JP4759713B2 - 施錠装置 - Google Patents

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Description

本発明は、解錠状態のまま、キーが錠前から抜かれることを防止できるようにした施錠装置に関するものである。
昨今、オフィス等において、個人情報保護法の施行等により、書類等を保管する際に、収納キャビネットなどの施錠をより徹底する傾向がある。オフィス内にある収納庫等は、「必要なときのみ開錠し、用が済んだらすぐ施錠する」というルールを決めておけば、キー管理者の手元にキーがある場合には施錠状態にあり、キーが無い場合には開錠状態にあるはずであるが、使用者の錠の掛け忘れ等のヒューマンエラーにより、必ずしもこれが徹底されない・できない場合がある。
これを防止するために、従来から、解錠状態のまま、キーが錠前から抜かれることを防止できるようにした施錠装置が提供されている。
具体的にこの種の施錠装置は、外筒と、これに回転自在に内嵌される内筒と、内筒に形成された鍵穴と、鍵穴を横断し、内筒にその径方向に摺動可能に支持させた摺動規制片と、外筒の内周面に周方向に適当な間隔を置いて形成され、摺動規制片の外周部が出入できる複数の溝とを有するシリンダ錠において、所定の溝の他の溝内に摺動規制片の突入を防止する舌片が挿入されてなるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
実開平6−12667号公報
しかしながら、このようなものでは、例えば、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることを確約し得るものの、シリンダ錠に加工を行う必要がありコストアップの要因となってしまうといった問題点を有している。
また、従来からある錠前は、施錠状態又は開錠状態でのみキーが抜けるようになっており、キーを挿入し回動している状態では抜けないようになっているが、施錠状態に近づいた状態、又は開錠状態に近づいた状態では施錠又は開錠状態であってもキーが抜けない構造になっているものもある。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、従来の錠前の構造を利用し、無用にコストアップすること無く、例えば、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることを確約できるといった、優れた施錠装置を提供することにある。
すなわち、本発明の施錠装置は、解錠領域及び施錠領域を有するとともにキーを抜き差し可能な抜き差し位置を前記施錠領域の終端に設定した錠前、及び、この錠前の施解錠動作に連動動作する作動部材を備える施錠機構と、前記作動部材に作用して、前記錠前が前記抜き差し位置になることをその直前で規制する規制機構とを具備して成り、前記規制機構が、前記錠前を前記抜き差し位置になることをその直前で規制するための作用位置に位置付け可能な作用部を具備するものであるとともに、家具本体に対して開成位置と閉止位置との間で相対移動可能に設けてなる開閉部材の開閉状態を検知する開閉状態検知部をさらに具備し、前記作用部を、前記開閉状態検知部が開成状態であると検知している際には前記作用位置に位置付ける一方、閉止状態であると検知している際には前記作用解除位置に位置付けるように構成し、さらに、前記開閉状態検知部が、開閉部材側に設けて成るものであり、且つ、前記家具本体又は家具本体側に設けた部材と当接していない場合には、前記開成状態であると検知する一方、当接している場合には前記閉止状態であると検知するように構成したものであることを特徴とする。
このようなものであれば、規制機構の作用によって錠前を抜き差し位置にできない場合には、キーを抜くことができないので、解錠状態でのキーの返却が不可能となる。したがって、例えば、使用時のみキーを使うといった常時施錠での運用では、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることとなる等、運用に無用な負担を要すること無く高いセキュリティ効果を得られる施錠装置を実現することができる。また、錠前に特別の加工を行う必要が無いのでコストダウンを図ることができる。
すなわち、無用にコストアップすること無く、例えば、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることを確約できるといった、優れた施錠装置を提供することができる。
また、前記規制機構が、前記錠前を前記抜き差し位置になることをその直前で規制するための作用位置に位置付け可能な作用部を具備するので、上述したような規制機構を好適に実現できる。
さらに、家具本体に対して開成位置と閉止位置との間で相対移動可能に設けてなる開閉部材の開閉状態を検知する開閉状態検知部を具備し、前記作用部を、前記開閉状態検知部が開成状態であると検知している際には前記作用位置に位置付ける一方、閉止状態であると検知している際には前記作用解除位置に位置付けるように構成しているので、開閉部材の開閉状態と作用部とを連動させて運用することができ、例えば、開閉部材を開成状態にしたままでのキーの返却が不可能になり、セキュリティの高い施錠装置を実現することができる。
加えて、この開閉状態検知部が、開閉部材側に設けて成るものであり、且つ、前記家具本体又は家具本体側に設けた部材と当接していない場合には、前記開成状態であると検知する一方、当接している場合には前記閉止状態であると検知するように構成したものであるので、このような開閉状態検知部を好適に実現できる。
簡単な構成でありながらも、錠前が施錠位置になるのを好適に規制できるようにするには、前記作用部が、前記作用位置にて前記作動部材と当接して、前記錠前が前記抜き差し位置になることをその直前で規制するものであることが好ましい。
