JP4761176B2 - 供給ガスの製造設備 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、LNGを蒸発気化させて都市ガスなどの供給ガスを製造する設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メタンを主成分とする天然ガスを、−162℃程度に冷却して液化すると、液化天然ガス(以下LNGという)が得られる。このLNGを原料として、LNG気化器によって蒸発気化させたガス(以下NGという)の熱量は、約42メガジュール/ノルマル立方メートル(以下MJ/Nmと表す)程度である。このNGに、熱量が約100〜134MJ/Nm程度の液化石油ガス(以下LPGという)を加え熱量を増加して、例えば約46MJ/Nm程度の供給ガスを製造している。このようにLNGを原料として製造した供給ガスは、都市ガスや工業用ガスなどとして需要者に供給されている。
【0003】
このように、LNGから都市ガスなどの供給ガスを製造する設備には、従来例の図5に示すようなLNGサテライト設備が知られている。このLNGサテライト設備は、極低温のLNGを貯蔵するLNGタンク21、液体のLNGを蒸発気化するLNG気化器22、高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部23などの主要機器、NGを送り出すNGライン24、及びNGの熱量を測定し管理する熱量計測装置27などから構成されている。なお、図5のLNGサテライト設備には、LNGタンク21内の圧力上昇時などに、LNGタンク21内の蒸発気化ガス(以下BOGという)をNGライン24へ適宜排出するBOG排出ライン25及び圧力弁26が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すような従来のLNGサテライト設備は、供給ガスの需要量などに応じて、連続運転されたり、或いは、所定時間断続的に運転されたりしている。
ところで、LNGには様々な沸点の成分が混在する多成分組成であるので、LNGのうちの例えばメタンのような低沸点成分は先に蒸発し、例えばエタンやプロパンなどの高沸点成分はLNG気化器22の加温部に残留する場合がある。
そのため、LNG気化器22を長時間連続運転している場合には、例えば、特開2000−146090号公報に紹介されているように、エタンやプロパンなどの高沸点重質成分がLNG気化器の加温部に蓄積滞留することがある。
また、LNG気化器22を所定時間断続的に運転する場合には、例えば、特開平10−169897号公報に紹介されているように、運転停止中に未蒸発のエタンやプロパンなどの高沸点重質成分が液体のままLNG気化器内に残留している。
これらエタンやプロパンなどの高沸点重質成分は、LNGの主成分であるメタンよりも熱量が高い。そして、上記のように連続運転の途中、或いは断続運転の起動時には、LNG気化器22内に残留していた上記熱量の高い重質成分が一時的に蒸発気化して流れ出てくる。そのために、LNG気化器22を連続運転途中の数分間、或いはLNG気化器22を断続運転する際のLNG気化器22を起動後の数分間から数十分間程度の立上がりの期間は、NGの熱量が一時的に変動し、熱量計測装置27の熱量設定範囲の上限値、例えば供給ガスの所定熱量、46MJ/Nmからプラス0.42MJ/Nmなどに設定した上限値をオーバーしていた。
【0005】
なお、LNGサテライト設備の熱量調節部23は、平常運転時に熱量が約42MJ/Nm程度とやや低いNGに、熱量が約100乃至134MJ/Nm程度と高いプロパンガスやブタンガスなどのLPGを供給し、この増熱によって所定熱量、約46MJ/Nm程度の供給ガスを製造するものである。
そのため、熱量調節部23においては、上記のようなLNG気化器22を長時間連続運転している際に一時的に生じる熱量変動、或いはLNG気化器22を断続運転する際の起動後の数分間から数十分間に生じる一時的な熱量増加に対して、熱量を低減させるように対処させることが難しく、熱量増加の大きな変動を抑えることは困難であった。
また、上記LNGタンク21内のBOGも、熱量を低減するためには使用されてはいなかった。
【0006】
そこで従来は、LNG気化器22の連続運転、或いは断続運転においてLNG気化器22から送出される高い熱量の残留ガスが流出して基準の上限値をオーバーする際に、警報を発しないように熱量計測装置27に遅延タイマー等を設けて応答性を遅らせたり、ミキシングタンクなど(図示せず)で、後から送出されるNGによって希釈されるのを待って調整していた。そのために、熱量が均一になり安定化するまでは、マニュアル操作による調整やミキシングなどの対応が必要であった。
【0007】
