JP4762472B2 - 血液学的アッセイ及び試薬 - Google Patents

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Description

【0001】
背景
本発明は、一般的に凝固カスケードとして既知の、極めて複雑な一連の相互作用を含む、Williams and Wilkins出版のThrombosis and Hemorrhage,Sec.Ed.,1998に充分に記載されている血液凝固の過程に関する。それは、凝固へと向かう一連の連続的なタンパク質分解作用、及び凝固の終結又は阻害と関連した相補的な一連の阻害作用を含む。本発明をよりよく理解するため、図1は、血液凝固カスケードの一部を示している。凝固の活性化は、異なる経路に沿って起こるが、そのうちの2つ、内因系経路及び外因系経路が図示されている。これらは、収束し、血餅形成へと至る共通の経路を形成する。凝固因子は、不活型チモーゲン又は不活型補因子であり、活性プロテアーゼにより分解された場合に、活性化され(下付の「a」により示される)、次いで、カスケード内の次のチモーゲン又は補因子の前駆体を活性化する。
【0002】
外因系経路においては、傷害を受けた組織が組織因子を露出させ、組織因子がVII因子を活性型VIIaへと活性化する。組織因子及びVIIa因子が、複合体を形成し、共通経路においてX因子を活性化する。
【0003】
内因系経路においては、負の電荷を有する表面が、血流中のXII因子及びプレカリクレインの作用に曝される。XII因子がXIIa因子へと活性化され、それがXI因子をXIa因子へと活性化する。XIa因子は、IX因子をIXa因子へと活性化する。X因子を活性化するテナーゼ複合体の形成には、IXa因子、VIIIa因子、リン脂質、及び遊離カルシウムイオンが必要である。
プロトロンビンをトロンビンへと活性化するプロトロンビナーゼ複合体の形成には、Xa因子、Va因子、リン脂質、及び遊離カルシウムイオンが必要であり、本発明は、より具体的にはこのプロトロンビナーゼ複合体に関する。
【0004】
トロンビンは、凝固の「キー酵素」であり、多くの正及び負のフィードバック作用と関連しており、血液の凝血過程そのものとも関連している。正のフィードバックには、V因子、VIII因子、及びXI因子の活性化が含まれる。負のフィードバックには、トロンボモジュリンの存在下でのプロテインCの活性化が含まれる。凝血過程には、フィブリノーゲンのフィブリンへの分解及び血小板の活性化が含まれる。
【0005】
多数の内因性阻害性相互作用が重要であり、イタリック体及び破線で図中に示されている。従って、ヘパリン、ヘパリノイド、及びグリコサミノグリカンにより活性が大きく増強される比較的広域スペクトルの阻害剤、アンチトロンビンは、Xa因子、トロンビン、XIa因子、及びXIIa因子を阻害する。ヘパリンコファクターIIは、トロンビンと結合する比較的特異的な内因性阻害剤であり、その活性もヘパリンによって促進され、さらにデルマタン硫酸によっても促進される。活性化されたプロテインCは、VIIIa因子及びVa因子を不活化する。外因系凝固インヒビター(tissue factor pathway inhibitor)(TFPI)は、Xa因子及びXa因子依存的に組織因子/VIIa因子複合体を阻害する。
【0006】
凝固系の生理学的機能には、活性化因子と阻害因子との適切な平衡が必要である。ある種の状況、例えば血友病又はループスにおいては、必須因子が欠損しているか、又は凝固系を妨害する材料(抗凝固剤)が存在する。
【0007】
動物起源の物質も、凝固因子を妨害する場合がある。例えば、医用ヒルの唾液腺由来のタンパク質であるヒルジンは、極めて強力なトロンビン阻害剤である。ヘビ毒由来のタンパク質は、ある種の因子を刺激し、凝固及び凝血をもたらしうる。特に、いくつかのヘビ毒は、X因子及び/又はV因子を活性化し、抗凝固剤に関するin vitroアッセイにおいて使用されうる。
【0008】
プロトロンビナーゼ複合体及びテナーゼ複合体の形成の、遊離カルシウムイオンの存在に対する依存は、例えばクエン酸塩(又は、その他のイオン性複合体化剤)による、血液試料の一時的な抗凝固を可能にする。これは、凝血を伴わない試料の輸送及び遠心分離を可能にし、該複合体の形成を伴わない、ある種の分析反応の実行も可能にする。
【0009】
その後のリン脂質存在下でのカルシウムイオンの添加は、プロトロンビンからトロンビンへの活性化を即座に刺激しうる。
【0010】
凝固性(出血性合併症の場合)又は抗凝固性(血栓性合併症の予防もしくは治療、及び血液を人工材料と接触させる介入、例えば体外血液循環)の効果を有する物質により血液を処理することが必要である場合は多い。
【0011】
ワルファリン又はその他のクマリン由来経口抗凝固剤のようなビタミンKアンタゴニストにより、長期的な抗凝固を成功させることが可能である。これらの物質は、ある種の凝固因子の形成を妨害することにより、血液の凝固活性の減損をもたらす。しかしながら、それらは既に形成された凝固因子は阻害しないため、安定な抗凝固が達成されるまでには数日を要する。多くの状況においては、迅速な抗凝固が必要である。患者における抗凝固を遂げるための一つの戦法は、活性化された凝固因子の直接的又は間接的な阻害である。ある種の因子の阻害は、血漿由来のアンチトロンビン及び/又はヘパリンコファクターIIを必要とするヘパリン及びヘパリノイド、並びにIIa因子(トロンビン)及びXaの直接的な天然又は合成の阻害剤(例えば、ヒルジン、アルガトロバン、マダニ抗凝固剤)を使用して達成されうる。これらの物質は全て、主に、活性化されたX因子(FXa)及び/又はトロンビンを標的とする。過度に高い抗凝固も、不十分に低い抗凝固も、臓器組織の欠損、又は患者の死すら引き起こし得るため、適切な強度の抗凝固を使用することが重要である。
【0012】
いくつかの抗凝固薬、例えば未分画ヘパリン(UFH)は、高度に可変性の薬力学を有しており、それらの使用は、処置された患者からの血漿をアッセイすることによる患者の状態のモニタリングを必要とし、必要な場合には、個々の抗凝固剤の投与量の適合化を必要とする。
【0013】
低分子量ヘパリン(LMWH)の使用のようないくつかの抗凝固戦法は、通常、薬力学の可変性が比較的低いため、抗凝固効果のモニタリングをルーチンには必要としない。グリコサミノグリカンヘパリン鎖の一部のみを含有するLMWHは、UFHよりも活性が低く、その使用は比較的安全であると見なされる場合が多い。例えば、抗凝固剤処置下での出血性合併症がある場合、(例えば、腎機能不全による)薬物クリアランスの減損が推測されるか、もしくは明白である場合、(例えば、小児もしくは強度に肥満の患者における)異常な薬力学がある場合、又は過小投与量もしくは過剰投与量が推測されるか、もしくは可能性がある場合のように、LMWHにも、薬物効果の実験的判定が必須である場合はある。凝固の延長は、試料中の抗凝固剤の濃度に依存する。
【0014】
欧州薬局方委員会(European Pharmacopeial Commission)は、標準的な抗Xa因子活性(aXa)に関するLMWHの効力評価を採用している。
【0015】
公知の凝固アッセイ
活性化された凝固因子の直接的又は間接的な阻害剤の、凝固に対する効果及び/又は血液もしくは血漿中の濃度を測定するための方法には、
(a)色素原性基質分析を使用した凝固因子(例えば、FIIa及びFXa)の阻害の判定、並びに
(b)いわゆる「凝血法」、例えばaPTTアッセイ(活性化部分トロンポプラスチン時間(activated partial thromboplastin time))、ACTアッセイ(活性化凝血時間(activated clotting time))、TTアッセイ(トロンビン時間)、ECTアッセイ(エカリン(ecarin)凝血時間)、及びHeptest(登録商標)アッセイが含まれる。凝血法は、凝固が異なるプログラムにより活性化されるという事実、及び凝固活性化から試料中の凝血の検出が測定されるまでの時間により特徴付けられる。凝血時間は、適切な較正試薬を用いて較正曲線を確立することにより、直接的な濃度単位へと変換されうる。
【0016】
色素原性基質を使用した抗Xa因子及び抗IIa因子の分析
通常、既定量のIIa因子又はXa因子を含有する試薬に、血漿試料が添加される(ある種のアッセイにおいては、アンチトロンビンも添加される)。インキュベーション期間中、Xa/IIa因子が、抗凝固剤そのものにより、又は抗凝固剤と内因性もしくは外因性のアンチトロンビンとの複合体により、部分的に不活化される。色素原性基質が、添加され、残存Xa/IIa因子により分解されて光学的濃度を増強し、それが光学的に検出される。較正曲線を使用して、Xa/IIa因子活性又は抗凝固剤濃度が計算される。
【0017】
これらの方法は、抗凝固剤濃度の特異的な判定を可能にする。しかしながら、それらは、比較的高コストであり、専門の装置を必要とし、従って臨床実務において広く適用されてはいない。さらに、抗凝固剤と患者の凝固系との相互作用は判定されず、in vivoの状況は直接的には反映されない。
【0018】
aPTTアッセイ
