JP4763973B2 - 冷陰極素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷陰極素子及びその製造方法に係り、特に冷陰極として炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子及びその製造方法に関する。
冷陰極素子は、電子を放出する冷陰極を備えた構成とされており、近年、冷陰極には電子放出特性に優れた炭素系微細繊維であるカーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、カーボンナノコイル等が適用されている。このような冷陰極素子は、ディスプレイや撮像素子等に適用されており、ディスプレイに適用した場合には、1つのサブピクセルに対して20〜1000個程度の冷陰極素子が設けられる場合がある。
図1は、冷陰極に炭素系微細繊維を用いた従来の冷陰極素子の断面図である。なお、図1に示した冷陰極素子10は、炭素系微細繊維を化学的気相成長法(以下、CVD法)により形成した場合のものである。
図1に示すように、冷陰極素子10は、大略すると基板11と、カソード電極12と、絶縁層13と、ゲート電極14と、電子を放出する冷陰極である炭素系微細繊維15と、触媒金属17とを有した構成とされている。触媒金属17は、炭素系微細繊維15を析出させるためのものである。
基板11上には、カソード電極12と、触媒金属17と、絶縁層13と、ゲート電極14とが順次形成されている。絶縁層13には、開口部13Aが形成されており、ゲート電極14には、炭素系微細繊維15から放出された電子を通過させるための開口部14Aが形成されている。
カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、カーボンナノコイル等の炭素系微細繊維15を形成する際には、印刷法やCVD法が用いられる。印刷法により炭素系微細繊維15を形成する場合には、あらかじめアーク放電法やレーザ蒸発法により作製した炭素系微細繊維をフィラー等と混合させ、ペースト状にした部材を開口部13A,14Aを介して、カソード電極12に塗布して、炭素系微細繊維15を形成する。なお、印刷法の場合には、図1に示した触媒金属17を設ける必要はない。
また、CVD法により炭素系微細繊維15を形成する場合には、炭素系微細繊維15を形成したいカソード電極12上の領域に触媒となる触媒金属17を形成し、赤外線を照射して基板11を加熱させて、炭素を含むガスと触媒金属17とを反応させることで、触媒金属17から炭素系微細繊維15を析出させることができる(例えば、特許文献1及び2参照。)
特開平10−149760号公報 特開2002−115057号公報
しかしながら、ゲート電極14に形成された開口部14Aの径は小さいため、印刷法により開口部14Aを介してペースト状の部材をカソード電極12上に設けることは困難である。また、開口部14Aを介してペースト状の部材をカソード電極12上に設けることができたとしても、ペースト状の部材がゲート電極14と接触しないようにすることは困難であり、ペースト状の部材を介してゲート電極14とカソード電極12との間が電気的に接続され、ゲート電極14とカソード電極12との間で短絡が発生してしまうという問題があった。
CVD法を用いた場合には、カソード電極12上の微細な領域に触媒金属17を設けて、炭素系微細繊維15を析出させることは可能であるが、炭素系微細繊維15を析出させる際、基板11を赤外線又はヒータ等により加熱するため、基板11面内に温度分布が生じる。この基板11面内の温度分布により、基板11上に設けられた複数の冷陰極素子10の炭素系微細繊維15の成長速度に差が生じて、冷陰極素子10間の電子放出特性が異なってしまうという問題があった。
図2は、炭素系微細繊維とゲート電極とが接触して短絡した冷陰極素子の断面図である。また、成長の遅い炭素系微細繊維15を所望の長さまで成長させた場合、図2に示すように、成長の速い炭素系微細繊維15を有した冷陰極素子において、炭素系微細繊維15とゲート電極14とが接触して、ゲート電極14とカソード電極12との間で短絡が発生してしまうという問題があった。さらに、ゲート電極14とカソード電極12との間に電界を印加して、炭素系微細繊維15から電子を放出させた際、ゲート電極14と対向する炭素系微細繊維15から多くの電子が放出され、この放出された電子がゲート電極14に到達して、冷陰極素子10の電子放出特性が低下してしまうという問題があった。
ここで、図3を参照して、電子放出特性について説明する。図3は、図1に示した従来の冷陰極素子を備えた冷陰極ディスプレイの断面図である。なお、図3に示した電子Bの軌道は模式的に示したものである。冷陰極ディスプレイ20は、基板21と、アノード電極22と、蛍光体23と、複数の冷陰極素子10とより構成されている。基板21には、アノード電極22と、蛍光体23とが順次形成されている。図3中に示した電流Iaはアノード電極22と炭素系微細繊維15との間に流れる電流(アノード電極22に到達する電子Bの量)、電流Ibは炭素系微細繊維15とゲート電極14との間に流れる電流(ゲート電極14に到達する電子Bの量)、電流Iは全体に流れる電流(I=Ia+Ib)をそれぞれ示している。電子放出効率は、Ia/Iで示され、この値が1に近いほど(Iaが大きいほど)電子を放出する効率、つまり電子放出効率が良い。