前記作用部と前記開閉状態検知部とを、共通の部材に形成しているのであれば、部材の共通化によりコストダウンを図ることができる。
前記作用部が、前記作用位置、又は、前記錠前を前記抜き差し位置になることを規制しないための作用解除位置に、選択的に位置付けられるものであれば、錠前を抜き差しするコントロールを、作用部の位置付けの選択だけで容易に行える。
また、前記規制機構の前記作動部材に対する作用を許可又は禁止する切替機構を具備して成るのであれば、切替機構が規制機構の作動部材に対する作用を許可している場合には、上述したような作用効果を得られる一方、禁止している場合には、一般的な施錠装置として使用することができるなど、使用者の多様化するニーズに容易に応えることができる。
本発明の切替機構の望ましい態様としては、この切替機構が、前記規制機構の前記作動部材に対する作用を許可する許可位置及び禁止する禁止位置に選択的に操作可能な切換操作部を具備して成るものであることが好ましい。
規制機構を好適に保護しながら、切換操作部を操作可能にするには、前記切換操作部を、前記規制機構を覆うカバー側に設けてあることが望ましい。
また、前記作動部材の動作と連動して、施解錠状態を表示する施解錠状態表示部を具備して成るのであれば、切替機構が規制機構の規制動作を禁止している場合であっても、施解錠状態表示部によって施解錠状態を好適に把握することができる。
このとき施解錠状態を、より好適に知り得るようにするには、前記施解錠状態表示部が、前記作動部材の動きを増幅した動きをすることが望ましい。
以上説明したように本発明の施錠装置によれば、規制機構の作用によって錠前を抜き差し位置にできない場合には、キーを抜くことができないので、解錠状態でのキーの返却が不可能となる。したがって、例えば、使用時のみキーを使うといった常時施錠での運用では、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることとなる等、運用に無用な負担を要すること無く高いセキュリティ効果を得られる施錠装置を実現することができる。また、錠前に特別の加工を行う必要が無いのでコストダウンを図ることができる。
すなわち、無用にコストアップすること無く、例えば、キーが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることを確約できるといった、優れた施錠装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明に係る施錠装置A1を適用した収納家具Aの扉である。収納家具Aは、図2に示すように、前方に開口する収納空間11を内在させた筐体状の家具本体1と、収納空間11を開閉し得るようにヒンジを介して家具本体1に取り付けられ閉止位置(V1)(図示せず)と開成位置(V2)との間で相対移動可能に設けてなる観音開き式の扉21、22とを具備する。また、ラッチ装置A2を、左右の扉21、22のうちの右側の扉21に組み込んでいる。左側の扉22は、これを閉じた状態でその前から右側の扉21の縁部をオーバーラップさせることにより開閉が抑止される。右側の扉21は、閉じたときにラッチ43の働きにより家具本体1に係留される。そして、右側の扉21に設けている把手6を操作することで、ラッチ43による家具本体1への係留が解除され、扉21を開け放つことが可能となる。
より具体的には、家具本体1にラッチ受け5を設けるとともに、このラッチ受け5に掛け止められるラッチ手段41を右側の扉21に設ける。図2等に示す図示例では、ラッチ受け5を、収納空間11を包囲する家具本体1の周壁の前向面に形成している。ラッチ受け5は、周縁が閉じた開口51を有し、その縁部にラッチ手段41を掛け止めるための係留部52を設定してある。
ラッチ手段41は、ラッチ支持体42及びラッチ43を主要な構成要素とし、扉21の背面における、ラッチ受け5に対応する位置に設けてある。ラッチ支持体42は、ラッチ43を可動に支持するもので、扉21の背面に略直交する方向に突出している。扉21を閉じると、ラッチ支持体42がラッチ受け5の開口51に挿入される。
ラッチ43は、ラッチ受け5の係留部52に当接する当接面43aを有する板状体で、ラッチ支持体42の開口42aより側方に突没する。ラッチ43は、回転軸42bを介してラッチ支持体42に支持させてあり、この回転軸42b回りに揺動可能である。回転軸42bは、ラッチ支持体42の比較的先端寄りの位置に配してある。ラッチ支持体42がラッチ受け5の開口51に挿入されたとき、ラッチ43は係留部52に臨むように位置づけられ、回転軸42bは係留部52よりも内奥(ここでは、後方)におかれる。この状態で、ラッチ43を図3、図4に示す展開位置Sに進出させることにより、その当接面43aが係留部52に当接する。結果、ラッチ手段41がラッチ受け5に掛け止められ、扉21が家具本体1に係留される。逆に、ラッチ43を図5、図6、図7、図8に示す退避位置Eに退避させれば、ラッチ43と係留部52との係合が解消されてラッチ手段41をラッチ受け5より脱離させ得る状況となり、扉21が開放可能となる。このラッチ43の変位は、既に述べたように回転軸42b回りの回転運動である。また、ラッチ43の当接面43aは、回転運動の軌跡に略対応する平面視略部分円弧(円筒曲面)状をなしている。従って、展開位置Sと退避位置Eとの間でラッチ43をスムーズに変位させることができ、しかもラッチ43を係留部52に係合させたときの遊び、がたつきが極小化する。
