以下、実施例に係るパチンコ機に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機1を示す正面図である。図示のパチンコ機1は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠2と、外枠2に固着されたヒンジ3を介して開閉可能に枢着される前枠4とで構成されている。この前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータM1と連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8のほぼ中央には、ランプを内蔵する楕円形のプッシュボタン11が設けられている。なお、このプッシュボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくプッシュボタン11を操作できる。このプッシュボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態が「停止ボタンチャンス」となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。また、上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する残額表示部12aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ12bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ12cとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイ14が配置されている。また、遊技領域5aの適所には、2つの図柄始動口15、大入賞口16、4つの普通入賞口17、左右の通過口であるゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
液晶ディスプレイ14は、大当り状態に係わる特別図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この液晶ディスプレイ14は、中央部に特別図柄表示部DISPと右上部に普通図柄表示部19を有している。普通図柄表示部19は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示される普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
本実施例では、2つの図柄始動口15が設けられているが、下側の図柄始動口は、一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪が所定時間だけ開放されるようになっている。この図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部DISPの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄パターンで停止する。
大入賞口16は、前方に開放可能な開閉板16aで開閉されるが、特別図柄表示部DISPの変動停止後の図柄が「777」などの特別図柄のとき、「大当り」と称される特別遊技が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。また、大入賞口16の内部に特定領域16bがあり、この特定領域16bを入賞球が通過すると、遊技者に有利な特別遊技が継続される。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このとき、遊技球が特定領域16bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域16bを通過していれば、最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
ところで、特別図柄表示部DISPの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。この特定図柄による大当りを「確変大当り」と言いうこともあるが、この実施例では、111〜999の特別図柄のうち、奇数値(111,33,555,777,999)を特に特定図柄として、確変大当り用に使用している。
