JPH09317997A - 低温液化ガス貯蔵設備およびbogの処理方法 - Google Patents

低温液化ガス貯蔵設備およびbogの処理方法

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JPH09317997A
JPH09317997A JP15755096A JP15755096A JPH09317997A JP H09317997 A JPH09317997 A JP H09317997A JP 15755096 A JP15755096 A JP 15755096A JP 15755096 A JP15755096 A JP 15755096A JP H09317997 A JPH09317997 A JP H09317997A
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JP
Japan
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bog
low
liquefied gas
temperature liquefied
compressor
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JP15755096A
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English (en)
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Atsushi Uchiyama
敦詞 内山
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローズドサイクル運転においては、低温液
化ガスの貯蔵タンクの気相における低沸点成分の濃縮を
確実に防止することができ、またオープンサイクル運転
においては、移送先の高圧貯蔵設備や出荷設備等での低
沸点成分の増加に伴う混合調整操作が不要となる低温液
化ガス貯蔵設備およびこれを用いたBOGの処理方法を
得る。 【解決手段】 低温液化ガス2を貯蔵する貯蔵タンク1
と、この貯蔵タンク1内に発生したBOGを抜き出すB
OG配管3と、このBOG配管3に介装されてBOGを
圧縮する圧縮機3と、圧縮されたBOGを凝縮する凝縮
器7と、この凝縮器で凝縮されたBOGを貯留する凝縮
液受槽8とを備えてなり、BOG配管3の圧縮機5の下
流側に、BOG配管3内の少なくとも一部のBOGから
低沸点成分を選択的に分離して除去する分離装置21を
介装した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温液化ガスの貯
蔵設備および当該貯蔵設備におけるBOGの処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、プロパンやブタン等の発
電用の燃料や都市ガスとして、あるいは各種の化学プラ
ント等において用いられる気体にあっては、取り扱いの
便宜上、一旦冷却されて液化された状態で搬送および貯
蔵され、使用に際して、適宜ポンプによって貯蔵タンク
から抜き出されて気化された後に、当該供給先に移送さ
れている。ところで、このような低温液化ガスを貯蔵す
る貯蔵タンクにあっては、合理性および経済性の観点か
ら、一般に低温液化ガスをほぼ大気圧と同圧(大気圧+
0.03〜0.09kg/cm2G程度)で、沸点にて、例えば
プロパンでは約−42℃、またブタンでは約−5℃にて
貯蔵するように設計されている。ところが、上記貯蔵タ
ンクにおいては、周囲からの定常的な入熱や、当該低温
液化ガスの入荷時における受入配管系からの入熱等の非
定常的な入熱により、内部に上記低温液化ガスの蒸発ガ
ス(以下、BOGと略称する。)が発生する。そして、
このようにして発生したBOGは、貯蔵タンク内圧の上
昇をもたらすため、通常上記貯蔵タンクから連続的また
は間欠的に抜き出して液化処理を行なっている。
【0003】図4は、従来のこの種のBOG抜き出し手
段が設けられた液化プロパンガス(以下、LPGと略称
する。)の貯蔵設備を示すもので、図中符号1がLPG
(低温液化ガス)2を貯蔵する貯蔵タンクである。この
貯蔵タンク1の上部には、内部で発生したBOGを抜き
出すBOG配管3が設けられており、このBOG配管3
