JP4762222B2 - ダイヤフラムバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、化学工場、または半導体製造分野、液晶製造分野、食品分野などの各種産業に使用されるダイヤフラムバルブに関するものであり、さらに詳しくは、コンパクトな構造を維持したままバルブ内を流れる流体の圧力損失を低減でき、流量を増加させることができるダイヤフラムバルブに関するものである。
従来、各種産業に使用されるダイヤフラムバルブとして、図4に示すようなダイヤフラムバルブがあった(例えば、特許文献1参照)。このようなダイヤフラムでは、バルブ本体101に、第一流路104と第二流路105と両流路の中間に位置するウエア部106とが設けられており、バルブ本体101上には、バルブ本体101のダイヤフラム取付座109上にダイヤフラム108の周縁を挟持するようにボンネット110が取付けられていた。ボンネット110の上部には、内面に雌ねじを有するスリーブ111が回転可能に取付けられ、バルブステム112がスリーブ111に螺合して昇降できるようになっており、また、バルブステム112の下端部には押圧体113が装着され、この押圧体113にダイヤフラム108の中央部が固定されていた。さらに、第一流路104及び第二流路105の底面とウエア部の頂部に形成される弁座面107との間は、弁座面107から第一開口102及び第二開口103に向かって凹状に湾曲した第一凹状湾曲面117及び第2凹状湾曲面118によってそれぞれ接続されていた。
特開平8−121618号公報
しかしながら、前記ダイヤフラムバルブの流路は大きな流量が流れにくい形状をしていた。第一開口102から流入して第一流路104を流れる流体は、第一凹状湾曲面117に沿って流れることで上方に向かって立ち上がって斜め上向きに流れるようになり、弁座面107を乗り越えるときに、弁座面107から離れてダイヤフラム108に衝突し、これにより流れ方向を変えて、第二流路105側に流入する(図4の矢印参照)。ところが、このように流体がダイヤフラム108に衝突して強制的に流れの向きが変えられると、流体の円滑な流れが妨げられ、圧力損失が生じる。また、第一流路104を流れる流体は、第一開口102から直線的に流れるため、その慣性によってウエア部付近では第一凹状湾曲面117側に偏って流れる傾向があり、これにより、バルブ本体101の上面に形成された開口部114の内周面と第一流路104の天井面とが交差する第一交差部115よりも下流側に位置するダイヤフラム108とバルブ本体101との当接部分付近では、流量が少なくなって流体が滞留しやすくなる。この結果、滞留部分と流動部分との境目から、滞留部分へ逆流して流れる乱流Xが発生して、圧力損失を生じさせる。
次に、第二流路105側へ流入した流体は、ダイヤフラム108に衝突して流れ方向を変えられたものであるので、第二凹状湾曲面118に沿って流れることができず、開口部114の内周面と第二流路105の天井面とが交差する第二交差部116側に偏って流れる傾向がある。これにより、第二凹状湾曲面118側は流量が少なくなって流体が滞留しやすくなる。この結果、滞留部分と流動部分との境目から滞留部分へ逆流して流れる乱流Yが発生して、圧力損失を生じさせる。
また、第二交差部116側に偏って流れる流体は、第二交差部116で流路面積を絞られた後、第二流路105の底面側に向かって流れる。これにより、第二交差部116よりも下流の第二流路105の天井面側は流量が少なくなって流体が滞留する傾向がある。この結果、滞留部分と流動部分との境目から、滞留部分へ逆流して流れる乱流Zが発生して、圧力損失を生じさせる。そして、ダイヤフラムバルブを通過した流体が第二開口103から流出される。
以上のように、流体がダイヤフラム108に衝突することによって生じる圧力損失や、各所に発生した乱流X、Y、Zによって生じる圧力損失により、バルブ本体101を通過する流体は圧力損失を生じた部分で流れを妨げられて、流量が著しく低下するという問題があった。
これに対し、乱流X、Zの発生を抑えるためには、第一交差部115及び第二交差部116にテーパーを設ける手法をとり得る。しかし、従来の流路にテーパーを設けただけでは乱流を小さくすることはできても、乱流X、Zの発生を防止することはできない。また、第一交差部115及び第二交差部116にテーパーを設ける手法では、乱流Yの発生を小さくすることも防止することもできず、また、流体がダイヤフラム108に衝突することによって発生する圧力損失については改善できないため、第一交差部115及び第二交差部116にテーパーを設けるだけでは不十分である。
また、乱流Yの発生や流体がダイヤフラム108へ衝突することを抑えるためには、第一流路104及び第二流路105の底面とウエア部の頂部の弁座面との間に延びる第一凹状湾曲面117及び第二凹状湾曲面118の立ち上がり角度を小さくする手法をとり得る。しかし、弁座面107の高さ位置を維持したままで、第一流路104及び第二流路105の立ち上がり角度を小さくして流路を形成すると、立ち上がり角度に合わせてバルブの面間を大きくしなければならず、バルブが大きくなる問題や、第一交差部115及び第二交差部116における第一流路104及び第二流路105の流路面積が小さくなり、得られる効果が相殺されて結果的に流量が小さくなるという問題が生じる。