液晶ディスプレイ14の上部には、7セグメントのLED変動表示部20と、左右の表示ランプ21が設けられている。LED変動表示部20は、通常時は機能していないが、ゲーム状態が「停止ボタンチャンス」になると、特別図柄表示部DISPの変動動作を引き継ぐように、特別図柄表示部DISPに代わって変動動作を開始するようになっている。つまり、ゲーム状態が「停止ボタンチャンス」になると、プッシュボタン11が有効化されると共に、特別図柄表示部DISPの変動図柄が消えて行き、それに伴ってLED変動表示部20の変動表示が開始される。そして、上皿8に設けられたプッシュボタン11が押されると、変動中の数値が、一ケタ毎に停止してゆき、最終的に同一の数字などが揃うと、大当り状態が確定することになる。なお、原則として、数字が揃わない場合にはハズレ状態が確定する。
このLED変動表示部20では、3色LEDを使用しており、その発光色の違いによって、最終的な当否状態を遊技者が推理できるようにしている。この実施例では、LEDランプは、青色、ピンク色、緑色などに発光させている。なお、LED変動表示部20の左右に配置された表示ランプ21は、他の表示ランプと共に、「停止ボタンチャンス」のゲーム状態を盛り上げるものとして点滅する。また、LED変動表示部20と表示ランプ21は、特別図柄表示部DISPの複数回変動表示にわたって連続的に点滅することにより、「大当り」などを予告する予告報知手段としての機能を兼ねている。
図3は、実施例に係るパチンコ機1の全体構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機1は、遊技動作を中心的に制御する主制御基板30と、液晶ディスプレイ14の動作を制御する図柄制御基板31と、LED変動表示部20などのランプ類を点滅動作させるランプ制御基板32と、音声的な遊技演出を実現すると共に、プッシュボタン11やランプ制御基板32の動作を制御する音声制御基板33と、払出モータM2を制御して遊技球を払出す払出制御基板34と、発射モータM1によって遊技球を発射させる発射制御基板35と、AC24Vを受けて装置各部に直流電圧を供給する電源基板36とを中心に構成されている。
主制御基板30、図柄制御基板31、ランプ制御基板32、音声制御基板33、及び、払出制御基板34は、それぞれワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路で搭載されており、図柄制御基板31、音声制御基板33、及び払出制御基板34は、主制御基板1からの制御コマンドを直接受けて個別的な制御動作を実現している。一方、音声制御基板33は、主制御基板30から受けた制御コマンドを、そのままランプ制御基板32に転送すると共に、プッシュボタン11の押圧操作を確認した際には、そのことを示す制御コマンドをランプ制御部32に伝送している。
以下、主制御基板30、図柄制御基板31、ランプ制御基板32、及び音声制御基板33に搭載された回路及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、それぞれ主制御部30、図柄制御部31、ランプ制御部32、及び音声制御部33と称することにする。
図4は、主制御部30の回路構成を示すブロック図である。図示の通り、主制御部30は、ワンチップマイコンからなるCPU回路30aと、CPU動作クロックCLKの整数倍の周波数であるクロック信号Φ0を発生するシステムクロック発生部31bと、CPUからのアドレス信号に基づき各部のチップセレクト信号を生成するデコード回路31cと、CPUからのデータを出力するための出力ポート回路31dと、外部データをCPUが取り込むための入力ポート回路31eと、各サブ制御部31,33,34に制御コマンドを出力する出力駆動回路31fと、遊技盤各部のスイッチ類のON/OFF状態を入力するスイッチ入力回路31gとを中心に構成されている。なお、CPU回路31aには、Z80CPU(Zilog社)相当品のCPUコアが内蔵されている。
図3の構成からなる主制御部30は、図5に示すタイマ割込み処理を所定時間(2mS)毎に実行することによって、パチンコ機1の動作全体を総括的に制御している。以下、図5に基づいて説明すると、タイマ割込みが生じると、各レジスタの内容がスタック領域に退避された後(ST10)、最初に乱数作成処理が行なわれる(ST11)。乱数作成処理とは、普通図柄処理ST19や特別図柄処理ST24における抽選動作で使用される当り用カウンタRGや大当たり用カウンタCTの更新処理を含んでいる。
当り用カウンタRGや大当り用カウンタCTは、ステップST11において、それぞれ所定数値範囲内でインクリメント(+1)処理によって更新され、更新後のカウンタの値は、それぞれ、当り判定用乱数値や大当り判定用乱数値として当否抽選動作で活用される。
