JPH02178483A - 耐火保管箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主としてフロッピーデスク、磁気テープな
どの磁気記録材を火災によって生じた熱から保護して保
管するための耐火保管箱に関する。

〔従来の技術〕

従来耐火金庫などの耐火保管箱の断熱材料としては、熱
伝導率が小さい材料、例えばスラグウール、セラミック
ファイバーなどの鉱物繊維を主体とする板材や、珪酸カ
ルシウムボード、発泡コンクリート、或は比熱、比重の
大きいコンクリートなどが使用されてきた。また一部に
は水酸化アルミニウムをこれらに混合し、加熱により生
ずる、２Ａ　Ｑ（ＯＨ）３　→Ａ　Ｌｏ　３＋　３Ｈ，
０の分解反応の際の吸熱を利用して庫内への熱流を遮断
することが行われている。

従来の耐火金庫では、炉内に耐火金庫を入れて第３図に
示すような昇温速度で６０分で９７０℃まで昇温した時
、庫内温度が１８０℃以内になるようにすることがＪＩ
Ｓ１３０４で規定されている。

これに対して、フロッピーデスク、磁気テープなどの磁
気記録材の耐火保管箱についてはＳＦ’ＮＡ規格（日本
金庫鉄鋼家具連合会工業規格）で、上記と同一昇温条件
で、収納空間温度が５２℃以下となるようにすることが
定められている。

上記の断熱材を従来の耐火金庫に使用した場合と同様に
使用して、磁気記録材の耐火保管箱を作ると、断熱材層
の厚さが２０〜５０ｃｍにもなり、収納空間容積に対し
て断熱層の厚さが大きくなりすぎ実用的ではない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、断熱層の厚さが薄くて上記の５ＰＮＡ規格を
満足しうる耐火保管箱を提供することを課題とする。

〔課題を解決するための手段〕゛ 本発明による課題を解決するための手段は、内壁と外壁
との間に気密な中空の室が形成された耐熱性材料からな
る箱本体と、内壁と外壁との間に気密な中空の室が形成
された耐熱性材料からなる蓋と、箱本体及び蓋のそれぞ
れの外壁内側に沿って配置した通気性断熱材と、箱本体
及び蓋のそれぞれの内壁外側に沿って配置したジェリー
の形で水を含有する遮熱材とを備えた耐火保管箱にある
。

箱本体と、蓋の内壁及び外壁は、鋼板のような耐熱材料
で作り、外壁と内壁との接合部は溶接、かしめににより
、外壁と内壁との間に気密な密閉された空間を作る。蓋
は金庫のように蝶番で箱本体に取付でもよいし、取り外
せる蓋としてらよい。

外壁内側にそって配置する通気性断熱材は、従来も用い
られているスラグファイバー　セラミックファイバーの
フェルト、ブランケット、ボード、これらに水酸化アル
ミニウムを混合したものや、気泡コンクリートなど公知
の通気性断熱材を用いる。

内壁外側に沿って配置したジェリーの形で水を含有する
遮熱材としては、例えば、セラミックファイバー５〜９
０重量部、セメント５〜９０重量部、耐火骨材５〜８０
重量部と、これらの合計１００重量部に対して、水８０
〜１２０重量部と、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアク
リル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのような糊材、寒天
、ゼラチン、こんにゃく粉などを加え撹拌し、ジェリー
状としたものなどを用いる。この遮熱材は、水を保持し
たジェリーが、箱本体や蓋の外壁と内壁との間で偏った
りしないように形状維持性を有し、最低１００℃の耐熱
性を有すればよいので、ジェリー形成物質以外は、水分
の蒸気化を妨げないものであり、希望の耐熱性を有する
物質を適宜に用いることが出来る。

〔作用〕

水酸化アルミニウムは、上記のような熱分解を行なう温
度は２５０〜３３０°Ｃであるから、箱内の収納空間を
５２℃以下と出来ない。また熱分解による吸熱量は約１
７０〜２２０　ｋ　ｃ　ａ　１２　／　ｋ　ｇで吸熱量
が小さい。このような化合水や結合水或は結晶水を有す
る物質が水分を分離する時の吸熱量に比べて、ジェリー
状物質に含まれる遊離の水分の蒸発潜熱は５４０ｋｃａ
（／ｋｇと非常に大きく、また水分が蒸発し終わるまで
１００℃にその物質の温度を維持できる。またこの水分
は高温側から順次に蒸発するので、低温側は常温を維持
できる。本発明ではこのような水分を多量に含有し、か
つ形状維持性を有する物質を遮熱材として箱本体及び蓋
の内壁側に配置することにより、収納空間の温度を５２
℃以下に維持しうるようにした。

