算器11から構成される。発振器12で作られた搬送波Lo信号は、0°/90°移相器10により同相成分LoIと直交成分LoQに分けられ、それぞれ変調器4、変調器8に入力される。変調器4および変調器8により変調されたそれぞれの出力は、加算器11で加算され、直交変調が行われる。直交変調器9で直交変調された送信信号は、可変アッテネータ13を経て、フィルタ14にて不要成分を除去された後、電力増幅器15により所要電力まで増幅され、カプラ16を経てアンテナ17から出力される。
【0004】
一方、カプラ16は送信信号の一部を取り出し、取り出された信号は、可変アッテネータ18を経て、直交復調器19の復調器20および復調器21に入力される。直交復調器19は、復調器20、復調器21、および0°/90°移相器22から構成される。発振器12で発生させ可変移相器23を経た帰還部用搬送波Lo’は、0°/90°移相器22により、同相成分Lo’Iと直交成分Lo’Qに分けられ、それぞれ復調器20、復調器21に入力され、帰還方向同相成分ベースバンド信号Irと帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが、直交復調器19から出力される。加算器2に帰還方向同相成分ベースバンド信号Irが入力されると、同相成分ベースバンド信号IはIrだけ減算され誤差増幅器3に出力する。同様に、加算器6に帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが入力されると、直交成分ベースバンド信号QはQrだけ減算され誤差増幅器7に出力する。
【0005】
以上の構成により負帰還ループが形成され、電力増幅器15で生じる歪みの補正が行われる。ここで、順方向利得をA、帰還方向利得をβとすると、歪改善量は|1+A・β|≒A・β(∵A・β≫1)となる。可変アッテネータ13は、順方向利得制御回路26によりあらかじめ適切な減衰量に設定し、順方向利得Aを得るようにする。
【0006】
また、カプラ16の出力は、検波ダイオード24により高周波電力に応じた電圧に変換され、電力制御回路25を経て、可変アッテネータ18を制御する。電力制御回路25は、検波ダイオード24の出力電圧が規定の電圧になる様に可変アッテネータ18を制御し、送信出力電力を一定に保つ働きをする。
【0007】
上記のように、順方向部および帰還部に可変アッテネータを有し、送信出力電力を一定に保つようにそれぞれの可変アッテネータを制御するカーテシアンループ方式の送信機として、例えば、特許文献1のようなものがる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−319870号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の従来技術では、温度による電力増幅器の利得の変化が生じた場合、適正な歪改善量が得られず、歪による隣接チャネルへの妨害を生じる。例えば、順方向利得A=70dB、帰還方向利得β=−40dBの場合、歪改善量としてA・β=30dB得られるが、温度変化により順方向利得Aが下がりA=65dBとなった場合、A・β=25dBと歪改善量が5dB低下してしまう。
【0010】
また、温度による検波ダイオードの検波電圧の変化が生じた場合、適正な送信出力の制御が出来なくなってしまい、違法電波である規定値以上の送信出力を行ったり、十分な送信出力が得られず通信障害を生じたりする。
【0011】
本発明の目的は、温度変化による性能の低下を軽減したカーテシアンループ方式送信機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のカーテシアンループ方式送信機は、増幅器および検波部の温度を検知する温度検知手段を少なくとも1つ備え、増幅器の利得が温度変化によらず一定になるように順方向部の可変減衰器を制御する手段と、検波部の温度特性を補正し出力電力が一定になるように帰還方向部の可変減衰器を制御する手段とを具備するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図1により説明する。
【0014】
同相成分入力端子1より入力された同相成分ベースバンド信号Iは、加算器2と誤差増幅器3を経由し変調器4に入力され、同様に、直交成分入力端子5より入力された直交成分ベースバンド信号Qは、加算器6と誤差増幅器7を経由し、変調器8に入力される。直交変調器9は、変調器4、変調器8、0°/90°移相器10、および加算器11から構成され、発振器12で作られた搬送波Lo信号は、0°/90°移相器10により同相成分LoIと直交成分LoQに分けられ、それぞれ変調器4、変調器8に入力され、それらの出力は加算器11で加算され、直交変調が行われる。直交変調器9で直交変調された送信信号は、可変アッテネータ13を経てフィルタ14にて不要成分を除去された後、電力増幅器15により所要電力まで増幅され、カプラ16を経てアンテナ17から出力される。
【0015】