さらに、流量を増加させるためには、開口部114を大きくすることで流路面積を大きくして流量を増加させる手法もとり得る。しかし、開口部114を大きくすることによって、バルブ本体101及びボンネット110の幅や面間が大きくなって、バルブ自体が大きくなってしまい、装置内部など狭隘な空間でバルブを設置するときの施工性や操作性が著しく低下する問題や、開口部114の面積を大きくすることに伴ってダイヤフラム108を大きくすることで、流体内圧に対するダイヤフラム108への負荷が大きくなってバルブの寿命が短くなるという問題が生じる。また、ダイヤフラム108を補強するために肉厚を厚くすると、特に空気駆動式または電気駆動式のダイヤフラムバルブでは、ダイヤフラム108の応答特性が悪くなるという問題が生じる。
また、弁座面107の高さ位置を低くして、流路との高低差を小さくすると共に、弁座面107とダイヤフラム108との間の流路面積を大きくして流量を増加させる手法もとり得る。しかし、弁座面107の位置を低くすると、ダイヤフラム108の開閉ストロークが増加して、バルブ開閉時のダイヤフラム108の変形量が大きくなり、ダイヤフラム108の屈曲疲労や伸縮疲労が大きくなる。この結果、ダイヤフラム108の耐久性が低下してダイヤフラム108の寿命が短くなったり、破損しやすくなったりするという問題が生じる。特に、空気駆動式または電気駆動式のダイヤフラムバルブのような開閉回数の多い仕様では、ダイヤフラム108の耐久性の低下はバルブの寿命を短くさせることにつながる。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、コンパクトな構造を維持したまま流量を増加させることができ、バルブ内を流れる流体の圧力損失を低減できるダイヤフラムバルブを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、対向する二つの側面にそれぞれ形成された流入口及び流出口からそれぞれ流路軸線方向に延びる第1流路及び第2流路、上部に形成され前記第1流路及び前記第2流路に通じる開口部、前記第1流路及び前記第2流路の底面から前記開口部に向かって延び頂部に弁座が形成されている仕切壁を設けられた本体と、該本体の上部に取り付けられたボンネットと、前記本体の前記開口部を覆うように配置され且つ前記本体と前記ボンネットとの間に周縁部を挟持されたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動するための駆動部とを備え、前記ダイヤフラムが駆動部によって前記弁座に圧接離間されるようになっているダイヤフラムバルブにおいて、前記仕切壁の上端に形成された前記弁座と前記第1流路及び前記第2流路の底面とを接続する前記仕切壁の両側面が、前記流入口から前記弁座並びに前記弁座から前記流出口に至るまでの流れの向きが連続して緩やかに変化するように、前記第1流路及び前記第2流路の底面から変曲点まで延びる凹状湾曲面と前記変曲点から前記弁座の縁まで延びる凸状湾曲面とを含むようにしたダイヤフラムバルブであり、前記変曲点における前記仕切壁の側面の傾斜角度が、流路軸線に対して45°以下であるダイヤフラムバルブを提供する。
上記ダイヤフラムバルブにおいて、前記開口部の内周面と前記第1流路及び前記第2流路の天井面との交差部に面取り部を設けることが好ましい。
また、前記面取り部の角度が流路軸線に対して15〜30°であり、前記面取り部の高さ方向の寸法が2mm以上であることが好ましい。
また、前記変曲点における前記仕切壁の側面の傾斜角度が、流路軸線に対して45°以下であることが好ましい。
さらに、前記ダイヤフラムバルブの面間寸法Lと前記開口の内径Dが、L≦3D+95(mm)の関係を満たすように定められていることが好ましい。
また、前記凸状湾曲面と前記凹状湾曲面が円弧状に形成されており、該凸状湾曲面の半径が、該凹状湾曲面の半径より小さくなるように定められていることが好ましい。
上記の場合、前記凸状湾曲面の半径R1と前記凹状湾曲面の半径R2が、1.0R1<R2≦1.5R1の関係を満たすように定められていることがさらに好ましい。
また、前記第1流路及び前記第2流路の内周面の表面粗さRaが6.3μm以下であることが好ましい。
前記駆動部は、手動式、空気駆動式または電気駆動式とすることができる。
本発明は以上のように構成したので、以下の優れた効果が得られる。
(1)第一流路および第二流路の底面と弁座との間に凸状湾曲面と凹状湾曲面とを連続して形成して接続することにより、流体が弁座を乗り越えるときに流路の底面に沿って流れるようになり、流体のダイヤフラムへの衝突や、第二凸状湾曲面から第二凹状湾曲面付近での乱流の発生が防止され、圧力損失を低減することができる。
(2)弁本体の頂面に形成された開口部の内周面と第一流路及び第二流路の天井面との交差部に面取り部を設けることにより、第一流路及び第二流路の流路面積を大きくすることができると共に、第一流路及び第二流路内を流れる流体の流れ方向を流路軸線方向へ誘導することができる。
(3)第一流路及び第二流路の底面と弁座との間に凸状湾曲面と凹状湾曲面とを連続して形成して接続し、且つ、弁本体の頂面に形成された開口部の内周面と第一流路及び第二流路の天井面との交差部に面取り部を設けることにより、面取り部の下流側での乱流の発生が防止されて圧力損失を低減させることができ、相乗効果によって流体を無駄なく円滑に流すことができ、大幅な圧力損失の低減によって流量を増加させることができる。
(4)また、上記の構成により、弁座面の位置を低くしたり、本体の頂面の開口部を大きくしたり、面間を広くすることなく、コンパクトな形状を維持したまま流量を増加させることができる。
(5)さらに、ダイヤフラムにかかる流体による負荷を低減させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
