JP4759147B2 - ポリカーボネート組成物ペレットの製造方法および光ディスク基板 - Google Patents

ポリカーボネート組成物ペレットの製造方法および光ディスク基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成型時金型の形状を正確に転写するのに好適なポリカーボネート、および該ポリカーボネート組成物にかかわる。
中でもレーザー光等の光によって情報の記録、再生、或はさらに消去等を行う光記録媒体を製造するに好適なポリカーボネート、および該ポリカーボネート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体は、高密度、大容量で且つ、再生或は記録ヘッドと非接触という特徴を有し、再生専用のコンパクトディスクやビデオディスク、追記可能な光ディスク、さらには記録、再生、消去可能な光磁気ディスク、相変化ディスク等が開発され実用化されている。
【0003】
このような光記録媒体の基板は、大量生産可能なポリカーボネート等の光学特性に優れた有機樹脂を用いて射出成型、射出圧縮成型等の手法により成型される。光記録媒体はこの基板上に、記録層、反射層、光干渉の誘電体層、さらには有機層等をスパッタリング、蒸着、コーティング等により積層する事により製造される。
【0004】
これらの基板には、データ、記録フォーマット、番地、トラックガイド等の情報がグルーブ、ピット等で前もって記録されている。かかる基板はスタンパーに凹凸の形で前もって情報を記録して置き、射出成型、或は射出圧縮成型により転写する事により製造される。
【0005】
しかし射出成型、或は射出圧縮成型により、スタンパーに形成されたピット、グルーブ等の形状を完全に基板に転写させる事は容易ではない。加えて、媒体の高密度化が進むにつれ、基板のトラックピッチが小さく成り、或はピット、グルーブの傾斜が急峻に成り、スタンパーに形成されたピット、グルーブ等の形状を完全に基板に転写させるとこはますます困難と成り、転写性向上は成型工程での大きな課題に成っている。
【0006】
更に最近提案されているDVD-RAMでは基板の厚さが従来の1.2mmから0.6mmに薄くなり、転写性が一層重要な問題として注目を集めている。即ち、基板の厚さが1.2mmより0.6mm薄くなる事により、基板射出成型時、金型表面間の距離が短く成り、基板キャビティー内において、樹脂が基板内周から外周に移動する間に樹脂温度がより大きく低下し、その結果基板外周部の転写性が大きく低下するという事に成る。
【0007】
従来転写性を向上させる為には、成型条件の観点からは、樹脂温度、金型温度、射出圧力等をあげる対策が採られてきた。しかしかかる方策では、基板製造時の重要特性である成型安定性、設備能力等の観点から新たな問題が発生する場合がある。例えば、樹脂温度をあげると、スプルーが金型から引き出されるときノズル先端部から樹脂を引きだし、スプルー後部に糸を引く、いわゆる糸引き現象が発生し易くなる。糸引きが発生すると、”糸”が金型内にはさまれスタンパー、金型の損傷等の装置損傷が発生する事故、又端部が基板に付着したばあいには、基板取り出しロッボットの停止、キャビティー内残留による成型基板特性悪化等の恐れが発生することになる。
【0008】
糸引きを抑える為、樹脂温度を低下させると転写性が低下するだけでなく、ジッター低下に重要な特性である複屈折が悪化する問題が新たに発生することがある。又転写性を向上させる為、射出圧をあげた場合、基板内部に残留応力が発生し複屈折が大きく成る新たな問題が発生する。
【0009】
上述したように基板成型条件だけでは転写性向上に限界がある為、ポリカーボネートの分子量を低下させる方策も検討されている。即ち各ポリカーボネートメーカーの光ディスクグレードは粘度平均分子量で15500前後であるが、更に最近では15100程度まで低下させる場合も見られる。
【0010】
ポリカーボネート分子量を更に低下させることも転写性対策として有効であるが、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、1992年発行)170ページ;図6−3に示される如く、分子量が15000以下になると、種々の機械的強度が急激に低下する事となり、ポリカーボネートの優れた特性である、破断強度、破断伸度が大きく低下し、脆性破壊が起こるようになる。
【0011】
更にディスク特性の面よりみても基板面ぶれ、そりの増大に大きな影響を与えることが予想され現状以上に分子量好ましい方向ではないと推定される。基板成型ポリマーの変更することを考慮してみても、一般的に従来公知のポリマーにおいては、流動性性の高い材料は室温での機械的強度が小さく代替材料の選定も困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる課題を解決して転写性、複屈折特製の優れた光記録媒体用基板および光記録媒体をえる為に成されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の組成物は主たる繰り返し単位が下記式(1)
【0014】
【化2】
Figure 0004759147
【0015】
(上記式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基又はアリール基であり、Wは単結合、アルキリデン基、アルキレン基、シクロアルキリデン基、シクロアルキレン基、フェニル基置換アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、またはスルホン基である。)
で表され、粘度平均分子量が12000〜17000である芳香族ポリカーボネート100重量部中、炭素数10〜25の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜10の多価脂肪族アルコールの脂肪酸エステルを0.005〜0.2重量部含有するポリカーボネート組成物からなるペレットを製造する方法であって、溶融状態の当該ポリカーボネート組成物を0℃またはそれ以下の温度の冷却溶媒中にノズルを通して押出すことを特徴とするポリカーボネート組成物ペレットの製造方法である。該ポリカーボネート組成物は前述したごとき課題を解決した、精密成型、とりわけ光ディスク基板製造に好適な組成物である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に言うエンタルピー緩和量はDSC測定によりTg付近に観測されるエンタルピー緩和であり、本発明者等は鋭意研究の結果、芳香族ポリカーボネート組成物において、該エンタルピー緩和量が基板転写性に関与する明確な理由は明らかではないが、該エンタルピー緩和量が熱力学的平衡状態よりのエンタルピー緩和量、即ち過剰体積と関係づけられる事より推論し特定大きさのエンタルピー緩和量を有する組成物が過剰体積の減少に有利であり、スタンパー形状をより正確に転写し得るのではないかと推論される。