具体的には、当り用カウンタRGの値は、遊技球がゲート18を通過した場合に、普通図柄処理(ST19)における抽選動作で使用され、大当り用カウンタCTの値は、遊技球が図柄始動口15を通過した場合に、特別図柄処理(ST24)における抽選動作に使用される。なお、乱数作成処理においては、普通図柄表示部19や特別図柄表示部DISPにおける停止図柄を決定するための、当り図柄用乱数作成処理や、大当り図柄用乱数作成処理も含んでいる。
以上のような乱数作成処理(ST11)が終わると、各遊技動作の時間を管理しているタイマについてタイマ減算処理が行なわれた後(ST12)、図柄始動口15やゲート18の検出スイッチを含む各種スイッチ類の信号が入力され記憶される(ST13)。なお、ステップST12の処理で減算される各タイマは、電動チューリップや大入賞口16の開放時間やその他の遊技演出時間を管理するためのものである。
続いて、この段階で生成されているコマンドを該当するサブ制御部31,33,34に伝送した後(ST14)、エラー管理処理が行われる(ST15)。エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、遊技球が詰まっていないかなど、機器内部に異常が生じていないかの判定である。次に、払出制御部34向けの制御コマンドを作成した後(ST16)、上記の各処理で生成されている制御コマンドを該当するサブ制御部に伝送する(ST17)。
次に、現在が当り中の動作モードでないことを条件に、普通図柄処理を行う(ST19)。普通図柄処理とは、電動チューリップなど、普通電動役物を作動させるか否かの判定を意味する。具体的には、ステップST13のスイッチ入力結果によって遊技球がゲートを通過していると判定された場合に、乱数生成処理(ST11)で更新された当り用カウンタRGを、当り当選値と対比して行われる。そして、対比結果が当選状態であれば当り中の動作モードに変更する。また、当り中となれば、電動チューリップなど、普通電動役物の作動に向けた処理を行う(ST21)。
続いて、必要な制御コマンドを該当するサブ制御部に伝送し(ST22)、現在が大当り中の動作モードでないことを条件に、特別図柄処理を行う(ST24)。特別図柄処理とは、大入賞口16など第1種特別電動役物を作動させるか否かの判定である。具体的には、ステップST13のスイッチ入力結果によって遊技球が図柄始動口15を通過していると判定された場合に、乱数生成処理(ST11)で更新された大当り用カウンタCTを、大当り当選値Hitと対比して行われる。そして、対比結果が当選状態であれば大当り中の動作モードに変更する。また、大当り中となれば、大入賞口など第1種特別電動役物の作動に向けた処理を行う(ST26)。
図6は、特別図柄処理(ST24)における抽選処理について整理したものである。先ず、ステップST11の処理で更新された大当り用カウンタCTの値を、当選値Hitと対比することによって1/Nの確率で大当り状態となるが、より詳細には、1/(aN)の確率で確変大当りとなり、(a−1)/(aN)の確率で非確変(ノーマル)大当りとなる。なお、1−1/Nの大きな確率で殆どの場合はハズレ状態となる。
このように、図柄始動口15に遊技球が入賞する毎に、大当り状態か否かの当否抽選が行われるが(ST24)、抽選結果を直ちに遊技者に報知したのでは娯楽性に欠けるので、抽選結果を報知する前に、数10秒程度の演出時間を設け、液晶ディスプレイ14における図柄変動動作を実施している。また、この図柄変動動作に同期させて音声演出やランプ演出も行っている。このような演出内容は、変動パターン番号で区別されており、図柄始動口15に入賞した後、どの変動パターンの演出を行うかは演出抽選によって決定している。
この実施例の大きな特徴は、停止ボタンチャンスのゲームを演出する変動パターンが存在することである。ここで、停止ボタンチャンスとは、液晶ディスプレイ14での変動動作の途中で、プッシュボタン11の操作に応じてLED変動表示部20の変動を停止させることを可能にしたゲーム状態であり、操作タイミングの適否によって当否が決定されると遊技者に期待させるゲームである。この実施例では、停止ボタンチャンスを演出する変動パターンは、確変当り状態、非確変当り状態、ハズレ状態にそれぞれ複数個用意されているが、図6では、パターン番号がn、m、p、kのものだけ表示している。なお、確変大当りと非確変大当りの場合には、全て停止ボタンチャンスを演出する変動パターンとしても良い。
