JP4759330B2 - 耐熱性収納容器 - Google Patents

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本発明は、耐熱性収納容器に関するものである。
オフィスでの重要書類、例えば紙の書類や近年ではデータを記録したCDやDVDなどの記録媒体などは、金庫に保管される。
ところで、従来から提案される金庫は、盗難防止機能の他にも、万一の火災に備えての耐火機能が具備せしめられている。
しかしながら、実際の火事に際し、金庫内への火の進入は防ぐことはできても金庫内の温度はかなり高温となる為、例えばCDやDVDに記録されたデータが消えてしまうなど、断熱性には未だ問題点がある(一般にCDやDVDは約60℃よりも高温になるとデータが消えてしまうとされる。)。
本発明は、上述の問題点に着目し、種々の実験・研究を繰り返し行なった結果、従来にない画期的な耐熱性収納容器を提供する。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
真空断熱構造の周壁部3a及び底壁部3bを具備し上部が開口した容器本体3と、この容器本体3に被嵌して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部6a及び天壁部6bを具備し下部が開口した蓋体6とからなる耐熱性収納容器であって、前記容器本体3の下部周縁部には側方に突出する凹条部9が周方向に設けられ、この凹条部9には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記蓋体6の下方開口縁6Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、真空断熱構造の周壁部3a及び底壁部3bを具備し上部が開口した容器本体3と、この容器本体3に被嵌して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部6a及び天壁部6bを具備し下部が開口した蓋体6とからなる耐熱性収納容器であって、前記蓋体6の内面部には凹条部9’が周方向に設けられ、この凹条部9’には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記容器本体3の上方開口縁3Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、請求項2記載の耐熱性収納容器において、前記容器本体3の下部周縁部には側方に突出する凹条部9が周方向に設けられ、この凹条部9には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記蓋体6の下方開口縁6Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、真空断熱構造の周壁部3a及び底壁部3bを具備し上部が開口した容器本体3と、この容器本体3に嵌入して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部6a及び天壁部6bを具備し下部が開口した蓋体6とからなる耐熱性収納容器であって、前記蓋体6の上部周縁部には側方に突出する凹条部9が周方向に設けられ、この凹条部9には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記容器本体3の上方開口縁3Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、真空断熱構造の周壁部3a及び底壁部3bを具備し上部が開口した容器本体3と、この容器本体3に嵌入して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部6a及び天壁部6bを具備し下部が開口した蓋体6とからなる耐熱性収納容器であって、前記容器本体3の内面部には凹条部9’が周方向に設けられ、この凹条部9’には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記蓋体6の下方開口縁6Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、請求項5記載の耐熱性収納容器において、前記蓋体6の上部周縁部には側方に突出する凹条部9が周方向に設けられ、この凹条部9には耐熱性シール材10が設けられ、前記容器本体3と前記蓋体6とを嵌合した際、前記容器本体3の上方開口縁3Aが、前記耐熱性シール材10に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の耐熱性収納容器において、前記容器本体3は外容体1内に内容体2が所定の間隙を介存せしめて配設され、この外容体1と内容体2との間隙が真空空間S1に設定され、前記蓋体6は外容体4内に内容体5が所定の間隙を介存せしめて配設され、この外容体4と内容体5との間隙が真空空間S2に設定され、前記容器本体3の内容体2における底壁2bには排気孔7が設けられ、この排気孔7により真空封止処理が行なわれて前記真空空間S1が形成され、前記蓋体6の内容体5における天壁5bには排気孔8が設けられ、この排気孔8により真空封止処理が行なわれて真空空間S2が形成されていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の耐熱性収納容器において、前記蓋体6と前記容器本体3とに互いの分離を防止する分離防止手段22が設けられていることを特徴とする耐熱性収納容器に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、例えば高温の環境下にさらされても内部温度の上昇を可及的に抑制することができるなど、極めて断熱性に秀れる画期的な耐熱性収納容器となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して説明する。