図1は本発明の第一の実施形態を示すダイヤフラムバルブの縦断面図である。図2は図1の要部拡大縦断面図である。図3は空気駆動式のダイヤフラムバルブを示す部分断面図である。
最初に、図1および図2に基づいて本発明の実施形態であるダイヤフラムバルブの構成について説明する。ダイヤフラムは、弁本体1と、ダイヤフラム15と、コンプレッサ17と、ボンネット18と、ステム21と、ハンドル23とを備える。弁本体1はポリ塩化ビニル(以下、PVCと記す)から作製されており、その面間寸法Lが210mm、第一開口2及び第二開口3の内径Dが50mmとなっている。弁本体1の内部には、弁本体1の対向する側面の一方に形成された第一開口すなわち流入口2から流路軸線方向に延びる第一流路4と、弁本体の対向する側面の他方に形成された第二開口すなわち流出口3から流路方向に延びる第二流路5と、これら第一流路4及び第二流路5の中間に位置する仕切壁10とが設けられている。また、弁本体1の頂面には、第一流路4及び第二流路5に連通する開口部12が設けられている。仕切壁10は、第一流路4及び第二流路5の底面から開口部12に向かって延びており、その頂部には、ダイヤフラム15が圧接離間する弁座11が形成されている。また、仕切壁10の頂部に形成された弁座11と第一流路4の底面のうちの流路軸線と平行に延びる部分とを接続する仕切壁10の側面は、弁座11から第一流路4の底面に向けて凸状に湾曲して延びる第一凸状湾曲面6とこれに連続して凹状に湾曲して延び第一流路4の底面に接続する第一凹状湾曲面8とによって構成されており、第一流路4の底面の一部をなしている。同様に、弁座11と第二流路5の底面のうちの流路軸線と平行に延びる部分とを接続する仕切壁10の側面は、弁座11から第二流路5の底面に向けて凸状に湾曲して延びる第二凸状湾曲面7とこれに連続して凹状に湾曲して延び第二流路5の底面に接続する第二凹状湾曲面9とによって構成されており、第二流路5の底面の一部をなしている。仕切壁10における第一流路4及び第二流路5側の側面の傾斜角度A及びA´は共に流路軸線に対して45°になるように形成されている。また、第一凸状湾曲面6、第一凹状湾曲面8、第二凸状湾曲面7及び第二凹状湾曲面9はいずれも図1の縦断面において円弧状になっており、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2はR2=1.3R1となるように定められている。
ここで、第一流路4側の仕切壁10の側面の傾斜角度A及び第二流路5側の傾斜角度A´とは、第一凸状湾曲面6から第一凹状湾曲面8に遷移する変曲点及び第二凸状湾曲面7から第二凹状湾曲面9に遷移する変曲点における接線が流路軸線に対してなす角度を意味する。上記の実施形態では、傾斜角度A及びA´はともに45°に形成されているが、必ずしもこの角度に限定されるものではない。しかしながら、傾斜角度A及びA´は、流路軸線に対してバルブ中心から各々の直近の開口側への方向を0°としたときに、流路軸線に対して下側に45°以下であることが望ましく、40〜45°がさらに望ましい。傾斜角度A及びA´を45°以下にすると、流体の流れのベクトルは流路軸線に対して垂直方向より流路軸線方向の成分が大きくなることから、第一流路4を流れる流体が弁座11を乗り越えるときに弁座11に沿って流路軸線方向に流れるようになって、流体がダイヤフラム15に衝突しにくくなると共に、第二流路5側に流入するときに流体が第二凸状湾曲面7に沿って流れ易くなり、第二流路5の第二凸状湾曲面7側や第二凹状湾曲面9側にも流体が流れて乱流の発生を抑える。したがって、傾斜角度A及びA´は流路軸線に対して45°以下であることが望ましい。また、バルブを大きくすることなく弁本体1の流路を好適な条件で形成するには、40°以上であることが望ましい。
また、ダイヤフラムバルブの面間寸法Lとは、第一開口2及び第二開口3がそれぞれ設けられた弁本体1の対向する側面の間の流路軸線方向の長さを意味する。上記実施形態では、面間寸法Lが210mm、第一開口2及び第二開口3の内径Dが50mmとして説明しているが、面間寸法L、第一開口2及び第二開口3の内径Dがこれらに限定されないことはもちろんである。しかしながら、ダイヤフラムバルブの面間寸法Lと、第一開口2及び第二開口3の内径Dは、L≦3D+95(mm)の関係にあることが望ましく、3D+50≦L≦3D+95(mm)の関係にあることがさらに望ましい。弁座11の高さを維持したまま、流路の立ち上がり角度を大きくさせないためには、3D+50≦L(mm)が良く、流体の流れを円滑にした状態を維持したまま面間を小さくしてダイヤフラムバルブを大きくさせないためにはL≦3D+95(mm)が良い。
また、上記実施形態では、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2はR2=1.3R1となるように定められると説明しているが、これに限定されるものではない。しかしながら、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2は、1.0R1<R2≦1.5R1であることが望ましい。R1がR2より大きいと、流体が弁座11を乗り越えるときに流体の流れの向きを流路軸線方向に誘導しやすくなるが、その反面、流路面積を狭める傾向にある。また、R2がR1の1.5倍より大きくなると、第一流路4側及び第二流路5側の仕切壁11の側面の傾斜角度が大きくなり、流体の流れについて流路軸線に対して垂直方向側へ向かう力が強くなる。これらのことから、流体の流れの向きを流路軸線方向に誘導し、流路面積を狭めないためには、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2は、1.0R1<R2≦1.5R1であることが望ましい。