【0017】
即ち本発明者らの知見によると、エンタルピー緩和量が2.2〜3.8J/gであると、従来ポリカーボネート組成物に比較し、光ディスク基板転写性に好適であり基板の機械特性も良好である。より好ましくは2.4〜3.8J/g、更に好ましくは2.5〜3.6J/g、特段に好ましくは、2.5〜3.4J/gの範囲である。
【0018】
又かかるエンタルピー緩和量を示すディスク基板は転写性良好な基板である。かかるエンタルピー緩和量を有するポリカーボネート組成物(以下、単に特定樹脂組成物と略称することがある。)を得るには、以下記述する方法が例示される。
【0019】
即ち以下記述する特定ポリカーボネートより得られる特定樹脂組成物を特定温度以上に昇温したのち、特定温度範囲まで、特定時間内に急激に冷却することによって製造することが可能である。
【0020】
樹脂温度は、樹脂溶融粘度が500Pa・s以下になる温度まで昇温しておくのが好ましい。さらに好ましくは400Pa・s以下、さらに好ましくは300Pa・s以下、特願に好ましくは250Pa・s以下になるまで昇温しておくのが好ましい。ただあまりに樹脂温度を上昇させると樹脂、或いは各種添加剤の分解が起こり好ましくない。上限温度としては、かかる樹脂、添加剤の分解がほとんど起こらないか、問題の起こらないレベルに設定すべきである。かかる上限温度としては390℃、好ましくは380℃、さらに好ましくは360℃、特段に好ましくは340℃とすべきである。
【0021】
特定樹脂のエンタルピー緩和量を特定範囲にするためは溶融状態にある特定樹脂組成物を分子運動が完全に凍結される温度範囲に、中でも(0.5×Tg)℃以下、さらに好ましくは(0.5×Tg−20)℃以下、特に好ましくは0℃〜30℃、更に好ましくは0℃〜20℃の温度まで2秒、さらに好ましくは1秒以内、特に好ましくは0.5秒以内に冷却することにより達成できる。
【0022】
たとえば本発明の特定樹脂組成物を溶融混練機より押出しペレット化するとき、あるいはエステル交換法により溶融重合されて後、まだ溶融状態にあるポリカーボネートあるいはこれに各種添加剤を添加したポリカーボネート組成物を冷却溶媒中に、ノズルを通して押出し冷却固化させるとき、ノズル径を適度に制御し上記冷却条件を満たすように設定する方法がもっとも実用的である。
【0023】
即ちノズルより押出された樹脂組成物ストランドを、十分急速に冷却されるよう径が3mm以下となる速度で引き取り、さらに好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2mm以下、特に好ましくは1.5mm以下の太さとなるような速度で冷媒中に引き取り冷却する。
【0024】
冷媒の温度は0℃近傍或いはそれ以下にまで冷却することが好ましい。冷媒としては、各種冷媒、例えば液体窒素、ドライアイス冷却アセトンなどが好適に使用できるが、氷水がもっとも手ごろで温度管理も容易で好ましい。
【0025】
本発明のポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成性前駆体とより溶液法(界面重合法)または溶融法(エステル交換法)で製造されたものである。
【0026】
溶融法で製造されたポリカーボネートのうち、本発明においては、エステル交換触媒の存在下重縮合されたポリカーボネート、とりわけエステル交換触媒としてアルカリ金属化合物、とりわけリチウム金属化合物を主たる成分として含有するエステル交換触媒の存在下重縮合されたポリカーボネートが、本発明の目的に対し好適に使用される。本願発明においては、ポリカーボネートの生産性を向上させる為、本発明に趣旨に反しない範囲において、塩基性含窒素化合物およびまたは塩基性含リン化合物を併用する事ができる。
【0027】
エステル交換法ポリカーボネートの製造には、従来各種触媒が提案されているが、いずれも、えられるポリカーボネートの色調、熱成型時の安定性、或は耐加水分解性等の向上を目的としたものであり、本願発明の如く転写性向上を意図したものは見当たらない。
【0028】
本願発明で触媒として好適に使用されるアルカリ金属化合物は、リチウム金属化合物単独或は、リチウム金属化合物とリチウム以外のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物および従来公知の元素化合物より選択されるすくなくとも一種の複合触媒である。
【0029】
触媒として本発明に好適に使用されるリチウム金属化合物としては、たとえばリチウム金属の水酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩等のカルボン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、水素化硼素塩、燐酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0030】
具体例としては水酸化リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、硝酸リチウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸リチウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、水素化硼素リチウム、テトラフェニル化硼素リチウム、安息香酸リチウム、亜燐酸ジリチウム、次亜燐酸リチウム、リン酸水素ジリチウム、リン酸トリリチウム、ビスフェノールAのジリチウム塩、モノリチウム塩、リチウムナトリウム塩、フェノールのリチウム塩などが挙げられる。
【0031】