血液又は(通常)血漿試料が、接触アクチベーター(しばしば、エラグ酸、セライト、又はカオリンのような負の電荷を有する表面を有する物質)及びリン脂質を含有する試薬に添加され、カルシウムイオンの非存在下で2〜10分間インキュベートされる。Ca2+の試料への添加から、フィブリン形成までの記録された時間が、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)である。
【0019】
aPTTアッセイは、広く利用可能な試験であり、凝血法が単純で、抗凝固療法のモニタリングのための大きな経験基礎が存在するという利点を有する。aPTTは比較的乏しく標準化されている方法であるにも関わらず、未分画ヘパリン(UFH)のモニタリングに頻繁に利用されているが、LMWHは、乏しい応答性のため、このアッセイではモニターされ得ない。LMWHに対する低い感度に加え、アッセイは、ヒルジンのような直接的なトロンビン阻害剤との非直線的な用量応答関係、UFHに対する過剰に高い感度、異なる装置、試薬間、同一試薬ですら異なるロット間の乏しい標準化という欠点を有する。ヘパリンに関する用量応答曲線も、直線的ではない。
【0020】
aPTTアッセイのメカニズムに関して、接触活性化による凝固(いわゆる、接触相)の開始は、体内での生理学的な止血経路の一部ではないことに言及しなければならない。接触相は、標準化が困難であり、それが、アッセイの極めて乏しい標準化の理由の一つである。aPTTアッセイにおける凝固活性化には、多くの因子が参与しており(XII、XI、VIII、IX、X、V、II)、X因子及びII因子の阻害は、ヘパリン、ヘパリノイド、及び直接的阻害剤を使用した抗凝固療法の主要経路であると考えられている。これらの理由から、aPTTアッセイは、患者において達成された抗凝固の極めて現実的な推定を与えることもないし、抗凝固剤処置に対する適切な特異性をもって抗凝固を判定することもない。さらに、アッセイは、ループス性抗凝固因子の存在に対する感度も有する。
【0021】
ECTアッセイ
エカリン凝血時間アッセイは、直接的な抗トロンビン剤の効果のモニタリングに使用される、血餅に基づくアッセイである。エチスカリナツス(Echis carinatus)というヘビの毒から得られる精製されたプロテアーゼであるエカリンは、クエン酸塩の全血及び血漿において、プロトロンビンをメイゾトロンビン(meizothrombin)(トロンビンの前駆体)へと変換し、凝血終点を生じる。ヒルジンのような抗トロンビン剤は、メイゾトロンビンと結合し、エカリン凝血時間を延長させる。ECTアッセイは、試料血漿の低いプロトロンビンレベルにより高度に影響を受ける。
【0022】
ACTアッセイ
この方法は、原則として、カオリン又はセライトへの血液の添加、及び試料中のフィブリン形成までの時間の測定からなる。この方法は、広く利用可能である。それは、心臓血管手術中の高用量ヘパリン処置のモニタリングを可能にする、短い所要時間及び広い測定域を有するポイントオブケア法(point-of-care)である。
【0023】
ACTアッセイは、多くの限界を有する。それは、(色素原性基質分析により判定されるような)抗凝固剤濃度との乏しい相関、比較的低いヘパリン濃度(通常のACTでは0.7U UFH/mlまで)に対する低い感度、LMWHに対する低い感度、長い凝血時間、及び患者の凝固因子に対する極めて強い依存性を有する。臨床的に適用されている異なるACT法の乏しい標準化が存在する。
【0024】
トロンビン時間アッセイ
本方法は、ある量のトロンビンの血漿試料への添加、及び凝血が検出されるまでの時間の判定からなる。本方法は、トロンビン阻害を特異的に判定するという利点を有する。この単純な試験は、血漿中の抗トロンビン活性に関する直接的な測定であるが、乏しい信頼性及び粗悪な標準化のため広く使用されてはいない。さらに、Xa因子阻害の判定は不可能である。狭い測定域は、添加されるトロンビン濃度に強く依存しており、トロンビン濃度、人種、カルシウムの存在、及びトロンビンと試料との容量比に応答して異なる結果が得られうる。
【0025】
Yinによるヘパリンアッセイ(1973年に提唱)
本アッセイは、原則として、クエン酸塩血漿試料のウシXa因子とのインキュベーションに基づく。ある程度のインキュベーション期間の後、リン脂質及びウシ血漿を含有する試薬が添加され、続いて、再石灰化のため塩化カルシウム溶液が添加される。
【0026】
この試験は、凝血法によるLMWH及びUFHの高感度の判定を可能にする。しかしながら、それは、比較的複雑な三段階法であり、ウシ血漿を必要とする(これは、抗凝固剤の効果の現実的な推定を制限する可能性がある)。
【0027】
Heptest(登録商標)アッセイ(Yinアッセイの変法(1987年に提唱)
米国特許第4,946,775号に記載されているこのアッセイは、原則として、血漿又は血液の試料のXa因子とのインキュベーションからなる。ある程度のインキュベーション期間の後、塩化カルシウム、リン脂質、及びウシ血漿画分を含有する試薬が添加され、凝血の検出までの時間が記録される。ウシ血漿画分は、V因子及びフィブリノーゲンに富むことが製造業者により報告されているが、プロトロンビン及びその他の凝固因子は枯渇しており、従って、単独では凝血しない。
【0028】
Yinの原型アッセイと同様に、本方法は、比較的単純な凝血アッセイにおける、LMWH及びUFHの高感度の判定を提供する。しかしながら、Heptest(登録商標)は、ヒルジンのような直接的なトロンビン阻害剤に対する低い感度を有し、ウシ血漿画分の高い標準化が必須であり、ウシ血漿画分の患者の凝固系への影響が、完全に解明されておらず、後述のように、光学シグナルが決定的でないため、光学的分析機におけるその性能は問題となりうる。Heptest(登録商標)は、単純な方法であるが、極めて広くは使用されていない。
【0029】
ヘパリンの化学及び薬理学、並びに前述のようなアッセイは、Thrombosis and Hemorrhage(前掲)、及びKandrotas,R.J.,Heparin Pharmokinetics and Pharmacodynamics,Clin.Pharmacokinet.,第22巻,1992,359-374頁に記載されている。
【0030】
大部分の既知のアッセイが、液状試薬を使用して実施されるが、試薬が乾燥状態で維持される系も、一般的にはポイントオブケア適用のため、開発されている。そのような系の例は、米国特許第4756884号、第4861712号、第5059525号、第5110727号、及び第5300779号、並びにEP−A−680727に記載されている。
【0031】
本発明は、多様な抗凝固剤、特にLMWH、UFH、ヘパリノイド、デルマタン硫酸、天然又は合成のXa因子の阻害剤、及びアルガトロバン又はヒルジンのようなIIa因子の阻害剤のモニタリングを包含するための、高感度であり、かつ感度が調整可能であり、好ましい実施態様においては、光学的凝固計と共に使用された場合、安定な基線を提供する、単純で信頼性の高い血液学的アッセイを提供することを目的とする。本発明は、後述のように、抗凝固剤処置のモニタリングに加え、多くの用途を有する。
【0032】
以後、以下の定義が使用される。
【0033】
血液凝固能
一般的に述べると、血液凝固能とは、患者の血液が凝固する能力、又はより具体的には凝固因子を活性化又は阻害する能力を表す。これは、便宜上、本明細書において、試料、例えばヒトの全血もしくは血漿、又は他の哺乳動物の全血もしくは血漿を含有する体液の、トロンビン形成もしくは凝血の点へと凝固する能力の、正常値もしくは標準との比較、又はそれらとの比率によって与えられる値と定義される。その値は、例えば、リン脂質及びカルシウムイオンのような1個以上の凝固促進剤の試料への添加による、凝固の誘導から要した時間によって測定されうる。しかしながら、凝固能の指標となる値は、間接的に測定された値、例えば添加された分析補助剤、例えば色素原性基質からの指標値であってもよい(又は、それより推定されてもよい)。これは、例えば、(プロトロンビンをトロンビンへと活性化する)Xa因子のような成分の活性、又はトロンビンの活性に関する値を与えうる。
【0034】
凝固促進剤
これは、トロンビン形成の速度を大きく速める材料もしくは物質又はそれらの混合物と定義される。それは、好ましくは、プロトロンビナーゼ複合体を確立するために必要な物質群を完成させる物質である。従って、完全に集合したプロトロンビナーゼ複合体は、単独で作用するXa因子よりも300,000倍効率的な速度でトロンビン形成を触媒する。Va因子及びXa因子に加え、プロトロンビナーゼ複合体は、リン脂質(又は血小板)及びカルシウムイオン(他のイオンも代用されうる)の存在を必要とする。
【0035】
分析補助剤
これは、便利に観察可能又は検出可能な活性の提供を可能にするため、処理の前、又は通常は後に、反応系、例えば試料へと添加される薬剤と定義される。一般に使用される補助剤は、色素原性基質、例えば、基質が例えばXa因子及び/又はトロンビンの作用を受けた際に放出される特有の呈色基を有するペプチドである。そのような薬剤は、Xa因子活性の検出又はトロンビン形成の検出のいずれかに特異的に設計されうる。ペプチド基質の使用は、Witt,Irene,Test Sstems with Synthetic Peptide Substrates in Haemostaseology,Eur.J.Clin.Chem.Clin.Biochem.,第29巻,1991,355-374頁において論じられている。
【0036】