さらに、弁本体1の第一流路4及び第二流路5の内周面の表面粗さRaは、流体が流路底面をより円滑に流れるために、6.3μm以下であることが望ましい。また、表面粗さRaの下限は低ければ低いほど望ましいが、弁本体1の成形性を損なわず、部品の取り扱いを困難にさせないためには0.1μm以上であることが望ましい。
弁本体1の上面に形成された開口部12の内周面と第一流路4の天井面との交差部には第一面取り部13が形成されている。第一面取り部13は、高さ方向の寸法Hが3mm、面取り角度Bが流路軸線に対して20°となるように設けられている。同様に、開口部12の内周面と第二流路5の天井面との交差部には第二面取り部14が形成されており、第二面取り部14は、高さ方向の寸法Hが3mm、面取り角度B´が流路軸線に対して20°となるように設けられている。
ここで、面取り部とは、弁本体1上面に形成された開口部12の内周面と第一流路4及び第二流路5の天井面との交差部(図4の第一交差部115、第二交差部116参照)に形成された面取り部分を意味する。面取り部として、弁本体1の第一流路4及び第二流路5にそれぞれ第一面取り部13及び第二面取り部14を設けることによって、第一流路4及び第二流路5の流路面積を大きくすると共に、流体の流れの向きを流路軸線方向に誘導することで、バルブの流路内の流体抵抗を低減することができる。上記実施形態では、面取り角度B及びB´はいずれも流路軸線に対して20°となるように定められているが、これに限定されるものではない。しかしながら、第一面取り部13の面取り角度B及び第二面取り部14の面取り角度B´は、流路軸線に対して各々の直近の開口からバルブの中心側への方向を0°としたときに、流路軸線に対して開口部12側に15〜30°であることが望ましく、18〜22°であることがさらに望ましい。第一面取り部13及び第二面取り部14の面取り角度B及びB´は、流路面積を大きくすると共に流体の流れの向きを流路軸線方向に誘導する効果を得るためには15°以上が良く、流体の流れの向きを流路軸線に対して垂直方向に向かないように誘導するためには30°以下が良い。
また、面取り部の高さ方向の寸法とは、図2に示すように、第一面取り部13で説明すると、第一流路4側の稜線26から開口部12側の稜線27までの流路軸線に対して垂直方向の高さ(図2の寸法Hの部分)を意味する。上記実施形態では、第一面取り部13及び第二面取り部14の高さ方向の寸法Hはともに3mmとされているが、これに限定されるものではない。しかしながら、第一面取り部13及び第二面取り部14の高さ方向の寸法Hは2mm以上であることが望ましく、2〜5mmであることがさらに望ましい。第一面取り部13及び第二面取り部14付近の流路面積を大きくし、流量を増加させるためには高さ方向の寸法Hは2mm以上が良く、弁本体1とボンネット18との間のシール性を良好に保つように、弁本体1の開口部12周縁の肉厚を一定以上保持するためには高さ方向の寸法Hは5mm以下が良い。
ダイヤフラム15はエチレンプロピレンゴム(以下、EPDMと記す)から作製されている。ダイヤフラム15の非接液面側の中央には、上部が突出した状態で埋め込み金具16が埋設されており、ダイヤフラム15は、埋め込み金具16によって、駆動部により上下方向に駆動されるコンプレッサ17に係合固定されている。ダイヤフラム15の周縁部は、弁本体1とボンネット18の間に挟持されており、ボンネット18の下面により弁本体1の上面の開口部12周辺に押しつぶされて水密状態で固定されている。
上記実施形態では、ダイヤフラム15の材質はEPDMとされているが、これに限定されるものではない。しかしながら、ダイヤフラム15の材質はゴム状の弾性体であることが望ましく、EPDM、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴムなどが好適な材質として挙げられる。また、ダイヤフラム15の材質は、ポリプロピレン(以下、PPと記す)、ポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFと記す)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと記す)などの樹脂であっても良く、特に限定されない。さらに、ダイヤフラム15には強度の高い補強布がインサートされても良く、補強布はナイロン製(フッ素ゴムの場合はポリビニリデンフルオライド製)であることが望ましい。これは、バルブの閉止時にダイヤフラム15に流体圧がかかったときにダイヤフラム15の変形や破損を防止するため好適である。
コンプレッサ17はPVDFから作製されており、コンプレッサ17の上部はステム21の下端部に係合固定されている。ボンネット18はPVCから作製されており、弁本体1の上部にボルト・ナット(図示せず)で固定されている。ボンネット18の上部中央の貫通孔19には、銅合金製のスリーブ20が支承されている。ステム21は、銅合金から作製されており、スリーブ20の内部に設けられた雌ネジ部22と螺合している。ハンドル23はPPから作製されており、スリーブ20の上部外周部に嵌合され、ボンネット18の上端部に配置されている。