容器本体3内に適宜な物を収納し、該容器本体3に蓋体6を嵌合状態に配設する。
万一、火災等により高温の環境下にさらされることがあっても容器本体3及び蓋体6はいずれも真空空間により真空断熱構造を具備しているから、極めて断熱性に秀れ、よって、内部温度の上昇が可及的に抑制されることになる。
従って、重要書類や貴重品などを保管するのに非常に秀れることになる。
また、本発明は、容器本体3と蓋体6とを嵌合状態で配設した場合における容器本体3と蓋体6の下方開口縁6Aとの当接部位Aには、耐熱性シール材10が設けられているから、一層秀れた断熱性能を発揮するとともに、良好な蓋体6の開閉がなされることになる。
即ち、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設する場合、熱の侵入を防止する為には、容器本体3の周壁部3aの外周面と蓋体6の周壁部6aの内周面とが密接していることが要求される。しかし、これでは、蓋体6の開閉に際して両者が擦れて大きな抵抗が生じてしまい円滑な蓋体6の開閉が行なえず不便であり、使い勝手が悪くなってしまう。しかも、使用を重ねるうちに擦れた部分が削れて隙間が生じてしまうなどの問題点があり、更に、蓋体6の開閉が不能とならないように容器本体3と蓋体6との寸法精度を高めなければならず、その為、量産性が悪くコスト高となってしまうなどの問題点がある。
この点、本発明は、容器本体3と蓋体6とを嵌合状態で配設した場合における容器本体3と蓋体6の下方開口縁6Aとの当接部位Aには、耐熱性シール材10が設けられているから、容器本体3の周壁部3aの外周面と蓋体6の周壁部6aの内周面とに隙間が生じる構成としたとしても、容器本体3に対して蓋体6を嵌合状態で配設した状態においては、蓋体6の下方開口縁6Aと容器本体3との当接部位Aに存在する耐熱性シール材10のため、熱の侵入は確実に防止されることになる。しかも、この耐熱性シール材10がある為、容器本体3の周壁部3aの外周面と蓋体6の周壁部6aの内周面とに隙間が生じる構成を採用でき、両面が擦れたりすることはなくなるから、それだけ蓋体6の開閉がスムーズに行なえることになり、このことは、容器本体3と蓋体6とをそれ程高精度に製造しなくても良いことを意味し、よって、コスト安にして量産性にも秀れることになる。
また、例えば耐熱性シール材10として適度な柔軟性を有する耐熱性シール材10を採用した場合には、容器本体3に対して蓋体6を嵌合状態で配設した際、蓋体6の自重により、蓋体6の下方開口縁6A(若しくは容器本体3の上方開口縁3A)が耐熱性シール材10に食い込んだ状態となり、よって、耐熱性シール材10との密接度合いが向上するためにより一層良好な断熱性を発揮することになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、真空断熱構造の周壁部3a及び底壁部3bを具備し上部が開口した容器本体3と、この容器本体3に嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部6a及び天壁部6bを具備した下部が開口した蓋体6とからなるものである。尚、本実施例は、容器本体3に対して蓋体6が被嵌状態で配設される構成としたが、容器本体3に対して蓋体6が嵌入状態で配設される構造としても良い。
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
容器本体3は、外容体1と内容体2とで構成されている。
具体的には、外容体1は、図2に図示したようにステンレス製の周壁(筒状部材)1aの下部開口部にステンレス製の底壁(底板部材)1bを溶接して形成された有底筒状体である。尚、外容体1の素材はステンレス製に限らず、鉄製、チタン製でも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
また、底壁1bには、該外容体1よりも径大の底部材17が溶接されており、この底部材17の周辺部にして外容体1の側方に突出する部位には凹条部9が設けられ、この凹条部9には後述する耐熱性シール材10が配設される。尚、この底部材17もステンレス製の部材で形成されており、この底部材17によっても断熱性能が向上することになる。
また、この底部材17は、その外周縁が外方に折り曲げられており、この折り曲げ部22bは後述する分離防止手段22に係る係止部材22aが係止する係止部22bとして構成されている。
内容体2は、図2に図示したように、前述した外容体1と同様、ステンレス製の周壁(筒状部材)2aの下部開口部にステンレス製の底壁(底板部材)2bを溶接して形成された有底筒状体である。尚、内容体2の素材はステンレス製に限らず、鉄製、チタン製でも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
また、内容体2は、その底壁2bの中央位置に凹部11が形成され、この凹部11の中心位置には貫通孔7が形成されている。