発明の概要
第1の面によると、本発明は、
(a)既定量のXa因子又は血液学的に等価なその変異体と、
(b)既定量のVa因子、血液学的に等価なその変異体、又は内因性V因子を活性化する酵素とを組み合わせて含む、血液凝固アッセイにおいて使用するためのアクチベーター試薬を提供する。
【0037】
成分は、水性溶液、好ましくは水性緩衝溶液中に組み合わされて存在しうる。pHは、広い範囲、例えば6〜10、好ましくは6〜9、より好ましくは7〜8にわたり変動しうるが、最適には7.4である。
【0038】
特に、ある種のポイントオブケア系においては、成分(a)及び(b)は、フリース又はチャンバーの表面のような支持マトリックスの中もしくはその上に、又は異なるマトリックスの中に、乾燥状態(好ましくは、凍結乾燥状態)で存在してもよい。成分は、通常、分析すべき血液又は血漿又はその他の体液の試料の適用時に、溶液へと再投入されるであろう。
【0039】
アクチベーター試薬は、試料が血漿である場合には特に、既定量のリン脂質を含有していてもよい。
【0040】
アクチベーター試薬において使用される成分(a)及び(b)は、好ましくは、活性型であるか否かに関わらず因子及び補因子のような他の血液成分を実質的に含まない、精製された形態であるが、それは、そのような不純物が、得られる結果及び/又は利用される試験系の安定性に影響を与える可能性があるためである。
【0041】
好ましくは、(b)は、V因子アクチベーターを含有し、かつX因子活性化成分は枯渇しているヘビ毒から本質的になる。最も好ましくは、(b)は、精製されたラッセルクサリヘビ毒(Russell's Viper Venom)に由来するV因子アクチベーター(RVV−V)から本質的になる。
【0042】
アクチベーター試薬は、
10〜100mMのトリス/HClと、0.6〜1.2%w/vのNaClと、0.1〜1%w/vのアルブミンとを含有する水性緩衝溶液中の、0.01〜10nkat/mlの既定量のXa因子と、0.05〜10(好ましくは、5)U/mlの既定量のRVV−Vと、(場合により)1〜200μg/mlの既定量のリン脂質とから本質的になりうる。
【0043】
好ましいアクチベーター試薬は、50mMのトリス/HClと、0.9%w/vのNaClと、0.5%w/vのアルブミンとを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中の、0.4nkat/mlのXa因子と、4U/mlのRVV−Vと、50μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質とから本質的になる。
【0044】
もう一つの好ましいアクチベーター試薬は、25mMのトリス/HClと、0.45%w/vのNaClと、0.25%w/vのアルブミンと、12.5mMのCaCl2とを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中の、0.2nkat/mlのXa因子と、2U/mlのRVV−Vと、25μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質とから本質的になる。
【0045】
本発明は、前記のようなアクチベーター溶液の凍結乾燥調製物も含む。
【0046】
本発明の第二の面によると、
体液の試料を、ある量の前記のようなアクチベーター試薬と反応させること、
必要であれば、1個以上の凝固促進剤の添加により凝固を誘導すること、及び
凝固能の指標となる値を確立することにより、体液の血液凝固能が判定される、血液学的アッセイが提供される。
【0047】
通常、アクチベーター試薬の媒体としては水性緩衝溶液が利用されるが、緩衝剤の使用は必ずしも必要ではない。
【0048】
記載される好ましいアッセイは、既定量、例えば重量又は容量の血液又は血漿の試料に対して実施されるが、本発明は、正確な量を必ずしも必要としないポイントオブケア系にも適用可能である。そのようなポイントオブケア系の一例は、Roche Diagnostics(Mannheim)より入手可能なCoaguChek(登録商標)系である。
【0049】
必要とされる値は、例えば光学的もしくは機械的な凝固計を使用して、又は検出可能な値を提供する分析補助剤の、処理された試料への添加により、既定量の該試料が(直接的又は間接的に)検出される凝血の開始に達するまでの時間を測定すること、及び適切な活性を検出することにより確立されうる。分析試薬は、トロンビン活性又はXa因子活性の測定に特異的な合成基質でありうる。色素原性基質が、比較的よく知られており、一般的には好ましいが、蛍光原性、電流原性、又は発光性を有する基質も利用されうる。
【0050】
必要とされる値は、凝固中に機械的、磁気的、又は電気的な挙動を示す粒子を反応系へ添加すること、及び適切な挙動を検出することによっても確立されうる。
【0051】
通常、既定量の試料を用いて得られた値は、凝固能を判定するため、1個以上の標準又は参照試料の値と比較される。参照試料は、正常体液、例えば血液もしくは血漿の比較可能な試料であってもよいし、又は血液もしくは血漿を含む試料であってもよい。
【0052】
アッセイは、凝固能を1個以上の標準の凝固能と比較することによる、既定量のヒト又は動物の血液又は血漿を含む体液の試料の中の血液凝固成分又は処置添加剤の決定のため使用されうる。凝固能は、正常体液の比較可能な試料の凝固能、及び/又は該成分(もしくは添加剤)を欠いているか、もしくは既知の過剰量の該成分(もしくは添加剤)を含有している体液の比較可能な試料の凝固能と比較されうる。
【0053】
好ましいアッセイにおいて、値は、
(i)添加から凝血の開始までの時間、
(ii)添加から遊離トロンビン活性の検出までの時間、
(iii)トロンビン活性、
(iv)Xa因子活性:のうちの一つを検出することにより確立される。
【0054】
好ましくは、アクチベーター試薬は、既定量の天然もしくは合成のリン脂質又は血小板を含み、かつ方法は、既定量のカルシウムイオン(又は、機能的に等価なイオン)を含む凝固促進剤の反応系への添加を含む。
【0055】
凝固促進剤としてはカルシウムイオンを利用することが好ましい。リン脂質、好ましくは既定量のリン脂質が、通常、初期の段階で、例えばアクチベーター試薬の中に、及び/又はインキュベーション工程の前に添加されるが、本発明は、促進剤としてのリン脂質の可能性のある利用を含み、そのような場合には、カルシウムイオンはアクチベーター試薬と共に添加されうる。
【0056】
アッセイは、好ましくは、ヒト血漿に対して実施されるが、ヒト全血(又は動物の血液もしくは血漿)にも適用可能である。好ましくはヒト起源の、カルシウムが結合している血漿又は全血を利用した好ましいアッセイにおいては、カルシウムイオン又はその他の凝固促進剤の添加によって凝固を開始させるまで、プロトロンビナーゼ複合体は形成されない。プロトロンビナーゼ複合体の確立又は集合の前には、本発明のアッセイにおいて添加されたXa因子は、存在している、Xa因子に対して有効な抗凝固剤によって進行的に不活化されると考えられる。プロトロンビナーゼ複合体が確立された際、Xa因子はさらなる不活化から保護され、最終的な活性が安定的に決定されうる。
【0057】
本発明のアッセイは、抗凝固剤、特にXa因子及び/又はトロンビン(IIa因子)の天然又は合成の阻害剤、特に未分画ヘパリン(UFH)、低分子量ヘパリン(LMWH)、デルマタン硫酸、アルガトロバン、修飾型ヒルジン、及びヒルジンの投与量の、患者の血液凝固に対する効果のモニタリングに特に有用である。それは、1個以上の血液凝固成分に対する抗体の投与量の、患者の血液凝固に対する効果のモニタリング、又は抗凝固性もしくは凝固性の酵素もしくはプロ酵素でありうる凝固因子のような1個以上の血液凝固成分の欠損もしくは過多が推測される患者の血液凝固能の判定に使用されうる。
【0058】
それは、1個以上の血液凝固成分に対する抗体、例えばループス性抗凝固因子の存在が推測される全血又は血漿の血液凝固能を判定するために利用されうる。
【0059】
内因性V因子を活性化する酵素の起源としては、V因子活性化成分を含有し、かつX因子活性化成分は枯渇しているヘビ毒を利用することが好ましい。好ましい起源は、精製されたラッセルクサリヘビ毒に由来するV因子アクチベーター(RVV−V)である。これは、例えばTokunaga et al.,The Factor V-activating Enzyme(RVV-V)from Russell's Viper Verom,Journal of Biological Chemistry,第263巻,1988,17471-17481頁に記載されており、Pentapharm AG(Basel)より商業的に入手可能である。その他の可能な毒(X因子活性化成分を枯渇させるため適当に精製される)には、ビペラレベチナ(Vipera lebetina)、ボスロップス(Bothrops)種、アクギストロドン(Akgistrodon)種、及びエチス(Echis)種のものが含まれる。
【0060】
好ましい方法は、
体液の試料をある量のアクチベーター試薬と混合する工程、
混合物をインキュベートする工程、
促進剤(及び、場合により、分析補助剤)を添加する工程、及び
凝固能の指標となる値を確立する工程を含む。
【0061】
特に、好ましいアッセイは、