なお、ラッチ43を退避位置Eに退避させない限り、閉じている扉21を開け放つことは困難である。何故ならば、ラッチ43が係留部52に係合している場合に、ラッチ手段41をラッチ受け5より脱離させる方向の外力が加えられたとしても、ラッチ43に作用する反作用力Fはこのラッチ43を退避位置Eに向けて回転させようとはしないからである。図3及び図4に示しているように、ラッチ43の回転中心即ち回転軸42bの軸心は、ラッチ43の当接面43aと係留部52とが当接する作用点Pよりも内奥にある。作用点Pにおける反作用力Fは、作用点Pより回転中心に向かう成分F1と、作用点Pより当接面43aに平行な方向に向かう成分F2との合力と見なすことができるが、成分F2はラッチ43を展開位置Sに向かわせるような方向に作用する力となる。よって、ラッチ43と係留部52との間で滑りが発生しなければ、ラッチ43を係留部52に係合させたままラッチ手段41をラッチ受け5より脱離させようとするとラッチ43がさらに進出する。しかしながら、ラッチ43の所定部位(当たり部43c)がラッチ支持体42の内壁面等に当接することで、あるいはラッチ43と係わり合う駆動部材45(後述する)がラッチ43を制止することで、それ以上の進出が禁止される。結局のところ、ラッチ43と係留部52との係合が強化されるため、ラッチ手段41がラッチ受け5より脱離することはない。さらに、当接面43aが回転中心と作用点Pとを結ぶ線分を径とした円筒曲面であるとすれば、作用点Pより回転中心に向かう成分F1はラッチ43を回転させるようには作用しないこととなる。かくして、ラッチ43と係留部52との間の摩擦が小さく、ラッチ43の係留部52に対する滑りの発生が想定されるとしても、ラッチ43が退避位置Eに向けて回転してしまうことは起こりにくい。
ラッチ受け5及びラッチ手段41は複数設けることができる。本実施形態では、家具本体1の底壁及び頂壁(図示せず)にそれぞれラッチ受け5を設け、かつ、これらラッチ受け5に対し挿脱されるラッチ手段41を扉21に上下一対に設けている。
把手6は、ユーザによって直接に操作される部材であり、少なくとも一部を扉21の面板部に露出させている。把手6は、図9、図10、図11、図12に示すように、貫通孔61aを有する筒状体の前面を両側に張り出させて手指を掛けられるようにした基部61と、基部61の両端より後方に延出させた延出部62、63とを具備する、例えば樹脂成形品である。両端における貫通孔61aの開口縁には、貫通孔61aの延伸方向に沿って突出する環状の突縁64を形成している。そして、一端側(図示例では、上端側)において、この突縁64の後背に突起62aを設ける。突起62aは、一端側の延出部62より起立するもので、先端が幅方向に拡張している。また、他端側(下端側)において、突縁64の後背に凹部63aを設ける。凹部63aは、他端側の延出部63に穿たれる角穴であり、把手6の軸心方向、言い換えるならば貫通孔61aの延伸方向に対し略平行に延伸する。
把手6は、その長手方向を上下方向に向けた状態で、軸心回りに回転操作可能に扉21に支持させる。本実施形態では、ハウジング7を扉21に組み付け、このハウジング7に把手6を支持させるものとしている。
ハウジング7は、図9、図18などに示すように、中間部位が後方に凹む凹面部71と、凹面部71の両端を閉じるように凹面部71に略直交する平板部72、73と、平板部73の片側半分から下方へ伸び且つ後述する開閉状態検知部材Mを支持するとともに錠前92を取り付けるための支持部70とを具備しこれら各部を合成樹脂により一体に形成している。そして、これら凹面部71及び平板部72、73で前方に開口する空間領域を包囲している。ハウジング7の長手方向の内寸、言い換えるならば対向する平板部72、73の離間距離は、把手6の両端にある延出部62、63の外法寸法と略同寸またはこの外法寸法より若干大きい寸法とする。対をなす平板部72、73の各々には、互いに対応する位置に軸孔74を穿ってある。軸孔74の内径は、把手6の両端に形成された突縁64の外径と略同寸またはこの外径より若干大きい寸法とする。そして、両端の突縁64をそれぞれ平板部の軸孔74に挿入することで、把手6をハウジング7に取り付けることができる。このとき、把手6は、突縁64を軸として鉛直軸回りに回転可能となる。把手6とハウジング7の凹面部71との間には、手指を差し入れることができる手掛空間が形成される。ユーザは、右方より手指を差し入れて把手6を平面視右回りに回転操作してもよく、あるいは逆に左方より手指を差し入れて把手6を平面視左回りに回転操作してもよい。因みに、凹面部71の中央に、前方に突出し上下に延びるリブ71aを設けており、このリブ71aの前端面を把手6の後面に近接させて手掛空間を左右に二分している。リブ71aの存在により、比較的長尺な把手6に正面から押す力が作用したとしてもこの把手6が後方に大きく撓んでしまうことはない。
ハウジング7の一端側(図示例では、上端側)の平板部72には、略扇形のスロット72aを穿っている。把手6をハウジング7に取り付けたとき、把手6の一端側に設けられた突起62aはスロット72aを貫通して外方(上方)に突出する。本実施形態では、この突起62aに第一の付勢手段たるばね81を係合させることで、把手6を付勢している。ばね81は、単一の金属線材を曲げて構成したもので、ハウジング7の一端側の平板部72に保定される。図示例では、ばね81の左右両側に蔓巻部81aを形成する一方、平板部72にこれら蔓巻部81aに対応する立柱72bを設け、蔓巻部81aにそれぞれ立柱72bを挿入してばね81を平板部72に取り付けている。その上で、両蔓巻部81aより斜め後方に持ち出した線材の両先端部81bを、把手6より突出する突起62aに係合せしめるようにしている。より詳しく述べると、把手6の前面が正面を向く初期位置にあって、突起62aは図11に示すように突縁64の真後ろに位置しており、ばね81の両先端部81bの基端側が軸孔74の周縁に押し当てられている。このとき、両先端部81bの先端側は突起62aに極近接する。また、ばね81は既に弾性変形しており、その両先端部81bは弾性力を発揮する状態にある。把手6が回転操作されると、その突起62aがスロット72aの形状に応じて許容された範囲で弧を描くように変位し、図12に示すようにばね81の何れかの側の先端部81bに強く押しつけられてその側から強い弾性付勢力を受ける。この弾性付勢力は、把手6を初期位置に復帰させるように作用する。ユーザが把手6より手を離すと、即ち把手6に加えられていた操作力が失われると、把手6は弾性付勢力で駆動されて初期位置に向けて逆回転する。
