JP2018052545A - 耐火保管容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部の温度上昇を一時的に抑制することで、保管される物品の溶解、発火等を一時的に防止することのできる耐火保管容器を提供する。【解決手段】耐火保管容器1は、外壁21,31と、内部に被保管物品が収納され得る保管空間24を形成可能な内壁22,32と、外壁21,31と内壁22,32との間の空間に充填され、外壁21,31の内面の略全面に接する充填物質4とを備え、外壁21,31を構成する材料の破損温度が、充填物質4の沸点よりも高い。【選択図】図6
Description
本開示は、耐火保管容器に関する。
一般に、書類、所定のデータが記録された記録媒体等の重要保管物品は、金庫等に保管される。このような重要保管物品を保管するための金庫等には、盗難防止機能の他、万一の火災に備えて耐火機能が備えられている。
耐火金庫においては、火災時に内部への炎の侵入が防止され得るものの、耐火金庫自体が炎に曝されることでその内部は非常に高い温度に達する。耐火金庫に保管されている重要保管物品の種類によっては、耐火金庫内の温度が重要保管物品の破損温度に達してしまい、その結果として重要保管物品が破損してしまうおそれがある。ここで、重要保管物品の破損温度とは、重要保管物品に破損が生じ得る温度であって、例えば、重要保管物品を構成する材料の状態変化が生じ得る「融点」や「沸点」(重要保管物品が2種類以上の材料により構成される場合には、各構成材料の状態変化が生じ得る「融点及び沸点のうちの最も低い温度」);当該構成材料が発火を伴う材料(例えば、紙、綿織布、綿不織布等)であれば「発火点」;当該構成材料が融点、沸点及び発火点を有する材料であれば「融点、沸点及び発火点のうちの最も低い温度」を意味するものとする。また、重要保管物品の破損温度には、重要保管物品自体の破損温度の他、重要保管物品とともに保管される物品(例えば、重要保管物品を包装する包装材、重要保管物品が液体中に浸漬させて保管されるもの(動植物の液浸標本等)である場合には、当該重要保管物品が浸漬される液体)の破損温度も含まれ得る。
このような問題を解決すべく、従来、外容体と内容体との間隙が真空空間に設定され、当該真空空間による真空断熱構造を有する容器本体及び蓋体を備える耐熱性収納容器が提案されている(特許文献1参照)。
室内において火災が生じると、5分程度で室内温度は500℃程度にまで達すると言われている。火災により可燃性ガスが発生し、その可燃性ガスに炎が引火して一瞬のうちに炎が広がるフラッシュオーバー現象が起こると、室内温度は瞬く間に1000℃以上に達すると言われている。
特許文献1に記載の耐熱性収納容器において、火災により室内温度が1000℃以上に達したとしても耐熱性が効果的に発揮されるためには、当該収納容器が1000℃以上の融点を有する材料により構成されている必要がある。そのため、収納容器を構成する材料が、火災時の室内温度よりも高い融点を有する金属材料等に限定されてしまう。耐熱性収納容器の大きさにもよるが、金属材料等により構成される当該収納容器は、比較的大きな重量を有し、万一の火災時に当該収納容器を持って避難することは非常に困難である。
また、1000℃以上の高温下に曝されたときに、収納容器に収納されている重要保管物品の溶解、発火等を防止可能な程度に当該収納容器内への伝熱を遮断するためには、外容体と内容体との間隙により設定される真空空間を3〜4重に重ねる必要があるとともに、断熱性能を長期間にわたり保持する、すなわち真空空間の真空度を長期間にわたり保持するためには、機密性の高い高度な溶接技術等の加工技術等が必要となる。
一方で、一般的な住宅やオフィスビル等において火災が発生したとき、火災発生、通報から所定時間内(例えば15分以内)には初期消火活動が開始され得る。また、重要保管物品が保管される室内には、通常、スプリンクラー等の消火設備が備えられている。そのため、保管容器等に保管されている重要保管物品の融点、発火点までに当該保管容器内の温度が上昇するのを、初期消火活動が開始されるまでの間、一時的に抑制することが、火災から重要保管物品を守るための必要最小限の対策として重要となる。