i.10〜200mMのトリス/HClと、0.6〜1.2%w/vのNaClと、0.01〜1.0%w/vのアルブミンとを含有する水性緩衝溶液中の、0.01〜10nkat/mlの既定量のXa因子と、0.05〜10(好ましくは、5)U/mlの既定量のRVV−Vと、(場合により)1〜200μg/mlの既定量のリン脂質とを含有するアクチベーター試薬を調製する工程、
ii.1〜100μlの既定量のクエン酸塩(citrated)の(又はCa−結合)血小板欠乏血漿を、1〜100μlの既定量のアクチベーター試薬と混合する工程、
iii.混合物をインキュベートする工程、
iv.10〜100μlの既定量の2〜200(好ましくは、100)mMのCaCl2を添加する工程、
v.場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程、及び
vi.値を確立する工程を含む。
【0062】
緩衝液は、好ましくは、pH6〜10、好ましくは6〜9、より好ましくは7〜8、最も好ましくは7.4である。
【0063】
より好ましくは、方法は、
i.50mMのトリス/HClと、0.9%w/vのNaClと、0.5%w/vのアルブミンとを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中の、0.4nkat/mlのXa因子と、4U/mlのRVV−Vと、50μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質とを含有するアクチベーター試薬を調製する工程、
ii.クエン酸塩の血小板欠乏血漿50μlをアクチベーター試薬50μlと混合する工程、
iii.混合物を37℃で3分間インキュベートする工程、
iv.25mMのCaCl2 50μlを添加する工程、及び
v.場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程、及び
vi.値を確立する工程を含む。
【0064】
通常はインキュベーション工程が使用されるが、高濃度のヘパリン及び類似の抗凝固剤を判定するために有用な前記のアッセイの修飾においては、アッセイは、インキュベーションの非存在下で実施されうる。この種の好ましいアッセイは、
i.25mMのトリス/HClと、0.45%w/vのNaClと、0.25%w/vのアルブミンと、12.5mMのCaCl2とを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中の、0.2nkat/mlのXa因子と、2U/mlのRVV−Vと、25μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質とを含有するアクチベーター試薬を調製する工程、
ii.クエン酸塩の血小板欠乏血漿50μlを、アクチベーター試薬100μlと混合する工程、
iii.場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程、
iv.値を確立する工程を含む。
【0065】
好ましくは、該値は、光学的凝固計を使用して、CaCl2の添加から凝血の開始までの時間を測定することにより確立される。
【0066】
血漿試料中の推測された凝固性又は抗凝固性の成分の存在及び/又は濃度を判定するために利用されるアッセイにおいては、試料が、推測された凝固剤又は抗凝固剤のみが枯渇している血漿に希釈され、確立された値が、枯渇血漿及び/又は正常血漿で見出された値と比較されうる。
【0067】
血漿試料は、マトリックス効果の影響を減少させるため、もしくは血漿凝固因子の依存性を最小限に抑えるため、正常血漿、血漿画分、もしくは1個以上の単一凝固因子により予備希釈されてもよいし、又は非ヘパリン抗凝固剤に対する特異性を増強するため、ヘパリンもしくはヘパリン様物質を不活化する物質で処理されてもよい。アッセイは、1個以上の凝固因子を活性化又は不活化する物質で処理された血漿試料に対しても実施されうる。
【0068】
本発明は、
(i)前記のようなアクチベーター試薬もしくは分離したその成分、
(ii)対照及び/もしくは較正のための試料、並びに
(iii)指定の濃度のカルシウム塩(もしくは等価な塩)の水性溶液、分析補助剤、正常血漿、1個以上の血漿画分、1個以上の凝固因子、水、及び/もしくは1個以上の緩衝溶液より選択される1個以上の場合により使用される補助剤、を組み合わせて含む、血液凝固アッセイにおいて使用するためのキットを含む。キットは、記載されたようなアッセイを実施するための説明書を含むであろう。等価な乾燥調製物、例えば凍結乾燥調製物も、使用されうる。
【0069】
分析補助剤は、トロンビン及び/又はXa因子の決定のための合成基質の、1個以上の溶液、又は乾燥調製物、例えば凍結乾燥調製物を含みうる。
【0070】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施態様を説明する。
【0071】
発明の好ましい実施態様
本発明に係るアッセイとの比較のため、図2は、ヒト正常参照血漿における、一般的な抗凝固剤LMWH、UFH、及び組換えヒルジン(r−ヒルジン)を用いたHeptest(登録商標)の用量応答関係を示している。この図は、これらの直接的なトロンビン阻害剤、この場合ヒルジンに関するHeptest(登録商標)の比較的乏しい応答性を証明している。
【0072】
図3は、405nmにおけるBehring Coagulation System(BCS)微量凝固計(microcoagulometer)におけるHeptest(登録商標)アッセイの光学シグナルを示している。組み合わせ試料(Heptest(登録商標)パッケージの推奨に従い調製されたクエン酸塩血漿)の基線は、安定していない。吸光度の減少は、血餅形成の開始点の正確な検出を可能にしない。反応曲線全体が、精度に対して負の影響を及ぼしうるノイズを示しており、このことは、現代の自動化凝固計を終点検出に使用する場合には不利である。
【0073】
本発明に係る好ましいアッセイは、通常、凝血の開始点を開始させるためカルシウムイオンを使用すると共に、予定された濃度の2個、好ましくは3個の活性化剤を使用することに基づく凝血法を使用して、試料の凝固能の判定を許容する。この方法は、Yinアッセイ及びHeptest(登録商標)アッセイと同様に、プロトロンビナーゼ複合体の形成をリン脂質に依存しているが、図3を参照しつつ記載されたような乏しい光学シグナルを含む前述の短所の多く又は大部分は克服される。この新規な方法は、妥当な濃度範囲及び臨床実務におけるUFH、LMWH、及びヒルジン、並びにその他のXa因子及び/又はトロンビンの直接的又は間接的な阻害剤に対して高感度である。さらに、それは、極めて安定な光学シグナルを提供する。
【0074】
好ましいアッセイ実施法においては、血液又は血漿の試料(カルシウムイオンは存在しないか、又はクエン酸塩により複合体化もしくは結合している)が、好ましくは特別に調製されたアクチベーター試薬を使用して、既定量のXa因子、リン脂質、及びV因子活性化酵素と共にインキュベートされる。インキュベーション期間後、試料/試薬混合物が、例えばCaCl2により再石灰化され、凝血の開始点までの時間(凝血時間)が観察され、記録される。図1との比較により、図4は、活性化法の概略を示している。アクチベーター試薬の成分は、大きい太字で示されている。活性化は、既定量のXa因子、既定量のラッセルクサリヘビ由来V因子アクチベーター(RVV−V)を使用して活性化された患者自身のV因子と、リン脂質と、CaCl2とからなるプロトロンビナーゼ複合体の確立に依存している。リン脂質表面上でのプロトロンビナーゼ複合体の集合を完成させるために、クエン酸塩の血液又は血漿の再石灰化が利用され、凝血が開始する。
【0075】
トロンビンが形成された際の正のフィードバック活性化によりVa因子を生成させるYinアッセイのような従来の方法とは対照的に、本発明の方法は、試料のV因子のVa因子への即時の完全な活性化のため、トロンビンに依存しない工程を利用する。変法において、この因子の活性の変化に依存しない試験系を作成するため、過剰のV因子及び/又はその他の因子を添加することができる。添加される因子は、単純に血漿又は血漿画分であってもよい。精製された、もしくは組換えの因子、又は適当な突然変異が使用されうる。
【0076】
実施例1
活性化試薬の調製
以下の組成を有するアクチベーター試薬を調製した。
NaCl水性溶液 0.9%w/v
トリス/HCl緩衝液(pH7.4)1 50mM
アルブミン2 0.5%w/v
Xa因子(FXa)3 0.4nkat/ml
ラッセルクサリヘビ毒V因子アクチベーター(RVV−V)4 4U/ml
リン脂質5 50μg/ml
【0077】
アッセイの手順
クエン酸塩の血小板欠乏血漿50μlを、アクチベーター試薬50μl、並びに様々な量の抗凝血剤LMWH6、UFH7、及びr−ヒルジン8と混合して試験試料を形成させた。試料を37℃で180秒間インキュベートした。次いで、25mMのCaCl2溶液50μlを各試料に添加し、凝血までの時間をBCS(Dade-Behring)光学的凝固計で測定した。抗凝固剤濃度に関する結果を図5に示す。
【0078】
図5の図2との比較は、Heptest(登録商標)と比較した場合の感度の大きな改良(ほぼ2倍)を示している。Heptest(登録商標)とは対照的に、本発明のアッセイは、ヒルジンに対しても極めて高感度である。