この実施例では、非確変大当り状態とハズレ状態には、演出動作の最終結論を除く演出内容の要部が共通化された一対の演出動作パターンを設けている。例えば、非確変大当り状態において選択される変動パターンmと、ハズレ状態において選択される変動パターンkでは、演出内容の区切りタイミングや演出時間が同一にされている。また、確変大当り状態と非確変大当り状態には、演出動作の最終結論を除く演出内容の要部が共通化された一対の演出動作パターンを設けている。例えば、確変大当り状態において選択される変動パターンnと、非確変大当り状態において選択される変動パターンpでは、演出内容の区切りタイミングや演出時間が同一にされている。
演出時間には液晶ディスプレイ14における図柄変動(図7のT1〜T4の演出)と、その後のLED変動表示部20における図柄変動(図7のT5〜T8の演出)とがあるが、プッシュボタンの有効化時間(実施例では3秒か5秒)も含め、全ての時間が一致している、したがって、遊技者は、その演出動作中に大当り抽選の抽選結果を断定することができず、期待感をもって変動動作の結論を待ち続けることになる。
なお、ハズレ状態において、変動パターンkなどが選択される確率よりも、非確変大当り状態で変動パターンmなどが選択される確率の方が高く設定されているので、変動パターンkなどの動作が開始されると遊技者は大当り状態の招来を大きく期待することになる。すなわち、変動パターンkなどは、変動終了後の内容を除けば、変動パターンmなどの動作内容と同じであるから、遊技者は変動パターンmなどの演出が始まったと期待することができる。
同様に、ボタンチャンスを伴わない大当り状態の変動パターンを設けている場合には、非確変大当り状態において変動パターンpが選択される確率よりも、確変大当り状態で変動パターンnが選択される確率の方が高く設定されているので、変動パターンpの動作が開始されると、遊技者は、変動パターンが殆ど同一の変動パターンnの演出が始まったと期待できることになる。
また、確変大当り状態に選択される変動パターンでは、変動時間だけでなく、プッシュボタンの有効化時間も長く(例えば5秒)設定されている。但し、変動パターンnなどの停止ボタンチャンスゲームが開始された段階では、少なくとも、非確変大当りは確定しているので、演出時間が長くても遊技者にイライラ感を与えるおそれはない。
以下、演出抽選によって停止ボタンチャンスゲームに当選したものとして図5の説明を続ける。すなわち、スイッチ入力管理処理(ST13)において、遊技球の図柄始動口15への入賞が確認され、特別図柄処理(ST24)の演出抽選では停止ボタンチャンスゲームを演出する変動パターン(m,n,k,pの何れか)に当選したとする。
変動パターンが決定されると、これに対応する制御コマンドが図柄制御部31と音声制御部33に伝送される(ST27)。一方、変動パターンを受けた図柄制御部31では、液晶ディスプレイ14での図柄変動動作を開始し、音声制御部33では、受信した制御コマンドをランプ制御部32に転送すると共に音声演出を開始する。なお、停止ボタンチャンスを意味する変動パターンの制御コマンドを受信した各サブ制御部31〜33は、変動パターンの種別によって、演出内容が具体的に特定されると共に、現状のゲームが確変大当り状態か、非確変大当り状態か、ハズレ状態かを区別できることになる。
いずれにしても、ステップST27の処理の後、ステップST10の処理で退避しておいたレジスタを復帰させてタイマ割込み処理を終える(ST28)。その結果、メインルーチンの処理に戻ることになるが、所定時間(2mS)経過すると、再度ステップST10の処理が開始されるので、ステップST10〜28の処理は、2mS毎の繰り返されることになる。
したがって、先に、停止ボタンチャンスを意味する変動パターンコマンドを送信している場合には、図柄制御部31が図柄変動動作を終えて液晶画面を消灯させた後のタイミングを測って(図7に示す時刻T5)、主制御部30は、ボタン有効化を意味する制御コマンドを音声制御部33に送信することになる(ST14)。なお、主制御部30から変動パターンコマンドを送信せずに、音声制御部33にて自動的にボタン有効化の制御を開始しても良い。その場合、主基制御部30からの最初の変動パターンコマンド受信時から時間を計時して所定時間経過時にボタンを有効化させれば良い。
また、先に、停止ボタンチャンスを意味する変動パターンコマンドを送信している場合には、演出動作が全て終了したタイミングを測って(図7に示す時刻T9)、主制御部30は、演出動作の終了を意味する制御コマンド(変動停止コマンド)を音声制御部33に送信する(ST14)。なお、主制御部30から変動パターンコマンドを送信せずに、音声制御部33にて自動的にLED変動表示部20の演出動作を終了させても良い。その場合、主基制御部30からの最初の変動パターンコマンド受信時から時間を計時して所定時間経過時にLED変動表示部20の演出動作を終了させれば良い。
