JP4762175B2 - 照明装置 - Google Patents

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本発明は、壁面或いは壁面に設置された看板の投光照明に用いられる照明装置に係り、特に、ランプ交換やエーミング調整等のメンテナンス作業を容易にする技術に関する。
従来、屋外に設置される広告看板などを照明する照明装置が知られている。この種の照明装置は、アームを被照射面の上側より突き出し、その先端にランプを内蔵した照明器具を装着し、被照射面の前方から投光照明するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−210102号公報
しかしながら、壁面からアームによって突出させて照明器具が配置されているため、ランプ交換やエーミング(光軸)角度の調整等のメンテナンス作業時に、作業者が壁面側(アームの根元側)から照明器具にアクセスすることが困難となる。そのため、通常は、照明器具の直下から照明器具にアクセスすることなるが、比較的高所に設置された広告看板を照明する照明装置の場合には、照明器具に直接アクセスするために高所作業車を用意する必要がある等、大掛かりなものとなる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、照明器具へのアクセスを容易とし、ランプ交換やエーミング角の調整等のメンテナンス作業を容易にすることができる照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、壁面或いは当該壁面に設置された看板の上側から被照射面の前方に突出するように設けられるアームと、ランプを内蔵した照明器具とを有し、前記アームの突出方向先端に連結される連結部を前記照明器具に設け、前記照明器具を前記被照射面の上側前方に配置し、前記被照射面を投光照明する照明装置であって、前記ランプの取出口及び前記照明器具を傾動する操作子の両方を、前記照明器具の左右のいずれかの同じ側の面に設けると共に、前記連結部を中心に前記照明器具を水平面内で回動可能に構成し、メンテナンス時に前記照明器具を回動させて前記操作子及び前記取出口を前記壁面側に引き寄せ可能にしたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記照明器具の回動範囲を、0°<θ<90°とし、前記被照射面を照明するときの配置位置である照明位置と、メンテナンスを実施する時の配置位置であるメンテナンス位置との間に規制したことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記被照射面から前記連結部の回動中心までの距離を約0.6M以下とし、前記照明器具を前記メンテナンスを実施する時の位置まで回動させたときに、前記被照射面から前記ランプの取出口及び前記操作子の各々までの距離を約0.5Mよりも短くしたことを特徴とする。
本発明によれば、照明器具をアームとの連結部を中心に傾動する操作子、及び、ランプの取出口の両方を照明器具の左右側面のいずれか同じ側の側面に設けると共に、連結部を中心に照明器具を水平面内で回動する回動機構を設け、メンテナンス時に操作子及び前記取出口を壁面側に引き寄せ可能にしたため、作業者は、メンテナンス時に照明器具を回動させて壁面側から手の届く範囲に、これら操作子及び取出口を引き寄せることが可能となる。これにより、高所作業車等を使用せずとも壁面側から照明器具にアクセスし、照明器具のランプ交換やエーミング調整等のメンテナンス作業を容易に行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明装置の側面図である。照明装置1は、略矩形の広告看板2の上側3から前方に突出するように延びたアーム4と、このアーム4の先端に設けられ、広告看板2の広告面である被照射面2Aを上側前方から投光照明する照明器具5を有している。なお、この図において、矢印Aは、照明器具5の照明方向を示す。
図2は照明器具5の側面及び正面を共に示す図であり、図3は照明器具5の平面を示す図である。照明器具5は、光源たる放電ランプ11と、当該放電ランプ11が放射する光を広告看板2の被照射面2Aに向けて反射する反射鏡12とを収容する器具本体10と、器具本体10の前面の投光開口7を覆う、透過性樹脂から形成されたグローブ13とを有している。器具本体10の背面側には連結部9が設けられており、この連結部9にアーム4の先端が連結され、照明器具5が被照射面2Aの上側前方に配置される。
