JP4759846B2 - 表示部付き携帯端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
常に最新情報を表示する表示部付きICカードに関し、詳しくは、複数の分野に対応しており、それぞれの分野の情報を表示するする際に、何れの分野に対しても常に最新情報を表示するICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クレジットカードや、キャッシュカードに見られる磁気記録層を形成した磁気カードや、記憶容量が磁気カードに比べると格段に高く、セキュリティー性が高いICカードなど情報を記録したカードが広い分野で利用されている。
ICカードには、接点を介して外部装置に接続する接触型のICカードと、アンテナを内蔵して、アンテナを介して外部装置と交信を行う非接触型のICカード、更に、上記両方の機能を有する接触型非接触型両用カードがあり、目的に応じて使い分けされている。
非接触型ICカードは、交信の際に外部装置にカードを挿入する必要がないため、処理に要する時間が短くてすみ、接点を持たないため、外部装置に対するカードの接続不良のトラブルもなく、これを使用することによって信頼性の高いシステムが構築できる。
非接触型ICカードは、カード内部に電波を受信するアンテ部を有しており、情報だけでなくIC回路の駆動に必要な電力もこのアンテナを介して供給される。
外部装置は、無線によってICカード内のICチップのメモリに記録されている内容にアクセスし、必要なデータを読み出したり、新しいデータを書き込んだりする。
【0003】
また、ICカードに表示部を形成し、ICチップのメモリに記録されている情報の一部をこの表示部に表示するようになっている表示部付きカードがある。
この表示方法を決定するときに、例えば、電源をオフにしたときに表示を残すか残さないか、外部装置によって表示部に情報を形成するかカード単独で形成するか、電源は独立して持つのか持たないのかなどについて事前に明確にする必要がある。これはアプリケーションと、カードの構造によって決められることが多い。
【0004】
プリペイドカードや、ポイントカードでは、磁気ストライプに記録された情報の一部をカード基体に形成された感熱発色型の材料に記録し、消去書き込みを繰り返し表示している。
上記カードの表示方法は、サーマルヘッドで記録部に直接接触して表示を行うものである。
一方、非接触で情報が書き替えられるICカードに対しては、この種の可逆記録材料を用いた表示部を設けたとしても、表示部は非接触では書き替えができず、結果的に外部装置にICカードを挿入しなければならない。
これでは前述のような、非接触ICカードのメリットを十分活かすことができない。
【0005】
そこで、前述の非接触ICカードの表示媒体に対しては、例えば、非接触で情報の書き替えが可能で、非接触で情報を可視的に表示できる液晶表示素子を搭載させ、さらに、表示した情報を自己保持可能にするために電源を内蔵させ、ICカードのICメモリに格納されている情報を表示する方法が紹介されている。
【0006】
通常、表示部に情報を表示させる場合、最後に表示させた情報が表示される。これは、表示する情報を格納しているメモリのデータが更新されていないためである。ICカードの情報格納部が複数のデータファイルに仕切られている場合、1つのファイルの中にも複数の古いデータが一緒に格納されているため表示部に表示される情報が新しい情報か古い情報か判断ができないことが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、ICカードの表示部に表示される情報が、ICカードのICチップのメモリに格納されている情報の最も新しい情報を表示させる方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の請求項1に記載の表示部付き携帯端末は、マイクロプロセッサと、少なくとも基本プログラムを格納する第1のメモリと、随時読み書き可能な第2のメモリと、電気的に読み書き可能な不揮発性メモリである第3のメモリと、情報を目視可能に表示し自己保持可能な表示部と、表示部の情報を操作するための操作部と、表示部に電力を供給する電源を備えた携帯端末において、前記第3のメモリには2以上のアプリケーション情報が格納され、前記それぞれのアプリケーションには記録される情報件数の上限が定められ、前記表示部には前記操作部によって選択されたアプリケーションの最新の情報が表示されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明の表示部付き携帯端末は、請求項1に記載の発明において、前記マイクロプロセッサと、前記第1のメモリと、前