本発明におけるこれらの重合触媒の使用量は、リチウム金属化合物を使用する場合は、BPA類1モルに対し0.01〜10μ化学当量、好ましくは0.05〜5μ化学当量、特に好ましくは0.07〜3μ化学当量の範囲で選択される。かかる量比でリチウム金属化合物触媒を使用する事により、溶融重合の結果、生成する分岐構造、分解構造等のポリカーボネート分子構造特性を、転写性向上に好適な構造と合致させうるものと推定される。
【0032】
又本発明においてリチウム金属化合物と所望により本発明の趣旨に反しない範囲で併用の許容されるアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物および従来公知の元素化合物より選択されるすくなくとも一種の複合触媒の量はかかるリチウム金属化合物1当量当り0.7当量以下、好ましくは0.5当量、更に好ましくは0.3当量以下の範囲である。
【0033】
本発明においてはポリカーボネートのエステル交換速度を早めポリカーボネートの生産効率を向上さす目的で含窒素塩基性化合物、及びまたは含リン塩基性化合物を併用する事が可能である。
【0034】
これら含窒素塩基性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、などのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する第4級アンモニウムヒドロキシド類;テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェノキシド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウム安息香酸塩などのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する塩基性アンモニウム塩類;トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミンなどの第三級アミン類;あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩などを挙げることができる。
【0035】
また含リン塩基性化合物の具体例としてはたとえばテトラブチルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルホスホニウムヒドロキシド、などのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する第4級ホスホニウムヒドロキシド類、あるいはテトラメチルホスホニウムボロハイドライド、テトラブチルホスホニウムボロハイドライド、テトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩などを挙げることができる。
【0036】
上記含窒素塩基性化合物、含リン塩基性化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原子がBPA類、1モルに対し、10〜1000μ化学当量となる割合で用いるのが好ましい。より好ましい使用割合は同じ基準に対し20〜500μ化学当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ基準に対し50〜500μ化学当量となる割合である。
【0037】
本発明で好適に使用される芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0038】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールを用いて得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特にビスフェノールAの単独重合体およびビスフェノールAを主とする共重合体が好ましく使用される。
【0039】
そのほか従来公知に手法により、上記以外の各種モノマーを本発明の目的に反しない範囲で、所望の目的を持ちポリカーボネート主鎖中に組み込むことも可能である。
【0040】
例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジーオール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチルー2−ヒドロキシエチル)−2、4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリシクロデカンジメタノール等の脂肪族、脂環式のジオール、ポリオール類があげられる。
【0041】
さらに他には1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチルー4−ヒドロキシフェニル)エタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物類;乳酸、パラヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシー2−ナフトエ酸等の脂肪族、芳香族のオキシカルボン酸類;琥珀酸、フマル酸、アジピン酸、ドデカンニ酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等のジカルボン酸類、ポリカルボン酸類等が例示される。
【0042】
このようにして、本発明の主たる繰り返し単位が上記式(1)で表されるポリカーボネートが得られる。主たる繰り返し単位が上記式(1)で表されるポリカーボネートの置換基R1、R2、R3,R4は、前述の本発明で好適に使用される芳香族ジヒドロキシ化合物に例示した化合物に対応した置換基が好ましくあげられる。またWにおいても前述の本発明で好適に使用される芳香族ジヒドロキシ化合物に例示した化合物に対応した基が好ましくあげられる。
【0043】
本発明芳香族ポリカーボネートは、主たる末端基構造としてアリールオキシ基とフェノール性水酸基とよりなり、かつフェノール性末端基濃度が5〜60モル%であることが好ましい。更に好ましくは、フェノール性末端基濃度が10〜50モル%、さらに好ましくは、10〜40モル%含有される特段に好ましくは15〜30モル%含有することを特徴とする。かかる量比でフェノール性水酸基が含有されることにより、ポリカーボネート分子末端の運動性が、転写性良好にする範囲に制御されるものと判断される。
【0044】