【0079】
アッセイに関する光学シグナルが図6に示されている。図3との比較により、約405nmにおいて極めて安定な基線がBehring Coagulation Systemにおいて示されており、凝血開始時の濁度の著しい増加が存在する。シグナルは、極めて決定的であり、低いノイズレベルを示している。従って、アッセイは、凝血の発生を光学的又は機械的に検出する異なる装置に容易に適合化されうると予想されうる。
【0080】
1 Sigma(Munich)製
2 Centeon(Marburg)製のヒト血清アルブミン
3 Chromogenix(Essen)より供給されたFXa
4 Pentapharm AG(Basel)製
5 Pentapharm AG(Basel)製のウサギ脳セファリン
6 Chromogenix(Essen)製のWHO標準LMWH
7 B.Braun-Melsungen(Melsungen)製の未分画ヘパリン
8 組換えヒルジン(Hoechst Marrion Roussel(Bad Soden)製のLepirudin(登録商標))
【0081】
参照血漿は、Immuno(Vienna)より入手し、指示通り再生させた。
【0082】
実施例2
Xa因子濃度の変動
予想外にも、添加されるXa因子濃度を変動させることにより、活性化法の感度が広い範囲にわたり調整されうることが見出された。
【0083】
手順
0.1〜1.6nkat/mlの異なる濃度のXa因子(FXa)を含む活性化試薬を調製し、0、0.5、及び1U/mlのLMWHを用いて試験試料を調製したこと以外は、実施例1の手順に従った。結果を図7に示す。予想外にも、低濃度のXa因子ですら良好なシグナルが得られ、ヘパリン処理された試料ですら安定な基線が達成された。
【0084】
この発見は、広いスペクトルの未知の抗凝固剤濃度のためのアッセイの設計を可能にし、以下の用途を含む多様な異なる用途が可能である。
a)トロンビンに関する検出可能なシグナルを与える基質(例えば、色素原性基質)を使用したトロンビン活性の判定によるXa因子及びトロンビンの不活化に関するアッセイ。
b)添加された活性化されたプロテインC、又は適切な酵素(例えば、Protac(登録商標)又はトロンビン/トロンボモジュリン)を使用して活性化された内因性プロテインCによるV因子不活化に関するアッセイ。
c)アクチベーター、阻害剤、又はXa因子又はトロンビンによる検出可能なシグナルを与える基質のようなその他の未知体のアッセイ。
【0085】
実施例3
インキュベーション期間の変動
インキュベーション工程を省いた活性化手順の実施は、特に未分画ヘパリンに関して、高い抗凝固剤濃度の判定において有用な、極めて拡大された測定域をもたらすことも見出された。
【0086】
活性化試薬の調製
実施例1のアクチベーター試薬を、等量の0.025M塩化カルシウム溶液で希釈し、以下の組成を有する試薬を作製した。
NaCl水性溶液 0.45%w/v
トリス/HCl緩衝液 25mM(pH7.4)
アルブミン 0.25%w/v
Xa因子(FXa) 0.2nkat/ml
ラッセルクサリヘビ毒V因子アクチベーター(RVV−V) 2U/ml
リン脂質 25μg/ml
CaCl2 12.5mM
【0087】
手順
変動する量のLMWH、UFH、及びr−ヒルジンを含有するクエン酸塩の血小板欠乏血漿の試験試料50μlを、アクチベーター試薬100μlと混合し、凝血開始までの時間を実施例1と同様にして測定した。図8に示された結果は、UFHに関して特に良好な結果を有する広い測定域を証明している。
【0088】
実施例4
経口抗凝固剤処置中の患者
付加的な、例えば経口抗凝固剤による処置後、減少した因子活性を有する患者由来の試料の分析は、新規アッセイにおいて、Heptest(登録商標)アッセイよりもはるかに低い因子欠損及び抗凝固剤の添加作用を示した。これは、新規手法における強い直接的なV因子活性化が、減少した因子活性のためトロンビン形成が遅滞した場合の、トロンビンにより媒介されるV因子活性化の可能性のある遅延を最小限に抑えるためかもしれない。従って、そのような状況においては、新規アッセイを使用することにより、抗凝固剤濃度が、より信頼性高く判定されうる。
【0089】
この実施例においては、国際標準化比率(International Normalised Ratio)(INR)3,2の経口抗凝固剤で処置された患者の血液から、試料を調製した。現在使用されている経口抗凝固剤は、ワルファリンのようなクマリン誘導体である。これらは、ビタミンK依存性凝固因子のガンマ−カルボキシル化におけるビタミンKの競合的阻害剤であり、主に、カルシウム結合能を欠く各カルボキシタンパク質が形成される。これらの因子の活性は減少している。
【0090】
試料は、添加量0、0.25、及び0.5aXa UのLMWHを含有していた。これらの試料をHeptest(登録商標)及び実施例1の手順に供した。結果を、図9にグラフで示す。経口抗凝固剤処置は、本発明のアッセイにおいてはLMWH活性に関する結果に対してほとんど又は全く影響を及ぼさないが、Heptest(登録商標)においては著しい差が現れた。
【0091】
実施例5
色素原性基質の使用
以下の手順が使用されうる。
【0092】
LMWH、UFH、及びr−ヒルジンを含有するクエン酸塩の新鮮凍結血漿(実施例1)50μlをアクチベーター試薬(実施例1)87.4μlと共に37℃で5分間インキュベートした。次いで、
0.9%w/vのNaCl中50mMのトリス/HCl緩衝液(pH7.4) 562.5μl
0.9%w/vのNaCl中10mg/mlのPefabloc(r) 100μl
25mMのCaCl2 100μl
水中4mMのトロンビン用の色素原性基質1 100μl
(1 例えば、Pentapharm AG.製のTos−Gly−Pro−Arg−pNaAcOH)
を含有する促進溶液を添加した。溶液を混合し、37℃で5分間のインキュベーションの後、405nmで光学密度の変化を測定した。
【0093】
実施例6
本発明のアッセイの抗Xa因子アッセイとの比較
本発明のアッセイを、色素原性基質を使用した抗Xa因子活性アッセイと比較した。LMWH処置下の有志者より採取された試料30個を、実施例1の手順に従いアッセイし、そしてChromogenix(Moelndal, Sweden)製の「抗Xa因子活性アッセイ」を使用して製造業者の指示に従いアッセイした。図10にプロットされたような結果は、良好な相関を証明している。
【0094】
乾燥試薬の使用
以下の実施例は、本発明のアクチベーター試薬を、凍結乾燥又は空気乾燥の後、個々の試料において再生させることができ、それをポイントオブケア適用に適した極めて少ない量で試験することができることを示す。
【0095】
実施例7
アクチベーター試薬の調製
以下の組成を有するアクチベーター試薬を調製した。
NaCl水性溶液 0.9%w/v
トリス/HCl緩衝液(pH7.4)1 50mM
グリシン2 1.0%w/v
Xa因子(FXa)3 0.4nkat/ml
ラッセルクサリヘビ毒V因子アクチベーター(RVV−V)4 4U/ml
リン脂質5 50μg/ml
1mlをバイアルに充填し、凍結乾燥させるか、又はアクチベーター試薬50μlをKC4 Micro Coagulometer用のキュベットに添加し、24h空気乾燥させた。
【0096】
アッセイの手順
クエン酸塩の血小板欠乏血漿を、凍結乾燥後に水で再生させたアクチベーター試薬50μl、並びに様々な量の抗凝血剤LMWH6、UFH7、及びr−ヒルジン8と混合して試験試料を形成させた。比較のため、キュベット中で空気乾燥させた試薬に水50μlを添加し、試料を血小板欠乏血漿50μl、並びに様々な量の抗凝血剤LMWH、UFH、及びr−ヒルジンと混合して試験試料を形成させた。試料を37℃で180秒間インキュベートした。次いで、25mMのCaCl2溶液50μlを各試料に添加し、凝血までの時間をKC4 Micro Coagulometerで測定した。抗凝固剤に関して図11a〜11cに示された結果は、異なる様式で乾燥させた試薬を用いてアッセイが容易に実施されうること、及び異なる乾燥法間にアッセイ性能のわずかな差が見られることを証明している。
【0097】
1 Sigma(Buchs、Switzerland)製
2 Sigma(Buchs、Switzerland)製
3 FXa、IL(Milano, Italy)
4 Pentapharm AG(Basel, Switzerland)製のRVV−V
5 ウサギ脳セファリン、Pentapharm Ltd(Basel, Switzerland)
6 WHO標準LMWH、NIBSC(Potters Bar、UK)
7 WHO標準UH、NIBSC(Potters Bar、UK)
8 組換えヒルジン、Pentapharm Ltd(Basel, Switzerland)
【0098】
参照血漿は、Immuno(Vienna)より入手し、指示通り再生させた。
【0099】
ポイントオブケア適用
多くの状況において、血液凝固試験は、試料を救急検査室へと輸送することなく、ケアの時点で直接実施されなければならない。ポイントオブケア分析の利点には、
試料の輸送に必要な時間が存在しないか、又は極わずかであるため、所要時間が短いこと(これは、迅速なモニタリングに基づく治療決定を可能にしうる)、