記第2のメモリと、前記第3のメモリは、1個のシリコン基板上に形成され、前記シリコン基板上に形成された各接続端子は、導線によって携帯端末の表面に形成された外部端子に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明の表示部付き携帯端末は、請求項1に記載の発明において、前記携帯端末にはアンテナコイルが内蔵され、前記アンテナコイルは、前記シリコン基板上に形成されたアンテナ端子に接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明の表示部付き携帯端末は、請求項2に記載の発明において、前記携帯端末にはアンテナコイルが内蔵され、前記アンテナコイルは、前記シリコン基板上に形成されたアンテナ端子に接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明の表示部付き携帯端末は、請求項1〜4何れか一項に記載の発明において、前記表示部に表示されている情報に対応する前記第3のメモリに格納されている情報が更新された時は、前記表示部に表示される情報も新しい情報に更新されることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の表示部付き携帯端末について説明する。
【0016】
図1は、本発明の表示部付き携帯端末について説明するための概念図、図2は、アプリケーション別情報が時系列に沿って格納されている情報一覧表、図3は、表示部付き携帯端末の機能について説明するためのブロック図、図4は、最新情報を携帯端末に表示させる手順について説明するための図、図5は、表示部付き携帯端末の外観図の一例である。
【0017】
図1、図2を参照して本発明の表示部付き携帯端末について説明する。
図1は、携帯端末(以下ICカードという。)1の表示部(20)に、図2に示す複数のアプリケーションの中から1つのアプリケーションを選択してそのアプリケーションの最新情報(200)を表示した状態を示している。
最新の情報は、図2に示すようにICカードの第3のメモリに記録された最新の情報(*印が付いた最上段の情報)、レコードaの1つである。
この情報は、利用者が外部装置を介して、ICカードによって1つのアプリケーションにアクセスし、取引きした結果、ICカードに取りこまれた最新の情報である。
【0018】
例えば、利用者が2001年の4月10日に銀行のATM(現金自動預け払い機)を利用して自分の普通預金口座から現金を引き出した時に、ATMは、ICカードの第3のメモリ(図3で詳しく説明する)のアプリケーションデータファイル(DF)1に日付と共に残高を「情報01/04/10」と記録した。具体的に、この場合「情報」は、「残高」である。
利用者が、その前に同じ銀行の預金口座から預金を引き出したときの残高は、前記*が付されたレコードaの下の、レコードbの情報で、「情報01/03/10」である。
レコードc、d、eとなるにつれて情報(取引きした情報、および日付)が古く(アプリケーション1151ではdが最も古い)なっており、ICカードの第1のメモリに格納されたプログラムによって、預金「残高」情報アプリケーション(1151)では、最新の情報を含めて4件までと決めている。5件目(レコードe)の情報はレコードdの情報に上書きされて消去されている。
【0019】
他のアプリケーション、アプリケーション1152、アプリケーション1153についても同様な基準が設けてあって、アプリケーション1152に関しては、情報記録は最新情報を含めて3件まで、アプリケーション1153に関しては、
情報記録は最新情報を含めて5件までと定めている。
因みに、アプリケーション1152に対して最も新しい情報は、2001年3月18日にアクセスした情報で「情報01/03/18」である。同様に、アプリケーション1153に対して最も新しい情報は、2001年4月25日にアクセスした情報で「情報01/04/25」である。
【0020】
図3に示すブロック図を参照して、非接触型の表示部付きICカードの機能について説明する。ここでは、キャッシュカードのアプリケーションを実行した実施例に基いて説明する。
本発明の非接触型ICカードは、前述のようにICカードの不揮発性メモリを複数のファイルに分けて、アプリケーション別に情報を格納している。
まず、外部装置2(以下図3の説明ではATMという)の指定された位置にカードを置く。
ATMの操作パネルに、取引きしようとする項目が表示される。操作パネルの指示に従って「預金引き出し」の項目を選択する。
次に、暗証番号入力の指示に基いて4桁の暗証番号を入力、次いで、引き出し金額入力の指示に基いて20,000円と入力する。