そこで本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、炭素系微細繊維がゲート電極と接触することによる短絡を低減させると共に電子放出特性を向上させることのできる冷陰極素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明では、ガラス基板上に形成された金属製のカソード電極と、該カソード電極を露出し、開口下端から開口上端までの開口幅が略一定の第1の開口部を有した第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成され、前記第1の開口部に連通し、カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなる突出部により形成される第2の開口部を有した第2の絶縁層と、該第2の絶縁層上に形成され、前記第2の開口部に連通し、前記第2の開口部の最小の開口幅よりも小さい開口幅からなる第3の開口部を有したゲート電極と、前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部によって露出された前記カソード電極上に全体的に形成され、電子を放出する冷陰極である炭素系微細繊維とを備え、前記第1乃至3の開口部の中心は、略同一であり、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とが等しく、成長しすぎた前記炭素系微細繊維を前記突出部と接触させて前記ゲート電極と前記カソード電極との短絡を低減することを特徴とする冷陰極素子により、解決できる。
上記発明によれば、第1の絶縁層上に、最小となる開口幅がゲート電極に設けられた第3の開口部の開口幅よりも大きく、かつカソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなる第2の開口部を有した第2の絶縁層を設けることで、炭素系微細繊維が成長しすぎた際、第2の絶縁層により炭素系微細繊維とゲート電極とが接触することを防いで、ゲート電極とカソード電極との間の短絡を低減することができる。また、炭素系微細繊維から放出された電子により第2の絶縁層を負に帯電させ、ゲート電極に設けられた第3の開口部と対向する炭素系微細繊維からゲート電極に流れる電流を低減させて、電子放出効率を向上させることができる。
請求項2記載の発明では、ガラス基板上に形成された金属製のカソード電極と、該カソード電極を露出し、前記カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に大きくなる第1の開口部を有した第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成され、前記第1の開口部に連通し、カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなり、その後ゲート電極に向かうにつれて開口幅が徐々に大きくなる突出部により形成される第2の開口部を有した第2の絶縁層と、該第2の絶縁層上に形成され、前記第2の開口部に連通し、前記第2の開口部の最小の開口幅よりも小さい開口幅からなる第3の開口部を有したゲート電極と、前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部によって露出された前記カソード電極上に全体的に形成され、電子を放出する冷陰極である炭素系微細繊維とを備え、前記第1乃至3の開口部の中心は、略同一であり、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とが等しく、前記突出部の径は、成長しすぎた前記炭素系微細繊維が接触するように形成されており、成長しすぎた前記炭素系微細繊維を前記突出部と接触させて前記ゲート電極と前記カソード電極との短絡を低減することを特徴とする冷陰極素子により、解決できる。
上記発明によれば、第1の絶縁層上に、最小となる開口幅がゲート電極に設けられた第3の開口部の開口幅よりも大きく、かつカソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなる第2の開口部を有した第2の絶縁層を設けることで、炭素系微細繊維が成長しすぎた際、第2の絶縁層により炭素系微細繊維とゲート電極とが接触することを防いで、ゲート電極とカソード電極との間の短絡を低減することができる。また、炭素系微細繊維から放出された電子により第2の絶縁層を負に帯電させ、ゲート電極に設けられた第3の開口部と対向する炭素系微細繊維からゲート電極に流れる電流を低減させて、電子放出効率を向上させることができる。
請求項3記載の発明では、電子を放出する冷陰極として炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の製造方法であって、金属製のカソード電極上に、第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層の上に、該第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で第2の絶縁層を形成する工程と、該第2の絶縁層上にゲート開口部を有したゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマスクとして、異方性エッチングにより第1及び第2の絶縁層をエッチングして、前記ゲート開口部と連通して前記カソード電極を露出させる第1及び第2の開口部を形成する工程と、該第1及び第2の開口部を形成する前記第1及び第2の絶縁層の側面を前記ゲート開口部を介して等方性エッチングによりエッチングすることにより、前記第1の開口部内では開口下端から開口上端まで開口幅を略一定にするとともに、前記第2の開口部内では開口幅を前記ゲート開口部に向けて徐々に小さくする工程とを備え、前記第1及び第2の開口部を形成する工程において、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とを等しくすることを特徴とする冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、ゲート電極のゲート開口部を介して、第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で形成された第2の絶縁層と第1の絶縁層とを異方性エッチングした後に、第1及び第2の開口部を形成する第1及び第2の絶縁層の側面を等方性エッチングすることで、第1の絶縁層に形成された第1の開口部よりも小さく、かつゲート電極に形成されたゲート開口部よりも大きい第2の開口部を第2の絶縁層に形成することができる。これにより、炭素系微細繊維が成長しすぎた際、第2の絶縁層に炭素系微細繊維を接触させて、ゲート電極とカソード電極との間の短絡を低減することができる。また、炭素系微細繊維から放出された電子により第2の絶縁層を負に帯電させ、ゲート電極に設けられたゲート開口部と対向する炭素系微細繊維からゲート電極に流れる電流を低減させて、電子放出効率を向上させることができる。