上記課題に鑑みて、本発明は、内部の温度上昇を一時的に抑制することで、保管される物品の溶解、発火等を一時的に防止することのできる耐火保管容器を提供することを一目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態として、外壁と、内部に被保管物品が収納され得る保管空間を形成可能な内壁と、前記外壁と前記内壁との間の空間に充填され、前記外壁の内面の略全面に接する充填物質とを備え、前記外壁を構成する材料の破損温度が、前記充填物質の沸点よりも高い、耐火保管容器が提供される。
なお、外壁を構成する材料の破損温度とは、当該外壁の構成材料の状態変化が生じ得る「融点」、当該外壁の構成材料が発火を伴う材料(例えば、紙、綿織布、綿不織布等)であれば「発火点」、当該外壁の構成材料が融点及び発火点を有する材料であれば「融点及び発火点のうちの最も低い温度」を意味するものとする。
少なくとも前記外壁は、前記充填物質が充填される空間の容積を調整可能な構造を有していてもよく、伸長可能な材料により構成されていてもよいし、蛇腹状に構成されていてもよいし、前記外壁及び前記内壁は、いずれも伸長可能な材料により構成され、前記外壁の伸び率は、前記内壁の伸び率よりも大きくてもよく、前記内壁は、前記外壁よりも耐圧性能の優れた材料により構成されていてもよい。
前記充填物質としては、水、消火液又は食品保冷用液体を用いることができる。
前記充填物質としては、水、消火液又は食品保冷用液体を用いることができる。
前記外壁には、気体を通過させることができるが、前記充填物質を通過させることのできない通気孔部が設けられていてもよく、前記外壁は、和紙又は伸長可能なフィルムにより構成されていてもよく、前記外壁の厚さは0.01mm〜1mm程度に設定され得る。
前記耐火保管容器は、前記外壁と前記内壁とを連結する連結部をさらに備えることができ、前記外壁、前記内壁及び前記連結部により囲まれる空間内に、前記充填物質が充填されており、前記保管空間は、互いに対向させた前記連結部同士又は互いに対向する前記内壁同士を固着させることにより、前記内壁により囲まれる空間として形成され得る。
本発明によれば、内部の温度上昇を一時的に抑制することで、保管される物品の溶解、発火等を一時的に防止することのできる耐火保管容器を提供することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。
本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
図1は、本実施形態に係る耐火保管容器の概略構成を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る耐火保管容器の一態様における容器本体と蓋体との概略構成を示す分解斜視図であり、図3は、本実施形態に係る耐火保管容器の他の態様における容器本体と蓋体との概略構成を示す斜視図であり、図4は、図2に示す耐火保管容器の保管空間に被保管物品が収納されてなる態様を示す分解斜視図であり、図5は、本実施形態に係る耐火保管容器において充填物質を除く概略構成を示す切断端面図であり、図6は、本実施形態に係る耐火保管容器の概略構成を示す切断端面図である。
図1〜6に示すように、本実施形態に係る耐火保管容器1は、有底筒状の容器本体2と、容器本体2の開口部25を蓋する蓋体3とを備える。蓋体3は、容器本体2と別体に構成されており、開口部25に嵌合可能に構成されていてもよいし(図2、図5参照)、容器本体2の開口部25の縁部にヒンジ構造(図示せず)を介して開閉可能に連結されていてもよい(図3参照)。
容器本体2及び蓋体3は、それぞれ、外壁21,31と、内壁22,32とを有する。外壁21,31及び内壁22,32の間に位置する、外壁21,31及び内壁22,32により囲まれた空間23,33に、液体状、固体状又はゲル状の充填物質4が充填されている。かかる耐火保管容器1において、被保管物品5が収納される保管空間24は、容器本体2の内壁22と蓋体3の内壁32とにより囲まれた空間として形成され得る。