一方、カプラ16により取り出された送信信号の一部は、可変アッテネータ18を経て直交復調器19に入力される。直交復調器19は、復調器20、復調器21、および0°/90°移相器22から構成される。発振器11で発生させ可変移相器23を経た帰還部用搬送波Lo’は、0°/90°移相器22により同相成分Lo’Iと直交成分Lo’Qに分けられ、それぞれ復調器20、復調器21に入力され、帰還方向同相成分ベースバンド信号Irと帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが、直交復調器19から出力される。加算器2に帰還方向同相成分ベースバンド信号Irが入力されると、同相成分ベースバンド信号IはIrだけ減算され、誤差増幅器3へ出力される。同様に、加算器6に帰還方向直交成分ベースバンド信号Qrが入力されると、直交成分ベースバンド信号QはQrだけ減算され、誤差増幅器7へ出力される。可変アッテネータ13は、順方向利得制御回路29によりあらかじめ適切な減衰量に設定され、適切な順方向利得が得られるようにする。
【0016】
また、カプラ16の出力は、検波ダイオード24により高周波電力に応じた電圧に変換され、電力制御回路28を経て、可変アッテネータ18を制御する。電力制御回路28は、検波ダイオード24の出力電圧が規定の電圧になる様に可変アッテネータを制御し、送信出力電力を一定に保つ働きをする。
【0017】
ここで、電力増幅器15の利得が図3の実線に示すような温度特性をもっている場合、その温度特性を補正する様に順方向利得制御回路29を動作させる。図3に示す例では、−20℃における利得が+25℃に比べ3dB低下している。この低下を補うためには、順方向の利得を温度により一点鎖線のように補正し、補正後の利得特性を温度に係わらず一定にする必要がある。このため、可変アッテネータ13の減衰量を、図4に示すように温度による電力増幅器のゲイン変動を補正するよう、順方向利得制御回路29により可変アッテネータ13を制御する。
【0018】
図5に順方向制御回路26の一例を示す。この例の順方向制御回路は、アナログ・デジタル変換器(以下、A/Dコンバータと称する)30と、CPU31と、ROM32と、デジタル・アナログ変換器(以下、D/Aコンバータと称する)33により構成されている。以下、動作を説明する。
【0019】
温度センサ27から出力された温度に応じた電圧は、A/Dコンバータ30でデジタル信号に変換され、CPU31に入力される。ROM32には図4に示す減衰量の補正データが記憶されており、CPU31は、常温時の減衰量に現在の温度に対応した補正データを加減することにより、可変アッテネータ13の制御信号を補正する。CPU31から出力されたデジタルの補正信号は、D/Aコンバータ33によりアナログの制御電圧に変換され、可変アッテネータ13の減衰量を制御する。
【0020】
以下、本発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、検波ダイオード24が温度特性をもっている場合の補正方法に関するものである。
【0021】
検波ダイオード24の検波電圧が図6の様な温度特性をもっている場合、温度補正を行わないと送信出力電力は図7のような特性になってしまい、送信出力電力は一定ではなくなる。その温度特性を補正し、送信出力電力が一定になるように電力制御回路28を動作させる。図6の例では、+25℃での規定電力時の検波電圧が1.2Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.2Vになるように可変アッテネータ18を制御する。また、−20℃での規定電力時の検波電圧が1.0Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.0Vになるように可変アッテネータ18を制御する。
【0022】
図8に電力制御回路28の一例を示す。この例の電力制御回路は、2つのA/Dコンバータ34、36と、CPU35と、ROM37と、D/Aコンバータ38により構成されている。以下、動作を説明する。
【0023】
検波ダイオード24から出力された検波電圧は、A/Dコンバータ34でデジタル信号に変換され、CPU35に入力される。また、温度センサ27から出力された温度に応じた電圧は、A/Dコンバータ36でデジタル信号に変換され、CPU35に入力される。ROM37には図6に示される検波ダイオード24の検波出力の温度特性が記憶されており、CPU35は、このROM37を用いて、温度センサ27からの温度情報を基に、現在の温度における規定電力の検波電圧値を求める。更にCPU35は、検波ダイオード24からの検波電圧が、求められた検波電圧値と同じレベルになるよう、可変アッテネータ18への制御信号を生成する。CPU35から出力されたデジタルの制御信号は、D/Aコンバータ38によりアナログの制御電圧に変換され、可変アッテネータ18の減衰量を制御する。
【0024】
以下、本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例は、電力増幅器の利得が温度特性をもっている場合と、検波ダイオード24が温度特性をもっている場合の補正方法に関するものである。
【0025】