には、順次サクションドラム4と、このサクションドラ
ム4を経たBOGを圧縮する圧縮機5と、この圧縮機5
で圧縮されたBOGを冷却水6によって冷却してその全
部または一部を液化する凝縮器7と、この凝縮器7で液
化されたBOGを一時蓄える凝縮液受槽8が配設されて
おり、上記凝縮液受槽8内の液化されたBOGは、戻り
ライン9から減圧弁10を介して貯蔵タンク1の内圧と
ほぼ等しい圧力まで減圧されて、再び上記貯蔵タンク1
に戻され(クローズドサイクル運転)、あるいは移送ポ
ンプ11によって送出管12から図示されない高圧貯蔵
設備または出荷設備に供給される(オープンサイクル運
転)ようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記貯蔵タ
ンク1に蓄えられている低温液化ガスには、低沸点成分
が含まれている。ちなみに、上記LPGにおいては、当
該低沸点成分であるエタンが0.5〜2.0モル%含ま
れており、BOG配管3を通じて排出されるBOG中に
は、貯蔵タンク1における気液平衡により、約5〜10
モル%のエタン成分が含まれている。このため、クロー
ズドサイクル運転を行なった場合には、低沸点成分に富
んだガスが再び貯蔵タンク1に戻され、この結果上記貯
蔵タンク1の気相における低沸点成分の濃度が高くな
る。例えば、上述したLPGの貯蔵設備においては、最
終的にエタン濃度が20〜25モル%にまで増加する。
この結果、上記低沸点成分の濃度が上昇すると、圧縮機
5で圧縮するために出口圧力を高くする必要があり、よ
ってこのような貯蔵タンク1の気相におけるBOGの軟
質化を考慮すると、当該圧縮機5および凝縮器6に要す
る設備能力および設備費が1.2〜1.5倍にまで高騰
化してしまうという問題点があった。
【0005】このため、特にクローズドサイクル運転に
おいて、減圧弁10で気化された低沸点成分に富むBO
Gを直接貯蔵タンク1の気相に放出せずに、図4に符号
13で示すスポンジングラインを設け、上記BOGを循
環ポンプ14によって抜き出されたLPGに吸収させる
ようにした貯蔵設備も提案されているが、上記BOGの
吸収に多量のLPGを循環させる必要があるために、多
大の電力を消費して不経済であるとともに、当該スポン
ジングライン13を用いても、完全にBOGを吸収する
ことができないという問題点があった。
【0006】他方、上述したオープンサイクル運転を行
なった場合には、凝縮液受槽8に収容されている液化さ
れたBOGは低沸点成分の濃度が高く、この結果、例え
ばLPGの場合にあっては、プロパン濃度が80〜90
モル%程度にまで低下しているため、これを直接上記高
圧貯蔵設備や出荷設備等に移送すると、製品の品質を低
下させたり、また製品純度を維持しようとすると不純物
調整の運転頻度が著しくなって、その混合調整操作に多
大の手間と費用とを要するという問題点があった。
【0007】そこで、図5に示す他の貯蔵設備のよう
に、圧縮機5の後段に、圧縮されたBOGの一部を凝縮
させる分縮器15を設けるとともに、上記凝縮液受槽8
の上部に、圧力調節弁16が介装された軟質ガスの放出
管17を配管し、この放出管17によって上記凝縮液受
槽8内のBOGから低沸点成分に富んだ軟質ガスを除去
するとともに、凝縮液受槽8に貯められた高沸点成分に
富むBOGを、戻りライン9から熱交換器18に導いて
貯蔵タンク1から送出されるBOGによってさらに冷却
した後に、上記貯蔵タンク1に戻すようにしたものも開
発されている。しかしながら、上記貯蔵設備にあって
は、分縮器15では低沸点成分の分離が充分に行なわれ
ないために、圧力調節弁16から低沸点成分に富む軟質
ガスを放出する際に、当該放出量がBOGの15〜20
重量%になり、かつ上記軟質ガス中には、70〜80モ
ル%のプロパンが含まれているために、LPGの損失を
招いて不経済であるという問題点があった。
【0008】本発明は、このような従来の低温液化ガス
貯蔵設備が有する種々の課題を有効に解決すべくなされ
たもので、クローズドサイクル運転においては、低温液
化ガスの貯蔵タンクの気相における低沸点成分の濃縮を
確実に防止することができ、またオープンサイクル運転
においては、移送先の高圧貯蔵設備や出荷設備等での低
沸点成分の増加に伴う混合調整操作が不要となる低温液
化ガス貯蔵設備およびこれを用いたBOGの処理方法を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る低温液化ガス貯蔵設備は、低温液化ガスを貯蔵す
