JP4764212B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、中心電極及び接地電極のうち少なくとも一方に貴金属が溶接されてなる内燃機関用スパークプラグに関する。
自動車エンジン等の内燃機関用スパークプラグでは、火花の発生毎に、電極(中心電極及び接地電極)の溶融、飛散、蒸着等が繰り返されながら、電極の消耗が進行していく。これにより、中心電極と接地電極とで形成される火花放電間隙は徐々に広くなり、電極間の火花放電に必要な放電電圧(要求電圧)も徐々に高くなっていく。そして、放電電圧が機関の供給可能電圧を上回ると、電極間の火花放電を発生させることができなくなる。したがって、内燃機関用スパークプラグの長寿命化は、上記火花放電間隙の成長率を低下させることなどにより、放電電圧の経時的な上昇を抑制することで達成できる。
従来のスパークプラグには、火花放電間隙の成長率を低下させるために、電極の放電面に貴金属チップを溶接したものがある。また、中心電極の径を大きくする等、電極のサイズを大きくしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特に、コージェネレーション用のガスエンジン等は、運転負荷が常に高く、また、長時間に亘って運転される。そのため、このようなエンジンにおいては、スパークプラグは厳しい環境下で使用されることになり、その火花放電間隙の成長率が、例えばガソリン自動車用のエンジンに用いられるスパークプラグと比べて高い傾向がある。したがって、上述したように電極のサイズを大きくすることによって、火花放電間隙の成長率を低下させることが有効である。
特開2002−83662号公報
しかしながら、電極のサイズを大きくすることで放電面の面積が大きくなると、火花放電間隙の成長率は低下させられるものの、放電電圧が放電面の面積に影響を受けることから、電極の消耗が進んで火花放電間隙がある程度の距離になると、放電電圧の急激な上昇を招くことになってしまう。結果として、電極のサイズを単に大きくすることだけでは、さらなる長寿命化の要請にこたえられないおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電極の消耗が進んだ場合の放電電圧の上昇を抑制することにより、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることを目的とする。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、中心電極と、当該中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグにおいて、
前記中心電極及び前記接地電極のうち少なくとも一方の電極は、
柱状の電極母材と、当該電極母材の先端に固定される貴金属チップとから構成され、
前記貴金属チップが固定された状態における前記電極母材と前記貴金属チップとの対向面には、前記中心電極と前記接地電極との対向方向に対して傾斜する傾斜対向面が含まれており、
電極の消耗が進むにつれて、前記貴金属チップの前記傾斜対向面に出現するエッジの長さが長くなるよう構成され、
前記傾斜対向面は、前記中心電極と前記接地電極との対向方向に対して縮径する円錐台形状となっており、少なくともそのエッジ部分の一部が前記電極母材に被覆されていることを特徴とする。
上記構成1では、中心電極及び接地電極のうち少なくとも一方が、貴金属チップと、電極母材とから構成されてなる。ここで特に、貴金属チップが固定された状態における電極母材と貴金属チップとの対向面には、中心電極と接地電極との対向方向に対して傾斜する傾斜対向面が含まれている。そして、電極の消耗に伴い、貴金属チップの傾斜対向面に出現するエッジの長さが長くなるようになっている。
電極母材は通常ニッケル(Ni)合金等から構成されており、貴金属に比較すると火花消耗の進行が早い。このため継続使用するにつれて電極の消耗が進み、電極母材と貴金属チップとの間に消耗度合いに較差が生じるようになる。上記構成1によれば、消耗度合いに較差が生じた結果、貴金属チップの傾斜対向面うち、他方の電極に近い側の端面が火花放電間隙を望むように出現する。この部分がエッジである。このエッジの部分では電界傾度が急峻なものとなるため火花放電に要する放電電圧(要求電圧)が低い(いわゆるエッジ効果である。)。本来、電極の消耗によって火花放電間隙が拡大し、要求電圧が上昇してしまう問題が生じるのに対し、本発明では、電極の消耗に伴い出現するエッジによって要求電圧の上昇を相殺することができ、要求電圧の上昇を抑制することができる。これに加え、電極の消耗が進むにつれて出現するエッジの総距離は長くなり、すなわちエッジ効果を得られる部位を増やすことができる。したがって、電極の消耗が進み火花放電間隙が大きくなると、エッジ効果が高くなり、放電電圧(要求電圧)の上昇を抑制することができると共に、選択的に火花放電を生じるエッジ部分が増えるため、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることができる。