上記実施形態において、弁本体1及びボンネット18の材質はともにPVCとされているが、特に限定されるものではなく、ダイヤフラムバルブの弁本体1やボンネット18の材質は、PVC、ポリスチレン、ABS樹脂、PP、PVDF、PTFE、PFA、ポリクロロトリフルオロエチレンなどの樹脂、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属、または磁器などのセラミックのいずれでも良い。特に、薬液の配管ラインには耐食性に優れる樹脂製のダイヤフラムバルブが好適に使用される。また、上記の実施形態では、コンプレッサ17の材質がPVDFとされているが、特にこれに限定されるものではなく、樹脂または金属などでもよいが、PVDFなどの樹脂であることが好ましい。また、上記実施形態では、ステム21及びスリーブ20の材質はともに銅合金とされているが、特にこれに限定されるものではなく、ステム21やスリーブ20の材質は、所期の強度を有する材質であればよいが、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属であることが好ましい。
なお、上記実施形態において、ステム21に固定されるコンプレッサ17、スリーブ20、ハンドル23は、ダイヤフラム15を上下方向に駆動するための駆動部を構成している。このように、上記実施形態では、ダイヤフラム15の駆動部は手動式のものであるが、手動式に限定されるものではなく、空気圧による空気駆動式、モーターなどによる電気駆動式などでもよく、特に限定されない。空気駆動式の場合、図3に示すように、ダイヤフラムバルブのハンドル23の代わりに空動式駆動部24が、また電気駆動式の場合も同様に、電動式駆動部(モーターなど)が、それぞれステム25に係合され自動式ダイヤフラムバルブが形成される(図示せず)。
さらに、本発明では、ダイヤフラムバルブと配管との接続はソケット接続、ねじ接続、フランジ接続、突合せ接続、または、キャップナット接続のいずれでもよく、特に限定されない。
次に、本実施形態のダイヤフラムバルブの開閉時の作用を図1に基づいて説明する。
図1の全開状態からハンドル23を閉方向(時計回り)に回転すると、ハンドル23の回転に従ってステム21とステム21の下端部に設けられたコンプレッサ17とが下降し、それに伴ってダイヤフラム15が次第に下方に湾曲し、ついには弁本体1の仕切壁10の頂面の弁座11に圧接される。これによって、第一流路4及び第二流路5が閉鎖されて、ダイヤフラムバルブは全閉状態となる。
次に、ハンドル23を開方向(反時計回り)に回転すると、ハンドル23の回転に従ってステム21とステム21の下端部に設けられたコンプレッサ17とが上昇し、それにともなってダイヤフラム15が弁座11から離間し、次第に上方に湾曲して開限度位置まで上昇する。これによって、第一流路4及び第二流路5が開放され、ダイヤフラムバルブは全開状態(図1の状態)となる。
次に、本実施形態のダイヤフラムバルブが全開時における流体の流れを図1に基づいて説明する。
図1において、ダイヤフラムバルブを流れる流体は、第一開口2より流入し、第一流路4の第一凹状湾曲面8に沿って斜め上方(図1の右上方向)へ立ち上がり、続いて流体が第一凸状湾曲面6に到達すると、第一凹状湾曲面8にて斜め上方へ立ち上がった流れは第一凸状湾曲面6に沿って徐々にその向きを流路軸線方向(図1の右方向)に変え、弁座11に沿って第二流路5側に流入する。弁座11に到達した流体は流路軸線方向を向いて流れていることから、流体は流路の底面に沿って円滑に流れると共にダイヤフラム15の接液面に沿って流れる。したがって、流体がダイヤフラム15と衝突する流れが抑えられて、ダイヤフラム15にかかる流体による負荷を低減させることができ、流体がダイヤフラム15に衝突することによる圧力損失を抑えることができる。
また、開口部12の内周面と第一流路4の天井面との交差部に第一面取り部13を設けることによって、交差部周りにおける第一流路4の流路面積を大きくすると共に、仕切壁10に対して斜め上方へ立ち上がる流体の流れの向きを流路軸線方向に誘導し、弁座11に到達した流体が流路軸線方向を向いて流れやすくさせることができる。また、第一面取り部13が流路軸線に対してなす角度を15〜30°に設定すると、第一凹状湾曲面8に沿って立ち上がった流体の流れを緩やかに流路軸線方向に向けることができると共に、ダイヤフラム周縁部付近の滞留を低減させることができる。さらに、第一流路4の底面の一部として凸状湾曲面と凹状湾曲面が連続して形成された仕切壁10の側面と第一面取り部13とを併せることで、開口部12の内周面と第一流路4の天井面との交差部よりも下流側に位置するダイヤフラム15と弁本体1との当接部分付近の流路において、従来のような流体の滞留がしにくくなくなり、滞留部分の乱流の発生(図4における乱流X)を防止し、乱流による圧力損失を抑えることができるようになる。
次に、弁座11に沿って第二流路5側に流入した流体は、第二凸状湾曲面7に沿って流れ、流路軸線方向を向いていた流れの向きを徐々に下向きに変える。弁座11の近傍の第二流路5の底面(すなわち、仕切壁11の側面)は凸状湾曲面であるため、流体は第二凸状湾曲面7に沿って緩やかに下向きに流れを変えることができ、従来のように、流体の流れが第二面取り部14側に偏らなくなる。続いて、流体が第二凸状湾曲面7から第二凹状湾曲面9に到達すると、第二凸状湾曲面7によって下向きになった流れは第二凹状湾曲面9に沿って緩やかに流れ方向を流路軸線方向に変え、第二開口3から外部へ流出する。このように、第二流路5側に流入した流体は、第二流路5の底面に沿って流れるため、第二凸状湾曲面7や第二凹状湾曲面9付近の流路に対して従来のような流体の滞留を生じることがなくなり、滞留部分の乱流の発生(図4における乱流Y)を防止し、乱流による圧力損失を抑えることができる。
