JP5066295B1 - 保護キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】保護キャップにおいて、錠前の解錠時、操作部材を手で持って先端を差込穴に差し込んでキャップベースに対するキャップカバーの掛け止めを解除するとき、扉など板状体の板面が解除操作の障害にならず解除操作を簡単にする。
【解決手段】保護キャップCは、差込穴35を、キャップベース15を扉Dの外側板面d上に設置した状態において、操作部材の施解錠キー50の差込方向入口側に向かうに従い次第に扉の外側板面から離れる方向に傾斜してキャップベースに穿設し、施解錠キーの先端の細軸部50aを差込穴に差し込んだとき、施解錠キーの摘み50b、つまり持ち手側が扉の外側板面から遠ざかり、扉の外側板面が手にぶつかって解除操作の障害にならない構造になっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、扉や壁面などの板状体に組み付ける錠前の鍵穴から雨水や塵埃が侵入しないように、また、不正な道具を挿入して悪戯されないように鍵穴を隠蔽して保護する保護キャップに関する。
例えば交通信号機の制御盤を収納する電気制御ボックスの扉に使用される錠前は、鍵穴を外側板面から外部に臨ませて扉に組み付けるが、その鍵穴から雨水や塵埃が侵入したり不正な道具を挿入して悪戯されないように、錠前の正面に保護キャップを装着して鍵穴を隠蔽している。
従来、この種の保護キャップは、扉の外側板面から突出した錠前の正面側上部に鍵穴に鍵操作穴を連通させて固着して外側板面上に設置する固定プレート(キャップベース)と、固定プレートにヒンジ部を介して回動可能に連結して鍵操作穴を開閉し、閉時は固定プレートに重ね合わせて掛け止める可動プレート(キャップカバー)とからなり、固定プレートには、専用操作部材の先端を差し込んで可動プレートの掛け止めを解除する差込穴が設けられている。この差込穴は、保護キャップの取付状態において、正面に設けると、構造上、保護キャップがより厚みを増すことになり、防犯上目立ち過ぎるし、防水上も好ましくないことから、固定プレートの外周部の下側に設けた構造になっている(特許文献1参照)。
特開2005−200939号公報
ところが、従来の保護キャップでは、図13に示すとおり、固定プレート1の外周部1aに差込穴2が設けられていると、差込穴2の入口が扉3の外側板面3aに近接しているため、錠前4の解錠時、専用操作部材5を手で持ち、先端5aを差込穴2に差し込んで可動プレート6の掛け止めを解除するとき、扉3の外側板面3aが手に当たって解除操作の障害になるために、操作しずらく面倒であるという課題があった。
そこで、本発明が解決せんとする課題は、錠前の解錠時、操作部材を手で持って先端を差込穴に差し込んでキャップベースに対するキャップカバーの掛け止めを解除するとき、扉など板状体の板面が解除操作の障害にならず解除操作を簡単にすることにある。
この課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、扉Dのような板状体の外側板面dから外部に臨ませた錠前の鍵穴13に鍵操作穴19を連通させて前記外側板面d上に設置する先端側にラッチ部18を有したキャップベース15に対し、先端側にフック40を突設したキャップカバー20を、基端側のヒンジ部17・38で枢軸45を中心として回動可能に連結し、閉時は重ね合わせて前記フック40を前記ラッチ部18に掛け止め、開時その掛け止めを解除すると、開く方向の付勢力により跳ね上がるように開いて前記鍵操作穴19を開放し、前記ラッチ部18の周壁に、操作部材の先端部を差し込んで前記ラッチ部18に対する前記フック40の掛け止めを解除する差込穴35を備えた保護キャップCにおいて、前記差込穴35は、前記キャップベース15を前記板状体の外側板面d上に設置した状態において、前記操作部材の差込方向入口側に向かうに従い次第に前記