また特に、傾斜対向面は、使用以前には少なくともその一部は電極母材に被覆され、すなわち電極母材によって火花放電間隙に露出しておらず、そして、電極の消耗に伴い、貴金属チップの傾斜対向面に出現するエッジの長さが長くなるようになっている。
上記構成によれば、貴金属チップの少なくとも一部を被覆するように電極母材が位置するため、使用初期は電極母材において主に、火花放電が行われる。その後、継続使用により電極の消耗が進み、電極母材と貴金属チップとの間に消耗度合いに較差が生じた結果、電界傾度が急峻となるエッジが出現する。これにより、電極の消耗に伴い出現するエッジによって要求電圧の上昇を相殺することができ、要求電圧の上昇を抑制することができる。これに加え、電極の消耗が進むにつれて出現するエッジの総距離は長くなり、すなわちエッジ効果を得られる部位を増やすことができる。したがって、電極の消耗が進み火花放電間隙が大きくなると、エッジ効果が高くなり、放電電圧(要求電圧)の上昇を抑制することができると共に、選択的に火花放電を生じるエッジ部分が増えるため、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることができる。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1において、前記貴金属チップは、前記電極母材の基端側の溶融部にて溶接固定されていることを特徴とする。
上記構成のスパークプラグはいかなる製造方法によって作製してもよいが、本構成3のように、貴金属チップが電極母材の基端側の溶融部で溶接固定されているものとしてもよい。電極母材の基端側の溶融部で溶接固定すれば、火花放電間隙に露出する傾斜対向面については非接合状態とすることができる。このようにすれば、傾斜対向面の溶融によるエッジ効果の低下を招くおそれがなく、期待したエッジ効果をより確実に得ることができるのである。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成2において、前記一方の電極と前記他方の電極との間に(前記中心電極と前記接地電極との間に)所定電圧が印加されたときに、前記貴金属チップ及び前記電極母材のうち少なくとも一方が前記他方の電極との間に火花放電経路を形成する一方、前記溶融部と前記他方の電極との間に火花放電経路を形成しないことを特徴とする。
溶融部は、貴金属と電極母材を構成する卑金属(例えばニッケル(Ni))合金とが溶融してなるため、貴金属よりもこの溶融部を介した火花放電が生じやすい。そして、溶融部において火花放電が頻発すると、溶融部の消耗を招き、場合によっては、貴金属チップの脱落を招くおそれがある。この点、上記構成3によれば、電極の溶融部は火花放電の基点とならないようにしているため、溶融部を介した火花放電を確実に抑制することができる。なお、この効果を得るための具体例として、例えば対向方向(プラグの長手方向)における溶融部と自身の当初放電面との距離を0.5mmとすることが考えられる。
構成.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記対向方向に対して直交する幅方向に沿った断面における前記貴金属チップの断面積が、少なくとも電極の消耗予定範囲において、当初放電面から遠ざかるほど大きくなっていることを特徴とする。
上記構成によれば、貴金属チップの断面積が少なくとも電極の消耗予定範囲において当初放電面から遠ざかるほど大きくなっているため、電極の消耗が進むほど、火花放電間隙の成長率が抑えられる。結果として、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることができる。
構成.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至のいずれかにおいて、前記火花放電間隙は、0.2mm以上0.6mm以下の範囲であることを特徴とする。
上記構成では、火花放電間隙が0.2mm以上0.6mm以下の範囲で設定されている。このようなスパークプラグは、絶縁破壊強度が高いガスエンジンなどに使用され、電極の消耗が著しいため、上記各構成による効果が際立つ。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、例えばコージェネレーションシステムなどのガスエンジンに使用される「内燃機関用スパークプラグ」としてのスパークプラグ100の構成を示す説明図である。