ハウジング7の他端側(図示例では、下端側)の平板部73にもまた、図10に示すように略扇形のスロット73aを穿っている。把手6をハウジング7に取り付けたとき、把手6の下端側に設けられた凹部63aがスロット73aを経て外方(下方)に連通する。この凹部63aには伝達部材91の凸部914が係合するが、伝達部材91に関しては後述する。
支持部70は、図18などに示すように、平板状の図示しない支持部本体701と、この支持部本体701の後面に立設させた複数のリブ702と、後述する第2当接アームM2に当接可能な当接片703と、後述するカバーCに設けた爪部C11を受入可能な受入部704とを備えてなるものである。そして、これら複数のリブ702のうち当該ハウジング7の一番中央側にある上下に伸びる中央リブ702aで、後述する第2当接アームM2の基端部を回動可能に支持するように構成している。具体的には、この中央リブ702aには、第2当接アームM2の基端部を保持可能な部分円弧状に切り欠いた保持部702xを形成している。当接片703は、中央リブ702aから数えて3つ外側のリブ702bの先端から、中央リブ702aの先端に向けて伸びる薄板状のものである。そして、この当接片703に対して、後述する第1支持アーム921aが当接する位置を、本発明の作用位置(W1)(後述する錠前92を抜き差し位置になることをその直前で規制する位置)とする一方、当接解除される位置を、本発明の作用解除位置(W2)(後述する錠前92を抜き差し位置になることをその直前で規制しない位置)としている。受入部704は、後述するカバーCに設けた爪部C11の幅寸法に対し、略2倍強の幅寸法を開口に有する横長スリット状のものである。
把手6の基部61の貫通孔61aには、操作軸3を挿通する。操作軸3は、長尺な角柱状の金属棒であり、略鉛直方向に延伸し、その軸心回りに回転可能であるように扉21に支持させてある。操作軸3の断面の対角寸法は、把手6の貫通孔61aの内径よりも若干小さい。従って、操作軸3と貫通孔61aとは密接せず、把手6及び操作軸3は互いに独立して回転可能であるが、施錠時を除いて把手6と操作軸3とは伝達部材91を介して結合されておりともに回転する。即ち、施錠時を除き、把手6を操作することで操作軸3を同心軸回りに回転駆動することができる。
把手6に加えられた操作力は、操作軸3を介して駆動機構に伝達され、さらにラッチ43に伝達される。本実施形態において、駆動機構は、図4、図6、図8、図13に示すように、回動部材44と、駆動部材45とを要素としてなる。回動部材44は、操作軸3の先端部に固定され、幅方向に拡張する天秤状の部材である。操作軸3が初期位置にあるとき、回動部材44の後向面は略真後ろを向く。回動部材44は、操作軸3の回転に伴い、左右何れかの方向に水平回転する。そして、回動部材44が回転したとき、その両端部441、442の何れかが駆動部材45の受力部452に作用する。駆動部材45は、所定の回転軸451周りに水平回転可能であるもので、回転軸451より幅方向に伸長する受力部452と、回転軸451より奥行き方向に伸長する駆動部453とを具備する。図示例では、受力部452及び駆動部453が平面視略L字型をなし、双方が交わる位置に軸受穴454を穿ってある。この軸受穴454に、略鉛直方向に延伸し扉21に対し固定された(例えば、扉21の底壁より上方に突出する)回転軸451を挿入している。
駆動部材45の受力部452の前向面は、前記回動部材44の後向面と近接する。操作軸3が初期位置にあるとき、回動部材44の後向面は略真後ろを向いているが、受力部452の前向面もまた略真正面を向いており、両者は対向している。図5、図6に示すように、把手6及び操作軸3をそれぞれの初期位置より平面視右回りに回転させたとき、回動部材44の左端部441が後退し、受力部452に作用して駆動部材45に操作力を伝達する。そして、伝達された操作力により、駆動部材45が平面視右回りに回転する。逆に、図7、図8に示すように、把手6及び操作軸3をそれぞれの初期位置より平面視左回りに回転させたとき、回動部材44の右端部442が後退し、受力部452に作用して駆動部材45に操作力を伝達する。そして、伝達された操作力により、駆動部材45はやはり平面視右回りに回転する。つまり、把手6及び操作軸3が左右何れの方向に回転操作されたとしても、駆動部材45の受力部452、駆動部453は同一の方向に回転運動することとなる。
駆動部材45の駆動部453の先方はラッチ支持体42内に配置され、ラッチ43と係合する。図示例では、駆動部453の先方より略鉛直方向に突出するピン455を設け、このピン455をラッチ43に形成した長穴43bに係合させている。把手6及び操作軸3が回転操作されたとき、駆動部材45の駆動部453は回転軸451周りに右回転し、ピン455及び長穴43bを介してラッチ43に操作力を伝達する。操作力の伝達を受けたラッチ43は、退避位置Eに向かうように変位する。
なお、ラッチ43は、退避位置Eより展開位置Sへと向かう方向に予め付勢されている。本実施形態では、第二の付勢手段たるばね82をラッチ43、駆動部材45、回動部材44または操作軸3の何れか(図示例では、駆動部材45)に係合させることで、ラッチ43を展開位置Sに進出させるように弾性付勢している。ラッチ43が展開位置Sにあるとき、回動部材44の後向面は略真後ろを向き、この回動部材44を固定した操作軸3は左右何れの方向にも回転していない初期位置に位置する状態となる。つまり、このばね82は、操作軸3を初期位置に復帰させるような付勢力を操作軸3に付与する役割をも担う。操作軸3は、把手6に加えられた操作力の伝達を受けることでばね82の弾性付勢力に抗って初期位置より左右何れかの方向に回転するが、その操作力が失われると、操作軸3は弾性付勢力で駆動されて初期位置に向けて逆回転する。