しかし外部から加わる高温が直接に遮熱材に加わると、
短時間で水分が蒸発し終わり６０分を経過しない内に、
収納空間の温度が上昇してしまうので、遮熱材の外側に
通気性の断熱材を配置して、遮熱材に高温が直接加わら
ないようにすると共に、遮熱材から発生する水蒸気をそ
の通気孔に受は入れ、爆裂が生じないようにしたもので
ある。

従って、遮熱材中の全水分が蒸気化したとき、その蒸気
圧力でその蒸気の全容積を収容しうる空隙が遮熱材と通
気性断熱材とによって与えられることが、望ましい。こ
れは、蓋および箱本体の外壁と内壁とから形成された囲
いの耐圧性と、温度と保有水分量とから、発生した蒸気
の収容しうる体積に相当する前記の所要空隙率を求め、
それから通気性断熱材き遮熱材の容積比を求めて、相互
の厚さの比を求めることが出来る。

しかし発生した水蒸気を外部に逃がすようにすることも
出来る。即ち蓋及び箱本体の外壁に適宜の通気孔を設け
、この通気孔を常時は、ワックス、タール、ポリエチレ
ン、木、低融点金属や合金などで閉じておけば、外部温
度が上昇してこれらが軟化熔融したり、燃えたりして通
気孔を開放し、発生した蒸気を外部に逃がすことが出来
る。

蓋と箱本体との、内壁と外壁との間を気密な中空の室に
形成するのは、中空の室に収容した遮熱材中の水分が保
管中に外部に蒸発して無くならないようにするためであ
る。菓子のゼリーやこんにゃくに見られるように、これ
らに含まれる水分は長期空気中に放置しても容易に無く
ならないが、次第に乾燥してくるので、乾燥を防ぐため
である。

〔実施例〕

厚さ１ｍｍの１４坂を用いて、第１図に示すように、開
口部の寸法が１８５ｍｍ角で、深さ１５０ｍｍの収納空
間３を有し、底面が３１５ｍｍ角、高さが２２２ｍｒｎ
の外形を有し内壁と外壁との間に中空の室を有する箱本
体ｌを形成した。内壁と外壁との間に中空の室を有し、
外形が厚さ７７ｍｍで、３１５ｍｍ角の蓋２を作った。

この箱本体ｌ及び蓋２の外壁の内側に沿い厚さ２０　ｍ
　ｍのかさ比重０．１３、熱伝導率０．０６　　ｋｃａ
ｆｆ／ｍｂ℃のセラミックファイバーボードからなる通
気性断熱材４を挿入し、通気性断熱材４と内壁との間に
は、長さ１００ｍｍ以下に裁断したセラミックファイバ
ー１０重積部、ロックウール２０重量部、ロー６３０重
量部、アルミナセメント４０重量部、カルボキノメチル
セルロース０６重量部、水１００重量部の混合物を成形
して充填し、外壁と内壁とは気密に爆接した。

箱本体ｌに蓬２を施して炉内に挿入し、第３図に示した
昇温速度で６０分間加熱して９７０℃まで昇温する加熱
試験を行った。そのときの収納空間３の温度変化と、通
気性断熱材４と遮熱材５との境界の温度変化を第２図に
示す。

第２図に示すように、収納空間３の温度は１７°Ｃから
４０℃に上昇したが、ＳＦ’ＮＡ規格の５２℃にはまだ
余裕があった。また境界の温度変化も最高１００℃に止
どまった。

〔発明の効果〕

本発明構造によれば、断熱層の厚さを従来よりも１／３
〜１／２に薄くして収納空間温度も従来よりも低温に保
つことの出来る耐火金庫や磁気記録材用の耐火保管箱を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による耐火保管箱の一実施例の断面図、
第２図は実施例の加熱試験のときの収納空間３の１益度
変化と、通気性断熱材４と遮熱材５との境界の温度変化
を示す図、第３図は、ＪＩＳ１３４０に規定の耐火試験
における昇温条件を示す図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　内壁と外壁との間に気密な中空の室が形成された耐
   熱性材料からなる箱本体と、内壁と外壁との間に気密な
   中空の室が形成された耐熱性材料からなる蓋と、箱本体
   及び蓋の外壁内側に沿って配置した通気性断熱材と、箱
   本体及び蓋の内壁外側に沿って配置したジェリーの形で
   水を含有する遮熱材とを備えた耐火保管箱。 ２　箱本体及び蓋の外壁に設けた通気口と、該通気口を
   閉じた低温熔融性或は可燃性材料とを備えた請求項１に
   記載の耐火保管箱。