外側板面dから離れる方向に傾斜して穿設してなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の保護キャップCにおいて、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記操作部材は、一部に細軸部50aを形成した前記錠前に専用の施解錠キー50からなる一方、前記差込穴35は、該施解錠キー50の細軸部50aが抜き差し可能な穴形状に形成してなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の保護キャップCにおいて、たとえば以下に示す実施の形態のとおり、前記操作部材は、前記錠前に専用の施解錠キーとは別に、一部に細軸部を形成した前記キャップカバーの掛け止め解除に専用の差込治具を備え、それら差込治具と施解錠キーをキーホルダでまとめて保持する一方、前記差込穴は、前記差込治具の細軸部が抜き差し可能な穴形状に形成してなることを特徴とする。
従って、請求項1に記載の発明では、キャップベースが扉等の板状体の外側板面上に設置された状態で錠前に固着し、差込穴の入口が板状体の外側板面に近接するため、操作部材を手で持って先端を差込穴に差し込み、キャップカバーの掛け止めを解除する操作をするとき、板状体の外側板面が手に当たって解除操作の障害になりそうな状況にある。しかし、本発明の保護キャップは、差込穴を、キャップベースを板状体の外側板面上に設置した状態において、操作部材の差込方向入口側に向かうに従い次第に外側板面から離れる方向に傾斜してキャップベースに穿設する構成であるため、操作部材の先端を差込穴に差し込んだとき、操作部材の持ち手側が板状体の外側板面から遠ざかるので、従来のように板面が手にぶつかって解除操作の障害になるようなことがなく、それだけ解錠操作を手間なく簡単にすることができる。
請求項2に記載の発明では、専用施解錠キーの保持者が施解錠操作のためにキャップカバーを開けるときに、そのまま専用施解錠キーを使用し、細軸部を差込穴に差し込む操作をするだけでキャップカバーの掛け止め状態が解除され、キャップカバーを簡単に開けることができる。一方、専用の施解錠キーを保持しない者が掛け止め状態で閉じたキャップカバーを不正に開けようとしても、到底、簡単には開けることはできない。仮に、差込穴に気付いて、扉等の周辺で、操作部材として細いピンや軸などを手に入れ、斯かる操作部材を代用して、それを差込穴に差し込んで解除操作しない限り、キャップカバーを開けることはできない。そのような代用品があるという限定的な条件下で、しかも面倒で時間のかかる不正行為をしない限り、キャップカバーは開けられないので、それだけ錠前に対する悪戯を効果的に防止することができる。
請求項3に記載の発明では、専用施解錠キーの保持者が施解錠操作のためにキャップカバーを開けるときに、同時に差込治具を使用し、その細軸部を差込穴に差し込む操作をするだけでキャップカバーの掛け止め状態が解除され、キャップカバーを簡単に開けることができる。
本発明の一例である保護キャップをキャップカバーを閉めて掛け止め状態で示す縦断面図である。 扉の外側板面に設置した保護キャップをキャップカバーを閉めて掛け止め状態で示す斜視図である。 (A)は扉の外側板面に設置した保護キャップをキャップカバーを閉めて掛け止め状態で示す正面図、(B)は側面図である。 保護キャップの分解斜視図である。 保護キャップを図4と向きを違えて示す分解斜視図である。 図1に示す保護キャップの下部を拡大して示す部分拡大縦断面図である。 (A)は扉の外側板面に設置した保護キャップをキャップカバーの掛け止めを解除する状態において示す正面図、(B)は側面図である。 (A)は保護キャップを図7(A)と同様に示す斜視図、(B)X−X断面図である。 図8(B)に示す保護キャップの下部を拡大して示す部分拡大縦断面図である。 