請求項4記載の発明では、電子を放出する冷陰極として炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の製造方法であって、金属製のカソード電極上に、第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層の上に、該第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で第2の絶縁層を形成する工程と、該第2の絶縁層上にゲート開口部を有したゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマスクとして、等方性エッチングを行うことにより、前記ゲート開口部を介して、前記第1の絶縁層内に前記カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に大きくなる第1の開口部を形成するとともに、前記第2の絶縁層内にカソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなり、その後前記ゲート電極に向かうにつれて開口幅が徐々に大きくなり、最小の開口幅が前記ゲート開口部よりは大きい突出部により形成される第2の開口部を形成する工程とを備え、前記第1及び第2の開口部を形成する工程において、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とを等しくするとともに、成長しすぎた前記炭素系微細繊維が前記突出部に接触するように前記突出部の径を形成することを特徴とする冷陰極素子の製造方法により、解決できる。
上記発明によれば、第1の絶縁層上に形成され、第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で形成された第2の絶縁層と第1の絶縁層とを等方性エッチングすることにより、第2の絶縁層の第2の開口部の中心に向かって突出する突出部を第2の絶縁層に形成することができる。これにより、炭素系微細繊維が成長しすぎた際、突出部に炭素系微細繊維を接触させて、ゲート電極とカソード電極との間の短絡を低減することができる。また、炭素系微細繊維から放出された電子により突出部を負に帯電させ、ゲート電極に形成された開口部と対向する炭素系微細繊維からゲート電極に流れる電流を低減させて、電子放出効率を向上させることができる。
本発明によれば、炭素系微細繊維がゲート電極と接触することによる短絡を低減させると共に、電子放出特性を向上させることができる。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態)
始めに、図4を参照して、本発明の実施の形態による冷陰極素子30の構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態による冷陰極素子の断面図である。
冷陰極素子30は、大略すると基板31と、カソード電極32と、触媒金属33と、第1の絶縁層34と、第2の絶縁層36と、ゲート電極37と、冷陰極である炭素系微細繊維38とを有した構成とされている。
基板31上には、カソード電極32が形成されている。カソード電極32には、例えばCr、Cu、Al等の金属やその合金を用いることができる。カソード電極32の厚さは、所望の抵抗値から適宜選択することができるが、例えば、100nm〜2μm程度に形成することができる。カソード電極32は、スパッタ法、蒸着法、CVD法、めっき法、印刷法等を用いて形成することができる。
触媒金属33は、カソード電極32上に形成されている。触媒金属33は、炭素系微細繊維38を析出させるためのものである。触媒金属33には、炭素を含むガスに対して触媒作用を有する金属又は合金が用いられ、例えば、Fe,Ni,Co等の遷移金属、Y等の希土類、Pd,Pt,Ir等の貴金属や、これらを含んだ合金や、ITO等を用いることができる。触媒金属33の厚さは、第1の絶縁層34の膜厚と第2の絶縁層36と膜厚とを加算した膜厚に基づき、適宜選択することができ、例えば、1nm〜1μm程度に形成することができる。触媒金属33は、スパッタ法、蒸着法、CVD法、めっき法、印刷法等を用いて形成することができる。なお、カソード電極32と触媒金属33は、必要に応じて複数のライン状にパターニングしても良い。
第1の絶縁層34は、触媒金属33上に形成されている。第1の絶縁層34には、カソード電極32を露出する開口部34Aが形成されており、この開口部34Aには、冷陰極である炭素系微細繊維38が配置される。開口部34Aは、第1の絶縁層34と第2の絶縁層36との界面付近の直径と、第1の絶縁層34と触媒金属33との界面付近の直径とが略同一の大きさである円柱形状とされている。開口部34Aは、等方性エッチング、或いは等方性エッチングと反応性イオンエッチング等の異方性エッチングとを組み合わせたエッチングにより形成することができる。等方性エッチングには、薬液にBHF,HF,熱リン酸等を用いたウエットエッチングや、HFガスを用いたドライエッチングを用いることができる。
第1の絶縁層34は、第2の絶縁層36のエッチングレートよりも大きい材料で形成されている。第1の絶縁層34には、例えば、SiO、SiO、Al等を用いることができる。第1の絶縁層34は、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法等を用いて形成することができる。