試料の救急検査室への輸送は、夜間、及び極少数の試料を分析する場合には特に、極めて高コストでありうること、
患者による自己試験が可能であること、
が含まれる。
【0100】
抗凝固の分析のための利用可能なポイントオブケア法には、PT(プロトロンビン時間)、aPPT(活性化部分プロトロンビン時間)、ACT(活性凝血時間)、及び関連した方法が含まれ、ヘパリン試験のためのいくつかの新規な手法も含まれる。
【0101】
ポイントオブケアaPPT試験は、UFH及びヒルジンに関する非直線的な用量応答、LMWHに対する低い感度、並びに異なる利用可能な方法間での高い可変性といった、検査室におけるaPPTの決定と同様の限界を有する。PT試験も、類似の欠点を有する。
【0102】
ACTは、基本的には、高度の負の電荷を有する表面を有する物質(通常、カオリン又はセライト)の、抗凝固剤で処理されていない血液への添加による。ACTの欠点には、低い精度、ACT値の、未分画ヘパリン又はヒルジンの濃度との低い相関、長い測定時間、並びに商業的に入手可能な異なる方法間の高い可変性が含まれる。さらに、LMWHに対するACTの感度は極めて低い。
【0103】
もう一つの手法は、ACTに基づくプロタミン滴定である。プロタミン硫酸は、未分画ヘパリンに拮抗する。1Uの未分画ヘパリンが、1Uのプロタミン硫酸により拮抗される。過剰に与えられた場合、プロタミンは単独で濃度依存的にACTを延長させる。従って、濃度を増加させながらプロタミンをACT決定に添加し、ヘパリン処理された試料を分析した場合、添加されたプロタミンの濃度が試料中のヘパリン濃度と最もよく一致した場合に、最も短い凝血時間が達成される。
【0104】
Medtronic(Bull,M.H.et al Anesthesiology 1975,9月, 43(3), 346-353)のプロタミン滴定アッセイにおいては、ACTアクチベーター及び異なるプロタミン濃度を含有する6個のチャンバーを有するカートリッジが準備される。これらのチャンバーにおいて、別々のACT決定が実施され、ヘパリン濃度が計算される。
【0105】
この方法の限界には、
UFHモニタリングにしか適用可能でないこと(アッセイはACTに基づいているためヒルジンはプロタミンにより拮抗されず、LMWHモニタリングには適用不可)
1個の試料の分析に複数の決定が必要であり、異なる濃度範囲のヘパリン療法のモニタリングにはいくつかの異なるカートリッジが必要であること
が含まれる。
【0106】
多数の出版物が、血液又はその他の体液のような試料材料が、調節された様式で通過し、既定量の試薬を含有しうる調節された容積のチャンバーを充填するような、毛管により隔離された反応チャンバーを利用したポイントオブケア試験装置を記載している。この様式においては、試料材料の正確な測定が回避されうる(例えば、米国特許第4,756,884号、第5,300,779号(Biotrack)、第5,110,727号(Cardiovascular)。
【0107】
既に言及されたCoaguChek(登録商標)装置の使用を包含しているかなりの文献が、Roche Diagnostics GmbHのウェブサイトより利用可能である。van den Besselaar A.M.H.P.,et al.,Multienter evaluation of a new capillary bllod prothrombin time monitoring system Blood Coagulation and Fibrolysis 1995,6,726-732に記載されているように、その装置は、米国特許第5,110,727号の図11に類似した試験担体を使用する。PTアッセイにおける使用のため、担体(Oberhardt B.J.et al.,Dry reagent technology for rapid convenient measurements of blood coagulation and fibrinolysis,Clin.Chem.1991,37,520-526により記載されている)は、毛管を介して開放入口チャンバー(又は「試料適用ゾーン」)と接続された反応チャンバー(又は「反応ゾーン」)に、乾燥ウサギ脳トロンボプラスチンと混合された酸化鉄粒子を含有する。穿刺された指からの血液試料が、入口チャンバーに適用され、血液が毛管力により反応チャンバーへと誘引される。次いで、トロンボプラスチンとの接触が、凝固カスケードを誘発する。酸化鉄粒子は、磁石により垂直に整列させられており、そのうちの一つがパルシングを引き起こす。光電セルが、減少し、最終的にはフィブリンマトリックスの形成時に停止するパルシングパターンを登録する。市販されている類似の装置には、Cardiovascular Diagnostics Inc.のTAS(登録商標)(Thrombolytic Assessment System)分析機、Biotrack Inc.のCoumatrak(登録商標)装置、及びOrganon Teknika Inc.のCoag-A-Mate(登録商標)装置が含まれる。
【0108】
結論として、ケアの点でのUFH、LMWH、及びヒルジンの分析のための単純で普遍的なモニタリングアッセイは存在しない。
【0109】
本発明者らは、例えばFXaとRVV−VのようなFVを活性化する酵素との組み合わせを用いて、本発明の方法に従い凝固を活性化することにより、抗凝固剤のポイントオブケア分析のための改良されたアッセイが設計されうることを見出した。これらのアッセイは、遠心分離工程を必要としないため、全血に対して直接実施されうる。
【0110】
従って、本発明は、前記のようなアクチベーター試薬の試料が試験装置内の1個以上の反応位置に設置され、アッセイすべき体液の試料(例えば、全血又はクエン酸塩血液)が該装置内の入口位置(例えば、開放チャンバー)に適用され、例えば毛管を介して、アクチベーター試薬と接触し反応するよう配置され、そして体液の凝固能の指標となる値が確立されるポイントオブケア血液学的アッセイを含む。
【0111】
好ましくは、アクチベーター試薬は、乾燥(好ましくは、凍結乾燥)状態で存在し、該体液に溶解させられて水性溶液を形成する。
【0112】
好ましくは、該反応位置は、予定された容積の反応チャンバーにより画定され、アクチベーター試薬の試料は、体液と共に予定された濃度の水性溶液を形成するよう予定された重量を有する。
【0113】
該試験装置は、該体液が、各チャンバー内で連続的に試薬と反応するよう配置されるように、例えば毛管により相互接続された2個以上の反応チャンバーを含みうる。従って、該体液は、第一反応チャンバーにおいてFXa及びRVV−Vと反応し、第二反応チャンバーにおいてCaCl2(又は等価な塩)と反応しうる。
【0114】
試薬は、好ましくは、凍結乾燥によりin situで乾燥させられる。しかしながら、室温空気乾燥、真空乾燥、乾燥剤乾燥、対流乾燥、又はその他の乾燥法も使用されうる。チャンバー壁への乾燥試薬のコーティングは、振とうによる置換(displacement)を減少させるが、必須ではない。乾燥又は水性の試薬は、スポンジ又はフリース材料のようなマトリックス上に位置していてもよいし、又はマイクロカプセルに封入されていてもよい。アクチベーター試薬の2つの必須成分は、好ましくは共存しているが、試料が連続的に通過する別々のチャンバーに等価な様式で設置されてもよい。
【0115】
以下の実施例は、毛管試験装置の概略を示している図12及び13に対応する。そのような装置を製造する方法に関しては、前述の米国特許第4,756,884号、第5,110,727号、及び第5,300,779号、例えば第5,300,779号の図2aを参照することができる。
【0116】
実施例8 未処理全血
抗凝固剤で処理されていない新鮮に採取された全血試料を、図12に示される毛管試験装置の入口チャンバー1に置いた。十分な血液を毛管力により毛管3に沿って試薬チャンバー2へと誘引し、チャンバーを充填した。試料の正確な分配を必要とすることなく、試薬と接触する血液の量は、試薬チャンバーのサイズにより標準化された。チャンバー2は、乾燥状態、好ましくは凍結乾燥状態のFXa及びRVV−Vを含む活性化試薬でコーティングされていた。ここで、血液試料が試薬を溶解させ、活性化された。凝血時間は、場合により、色素原性基質、蛍光原性基質、電流原性基質、及び常磁性粒子のような補助剤を活性化試薬に添加することにより、チャンバー2の部位で、又は出口毛管4上の位置で光学的手段により検出され得た。添加するFXa濃度を変動させることにより、感度及び測定域が必要に応じて設定され得た。
【0117】
試料の凝血をもたらす反応は、アンチトロンビン単独、アンチトロンビン−UFH、又はアンチトロンビン−LMWH複合体による添加されたFXaの阻害、添加されたRVV−VによるFVの活性化、内因性リン脂質構造(特に、血小板表面)におけるプロトロンビナーゼ複合体の形成、及び遊離トロンビンの形成を含む。これらの反応は液体状態で起こるが、試薬は液状又は乾燥状態で試薬チャンバーに設置されうる。試薬が乾燥状態でチャンバーに設置される場合、試薬は試料により溶解させられる。これは、凍結乾燥又はその他の乾燥法の前に試薬に物質を添加することにより助長されうる。乾燥試薬の使用の主な利点は、液体試薬と比較した場合の、カートリッジのより長期的な安定性であり得る。しかしながら、液体試薬が使用される場合には、試薬を適切なpHへと緩衝することにより安定性が最適化されうる。試料を添加する場合、試料の緩衝能は、試薬を最適な7.4付近のpHに戻す。試薬のために低い緩衝能、例えば2mMを使用することにより、試料自体の緩衝能が反応のためのpHを容易に修正しうる。