総じて言えば、扉21を閉じている状態で、ユーザが把手6を引くと、操作軸3がその軸心周りに回転して操作力を駆動機構に伝達し、この操作力を駆動機構がラッチ43に伝達して、ラッチ43を退避位置Eに退避させる。そして、扉21の家具本体1への係留が解除される。
上述の如き基本構成を有する収納家具Aのラッチ装置A2において、本実施形態では、把手6と操作軸3とを伝達部材91を介して間接的に接続し、施錠時には把手6と操作軸3との間の接続を遮断するようにしている。図13、図14に示すように、伝達部材91は、操作軸3の断面形状に略対応する内形をなす(即ち、角孔である)係合孔911aを有する軸部911と、軸部911の外側面より径方向に突き出る突片912,913と、突片912の表面より軸心方向に延伸する凸部914とを具備する、例えば樹脂成形品である。突片912、913は、軸心方向に離間させて一対設けられ、両者の間に後述する錠前92の作動部材921を差し入れる空間領域を形成している。突片912、913の一方912は、軸部911の一端側(図示例では、上端側)の端面近傍に配される。そして、この突片912より凸部914を突出させる。凸部914は、把手6に形成された凹部63aに係合し得る形状及び寸法に成形する。凸部914の軸心と係合孔911aの軸心との距離は、把手6における凹部63aの軸心と貫通孔61aの軸心との距離に略等しい。
伝達部材91は、操作軸3を係合孔911aに挿入することで操作軸3に取り付けられ、操作軸3に沿って変位可能となる。同時に、操作軸3とともにその軸心回りに回転する。しかして、伝達部材91の凸部914と把手6の凹部63aとを向き合わせるようにしてこれらを直列に配置して、把手6と操作軸3との連動状態/非連動状態の切り替えを行うクラッチ機構を構築している。なお、把手6、操作軸3がそれぞれ回転の初期位置にあるときに凹部63aと凸部914とが操作軸3に対し平行な一直線上に並ぶように、把手6、操作軸3及び伝達部材91の向きを設定する。図示例では、把手6、操作軸3がそれぞれ初期位置にあるとき、凹部63a及び凸部914が操作軸3の略真後ろにある。本実施形態では、下方に開口する凹部63aを有する把手6の直下に、上方に突出する凸部914を有する伝達部材91を配しているが、これらの上下関係を入れ替えても構わない。また、操作軸3の軸心に対し平行に延伸する凸部を把手6に設け、この凸部を受け入れる凹部を伝達部材91に設ける態様を妨げない。
把手6と操作軸3とがともに回転する連動状態とするには、図15に示すように伝達部材91を把手6に接近させ伝動位置Xに位置づける。伝動位置Xに至った伝達部材91の凸部914は、ハウジング7に形成されたスロット73aを経由して把手6の凹部63aに係合する。但し、把手6及び操作軸3に外力が作用しておらず、これらが各々初期位置に復帰しているものとする。この状態で把手6が回転操作されると、凸部914と凹部63aとの凹凸係合を介して回転方向の操作力が伝達部材91に作用し、伝達部材91が把手6とともに回転する。なおかつ、係合孔911aの内面と操作軸3の外側面との係合を介して操作力が作用し、操作軸3が回転する。つまり、把手6と操作軸3とが連動して回転し、把手6に加えられた操作力をラッチ43に伝達してこれを退避位置Eに向けて駆動することとなる。
逆に、把手6と操作軸3とがともに回転しない非連動状態とするには、図16に示すように伝達部材91を把手6より離反させ遮断位置Yに位置づける。遮断位置Yに至った伝達部材91の凸部914は、把手6の凹部63aより離脱する。この状態で把手6が回転操作されたとしても、把手6は空転し、伝達部材91に操作力は伝達されない。つまり、図17に示すように、把手6と操作軸3とが連動して回転せず、把手6に加えられた操作力はラッチ43に伝達されないため、ラッチ43を駆動することができない。従って、ラッチ43は依然として展開位置Sにあり続ける。扉21を閉じている場合、ラッチ43による家具本体1への係留を解除できず、扉21を開放不可能となる。
伝達部材91の伝動位置Xと遮断位置Yとの間の変位は、錠前92により惹起される。錠前92は、キーKeを使用した操作を通じて作動部材921を所定方向(操作軸3の軸心方向に対し略平行な方向)に進退させ得るシリンダ錠であって、解錠領域及び施錠領域を有するとともにキーKeを抜き差し可能な抜き差し位置を前記施錠領域の終端に設定してある。そして、錠前92のキー穴21Kを収納家具Aの扉21の面板部に露出させている。
作動部材921は、図14、図18などに示すように、その一部に操作軸3の軸心方向に対し略垂直に延出する第1支持アーム921aと軸心方向に伸び且つ錠前92に接続される接続アーム921bと、第1支持アーム921aと接続アーム921bとの接続部分から第1支持アーム921aの反対方向へ伸びる第2支持アーム921cとを有し、背面視略T字型をなす。本実施形態では、錠前92を、扉21における把手6の近傍に、ハウジング7の支持部70を利用して組み付けている。また、第1支持アーム921aは操作軸3の背後に位置づけられ、背面視操作軸3と交差する。そして、第1支持アーム921aの先方部位を、伝達部材91の一対の突片912、913の間に差し入れる。この第1支持アーム921aにより、伝達部材91が可動に支持される。即ち、作動部材921を進退させると、第1支持アーム921aを介して伝達部材91を操作軸3に沿って変位させることができる。しかも、伝達部材91の突片912、913は第1支持アーム921aに対して摺動し得ることから、伝達部材91の軸心回りの正逆回転も許容される。接続アーム921bの下端部には、背面視視略コ字状に切り欠いた切欠部921xを有するようにしている。第2支持アーム921cは、当該作動部材921が進退した際に、錠前92の側縁部92eとの干渉を避けるための切り欠き921yを設けてある。また、この第2支持アーム921cが、後述する施解錠状態表示部材Hの基端を支持するように構成している。
