JPH0640867Y2 - 低温耐火庫 - Google Patents

低温耐火庫

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JPH0640867Y2
JPH0640867Y2 JP15628988U JP15628988U JPH0640867Y2 JP H0640867 Y2 JPH0640867 Y2 JP H0640867Y2 JP 15628988 U JP15628988 U JP 15628988U JP 15628988 U JP15628988 U JP 15628988U JP H0640867 Y2 JPH0640867 Y2 JP H0640867Y2
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heat insulating
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temperature
refractory
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明 矢追
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株式会社イトーキクレビオ
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンピュータ、ワードプロセッサ等のOA機器
に使用する磁気テープやフロッピーデイスク等の常温に
近い低温範囲、且つ低湿度範囲で保管すべき物品を収納
するための低温耐火庫の構造に関するものである。
〔従来の技術と解決すべき課題〕 コンピュータ等に使用する磁気テープやフロッピーデイ
スク等の磁気記録媒体は、高温及び低温ではそれに記憶
された情報信号に乱れが生じる(ミッシングパルスやエ
キストラパルスの数が増大する)ので、例えばフロッピ
ーデイスクの保存環境としては、51.5度〜4度(摂氏)
に保持することが好ましいとされている(日本工業規
格,JISによる)。
また、この種の磁気記録媒体は高湿度に曝されると、磁
性材とそれを担持する合成樹脂ベース材との剥離等が生
じ易いので、保存環境の温度も8〜80%(相対湿度)で
あることが好ましい。
他方、従来から、耐火庫の本体や扉を、複数種類の耐火
材にて多層に形成することは種々考案されている。
また、特公昭51−21186号公報では、一定温度以上加熱
されると溶融して結晶水を放出する塩類と、アルカリ金
属の重炭酸塩と、乾燥状態において前記の重炭酸塩と反
応しないが前記塩類から放出された結晶水により湿潤さ
れたときには重炭酸塩と吸熱反応を起こす化合物(例え
ば無水硫酸亜鉛等)の乾燥混合物から成る断熱材を、耐
火金庫の内箱部に設けることを提案している。
この従来技術では、例えば無水硫酸亜鉛とアルカリ金属
の重炭酸塩とが結晶水の存在下で吸熱反応を起こすとき
には炭酸ガスを発生させるので、これらの断熱材を金庫
の内箱に密閉状に充填していると、前記発生した炭酸ガ
スが庫内の温度によって膨脹し、その異常圧力にて金庫
の内箱が破損したり内箱の板材や継目箇所に亀裂が入
り、その箇所から炭酸ガスと共に湿潤した材料が金庫内
に漏れ出す。
この内箱の膨脹などを防止するため、前記断熱材を入れ
た内箱に炭酸ガスが放出できるような孔を穿設している
と、一定以上の温度で溶融して離脱した結晶水が前記孔
から金庫内に放出される結果、いずれにしても金庫内の
湿度が上昇するので、前記のような磁気記録媒体保管用
の耐火庫には不向きであった。
さらに、磁気記録媒体を保存する耐火庫が火災に遭遇し
た場合、耐火庫の外周が相当の高温に曝される時間は短
くても、当該耐火庫に加えられた余熱のために庫内の温
度は、徐々に上昇する虞があり、一旦庫内の温度が前記
の保存に適する温度以上になると、その保持時間が相当
長く続くため、庫内に保管した磁気記録媒体に悪影響を
及ぼす。
しかしながら、従来のこの種の耐火庫では、前記のよう
に一旦高温で一定時間加熱された後の長時間景気後にも
庫内温度が所定温度以内に保持でき、且つ湿度も所定の
範囲内に納まるように考慮されたものがなかった。
本考案は、これらの点に鑑みて、火災に遭遇しても庫内
の物品を所定の低温および低湿度の保存環境に保持でき
る耐火庫を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本考案は、耐火庫の本体及び
開閉扉を、その外壁から順に気泡コンクリートによる耐
火層と、珪酸カルシウムを主成分とする第1断熱層と、
ウレタン樹脂からなる第2断熱層とで構成し、前記第2
断熱層の内側には、結晶水を含有する燐酸水素ナトリウ
ムの粉末を密封容器内に充填し、さらにこの密封容器の
外周を金属板にて密封した第3断熱層を設けたものであ
る。
〔考案の作用及び効果〕
本考案の耐火庫の本体及び開閉扉における外側の耐火層
は気泡コンクリートであって、これにより、耐火庫外側
からの火炎に対して良く耐えることができ、この耐火層