この発明は、上述の従来技術が有する課題に鑑みてなされたもので、供給ガス製造設備の連続運転における途中、或いは断続運転における立上がりの期間に、供給ガスの熱量の安定化を図り、迅速かつ円滑な定常運転を行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る供給ガスの製造設備は、LNGタンク1内のLNGをLNG気化器によって蒸発気化して所定熱量の供給ガスを製造する設備において、LNG気化器2で蒸発気化したNGを送り出すNGライン4は高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部3に接続し、LNGタンク1内のBOGの圧力が上昇した時にBOGを適宜排出する圧力弁6を備えたBOG排出ライン5を、LNG気化器2と熱量調節部3に接続したNGライン4の中間に接続し、熱量調節部3より下流側のNGライン4に熱量計測装置7を設け、さらにLNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するBOG送入ライン9、つまり通常のBOG排出ライン5から分岐し圧力弁6の上流側と下流側を結んで並列にBOG送入ライン9を設け、このBOG送入ライン9に空気圧作動や電動による調整弁10を設けてなる供給ガスの製造設備であって、LNG気化器2の連続運転途中の数分間の間、或いはLNG気化器2の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器2内に残留していた高い熱量のLNGが蒸発気化して設定熱量以上の高い熱量の残留ガスが送出してきた場合に、LNGを貯蔵しているタンク1内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器2で蒸発気化させたNGガスを送り出すNGライン4に送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して、供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8を設け、上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より下流側のNGライン4に設けた熱量計測装置7にて、供給ガスの熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部11と、この測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部12と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン13とで形成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明に係る供給ガスの製造設備は、LNGタンク1内のLNGをLNG気化器2によって蒸発気化して所定熱量の供給ガスを製造する設備において、LNG気化器2で蒸発気化したNGを送り出すNGライン4は高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部3に接続し、LNGタンク1内のBOGの圧力が上昇した時にBOGを適宜排出する圧力弁6を備えたBOG排出ライン5を、LNG気化器2と熱量調節部3に接続したNGライン4の中間に接続し、熱量調節部3より下流側のNGライン4に熱量計測装置17とを設け、さらにLNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するBOG送入ライン9、つまり通常のBOG排出ライン5から分岐し圧力弁6の上流側と下流側を結んで並列にBOG送入ライン9を設け、このBOG送入ライン9に空気圧作動や電動による調整弁10を設けてなる供給ガスの製造設備であって、LNG気化器2の連続運転途中の数分間の間、或いはLNG気化器2の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器2内に残留していた高い熱量のLNGが蒸発気化して設定熱量以上の高い熱量の残留ガスが送出してきた場合に、LNGを貯蔵しているタンク1内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器2で蒸発気化させたNGガスを送り出すNGライン4に送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して、供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構18を設け、上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構18は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より上流側のNGライン4において、LNG気化器2から送出される気化ガス、及びBOG排出ライン5から送出されるBOGの各々の熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部14と、これらの測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部15と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン16とで形成したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4に基づき、この発明に係る供給ガス製造設備の実施の形態について説明する。
【0011】
図1乃び図2は、LNGから都市ガスなど所定熱量の供給ガスを製造する設備、つまりLNGサテライト設備の概略を示すもので、1は極低温のLNGを貯蔵するLNGタンク、2はLNGを蒸発気化させるLNG気化器、3は高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部である。また、4は蒸発気化したNGを送り出すNGライン、5はLNGタンク1内のBOGの圧力が上昇した時などにBOGを適宜排出するBOG排出ライン、6は圧力弁、7,17は熱量計測装置である。
【0012】