そして、本実施形態では、作動部材921に作用して、錠前92が抜き差し位置になることをその直前で規制する規制機構K2を具備するようにしている。具体的には、規制機構K2が、錠前92を抜き差し位置になることをその直前で規制するための作用位置(W1)又は規制しないための作用解除位置(W2)に選択的に位置付けられる本発明の作用部たる第2当接アームM2を具備するようにしている。なお、本実施形態では、この第2当接アームM2は、開閉状態検知部材M(本発明の「共通の部材」に相当)が備えるように構成している。以下、開閉状態検知部材Mについて詳述する。
開閉状態検知部材Mは、図18などに示すように、扉21の開閉状態を検知するために、この扉21の内面側に設けたものである。本実施形態では、ハウジング7とこのハウジング7の下側に設けた支持部材7zとによって支持されるようにしている。また、本実施形態ではハウジング7と支持部材7zとを別体としているが、これらを一体に形成することを妨げない。具体的に、開閉状態検知部材Mは、一端側を支持部材7zに形成してある一対の弾性爪7z1によって弾性支持されるとともに他端側をハウジング7の支持部70の保持部702xに支持される断面視略円形状の軸部M0と、この軸部M0の一端部から略直角に屈曲して伸び且つ扉22の縁部に当接可能な第1当接アームM1(本発明の「開閉状態検知部」に相当)と、他端部から略直角に屈曲して伸び且つ第1支持アーム921aに当接可能な第2当接アームM2(本発明の「作用部」に相当)と、軸部M0の略中央部に設けられ且つ当該開閉状態検知部材Mと支持部材7zとの間に配された付勢部材FBによる付勢力を受けるための鍔部M3とを備え、これら各部を合成樹脂にて一体に形成して成る。なお、付勢部材FBには、鍔部M3と支持部材7zとを離間させる向きに付勢力を発揮するコイルばねを用いている。
第1当接アームM1は、軸部M0に連続する第1当接アーム本体M11と、この第1当接アーム本体M11の先端部から家具本体1側に向けて略直角に屈曲させた当接要素M12とを有する側面視略Γ字状を成すものでる。そして、この当接要素M12を、扉21の縁部に設けた窓部21mから露出し得るように構成している。この窓部21mは、本実施形態では略コ字状に切り欠いた形状を有するようにしているが、形状は任意で良い。
第2当接アームM2は、ハウジング7の支持部70の当接片703と当接する作用位置(W1)にある場合には、第1支持アーム921aに当接する一方、当接解除する作用解除位置(W2)にある場合には、第1支持アーム921aに当接しないものである。すなわち、この第2当接アームM2が、作用解除位置(W2)にある場合には、第1支持アーム921aの動作は規制されず、錠前92を抜き差し位置にすることができ、キーKeを抜き差しすることができる。
加えて、本実施形態では、作動部材921の動作と連動する施解錠状態表示部材Hを設け、施解錠状態を表示するようにしている。具体的に、この施解錠状態表示部材Hは、解錠表示であるか施錠表示であるかを扉21の表示窓21zを利用して選択的に表示可能な施解錠状態表示部H1と、この施解錠状態表示部H1を回動可能に支持するとともに作動部材921の第2支持アーム921cに接続したアーム部H2とを具備してなるものである。
施解錠状態表示部H1は、一般的な飯盒の蓋と同様の形状を有するものであって、一端側に当該一端側を丸孔状の表示窓21zに位置付けた場合には解錠状態であることを示す標識を有する一方、他端側に当該他端側を丸孔状の表示窓21zに位置付けた場合には施錠状態であることを示す標識を有している。より具体的には、図示はしていないが、一端側には、解錠状態であることを示すように青地に白文字で「OPEN」の標識を設けている一方、他端側には、施錠状態であることを示すように赤地に白文字で「CLOSE」の標識を設けている。なお、表示方法はこれに限られるものではない。
アーム部H2は、基端側を第2支持アーム921cに接続される一方、先端側を施解錠状態表示部H1に連続したものであり、且つ、その中央部H21を扉21側に回動可能に支持させている。これにより、当該施解錠状態表示部材Hがアーム部H2の中央部H21を中心点として振り子運動をすることができる。なお、本実施形態ではアーム部H2の基端側と先端側とを段違いに構成しているが、段違いでなくてもよい。
さらに、本実施形態では、図21、図22に示すように、規制機構K2を覆うカバーCを備えるようにしている。このカバーCは、扉21の背面側に着脱可能に取付可能に構成したものであって、取付側に開口を有する略箱体状のものである。そして、本実施形態では、このカバーCの下端部に、規制機構K2の作動部材921に対する作用を許可する許可位置(Cx)及び禁止する禁止位置(Cy)に選択的に操作可能な切換操作部C1を設けている。切換操作部C1は、カバーC外側に露出する部分へ手指を掛けて操作可能なものである。そして、カバーCの下端縁に沿う方向へ移動可能に構成している。また、この切換操作部C1は、図23に示すように、カバーC内側に位置付けられ且つ受入部704内に配される爪部C11を備えている。そして、切換操作部C1を、禁止位置(Cy)にすると、爪部C11は受入部704内の接続アーム921bと当接する位置に位置付けられる一方、許可位置(Cx)にすると、当接しない位置に位置付けられるように構成している。
以下、施錠装置A1の動作について、(1)扉21が閉止位置(V1)にある場合と、(2)扉21が開成位置(V2)にある場合とに分けて、以下に説明する。