【0118】
実施例9:クエン酸塩血液試料 1段階反応
FXaとRVV−VとCaCl2との組み合わせを、好ましくは乾燥状態、例えば凍結乾燥状態で図12の試薬チャンバー2に設置し、クエン酸塩血液の試料を入口チャンバー1へと挿入した。試料は、毛管3に沿ってチャンバー2に入った後、FXa及びRVV−Vと接触し、それらを溶解させると同時に再石灰化された。凝血が実施例8と同様にして検出され得た。アッセイの感度を減少させるため、従って測定域を増強するためには、試薬混合物にリン脂質を添加することが可能である。この場合、リン脂質とFXaとの複合体が試薬中で形成され(遊離カルシウムイオンにより媒介される)、それが試料中のアンチトロンビンの、添加されたFXaを阻害する能力を減少させる。これは、例えば、開心術中のヘパリン療法のモニタリングにおける適用のための、極めて多量のヘパリンのためのポイントオブケア試験の設計に適用されうる。
【0119】
実施例10:クエン酸塩血液試料 2段階反応
クエン酸塩血液試料を図13の装置の入口チャンバー1aへと移した。試料材料が毛管力の下で、毛管5に沿って、乾燥FXa及びRVV−Vでコーティングされたチャンバー2aへと移動した。活性化された試料材料が毛管力により乾燥CaCl2でコーティングされたチャンバー3へと誘引された。試薬チャンバー3において、試料はCaCl2との接触により再石灰化された。本実施例においては、より明確な容量の試料が試薬と接触するため、濃度は、比較的標準化されていた。試料のFXa及びRVV−Vとのインキュベーション時間は、2個の試料チャンバーを接続している毛管6の長さ、及びこの毛管を通る試料/試薬混合物の速度(これは、毛管の直径に依る)に依る。遊離カルシウムイオンの非存在下でのクエン酸塩試料のFXa及びRVV−Vとのインキュベーションは、抗Xa因子活性に対するアッセイの感度を、前記の2つの実施例より高くする。これは、FXaが、リン脂質表面を含む血小板と会合している場合、アンチトロンビンによる阻害から保護されるという事実に依る。FXaのリン脂質表面との会合は、遊離カルシウムイオン、及び肝臓における分子の生合成中、ビタミンKに依存しているFXa分子内のカルボキシル基により媒介される。遊離カルシウムイオンの非存在下では、FXaはアンチトロンビン−ヘパリン複合体により阻害されうる。2個の試料チャンバー間の毛管6の長さ、抗Xa活性に対するアッセイの感度は、必要に応じて調整されうる。
【0120】
改変
本発明のアクチベーター試薬及び活性化手順は、アッセイ及びその他の適用における多数の改変を生じうる。特に、手順は、記載された要素のうちの一つの未知試料をアッセイするため改変されうる。いくつかの改変を以下に例示する。
【0121】
1.凝固の開始の検出に関する改変
i)トロンビン形成は、この目的のための既知の合成基質の添加により検出されうる。基質は、色素原性、蛍光原性、電流原性、発光性、又はその他の測定可能な特性を有しうる。基質は、例えば、トロンビンにより分解され検出可能基を放出する。
【0122】
ii)既知の検出法が、粘度、弾性、流動特徴、血餅共鳴、赤血球の運動、又は凝固の発生時に挙動を変化させる粒子のような添加された物体の挙動を測定するため使用されうる。例えば、添加された磁性粒子の振動、又は添加された粒子の機械的特徴が測定されうる。
【0123】
iii)トロンビン特異的抗体を用いた迅速な免疫学的検出法が、例えばプラズモン共鳴又は類似の技術と共に適用されうる。
【0124】
2.Xa因子に関する改変
ウシ、ヒト、又はその他の起源の既定量のXa因子を試料に添加する代わりに、内因性Xa因子を活性化する物質、又はXa因子と類似の機能を有する物質、例えばXa因子の変異体、ヘビ毒酵素、又は腫瘍細胞由来のXa因子を活性化するシステインプロテイナーゼを使用することができる。
【0125】
3.V因子に関する改変
RVV−V、又はアクギストロドン(Akgistrodon)種、ボスロップス(Bothrops)種、ビペラレベチナ(Vipera lebetina)、エチス(Echis)種のようなその他のヘビ毒に由来するV因子アクチベーター、又は代替的な活性化物質の添加により、血漿又はその他の起源の中の内因性V因子を活性化する代わりに、ある種の適用は、既に活性化されたV因子、又はV因子と類似の機能を有する物質、例えばV因子の変異体を利用することができる。
【0126】
4.リン脂質に関する改変
ある種の適用は、他のリン脂質起源を利用することができ、例えば
i)例えば血小板が存在する試料を使用することにより、患者自身のリン脂質構造の凝固への寄与を判定することができ、
ii)工程のうちの一つにおいて未知のリン脂質が添加される2段階法を使用することにより、リン脂質をアッセイすることができ、
iii)必要であれば、可能性のあるループス性抗凝固因子又は抗リン脂質抗体の妨害を最小限に抑えるため、リン脂質の濃度を調整することができる。
【0127】
リン脂質は、ヒト、動物、植物、もしくは合成起源のものであってもよいし、又はそれらの混合物であってもよい。
【0128】
5.抗凝固剤に関する改変
アッセイ手順を、ヘパリンを不活化する物質、例えばプロタミン、へパリナーゼ、又はポリブレンの添加により、X因子、II因子、又はV因子のヘパリン非依存的阻害剤に対して特異的にすることができる。
【0129】
6.血漿に関する改変
手順は、因子欠損を修正するため、又は試験をある種のメカニズムに対してより高感度又は低感度にするために、血漿、血漿画分、又は単一因子の添加と共に実施されうる。そのような添加される物質には、例えば
i)ヒト正常血漿又は血漿画分又は単一因子又は類似の変異体、
ii)ウシ(又はその他の動物の)正常血漿又は血漿画分又は単一因子又は類似の変異体
が含まれうる。
【0130】
7.その他の因子に関する改変
手順は、II因子、IIa因子、V因子、Va因子、X因子、及びXa因子のうちのいずれか一つ又は選択された組み合わせの合成基質、アクチベーター、又は阻害剤の添加と共に実施されうる。
【0131】
結論
結論として、本発明は、明確な容易に利用可能な安定化が容易な成分に基づく単純な血漿凝血アッセイを含む。結果は、LMWH、ヒルジン、及びUFHに関する直線的な用量応答関係を示している。これらの極めて良好な用量応答関係は、凝固カスケードの初期の段階に依存せず、かつ試料の凝固因子により生成したトロンビンによる、凝固の開始におけるV因子活性化に依存しない、抗IIa因子及び抗Xa因子の活性の判定に依るものと考えられる。
【0132】
ヘビ毒由来のプロトロンビンアクチベーターによりプロトロンビンを活性化する技術(例えば、ヒルジン決定のためのECT法)とは対照的に、本技術は、(Xa因子、Va因子、リン脂質、及びカルシウムイオンを使用する)生理学的なプロトロンビン活性化経路を使用しており、それは、生理学的に妥当な凝固のメカニズム及び過程の判定にとって有利である。
【0133】
aPTT及びPTの標準的な手順を使用した良好な光学シグナル、高い精度、短い測定時間、及び実施の容易さは、新規手法の異なる凝固分析機への適合化を可能にする。
【0134】
既に形成されたプロトロンビナーゼに基づく新規手法と、インキュベーションの前にXa因子のみを利用するHeptest(登録商標)との結果の比較は、2つの試験が有意な差を示すことを示している。Heptest(登録商標)は、本発明のアッセイと比較した場合、LMWH試料に関するより長い凝固時間を有し、UFHに関してはわずかに、ヒルジンに関しては劇的に感度が低い。Heptest(登録商標)と比較して、新規方法は、明確な生理学的基礎に基づき機能し、ウシ血漿画分を必要とせず、トロンビンと無関係にV因子を活性化し、改良された光学シグナルを有し、ヒルジンに対する高い感度を示す。従って、それは、妥当な濃度範囲の同一試薬により、UFH及びLMWHのみならずヒルジンのモニタリングにも使用されうる。
【0135】
本発明のアッセイとは対照的に、ラッセルクサリヘビ毒時間アッセイは、毒によるV因子及びX因子の両方の活性化を利用しており、それは患者のX因子濃度に依る、Xa因子濃度の変動をもたらす。本発明においては、明確なXa因子活性の適用により、より明確な活性化が達成される。
【0136】
最後に、本発明は、単一原理に基づきLMWH、ヘパリノイド、ヒルジン、及びUFHのモニタリングのための単純なアッセイを可能にする手法を提供する。活性化プログラムを、直接的又は間接的にV因子、X因子、又はII因子に影響を与える過程(例えば、プロテインC系)を活性化又は阻害する物質と組み合わせることにより、又は指標基質の使用により、多様なさらなる試験が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 血液凝固カスケードを示す(前記の)図である。
【図2】 Heptest(登録商標)アッセイにおけるLMWH、UFH、及びヒルジンに関する典型的な用量応答線を示すグラフである。
【図3】 典型的なHeptest(登録商標)アッセイにおいて生じる光学シグナル曲線を示すグラフである。
【図4】 本発明の原理を示す図である。