図1に示すように、スパークプラグ100は、主体金具1と、絶縁体2と、中心電極3と、接地電極4とを備えている。また、特に符号を付さないが絶縁体2の後端側(図1の上側)には、抵抗体やガラスシール体を介して中心電極3に電気的に接続された接続端子等を備えている。主体金具1は筒状をなしており、その内側に絶縁体2が滑石(タルク)やパッキン等を介して保持されている。絶縁体2の先端部21は主体金具1から突出している。また、中心電極3は、その先端を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられている。さらに、接地電極4は、前記主体金具1に対しその基端部が主体金具1の先端面に溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その一側面が中心電極3の先端面と対向するように配置されている。これにより、中心電極3と接地電極4との間に、火花放電間隙gが形成されている。
前記絶縁体2は、例えばアルミナからなるセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を保持するための孔部6が形成されている。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、図示しないエンジンのシリンダヘッドにプラグ100を取り付けるためのねじ部7が形成されている。
図2に示すように、中心電極3及び接地電極4はそれぞれ、電極母材32,42と、その先端部に溶接固定された貴金属チップ31,41とを備えている。電極母材32,42は、Ni合金等で構成されている。また、貴金属チップ31,41は、例えばイリジウム(Ir)を主成分とする合金等により構成されている。そして、この貴金属チップ31,41の対向面が火花の放電面となり、貴金属チップ31,41同士の間隙が、上記火花放電間隙gを形成している。
次に、中心電極3の構成について、図3を参照して説明する。図3(a)は中心電極3の先端部の縦断面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線平断面図であり、図3(c)は、図3(a)のB−B線平断面図である。また、図4は、貴金属チップ31を電極母材32から離脱させた態様を示す説明図である。
中心電極3の貴金属チップ31は、外観が円錐台形状となっており、図3(a)に示すように、板状部31aと、係合部31bとを有している。板状部31aは、電極母材32の先端を覆うように平板状をなしている。係合部31bは、板状部31aの周縁部から軸方向へ延設されている。この係合部31bは、図3(b)及び図3(c)に示すように、電極母材32の基端側へいくほど径方向(同図の左右方向、「幅方向」)に広くなっており、図4に示すように、内側に円錐台形状のスペースS1を形成している。
中心電極3の電極母材32の貴金属チップ31に近い部分では、その先端を除いて円柱状となっており、電極母材32の先端には、被係合部32aが一体形成されている。この被係合部32aは、上記係合部31bにて形成されるスペースS1とほぼ同形状の円錐台形状をなしている(図4等参照)。
そして、係合部31bの内側面と被係合部32aの外側面とが当接するようにして、貴金属チップ31が電極母材32に取り付けられる。ここで、係合部31bの内側面及び被係合部32aの外側面が、軸方向(同図の上下方向、「対向方向」)に対して傾斜する傾斜対向面T1,T2となっている。貴金属チップ31は、その係合部31bの先端外縁部に(電極母材32の基端側に)レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により、溶融部33が形成されることで、電極母材32に対して溶接固定されている(図3(a)参照)。
このように溶融部33によって貴金属チップ31が固定されており、上記傾斜対向面T1,T2は、非接合状態となっている。また、溶融部33は、中心電極3の放電面として火花放電経路の基点とならないように、板状部31aの先端面(当初放電面)から一定距離d1(本実施形態では、0.5mm)だけ離間させられている(図3(a)参照)。
次に、上記のように構成されてなる中心電極3による作用について説明する。図5は、中心電極3が火花放電によって消耗した態様を模式的に示す説明図である。
図5(a)及び(b)に二点鎖線で示すように、中心電極3及び接地電極4の貴金属チップ31,41同士は、当初、0.2mm以上0.6mm以下(本実施形態では0.2mm)の火花放電間隙gを形成するように配置される。このときは、貴金属チップ31の板状部31aの先端面が主として放電面となる。
その後、図5(a)に示すように、貴金属チップ31の板状部31aが消耗すると、係合部31bが放電間隙に出現するのであるが、Ni合金からなる電極母材32の消耗速度が貴金属チップ31の消耗速度よりも大きいため、電極母材32から係合部31bが突出した状態となる。このとき、貴金属チップ31の係合部31bと電極母材32の被係合部32aとの傾斜対向面T1,T2が非接合状態となっているため、突出した係合部31bの傾斜対向面T1の最上部に、エッジEが現れる。このエッジEは、図3(b)から分かるように、平面視略円形状となっている。さらに、図5(b)に示すように、中心電極3の消耗が進むと、貴金属チップ31の傾斜対向面T1に形成されるエッジEは、図3(c)から分かるように、図5(a)に比べて、周長の長いものとなる。また、電極の消耗が進むにつれて、貴金属チップ31の径方向に沿った断面の断面積も大きくなっていく(図3(b)及び図3(c)参照)。