フェノール性末端基濃度を5モル%より減少させても更なる転写性の向上は少ない。またフェノール性末端基濃度を60%以上導入した時は、該ポリカーボネートよりえられる組成物の射出成型時、酸化反応に起因すると推定される、成型品の焼けが発生し本発明の目的に好ましくない。
【0045】
アリールオキシ基としては炭素数1〜20の炭化水素基置換、あるいは無置換のフェニールオキシ基、が好ましく選択される。樹脂熱安定性の点から置換基としては、第3級アルキル基、第3級アラルキル基、アリール基あるいは単に水素原子のものが好ましい。ベンジル位の位置に水素原子を有するものも、耐活性放射線の向上など所望の目的を有する場合使用可能であるが、熱、熱老化、熱分解等に対する安定性の観点より避けたほうが良い。
【0046】
転写性の観点より好ましいアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、4−t−ブチルフェニルオキシ基、4−t−アミルフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基、4−クミルフェニルオキシ基等である。
【0047】
界面重合法では分子量調節剤により末端フェノール性末端基濃度は5〜60モル%の範囲に抑えられるが、溶融重合法においては、化学反応論的にフェノール性末端基濃度が60モル%、或いはそれ以上のものが製造されやすいため、積極的に末端のフェノール性水酸基を減少させる必要がある。
【0048】
即ちフェノール性末端基濃度を上記範囲内にするには、以下記述する従来公知の1)或いは2)の方法で達成しうる。
1)重合原料仕込みモル比制御法;重合反応仕込み時のDPC類/BPA類のモル比を高めることにより、たとえば重合反応装置の特徴を考え1.03から1.10の間に設定する。
2)末端封止法;重合反応終了時点において例えば、米国特許第5696222号明細書記載の方法に従い、上記文献中記載のサリチル酸エステル系化合物により末端のフェノール性水酸基を封止する。
【0049】
サリチル酸エステル系化合物により末端のフェノール性水酸基を封止する場合の、サリチル酸エステル系化合物の使用量は封止反応前の末端のフェノール性水酸基、1化学当量当たり0.8〜10モル、より好ましくは0.8〜5モル、特に好ましくは0.9〜2モルの範囲である。かかる量比で添加することにより、末端のフェノール性水酸基の80モル%以上を好適に封止することができる。又本封止反応を行う時、上記特許記載の触媒を使用するのが好ましい。末端のフェノール性水酸基濃度の低減は、重合触媒を失活させる以前の段階において好ましく実施される。
【0050】
該サリチル酸エステル系化合物としては、米国特許第5696222号明細書記載のサリチル酸エステル系化合物が好ましく使用でき、具体的には、2−メトキシカルボニルフェニル−フェニルカーボネート、のごとき2−メトキシカルボニルフェニルアリールカーボネート類、2−メトキシカルボニルフェニル−ラウリルカーボネート、のごとき2−メトキシカルボニルフェニル−アルキルカーボネート類、2−エトキシカルボニルフェニル−フェニルカーボネート、のごとき2−エトキシカルボニルフェニル−アリールカーボネート類、2−エトキシカルボニルフェニル−オクチルカーボネート、のごとき2−エトキシカルボニルフェニル−アルキルカーボネート類、(2−メトキシカルボニルフェニル)ベンゾエート、のごとき芳香族カルボン酸の(2’−メトキシカルボニルフェニル)エステル、(2−メトキシカルボニルフェニル)ステアレート、ビス(2−メトキシカルボニルフェニル)アジペートのごとき脂肪族カルボン酸エステルが挙げられる。
【0051】
また本発明ポリカーボネートは、ポリカーボネート主鎖中に三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネートを、また、斯かるポリカーボネートの2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0052】
本発明においてエステル交換法ポリカーボネートおよびその組成物の射出成型、射出圧縮成型時の転写性をより一層良好に実施する為、ポリカーボネートが下記式(2)−1〜3
【0053】
【化3】
Figure 0004759147
【0054】
【化4】
Figure 0004759147
【0055】
【化5】
Figure 0004759147
【0056】
で表される分岐成分をカーボネート結合に対し0.001〜0.15モル%含有する事が好ましい。さらに好ましくは0.005〜0.1モル%、特段に好ましくは0.007〜0.1モル%の範囲である。斯かる構造単位の存在により、本発明組成物の転写性の向上に好ましい効果が見られる。
【0057】
カーボネート形成性前駆体としては炭酸ジエステルやハロゲン化カルボニル化合物が具体的にあげられ、本発明においては炭酸ジエステルを用いるのが好ましい。該炭酸ジエステルとして、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などの炭酸ジエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0058】
該ポリカーボネートの分子量は、基板材料としては、粘度平均分子量(M)で12,000〜17,000が好ましく、14,000〜16,000がより好ましく、15,000〜16,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネートは、光学用材料として十分な強度が得られ、また、成型時の溶融流動性も良好であり成型歪みが発生せず好ましい。
【0059】
またディスク以外の精密成型用途において、粘度平均分子量17,000〜100,000の範囲が、さらに好ましくは20,000〜80,000の範囲が選択されるばあいでも、エンタルピー緩和量が上記範囲に入ることが好ましい。
(オリゴマー含有量)
本発明においてポリカーボネートおよびその組成物の射出成型、射出圧縮成型時の転写性をより一層良好に実施する為分子量1050以下のポリカーボネート低分子量体が0.01〜2wt%含有する事が好ましい。
これらオリゴマー中環状オリゴマーが存在すると転写性により有効な結果を与え、とりわけこれらのオリゴマー中環状オリゴマーと線状オリゴマーが重量比で2/8〜8/2で存在するのが好ましい。
(溶融粘度安定化)
本発明においては、分子量の低下や着色の起こりにくいポリカーボネートおよびポリカーボネート組成物を得るために、溶融ポリカーボネートおよび溶融ポリカーボネート組成物の溶融粘度安定性に注目した。