第2の絶縁層36は、第1の絶縁層34上に形成されている。第2の絶縁層36は、第1の絶縁層34のエッチングレートよりも小さい材料で形成されている。第2の絶縁層36には、第1の絶縁層34に形成された開口部34Aよりも小さい開口部36Aが形成されている。開口部36Aは、第1の絶縁層34と第2の絶縁層36との界面付近の直径が開口部34Aの直径と略同一の大きさに形成されており、開口部36Aの直径は、カソード電極32から離れるにつれて(開口部34A側からゲート電極37側に向かうにつれて)徐々に小さくなるような形状とされている。また、開口部36Aの中心は、開口部34Aの中心と略同一となるように形成されている。
開口部36Aは、等方性エッチング、或いは等方性エッチングと反応性イオンエッチング等の異方性エッチングとを組み合わせたエッチングにより形成することができる。等方性エッチングには、薬液にBHF,HF,熱リン酸等を用いたウエットエッチングや、HFガスを用いたドライエッチングを用いることができる。
この開口部36Aに露出された第2の絶縁層36には、第1の絶縁層34と第2の絶縁層36との界面からゲート電極37に向かう方向に突出した突出部39が形成されている。この突出部39は、炭素系微細繊維38と対向するゲート電極37の面の少なくとも一部を覆うように形成されている。突出部39は、炭素系微細繊維38と対向する側には傾斜面39Aが形成されている。
第2の絶縁層36には、例えば、SiO、SiO、Al等を用いることができる。第2の絶縁層36は、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法等を用いて形成することができる。
図5は、炭素系微細繊維が成長しすぎた冷陰極素子の断面図である。上記説明したように、第2の絶縁層36に炭素系微細繊維38と対向するゲート電極37の面の少なくとも一部を覆う突出部39を設けることにより、炭素系微細繊維38が成長しすぎた際、図5に示すように、炭素系微細繊維38と突出部39とを接触させて、ゲート電極37とカソード電極32との間の短絡を低減することができる。
図6は、第1及び第2の絶縁層に適用可能な酸化膜とそのエッチングレートを示した図である。第1及び第2の絶縁層34,36には、例えば、図6に示すような酸化膜を適宜組み合わせて用いることができる。
図4に示すように、ゲート電極37は、開口部37Aを有しており、第2の絶縁層36上に形成されている。開口部37Aの直径R1の大きさは、例えば0.1μm〜100μm程度に形成することができる。開口部37Aの開口幅は、第2の絶縁層36に形成された開口部36Aの最小となる開口幅よりも小さくなるよう構成されている。また、開口部37Aの中心は、開口部36Aの中心と略同一となるように構成されている。ゲート電極37には、例えばCr、Cu、Al等の金属やその合金を用いることができる。ゲート電極37の厚さは、所望の抵抗値から適宜選択することができるが、例えば、100nm〜2μm程度に形成することができる。ゲート電極37は、スパッタ法、蒸着法、CVD法、めっき法、印刷法等を用いて形成することができる。なお、ゲート電極37は、必要に応じて複数のライン状にパターニングしても良い。
冷陰極である炭素系微細繊維38は、微細な繊維状の形状に構成されており、
電子を放出するためのものである。炭素系微細繊維38には、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、カーボンナノコイル等を用いることができる。炭素系微細繊維38は、ガス中において赤外線ランプやヒータ等を用いて600℃程度まで基板31を加熱して、触媒金属33から析出させるか、或いは基板31を加熱させた上でプラズマを発生させて、触媒金属33から析出させて形成することができる。上記ガスには、例えば、一酸化炭素、アセチレン、メタン、エチレン等の炭素を含むガスと、ヘリウム、アルゴン、水素、酸素等の希ガスとを混合した混合ガスを用いることができる。
次に、図7乃至図9を参照して、第1実施例の冷陰極素子30を冷陰極ディスプレイに適用した場合を例に挙げて、本実施例の冷陰極素子30の電子放出特性について説明する。図7は、図4に示した冷陰極素子を備えた冷陰極ディスプレイの断面図であり、図8は、ゲート電極とカソード電極との間に電圧を印加した直後(炭素系微細繊維から電子が放出される前の状態)の等電位線を示した図である。また、図9は、炭素系微細繊維から放出された電子により突出部が負に帯電した際の等電位線を示した図である。
なお、図7において、電流Iaは炭素系微細繊維38とアノード電極43との間に流れる電流(アノード電極43に到達する電子の量)、電流Ibは炭素系微細繊維38とゲート電極37との間に流れる電流(ゲート電極37に到達する電子の量)、電流Iは冷陰極ディスプレイ40の全体に流れる電流(I=Ia+Ib)をそれぞれ示している。
また、図8及び図9において、領域D1,D2は突出部39が設けられた領域、領域Cは突出部39が設けられていないゲート電極37と開口部37Aとを含んだ領域、B1,B2は傾斜面39Aが第1の絶縁層34と接触する位置、A1,A2は傾斜面39Aがゲート電極37と接触する位置をそれぞれ示している。さらに、図9の黒丸で示したKは、帯電量を示しており、黒丸の大小は帯電量の違い(例えば、大きい黒丸は小さい黒丸よりも帯電量が多い)を模式的に示している。
冷陰極ディスプレイ40は、大略すると前面板41と、複数の冷陰極素子30とを有した構成とされている。前面板41は、基板42と、アノード電極43と、蛍光体44とを有した構成とされている。基板42上には、アノード電極43が形成されており、アノード電極43上には、蛍光体44が形成されている。前面板41は、蛍光体44が炭素系微細繊維38と対向するよう配置されている。
図8に示すように、ゲート電極37とカソード電極32との間に電圧を印加した直後(炭素系微細繊維から電子が放出される前の状態)では、同図中に示すような形状の等電位線Eが形成される。この等電位線Eは、領域D1,D2において、絶縁層である突出部39の影響により傾斜面39Aに沿うような形状となる。