また、開口部12の内周面と第二流路5の天井面との交差部に第二面取り部14を設けることによって、交差部周りにおける第二流路5の流路面積を大きくすると共に、第二凸状湾曲面7に沿って下向きに流れる流体を流路軸線方向に誘導し、第二流路5を流れる流体が偏らなくすることができる。また、第二面取り部14が流路軸線に対してなす角度を15〜30°にすると、第二凸状湾曲面7の効果と併せて弁座11に沿って流路軸線方向の流体の流れを緩やかに下向きに変えた後、第二凹状湾曲面9の効果と併せて流体の流れを緩やかに流路軸線方向に向けることができる。さらに、凸状湾曲面と凹状湾曲面が連続して形成された第二流路4の底面部分(すなわち、仕切壁10の側面)と第二面取り部14とを併せて設けることで、第二面取り部14よりも下流の第二流路105の天井面側に従来のような流体の滞留がなくなり、滞留部分の乱流の発生(図4における乱流Z)を防止し、乱流による圧力損失を抑えることができるようになる。
また、第一流路4からの流れが弁座11を通過するときに、流れの向きが流路軸線方向になるようにして、第二流路5を流れる流体を、無駄なく円滑に流すためには、第一流路4及び第二流路5の流路軸線に平行な底面部分と弁座11とを接続する底面部分(すなわち、仕切壁10の側面)の形状が共に凸状湾曲面と凹状湾曲面とを連続して形成した形状になっている必要があり、左右対称であることが望ましい。
以上のように、本発明のダイヤフラムバルブは、第一開口2に流入した流体が第一流路4の第一凹状湾曲面8及び第一凸状湾曲面6に沿って緩やかに流れの向きを変え、弁座11に到達すると、流体は弁座11に沿って流れてその向きを流路軸線方向に向け、第二流路5側に流入した流体は第二凸状湾曲面7及び第二凹状湾曲面9に沿って緩やかに流れの向きを変える。したがって、ダイヤフラム15への衝突や第二凸状湾曲面7から第二凹状湾曲面9付近での乱流の発生が防止され、流路内での圧力損失を抑えて第二開口3から流出することができる(図1の矢印参照)。また、第一面取り部13及び第二面取り部14を設けることによって、交差部周りにおける流路面積を大きくすると共に、流路を流れる流体の向きが流路軸線方向になるように誘導することができる。さらに、凸状湾曲面と凹状湾曲面が連続して形成された流路底面(流路軸線と平行に延びる流路の底面部分と弁座11とを接続する部分)と、面取り部とを併せて設けることで、第一面取り部13及び第二面取り部14の下流側での乱流の発生が防止され、相乗効果によって流体を無駄なく円滑に流すことができ、上記の大幅な圧力損失の低減によって流量を増加させることができる。また、本発明のダイヤフラムバルブは、弁本体1の面間や幅を変えることなく、従来の弁本体のコンパクトな形状を維持したまま流量を増加することができる。
次に、本発明におけるダイヤフラムバルブについて、弁本体1の仕切壁10の側面(第一流路4と第二流路5の底面のうちの流路軸線と平行に延びる底面部分と弁座11とを接続する部分)の形状と第一面取り部13及び第二面取り部14の形状を変化させた複数の3次元モデルを作成し、ダイヤフラムバルブを流れる流体の流量解析を行った。その解析方法を以下に示す。
[3次元モデルによる流量解析]
3次元熱流体解析ソフトウェアSTAR−LT((株)シーディー・アダプコ・ジャパン社製)を使用して、ダイヤフラムバルブの3次元モデルに対して、弁開度が全開の状態で、20℃の水を一定流速(1.0m/s)で弁本体の第一開口から流入して第二開口より流出させたときの流量解析を行い、第一開口部分における圧力と第二開口部分における圧力との差圧及び流量からCv値を算出することで評価を行った。
[実施例1]
図1を参照して、面間寸法Lが210mm、第一開口2及び第二開口3の内径Dが50mm、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2がR2=0.8R1となるように設定され、開口部12と第一流路4及び第二流路5との交差部に面取り部が設けられていない弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の半径R1と半径R2がR2=1.0R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の半径R1と半径R2がR2=1.3R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の半径R1と半径R2がR2=1.5R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1の半径R1と半径R2がR2=1.7R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例2において、開口部12と第一流路4及び第二流路5との交差部に第一面取り部13及び第二面取り部14が設けられ、該面取り部の角度B及びB´がともに流路軸線に対して20°、該面取り部の高さ方向の寸法Hが3mmとなるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例6の半径R1と半径R2がR2=1.3R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例6の半径R1と半径R2がR2=1.5R1となるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例6の半径R1と半径R2がR2=1.3R1となるように設定され、面取り部の角度B及びB´が流路軸線に対して45°、該面取り部の高さ方向の寸法Hが3mmとなるように設定された弁本体1を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例2と同寸法で、流路についてのみ図4