る貯蔵タンクと、この貯蔵タンク内に発生したBOGを
抜き出すBOG配管と、このBOG配管に介装されて上
記BOGを圧縮する圧縮機と、この圧縮機で圧縮された
BOGを凝縮する凝縮器と、この凝縮器で凝縮されたB
OGを貯留する凝縮液受槽とを備えてなり、かつ上記B
OG配管の圧縮機の下流側に、上記BOG配管内の少な
くとも一部のBOGから低沸点成分を選択的に分離して
除去する分離装置を介装したことを特徴とするものであ
る。
【0010】ここで、請求項2に記載の発明は、上記分
離装置が、上記圧縮機と凝縮器との間に介装されてお
り、かつ上記分離装置の低沸点成分を除去した戻り管
が、冷却器を介して上記BOG配管の圧縮機の吸入側に
接続されていることを特徴とするものである。他方、請
求項3に記載の発明は、請求項1に記載の分離装置が、
上記凝縮器の下流側に介装され、気化状態にあるBOG
の少なくとも一部から低沸点成分を選択的に分離して除
去するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1〜3のいずれかに記載の分離装置が、活性炭を主体
とする吸着装置であることを特徴とするものであり、請
求項5に記載の発明は、上記分離装置が、上記低温液化
ガスの主成分と、当該主成分よりも小さな分子との透過
速度が30倍以上異なる高分子膜を主体とする吸着装置
であることを特徴とするものである。そして、請求項6
に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の
低温液化ガスが、LPGであることを特徴とするもので
ある。
【0012】次いで、請求項7に記載の本発明に係るB
OGの処理方法は、上記請求項1ないし6のいずれかに
記載の低温液化ガス貯蔵設備を用いて、上記分離装置に
よって、BOGの少なくとも一部から当該低温液化ガス
の主成分よりも低沸点成分のガスを選択的に分離して除
去した後に、当該BOGを再び上記貯蔵タンクに戻すこ
とを特徴とするものである。
【0013】請求項1〜6のいずれかに記載の発明によ
れば、貯蔵タンク内に発生したBOGを圧縮機で昇圧
し、凝縮器でその全部または一部を液化して凝縮液受槽
に一時蓄えるに際して、上記圧縮機の下流側において分
離装置によって低沸点成分に富んだガスを分離して除去
しているので、特に請求項7に記載の発明のようにクロ
ーズドサイクル運転を行なう場合にあっては、高沸点成
分に富んだBOGのみを貯蔵タンクに戻すことができ、
よって低温液化ガスの貯蔵タンクの気相における低沸点
成分の濃縮を確実に防止することができる。この結果、
圧縮機や凝縮器の容量をより小さくして小型化を図るこ
とができ、かつ圧縮機の動力消費量も大幅に低減化させ
ることが可能となる。また、オープンサイクル運転にお
いては、供給するBOGの品質を安定化させることがで
き、よって移送先の高圧貯蔵設備や出荷設備等での低沸
点成分の増加に伴う混合調整操作が不要となる。
【0014】この際に、請求項2に記載の発明にあって
は、上記分離装置を上記圧縮機と凝縮器との間に介装
し、かつ上記分離装置の低沸点成分を除去した戻り管
を、冷却器を介して上記BOG配管の圧縮機の吸入側に
接続しているので、圧縮機で昇圧されたBOGの全部ま
たは一部から上記低沸点成分に富むガスを分離・除去す
ることができるとともに、高沸点成分に富むBOGを冷
却器で冷却して圧縮機の入口側に戻すことにより、圧力
損失を防止することが可能となる。また、請求項3に記
載の発明にあっては、上記凝縮器の下流側に介装された
分離装置によって、上記凝縮器が分縮器である場合に
は、液化されていないBOGから、また上記凝縮器が全
縮器である場合には、凝縮されたBOGを再気化するこ
とによりその少なくとも一部から、同様にして低沸点成
分を選択的に分離して除去することができる。
【0015】ここで、上記分離装置としては、請求項4
に記載の発明のように、低沸点成分を吸着・脱着して分
離する活性炭を主体とした吸着装置や、あるいは請求項
5に記載の発明のように、低温液化ガスの主成分と、当
該主成分よりも小さな分子との透過速度が30倍以上異
なる高分子膜を主体とし、上記透過速度の大幅な相違を
利用して高沸点成分のガスと低沸点成分のガスとを分離
する吸着装置を用いることが好適である。具体的には、