電力増幅器15の利得が図3の実線に示すような温度特性をもっている場合、その温度特性を補正する様に順方向利得制御回路29を動作させる。図3に示す例では、−20℃における利得が+25℃に比べ3dB低下している。この低下を補うためには、順方向の利得を温度により一点鎖線のように補正し、補正後の利得特性を温度に係わらず一定にする必要がある。このため、可変アッテネータ13の減衰量を、図4に示すように温度による電力増幅器のゲイン変動を補正するよう、順方向利得制御回路29により可変アッテネータ13を制御する。
【0026】
また、検波ダイオード24の検波電圧が図6の様な温度特性をもっている場合、温度補正を行わないと送信出力電力は図7のような特性になってしまい、送信出力電力は一定ではなくなる。その温度特性を補正し、送信出力電力が一定になるように電力制御回路28を動作させる。図6の例では、+25℃での規定電力時の検波電圧が1.2Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.2Vになるように可変アッテネータ18を制御する。また、−20℃での規定電力時の検波電圧が1.0Vであるので、温度センサ27からの温度に応じた電圧を基に、電力制御回路28により検波出力が1.0Vになるように可変アッテネータ18を制御する。
【0027】
なお、上記実施例では、1つの温度センサにより電力制御回路28と順方向利得制御回路29を制御しているが、電力制御回路28、順方向利得制御回路29それぞれの回路付近に別々に2つの温度センサを配置し、それぞれの温度センサにより電力制御回路28、順方向利得制御回路29を制御してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明よれば、電力増幅器や検波ダイオードの温度による変化の影響を受けず、安定したカーテシアンループ方式の送信機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】従来例を示すブロック図。
【図3】電力増幅器の送信出力の温度特性。
【図4】可変アッテネータの温度補正特性。
【図5】順方向利得制御回路。
【図6】検波ダイオードの検波出力の温度特性。
【図7】送信出力電力の温度特性。
【図8】電力制御回路。
【符号の説明】1:同相成分入力端子、2:加算器、3:誤差増幅器、4:変調器、5:直交成分入力端子、6:加算器、7:誤差増幅器、8:変調器、9:直交変調器、10:0°/90°移相器、11:加算器、12:発振器、13:可変アッテネータ、14:フィルタ、15:電力増幅器、16:カプラ、17:アンテナ、18:可変アッテネータ、19:直交復調器、20:復調器、21:復調器、22:0°/90°移相器、23:可変移相器、24:検波ダイオード、25:電力制御回路、26:順方向利得制御回路、27:温度センサ、28:電力制御回路、29:順方向利得制御回路、30:A/Dコンバータ、31:CPU、32:ROM、33:D/Aコンバータ、34,36:A/Dコンバータ、35:CPU、37:ROM、38:D/Aコンバータ。
Claims (1)
- 第1の可変減衰器と増幅器を含む順方向部と、第2の可変減衰器を含む帰還方向部と、前記順方向部の出力信号を分離し前記帰還方向部へ出力する分離手段と、該分離手段により分離された出力信号のレベルを検出する検波部と、前記順方向部の入力信号と前記帰還方向部の出力信号を加算し前記順方向部へ出力する加算器とから少なくとも構成され、前記増幅器の歪補償を行う送信機において、
前記増幅器および前記検波部の温度を検知する温度検知手段を少なくとも1つ備え、前記増幅器の利得が前記温度変化によらず一定になるように第1の可変減衰器を制御する手段と、前記検波部の温度特性を補正し出力電力が一定になるように第2の可変減衰器を制御する手段とを具備することを特徴とする送信機。
Priority Applications (1)
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JP2003164744A JP2005005834A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 送信機 |
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Cited By (2)
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JP2009071696A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線送信機 |
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-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003164744A patent/JP2005005834A/ja active Pending
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