外壁21,31を構成する材料としては、充填物質4の沸点よりも高い破損温度を有する材料が用いられる。火災等により当該耐火保管容器1が高温下(1000℃〜1200℃程度)に曝されても、空間23,33に充填されている充填物質4の温度はその沸点を超えることはない。そのため、本実施形態に係る耐火保管容器1において、外壁21,31の構成材料の破損温度が充填物質4の沸点よりも高いことで、耐火保管容器1が外壁21,31の破損温度以上の温度に曝されたとしても、充填物質4が接している外壁21,31の温度は、充填物質4の沸点まで上昇し得るものの、外壁21,31を構成する材料の破損温度まで達しない。よって、少なくとも一時的に、具体的には空間23,33に充填されている充填物質4のすべてが気化するまでの間は耐火性能が発揮され得る。
外壁21,31の構成材料の破損温度は、充填物質4の沸点よりも10℃以上高いのが好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。外壁21,31の構成材料の破損温度が充填物質4の沸点よりも10℃以上高いことで、耐火保管容器1において耐火性能が確実に発揮され得る。
外壁21,31の厚さは、薄すぎても、厚すぎても、耐火保管容器1において十分な耐火性能が発揮されないおそれがある。外壁21,31の厚さは、例えば、0.01mm〜1mm程度に設定され得るが、好適には0.1mm〜0.5mm程度に設定され得る。
外壁21,31を構成する材料としては、外壁21,31と内壁22,32との間の空間23,33に充填される充填物質4の沸点に応じて適宜選択され得るが、例えば、和紙、耐水和紙等の紙類;綿不織布、綿織布等の布類;ポリ塩化ビンリデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン等の樹脂材料により構成されるフィルムや加熱により伸長可能なフィルム;天然ゴム、合成天然ゴム、フッ素ゴム等のゴム材料等を用いることができる。外壁21,31の構成材料としての和紙よりも耐水和紙の方が、長期に保存することができるため、好適に用いられ得る。
外壁21,31は、充填物質4が充填される空間23,33の容積を調整可能に構成されているのが好ましい。本実施形態に係る耐火保管容器1が高温下に曝されると、空間23,33に充填されている充填物質4の温度が上昇して体積が膨張する。外壁21,31が空間23,33の容積を調整不可能又は調整困難に構成されていると、充填物質4の体積膨張に従い、空間23,33の内圧が上昇し、少なくとも外壁21,31に損傷が生じるおそれがある。外壁21,31に損傷が生じ、充填物質4が空間23,33内から漏出すると、耐火保管容器1の耐火性能が低下し得る。しかし、外壁21,31が、空間23,33の容積を調整可能に構成されていることで、外壁21,31に損傷が生じるのを防止することができる。
より具体的には、外壁21,31を構成する材料として、伸長可能な材料、好ましくは加熱により伸長可能な材料を用いてもよいし、外壁21,31が蛇腹状に構成されていてもよい。これにより充填物質4の体積が膨張しても、外壁21,31に損傷が生じるのを防止することができる。
内壁22,32は、充填物質4が充填される空間23,33の容積を調整可能に構成されていてもよいし、調整不可能又は調整困難に構成されていてもよい。内壁22,32を構成する材料は、外壁21,31と同様に伸長可能な材料であってもよいが、伸長不可能又は伸長困難な材料であってもよい。本実施形態に係る耐火保管容器1において内壁22,32に囲まれた保管空間24内に被保管物品が収納される。内壁22,32を構成する材料が伸長可能な材料であると、加熱により充填物質4の体積が膨張し、空間23,33の内圧が上昇したときに、保管空間24が狭小化され、被保管物品が内壁22,32により押し潰される等の問題が生じるおそれがある。しかし、内壁22,32を構成する材料が伸長不可能又は伸長困難な材料であると、保管空間24の狭小化を抑制することができる。また、内壁22,32を構成する材料が外壁21,31と同様に伸長可能な材料であったとしても、外壁21,31の伸び率が、内壁22,32の伸び率よりも大きいのが好ましい。これにより、充填物質4の体積が膨張しても、伸び率の大きい外壁21,31がより伸びるため、保管空間24の狭小化を抑制することができる。
本実施形態において、外壁21,31には通気孔部26が設けられている。通気孔部26は、空間23,33に充填されている充填物質4を通過させることはできないが、加熱により気化した充填物質4(気体)を通過させ得る、例えば空気弁等であってもよいし、微小孔であってもよい。これにより、充填物質4の体積膨張による空間23,33の内圧上昇を抑制することができる。通気孔部26たる微小孔としては、外壁21を構成し得る和紙等の多孔質構造を例示することができる。外壁21,31に通気孔部26が設けられている場合、当該通気孔部26により充填物質4の体積膨張による空間23,33の内圧上昇を抑制可能であるため、外壁21,31は、充填物質4が充填される空間23,33の容積を調整可能に構成されていなくてもよい。