より内側の第1断熱層及び第2断熱層にて外部からの熱
の移動を良く阻止でき、さらに、この第2断熱層の内側
に設けた第3断熱層における結晶水を含有する燐酸水素
ナトリウムの粉末が融解するときの吸熱作用にて庫内を
長時間良く低温に保持できるのである。
しかも、前記第1断熱層の珪酸カルシウム、第2断熱層
のウレタン樹脂は各々固体であって水分を出すことがな
いし、第3断熱層での結晶水を含有する燐酸水素ナトリ
ウムが融解してもその脱離した結晶水は密閉容器内に閉
じ込められているので、耐火庫の庫内を低湿度に維持で
きるものである。
このように、本考案の多層の構成の耐火庫を利用すれ
ば、火炎に遭遇しても庫内のフロッピーデイスクのよう
な磁気記録媒体を通常の保管環境に保持することができ
て保管するのに適するという効果を有するのである。
〔実施例〕
次に実施例について説明すると、符号1は耐火庫の本
体、2は開閉扉を示し、開閉扉2の一側は蝶番3を介し
て本体1に回動自在に取付き、開閉扉2前面のハンドル
4の回動にて複数の閂杆5が本体1の開口部係合凹所に
係脱するような連動機構が開閉扉2内側に設けられてい
る。なお、符号6はシリンダ錠、ダイアル錠等の錠前で
ある。
本考案の本体1及び開閉扉2は以下に述べる耐火層及び
複数層の断熱層による多層状である。
即ち、符号7aは、本体1の鋼板製の外装板8aと内板9aと
の間に充填した耐火性を有する気泡コンクリートの耐火
層で、その耐火層7aの厚さ寸法は略60mm以上である。
符号10aは前記内板9aの内面に張設した珪酸カルシウム
を主成分とする軽量板材からなる第1断熱層であり、そ
の板厚さは略25mmである。この第1断熱層10aは耐熱性
の高い断熱材であり、且つ、熱持ちが悪い性質を有す
る。
符号11aは前記第1断熱層10aの内面側に隣接して張設す
る硬質ウレタン樹脂からなる厚さ寸法略20mm〜25mmの第
2断熱層であり、この第2断熱層11aは熱伝導率が可な
り小さい。
符号12aは前記第2断熱層11aの内側を覆う鋼板であり、
この鋼板12aから適宜厚さの空気層13を隔てて内側に、
以下に述べる第3断熱層14を設ける。即ち、第3断熱層
14は、第2図から第4図に示すように、外気に対して気
密性を有する合成樹脂製の密封容器15内に結晶水を含有
する燐酸水素ナトリウム(実施例では燐酸水素二ナトリ
ウム・12水,Na2HPO4・12H2O)の粉末16を充填し、該密
封容器15の外周を鋼板等の金属板17,17で覆って密封し
た構成である。
なお、第3断熱層14と前記第2断熱層11aの鋼板12aとの
間に空気層13を形成するため、厚さ略5mmのアスベスト
製断熱板18を配設する。
前記本体1と同様に開閉扉2における鋼板製の外装板8b
と内板9bとの間には、気泡コンクリートの耐火層7bを充
填するもので、その厚さを寸法は略85mmである。
符号19は前記複数の閂杆5をハンドル4の動きに連動さ
せる連動機構が収納される空間部である。
符号10bは前記開閉扉2における内板9bの内面に張設し
たアスベスト板20に隣接して設けた珪酸カルシウムを主
成分とする軽量板材からな第1断熱層であり、その板厚
さは略25mmである。
符号11bは前記第1断熱層10bの内面側に隣接して張設す
る硬質ウレタン樹脂からなる厚さ寸法略15mmの第2断熱
層である。
符号12bは前記第2断熱層11bの内側を覆う鋼板であり、
この鋼板12bから厚さ略5mmのアスベスト製断熱板23を隔
てて内側に、前記本体1における第3断熱層と同じよう
な第3断熱層21を設ける。
この第3断熱層21は、外気に対して気密性を有する合成
樹脂製の密封容器15内に結晶水を含有する燐酸水素ナト
リウム(実施例では燐酸水素二ナトリウム・12水,Na2H
PO4・12H2O)の粉末16を充填し、該密封容器15の外周を
鋼板等の金属板22で覆って密封した構成である。
なお、符号24,25は本体1の開口部に設けたシリコン樹
脂製のシール部で、閉じた開閉扉2の内面に密接するも
のである。
この構成において、本考案の耐火庫の断熱試験を実施し
た結果を第5図に示す。
第5図の上段は本考案の耐火庫を入れた加熱炉内の加熱
開始から9時間後までの温度変化の状態を示し、加熱開
始30度(摂氏)から1時間後には930度(摂氏)まで加
熱した後、加熱を止めるものである。
第5図の中段は耐火庫内の温度変化を示し、前記加熱炉
の加熱に若干時間遅れて耐火庫内の温度が緩やかに上昇
し、略1時間30分後に耐火庫内の温度が略45度(摂氏)
まで上昇する。
この場合、加えられた熱が耐火庫の外壁である耐火層か
ら内側の第1断熱層、第2断熱層、第3断熱層へと順次
伝わる。
そして第3断熱層における合成樹脂製の密封容器15内に
結晶水を含有する燐酸水素ナトリウムは、その箇所の温
度の上昇に応じて結晶水を放出しつつ融解する時の融解
熱にて、耐火庫の外部から内部に向かって移動する熱を
吸熱し、耐火庫本体1内の温度上昇を食い止めることが
できる。
従って、加熱開始から略1時間30分まで上昇した庫内の
温度は前記の吸熱作用が始まるにつれて下降するが、耐
火庫に与えられた余熱が長時間にわたって内部に向かっ