この貫通孔7は、外容体1と内容体2との間の空間を真空封止処理する際の排気孔7として機能する。
以上の構成からなる外容体1と内容体2とから容器本体3を製造する場合、外容体1内に内容体2を同軸にして両者の周壁1a,2a及び底壁1b,2b間に所定の空間を介存せしめて配設する。続いて、両者の上部開口部1c,2c同士を接合する。続いて、内容体2の凹部11に適宜なロー材12を載置し、常法通り真空加熱炉において真空吸引して外容体1と内容体2との間の空間を真空空間S1にするとともに、加熱してロー材12を熔融し、該溶融したロー材12で排気孔7を閉塞する(図4,5参照)。
排気孔7の封止手段としては、図6,7に図示したようにロー材12を溶融させるとともに封止板13で排気孔7を封止する封止手段や、図8,9に図示したように銅製のチップ管25を使用した封止手段でも良く、このチップ管手段の場合、チップ管25及び該チップ管25に被覆される保護材26を熱から保護する上で真空封止する部位を内容体に設ける点は有意義である(チップ管25は銅製故に高温の環境下においては熱膨張して破損してしまう。)。尚、チップ管25を内容体に設けたことにより隠蔽部材27が配される。
その後、容器本体3の周壁部(外容体1)に設けられる凹条部9に耐熱性シール材10を配設する。
この耐熱性シール材10は、図1に図示したように適宜なセラミック繊維を帯状に形成したものであり、具体的には、イソライト工業株式会社製の「イソウール(商標)1260ブランケット」を採用しており、これは1260℃までの耐熱性を有し、また、軽量で適度な柔軟性を有し、取り扱い性が非常に秀れている。
この耐熱性シール材10は、容器本体3に後述する蓋体6を被嵌状態で配設した際、蓋体6の下方開口縁6Aが当接することになる。
この蓋体6の下方開口縁6Aが当接する耐熱性シール材10を容器本体3に設け(蓋体6の下方開口縁6Aと前記容器本体3との当接部位Aに耐熱性シール材10を設け)、更に、この耐熱性シール材10として適度な柔軟性を有する耐熱性シール材10を採用することは極めて画期的である。
即ち、本実施例に係る製品は、断熱性が要求される環境、例えば高温の環境下でその能力が発揮させようとする物品である為、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設した際、熱の侵入を防止する為には、容器本体3の周壁部3aの外周面と蓋体6の周壁部6aの内周面とが密接していることが要求されるが、これでは、蓋体6の開閉に際して擦れて大きな抵抗が生じてしまい円滑な開閉が行なえず不便であり(使い勝手が悪くなってしまう。)、しかも、使用を重ねるうちに擦れた部分が削れて隙間が生じてしまうなどの問題点があり、そして更に、容器本体3と蓋体6との寸法を精度良く製造しなければならない為、量産性が悪くコスト高となってしまうなどの問題点がある。
この点、本実施例は、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設した際、蓋体6の下方開口縁6Aが当接する耐熱性シール材10を容器本体3に設けた(蓋体6の下方開口縁6Aと前記容器本体3との当接部位Aに耐熱性シール材10を設けた)から、容器本体3の外周面と蓋体6の内周面との間に隙間Xが生じる構成としたとしても確実に蓋体6の下方開口縁6Aと容器本体3との間で熱の侵入を防止する構造を具備することができ、また、この耐熱性シール材10を配設する為の凹条部9を設けることで、断熱性シール材10の配設が良好に行なえることになり、しかも、非常時(例えば火災などの高温の環境下)においては、熱膨張して確実に蓋体6の下方開口縁6Aに当接して熱の侵入を防止することができることになる(図3参照)。また、この断熱性シール材10は、適度な柔軟性を有することで、蓋体6の自重により、蓋体6の下方開口縁6Aが耐熱性シール材10に食い込んだ状態となり、よって、耐熱性シール材10との密接度合いが向上するためにより一層良好な断熱性を発揮することになる。
尚、本実施例は、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設する構成を採用した為、容器本体3の外部に凹条部9を形成し、この凹条部9に断熱性シール材10を配設する構成としたが、容器本体3に対して蓋体6を嵌入状態で配設する構成を採用した場合、容器本体3の内部(底壁部3bの内面部)に凹条部を形成し、この凹条部に断熱性シール材10を配設する構成としても良い。
蓋体6は、前述した容器本体3と略同構造であり、外容体4と内容体5とで構成されている。
具体的には、外容体4は、図2に図示したようにステンレス製の周壁(筒状部材)4aの上部開口部にステンレス製の天壁(天板部材)4bを溶接して形成された有天筒状体である。尚、外容体4の素材はステンレス製に限らず、鉄製、チタン製でも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
内容体5は、図2に図示したように、前述した外容体4と同様、ステンレス製の周壁(筒状部材)5aの上部開口部にステンレス製の天壁(天板部材)5bを溶接して形成された有天筒状体である。尚、内容体5の素材はステンレス製に限らず、鉄製、チタン製でも良いなど本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
また、内容体5は、その天壁5bの中央位置に凹部14が形成され、この凹部14の中心位置には貫通孔8が形成されている。