なお、本実施形態では、作動部材921が上方に進出しているとき、把手6と操作軸3とが連動する連動状態となる。即ち、第1支持アーム921aと突片との係合を介して伝達部材91が伝動位置Xに持ち上げられ、把手6と凹凸係合する。把手6が回転操作されると、突片912、913が第1支持アーム921aの上下面に対して摺動しつつ、伝達部材91及び操作軸3がその軸心回りに回転する。そして、扉21、22を施錠しようとするユーザは、キーKeを使用して錠前92を操作し、作動部材921を下方に沈降させる。すると、第1支持アーム921aに支持された伝達部材91が操作軸3に沿って遮断位置Yに下降し、伝達部材91と操作軸3との凹凸係合が解消される。このときに把手6が回転操作されても、伝達部材91及び回転軸は回転駆動されず、ラッチ手段41とラッチ受け5との係合が解除されない。よって、扉21、22を開放することができない。施錠されている扉21、22を解錠しようとするユーザは、キーKeを使用して錠前92の作動部材921を上昇させる操作を行えばよい。
(1)扉21が閉止位置(V1)にある場合。
扉21が閉止位置(V1)にあるときには、図18に示すように、開閉状態検知部材Mの当接要素M12は、扉22の縁部に当接し且つ付勢部材FBの付勢力に抗して軸部M0の軸方向を回動中心として回動し、扉21の内部に押し込められた状態をとる。また、このとき、第2当接アームM2は、当接要素M12と同一部材に形成されているため、同様に、扉21の内部に押し込められた状態をとる。すなわち、第2当接アームM2は、作用解除位置(W2)に位置付けられる。したがって、キーKeを施錠する方向に回しても、第2当接アームM2と第1支持アーム921aとは当接しないため、キーKeを施錠領域の終端である抜き差し位置に位置付けることができる。しかして、抜き差し位置で、キーKeを抜いたり差したりすることが可能となる。
(2)扉21が開成位置(V2)にある場合。
扉21が開成位置(V2)にある時には、図19、図20に示すように、開閉状態検知部材Mの当接要素M12は、付勢部材FBの付勢力により軸部M0の軸方向を回動中心として先端が扉21の外側に出るように回動し、扉21の窓部21mからその先端を露出した状態をとる。また、このとき、第2当接アームM2は、当接要素M12と同一部材に形成されているため、同様に回動し、当接片703と当接する。すなわち、第2当接アームM2は、作用位置(W1)に位置付けられる。したがって、キーKeを施錠する方向に回しても、第2当接アームM2と第1支持アーム921aとが当接し、キーKeを施錠領域の終端である抜き差し位置に位置付けることができない。しかして、キーKeを抜いたり差したりすることが不能となる。
なお、(1)扉21が閉止位置(V1)にある場合であっても、切換操作部C1を操作して、爪部C11を禁止位置(Cy)にすると、受入部704内に位置付けられた爪部C11が、切欠部921xに入り込み、作動部材921の進退を妨げる。すなわち、キーKeを施錠領域の終端である抜き差し位置に位置付けることができないようにすることが容易にできる。
このように、本実施形態に係る施錠装置A1は、規制機構K2の作用によって錠前92を抜き差し位置にできない場合には、キーKeを抜くことができないので、解錠状態でのキーKeの返却が不可能となる。したがって、例えば、使用時のみキーKeを使うといった常時施錠での運用では、キーKeが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることとなる等、運用に無用な負担を要すること無く高いセキュリティ効果を得られる施錠装置A1を実現することができる。また、錠前92に特別の加工を行う必要が無いのでコストダウンを図ることができる。
すなわち、無用にコストアップすること無く、例えば、キーKeが管理者の手元にある場合には確実に施錠されていることを確約できるといった、優れた施錠装置A1を提供することができる。
また、第2当接アームM2が、作用位置(W1)にて作動部材921と当接して、錠前92が抜き差し位置になることをその直前で規制するようにしたものであるため、簡単な構成でありながらも、錠前92が施錠位置になるのを好適に規制することができる。
また、家具本体1に対して開成位置と閉止位置との間で相対移動可能に設けてなる扉21の開閉状態を検知する第1当接アームM1を具備し、第2当接アームM2を、第1当接アームM1が開成状態であると検知している際には作用位置(W1)に位置付ける一方、閉止状態であると検知している際には作用解除位置(W2)に位置付けるように構成しているのであるため、扉21の開閉状態と第2当接アームM2とを連動させて運用することができるので、例えば、扉21を開成状態にしたままでのキーKeの返却が不可能になり、セキュリティの高い施錠装置A1を実現することができる。
また、第2当接アームM2と第1当接アームM1とを、共通の部材である開閉状態検知部材Mに形成しているため、部材の共通化によりコストダウンを図ることができる。
また、規制機構K2の前記作動部材921に対する作用を許可又は禁止する切替機構K3を具備して成るため、切替機構K3が規制機構K2の作動部材921に対する作用を許可している場合には、上述したような作用効果を得られる一方、禁止している場合には、一般的な施錠装置A1として使用することができるなど、使用者の多様化するニーズに容易に応えることができる。
切換操作部C1を、規制機構K2を覆うカバーC側に設けてあるため、規制機構K2を好適に保護しながら、切換操作部C1を操作することができる。
また、作動部材921の動作と連動して、施解錠状態を表示する施解錠状態表示部H1を具備して成るため、切替機構K3が規制機構K2の規制動作を禁止している場合であっても、施解錠状態表示部H1によって施解錠状態を好適に把握することができる。