【0060】
溶融ポリカーボネートおよび溶融ポリカーボネート組成物の粘度安定性は、乾燥した試料につき、窒素気流下、せん断速度1rad/sec、290℃で30分間測定した溶融粘度の変化の絶対値で評価し、1分あたりの変化率であらわす。この値を0.5%以下にすることが必須であり、この値が大きいとポリカーボネートの加水分解劣化が促進されることがある。実際的な耐加水分解安定性を確保するためにはこの値を0.5%にしておくと十分と判断される。そのために特に重合後に溶融粘度安定化剤を用いて溶融粘度を安定化することが好ましい。
【0061】
本発明における該溶融粘度安定化剤は、ポリカーボネート製造時に使用する重合触媒の活性の一部または全部を失活させる作用もある。
【0062】
溶融粘度安定化剤を添加する方法としては、例えば重合後にポリカーボネートが溶融状態にある間に添加してもよいし、一旦ポリカーボネートをペレタイズした後、再溶融し添加しても良い。前者においては、反応槽内または押し出し機内の反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間に溶融粘度安定化剤を添加してもよいし、また重合後得られたポリカーボネートが反応槽から押し出し機を通ってペレタイズされる間に、溶融粘度安定化剤を添加して混練することもできる。
【0063】
溶融粘度安定化剤としては公知の剤が使用でき、得られるポリマーの色相や耐熱性、耐沸水性などの物性の向上に対する効果が大きい点から、有機スルホン酸の塩、有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸無水物、有機スルホン酸ベタインなどのスルホン酸化合物、なかでもスルホン酸のホスホニウム塩および/またはスルホン酸のアンモニウム塩を使用することが好ましい。そのなかでも特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩などが好ましい例として挙げられる。
【0064】
本発明のポリカーボネート組成物においては成型時金型からの成型品の離型性を向上させる為、ポリカーボネート100重量部当り、炭素数10〜25の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルを5×10-3〜2×10-1重量部含有しポリカーボネート組成物とすることが好ましい。かかる量比で離型剤を含有する事により、スタンパーより基板表面に転写されたグルーブ、ピット等が変形する事無く、ディスク基板を金型より取りだす事が安定的に実施できる。上記目的を達成する為好ましくはポリカーボネート100重量部当り、炭素数10〜25の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜10脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルを5×10-3〜1×10-1重量部、更に好ましくは7.5×10-3〜7×10-2重量部、更に好ましくは1×10-2〜5×10-2重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0065】
本発明でいう炭素数10〜25の脂肪族モノカルボン酸とは、脂肪族の線状、或は分岐状カルボン酸を含有し、又飽和、或は不飽和カルボン酸を共に含有する。
【0066】
かかる脂肪族モノカルボン酸としては、具体的には、線状カルボン酸であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、および分岐脂肪酸であるイソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸[下記式(3)で表される混合物]、
【0067】
【化6】
Figure 0004759147
【0068】
イソパルミチン酸[下記式(4)]、
【0069】
【化7】
Figure 0004759147
【0070】
イソステアリン酸[下記式(5)]、
【0071】
【化8】
Figure 0004759147
【0072】
イソアラキン酸[下記式(6)]、
【0073】
【化9】
Figure 0004759147
【0074】
イソヘキサコ酸[下記式(7)]、
【0075】
【化10】
Figure 0004759147
【0076】
があげられる。その他不飽和カルボン酸である、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アハキドン酸(5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)、DHA(4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)、その他、オレイルサルコシン等が例示される。
【0077】
又本発明にいう炭素数2〜10脂肪族多価アルコールとしては具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、或は1,4−ブテンジオール、さらにはソルビトール、ソルビタン、ショ糖等が例示される。
【0078】
これら脂肪族カルボン酸と脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルの具体例としては、上記脂肪族カルボン酸のすくなくとも一種と、脂肪族多価アルコールのすくなくとも一種とのエステルが示される。
【0079】