【図5】 本発明に係るアッセイにおけるLMWH、UFH、及びヒルジンに関する典型的な用量応答線を示す、図2と同様のグラフである。
【図6】 本発明に係るアッセイにおいて生じる光学シグナル曲線を示す、図3と同様のグラフである。
【図7】 付加的な量のXa因子を添加することにより生じる効果を示すグラフである。
【図8】 インキュベーション工程を省略することにより生じる効果を示すグラフである。
【図9】 経口抗凝固剤で処置された患者において、本発明のアッセイ及びHeptest(登録商標)を使用して得られた結果を示すグラフである。
【図10】 LMWHで処置された有志者に対して実施された、本発明に係るアッセイと、抗Xa因子アッセイに従い実施されたアッセイとの相関を示すグラフである。
【図11a】 乾燥試薬による性能を示す、図5と同様のグラフである。
【図11b】 乾燥試薬による性能を示す、図5と同様のグラフである。
【図11c】 乾燥試薬による性能を示す、図5と同様のグラフである。
【図12】 毛管試験装置の概略図である。
【図13】 異なる型の毛管試験装置の概略図である。

Claims (17)

  1. 全体の又はクエン酸塩加もしくは同等に安定化された血液又は血漿より選択される体液の血液凝固能が評価される血液学的アッセイであって、
    (i)(a)既定量のXa因子又は血液学的に等価なその変異体と、
    (b)既定量のVa因子、血液学的に等価なその変異体、又は内因性V因子を活性化する酵素と
    を含有するアクチベーター試薬を、該体液の試料に反応させる工程
    (ii)必要であれば、1種以上の凝固促進剤の添加により凝固を誘導する工程;及び
    (iii)(a)凝固促進剤の有無にかかわらず該試薬の該試料への添加から凝血の開始までの時間、
    (b)凝固促進剤の有無にかかわらず該試薬の該試料への添加から遊離トロンビン活性の検出までの時間、
    (c)トロンビン活性、及び
    (d)Xa因子活性:
    のうちの一つを検出することを含む凝固能の指標となる値を確定する工程であって、凝固促進剤の有無にかかわらず該試薬の該試料への添加から凝血の開始までの時間を、光学的凝固計を使用して測定する工程
    を含む、血液学的アッセイ。
  2. 凝固中にトロンビン活性又はXa因子活性の測定に特異的な機械的、磁気的、又は電気的な挙動を示す粒子である検出可能な値を提供する分析補助剤を処理された試料へ添加すること、及び適切な挙動を検出することにより、凝固能の指標となる値が確定される、請求項1に記載のアッセイ。
  3. クエン酸塩加の血小板欠乏血漿の血液凝固能が評価される血液学的アッセイであって、
    (i)25mMのトリス/HClと、0.45%w/vのNaClと、0.25%w/vのアルブミンと、12.5mMのCaCl2とを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中に、
    (a)0.2nkat/mlのXa因子と、
    (b)2U/mlのRVV−Vと、
    (c)25μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質と
    を含有するアクチベーター試薬を調製する工程
    (ii)クエン酸塩加の血小板欠乏血漿50μlを、アクチベーター試薬100μlと混合する工程;
    (iii)場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程;及び
    (iv)凝固能の指標となる値を確定する工程
    を含む、血液学的アッセイ。
  4. 光学的凝固計を使用して、CaCl2の添加から凝血の開始までの時間を測定することにより、凝固能の指標となる値が確定される、請求項3に記載のアッセイ。
  5. さらに
    (i)10〜200mMのトリス/HClと、0.6〜1.2%w/vのNaClと、0.01〜1.0%w/vのアルブミンとを含有する水性緩衝溶液中に、
    (a)0.01〜10nkat/mlの既定量のXa因子と、
    (b)0.05〜10U/mlの既定量のRVV−Vと、
    (c)場合により、1〜200μg/mlの既定量のリン脂質と
    を含有するアクチベーター試薬を調製する工程
    (ii)1〜100μlの既定量のクエン酸塩加又は同等に安定化された血小板欠乏血漿である試料を、1〜100μlの既定量のアクチベーター試薬と混合する工程;
    (iii)混合物をインキュベートする工程;
    (iv)10〜100μlの既定量の2〜200mMのCaClを添加する工程;
    (v)場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程;及び
    (vi)凝固能の指標となる値を確定する工程
    を含む、請求項1に記載のアッセイ。
  6. (i)50mMのトリス/HClと、0.9%w/vのNaClと、0.5%w/vのアルブミンとを含有するpH7.4の水性緩衝溶液中に、
    (a)0.4nkat/mlのXa因子と、
    (b)4U/mlのRVV−Vと、
    (c)50μg/mlのウサギ脳セファリン由来リン脂質と
    を含有するアクチベーター試薬を調製する工程
    (ii)クエン酸塩加の血小板欠乏血漿50μlをアクチベーター試薬50μlと混合する工程;
    (iii)混合物を37℃で3分間インキュベートする工程;
    (iv)25mMのCaCl50μlを添加する工程;
    (v)場合により、検出可能な値を提供する分析補助剤を添加する工程;及び
    (vi)凝固能の指標となる値を確定する工程
    を含む、請求項5に記載のアッセイ。
  7. 工程(iii)を省略する、請求項5又は6に記載のアッセイ。
  8. 光学的凝固計を使用して、CaCl2の添加から凝血の開始までの時間を測定することにより、凝固能の指標となる値が確定される、請求項5、6、又は7に記載のアッセイ。
  9. 既定量のヒト体液を含む試料の中の血液凝固成分又は処置添加剤の測定方法であって、該試料の凝固能を、正常体液の比較可能な試料の凝固能、ならびに/あるいは該成分もしくは添加剤を欠いているか、又は既知の過剰量の該成分もしくは添加剤を含有するヒト体液の比較可能な試料の凝固能と比較することを含み、ここで、該凝固能が請求項5、6、又は7に記載のアッセイで評価される、方法。
  10. 光学的凝固計を使用して、CaCl2の添加から凝血の開始までの時間を測定することにより、凝固能の指標となる値が確定される、請求項9に記載の方法。
  11. 血漿又は全血の試料の中の推測される凝固性又は抗凝固性の成分の存在及び/又は濃度を評価するために利用される、全体の又はクエン酸塩加もしくは同等に安定化された血液又は血漿より選択される体液の血液凝固能が評価される血液学的アッセイであって、
    (i)(a)既定量のXa因子又は血液学的に等価なその変異体と、
    (b)既定量のVa因子、血液学的に等価なその変異体、又は内因性V因子を活性化する酵素と
    を含有するアクチベーター試薬を、体液の試料に反応させる工程
    (ii)必要であれば、1種以上の凝固促進剤の添加により凝固を誘導する工程;及び
    (iii)凝固能の指標となる値を確定する工程
    を含み、ここで、該試料、該試料中での存在が推測される凝固性又は抗凝固性の成分のみが枯渇している血漿で希釈され、また確定された凝固能の指標となる値が、枯渇血漿及び/又は正常血漿の値と比較される、血液学的アッセイ
  12. マトリックス効果の影響を減少させるため、試料が、正常血漿、血漿画分、又は1種以上の単一凝固因子で希釈される、請求項11に記載のアッセイ。
  13. 試料が、非ヘパリン抗凝固剤に対する特異性を増強するため、ヘパリン又はヘパリン様物質を不活化する物質で処理される、請求項11に記載のアッセイ。
  14. 既定量のヒト体液を含む試料の中の血液凝固成分又は処置添加剤の測定方法であって、該試料の凝固能を、正常体液の比較可能な試料の凝固能、ならびに/あるいは該成分もしくは添加剤を欠いているか、又は既知の過剰量の該成分もしくは添加剤を含有するヒト体液の比較可能な試料の凝固能と比較することを含み、ここで、該凝固能が請求項11、12、又は13に記載のアッセイで評価される、方法。
  15. 凝固性又は抗凝固性の効果を有することを示す薬剤で処置された患者の状態のモニタリングのための方法であって、請求項11に記載の工程(i)、(ii)及び(iii)を含むアッセイにより、患者由来の既知の量の体液を含有する試料の血液凝固能が評価されることを含み、ここで、抗凝固性の効果を有することを示す薬剤が、Xa因子及び/又はトロンビンの天然又は合成の阻害剤より選択される抗凝固剤を含有する、方法。
  16. 抗凝固性の効果を有することを示す薬剤が、未分画ヘパリン(UFH)、低分子量ヘパリン(LMWH)、ヘパリノイド、デルマタン硫酸、アルガトロバン、修飾型ヒルジン、及びヒルジンより選択される抗凝固剤を含有する、請求項15に記載の方法。
  17. 凝固性又は抗凝固性の効果を有することを示す薬剤が1種以上の血液凝固成分に対する抗体を含有する、請求項15に記載の方法。
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