これらを用いたモレキュラーシーブ(分子ふるい)、分
離膜等の効率の高い吸着装置を用いることが好ましく、
またこれらを複数段に配設したり、さらに冷媒を用いて
極低温に冷却することにより低沸点成分のガスを分離す
る深冷分離装置を直列的に配設すれば、一層確実に上記
低沸点成分を分離して除去することが可能となる。この
ように、上記請求項1〜5に記載の発明は、請求項6に
記載の発明のように、気化温度が比較的低く、かつエタ
ンのような低沸点成分の濃縮が生じやすいLPGの貯蔵
設備に適用した場合に、顕著な作用効果がみられる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の低温液化ガス貯
蔵設備をLPG貯蔵設備に適用した第1の実施形態を示
すもので、図4および図5に示したものと同一構成部分
については同一符号を付して、その説明を簡略化する。
図1において、このLPG貯蔵設備においては、BOG
配管3の圧縮機5と凝縮器との間にバイパスライン20
が設けられ、このバイパスライン20に低沸点ガスを選
択的に分離して除去する分離装置21が配設されてい
る。この分離装置21は、例えば活性炭を主体としたモ
レキュラーシーブ式の吸着装置や、あるいはプロパン
と、これよりも小さな分子のエタンとの透過速度が30
〜250倍以上異なるポリイミド、ポリスルホン多孔
膜、セルロースアセテート等の高分子膜を主体とした分
離膜式の吸着装置を用いることができる。また、上記分
離装置21としては、これらを複数段に配設したものを
用いてもよく、さらにはこれら吸着装置に、冷媒を用い
て極低温に冷却することにより低沸点成分のガスを分離
する深冷分離装置を直列的に配設したものを使用しても
よい。なお、図中符号23は、上記分離装置21で分離
された低沸点成分の排出管である。そして、上記バイパ
スライン20が配管されたBOG配管3には、圧力調整
用の減圧弁22が介装されている。
【0017】次に、以上の構成からなるLPG貯蔵設備
を用いた本発明に係るBOGの処理方法の第1の実施形
態について説明すると、先ず貯蔵タンク1内に発生した
BOGをBOG配管3から抜き出して圧縮機5で15〜
30kg/cm2Gまで昇圧し、減圧弁22を適宜圧力に設定
することにより、この昇圧されたBOGの全部または一
部をバイパスライン20を介して分離装置21に供給す
る。すると、上記分離装置21において、BOG中のプ
ロパンよりも低沸点な成分が、活性炭により吸着され、
あるいは上記高分子膜によって透過速度の大幅な相違に
より選択的に分離されて、排出管23から除去される。
次いで、このようにして低沸点成分が除去されて高沸点
成分に富むBOGは、凝縮器7において液化され凝縮液
受槽8に一時蓄えられた後に、戻りライン9から減圧弁
10で減圧気化されて貯蔵タンク1に戻される。
【0018】このように、上記LPG所蔵設備および当
該設備におけるBOGの処理方法によれば、上記圧縮機
5の下流側において、分離装置21によって昇圧された
BOGからエタン等の低沸点成分に富んだガスを分離し
て除去しているので、クローズドサイクル運転において
も高沸点成分に富んだBOGのみを貯蔵タンク1に戻す
ことができ、よって従来のもののように、運転費および
設備費が嵩むスポンジングライン等を必要とすることな
く、貯蔵タンク1の気相における低沸点成分の濃縮を確
実に防止することができる。この結果、圧縮機5や凝縮
器7の容量を一段と小さくして小型化を図ることがで
き、また圧縮機5における動力消費量も大幅に低減化さ
せることができて経済的である。また、凝縮液受槽8か
ら、移送ポンプ11によってBOGを高圧貯蔵設備等に
供給するオープンサイクル運転においても、高沸点成分
に富む品質の安定したBOGを送出することができるた
め、移送先の高圧貯蔵設備や出荷設備等での低沸点成分
の増加に伴う混合調整操作が不要となる。
【0019】図2は、本発明の低温液化ガス貯蔵設備の
第2の実施形態を示すもので、同様に図1に示したもの
と同一構成部分については、同一符号を付してその説明
を省略する。このLPG貯蔵設備においては、上記BO
G配管3の圧縮機5の吐出側に、流量調節弁25を介し
てバイパスライン26が接続されており、このバイパス
ライン26に上記分離装置21が配設されている。そし
て、この分離装置21の低沸点成分を除去した戻り管2
7が、冷却器28を介して上記BOG配管3における圧