なお、内壁22,32は、外壁21,31よりも耐圧性能に優れているのが好ましい。空間23,33に充填されている充填物質4の体積が膨張したときに、空間23,33の内圧上昇により内壁22,32が破損してしまうと、保管空間24内の被保管物品5が充填物質4により汚染されてしまう。しかし、内壁22,32が外壁21,31よりも耐圧性能に優れることで、空間23,33の内圧上昇によって、内壁22,32よりも先に外壁21,31が破損することになる。
具体的には、内壁22,32の延性が、外壁21,31の延性よりも大きく構成されていればよく、内壁22,32が、外壁21,31よりも1.1倍以上程度の延性を有するのが好ましく、1.1倍〜2.0倍程度の延性を有するのがより好ましい。内壁22,32が外壁21,31よりも2.0倍を超える延性を有すると、空間22,32の内圧上昇により、内壁22,32と外壁21,31との境界部分(接続部分)において破損が生じやすくなるおそれがある。
本実施形態における容器本体2は、外壁21と内壁22とを連結する連結部27を有する。保管空間24内に被保管物品5を収納し、容器本体2の開口部25を蓋体3にて蓋すると、蓋体3の内壁32と連結部27とが当接する。この連結部27と蓋体3の内壁32とを、例えば接着剤層等を介して固着させることにより、保管空間24を密封することができ、容器本体2と蓋体3との間から保管空間24内に炎が侵入するのを抑制することができる。
充填物質4は、外壁21,31の内面の略全面に接するようにして空間23,33に充填されている。充填物質4としては、耐火保管容器1の外壁21,31を構成する材料の破損温度よりも低沸点の物質であればよく、例えば、水、消火液、食品保冷用液体等の液状物;水とポリアクリル酸ナトリウム等の吸水性ポリマーとを含むゲル状物;リン酸アンモニウムを主成分とする粉末状消火剤等の固体状物等を用いることができる。空間23,33から漏出したときの安全性等を考慮すると、充填物質4として水を用いるのが好適である。また、充填物質4として液状物やゲル状物を用い、被保管物品5が内壁22,32に当接するようにして収納されることで、耐火保管容器1が耐衝撃性を有することになるため、外部からの衝撃を耐火保管容器1が吸収することができ、被保管物品5を衝撃から保護することもできる。
充填物質4として水を用いた場合、液体としての水の体積は、完全に気化すると1700倍程度にまで膨張することが知られている。本実施形態に係る耐火保管容器1において、外壁21,31が空間23,33の容積を調整可能(拡大可能)に構成されているとともに、外壁21,31に通気孔部27が設けられている。そのため、空間23,33の容積を拡大させることにより、また気化した充填物質4(水蒸気)を、通気孔部27を介して空間23,33外に排出することにより、充填物質4の体積膨張に伴う弊害を一時的に抑制することができる。
充填物質4の厚み(外壁21,31と内壁22,32との間の空間23,33の厚み)は、充填物質4の熱伝導率や、耐火保管容器1において耐火性能が発揮されるべき時間、換言すると火災の発生、通報から初期消火活動が開始されるまでの時間等に応じて適宜設定され得る。例えば、充填物質4として水を用い、保管空間24の大きさを20cm×20cm×4cm、耐火保管容器1において耐火性能が発揮されるべき時間を15分間と設定した場合、充填物質4の厚みは、例えば、0.5cm〜1.0cm程度に設定され得る。