図8の領域D1,D2に対応する炭素系微細繊維38Aにかかる電界の大きさは、絶縁層である突出部39の影響により、絶縁層の形成されていない領域Cに対応した炭素系微細繊維38Bにかかる電界よりも大きくなる。そのため、領域D1,D2に対応する炭素系微細繊維38Aからは、領域Cに対応した炭素系微細繊維38Bよりも電子Jが放出されやすくなる。また、領域D1,D2の電界は、突出部39が傾斜面39Aを有しているため、A1からB1に向かう方向(又は、A2からB2に向かう方向)に移動するにつれて強くなる。そのため、B1,B2側に位置する炭素系微細繊維38Aの方が、A1,A2側に位置する炭素系微細繊維38Aよりも電子Jを放出しやすくなる。
図9に示すように、炭素系微細繊維38Aから放出され電子Jが突出部39の傾斜面39Aに到達すると、突出部39は負に帯電し、同図に示すような等電位線Fが形成される。突出部39の帯電量は、A1からB1に向かう方向(又は、A2からB2に向かう方向)に対して徐々に大きくなる。
このように、炭素系微細繊維38Aから放出された電子Jにより突出部39を負に帯電させて、突出部39の傾斜面39Aと対向する位置にある炭素系微細繊維38Aから電子Jを放出させにくくすることで、炭素系微細繊維38Aからゲート電極37に流れる電流を減らすことができる。
これにより、炭素系微細繊維38Aから発光に寄与しない電子Jが放出されることを抑制して、冷陰極素子30の電子放出効率を向上させることができる。なお、説明の都合上、領域D1,D2に設けられた炭素系微細繊維に符号38Aを付し、領域Cに設けられた炭素系微細繊維に符号38Bを付したが、炭素系微細繊維38Aと炭素系微細繊維38Bとは同一構成のものである。
以上、説明したように、第1の絶縁層34上に炭素系微細繊維38と対向するゲート電極37の面の少なくとも一部を覆う突出部39を第2の絶縁層36に設けることで、成長しすぎた炭素系微細繊維38を突出部39に接触させ、ゲート電極37とカソード電極32との間の短絡を低減すると共に、電子放出効率を向上させることができる。なお、突出部39の形状は本実施の形態で示した形状に限定されない。
(第1実施例)
図10を参照して、本発明の第1実施例の冷陰極素子30について説明する。図10は、本発明の第1実施例の冷陰極素子の断面図である。冷陰極素子30は、基板31であるガラス基板上に、カソード電極32であるCr膜(膜厚200nm)と、触媒金属33であるFe−Ni合金(膜厚5nm)と、EB蒸着法により形成された第1の絶縁層34であるSiO膜(膜厚2μm)と、TEOSを用いたCVD法により形成された第2の絶縁層36であるSiO膜(膜厚1μm)と、直径R1が5μmの開口部37Aを有したゲート電極37であるCr膜(膜厚200nm)と、炭素系微細繊維38は、グラファイトナノファイバーとが順次形成された構成とされている。第1の絶縁層34であるSiO膜は、第2の絶縁層であるSiO膜よりもエッチングレートの大きい絶縁層である。
第1の絶縁層34であるSiO膜には、開口部34Aが形成されており、この開口部34Aに露出されたCr膜(カソード電極32)上には、炭素系微細繊維38であるグラファイトナノファイバーが形成されている。第2の絶縁層36であるSiO膜は、開口部36Aを有しており、炭素系微細繊維38と対向するゲート電極37の面を覆う突出部39が形成されている。突出部39の炭素系微細繊維38と対向する面には、傾斜面39Aが形成されている。
次に、図11乃至図18を参照して、第1実施例の冷陰極素子30の製造方法について説明する。図11乃至図18は、第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図である。
図11に示すように、基板31であるガラス基板上に、カソード電極32としてCr膜(膜厚200nm)をスパッタリング法により形成した。次に、図12に示すように、カソード電極32であるCr膜上に触媒金属33としてFe−Ni合金(膜厚20nm)をスパッタリング法により形成した。
続いて、図13に示すように、第1の絶縁層34としてEB蒸着法によりSiO膜(膜厚2μm)を形成し、その後、第2の絶縁層36としてTEOSを用いたCVD法によりSiO膜(膜厚1μm)を形成した。EB蒸着法によるSiO膜と、TEOSを用いたCVD法によるSiO膜とのエッチングレートの比較を行った結果、EB蒸着法によるSiO膜(第1の絶縁層34)のエッチングレートは、TEOSを用いたCVD法によるSiO膜(第2の絶縁層36)のエッチングレートの3倍程度であった。
次に、図14に示すように、ゲート電極37となるCr膜(膜厚200nm)をスパッタリング法により形成し、Cr膜上に直径R1が5μmの開口部51を有したレジスト膜52を形成した。続いて、図15に示すように、レジスト膜52をマスクとして、ウエットエッチングによりゲート電極37に直径R1が5μmの開口部37Aを形成した。レジスト膜52は、開口部37Aを形成後に、剥離処理により除去した。
次に、図16に示すように、ゲート電極37であるCr膜をマスクとして、CHFガスプラズマを用いた反応性イオンエッチングにより第1の絶縁層34及び第2の絶縁層36を垂直方向(基板31の面方向に直交する方向)に異方性エッチングして、触媒金属33であるFe−Ni合金を露出する開口部53を形成した。なお、図16において、第1の絶縁層34の側面34Cと第2の絶縁層36の側面36Cとは、開口部53を形成する面を示している。
図17において、L1は、BHFを用いたウエットエッチングによりエッチングされた第1の絶縁層34の幅(以下、幅L1)を示している。続いて、図17に示すように、薬液としてBHFを用いて、幅L1(基板31に対して水平方向の第1の絶縁層34のエッチング量)が1μmとなるよう等方性エッチングであるウエットエッチングを行った。