この発明に係る供給ガスの製造設備は、LNG気化器2の連続運転途中の数分間の間、或いはLNG気化器2の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器2内に残留していた高い熱量のLNGが蒸発気化して設定熱量以上の高い熱量の残留ガスが送出してきた場合に、LNGを貯蔵しているタンク1内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器2と接続するNGライン4に送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して、供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8,18を設けたものである。
【0013】
図1及び図2に示す実施形態例は、LNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するBOG送入ライン9を設けた場合、つまり通常のBOG排出ライン5から分岐し圧力弁6の上流側と下流側を結んで並列にBOG送入ライン9を設けた場合を示すもので、このBOG送入ライン9に空気圧作動や電動による調整弁10を設けたものである。このように、BOG送入ライン9を間接的に設けた場合は、簡便な配管材と調整弁を用いればよく、既存設備の改造などに適した構造となる。
【0014】
図1に示すように、上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より下流側のNGライン4に設けた熱量計測装置7にて、供給ガスの熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部11と、この測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部12と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン13とで形成したものである。
このように、熱量調節部3より下流側の熱量計測装置7に測定部11及び制御部12を設けた場合には、通常設置されている熱量調節部3や熱量計測装置7などを測定部11に連携させるなどして設備費用を低減することが可能となる。
【0015】
また、図2に示すように、上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構18は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より上流側のNGライン4において、LNG気化器2から送出される気化ガス、及びBOG排出ライン5から送出されるBOGの各々の熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部14と、これらの測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部15と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン16とで形成したものである。
このように、熱量調節部3より上流側に測定部14及び制御部15を設けた場合には、気化ガス及びBOG各々の測定を迅速に行うことができるため、混合ガスの熱量調整の応答性が良くなる。
【0016】
なお、図1及び図2に示す事例は、BOG送入ライン9をLNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するようにBOG排出ライン5から分岐して設けた場合を示したが、通常のBOG排出ライン5に設けた圧力弁6を、所定圧力を越えた場合に開き所定圧力以下で閉じる圧力開閉機能と、所定信号を受けて作動する流量調整機能とを併せ持つ弁に替え、かつ通常のBOG排出ライン5はそのままBOG送入ライン9として使用し、LNGタンク1とNGライン4を直接的に接続するようにしてもよい。この場合には、通常のBOG排出ライン5をBOG送入ライン9として使用するので、配管機材を大巾に節減できる。
或いはまた、LNGタンクとNGラインを直接的に接続するBOG送入ラインを別途独立して設け(図示せず)、このBOG送入ラインに調整弁を設けるようにしてもよい。この場合には、BOGの送入を独立して任意に行うことが可能となり、操作性が向上する。
上記のように、BOG送入ラインを直接的に設ける場合は、配管及び弁を設計段階から機能的に配置計画するため、新規建設に適した構造となる。
【0017】
図3のフローシートに基づいて、LNG気化器の運転開始から定常運転に移行するまでの立上がり期間の手順に沿って説明する。
(a1)供給ガス製造設備の運転開始により、(a2)LNG気化器2が起動し、(a3)調整弁10が作動可能な状態となる。また、(a4)測定部11,14において、熱量、流量、温度、圧力などの測定が開始される。そして、(a5)LNG気化器2から送出される残留ガスの熱量が上限値をオーバーしている場合には、(b1)制御部12,15が作動し、(b2)制御ライン13,16から指令が調整弁10へとフィードバック伝達される。
そして、(b3)調整弁10の開閉度合の調整によって低い熱量のBOGの送入量が増加され、流量調整に伴う混合比率によって残留ガスにBOGを加えた混合ガスの熱量が変化する。(b4)再度測定部11,14にて熱量、流量などを測定し、(b5)混合ガスの熱量が上限値以内に入っていることを確認する。
次いで、(c1)熱量、流量などが安定した状態となって、(c2)定常運転へと移行していく。