扉の外側板面に設置した保護キャップをキャップカバーの掛け止め解除状態において示す斜視図である。 (A)は保護キャップをキャップカバーの掛け止めを解除して開位置に保持した状態において示す斜視図、(B)はY−Y断面図である。 図11(B)に示す保護キャップの下部を拡大して示す部分拡大縦断面図である。 錠前に取り付けた従来の保護キャップをキャップカバーを閉めて掛け止め状態で示す側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1、4および図5に本発明の一例である保護キャップを示し、図2および図3に、その保護キャップを組み付けたラッチ錠装置を扉に取り付けて使用する状態を示す。図示例の保護キャップCは、交通信号機の電気制御ボックス正面の開口部10を開閉する扉Dに取り付けるラッチ錠装置Rに組み付けて使用する。ラッチ錠装置Rは、ラッチボルトを出没自在に組み込んだ錠ケース11の正面蓋板11aに錠前のシリンダ錠12を固定し、そのシリンダ錠12の正面から鍵穴13を外部に臨ませた構造になっている。
保護キャップCは、いずれもアルミダイカスト製の、キャップベース15とキャップカバー20とからなる。キャップベース15は、図1、図4および図5に示すように、本体部16と、本体部16の図中高さ方向上側のヒンジ部17と、下側のラッチ部18とで形成されている。本体部16は、厚さ方向裏面側(底側)にシリンダ錠12のシリンダ形状に合わせて円形凹状の嵌付段部16aを設け、さらに嵌付段部16aから表面側に貫通する鍵操作穴19を形成している。鍵操作穴19は、シリンダ錠12の鍵穴13が臨む正面にキャップベース15を組み付けたとき、鍵穴13と中心が一致する同軸位置に穴形状を鍵穴13に合わせて穿設する。本体部16の表面には、鍵操作穴19の周りに同軸に環状溝16bを形成し、環状溝16bにリング状の防水ゴムパッキン14を嵌め込んでなる。
ヒンジ部17は、厚さ方向外側にそれぞれ軸挿通穴17aを貫通させた一対の軸保持部17bを幅方向に間隔をあけて突設している。ラッチ部18には、厚さ方向に貫通する穴でラッチ室Sが形成されている。ラッチ室Sは、厚さ方向裏面側に、ラッチ室S内に組み込むラッチユニットAのスライダ24の外形に合わせて取付口21を開口する一方、表側に横長で矩形のラッチ口22を開口し、ラッチ口22の上側の内壁部分に突き当て面26とその幅方向両側に一対の位置決め面27・27を形成している。位置決め面27・27には、それぞれ厚さ方向に軸穴27aが穿設されている。更に、ラッチ部18には、ラッチ口22の下側に有する円弧状の周壁部分18aに、ラッチ室Sへと通ずる操作部材50の差込穴35が設けられている。図示例において、操作部材50は、先端に細軸部50aを有したシリンダ錠12に専用の施解除キーである。従って、差込穴35は、施解除キー50の細軸部50aに合わせて、それを抜き差し可能な細い穴径の隠し穴で形成する。しかも、差込穴35は、図1および図6に示すように、キャップベース15を扉Dの外側板面d上に設置した状態において、施解錠キー50の図中矢示する差込方向入口35a側に向かうに従い次第に外側板面dから離れる方向に傾斜して穿設してなる。そして、ラッチ室Sでは、突き当て面26と両側の位置決め面27・27を、この差込穴35に傾きを合わせて斜面で形成されている。
ラッチユニットAは、図1、図4、図5および図6に示すように、スライダ24と、ラッチ25と、ピンコイルばねの付勢ばね29を備える。スライダ24は、ラッチ室S内の突き当て面26と両側の位置決め面27・27に対応し、中央の駒状ボス部31と両側の位置決め片32・32とからなり、それぞれ正面側に差込穴35の傾きに合わせて斜面からなる当接面31a、32a・32aを形成してなる。ボス部31には、底面31bに差込穴35の傾きに合わせてラッチガイド穴33を高さ方向に斜めに穿設している。位置決め片32には、当接面32aにそれぞれ位置決めピン34・34を突設している。ラッチ25は、細長い金属板をコ形に曲げ成形してなる。ラッチユニットAは、このラッチ25を、スライダ24のラッチガイド穴33内に付勢ばね29を介して深さ方向に摺動自在に嵌め込んで組み立てられる。