て移動することから、前記燐酸水素ナトリウムの融解が
進んで、未溶解の部分が少なくなるにつれて吸熱量が少
なくなり、庫内の温度は徐々に上昇する。
しかし、前記第5図の中段の温度変化図から判るよう
に、加熱開始から9時間後(加熱終了後から8時間後)
でも、庫内の温度が50度(摂氏)を越えることがなく、
以後、庫内温度は低下する。
なお、第5図の下段は耐火庫内の相対湿度の変化を示
し、加熱開始から1時間後には略40%であるが、以後順
次低下し、略20%台を維持していることが判る。
これは本体1及び開閉扉2における前記第3断熱層14,2
1での結晶水を含有する燐酸水素ナトリウム(実施例で
は燐酸水素二ナトリウム・12水,Ha2HPO4・12H2O)の粉
末16を、外気に対して気密性を有する合成樹脂製の密封
容器15内に充填し、該密封容器15の外周を鋼板等の金属
板17や22で覆って密封した構成であるので、この燐酸水
素ナトリウムの融解時の脱離する結晶水が庫内に漏れ出
ていないし、この第3断熱層における金属板17,22の表
面に露が付くようなことがないことを示している。
このように、耐火庫の本体及び開閉扉を、その外壁から
順に気泡コンクリートによる耐火層と、珪酸カルシウム
を主成分とする第1断熱層と、ウレタン樹脂からなる第
2断熱層とで構成し、前記第2断熱層の内側には、結晶
水を含有する燐酸水素ナトリウムの粉末を密封容器内に
充填し、さらにこの密封容器の外周を金属板にて密封し
た第3断熱層を設けることにより、多層に構成したか
ら、火災後長時間経過しても、庫内の温度を50度(摂
氏)以下の低温度に保持できると同時に、前記第1断熱
層の珪酸カルシウム、第2断熱層のウレタン樹脂は各々
固体であって水分を出すことがないし、第3断熱層での
結晶水を含有する燐酸水素ナトリウムが融解してその脱
離した結晶水は密閉容器15内に閉じ込められているの
で、低湿度に維持できるものであって、フロッピーデイ
スクのような磁気記録媒体を保管するのに適するのであ
る。
なお、前記密閉容器15は、合成樹脂の無通気性材料で作
った防湿袋状や箱状であっても良いのである。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示し、第1図は耐火庫の斜視
図、第2図は耐火庫の側断面図、第3図は平断面図、第
4図は第3図のIV−IV視で示す第3断熱層の断面斜視
図、第5図は加熱試験における温度変化及び湿度変化を
示す図である。 1……本体、2……開閉扉、7a,7b……耐火層、8a,8b…
…外装板、9a,9b……内板、10a,10b……第1断熱層、11
a,11b……第2断熱層、12a,12b……鋼板、18,23……ア
スベスト製断熱板、17,22……金属板、14,21……第3断
熱層、16……燐酸水素ナトリウム、15……密封容器。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火庫の本体及び開閉扉を、その外壁から
    順に気泡コンクリートによる耐火層と、珪酸カルシウム
    を主成分とする第1断熱層と、ウレタン樹脂からなる第
    2断熱層とで構成し、前記第2断熱層の内側には、結晶
    水を含有する燐酸水素ナトリウムの粉末を密封容器内に
    充填し、さらにこの密封容器の外周を金属板にて密封し
    た第3断熱層を設けたことを特徴とする低温耐火庫。
JP15628988U 1988-11-29 1988-11-29 低温耐火庫 Expired - Lifetime JPH0640867Y2 (ja)

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JP15628988U JPH0640867Y2 (ja) 1988-11-29 1988-11-29 低温耐火庫

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JP15628988U JPH0640867Y2 (ja) 1988-11-29 1988-11-29 低温耐火庫

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JPH0277288U JPH0277288U (ja) 1990-06-13
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EP2274966B1 (en) * 2008-05-09 2014-05-21 IOSAFE, Inc. Fire resistant and water resistant enclosure for operable computer digital data storage device

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JPH0277288U (ja) 1990-06-13

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