ATMは、ICカードに記録されている暗証番号と、入力された暗証番号を照合してセンターコンピュータに残高を確認、引き出し金額を差し引いて残高を修正、引き出し履歴を記録してATMに情報を戻す。ATMは、受信した情報をICカードに送信、レシートに諸事項をプリントしてカードと共に排出、現金を払い出しボックスに排出する。
【0021】
前述の取引き時のICカード内の情報処理手順について説明する。
ICカード1は、まず、ICチップの第3のメモリに記録されている暗証番号と入力された暗証番号が合致しているか照合する。
入力された暗証番号は、第3のメモリの中に格納されている暗証番号と照合され、ATMに向けて合致している旨レスポンスを返す。
次にATMの指示によって第3のメモリに記録されている取引き銀行の銀行コード、支店コード、口座の種類、口座番号をATMに送信する。
この間、ATMはICカードに埋設されたアンテナコイル111に対し電力供給のための電波を送信し続ける。
【0022】
センターコンピュータは、情報記録部に記録されている利用者の残高から引き出し金額を差し引いて残高を修正、引き出し履歴を記録してATMに情報を戻す。
ATMは、受信した情報をICカードに送信する。ICカードはアンテナを介してセンターコンピュータの情報の中の残高を、日付と一緒にICカードの第3のメモリのアプリケーションデータファイル(DF)1に記録する。
前記アプリケーションデータファイル(DF)1の中は通常複数のレコードに区切られていて、例えば最新情報は、「新情報を意味するコード」を情報に添付して日付と共に前記レコードに格納される。これらの作業は、CPU112と、ROM113によりRAM114の中で実行される。
【0023】
ATMによる取引きが終了したので、ICカードはATMから外されて利用者の手に戻る。利用者がICカード表面の操作ボタンを1回押すと、電源がオンになり電源150から電力が供給され、CPUは、表示部ドライバ201を駆動させてアプリケーション名を表示部に表示する。
ここで、例えば、操作ボタンを押さないで一定時間そのままにしているとCPUは第3のメモリにアクセスして表示されているアプリケーションのファイルから前述の「新情報を意味するコード」が貼付された情報を引き出して表示部20に表示する。
別なアプリケーションの情報も見たい場合は、操作ボタンを1回押し、同様な手順で見たい情報を表示する。情報を見終わったら定められた間隔で操作ボタンを2回押す。「終了・電源オフ」と表示されるので操作ボタンを1回押すと電源オフとなる。
【0024】
表示部ドライバソフトは、第1メモリであるROMに書き込んでおいても良い。
【0025】
図3において、電源150は、充電可能な電源とすることもできる。
充電型電源とすることによって、ICカードがアンテナを介して外部装置と交信している間充電することができる。また、アプリケーション毎の外部装置2には充電用のボタンが付いていて、充電目的のためだけに利用することができるようになっている。
充電可能な電源には、通常アルカリ蓄電池(ニッケル−カドミウム電池など)が使用される。アルカリ蓄電池は、正極にニッケル酸化物、銀酸化物などの酸化剤、負極にカドミウム、鉄、亜鉛などの材料を用い、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液が用いられる。
【0026】
操作ボタンによって、ICカードに格納されている情報が第三者に覗かれては困るために、操作ボタンによって暗証照合を行わせることができる。
例えば、最初に操作ボタンを押すと、「暗証照合」の表示が表示部に表示される。利用者は、3〜4桁の暗証を前述の要領で入力する。暗証番号を4桁と設定した場合、4桁目から順に数字をその回数押して、決められた時間放置する。次に、3桁目の数字を同様の要領で入力し、4桁の数字を入力し終わったら一定の時間放置する。「照合開始」の表示が出たらボタンを1回押してICカードの中で照合させ、次の手順指示画面に従って表示作業を行う。
【0027】
図4を参照してアプリケーション1(DF1に格納されている情報のアプリケーション)について、最新情報表示のための手順について説明する。
ICカードをアプリケーション1の端末にセットして、アクセスを開始する(ステップ401)。アプリケーション端末のディスプレイの案内に従って操作し、アプリケーション1の取引きを終了する(ステップ402)。
アプリケーション端末は、センターコンピュータに顧客の新しい情報を送信する。センターコンピュータは、顧客ファイルに利用者の履歴を残すと共に最新情報に書きかえる(ステップ403)。ICカードは、アプリケーション1における最新情報を受信して第3のメモリに格納されている情報を更新する(ステップ404)。更新作業は、新しく更新した情報にフラグをたて(「新情報コード」を貼付)、日付けを貼付する。アプリケーションDFの格納エリアには制限があるため制限を越えた場合は、ところてん式に最も古い情報を押し出して(ステップ405)新しい情報を書き加える(ステップ406)。