そこで、キャップベース15は、ラッチ25をスライダ24のラッチガイド穴33に押し込んだ状態で、ラッチユニットAを、取付口21からラッチ室S内に組み入れ、位置決めピン34・34を位置決め面27の軸穴27a・27aに差し込みながら、当接面31a、32a・32aをそれぞれ突き当て面26と位置決め面27・27に当接させる一方、厚さ方向裏面側に板状の防水ゴムパッキン36を接着し、ラッチ25が差込穴35と対向する位置に、ラッチユニットAを位置決めてラッチ室S内に組み込む。そして、ラッチ25は、先端部25aを差込穴35の穴縁に当てて止め、先端部25aがラッチガイド穴33から突出してラッチ口22と差込穴25から外部を臨む掛止位置に保持してなる。防水ゴムパッキン36は、キャップベース15と同じ外形状に形成し、嵌付段部16aと同様にシリンダ形状に合わせて円形の透穴44を設けてなる。
一方、キャップカバー20は、キャップベース15と同じ外形の薄板状に形成し、カバー部37と、カバー部37の図中高さ方向上側のヒンジ部38と、下側の掛け止め部39とからなる。カバー部37には、内面側にキャップベース15側の環状溝16bに合わせて環状溝37aを凹設している。ヒンジ部38には、キャップベース15側のヒンジ部17に対応し、厚さ方向内側にそれぞれ軸挿通穴38aを貫通させた一対の軸保持部38bを、間隔をあけて設けてなる。掛け止め部39には、内面側にキャップベース15のラッチ口22の位置に合わせてフック40を突設している。フック40は、先端40b・40bが互いに向き合う方向にL状に突出する一対の爪部40a・40aからなり、それら爪部40a・40aを、それぞれ先端40b・40bに向かうに従い次第に薄肉に形成し、互いの内側空間に、キャップベース15側のラッチ25が係合する大きさの係合穴41を形成してなる。そして、互いに向き合う爪部40a・40aの先端40b・40b間に、操作部材の施解錠キー50の細軸部50aが挿通する間隙を設けてなる。
そこで、キャップカバー20は、枢軸45を、ヒンジ部38とキャップベース15のヒンジ部17の軸挿通穴38a・17aと、ねじりコイルばね28のコイル部28aに貫挿し、ばね一端28bをヒンジ部38に掛け止める一方、ばね他端28cをキャップベース15のヒンジ部17に掛け止める。すると、保護キャップCは、キャップカバー20がキャップベース15に枢軸45を中心として回動可能に連結されると共に開方向のばね付勢力が働いて、キャップ側ヒンジ部38をベース側ヒンジ部17のストッパ部分17cに当てて広角に開いた開位置に保持されて組み立てられる(図11参照)。
従って、保護キャップCは、開いたキャップカバー20を閉方向に回動して閉めると、図1および図6に示すように、フック40がラッチ口22からラッチ室Sに進入し、爪部40a・40aの先端40b・40bが、掛止位置に突出したラッチ25の先端部25aに係止し、ラッチ25をねじりコイルばね28に抗してラッチガイド穴33内にいったん押し込んで退避させてから、キャップカバー20が完全に閉められると、爪部40a・40aの先端40b・40bがラッチ25の先端部25aから外れて、ラッチ25がねじりコイルばね28の付勢力により再び掛止位置に突出してフック40の係合穴41に係合し、これにより、キャップベース15上にキャップカバー20を掛け止めて自動的にロックする構造になっている。
そこで、今度、保護キャップCは、キャップカバー20を開けるときは、図7、図8、図9及び図10に示すように、施解錠キー50の細軸部50aを差込穴35に差し込み、フック40の爪部40a・40a間の係合穴41(図5参照)を通して掛止位置にあるラッチ25の先端部25aに押し当て、ラッチ25をねじりコイルばね28の付勢力に抗してラッチガイド穴33内に押し込んでラッチ25の先端部25aからフック40の先端40b・40bを外し、キャップベース15に対するキャップカバー20の掛け止めを解除する。すると、キャップカバー20がねじりコイルばね28の付勢力により開方向に跳ね上がるように自動的に回動し、図11に示すように開位置まで開いて鍵操作穴19を開放する構造になっている。