以上詳述したように、本実施形態によれば、当初、貴金属チップ31の板状部31aが放電面となり、火花放電間隙gの成長率が抑えられる。そして、中心電極3の消耗が進むと貴金属チップ31の係合部31bの傾斜対向面T1にエッジEが出現し、このエッジEの部分では電界傾度が急峻なものとなる(いわゆるエッジ効果である)。これにより、火花放電間隙の成長による放電電圧(要求電圧)の上昇を相殺して抑制することができる。そして、中心電極3の消耗が進むにつれて、出現するエッジEは、その周長が長くなっていく。すなわち、エッジ効果を得られる部位を増やすことができる。したがって、中心電極3の消耗が進み火花放電間隙が大きくなると、エッジ効果が徐々に高くなり、放電電圧(要求電圧)の急激な上昇を抑制することができる。さらに、貴金属チップ31径方向に沿った断面の断面積が中心電極3の消耗予定範囲において当初放電面から遠ざかるほど大きくなっているため(図3(b)及び図3(c)参照)、中心電極3の消耗が進んだ段階で、火花放電間隙の成長率が抑えられる。結果として、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることができる。
ところで、溶融部33は、Ni合金と貴金属とが溶融してなるため、この溶融部33,を介した火花放電が生じやすい。そして、溶融部33を介した火花放電が生じると、溶融部33の消耗を招き、場合によっては、貴金属チップ31の脱落を招くおそれがある。この点、本実施形態によれば、貴金属チップ31は、その係合部31bの先端(電極母材の基端側)の溶融部33で溶接固定されている。すなわち、中心電極3の溶融部33が火花放電の放電面として火花放電経路の基点とならないよう当該中心電極3の放電面から一定距離d1だけ離間させて形成されている。したがって、溶融部33を介した火花放電を確実に抑制することができる。その結果、溶融部33の消耗を招きにくく、中心電極3が消耗したとしても、貴金属チップ31の脱落を招くようなことがない。
また、本実施形態のスパークプラグ100は、例えばコージェネレーションシステムなどのガスエンジンに使用されるものである。このようなガスエンジンにおいては、常時運転等によりエンジン負荷の大きな状態が継続する。そのため、電極の消耗が著しく電極サイズが大きくされる傾向にある。したがって、上記構成による効果が際立つ。
[第2実施形態]
本第2実施形態では、上記第1実施形態とは相違する中心電極50を有している。そこで、以下では主として、中心電極50の構成について説明する。図6(a)は、本実施形態における中心電極50の先端部の縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C線平断面図であり、図6(c)は、図6(a)のD−D線平断面図である。また、本実施形態においても中心電極50が貴金属チップ51及び電極母材52を有しているが、図7は、貴金属チップ51を電極母材52から離脱させた態様を示す説明図である。
本実施形態においても、図6(a)に示すように、中心電極50は、貴金属チップ51と電極母材52とを備えている。中心電極50の貴金属チップ51は、図6(a)乃至(c)に示すように、円錐台形状をなしており、電極母材52の基端側へいくほど、径方向(同図の左右方向、「幅方向」)に沿った断面の断面積が大きくなっている。
中心電極50の電極母材52において貴金属チップ51に近い部分は、円柱形状となっている。電極母材52の先端には、係合部52aが設けられており、図7に示すように、この係合部52aにより、貴金属チップ51とほぼ同形状、すなわち円錐台形状のスペースS2が形成されている。
そして、貴金属チップ51が電極母材52の係合部52aに収容された状態で、貴金属チップ51の外側面と電極母材52の係合部52aの内側面とが当接するようにして、貴金属チップ51が電極母材52に取り付けられる。ここで、貴金属チップ51の内側面及び電極母材52の係合部52aの外側面が、軸方向(同図の上下方向、「対向方向」)に対して傾斜する傾斜対向面T3,T4となっている。貴金属チップ51の取り付けは、例えば、最初に電極母材52の先端を径方向に拡開させておき、次に、貴金属チップ51を電極母材52の係合部52aに収容し、続けて、ダイス引きなどによって電極母材52の先端を径方向に縮小することで実現される。もちろん、上記実施形態と同様、貴金属チップ51の最下部の先端外縁部にレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶融部53を形成することで、電極母材52に対して溶接固定してもよい(図6(a)の二点鎖線)。