上記放電ランプ11は、例えば400W(ワット)程度の比較的大出力のメタルハライドランプであり、発光管11Aを略円筒状の外管11Bに収容して成り、器具本体10の背面側に、外管11Bが左右に延びる姿勢で取り付けられている。また、反射鏡12の形状は、左右中心軸C1に対して略線対称な形状に形成され、照明器具5を中心として左右対称な配光制御が反射鏡12によって行われる。さらに、この反射鏡12は、左右中心軸C1方向に長軸を有する形状に形成され、反射鏡12の配光が照射方向Aに沿って延びる、いわゆる縦型配光となっており、本実施形態の照明器具5は、鉛直方向に延びる略矩形の比較的大型(例えば、縦×横の寸法が6M(メートル)×4M(メートル)程度)の広告看板2の照明に使用される。
ここで、器具本体10の右側面10Aには、放電ランプ11を器具本体10から引き出して取り出す取出口20が形成されており、放電ランプ11を器具本体10に装着した際には、当該放電ランプ11の一端部に取り付けられたランプホルダー部11Cが取出口20から突出するように成されている。メンテナンス時に放電ランプ11を交換する際には、上記ランプホルダー部11Cを把持し、取出口20より放電ランプ11を器具本体10から引き出して、新しいランプと交換する。
連結部9は、図2及び図3に示すように、器具本体10の背後に設けられた本体連結片91と、アーム4の先端が取り付けられるアーム連結片92とを有し、これら本体連結片91及びアーム連結片92がピン93によりヒンジ連結されており、このピン93を回転中心として回動自在に成されている。アーム連結片92の右側面92Aには、上記ピン93を回転中心として器具本体10を回転操作するための操作レバー90と、この操作レバー90の回転操作に応じて上記ピン93を中心に本体連結片91を回転させるギア盤94が設けられている。したがって、この操作レバー90を把持して回転操作することで、器具本体10が鉛直方向に対して傾動され、照明器具5の照射方向Aの角度、すなわち、エーミングの調整が可能となる。
アーム連結片92は、上記アーム4の先端に2本のボルト100、101により連結されており、特に、ボルト100を回転軸として回転可能に成されている。これにより、アーム連結変器具本体10がボルト100を回転中心として水平面内で回転可能になされている。また、アーム連結片92には、ボルト100を中心とした略円弧状の回動規制溝95が形成されており、アーム4に設けられた上記ボルト101が回動規制溝95に係合する。
これらアーム4のボルト101と回動規制溝95との掛止構造によって、図4(A)及び図4(B)の平面図に示すように、照明器具5の回動範囲φは、被照射面2Aを照明するときの照明器具5の配置位置である水平角θ=0度の照明位置P1(図4(A))と、メンテナンス時の照明器具5の配置位置である例えば水平角θ=60度となるメンテナンス位置P2(図4(B))との間に規制される。
換言すれば、回動規制溝95により、照明器具5の回動が照明位置P1と、メンテナンス位置P2との間に規制されているため、メンテナンス位置P2で照明器具5に対してメンテナンス作業を行った後は、回動規制溝95とボルト101とによって回動が規制されるまで照明器具5を回動させることで、照明器具5を照明位置P1に容易に復帰させることができる。
照明器具5は、図4(A)及び図4(B)に示すように、上記操作レバー90及び放電ランプ11の取出口20の両方が設けられている照明器具5の右側(器具本体10の右側面10A及びアーム連結片92の右側面92A)の面を、広告看板2の被照射面2A側に近づける方向に回動し、これにより、上記メンテナンス位置P2においては、放電ランプ11の取出口20と被照射面2Aとの間の距離D1と共に、操作レバー90と被照射面2Aとの間の距離が短縮される。
ここで、本実施形態では、例えば、縦×横の寸法が6M(メートル)×4M(メートル)程度の広告看板2を照明するに際し、上記照明位置P1において、被照射面2Aから器具本体10の頂部10Bまでの垂直な距離である出幅D2(図1、図4参照)を0.95M(メートル)とし、また、広告看板2の被照射面2Aから照明器具5の放電ランプ11の中心までの垂直な距離D1(図1参照)を略0.66M(メートル)とするように照明器具5を配置している。さらに、被照射面2Aから連結部9のボルト100までの距離D3は約0.6M(図示例では0.542M)とされている。
そして、図4(B)に示すように、2本のボルト100、101を緩めて照明器具5を連結部9のボルト100を中心に回動させることで、メンテナンス位置P2においては、放電ランプ11のランプホルダー11Cから被照射面2Aまでの距離D1が約0.42Mまで短縮される。一般的な成人であれば約0.5M程度離れた場所まで手を届かせることができるため、作業者は、高所作業車を使用せずとも、広告看板2が設置された壁面側から照明器具5にアクセスし、また、照明器具5を回動させて取出口20及び操作レバー90を壁面側、すなわち、作業者側に引き寄せ、メンテナンス作業を行うことができる。