図7は、停止ボタンチャンスを意味する変動パターンの制御コマンド(変動パターンコマンド)を受けた後の、図柄制御部31、音声制御部33、及びランプ制御部32の動作内容を説明するタイムチャートである。図柄制御部31と音声制御部33は、時刻T1のタイミングで変動パターンコマンドを受け、音声制御部33では、これをランプ制御部32に転送している。
図柄制御部31では、その後、特別図柄表示部DISPにおいて図柄変動動作を開始させるが、図8と図9は、その内容を図示したものである。図8は、変動パターンmか変動パターンkの制御コマンドを受けた場合、図9は、変動パターンnか変動パターンpの制御コマンドを受けた場合を示している。
非確変大当りの変動パターンコマンドを受けた場合には、図柄制御部31は、図7の上段及び図8(a)に図示している通り、時刻T2のタイミングで、左右の変動図柄を同一図柄(例えば「4」)で停止させる。なお、左右の図柄が同一となる状態を「リーチ」と称し、遊技者は大当り状態の招来を期待することになる。
特別図柄表示部DISPの中央の図柄は、その後も変動し続けるが、停止ボタンチャンスゲームに当選している場合には、その後(時刻T4)液晶画面が暗くなり、時刻T5のタイミングで、停止ボタンチャンスゲーム(遊技者にとっては再抽選の動作を意味する)が開始されることが液晶ディスプレイ14に表示される。これに伴って、プッシュボタン11が有効となり、プッシュボタン11を押した場合又はボタン有効から所定時間経過した後にLED変動表示部20が変動パターンコマンドに応じた内容で変動して停止する。
その後、時刻T1に受信した変動パターンコマンドで決まる所定時間後(T8−T1)、変動パターンコマンドに基づき、例えば「666」の当選状態が特別図柄表示部DISPに表示される。また、主制御部30からは、時刻T9のタイミングで変動停止コマンドが送信されてくるので、図柄制御部31は、この変動停止コマンドの受信をもって今回の演出動作を終了させる。なお、時刻T1のタイミングで受けた変動パターンコマンドがハズレ状態の変動パターンコマンドであった場合には、時刻T8のタイミングで、予め決定されているハズレパターン(例えば434)の図柄を表示する。
また、時刻T1のタイミングで確変大当りの変動パターンコマンドを受けた場合には、図柄制御部31は、図9(a)に図示している通り、時刻T2のタイミングでリーチ状態を演出した後、時刻T3のタイミングで、特別図柄表示部DISPに3つの図柄を整列させて(例えば「444」)変動動作を終了させる。この結果、通常なら非確変状態の大当りが確定することになるが、停止ボタンチャンスゲームに当選している場合には、その後(時刻T4)液晶画面が暗くなり、時刻T5のタイミングで、停止ボタンチャンスゲームが開始されることが液晶ディスプレイ14に表示される。これに伴って、プッシュボタン11が有効となり、プッシュボタン11を押した場合又はボタン有効から所定時間経過した後にLED変動表示部20が変動パターンコマンドに応じた内容で変動して停止する。
この動作は、再抽選動作とも称されるゲームモードであり、大当り状態が確定した状態で、更に、確変大当り状態か否かを決定する演出である。但し、実際には、確変大当り状態となるか否かを再抽選することはなく、ステップST24の処理において既に決定されている当選状態の報知タイミングを遅らせているだけである。したがって、時刻T1に受信した変動パターンコマンドで決まる所定時間後(T8−T1)、変動パターンコマンドに基づき、「777」などの確変大当りの当選状態が特別図柄表示部DISPに表示されることになる。
以上の説明から明らかなように、停止ボタンチャンスゲームとは言っても、遊技者のボタン操作によってゲーム抽選結果が左右されることはなく、当選結果を報知するタイミングを遅らせ、時刻T4〜T8までの間の遊技者を楽しく遊ばせるだけである。
以上、図柄制御部31の動作を説明したので、次に、図7と図10に基づいて音声制御部33の動作を説明する。図10に示すように、音声制御部33の動作は、主制御部30が制御コマンドを送信したことに起因して起動される受信割込み処理(a)と、一定時間(2mS)毎に起動されるタイマ割込み処理(b)とを中心に実現されている。
先ず、受信割込み処理(図10(a))について説明すると、音声制御部33では、受信した制御コマンドをバッファ領域に記憶した後(ST30)、その制御コマンドの種別を解析する(ST31)。そして、受信した制御コマンドが変動パターンコマンドである場合には、これをランプ制御部32に転送して処理を終える(ST32)。