このように本実施形態では貴金属チップ51が電極母材52の先端に嵌め込まれて固定されているため、貴金属チップ51及び電極母材52の傾斜対向面T3,T4は、非接合状態となっている。
次に、上記のように構成されてなる中心電極50による作用について説明する。図8は、中心電極50が火花放電によって消耗した態様を模式的に示す説明図である。
図8(a)及び(b)に二点鎖線で示すように、中心電極50及び接地電極4の貴金属チップ51,41同士は、当初、0.2mm以上0.6mm以下(本実施形態では0.2mm)の火花放電間隙gを形成するように配置される。このときは、貴金属チップ51の先端面が主として放電面となる。
その後、図8(a)に示すように、中心電極50が消耗すると、Ni合金からなる電極母材52の消耗速度が貴金属チップ51の消耗速度よりも大きいため、電極母材52から貴金属チップ51が突出した状態となる。このとき、貴金属チップ51と電極母材52との傾斜対向面T3,T4が非接合状態となっているため、突出した貴金属チップ51の傾斜対向面T3の最上部に、エッジEが現れる。このエッジEは、図6(b)から分かるように、平面視略円形状となっている。さらに、図8(b)に示すように、中心電極3の消耗が進むと、貴金属チップ51の傾斜対向面T3に形成されるエッジEは、図6(c)から分かるように、上記エッジEよりも周長の長いものとなる。また、中心電極50の消耗が進むにつれて、貴金属チップ51の径方向に沿った断面の断面積も大きくなっていく(図6(b)及び図6(c)参照)。
以上詳述したように、本実施形態によれば、中心電極50の消耗が進むと貴金属チップ51の傾斜対向面T3にエッジEが出現し、いわゆるエッジ効果によって放電電圧(要求電圧)の上昇を抑制することができる。そして、中心電極50の消耗が進むにつれて、出現するエッジEは、その周長が長くなっていく。したがって、中心電極50の消耗が進み火花放電間隙が大きくなると、エッジ効果が徐々に高くなり、放電電圧(要求電圧)の急激な上昇を抑制することができる。さらに、貴金属チップ51の径方向に沿った断面の断面積が中心電極50の消耗予定範囲において当初放電面から遠ざかるほど大きくなっているため、中心電極50の消耗が進んだ段階で、火花放電間隙の成長率が抑えられる。結果として、内燃機関用スパークプラグのさらなる長寿命化を図ることができる。
また、例えばコージェネレーションシステムなどのガスエンジンにおいては、常時運転等によりエンジン負荷の大きな状態が継続する。そのため、電極の消耗が著しく電極サイズが大きくされる傾向にある。したがって、上記構成による効果が際立つ。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施形態では、貴金属チップ31が電極母材32の先端面を覆う板状部31aを備えるものであった。これに対して、図9(a)に示すように、電極母材71が先端面に露出するような、板状部の省略された貴金属チップ61を採用してもよい。
また、上記第1実施形態では、貴金属チップ31の外観が円錐台形状であったが、図9(b)に示すように、外観は円柱形状であって内部に円錐台形状のスペースを有する貴金属チップ62を採用してもよい。
(b)上記第2実施形態では、中心電極50において、貴金属チップ51の形状が円錐台形状であった(図6(a)乃至(c)参照)。しかし、貴金属チップの形状は、これに限定されるものではない。
例えば、図10(a)に示すように円柱状の電極母材73に対し平断面が四角形状となる、四角推台形状の貴金属チップ63を採用してもよい。また、図10(b)に示すように電極母材74に対し平断面が三角形状となる、三角推台形状の貴金属チップ64を採用してもよい。同様に、図10(c)に示すように電極母材75に対し平断面が五角形状となるような貴金属チップ65を採用してもよいし、図10(d)に示すように電極母材76に対し平断面が星形状となるような貴金属チップ66を採用してもよい。特に星形状を採用する場合、電極消耗時に出現するエッジの長さ(周長)が長くなるという点で有利である。
なお、図10(a)〜(d)において、貴金属チップ63〜66と電極母材73〜76との関係を逆転させた構成としてもよい。すなわち、符号63〜66に対応する部分を電極母材(係合部)とし、符号73〜76に対応する部分を貴金属チップとしてもよい。
(c)上記実施形態では、接地電極4は、その先端側が曲げ返されて、その一側面が中心電極3,50の先端部と対向するように配置されていた。これに対し、図11に示すように、接地電極9が中心電極8の側方に配置されるスパークプラグ101においては、次のような接地電極を採用してもよい。