縮機5の吸入側に接続されている。
【0020】このようなLPG貯蔵設備によれば、上述
した第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。ま
た、分離装置21を圧縮機5と凝縮器7との間に介装
し、かつ上記分離装置21の低沸点成分を除去した戻り
管27を、冷却器28を介して上記BOG配管3の圧縮
機5の吸入側に接続しているので、高沸点成分に富むB
OGを冷却器28で冷却して圧縮機5の入口側に戻すこ
とができる。
【0021】さらに図3は、本発明の低温液化ガス貯蔵
設備の第3の実施形態を示すもので、このLPG貯蔵設
備においては、圧縮機5の下流側に昇圧されたBOGの
一部を液化する分縮器(凝縮器)30が配設されてい
る。そして、この分縮器30の後段側に配設された凝縮
液受槽8の上部に、当該凝縮液受槽8で分離された気化
状態にあるBOGを抜き出すBOG抜出管31が接続さ
れ、この抜出管31に、前記分離装置21が配設されて
いる。また、上記分離装置21の戻り管32は、減圧弁
33を介して、上記液凝縮液受槽8からの戻りライン9
の減圧弁10出口側に接続されている。
【0022】以上の構成からなるLPG貯蔵設備を用い
た本発明に係るBOGの処理方法の第2の実施形態につ
いて説明する。先ず、貯蔵タンク1内に発生したBOG
をBOG配管3から抜き出して圧縮機5で昇圧し、分縮
器30においてこの昇圧されたBOGの一部を液化した
後に、これを凝縮液受槽8に送る。すると、この凝縮液
受槽8において気液が分離され、低沸点成分に富む気化
状態のBOGが分離装置21に送られ、当該BOG中の
プロパンよりも低沸点な成分が、活性炭により吸着・脱
着され、あるいは上記高分子膜によって透過速度の大幅
な相違を利用して、高い効率で選択的に分離されて、排
出管23から除去される。他方、低沸点成分が除去され
て高沸点成分に富むBOGは、戻り管32から減圧弁3
3において減圧気化されたのちに、凝縮液受槽8からの
戻りライン9を介して戻されたBOGと合流して貯蔵タ
ンク1に戻される。したがって、この実施形態における
LPG貯蔵設備およびBOGの処理方法によっても、上
述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0023】
【実施例】図4に示した従来のLPG貯蔵設備におい
て、貯蔵タンク1内のLPG2中に1.0〜2.0モル
%含まれている場合にクローズドサイクル運転を行なう
と、当初BOG中のエタンは6〜15モル%であった
が、当該エタンが戻りライン9を経て貯蔵タンク1内に
循環されて戻される結果、次第にエタン濃度が高くな
り、最終的に貯蔵タンク1の気相におけるエタン濃度が
30〜60モル%まで上昇した。ちなみに、このような
低沸点成分の濃度が高いBOGを凝縮温度まで圧縮する
場合には、圧縮機5の吐出圧力を22〜30kg/cm2G程
度にする必要がある。
【0024】これに対して、図1に示すLPG貯蔵設備
において、モレキュラーシーブスを用いた分離装置21
によって、当該BOG中の20〜40モル%からそのエ
タンの60〜90%を分離して除去したところ、BOG
中のエタン濃度を最終的に5モル%以下まで低下させる
ことができ、この結果長時間のクローズドサイクル運転
においても、貯蔵タンク1の気相におけるエタン濃度
を、最終的に10〜20モル%に維持することができ
た。これにより、圧縮機5の吐出圧力を18〜19kg/c
m2G程度に低下させることが可能となり、電力消費量を
10〜20%節約することができた。この結果、当該圧
縮機5をより低容量化させて小型化を図ることができ
た。また、分離装置21で低沸点成分を除去して高沸点
成分に富んだBOGを貯蔵タンク1に戻しているため
に、貯蔵タンク1のLPG2の容量、入出荷の頻度と量
によっては、上記貯蔵タンク1内のLPG2における低
沸点成分の濃度も約半分に減少させることができた。こ
の結果、圧縮機5の吐出圧力を16〜17kg/cm2Gまで
下げることができ、よって電力消費量を20〜40%節
約することができた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6のい
ずれかに記載の発明によれば、貯蔵タンク内に発生した
BOGを圧縮機で昇圧し、凝縮器でその全部または一部
を液化して凝縮液受槽に一時蓄えるに際して、上記圧縮