具体的には、エチレングリコールモノイソパルミテート、エチレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレート、プロピレングリコールモノイソミリステート、1,4−ブタンジオールジイソパルミテート、1,4−ブテンジオールジイソステアレート、1,4−ブテンジオールモノステアレート、1,4−ブテンジオールジステアレート、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノミリステート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノベヘネート、グリセロールモノイソミリステート、グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノオレート、グリセロールモノリノレート、グリセロールジパルミテート、グリセロールジステアレート、グリセロールジイソパルミテート、グリセロールジイソステアレート、グリセロールジオレート、グリセロールステアレートイソパルミテート、グリセロールトリミリステート、グリセロールトリステアレート、グリセロールトリベヘネート、グリセロールトリイソステアレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノベヘネート、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノオレート、トリメチロールプロパンジパルミテート、トリメチロールプロパンジイソステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート、トリメチロールプロパントリイソミリステート、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジイソパルミテート、ペンタエリスリトールトリオレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトライソパルミテート、ペンタエリスリトールジオレートジステアレート、その他ソルビタンモノステアレート、ショ糖ジイソステアレート等が例示される。
【0080】
これらの中でのグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのエステル類が好ましく使用される。
【0081】
そのほか、以下例示する離型剤を所望により併用しても良い。
即ち、炭化水素系離型剤として、天然、合成パラフィンワックス類、ポリエチレンワックス、フルオロカーボン類等が;脂肪酸系離型剤としてはステアリン酸等の高級脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸等のオキシ脂肪酸等が;脂肪酸アミド系離型剤としてはエチレンビスステアリルアミドなどの脂肪酸アミド、エルカ酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミド類が;アルコール系離型剤としてはステアリルアルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコール、多価アルコールとしてポリグリコール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン類などをあげることができる。その他ポリシロキサン類も使用可能である。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0082】
(安定剤)
また、本発明のポリカーボネート組成物には、分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤を配合することができる。かかる熱安定剤としては、次亜燐酸、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、トリメチルホスフェートおよびベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましく使用される。これらの熱安定剤は、単独でもしくは2種以上混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の配合量は、本発明のポリカーボネート組成物100重量部に対して0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.1重量部が更に好ましい。
【0083】
(フィラー)
更に、本発明の芳香族ポリカーボネート組成物に本発明の目的を損なわない範囲で、剛性などを改良する為に無機および有機充填材を配合することが可能である。かかる無機充填材としてはタルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の板状または粒状の無機充填材やガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ワラストナイト、カーボン繊維、金属系導電性繊維等の繊維状充填材等があげられ、一方有機充填剤としてはアラミド繊維、架橋アクリル粒子、架橋シリコーン粒子等があげることができる。これら無機および有機充填材の配合量は本発明のポリカーボネート組成物100重量部に対して1〜150重量部が好ましく、3〜100重量部が更に好ましい。また、本発明で使用可能な無機充填材はシランカップリング剤等で表面処理されていてもよい。この表面処理により、ポリカーボネートの分解が抑制されるなど良好な結果が得られる。
【0084】
本発明のポリカーボネート組成物には、他の樹脂を本発明の目的が損なわれない範囲であれば配合することもできる。かかる他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂があげられる。
【0085】
本発明で言う光記録媒体とは、レーザー光などの光によって情報の記録、再生および/または消去を行う記録媒体のことである。具体的には再生専用のコンパクトディスクやビデオディスク、追記可能な光ディスク、書き換え化合物な光磁気ディスク、相変化ディスクなどを包含する。これらのディスクの中でも各種のものが提案されているが、樹脂の転写性が厳しくなる0.6mm厚さの基板を用いるDVD―RAM、ASMO.90mm1.3GB相変化ディスクなどに特に好適に用いられる。そして本発明の光記録媒体基板上に記録層を設置しこうした光記録媒体を構成することで欠陥セクタのない、且つ優れた光学特性を有するものを得ることができる。
【0086】
これらのディスク中でも本発明で好ましいのは光ディスク基板であり、ガラス転移温度が144〜148℃であり、エンタルピー緩和量が2.0〜3.6J/gである光ディスク基板である。本発明は現在の光記録媒体の主流である1.2mmの厚さの基板に用いられるのは言うまでもないが、その他の厚みの基板、特に最近開発が行われている0.6mm前後の厚みの基板では基板を成型する金型キャビティーでの冷却が厳しくなっているものに対しても有効に適用できる。該エンタルピー緩和量の範囲は、好ましくは2.2〜3.6J/gであり、更に好ましくは2.4〜3.4J/gである。