一方、ステップST31の判定によって、ボタン有効化コマンドを受信したと解釈された場合には、これを先ずランプ制御部32に転送する(ST33)。次に、プッシュボタン11の押圧操作が有効であることを示す有効化フラグFG1をセットすると共にプッシュボタン11の内蔵ランプを点灯させ、また、ボタン有効タイマの計時動作を開始させる(ST34)。停止ボタンチャンスは、その有効時間が限られているので(変動パターン番号に応じて、例えば、3秒か5秒)、ボタン有効タイマTM1の値によって、その有効時間を管理するためである。
また、ステップST31の判定によって、変動停止コマンドを受信したと解釈された場合には、これをランプ制御部32に転送して処理を終える(ST35)。なお、主制御部30から、これら以外の制御コマンドを受信した場合には、対応する処理を行うが本発明には特に関係しないので説明を省略する。また、ステップST32,ST34,ST35の各タイミングにおいて、適宜な音声演出を開始させるのは勿論である。
続いて、図10(b)に基づいて、音声制御部33におけるタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理では、先ず、ボタン有効タイマTM1の値を更新し(ST40)、有効化フラグFG1の値をチェックする(ST41)。ここで、有効化フラグFG1=1であれば、プッシュボタン11がON動作されているか否を判定する(ST42)。そして、プッシュボタン11がON動作されていれば、ランプ制御部32に向けて、プッシュボタン11のON動作を通知する制御コマンド(停止コマンド)を送信する。
図7の中段には、ボタン有効タイマTM1によって管理されるプッシュボタン(停止ボタン)11の有効期間と、その有効期間中にプッシュボタンがON動作された場合の制御コマンドの送信動作(時刻T6)が図示されている。
図10(b)の説明に戻ると、ステップST44では、ボタン有効タイマTM1の値がタイムアップされたか否か判定され、タイムアップされた場合には、有効化フラグFG1の値がリセットされる(ST45)。したがって、その後のタイマ割込み処理では、プッシュボタン11のON動作がチェックされることはなく、プッシュボタン11の操作は無効となる。なお、タイマ割込み処理では、図示していない各種の処理を設けて音声演出を実現しているが、本発明には直接関係しないので説明を省略する。
図11は、ランプ制御部32における受信割込み処理を説明するフローチャートである。なお、ランプ制御部32では、音声制御部33が制御コマンドを送信することに起因して、図示の割込み処理が起動される。
制御コマンドを受信するとこれを適宜なバッファ領域に保存した後(ST50)、制御コマンドの種別が判定される(ST51)。ここで、受信した制御コマンドが変動パターンコマンドであった場合には、その変動パターン番号にしたがったランプ演出を開始させる(ST52)。なお、実際のランプ演出は、所定時間毎に起動されるタイマ割込み処理(不図示)によって実現される。
一方、ステップST51の判定によって、ボタン有効化コマンドを受信したと判定された場合には、チャンス有効タイマTM2の動作を開始させると共に、停止ボタンチャンスゲームを示す演出動作を開始させる。具体的には、LED変動表示部20の3ケタの数値につき、その変動動作を開始させる。図7下段の時刻T5は、この変動動作の開始を図示している。
また、ボタン有効化コマンドの受信に呼応して、LED変動表示部20の停止図柄(停止数値)の抽選処理を行う。抽選内容は、図7の時刻T1のタイミングで受けた変動パターンコマンドによって区別され、変動パターンkの制御コマンドであれば(図8(b)のハズレ状態)、「332」か「556」の何れかに決定される。また、変動パターンmの制御コマンドであれば(図8(a)の非確変大当り状態)、「333」か「555」の何れかに決定される。但し、揃う数値の違い(「333」か「555」)に係わらず、遊技者に付与される特典は同じである。
一方、変動パターンnや変動パターンpの制御コマンドを受けている場合には(それぞれ図9(a)(b)の場合)、停止図柄(停止数値)が抽選処理されることはなく、LED変動表示部20における停止数値が「777」か「773」に決定される。確変大当り状態であれば「777」とされ、非確変大当り状態であれば「773」と決定されるのである。
何れにしてもステップST53の処理で開始された変動動作は、音声制御部33から停止コマンドを受けるまで持続される。但し、チャンス有効タイマTM2の値は更新されつつ常時監視されており、所定時間経過しても停止コマンドを受けない場合には、適宜なタイミングで3ケタの数値を一斉に停止させるようにしている。この強制停止タイミングは特に限定されないが、液晶ディスプレイ14の確定図柄が表示される時刻T8の後であるのが好ましい。