のダイヤフラムバルブのように第一流路及び第二流路の底面のうちの流路軸線と平行に延びる部分と弁座とを接続する部分が凹状に湾曲した凹状湾曲面のみで形成された弁本体を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1の開口部の内周面と第一流路及び第二流路の天井面との交差部に第一面取り部及び第二面取り部が設けられ、該面取り部の角度B及びB´がともに流路軸線に対して20°、該面取り部の高さ方向の寸法Hが3mmとなるように設定された弁本体を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例1の開口部の内周面と第一流路及び第二流路の天井面との交差部に第一面取り部及び第二面取り部が設けられ、該面取り部の角度B及びB´がともに流路軸線に対して45°、該面取り部の高さ方向の寸法Hが3mmとなるように設定された弁本体を使用した場合のダイヤフラムバルブの3次元モデルを用いて流量解析を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004762222
表1において、Cv値の増加率は、従来のダイヤフラムバルブの形状(図4参照)を用いた比較例1に対するCv値の増加の割合を算出したものである。実施例1〜5と比較例1を比較すると、各実施例のCv値は比較例1のCv値に対して約4.0〜10.0%増加していることが分かる。これは、実施例1〜5の第一流路4及び第二流路5の底面に、弁座11から第一開口2及び第二開口3に向かって凸状に湾曲した凸状湾曲面と凹状に湾曲した凹状湾曲面とを連続して形成することで、第一流路4及び第二流路5を流れる流体が該流路4、5の底面に沿って滑らかに流れ、弁座11を乗り越えるときも流体が流路軸線方向を向いて流れるようになるため、ダイヤフラム15への流体の衝突や第二凸状湾曲面7での乱流の発生(図4における乱流Y)が防止されて、圧力損失を抑えることができる。その結果、比較例1に対してCv値が増加している。
次に、比較例1〜3を互いに比較すると、比較例2、比較例3のCv値が比較例1のCv値に対して約9.0〜12.0%増加していることが分かる。これは、比較例2、比較例3では、弁本体1の上部の開口部12と第一流路4及び第二流路5との交差部に第一面取り部13及び第二面取り部14を設けることで、弁座付近の流路の開口面積が大きくなって流体が流れ易くなり、Cv値が増加するからである。なお、面取り部を設けただけでは乱流の発生をある程度低減できるが乱流自体を防止することまではできていない。
実施例2〜4及び実施例6〜8と比較例1及び比較例2とを比較すると、実施例6〜8は、第一流路4及び第二流路5の底面形状を凸状湾曲面と凹状湾曲面とによって形成し、且つ、開口部12と第一流路4及び第二流路5との交差部に面取り部を設けたものであり、実施例6〜8のCv値の増加率は、比較例1のCv値に対して約21.0〜32.0%増加しており、流路の底面形状を凸状湾曲面と凹状湾曲面で形成しただけの実施例2〜4と、交差部に面取り部を設けただけの比較例1〜2の各々のCv値を足した値よりも増加している。これは、凸状湾曲面と凹状湾曲面とからなる流路の底面形状と面取り部との構成を組み合わせることによって、乱流の発生(図4における乱流X、Z)を防止すると共に、各々の構成の相乗効果で流体を無駄なく円滑に流れるようにすることができ、その結果、流路の圧力損失が低減され、Cv値が増加したからである。
実施例1〜8を互いに比較すると、実施例1〜5より、第一凸状湾曲面6及び第二凸状湾曲面7の半径R1と第一凹状湾曲面8及び第二凹状湾曲面9の半径R2の関係で、Cv値の増加率がより大きいのは、R1>R2のときであり、特にR2=1.3R1のときのCv値の増加率を最大として、1.0R1<R2≦1.5R1の範囲でCv値の増加率がより大きくなることが分かる。また、実施例6〜8より、半径R1と半径R2の関係が、R2=1.3R1のときにCv値の増加率を最大として、1.0R1<R2≦1.5R1の範囲で同様にCv値の増加率が大きくなることが分かる。
また、実施例7、実施例9と比較例2、比較例3を比較すると、Cv値の増加率がより大きいのは、第一面取り部13及び第二面取り部14の角度B及びB´が20°のときに、流体の流れ方向を円滑に流路軸線方向に向け、流量特性が良好となることが分かる。角度B及びB´が20°付近だとCv値の増加率が大きく、15〜30°が好適である。
次に、3次元モデルで流量解析した実施例3、実施例7、比較例1、比較例2のダイヤフラムバルブを実際に成形し、成形したダイヤフラムバルブを用いて実流による流量測定を行った。その測定方法を以下に示す。
[実流によるCv値の解析方法]
JIS B 2005−2−3「工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験手順」に基づいて、ダイヤフラムバルブを配管し、23℃±2℃の雰囲気中で、23℃±2℃の水を実流させて、第一流路側及び第二流路側における圧力タップ間での差圧、一定時間当りの流量及び水の温度を測定し、Cv値を算出することで評価を行った。
[実施例10]