また、メンテナンス位置P2を水平角θ=60度の位置とし、照明器具5をそれ以上回動させない構成とすることで、放電ランプ11のランプホルダー11Cと被照射面2Aとの間の距離を規制し、被照射面2Aとの間に放電ランプ11を引き出すための十分なスペースが確保されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態によれば、照明器具5をアーム4との連結部9を中心に傾動する操作レバー90、及び、放電ランプ11の取出口20の両方を照明器具5の右側の面に設けると共に、連結部9とアーム4を締結するボルト100を中心に照明器具5を水平面内で回動可能に構成したため、作業者は、メンテナンス時に、照明器具を回動させることで、これら操作子及び取出口を壁面側(被照射面2A側)に引き寄せることができる。これにより、高所作業車等を使用せずとも壁面側から照明器具5にアクセスし、照明器具のランプ交換やエーミング調整等のメンテナンス作業を容易に行うことが可能となる。
特に、本実施形態によれば、被照射面2Aから連結部9のボルト100までの距離D3を約60cm以下とし、照明器具5をメンテナンス位置P2まで回動させたときに、被照射面2Aから放電ランプ11の取出口20及び操作レバー90の各々までの距離が、上記被照射面2Aから連結部9のボルト100までの距離D3よりも短くなるようにしたため(本実施形態では約0.42M以下)、メンテナンス作業時には、作業者が壁面側から手の届く範囲に、ボルト100や放電ランプ11の取出口20、操作レバー90が位置することとなり作業が容易となる。
また、本実施形態によれば、水平面内での照明器具5の回動範囲を、照明器具5が被照射面2Aを照明するときの配置位置である照明位置P1と、照明器具5がメンテナンスされる時の配置位置であるメンテナンス位置P2との間だけに規制したため、メンテナンス位置P2で照明器具5に対してメンテナンス作業を行った後、回動が規制されるまで照明器具5を回動させることで、照明器具5を照明位置P1に容易に復帰させることができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、縦型配光を有する照明器具5を例示したが、これに限らず、縦×横が4M×6M程度の被照射面を有する広告看板や壁面の投光照明に用いて好適な横型配光を有する照明器具にも本発明を適用することが可能である。
本発明の実施形態に係る照明装置の構成を示す図である。 同照明器具の正面及び側面を共に示す図である。 同照明器具の底面を示す図である。 同照明器具の照明位置及びメンテナンス位置を示す平面図である。
符号の説明
1 照明装置
2 広告看板
2A 被照射面
4 アーム
5 照明器具
7 投光開口
9 連結部
10 器具本体
11 放電ランプ
11C ランプホルダー
12 反射鏡
20 取出口
90 操作レバー
95 回動規制溝
100、101 ボルト
P1 照明位置
P2 メンテナンス位置

Claims (3)

  1. 壁面或いは当該壁面に設置された看板の上側から被照射面の前方に突出するように設けられるアームと、ランプを内蔵した照明器具とを有し、前記アームの突出方向先端に連結される連結部を前記照明器具に設け、前記照明器具を前記被照射面の上側前方に配置し、前記被照射面を投光照明する照明装置であって、
    前記ランプの取出口及び前記照明器具を傾動する操作子の両方を、前記照明器具の左右のいずれかの同じ側の面に設けると共に、前記連結部を中心に前記照明器具を水平面内で回動可能に構成し、メンテナンス時に前記照明器具を回動させて前記操作子及び前記取出口を前記壁面側に引き寄せ可能にしたことを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置において、
    前記照明器具の回動範囲を、0°<θ<90°とし、
    前記被照射面を照明するときの配置位置である照明位置と、メンテナンスを実施する時の配置位置であるメンテナンス位置との間に規制したことを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1又は2に記載の看板照明装置において、
    前記被照射面から前記連結部の回動中心までの距離を約0.6M以下とし、
    前記照明器具を前記メンテナンスを実施する時の位置まで回動させたときに、前記被照射面から前記ランプの取出口及び前記操作子の各々までの距離を約0.5Mよりも短くしたことを特徴とする照明装置。
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