第1の絶縁層34であるSiO膜は、第2の絶縁層36であるSiO膜の3倍程度のエッチングレートを有しているため、第2の絶縁層36よりも速くエッチングされる。したがって、第1の絶縁層34と接している側の第2の絶縁層の面は、ゲート電極37と接している側の第2の絶縁層の面よりも速い段階でBHFにエッチングされる。
これにより、開口部34Aに露出されたFe−Ni合金(触媒金属33)と対向するゲート電極37の面の一部を覆い、かつFe−Ni合金(触媒金属33)と対向する傾斜面39Aを有した突出部39が形成された。この際、突出部39により覆われていないゲート電極37の幅L2は、0.33μmであった。なお、幅L1,L2の値については、第1及び第2の絶縁層34,36のエッチングレートの比や、膜厚、エッチング時間等を適宜選択することで、所望の値とすることができる。
次に、図18に示すように、一酸化炭素と水素との混合ガス中で基板31の温度を550℃に加熱させて、炭素系微細繊維38を析出させ、所望の長さまで成長させた。
このように製造した本実施例の冷陰極素子30と、比較例として図1に示した従来の冷陰極素子10とについて、カソード電極とゲート電極との間で短絡した冷陰極素子の割合と冷陰極素子の電子放出効率とについて評価を行った。図19は、短絡した冷陰極素子の割合と冷陰極素子の電子放出効率とに関する評価結果を示した図である。
図19に示すように、比較例である従来の冷陰極素子10の短絡の割合は50%以上であったが、本実施例の冷陰極素子30の短絡の割合は5%以下であった。また、比較例である従来の冷陰極素子10の電子放出効率は0.05〜0.5であったが、本実施例の冷陰極素子30の電子放出効率は0.5〜0.8であった。以上の結果から、本実施例の冷陰極素子30を用いることにより、炭素系微細繊維38がゲート電極37と接触することによる短絡を低減できると共に、電子放出効率を向上できることが確認できた。
なお、触媒金属33がウエットエッチングする際に使用する薬液やプラズマに対して耐性がない場合には、図20乃至図24に示すように、第1の絶縁層34の開口部34Aと第2の絶縁層36の開口部36Aとを形成後に、カソード電極32上に触媒金属33を設け、炭素系微細繊維38を形成しても良い。図20乃至図24は、炭素系微細繊維の製造方法を示した図である。図20乃至図24において、図4に示した冷陰極素子30と同一構成部分には、同一符号を付す。始めに、本実施例で説明した製造方法を用いて、図20に示すように、第1の絶縁層34(EB蒸着法によるSiO膜)に開口部34Aと、第2の絶縁層36(TEOSを用いたCVD法によるSiO膜)に開口部36Aとを有した構造体を形成する。
次に、図21に示すように、ゲート電極37であるCr膜(膜厚200nm)上にレジスト膜55を形成する。続いて、図22に示すように、レジスト膜55上とカソード電極32であるCr膜(膜厚200nm)上とに触媒金属33であるFe−Ni合金(膜厚20nm)を形成する。続いて、図23に示すように、濃度が10%の水酸化ナトリウム溶液によりレジスト膜55を溶解させて、レジスト膜55と共にレジスト膜55上に形成された触媒金属33であるFe−Ni合金の除去を行う。その後、図24に示すように、カソード電極32上に形成された触媒金属33から炭素系微細繊維38を析出させ、所望の長さまで成長させる。
このように、第1の絶縁層34の開口部34Aと第2の絶縁層36の開口部36Aとを形成後に、カソード電極32上に触媒金属33を設けて、炭素系微細繊維38を形成することで、ウエットエッチングする際に使用する薬液やプラズマにより触媒金属33が損傷することを防止できる。
(第2実施例)
図25を参照して、第2実施例の冷陰極素子60について説明する。図25は、本発明による第2実施例の冷陰極素子の断面図である。なお、第2実施例の冷陰極素子60は、第1実施例の冷陰極素子30の変形例であるので、図25において、図4に示した冷陰極素子30と同一構成部分には同一の符号を付す。
冷陰極素子60は、基板31であるガラス基板上に、カソード電極32であるCr膜(膜厚200nm)と、触媒金属33であるFe−Ni合金(膜厚20nm)と、EB蒸着法により形成された第1の絶縁層34であるSiO膜(膜厚2μm)と、TEOSを用いたCVD法により形成された第2の絶縁層36であるSiO膜(膜厚1μm)と、直径R1が5μmの開口部37Aを有したゲート電極37であるCr膜(膜厚200nm)と、炭素系微細繊維38であるグラファイトナノファイバーとが順次形成された構成とされている。EB蒸着法によるSiO膜(第1の絶縁層34)のエッチングレートは、TEOSを用いたCVD法によるSiO膜(第2の絶縁層36)のエッチングレートの3倍程度の大きさである。
第1の絶縁層34であるSiO膜には、下に凸んだ形状の開口部58が形成されており、この開口部58に露出されたカソード電極32上には炭素系微細繊維38であるグラファイトナノファイバーが形成されている。開口部58は、第1の絶縁層34と第2の絶縁層36との界面からカソード電極32に向かうにつれて徐々に直径が小さくなるような形状とされている。
第2の絶縁層36であるSiO膜は、開口部59を有している。開口部59は、カソード電極32から離れるにつれて徐々に小さくなり、その後ゲート電極37に向かって徐々に大きくなるよう構成されている。この開口部59に露出された第2の絶縁層36には、開口部59の中心に向かって突出した突出部57が形成されている。この突出部57は、炭素系微細繊維38と対向する面に傾斜面57Bを有した構成とされている。この突出部57は、先の第1実施例で説明した突出部39と同様の機能を果たすものである。
突出部57の先端部においての開口部59の直径R3は、ゲート電極37の開口部37Aの直径R1よりも大きく、かつ第1の絶縁層34と第2の絶縁層36との界面付近の開口部58の直径R2よりも小さくなるよう構成されている。また、開口部37A,58,59の中心は、略同一となるように構成されている。