本実施形態に係る耐火保管容器1の大きさは、保管空間24内に収納される被保管物品5の大きさに応じて適宜設定され得る。本実施形態における被保管物品5としては、例えば、書類;CD,DVD等の記憶媒体;図7〜9に示すデータ保存媒体等が挙げられる。耐火保管容器1(保管空間24)の大きさは、これらの被保管物品5を収納可能な大きさに設定され得る。なお、本実施形態に係る耐火保管容器1に保管される被保管物品5としては、充填物質4の沸点よりも高い破損温度を有するものであるのが望ましい。本実施形態において被保管物品5の破損温度とは、被保管物品5に破損が生じ得る温度であって、例えば、被保管物品5を構成する材料の状態変化が生じ得る「融点」や「沸点」(被保管物品5が2種類以上の材料により構成される場合には、各構成材料の状態変化が生じ得る「融点及び沸点のうちの最も低い温度」);当該構成材料が発火を伴う材料(例えば、紙、綿織布、綿不織布等)であれば「発火点」;当該構成材料が融点、沸点及び発火点を有する材料であれば「融点、沸点及び発火点のうちの最も低い温度」を意味するものとする。また、被保管物品5の破損温度には、被保管物品5自体の破損温度の他、被保管物品5とともに耐火保管容器1の保管空間24に収容される物品(例えば、被保管物品5を包装する包装材、被保管物品5が液体中に浸漬させて保管されるもの(動植物の液浸標本等)である場合には、当該被保管物品5が浸漬される液体)の破損温度も含まれ得る。
ここで、被保管物品5としてのデータ保存媒体について説明する。データ保存媒体5は、第1面51a及び当該第1面51aに対向する第2面51bを有し、略方形状の石英ガラスからなる基材51と、基材51の第1面51a上に設定された保存領域SA内に形成されてなる凹凸構造とを備える。
保存領域SA内には、複数の単位保存領域UAがM行×N列(M及びNは、その一方が2以上の整数であり、他方が1以上の整数である。)の行列配置で並列されている。保存領域SAは、複数の単位保存領域UAと、隣接する単位保存領域UAの間に位置する、畦道状のデータ非保存領域NAとを含む。各単位保存領域UAは、凹凸構造としての単位データパターン52が形成されている領域であり、データ非保存領域NAは、アドレスパターン53及び境界パターン54が形成されている領域である。
単位保存領域UAの大きさは、撮像装置等で撮影可能領域の大きさであればよく、適宜設定され得るものである。また、データ非保存領域NAの大きさは、少なくともアドレスパターン53を形成可能な大きさである限り特に制限されないが、データ非保存領域NAの大きさを可能な限り小さくすることにより、保存領域SA中における単位保存領域UAの占める割合を増大させることができ、データの記録容量を大きくすることができる。
各単位保存領域UAに形成されている単位データパターン52は、データ保存媒体5に記録され、保存されているデータが複数に分割された単位データのデータ内容(単位ビット列)を表現する凹部(ホール)521及び凸部(ホールが存在しない部分)522からなる。本実施形態においては、当該単位データの単位ビット列のうちの「1」が凹部521と定義され、「0」が凸部522と定義されている。例えば、図8においては、左上から「1010011101・・・」という単位ビット列(単位ビット行列)で表現される単位データがデータ保存媒体5の単位保存領域UAに記録・保存されている。なお、単位ビット列のうちの「1」が凸部522と定義され、「0」が凹部521と定義されてもよい。
データ保存媒体5に記録・保存されているデータの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、テキストデータ、動画や静止画等の画像データ、音声データ等が挙げられる。
なお、データ保存媒体5は、保存すべきデータを表す単位データパターン52を有する限りにおいて、上記態様に限定されるものではなく、アドレスパターン53や境界パターン54を有していなくてもよいし、一つの単位保存領域UAのみが設定されてなるものであってもよい。
上述したように、本実施形態に係る耐火保管容器1によれば、外壁21を構成する材料の破損温度よりも低い沸点の充填物質4が、外壁21と内壁22との間の空間23に外壁21の内面に当接して充填されているため、当該耐火保管容器1が当該破損温度以上の温度雰囲気に曝されたとしても、外壁21が充填物質4の沸点を超えることがない。したがって、保管空間24の内部の温度が上昇するのを一時的に、具体的には充填物質4のすべてが気化するまで抑制することができ、被保管物品5の溶解、発火等を一時的に防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態における耐火保管容器1として、内壁21,31により囲まれる保管空間24に被保管物品5を直接収納する態様を例に挙げたが、このような態様に限定されるものではなく、耐火保管容器1の内壁21,31と接する内容器をさらに備え、当該内容器に被保管物品5が収納されてもよい。例えば、被保管物品5としてのデータ保存媒体(図7〜9参照)を収納した収納ケースを、当該収納ケースが耐火保管容器1の内壁21,31と接するようにして保管空間24に収納してもよい。