【0028】
利用者は、カードに記録されている情報を確認する必要が生じた(ステップ407のYes)。
カードの表面に形成されている操作ボタンを押して(ステップ408)電源オンとし、表示部に最初の操作内容を表示させた(ステップ409)。
【0029】
図5を参照して、表示部付き接触型非接触型両用カードの一例について説明する。
ICカード1の中央部に表示部20が形成されている。また、表示部には(電源150の)消費電力が少ない液晶が使用されている。前記液晶による表示部20は、ICモジュール(11)に実装されたICチップの表示情報入出力端子(表示せず)に接続されている。カード基材にはICカード1のカード基材の周辺に沿ってアンテナ13が埋設されており、その終端はICチップのアンテナ接続端子に接続されている。
図5に示すICカードは、接触型非接触型両用カードであるため、外部装置接続端子11がカードの表面に露出して形成されている。また、前記同じ表面に表示部への情報表示を操作する操作ボタン12が形成されており外部端子の予備端子を経由してICチップの電力入力端子に接続されている。本実施例では、操作ボタンは錆びにくいニッケルによる2つの接点で構成されており、人の指が前記2つの接点に同時に触れると導通して電力が流れるようになっている。
操作ボタン12によって電源が起動され表示部に表示部情報200が出力される。
【0030】
【発明の効果】
本発明により表示部をオンさせたときに、前回表示した情報を表示するのではなく、何時の場合もメモリに格納されている最新の情報を日付と共に表示するために、利用者は、表示された情報が最新の情報であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示部付き携帯端末について説明するための概念図
【図2】アプリケーション別情報が時系列に沿って格納されている情報一覧表
【図3】表示部付き携帯端末の機能について説明するためのブロック図
【図4】最新情報を携帯端末に表示させる手順について説明するための図
【図5】表示部付き携帯端末の外観図の一例である。
【符号の説明】
1 携帯端末(ICカード)
2 外部装置
11 外部端子
12 操作ボタン
13 アンテナ
20 表示部
111 インターフェイス
112 CPU
113 ROM
114 RAM
115 EEPROM
150 電源(電力)
200 表示部情報
201 表示部ドライバ
1150、1151、1152、1153 メモリ部情報
a、b、c、d、e を格納している場所(レコード)
Claims (5)
- マイクロプロセッサと、少なくとも基本プログラムを格納する第1のメモリと、随時読み書き可能な第2のメモリと、電気的に読み書き可能な不揮発性メモリである第3のメモリと、情報を目視可能に表示し自己保持可能な表示部と、表示部の情報を操作するための操作部と、表示部に電力を供給する電源を備えた携帯端末において、
前記第3のメモリには2以上のアプリケーション情報が格納され、前記それぞれのアプリケーションには記録される情報件数の上限が定められ、前記表示部には前記操作部によって選択されたアプリケーションの最新の情報が表示されることを特徴とする表示部付き携帯端末。 - 前記マイクロプロセッサと、前記第1のメモリと、前記第2のメモリと、前記第3のメモリは、1個のシリコン基板上に形成され、前記シリコン基板上に形成された各接続端子は、導線によって携帯端末の表面に形成された外部端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示部付き携帯端末。
- 前記携帯端末にはアンテナコイルが内蔵され、前記アンテナコイルは、前記シリコン基板上に形成されたアンテナ端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示部付き携帯端末。
- 前記携帯端末にはアンテナコイルが内蔵され、前記アンテナコイルは、前記シリコン基板上に形成されたアンテナ端子に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の表示部付き携帯端末。
- 前記表示部に表示されている情報に対応する前記第3のメモリに格納されている情報が更新された時は、前記表示部に表示される情報も新しい情報に更新されることを特徴とする請求項1〜4何れか一項に記載の表示部付き携帯端末。
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