施解錠状態表示部H1が、作動部材921の動きを増幅した振り子運動をするため、施解錠状態を、より好適に知ることができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、施錠機構および規制機構の構成は本実施形態のものに限られるものではない。
また、第2当接アームM2が、作用位置にて作動部材921と当接して、錠前92が抜き差し位置になることをその直前で規制するものとしているが、当接せずに規制するものであってもよい。
また、開閉状態検知部材の構成は、本実施形態のものに限られず、例えば、開閉状態検知部と作用部とを別体のものとすることができる。
また、本実施形態では、把手6と操作軸3とを連動状態/非連動状態にするクラッチ機構と、作動部材921とを連動動作するように構成したうえで、規制機構K2が、その作動部材921に作用して錠前92が抜き差し位置になることをその直前で規制するようにしているが、これに限らず、例えばクラッチ機構を設けずに、単に規制機構が作動部材に作用して錠前が抜き差し位置になることをその直前で規制するように構成することを妨げない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明に係る施錠装置を適用した扉の全体斜視図。 同実施形態における扉を備えた収納家具の部分斜視図。 同実施形態におけるラッチ装置の要部平断面図。 同ラッチ装置の動作を示す要部平面図。 同実施形態におけるラッチ装置の要部平断面図。 同ラッチ装置の動作を示す要部平面図。 同実施形態におけるラッチ装置の要部平断面図。 同ラッチ装置の動作を示す要部平面図。 操作端及びハウジングを示す要部斜視図。 操作端及びハウジングを示す要部下面図。 操作端及びハウジングを示す要部平面図。 同要部平面図。 操作端、操作軸、伝達部材及び駆動機構を示す要部斜視図。 伝達部材及び錠を示す要部平面図、要部後面図。 施錠時を示す要部側断面図。 解錠時を示す要部側断面図。 施錠時におけるラッチ装置の動作を示す要部平断面図。 同実施形態における施錠装置の作用説明図(施錠状態)。 同実施形態における施錠装置の作用説明図。 同実施形態における施錠装置の作用説明図(解錠状態)。 同実施形態における禁止位置にある切換操作部を示す図。 同実施形態における許可位置にある切換操作部を示す図。 同実施形態におけるカバーを裏側から見た部分拡大図。
符号の説明
1・・・・・・家具本体
21・・・・・開閉部材(扉)
92・・・・・錠前
921・・・・作動部材
A1・・・・・施錠装置
C・・・・・・カバー
C1・・・・・切換操作部
H1・・・・・施解錠状態表示部
K1・・・・・施錠機構
K2・・・・・規制機構
K3・・・・・切替機構
Ke・・・・・キー
M・・・・・・共通の部材(開閉状態検知部材)
M1・・・・・開閉状態検知部(第1当接アーム)
M2・・・・・作用部(第2当接アーム)
(Cx)・・・許可位置
(Cy)・・・禁止位置
(W1)・・・作用位置
(W2)・・・作用解除位置
(V1)・・・閉止位置
(V2)・・・開成位置

Claims (9)

  1. 解錠領域及び施錠領域を有するとともにキーを抜き差し可能な抜き差し位置を前記施錠領域の終端に設定した錠前、及び、この錠前の施解錠動作に連動動作する作動部材を備える施錠機構と、
    前記作動部材に作用して、前記錠前が前記抜き差し位置になることをその直前で規制する規制機構とを具備して成り、
    前記規制機構が、前記錠前を前記抜き差し位置になることをその直前で規制するための作用位置に位置付け可能な作用部を具備するものであるとともに、
    家具本体に対して開成位置と閉止位置との間で相対移動可能に設けてなる開閉部材の開閉状態を検知する開閉状態検知部をさらに具備し、
    前記作用部を、前記開閉状態検知部が開成状態であると検知している際には前記作用位置に位置付ける一方、閉止状態であると検知している際には前記作用解除位置に位置付けるように構成し、
    さらに、前記開閉状態検知部が、開閉部材側に設けて成るものであり、且つ、前記家具本体又は家具本体側に設けた部材と当接していない場合には、前記開成状態であると検知する一方、当接している場合には前記閉止状態であると検知するように構成したものであることを特徴とする施錠装置。
  2. 前記作用部が、前記作用位置にて前記作動部材と当接して、前記錠前が前記抜き差し位置になることをその直前で規制するものであることを特徴とする請求項1記載の施錠装置。
  3. 前記作用部と前記開閉状態検知部とを、共通の部材に形成していることを特徴とする請求項1または2記載の施錠装置。
  4. 前記作用部が、前記作用位置、又は、前記錠前を前記抜き差し位置になることを規制しないための作用解除位置に、選択的に位置付けられるものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の施錠装置。
  5. 前記規制機構の前記作動部材に対する作用を許可又は禁止する切替機構を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の施錠装置。
  6. 前記切替機構が、前記規制機構の前記作動部材に対する作用を許可する許可位置及び禁止する禁止位置に選択的に操作可能な切換操作部を具備して成るものであることを特徴とする請求項記載の施錠装置。
  7. 前記切換操作部を、前記規制機構を覆うカバー側に設けてあることを特徴とする請求項記載の施錠装置。
  8. 前記作動部材の動作と連動して、施解錠状態を表示する施解錠状態表示部を具備して成ることを特徴とする請求項乃至7いずれか記載の施錠装置。
  9. 前記施解錠状態表示部が、前記作動部材の動きを増幅した動きをするものであることを特徴とする請求項8記載の施錠装置。
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