JP4759311B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
この「液浸の効果」はλ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。
これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
特許文献5(特開平10−303114号公報)には、液浸液の屈折率変化が露光機の波面収差による投影像の劣化を引き起こすため液浸液の屈折率制御が重要であることが指摘され、液浸液の屈折率の温度係数をある範囲に制御することや、好適な液浸液として、表面張力を下げる、または、界面活性度を増加させるような添加剤を添加した水が開示されている。しかしながら、添加剤の開示や液浸露光技術に適するレジストに関してはやはり論じてはいない。
ローカルフィル型の液浸スキャナーで露光が行われる際、レジスト膜が液浸液と接触する時間がウェハー面内の領域によって異なる。すなわちウェハー面内の位置によっては水に繰り返し浸漬される領域が発生することになるため、位置によってレジスト性能が変化する、すなわちウェハー面内均一性が損なわれることが懸念される。実際、ドライ露光技術ではリソグラフィー性能に問題が無かった化学増幅レジストについて、ウェット露光後そのままPEB工程に進む場合に比べて、ウェット露光後に一度液浸液を除いた後、再度液浸液に浸してPEB工程に進む場合ではレジスト感度が低下する(液浸時間依存性がある)ことがわかった。
該レジスト膜上にプリウェット液を盛り、一定時間後、そのプリウェット液を除去するプリウェット工程(b)、
レジスト膜に浸透したプリウェット液を除去する工程(b’)、
基板上のレジスト膜に液浸液を介して露光する工程(c)、及び
前記露光工程(c)後のレジスト膜を加熱する工程(d)
を有するパターン形成方法であって、
該レジスト膜に浸透したプリウェット液を除去する工程(b’)が、レジスト膜をホットプレートで加熱して乾燥させる工程(b’2)であり、かつ前記工程(b’2)の加熱温度が前記工程(d)における加熱温度よりも20℃以上低い温度であることを特徴とするパターン形成方法。
(2)該レジスト膜をホットプレートで加熱して乾燥させる工程(b’2)において、40℃以上150℃以下のホットプレートで加熱して乾燥させることを特徴とする上記(1)に記載のパターン形成方法。
(3)該プリウェット液が水であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のパターン形成方法。
本発明は、上記(1)〜(6)に係る発明であるが、以下、参考のため、他の事項も含めて記載している。
(7)該プリウェット工程(b)において、レジスト膜上にプリウェット液を盛り、除去するまでの一定時間が120〜480秒であることを特徴とする上記(4)に記載のパターン形成方法。
(8)該プリウェット工程(b)において、レジスト膜上にプリウェット液を盛り、除去するまでの一定時間が180〜300秒であることを特徴とする上記(4)に記載のパターン形成方法。
(9)該プリウェット工程(b)において、基板を回転させてプリウェット液を振り切り除去する際の回転速度が500〜1000rpmであることを特徴とする上記(6)に記載のパターン形成方法。
液浸露光時におけるレジストの感度の液浸時間依存性やレジスト表面からの発生酸の溶出量の低減という課題に対し、本発明者らが鋭意検討した結果、公知の液浸露光技術における一般的なレジストパターン形成プロセスに、液浸露光前に、該レジスト膜上にプリウェット液を盛り、一定時間後、そのプリウェット液を除去する工程(本明細書ではこれをプリウェット工程と呼ぶ)を加えることにより、上記の課題を解決することを見出した。
プリウェット工程は、好ましくは、レジスト膜上にパドル方式でプリウェット液を一定時間盛った後、基板を回転させてレジスト膜上のプリウェット液を振り切り、除去する工程である。
液浸露光前にプリウェット工程を設けることにより、レジスト膜からの光酸発生剤の溶出が飽和した状態になるため、その後の液浸露光時の酸溶出が殆どおこらず、尚且つ、露光時に繰り返し液浸液に浸された場合でもレジスト膜からの酸溶出が既に飽和した状態にあるため、感度差が出にくくなる(レジスト感度の液浸時間依存性が低減する)ものと推定される。
当該プリウェット工程に使用されるプリウェット液は、下層としてのレジスト膜を溶解させないものであれば特に限定されないが、水、フッ素系溶剤であることが好ましく、脱イオン処理、脱気処理が十分に施された超純水であることが更に好ましい。なお、プリウェット液として、液浸露光工程において使用する液浸液を使用することも好ましい。
プリウェット液を盛っている際の温度は、10〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
基板を回転させるための装置は、基板を回転させる機構をもつ装置であればいずれにても良いが、一般的な半導体や液晶、サーマルヘッドなどのデバイス製造装置である現像装置を用いることが、露光装置からや現像装置への基板の受け渡しが簡略となるために好ましいが、これに限定されるものではない。