この強制停止タイミングにおいて、LED変動表示部20に表示される数値は、時刻T1で受けた変動パターンコマンドに応じて、液晶ディスプレイ14に表示される確定図柄と整合するものとする。すなわち、ハズレ状態であれば、例えば「332」か「556」を表示し、非確変大当りであれば、例えば「333」か「555」か「773」を表示し、確変大当りであれば、例えば「777」を表示する。
一方、図11のステップST51の判定において、停止コマンドを受信したと判定された場合には、LED変動表示部のLEDランプについて、その点灯色の抽選処理を行うことがある(ST54)。抽選内容は、図7の時刻T1のタイミングで受けた変動パターンコマンドによって区別され、変動パターンnか、変動パターンmであれば(図8(a)、図9(a)の状態)、「青色」か「ピンク色」の何れかに決定される。なお、点灯色の違いに係わらず、遊技者に付与される特典は同じである。一方、図7の時刻T1のタイミングで、変動パターンpや変動パターンkの制御コマンドを受けている場合には、LEDランプの点灯色が「緑色」と決定される。
ステップST54の処理によって、以上の内容が決定された後、ボタンチャンスフラグFG2をセットし、7セグメントLEDによる変動動作を開始させる(ST55)。LEDランプによる変動動作は、不図示のタイマ割込み処理によって実現されるが、具体的な演出内容は、例えば、図7の下段に図示する通りである。すなわち、停止コマンドを受信した時刻T6のタイミングで、残された時間(T8−T6)を計算し、先ず、左端の数値を停止させた後、適宜なタイミング(時刻T7)で中央の数値を停止させ、最後の時刻T8で右端の数値を停止させる。
全ての数値を停止させるべきタイミング(T8)は、時刻T1のタイミングで受けた変動パターンコマンドによって確定されているので、停止コマンドを受けた時刻T6から時刻T8の時間差を適宜に分割することによって時刻T7を算出し、変動動作を順番に停止させるのである。なお、表示するLEDランプの点灯色や、その数値は、ステップST54の処理によって決定されている。また、停止数値は、「332」か「333」、「556」か「555」、「773」か「777」であるので、左−中−右の順番に数値を停止さることにより、時刻T8まで遊技者を有効に楽しませることができる。
図11の説明に戻ると、ステップST51の判定によって変動停止コマンドを受けたと判定された場合には、演出動作を最終的に終了させる(ST56)。なお、その他の制御コマンドを受けた場合には、対応する処理を行う。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例では、特にLED変動表示部20を設けているが、LED変動表示部20の動作を液晶ディスプレイ14で代用しても良いのは勿論である。また、液晶ディスプレイ14やLED変動表示部20における演出内容も適宜に変更される。
さらに、この実施例では、主制御部30から直接制御コマンドを受ける第1サブ制御部として図柄制御部31と音声制御部33を設け、間接的に制御コマンドを受ける第2サブ制御部としてランプ制御部32に設けたが、特に限定されない。例えば、音声制御部とランプ制御部の位置関係は逆転させても良い。
また、この実施例では、LED変動表示部20と液晶ディスプレイ14とをほぼ同時に停止させているが、LED変動表示部20を停止させた後で液晶ディスプレイ14の変動停止をする制御を採用しても良い。その場合、主制御部30から図柄制御部31と音声制御部33へほぼ同時に出力される変動パターンコマンドを、音声制御部33を介してランプ制御部32にて受信し、ランプ制御部32にて受信時から時間を計時して図柄制御部31の変動が停止する前にLED表示制御部20の変動を自動的に停止させれば良い。つまり、この場合は変動パターンコマンドに対応して変動時間が一義的に決まるように設定しておく。
この実施例では、1回の変動における停止ボタンチャンスは1回のみ発生可能であるが、1回の変動において停止ボタンチャンスが複数回発生するように設定しても良い。例えば、2回発生する場合として、図8(a)に示したチャンスゲームにて1回目の停止ボタンチャンスを実行して大当り報知(T8)をした後、図9に示した再抽選に係る2回目の停止ボタンチャンスを実行(T4)〜(T8)するのも好ましい。
この実施例では、停止ボタンチャンス開始と共にLED変動表示部20が変動を開始してプッシュボタン11を押すと停止するように設定されているが、停止ボタンチャンス開始時はLED変動表示部20を変動させず、ブッシュボタン11を押すと同時に変動を開始して所定時間内(例えば2秒等)で停止するように設定しても良い。