実施例3に基づいて成形したダイヤフラムバルブ(R2=1.3R1、面取り部無し)を用いて実流による流量測定を行い、Cv値を算出した。その結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例7に基づいて成形したダイヤフラムバルブ(R2=1.3R1、面取り部有り20°)を用いて実流による流量測定を行い、Cv値を算出した。その結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例1に基づいて成形したダイヤフラムバルブ(従来の流路、面取り部無し)を用いて実流による流量測定を行い、Cv値を算出した。その結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例2に基づいて成形したダイヤフラムバルブ(従来の流路、面取り部有り20°)を用いて実流による流量測定を行い、Cv値を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0004762222
表2において、Cv値の増加率は従来のダイヤフラムバルブの形状(図4参照)を用い他比較例4に対するCv値の増加の割合を算出したものである。実施例10と比較例4を比較すると、実施例10のCv値が比較例4のCv値に対して11.9%増加していることが分かる。3次元流量解析で得られた実施例2の比較例1に対するCv値増加率9.5%より若干良い結果となったが、傾向としては同様な傾向が得られた。
次に、比較例4、5を比較すると、比較例5のCv値が比較例4のCv値に対して13.4%増加していることが分かる。3次元流量解析で得られた比較例2の比較例1に対するCv値増加率11.5%より若干良い結果となったが、傾向としては同様な傾向が得られた。
次に、実施例11と比較例4を比較すると、3次元流量解析で得られた結果と同様に、実施例11のCv値が比較例4のCv値に対して約35.0%増加していることが分かる。3次元流量解析で得られた実施例7の比較例1に対するCv値増加率31.4%より若干良い結果となったが、傾向としては同様な傾向が得られた。
以上のように、実際に成形したダイヤフラムバルブでも三次元流量解析と同様な結果が得られた。このことから、本発明のダイヤフラムバルブによれば、流路内で乱流の発生が防止され、流体が無駄なく円滑に流れることができ、大幅に圧力損失を低減することによって、流量を増加させることができることが分かる。
本発明の第一の実施形態を示すダイヤフラムバルブの縦断面図である。 図1の要部拡大縦断面図である。 空気駆動式のダイヤフラムバルブを示す部分断面図である。 従来のダイヤフラム弁を示す縦断面図である。
符号の説明
1 弁本体
2 第一開口
3 第二開口
4 第一流路
5 第二流路
6 第一凸状湾曲面
7 第二凸状湾曲面
8 第一凹状湾曲面
9 第二凹状湾曲面
10 仕切壁
11 弁座
12 開口部
13 第一面取り部
14 第二面取り部
15 ダイヤフラム
16 埋め込み金具
17 コンプレッサ
18 ボンネット
19 貫通孔
20 スリーブ
21 ステム
22 雌ネジ部
23 ハンドル
24 空気式駆動部
25 ステム
26 稜線
27 稜線

Claims (8)

  1. 対向する二つの側面にそれぞれ形成された流入口及び流出口からそれぞれ流路軸線方向に延びる第1流路及び第2流路、上部に形成され前記第1流路及び前記第2流路に通じる開口部、前記第1流路及び前記第2流路の底面から前記開口部に向かって延び頂部に弁座が形成されている仕切壁を設けられた本体と、該本体の上部に取り付けられたボンネットと、前記本体の前記開口部を覆うように配置され且つ前記本体と前記ボンネットとの間に周縁部を挟持されたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動するための駆動部とを備え、前記ダイヤフラムが駆動部によって前記弁座に圧接離間されるようになっているダイヤフラムバルブにおいて、
    前記仕切壁の上端に形成された前記弁座と前記第1流路及び前記第2流路の底面とを接続する前記仕切壁の両側面が、前記流入口から前記弁座並びに前記弁座から前記流出口に至るまでの流れの向きが連続して緩やかに変化するように、前記第1流路及び前記第2流路の底面から変曲点まで延びる凹状湾曲面と前記変曲点から前記弁座の縁まで延びる凸状湾曲面とによって構成され、前記変曲点における前記仕切壁の側面の傾斜角度が、流路軸線に対して45°以下であることを特徴とするダイヤフラムバルブ。
  2. 前記開口部の内周面と前記第1流路及び前記第2流路の天井面との交差部に面取り部を設けた、請求項1に記載のダイヤフラムバルブ。
  3. 前記面取り部の角度が流路軸線に対して15〜30°であり、前記面取り部の高さ方向の寸法が2mm以上である、請求項2に記載のダイヤフラムバルブ。
  4. 前記ダイヤフラムバルブの面間寸法Lと前記開口の内径Dが、L≦3D+95(mm)の関係を満たすように定められている、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のダイヤフラムバルブ。
  5. 前記凸状湾曲面と前記凹状湾曲面が円弧状に形成されており、該凸状湾曲面の半径が、該凹状湾曲面の半径より小さくなるように定められている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のダイヤフラムバルブ。
  6. 前記凸状湾曲面の半径R 1 と前記凹状湾曲面の半径R 2 が、1.0R 1 <R 2 ≦1.5R 1 の関係を満たすように定められている、請求項5に記載のダイヤフラムバルブ。
  7. 前記第1流路及び前記第2流路の内周面の表面粗さRaが6.3μm以下である、請求項1から請求項6の何れか一項に記載のダイヤフラムバルブ。
  8. 前記駆動部が、手動式、空気駆動式又は電気駆動式である、請求項1から請求項7の何れか一項に記載のダイヤフラムバルブ。
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