【0087】
該光ディスク基板は例えば本発明のポリカーボネート組成物より製造することができる。その方法としては基板、媒体を作製する一般的な基板、媒体成型技術が適用できる。
【0088】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(分析)
1)ポリカーボネートの固有粘度[η];塩化メチレン中、20℃、ウベローデ粘度管にて測定した。固有粘度より粘度平均分子量Mwは下記数式(a)より計算した。
[η]=1.23×10-4Mw0.83 (a)
【0089】
2)末端基濃度;サンプル0.02gを0.4mlのクロロホルムに溶解し、20℃で1H−NMR(日本電子社製EX−270)を用いて、末端のフェノール性水酸基濃度(eq/t)、末端のフェノキシ基濃度(eq/t)、フェノール性末端基濃度(モル%)を測定した。
【0090】
3)溶融粘度安定性;レオメトリックス社のRAA型流動解析装置を用い窒素気流下、剪断速度1rad/sec、300℃で測定した溶融粘度の変化の絶対値を30分間測定し、1分間当たりの変化率を求めた。ポリカーボネート樹脂組成物の短期、長期安定性が良好であるためには、この値が0.5%を超えてはならない。
【0091】
4)分岐成分の定量
ポリカーボネート0.1gを精秤し、テトラヒドロフラン5mlに溶解し、5N水酸化ナトリウムのメタノール溶液1mlを添加、室温で2hr攪拌加水分解した。ついで濃塩酸0.6mlをくわえ、逆相液体クロマトグラフィーにより定量した。
UV検出器;波長300nm、
カラム;Inertsil ODS−3(ジーエルサイエンス社製)
溶離液;メタノール/1%燐酸水溶液の混合溶離液
分析条件;カラム温度25℃、メタノール/1%燐酸水溶液混合比率、20/80から開始、100/0までのグラジエント条件下、上記式(2)−1〜3で示される構造単位を加水分解した構造の標準物質で検量線を作成、定量した。
【0092】
5)エンタルピー緩和量の測定
DSC測定において20℃/分で昇温、DSCカーブがほぼ直線的に推移する50℃から[onset温度(Tg近傍において直線より外れる温度)−5]℃までのデータを最小二乗法により近似直線を作成、本直線とDSCカーブとの差分を(Tg−5)から(Tg+10)℃まで積分吸熱量を計算、試料重量で規格化した。
Figure 0004759147
【0093】
6)加水分解安定性
組成物ペレットをオートクレーブ中、純水で120℃×10hr処理、粘度平均分子量の低下割合を測定、3%以上低下したものはNG、それ未満のものをOKと判定した。溶融粘度安定性1.0%を超えるものは全てNGであった。
【0094】
7)基板の成型;
基板を成型するため日精樹脂工業(株)製射出成型機(型名 MO40D3H)を使用、金型とスタンパーには記憶容量2.6GBの相変化型光記録媒体基板用(ディスク径120mm、厚さ0.6mm)のものを用いた。金型温度は可動部が123℃、固定部が128℃とした。又カッター、スプルーの温度は60℃とした。樹脂温度はシリンダー温度380℃とした。射出速度250mm/secでポリカーボネート組成物を金型キャビティーに充填し基板を成型した。
【0095】
8)転写性の評価
転写性の評価はセイコー電子工業製原子間力顕微鏡(AFM)SFA−300を用いて、基板表面の形状を測定した。図1には、転写性評価のための基板表面の断面形状を示す。その断面形状から図1に示す方法で、ランド高さ、ランド角度を求めた。即ち図1でランド面(L)とグルーブ面(G)の間隔がランド高さ(A)をあらわす。又c、dはL及びGからランド高さの10%中に入ったラインであり、それらと斜面の交点同士を結んだ直線がdと成す角度をランド角(θ)とした。基板内周より外周の転写性確保が厳しいため、半径58mm位置(58r)での評価を行った。
【0096】
なおこのスタンパーからガラス/2P法で作製した完全転写サンプルでは、Aとθはそれぞれ69nm、34度である。それぞれ以下のように判定した。
ランド高さ(A):67nm以下;NG、67超〜68nm;良好OK、68超〜69nm;優秀合格。
ランド角(θ):33.5度以下;NG、33.5超〜34度;良好OK、34超〜35度;優秀合格。
【0097】
(参考例1)PC−1
攪拌装置、精留塔および減圧装置を備えた反応槽に、原料として精製ビスフェノールAを137重量部、および精製DPCを133重量部、重合触媒としてビスフェノールA2リチウム塩7.1×10-5重量部(1μ当量/BPA1モル)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド5×10-3重量部を仕込んで窒素雰囲気下180℃で溶融した。
【0098】
攪拌下、反応槽内を13.33kPa(100mmHg)に減圧し、生成するフェノールを溜去しながら20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、徐々に減圧し、フェノールを溜去しながら4.000kPa(30mmHg)で20分間反応させた。さらに徐々に昇温し、220℃で20分間、240℃で20分間、260℃で20分間反応させ、その後、260℃で徐々に減圧し2.666kPa(20mmHg)で10分間、1.333kPa(10mmHg)で5分間反応を続行し、最終的に260℃/66.7Pa(0.5mmHg)で粘度平均分子量が15300になるまで反応せしめた。その後ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩(以後DBSPと略称する)7.2×10-4重量部を添加、260℃、66.7Pa(0.5mmHg)で10分間攪拌した。
【0099】
得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は15300、フェノール性水酸基濃度130(eq/ton−ポリカーボネート)、フェノール性末端基濃度〔54モル%/全末端〕、フェノキシ基濃度191(eq/ton−ポリカーボネート)、分岐成分量;0.03モル%、溶融粘度安定性0%であった。
【0100】
(参考例2)PC−2
参考例1において粘度平均分子量が15300になるまで反応させた後さらに2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート(以後SAMと略称)を2.62×10-2重量部添加、260℃、133.3Pa(1mmHg)で10分間攪拌し、その後DBSPを7.2×10-4重量部を添加、260℃、66.7Pa(0.5mmHg)で10分間攪拌した。