次に、図26乃至図28を参照して、第2実施例の冷陰極素子60の製造方法について説明する。図26乃至図28は、第2実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図である。なお、図27に示したL3は、第2の絶縁層36と第1の絶縁層34とが接触する位置を基準とした際の突出部57の突出量(以下、突出量L3)を示している。また、図26乃至図28において、図4に示した冷陰極素子30と同一構成部分には同一の符号を付す。
先の図11乃至図15に示した製造工程と同様な手法を行って、図26に示すように、ゲート電極37であるCr膜に直径R1が5μmの開口部37Aを有した構造体を形成した。次に、図27に示すように、薬液にBHFを用いたウエットエッチングにより、第1の絶縁層34(EB蒸着法により形成されたSiO膜)と第2の絶縁層36(TEOSを用いたCVD法により形成されたSiO膜)とを等方性エッチングして触媒金属33を露出させた。このエッチングにより、最初のうちは第2の絶縁層36のみがエッチングされるが、第1の絶縁層34が露出されてBHFにさらされると、第2の絶縁層36の3倍程度の速度で第1の絶縁層34がエッチングされる。これにより、触媒金属33を露出する下に凸んだ開口部58が第1の絶縁層34に形成されると共に、第1の絶縁層の面62とゲート電極37との間に突出した突出部57が第2の絶縁層36に形成される。突出部57は、第1の絶縁層34と対向する面に傾斜面57Bを有している。この突出部57は、先の第1実施例で説明した突出部39と同様の機能を果たすものである。なお、突出部57の突出量L3は、第1及び第2の絶縁層34,36のエッチングレートの比や、膜厚、エッチング時間等を適宜選択することで、所望の値とすることができる。
次に、図28に示すように、一酸化炭素と水素とを混合した混合ガス中で、赤外線ランプにより基板31を550℃に加熱して、触媒金属33であるFe−Ni合金から微細な炭素系微細繊維38であるグラファイトナノファイバーを析出させ、所望の長さまで成長させる。
以上、説明したような製造方法を用いて、第2の絶縁層36に開口部36Aの中心に向かって突出した突出部57を設けることで、長く成長しすぎた炭素系微細繊維38がゲート電極37と接触して短絡することを抑制すると共に、冷陰極素子60の電子放出効率を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。なお、ゲート電極37の開口部37Aは、円形のみに限定されない。また、第1及び第2の絶縁層34,36に形成される開口部の形状も上記実施例の形状に限定されない。
本発明は、炭素系微細繊維がゲート電極と接触することによる短絡を低減させると共に、電子放出特性を向上させることができる冷陰極素子及びその製造方法に適用できる。
冷陰極に炭素系微細繊維を用いた従来の冷陰極素子の断面図である。 炭素系微細繊維とゲート電極とが接触して短絡した冷陰極素子の断面図である。 図1に示した従来の冷陰極素子を備えた冷陰極ディスプレイの断面図である。 本発明の実施の形態による冷陰極素子の断面図である。 炭素系微細繊維が成長しすぎた冷陰極素子の断面図である。 第1及び第2の絶縁層に適用可能な酸化膜とそのエッチングレートを示した図である。 図4に示した冷陰極素子を備えた冷陰極ディスプレイの断面図である。 ゲート電極とカソード電極との間に電圧を印加した直後(炭素系微細繊維から電子が放出される前の状態)の等電位線を示した図である。 炭素系微細繊維から放出された電子により突出部が負に帯電した際の等電位線を示した図である。 発明の第1実施例の冷陰極素子の断面図である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その1)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その2)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その3)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その4)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その5)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その6)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その7)である。 第1実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その8)である。 短絡した冷陰極素子の割合と冷陰極素子の電子放出効率とに関する評価結果を示した図である。 炭素系微細繊維の製造方法を示した図(その1)である。 炭素系微細繊維の製造方法を示した図(その2)である。 炭素系微細繊維の製造方法を示した図(その3)である。 炭素系微細繊維の製造方法を示した図(その4)である。 炭素系微細繊維の製造方法を示した図(その5)である。 本発明による第2実施例の冷陰極素子の断面図である。 第2実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その1)である。 第2実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その2)である。 第2実施例の冷陰極素子の製造工程を示した図(その3)である。
符号の説明
10,30,60 冷陰極素子
11,21,31,42 基板
12,32 カソード電極
13 絶縁層
13A,14A,34A,36A,37A,53,58,59 開口部
14,37 ゲート電極
15,38,38A,38B 炭素系微細繊維
17,33 触媒金属
20,40 冷陰極ディスプレイ
22,43 アノード電極
23,44 蛍光体
34 第1の絶縁層
34C,36C 側面
36 第2の絶縁層
39,57 突出部
39A,57A 傾斜面
41 前面板
52,55 レジスト膜
62 面
B,J 電子
C,D1,D2 領域
E,F 等電位線
Ia,Ib,I 電流