なお、LNG気化器の連続運転の途中における一時的な熱量増加の際には、
上記(a3)から(a5)、及び(b1)から(b5)の一連の手順に従って安定した定常状態となる。
【0018】
上記図2に示す実施形態例について、ガスの熱量と流量の関係を、表1に例示する。
LNG気化器2から送出される熱量Xの残留ガスの流量Aに対して、LNGタンク1から送出される熱量YのBOGの流量Bを加えて、熱量Z,流量A+Bの混合ガスを得る。
上記X,A,Y,B,Z,A+Bは、図2に示す測定部14にて各々測定され、制御部15で演算され、熱量の上限値以内に入っているかどうかが判定され、制御ライン16によって調整弁10へ開閉度合の調整指令が伝達される。
なお、括弧内の熱量数値は、変化する想定範囲の事例を示している。また、混合ガスの熱量Zの設定上限値は、最終的にLPGを加え増熱して製造する供給ガスの熱量の値、46MJ/Nmとした場合を示す。
【0019】
Figure 0004761176
【0020】
表1に示す各値の関係は、積分値Σの次式1によって表される。
ΣXA+ΣYB=Σ(A+B)Z・・・[式1]
【0021】
上記表1及び式1のX,A,Y,B,Z,A+Bについて、断続運転されるLNG気化器を事例として、運転開始後の立上がり期間内の測定時点▲1▼,▲2▼,▲3▼における測定値を表2に示す。
【0022】
Figure 0004761176
【0023】
上記LNG気化器の運転開始後の立上がり期間における各ガスの流量の関係は、図4のグラフのようになる。また、上記表2に示す測定時点▲1▼,▲2▼,▲3▼は、グラフに記した位置となる。
グラフに示すように、運転開始から定常運転に至る立上がり期間は、LNG気化器から送出される高い熱量の残留ガスの流量増加に比例させて、低い熱量のBOGの送入流量を増加させ、残留ガスとBOGを合計した混合ガスの熱量を、46MJ/Nmの設定値に調整する。そして、LNG気化器より送出される残留ガスが減少しNGが安定するのに従って、BOGの送入を減少させ、定常運転へと移行する。
【0024】
なお、上述の熱量の低減調整は、BOGを用いて行ったものであるが、図示はしないが、BOGとは別途にNGラインへ熱量ゼロの空気又は低い熱量のガスなどを送入し、希釈によって供給ガスの熱量を低減するように形成してもよい。この場合には、供給ガスの希釈調整の範囲が広くなり、要求される低い熱量範囲に対応する工業用ガスなどを適宜製造することが可能となる。また、LNG気化器の立上がり期間の熱量低減調整を速やかに行うことができる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2の発明に係る供給ガスの製造設備は、LNG気化器を連続運転している途中の数分間の間やLNG気化器の運転開始から定常運転に至る断続運転する立上がりの期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器内に残留していた高い熱量の残留ガスNGが送出された場合、LNGを貯蔵しているタンク内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器で蒸発気化させたNGガスを送り出すNGラインに送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して希釈調整されるため、供給ガスの熱量上限値をオーバーすることなく、適正な熱量の供給ガスを安定的に得ることができる。そして、LNGタンク内のBOGを、供給ガスの熱量調整に有効利用することが可能となる。
【0026】
また、請求項1の発明では、上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構は、上記間接的に設けたBOG送入ラインと、このBOG送入ラインに設けた調整弁と、熱量調節部より下流側のNGラインに設けた熱量計測装置にて供給ガスの熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部と、この測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部と、調整弁の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ラインとで形成して熱量調整を行うので、一時的な熱量変動に対して熱量調整を行う制御の応答性が良く、迅速に対応することが可能となり、BOG送入ラインを間接的に設ける場合は、簡便な配管材等を用いるので既存設備の改造に適した構造となる。
特に、請求項1の発明では、熱量調節部より下流側の熱量計測装置に測定部及び制御部を設けたので、通常設置されている熱量調節部や熱量計測装置などを測定部に連携させるなどして設備費用を低減することが可能となる。
また、請求項2の発明では、熱量調節部より上流側のNGラインに測定部及び制御部を設けたので、気化ガス及びBOG各々の測定を迅速に行うことができるため、混合ガスの熱量調整の応答性が良くなる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る供給ガス製造設備の実施形態例の概略を示す説明図である。
【図2】 この発明に係る供給ガス製造設備の他の実施形態例の概略を示す説明図である。
【図3】 LNG気化器の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の手順を示すフローシートである。
【図4】 LNG気化器の運転開始から定常運転に至る立上がり期間におけるガス流量の関係を示すグラフである。