上述した構成の保護キャップCは、図1および図3に示すように、扉Dに取り付けるラッチ錠装置Rのシリンダ錠12に組み付けて使用する。ラッチ錠装置Rは、鍵穴13を外部に臨ませたシリンダ錠12の正面側上部を扉Dの呼込み穴60に通して外側板面dから突出させ、錠ケース11の正面蓋板11aを内側板面にねじ止めして扉Dの戸先側に固着している。そこで、使用時に、保護キャップCは、シリンダ錠12の正面側上部をキャップベース15の嵌付段部16aに嵌め込み、鍵穴13に鍵操作穴19を連通させた状態で、キャップベース15をシリンダ錠12上にねじ止めして扉Dの外側板面d上に設置する。そして、通常の非施解錠時には、キャップカバー20を閉めてキャップベース15上に重ね合わせ、鍵操作穴19を液密的に塞ぐことにより鍵穴13を隠して保護する。
保護キャップCは、このようにキャップカバー20を閉めると、図1および図6に示すように、フック40がラッチ口22からラッチ室Sに進入し、爪部40a・40aの先端40b・40bが掛止位置に突出したラッチ25の先端部25aに係止し、ラッチ25をねじりコイルばね28に抗してラッチガイド穴33内にいったん押し込んで退避させてから、キャップカバー20が完全に閉められると、爪部40a・40aの先端40b・40bがラッチ25の先端部25aから外れて、ラッチ25がねじりコイルばね28の付勢力により再び掛止位置に突出してフック40の係合穴41に係合し、これにより、キャップベース15上に重ね合わせたキャップカバー20を掛け止めて自動的にロックし、改めて鍵操作穴19を液密的に塞いで鍵穴13を保護する。
一方、電気制御ボックスの扉Dを開けるために、ラッチ錠装置Rのシリンダ錠12を解錠するとき、キャップカバー20を開ける。キャップカバー20を開けるときは、図7、図8、図9及び図10に示すように、施解錠キー50を用い、施解錠キー50の摘み50bを手で摘んで細軸部50aを差込穴35に差し込み、フック40の係合穴41を通して掛止位置にあるラッチ25の先端部25aに押し当て、ラッチ25をねじりコイルばね28の付勢力に抗してラッチガイド穴33内に押し込んでラッチ25の先端部25aからフック40の先端40b・40bを外し、キャップベース15に対するキャップカバー20の掛け止めを解除する。すると、図11及び図12に示すように、キャップカバー20がねじりコイルばね28の付勢力により開方向に跳ね上がるように自動的に回動して開位置まで開いて鍵操作穴19を開放し、鍵穴13を外部に臨ませる。そして、そのまま同じ専用施解錠キー50を使い、鍵操作穴19から鍵穴13に差し込んでシリンダ錠12を解錠する。
従って、図示例の保護キャップCは、専用施解錠キー50の保持者が施解錠操作のためにキャップカバー20を開けるときに、そのまま専用施解錠キー50を使用し、細軸部50aを差込穴35に差し込む操作をするだけでキャップカバー20の掛け止め状態が解除され、キャップカバー20を簡単に開けることができる。一方、専用の施解錠キー50を保持しない者が掛け止め状態で閉じたキャップカバー20を不正に開けようとしても、到底、簡単には開けることはできない。仮に、差込穴35に気付いて、扉Dの周辺で、操作部材として細いピンや軸などを手に入れ、斯かる操作部材を代用して、それを差込穴35に差し込んで解除操作しない限り、キャップカバー20を開けることはできない。そのような代用品があるという限定的な条件下で、しかも面倒で時間のかかる不正行為をしない限り、キャップカバー20は開けられないので、それだけ錠前に対する悪戯を効果的に防止することができる。