L1,L2 幅
L3 突出量
R1〜R3 直径

Claims (4)

  1. ガラス基板上に形成された金属製のカソード電極と、
    該カソード電極を露出し、開口下端から開口上端までの開口幅が略一定の第1の開口部を有した第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、前記第1の開口部に連通し、カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなる突出部により形成される第2の開口部を有した第2の絶縁層と、
    該第2の絶縁層上に形成され、前記第2の開口部に連通し、前記第2の開口部の最小の開口幅よりも小さい開口幅からなる第3の開口部を有したゲート電極と、
    前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部によって露出された前記カソード電極上に全体的に形成され、電子を放出する冷陰極である炭素系微細繊維と
    を備え、
    前記第1乃至3の開口部の中心は、略同一であり、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とが等しく、
    成長しすぎた前記炭素系微細繊維を前記突出部と接触させて前記ゲート電極と前記カソード電極との短絡を低減することを特徴とする冷陰極素子。
  2. ガラス基板上に形成された金属製のカソード電極と、
    該カソード電極を露出し、前記カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に大きくなる第1の開口部を有した第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成され、前記第1の開口部に連通し、カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなり、その後ゲート電極に向かうにつれて開口幅が徐々に大きくなる突出部により形成される第2の開口部を有した第2の絶縁層と、
    該第2の絶縁層上に形成され、前記第2の開口部に連通し、前記第2の開口部の最小の開口幅よりも小さい開口幅からなる第3の開口部を有したゲート電極と、
    前記第1の開口部、前記第2の開口部、及び前記第3の開口部によって露出された前記カソード電極上に全体的に形成され、電子を放出する冷陰極である炭素系微細繊維と
    を備え、
    前記第1乃至3の開口部の中心は、略同一であり、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とが等しく、前記突出部の径は、成長しすぎた前記炭素系微細繊維が接触するように形成されており、
    成長しすぎた前記炭素系微細繊維を前記突出部と接触させて前記ゲート電極と前記カソード電極との短絡を低減することを特徴とする冷陰極素子。
  3. 電子を放出する冷陰極として炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の製造方法であって、
    金属製のカソード電極上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層の上に、該第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で第2の絶縁層を形成する工程と、
    該第2の絶縁層上にゲート開口部を有したゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極をマスクとして、異方性エッチングにより第1及び第2の絶縁層をエッチングして、前記ゲート開口部と連通して前記カソード電極を露出させる第1及び第2の開口部を形成する工程と、
    該第1及び第2の開口部を形成する前記第1及び第2の絶縁層の側面を前記ゲート開口部を介して等方性エッチングによりエッチングすることにより、前記第1の開口部内では開口下端から開口上端まで開口幅を略一定にするとともに、前記第2の開口部内では開口幅を前記ゲート開口部に向けて徐々に小さくする工程とを備え、
    前記第1及び第2の開口部を形成する工程において、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とを等しくすることを特徴とする冷陰極素子の製造方法。
  4. 電子を放出する冷陰極として炭素系微細繊維を備えた冷陰極素子の製造方法であって、
    金属製のカソード電極上に、第1の絶縁層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層の上に、該第1の絶縁層よりもエッチングレートの小さい材料で第2の絶縁層を形成する工程と、
    該第2の絶縁層上にゲート開口部を有したゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極をマスクとして、等方性エッチングを行うことにより、前記ゲート開口部を介して、前記第1の絶縁層内に前記カソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に大きくなる第1の開口部を形成するとともに、前記第2の絶縁層内にカソード電極から離れるにつれて開口幅が徐々に小さくなり、その後前記ゲート電極に向かうにつれて開口幅が徐々に大きくなり、最小の開口幅が前記ゲート開口部よりは大きい突出部により形成される第2の開口部を形成する工程とを備え、
    前記第1及び第2の開口部を形成する工程において、前記第1の開口部の前記第2の開口部側の開口幅と、前記第2の開口部の前記第1の開口部側の開口幅とを等しくするとともに、成長しすぎた前記炭素系微細繊維が前記突出部に接触するように前記突出部の径を形成することを特徴とする冷陰極素子の製造方法。
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