この貫通孔8は、外容体4と内容体5との間の空間を真空封止処理する際の排気孔8として機能する。
また、内容体5は、その天壁5bの内面部外周位置に平面視環状の凹条部9’が形成されており、この凹条部9’にも前述した耐熱性シール材10が配設されている。
この蓋体6に設けられた耐熱性シール材10は、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設した際、容器本体3の上方開口縁3Aが当接するように構成されている(容器本体3の上方開口縁3Aと蓋体6との当接部位Bに耐熱性シール材10が設けられる。)。
尚、本実施例は、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設する構成を採用した為、蓋体6の内部に凹条部9’を形成し、この凹条部9’に断熱性シール材10を配設する構成としたが、容器本体3に対して蓋体6を嵌入状態で配設する構成を採用した場合、蓋体6の外部に凹条部を形成し、この凹条部に断熱性シール材10を配設する構成としても良い。
以上の構成からなる外容体4と内容体5とから蓋体6を製造する場合、外容体4内に内容体5を同軸にして両者の周壁4a,5a及び天壁4b,5b間に所定の空間を介存せしめて配設する。続いて、両者の下部開口部4c,5c同志を接合する。続いて、内容体5の凹部14に適宜なロー材15を載置し、常法通り真空加熱炉において真空吸引して外容体4と内容体5との間の空間を真空空間S2にするとともに、加熱してロー材15を熔融し、がい溶融したロー材15で排気孔8を閉塞する(図4,5参照)。
排気孔8の封止手段としては、図6,7に図示したようにロー材15を溶融させるとともに封止板16で排気孔8を封止する封止手段や、図8,9に図示したように銅製のチップ管25を使用した封止手段でも良く、このチップ管手段の場合、チップ管25及び該チップ管25に被覆される保護材26を熱から保護する上で真空封止する部位を内容体に設ける点は有意義である(チップ管25は銅製故に高温の環境下においては熱膨張して破損してしまう。)。尚、チップ管25を内容体に設けたことにより隠蔽部材27が配される。符号18は蓋体6の上部に配設される把手部材である。
また、本実施例では、蓋体6の周壁部6aの高さを容器本体3の周壁部3aと略同一としている。
これは、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設した際、互いの周壁部3a,6aの重合する部分を可及的に多くすることで、容器本体3の内部と外部との距離を多く確保するための構成であり、このことから内部へ熱が侵入しにくい状態が得られることになる。尚、本実施例では、容器本体3に対して蓋体6を被嵌状態で配設する構成としたが、容器本体3内に蓋体6を嵌入状態で配設する構成としても良い。
また、蓋体6は、その下部にして外周面対向位置に容器本体3からの分離を防止する分離防止手段22を構成する係止部材22aが設けられている。
この係止部材22aは、図1,2に図示したように適宜な耐熱性を有する金属(ステンレス)を板状に形成したものであり、蓋体6の外周面対向位置に枢着されて上下方向に擺動自在に設けられており、その先端係止部が前述した容器本体3に設けられる係止部22bに係止し得るように構成されている。
尚、この分離防止手段22としては耐熱性を有する素材で構成されたバンドを巻きつけるタイプのものでも良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
符号19は中央にCDやDVDなどのディスク20に設けられた孔20aを被嵌する棒体19a’が立設されたディスク積層体19aと、該ディスク積層体19aの前記棒体19a’及び積層されたディスクに被嵌される蓋体19bとで構成されるディスク用ラックである。
本実施例は上述のように構成したから、容器本体3内に適宜な物(CD、DVD)を収納し、該容器本体3に蓋体6を被嵌状態に配設する。この際、蓋体6の下方開口縁6Aは容器本体3に設けた耐熱性シール材10に当接し、且つ、容器本体3の上方開口縁3Aは蓋体6に設けた耐熱性シール材10に当接し、各開口縁6A,3Aは蓋体6の自重により各耐熱性シール材10に対して食い込んだ状態となる。この状態で、分離防止手段22に係る係止部材を係止部に係止すると、蓋体6には下方へ移動する力が加わるため、更に各耐熱性シール材10に対する各開口縁6A,3Aの食い込み量は多くなる。
万一、火災等により高温の環境下にさらされることがあっても容器本体3及び蓋体4はいずれも真空空間により真空断熱構造を具備しているから、極めて断熱性に秀れ、よって、内部温度の上昇が可及的に抑制されることになる。
よって、本実施例によれば、重要書類や貴重品などを保管するに非常に秀れることになる。
また、本実施例は、容器本体3は、内容体2に設けた排気孔7において真空封止処理が行なわれ、また、前記蓋体6も、内容体5に設けた排気孔8において真空封止処理が行なわれるから、より一層の断熱性に秀れることになる。
即ち、容器本体及び蓋体の製造に際し、仮に容器本体及び蓋体を構成する外容体に排気孔を設け、この排気孔において真空封止処理が行なわれる構造とした場合(従来、製造性の面から外容体に排気孔を設けて真空封止処理するのが一般的である。)、高温の環境下に直接さらされる外容体、特に蓋体に被嵌構造の場合には蓋体の外容体に設けられる排気孔から内部へ熱の侵入が危惧される。