このため、ベーク温度は、レジストの樹脂が化学変化しない温度であることが必要である。レジストに使用される樹脂が化学変化する温度はレジストの種類により異なるが、市販の各レジストには推奨されるポストベークの温度(即ち、前述のPEBの温度)があり、一般的には90〜150℃であり、推奨されるポストベーク温度以上でアルカリ不溶基がアルカリ可溶基に変化する反応が効率的である。
プリウェット液の種類により最低必要な温度は異なるが、水をプリウェット液として用いる場合には40℃以上の温度で加熱することが好ましい。
加熱する時間は、短ければプリウェット液の除去が完結できず、長ければスループットに影響されるため、10秒以上120秒以内であることが好ましい。
基板上にレジスト膜を形成する工程(a)、基板上のレジスト膜に液浸液を介して露光する液浸露光工程(c)、該レジスト膜を加熱する工程(d)、及び、現像を行う工程(e)は、一般的に知られている方法で行うことができる。
本発明における液浸露光用の露光装置に用いられる光源波長に制限は無いが、液浸露光はArFエキシマレーザー波長(193nm)とF2エキシマレーザー波長において検討が開始されており、そのいずれにも本発明が適用できる。
このような添加剤としては、例えば、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。
本発明のパターン形成方法において用いるレジストは、液浸露光に用いる露光波長用のレジストであれば特に限定されるものではないが、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、F2エキシマレーザー光などの活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)および酸の作用により分解しアルカリ現像液に可溶となる樹脂とを含有する化学増幅型レジストであることが好ましい。
なお、液浸液に対する親和性が高いレジストを使用する場合には、レジスト膜からの光酸発生剤等の成分が溶出する確率が高くなるため、本発明のパターン形成方法の効果が顕著に現れる。レジストの液浸液との親和性を見積るには、基板上に形成されたレジスト膜上に液浸液を数マイクロリットル滴下し、滴下した液浸液とレジスト膜の接触角を測る方法と、基板上に形成されたレジスト膜を液浸液に所定時間浸漬させた後、前記基板の平面を空気中で垂直に立て、空気中で垂直に立てた瞬間から液浸液がレジスト表面から無くなるまでの時間(以下、ウェッタビリティーと表す)を測定する方法がある。前記接触角は値が小さいほど親液浸液性が高く、前記ウェッタビリティーは値が大きいほど親液浸液性が高い。
F2エキシマレーザー用レジストの場合にも同様と考えられる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートとメバロニックラクトンメタクリレートを45/55(モル比)の割合で仕込みテトラヒドロフランに溶解し、固形分濃度20質量%の溶液100mLを調製した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65を2mol%、メルカプトエタノール4mol%加え、これを窒素雰囲気下、2時間かけて60℃に加熱したテトラヒドロフラン10mLに滴下した。滴下終了後、反応液を6時間加熱、攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、メタノール3Lに晶析、析出した白色粉体を回収した。C13-NMRから求めたポリマー組成比は51/49(モル比)であった。また、ガスパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9700、分散度(Mw/Mn)は1.97であった。以下同様の方法で樹脂(2)〜(26)を合成した。
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これを孔径0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。
Z2;トリフェニルスルホニウム ノナフレート
Z9;トリフェニルスルホニウム アセテート
Z13;トリス(p−tert−ブチルフェニル)スルホニウム ノナフレート
Z14;(p−シクロヘキシルフェニル)ジフェニルスルホニウム ノナフレート
Z15;(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム ノナフレート
Z16;(p−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム ノナフレート
N−2:N,N−ジプロピルアニリン
N−3:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
N−4:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
N−5:2,6−ジイソプロピルアニリン
N−6:ヒドロキシアンチピリン
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF−6520(OMNOVA社製)
SL−2: シクロヘキサノン
SL−3: 2−メチルシクロヘキサノン
SL−4; プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−5: 乳酸エチル