【図5】 従来の供給ガス製造設備の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 LNGタンク 2 LNG気化器
3 熱量調節部 4 NGライン
5 BOG排出ライン 6 圧力弁
7 熱量計測装置 8 制御機構
9 BOG送入ライン 10 調整弁
11 測定部 12 制御部
13 制御ライン 14 測定部
15 制御部 16 制御ライン
17 熱量計測装置 18 制御機構
21 LNGタンク 22 LNG気化器
23 熱量調節部 24 NGライン
25 BOG排出ライン 26 圧力弁
27 熱量計測装置

Claims (2)

  1. LNGタンク1内のLNGをLNG気化器2によって蒸発気化して所定熱量の供給ガスを製造する設備において、
    LNG気化器2で蒸発気化したNGを送り出すNGライン4は高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部3に接続し、LNGタンク1内のBOGの圧力が上昇した時にBOGを適宜排出する圧力弁6を備えたBOG排出ライン5を、LNG気化器2と熱量調節部3に接続したNGライン4の中間に接続し、熱量調節部3より下流側のNGライン4に熱量計測装置7を設け、
    さらにLNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するBOG送入ライン9、つまり通常のBOG排出ライン5から分岐し圧力弁6の上流側と下流側を結んで並列にBOG送入ライン9を設け、このBOG送入ライン9に空気圧作動や電動による調整弁10を設けてなる供給ガスの製造設備であって、
    LNG気化器2の連続運転途中の数分間の間、或いはLNG気化器2の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器2内に残留していた高い熱量のLNGが蒸発気化して設定熱量以上の高い熱量の残留ガスが送出してきた場合に、LNGを貯蔵しているタンク1内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器2で蒸発気化させたNGガスを送り出すNGライン4に送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して、供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8を設け、
    上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構8は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より下流側のNGライン4に設けた熱量計測装置7にて、供給ガスの熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部11と、この測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部12と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン13とで形成したことを特徴とする供給ガスの製造設備。
  2. LNGタンク1内のLNGをLNG気化器2によって蒸発気化して所定熱量の供給ガスを製造する設備において、
    LNG気化器2で蒸発気化したNGを送り出すNGライン4は高い熱量のLPGを加えて増熱する熱量調節部3に接続し、LNGタンク1内のBOGの圧力が上昇した時にBOGを適宜排出する圧力弁6を備えたBOG排出ライン5を、LNG気化器2と熱量調節部3に接続したNGライン4の中間に接続し、熱量調節部3より下流側のNGライン4に熱量計測装置17とを設け、
    さらにLNGタンク1とNGライン4を間接的に接続するBOG送入ライン9、つまり通常のBOG排出ライン5から分岐し圧力弁6の上流側と下流側を結んで並列にBOG送入ライン9を設け、このBOG送入ライン9に空気圧作動や電動による調整弁10を設けてなる供給ガスの製造設備であって、
    LNG気化器2の連続運転途中の数分間の間、或いはLNG気化器2の運転開始から定常運転に至る立上がり期間の約10分間から数十分間程度の間に、LNG気化器2内に残留していた高い熱量のLNGが蒸発気化して設定熱量以上の高い熱量の残留ガスが送出してきた場合に、LNGを貯蔵しているタンク1内の比較的低い熱量のBOGを、LNG気化器2で蒸発気化させたNGガスを送り出すNGライン4に送入し、上記高い熱量の残留ガスに上記低い熱量のBOGを混合して、供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構18を設け、
    上記供給ガスの熱量低減調整を自動で行う制御機構18は、上記間接的に設けたBOG送入ライン9と、このBOG送入ライン9に設けた調整弁10と、熱量調節部3より上流側のNGライン4において、LNG気化器2から送出される気化ガス、及びBOG排出ライン5から送出されるBOGの各々の熱量、流量、温度、圧力などを測定する測定部14と、これらの測定データに基づいてBOGの送入量を演算して指令を発する制御部15と、調整弁10の開閉度合を調整する上記指令を伝える制御ライン16とで形成したことを特徴とする供給ガスの製造設備。
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