具体的に説明すれば、例えば一般的に真空封止処理はロー材(及び封止板)を使用して行なわれるが、このロー材の溶融温度よりも高温の環境下(例えば火災など)におかれた場合、外容体に設けられる排気孔から排気する構造が採用されていると、この真空封止した部位が直接高温の熱にさらされてロー材が溶融してしまい(一般的なロー材の溶融温度は900℃〜1050℃であり、火災による高温の環境は1000℃〜1200℃とされる。)、この真空封止した部位(排気孔)から内部に熱が侵入してしまう場合がある。
この点、内容体に設けられる排気孔において真空封止処理する構造を採用すると、この真空封止した部位がロー材の溶融温度に達することはないから、この真空封止した部位(排気孔)から内部に熱が侵入することはなく、よって、断熱性能は確実に発揮されることになる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例を示す分解斜視図である。 本実施例を示す正断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。 本実施例に係る要部の部分拡大説明断面図である。
A 当接部位
B 当接部位
S1 真空空間
S2 真空空間
3 容器本体
3a 周壁部
3b 底壁部
3A 上方開口縁
6 蓋体
6a 周壁部
6b 天壁部
6A 下方開口縁
凹条部
9’ 凹条部
10 耐熱性シール材
22 分離防止手段

Claims (8)

  1. 真空断熱構造の周壁部及び底壁部を具備し上部が開口した容器本体と、この容器本体に被嵌して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部及び天壁部を具備し下部が開口した蓋体とからなる耐熱性収納容器であって、前記容器本体の下部周縁部には側方に突出する凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記蓋体の下方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  2. 真空断熱構造の周壁部及び底壁部を具備し上部が開口した容器本体と、この容器本体に被嵌して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部及び天壁部を具備し下部が開口した蓋体とからなる耐熱性収納容器であって、前記蓋体の内面部には凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記容器本体の上方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  3. 請求項2記載の耐熱性収納容器において、前記容器本体の下部周縁部には側方に突出する凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記蓋体の下方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  4. 真空断熱構造の周壁部及び底壁部を具備し上部が開口した容器本体と、この容器本体に嵌入して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部及び天壁部を具備し下部が開口した蓋体とからなる耐熱性収納容器であって、前記蓋体の上部周縁部には側方に突出する凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記容器本体の上方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  5. 真空断熱構造の周壁部及び底壁部を具備し上部が開口した容器本体と、この容器本体に嵌入して嵌合状態で配設され、真空断熱構造の周壁部及び天壁部を具備し下部が開口した蓋体とからなる耐熱性収納容器であって、前記容器本体の内面部には凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記蓋体の下方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  6. 請求項5記載の耐熱性収納容器において、前記蓋体の上部周縁部には側方に突出する凹条部が周方向に設けられ、この凹条部には耐熱性シール材が設けられ、前記容器本体と前記蓋体とを嵌合した際、前記容器本体の上方開口縁が、前記耐熱性シール材に当接するように構成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の耐熱性収納容器において、前記容器本体は外容体内に内容体が所定の間隙を介存せしめて配設され、この外容体と内容体との間隙が真空空間に設定され、前記蓋体は外容体内に内容体が所定の間隙を介存せしめて配設され、この外容体と内容体との間隙が真空空間に設定され、前記容器本体の内容体における底壁には排気孔が設けられ、この排気孔により真空封止処理が行なわれて前記真空空間が形成され、前記蓋体の内容体における天壁には排気孔が設けられ、この排気孔により真空封止処理が行なわれて真空空間が形成されていることを特徴とする耐熱性収納容器。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の耐熱性収納容器において、前記蓋体と前記容器本体とに互いの分離を防止する分離防止手段が設けられていることを特徴とする耐熱性収納容器。
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