SL−6: プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−7: 2−ヘプタノン
SL−8: γ−ブチロラクトン
SL−9: プロピレンカーボネート
I−2;アダマンタンカルボン酸t−ブチル
調製したレジスト組成物を8インチシリコンウエハーに塗布し、115℃、60秒ベークを行い150nmのレジスト膜を形成した。次いで、レジスト膜上に純水を液盛りすることでプリウェットを実施した。その後、ウェハーを回転数500rpmで20秒間回転させてウェハー上の純水を振り切った。この後、レジスト膜中に浸透したプリウェット液(ここでは純水)を除去するための工程として、a.ウェハーを回転数4000rpmで20秒間回転させスピン乾燥する工程、b.ウェハーを100℃のホットプレートに30秒間乗せて加熱乾燥させる工程、を適宜適用した。
その後、ArFエキシマレーザー露光機(ASML社製、PAS5500/1100)を用いて8インチウェハーの全面を50mJ/cm2で露光を行った。当レジスト膜上に、超純水製造装置(日本ミリポア製、Milli-QJr.)を用いて脱イオン処理した純水5mlを上記レジスト膜上に滴下した。水をレジスト膜上に50秒間乗せた後、その水を採取して、酸の溶出濃度をLC−MSで定量した。
LC装置; Waters社製2695
MS装置; Bruker Daltonics社製esquire 3000plus
上記条件にて各レジストに含有される光酸発生剤(PAG)のアニオン種のMS検出強度を測定し、PAG初期添加量に対するPAGの溶出割合を算出した。
スピンコーターによりシリコン基板上に反射防止膜(ARC25、ブリューワサイエンス社製)を600オングストローム均一に塗布し、190℃、240秒間乾燥を行った。次に、各ポジ型レジスト液をスピンコーターにより塗布し、ウェハーを115℃で60秒間加熱乾燥して0.20μmのレジスト膜を形成させた。次いで、レジスト膜上に純水を液盛りすることでプリウェットを実施した。その後、ウェハーを回転数500rpmで20秒間回転させてウェハー上の純水を振り切った。この後、レジスト膜中に浸透したプリウェット液(ここでは純水)を除去するための工程として(1)ウェハーを回転数4000rpmで20秒間回転させスピン乾燥する、(2)ウェハーを100℃のホットプレートに30秒間乗せて加熱乾燥させる工程を適宜、適用した。その後、液浸用露光・溶解挙動解析装置IMES−5500(リソテックジャパン製)を用い、193nm露光による液浸露光感度を評価した(水浸漬1回での感度)。次に、同様の方法でシリコン基板上にレジスト膜を製膜した後、液浸用露光・溶解挙動解析装置IMES-5500(リソテックジャパン製)を用い、193nm露光を行った後、水浸漬を更に10秒実施して感度を評価した(水浸漬2回での感度)。
以下の式により、水浸漬1回と水浸漬2回の場合での感度変動率を算出し、液浸時間依存性の指標とした。この値が大きいほど、液浸時間による感度変動が大きく、ローカルフィル型の液浸スキャナー露光機で露光した際にウェハー面内均一性が損なわれる懸念があることを示す。
以下、実施例1〜6、9〜11、14〜18、20〜22、24、25、29、30、32、37、39、46、48〜53、55は、それぞれ、参考例1〜6、9〜11、14〜18、20〜22、24、25、29、30、32、37、39、46、48〜53、55と読み替えるものとする。
Claims (6)
- 基板上にレジスト膜を形成する工程(a)、
該レジスト膜上にプリウェット液を盛り、一定時間後、そのプリウェット液を除去するプリウェット工程(b)、
レジスト膜に浸透したプリウェット液を除去する工程(b’)、
基板上のレジスト膜に液浸液を介して露光する工程(c)、及び
前記露光工程(c)後のレジスト膜を加熱する工程(d)
を有するパターン形成方法であって、
該レジスト膜に浸透したプリウェット液を除去する工程(b’)が、レジスト膜をホットプレートで加熱して乾燥させる工程(b’2)であり、かつ前記工程(b’2)の加熱温度が前記工程(d)における加熱温度よりも20℃以上低い温度であることを特徴とするパターン形成方法。 - 該レジスト膜をホットプレートで加熱して乾燥させる工程(b’2)において、40℃以上150℃以下のホットプレートで加熱して乾燥させることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
- 該プリウェット液が水であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
- 該プリウェット工程(b)が、レジスト膜上にプリウェット液を盛り、一定時間後、基板を回転させて、プリウェット液を振り切り除去する工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 該プリウェット工程(b)において、レジスト膜上にプリウェット液を盛り、除去するまでの一定時間が60〜600秒であることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
- 該プリウェット工程(b)において、基板を回転させてプリウェット液を振り切り除去する際の回転速度が100〜2000rpmであることを特徴とする請求項4又は5に記載のパターン形成方法。
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