図12(a)及び(b)は、スパークプラグ101の構成を示す図であって、軸方向先端から見た状態を示す説明図である。図12(a)及び(b)に示す各接地電極9は、電極母材92,94の先端に貴金属チップ91,93が溶接固定されたものである。図12(a)に示す貴金属チップ91は、中心電極8に対応するように放電面が曲面とされた板状部91a及び、板状部91の幅方向両端部から延設された2つの係合部91bを有してなる。そして、この係合部91bの内側面が軸方向に対して傾斜する傾斜対向面T5となっている。また、図12(b)に示す貴金属チップ93は、上記貴金属チップ91の板状部91aが省略されており、係合部93bのみを備えてなる。この場合も、係合部93bの内側面が対向方向に対して傾斜する傾斜対向面T6となっている。
(d)また、図9に示すスパークプラグ101は一つの接地電極9を具備しているものであるが、同図における上下左右方向等、任意の方向から複数の接地電極を対向させるようにしてもよい。
(e)上記実施形態では、傾斜対向面T1〜T6においては貴金属チップ31,51,91,93と電極母材32,52,92,94とが当接しているが、非接合状態であれば所定のエッジ効果が得られるため、傾斜対向面T1〜T6に隙間を有する構成としてもよい。
スパークプラグの構成を示す説明図である。 中心電極及び接地電極の配置関係を示す部分拡大図である。 (a)は中心電極の先端部分の縦断面図であり、(b)は、(a)のA−A線平断面図であり、(c)は、(a)のB−B線平断面図である。 貴金属チップを電極母材から離脱させた態様を示す説明図である。 中心電極が火花放電によって消耗した態様を模式的に示す説明図である。 第2実施形態における中心電極の構成を示す断面図であり、(a)は中心電極の先端部分の縦断面図であり、(b)は、(a)のC−C線平断面図であり、(c)は、(a)のD−D線平断面図である。 貴金属チップを電極母材から離脱させた態様を示す説明図である。 第2実施形態における中心電極が火花放電によって消耗した態様を模式的に示す説明図である。 別実施形態の貴金属チップの形状を示す説明図である。 別実施形態の貴金属チップの形状を示す説明図である。 別実施形態における中心電極及び接地電極の配置関係を示す部分拡大図である。 別実施形態の接地電極の構成を示す説明図である。
1…主体金具、2…絶縁体、3,8,50…中心電極、4,9…接地電極、31,41,51,61〜66,91,93…貴金属チップ、31a,91a…板状部、31b,52a,91b,93b…係合部、32,42,52,71〜76,92,94…電極母材、32a…被係合部、33…溶融部,100,101…スパークプラグ、S1,S2…スペース、T1〜T6…傾斜対向面、E…エッジ、g…火花放電間隙。

Claims (5)

  1. 中心電極と、当該中心電極との間に火花放電間隙を有する接地電極とを備えた内燃機関用スパークプラグにおいて、
    前記中心電極及び前記接地電極のうち少なくとも一方の電極は、
    柱状の電極母材と、当該電極母材の先端に固定される貴金属チップとから構成され、
    前記貴金属チップが固定された状態における前記電極母材と前記貴金属チップとの対向面には、前記中心電極と前記接地電極との対向方向に対して傾斜する傾斜対向面が含まれており、
    電極の消耗が進むにつれて、前記貴金属チップの前記傾斜対向面に出現するエッジの長さが長くなるよう構成され、
    前記傾斜対向面は、前記中心電極と前記接地電極との対向方向に対して縮径する円錐台形状となっており、少なくともそのエッジ部分の一部が前記電極母材に被覆されていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
    前記貴金属チップは、前記電極母材の基端側の溶融部にて溶接固定されていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
    前記一方の電極と前記他方の電極との間に所定電圧が印加されたときに、前記貴金属チップ及び前記電極母材のうち少なくとも一方が前記他方の電極との間に火花放電経路を形成する一方、前記溶融部と前記他方の電極との間に火花放電経路を形成しないことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
    前記対向方向に対して直交する幅方向に沿った断面における前記貴金属チップの断面積が、少なくとも電極の消耗予定範囲において、当初放電面から遠ざかるほど大きくなっていることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の内燃機関用スパークプラグにおいて、
    前記火花放電間隙は、0.2mm以上0.6mm以下の範囲であることを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
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