また、上記実施形態における耐火保管容器1として、容器本体2と、それとは別体の蓋体3とを備える態様を例に挙げたが、この態様に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、外壁21’と、内壁22’と、外壁21’及び内壁22’を連結する連結部27’と、開口部とを有する袋状の容器本体2’を備え、開口部から被保管物品5を収納し、連結部27’を互いに対向させるようにして固着させてなるものであってもよいし(図10参照)、連結部27’近傍に位置する互いに対向する内壁22’を固着させてなるものであってもよい。なお、連結部27’同士又は内壁22’同士を固着させる方法としては、接着剤層を介してそれらを固着させる方法であってもよいし、容器本体2’が和紙により構成される場合には、当該和紙を水で濡らした状態で圧着させる方法であってもよく、容器本体2’が樹脂材料により構成される場合には、ヒートシールする方法であってもよい。
上記実施形態における耐火保管容器1として、外壁21と内壁22とが連結部27を介して連結されてなる態様を例に挙げたが、この態様に限定されるものではなく、外壁21と内壁22とが別体のものであってもよい。例えば、図11に示すように、外壁21’を構成する袋状の容器本体2’内に、所定の容器に収納された被保管物品5と充填物質4とが充填されてもよい。この場合において、被保管物品5を収納する容器が、耐火保管容器1の内壁22’を構成することになる。
1…耐火保管容器
21,31…外壁
22,32…内壁
24…保管空間
4…充填物質
5…被保管物品
21,31…外壁
22,32…内壁
24…保管空間
4…充填物質
5…被保管物品
Claims (11)
- 外壁と、
内部に被保管物品が収納され得る保管空間を形成可能な内壁と、
前記外壁と前記内壁との間の空間に充填され、前記外壁の内面の略全面に接する充填物質と
を備え、
前記外壁を構成する材料の破損温度が、前記充填物質の沸点よりも高い、耐火保管容器。 - 少なくとも前記外壁は、前記充填物質が充填される空間の容積を調整可能な構造を有する、請求項1に記載の耐火保管容器。
- 少なくとも前記外壁は、伸長可能な材料により構成されている、請求項1又は2に記載の耐火保管容器。
- 前記外壁及び前記内壁は、いずれも伸長可能な材料により構成され、
前記外壁の伸び率は、前記内壁の伸び率よりも大きい、請求項1〜3のいずれかに記載の耐火保管容器。 - 少なくとも前記外壁は、蛇腹状に構成されている、請求項1又は2に記載の耐火保管容器。
- 前記内壁は、前記外壁よりも耐圧性能の優れた材料により構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の耐火保管容器。
- 前記充填物質は水、消火液又は食品保冷用液体である、請求項1〜6のいずれかに記載の耐火保管容器。
- 前記外壁には、気体を通過させることができるが、前記充填物質を通過させることのできない通気孔部が設けられている、請求項1〜7のいずれかに記載の耐火保管容器。
- 前記外壁は、和紙又は伸長可能なフィルムにより構成される、請求項1〜8のいずれかに記載の耐火保管容器。
- 前記外壁の厚さが0.01mm〜1mmである、請求項1〜9のいずれかに記載の耐火保管容器。
- 前記外壁と前記内壁とを連結する連結部をさらに備え、
前記外壁、前記内壁及び前記連結部により囲まれる空間内に、前記充填物質が充填されており、
前記保管空間は、互いに対向させた前記連結部同士又は互いに対向する前記内壁同士を固着させることにより、前記内壁により囲まれる空間として形成される、請求項1〜10のいずれかに記載の耐火保管容器。
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2016
- 2016-09-29 JP JP2016190759A patent/JP2018052545A/ja active Pending
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