得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は15300、フェノール性水酸基濃度48(eq/ton−ポリカーボネート)、フェノール性末端基濃度〔20モル%/全末端〕、フェノキシ基濃度191(eq/ton−ポリカーボネート)、分岐成分量;0.03モル%、溶融粘度安定性0%であった。
【0101】
(参考例3)PC−3
参考例2において下記化合物C−BPA[2−(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]0.21重量部を添加して重合を行った。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は15300、フェノール性水酸基濃度48(eq/ton−ポリカーボネート)、フェノール性末端基濃度〔20モル%/全末端〕、フェノキシ基濃度191(eq/ton−ポリカーボネート)、分岐成分量;0.15モル%、溶融粘度安定性0%であった。
【0102】
(参考例4)PC−4
ホスゲン吹き込み管、温度計及び攪拌機を設けた、容量5Lの反応槽に、原料として精製ビスフェノールA、502.8g(2.21モル)、7.2%水酸化ナトリウム水溶液、2.21L(水酸化ナトリウム4.19モル)及び、ハイドロサルファイトナトリウム、0.98g、(0.0056モル)を仕込んで溶解し、攪拌下、塩化メチレン、1.27L及び48.5%水酸化ナトリウム水溶液、80.70g(水酸化ナトリウム、0.98モル)を加えた後、ホスゲン250.80g(0.253モル)を25℃で180分かけて加え、ホスゲン化反応を行った。
【0103】
ホスゲン化終了後p−tert−ブチルフェノール、17.51g(0.117モル)、及び48.5%水酸化ナトリウム水溶液、80.40g(0.97モル)及び触媒としてトリエチルアミン、1.81ml(0.013モル)を加え、33℃に保持し2時間攪拌して反応を終了させた。反応混合液より、塩化メチレン層を分離し、水洗を5回繰り返し精製して、粘度平均分子量15300、フェノール性水酸基濃度15(eq/ton−ポリカーボネート)、フェノール性末端基濃度〔6モル%/全末端〕、フェノキシ基濃度224(eq/ton−ポリカーボネート)、分岐量0.001モル%以下、溶融粘度安定性;0.1%のポリカーボネートを得た。
【0104】
[実施例1〜9および比較例1]組成物ペレットおよびディスクの作成
上記参考例のポリカーボネートに、表1中に記載の種類、および量のA)脂肪酸エステル、B)亜燐酸エステル、C)燐酸、亜燐酸、又は燐酸エステル、及びD)フェノール系化合物の各成分を,タンブラーを使用して均一に混合した後、30mmφベント付き二軸押出機(神戸製鋼(株)製KTX−30)により、シリンダー温度290℃、1.33kPa(10mmHg)の真空度で脱気しながら表1中に記載の条件でポリカーボネート組成物ペレットを得た。
得られた組成物の物性、及び転写性評価結果を合わせて、表1中に記載する。
【0105】
また前述の手法によりディスク基板の成型を行い、物性の評価を行った結果を表1に記載する。
【0106】
【表1】
Figure 0004759147
【0107】
【発明の効果】
本発明により、精密成型に好適な、とりわけ光ディスク成型に好適な転写性に優れたポリカーボネート組成物を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写性評価方法の説明図
【符号の説明】
L:ランド面
G:グループ面
A:ランド高さ
θ:ランド角度
c:ランド面からランド高さの10%下のライン
d:グループ面からランド高さの10%上のライン

Claims (6)

  1. 主たる繰り返し単位が下記式(1)
    Figure 0004759147
    (上記式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキル基又はアリール基であり、Wは単結合、アルキリデン基、アルキレン基、シクロアルキリデン基、シクロアルキレン基、フェニル基置換アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、またはスルホン基である。)
    で表され、粘度平均分子量が12000〜17000である芳香族ポリカーボネート100重量部中、炭素数10〜25の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜10の多価脂肪族アルコールの脂肪酸エステルを0.005〜0.2重量部含有するポリカーボネート組成物からなるペレットを製造する方法であって、溶融状態の当該ポリカーボネート組成物を0℃またはそれ以下の温度の冷却溶媒中にノズルを通して押出すことを特徴とするポリカーボネート組成物ペレットの製造方法。
  2. 冷却溶媒中にノズルを通して押出されたポリカーボネート組成物のストランド太さが2mm径以下であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネート組成物ペレットの製造方法。
  3. 該芳香族ポリカーボネートが芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成前駆体とをエステル交換触媒の存在下溶融重合法により製造されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のポリカーボネート組成物ペレットの製造方法。
  4. 該エステル交換触媒がリチウム金属化合物を含有することを特徴とする請求項記載のポリカーボネート組成物ペレットの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート組成物ペレットの製造方法によってポリカーボネート組成物ペレットを得、かかるペレットを用いて成形された光ディスク基板。
  6. ガラス転移温度が144〜148℃であり、エンタルピー緩和量が2.0〜3.6J/gである請求項5記載の光ディスク基板。
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