機の下流側において分離装置によって低沸点成分に富ん
だガスを分離して除去しているので、特に請求項7に記
載の発明のようにクローズドサイクル運転を行なう場合
にあっては、高沸点成分に富んだBOGのみを貯蔵タン
クに戻すことができて、低温液化ガスの貯蔵タンクの気
相における低沸点成分の濃縮を確実に防止することがで
き、よって圧縮機や凝縮器の容量をより小さくして小型
化を図ることができ、かつ圧縮機の動力消費量も大幅に
低減化させることができるとともに、他方オープンサイ
クル運転においては、供給するBOGの品質を安定化さ
せることができて、移送先の高圧貯蔵設備や出荷設備等
での低沸点成分の増加に伴う混合調整操作が不要になる
といった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低温液化ガス貯蔵設備をLPG貯
蔵設備に適用した第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図4】従来のLPG貯蔵設備を示す概略構成図であ
る。
【図5】従来の他のLPG貯蔵設備を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 LPG(低温液化ガス) 3 BOG配管 5 圧縮機 7 凝縮器 8 凝縮液受槽 9 戻りライン 10 減圧弁 11 移送ポンプ 12 送出管 20、26 バイパスライン 21 分離装置 23 排出管 27、32 戻り管 30 分縮器(凝縮器) 31 BOG抜出管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクと、
    この貯蔵タンク内に発生したBOGを抜き出すBOG配
    管と、このBOG配管に介装されて上記BOGを圧縮す
    る圧縮機と、この圧縮機で圧縮された上記BOGを凝縮
    する凝縮器と、この凝縮器で凝縮された上記BOGを貯
    留する凝縮液受槽とを備えてなる低温液化ガス貯蔵設備
    において、上記BOG配管の圧縮機の下流側に、上記B
    OG配管内の少なくとも一部のBOGから低沸点成分を
    選択的に分離して除去する分離装置を介装したことを特
    徴とする低温液化ガス貯蔵設備。
  2. 【請求項2】 上記分離装置は、上記圧縮機と上記凝縮
    器との間に介装されており、かつ上記分離装置の低沸点
    成分を除去した戻り管が、冷却器を介して上記BOG配
    管の上記圧縮機の吸入側に接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の低温液化ガス貯蔵設備。
  3. 【請求項3】 上記分離装置は、上記凝縮器の下流側に
    介装され、気化状態にある上記BOGの少なくとも一部
    から低沸点成分を選択的に分離して除去するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の低温液化ガス貯蔵設
    備。
  4. 【請求項4】 上記分離装置は、活性炭を主体とする吸
    着装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の低温液化ガス貯蔵設備。
  5. 【請求項5】 上記分離装置は、上記低温液化ガスの主
    成分と、当該主成分よりも小さな分子との透過速度が3
    0倍以上異なる高分子膜を主体とする吸着装置であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低温液
    化ガス貯蔵設備。
  6. 【請求項6】 上記低温液化ガスは、液化プロパンガス
    (LPG)であることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の低温液化ガス貯蔵設備。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の低
    温液化ガス貯蔵設備を用いて、上記分離装置によって上
    記BOGの少なくとも一部から当該低温液化ガスの主成
    分よりも低沸点成分のガスを選択的に分離して除去した
    後に、当該BOGを再び上記貯蔵タンクに戻すことを特
    徴とするBOGの処理方法。
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