図示例の保護キャップCは、図1および図6に示すように、キャップベース15が扉Dの外側板面d上に設置された状態で錠前のシリンダ錠12に固着し、差込穴35の入口35aが扉Dの外側板面dに近接しているため、操作部材の施解錠キー50の摘み50bを手で摘んで細軸部50aを差込穴35に差し込み、キャップカバー20の掛け止めを解除する操作をするとき、扉Dの外側板面dが手に当たって解除操作の障害になりそうな状況にある。しかし、本発明の保護キャップCは、差込穴35を、キャップベース15を扉Dの外側板面d上に設置した状態において、操作部材の施解錠キー50の図中矢示する差込方向入口35a側に向かうに従い次第に外側板面dから離れる方向に傾斜してキャップベース15に穿設する構成であるため、施解錠キー50の細軸部50aを差込穴35に差し込んだとき、施解錠キー50の摘み部50b、つまり持ち手側が扉Dの外側板面dから遠ざかるので、従来のように扉Dが手にぶつかって解除操作の障害になるようなことがなく、それだけ解錠操作を手間なく簡単にすることができる。
ところで、上述した図示実施の形態において、操作部材は、先端に細軸部50aを形成した錠前のシリンダ錠12に専用の施解錠キー50であったが、本発明では、それに限らず、例えばシリンダ錠のような錠前に専用の施解錠キーとは別に、一部に細軸部を形成したキャップカバー20の掛け止め解除に専用の差込治具を備え、それら施解錠キーと差込治具をキーホルダでまとめて保持する一方、差込穴は、差込治具の細軸部を抜き差し可能な穴形状に形成する構成にすることもできる。
なお、以上の図示実施の形態において、錠前を固着する板状体は、扉Dであったが、それに限らず、錠前が固着される側が壁面や扉枠であれば、それら板状体も含まれる。
C 保護キャップ
D 扉(板状体)
d 外側板面
12 シリンダ錠(錠前)
13 鍵穴
15 キャップベース
19 鍵操作穴
20 キャップカバー
35 差込穴
50 専用施解錠キー(操作部材)
50a 細軸部

Claims (3)

  1. 板状体の外側板面から外部に臨ませた錠前の鍵穴に鍵操作穴を連通させて前記外側板面上に設置する先端側にラッチ部を有したキャップベースに対し、先端側にフックを突設したキャップカバーを、基端側のヒンジ部で枢軸を中心として回動可能に連結し、閉時は重ね合わせて前記フックを前記ラッチ部に掛け止め、開時その掛け止めを解除すると、開く方向の付勢力により跳ね上がるように開いて前記鍵操作穴を開放し、前記ラッチ部の周壁に、操作部材の先端部を差し込んで前記ラッチ部に対する前記フックの掛け止めを解除する差込穴を備えた保護キャップにおいて、
    前記差込穴は、前記キャップベースを前記板状体の外側板面上に設置した状態において、前記操作部材の差込方向入口側に向かうに従い次第に前記外側板面から離れる方向に傾斜して穿設し、前記ラッチ部は、前記差込穴が通ずる先にラッチ室を形成し、該ラッチ室内にラッチを前記差込穴の傾き方向に摺動自在に付勢ばねを介して組み込む一方、前記フックは、先端が互いに向き合う方向に突出して内側空間に前記ラッチが係合する係合穴を形成する一対の爪部からなり、それら爪部の先端間に前記操作部材の先端部が挿通する間隙を設けてなることを特徴とする、保護キャップ。
  2. 前記操作部材は、一部に細軸部を形成した前記錠前に専用の施解錠キーからなる一方、前記差込穴は、該施解錠キーの細軸部が抜き差し可能な穴形状に形成してなることを特徴とする、請求項1に記載の保護キャップ。
  3. 前記操作部材は、前記錠前に専用の施解錠キーとは別に、一部に細軸部を形成した前記キャップカバーの掛け止め解除に専用の差込治具を備え、それら差込治具と施解錠キーをキーホルダでまとめて保持する一方、前記差込穴は、前記差込治具の細軸部が抜き差し可能な穴形状に形成してなることを特徴とする、請求項1に記載の保護キャップ。
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